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「地域経済活性化に向けた『事業性評価』の取組みの

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「地域経済活性化に向けた『事業性評価』の取組みの
財務省 福岡財務支局 主催
「地域密着型金融に関するシンポジウム」
地域経済活性化に向けた「事業性評価」の取組みの狙いと課題
2016年3月
村岡 隆史
取締役パートナー
株式会社 経営共創基盤
Industrial Growth Platform, Inc. (IGPI)
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
自己紹介

(株)三和銀行、モルガンスタンレー証券勤務

2003年 (株)産業再生機構に参画

企業再生への取組
三井鉱山、ダイエー、ミサワホーム、カネボウ化粧品

2007年 (株)経営共創基盤(IGPI)を共同で設立

コンサルティング事業
新規事業開発支援、事業承継支援、企業再生支援、海外進出支援、M&Aアド
バイス等 経営コンサルティング支援多数
SEM006120528

金融庁参与(兼務) 地域金融政策担当

クールジャパン機構取締役(兼務)
IGPI All Rights Reserved
-1-
企業再生の実績(営業利益率推移)
XXXX
XXXX
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
-2-
産業再生機構(IRCJ)取組み実績
企業名
支援決定
業種
オーシーシー
2004年8月6日
電線
HIS
フェニックス
2004年8月30日
アパレル
フットワークエクスプレス
服部玩具
2004年8月31日
卸売業
タカラ
レオパレス21
粧連
2004年9月28日
卸売業
パルタック
ニューMDパートナーズ
大京
2004年9月28日
不動産
オリックス
関東自動車
2004年11月26日
運輸
ジェイウィルパートナーズ
三景
2004年11月30日
卸売業
MKSパートナーズ
あさやホテル
2004年12月8日
宿泊業
とちぎフレンドリーキャピタル
金精
2004年12月8日
宿泊業
個人
田中屋
2004年12月8日
宿泊業
とちぎフレンドリーキャピタル
玉野総合コンサルタント
2004年12月24日
建設
コンサル
タント
ダイエー
2004年12月28日
小売
アドバンテッジパートナーズ、
丸紅
ミサワホーム
2004年12月28日
住宅
トヨタ自動車、野村プリンシパ
ルファイナンス、あいおい損保
保険
シートゥーネットワーク
アビバジャパン
2005年1月18日
教育
ベネッセ
支援決定
業種
うすい百貨店
2003年8月28日
小売
三越
九州産業交通
2003年8月28日
運輸
九州産交運輸
2003年8月28日
運輸
ダイア建設
2003年8月28日
不動産
マツヤデンキ
2003年9月26日
小売
明成商会
2003年9月26日
卸売業
東京コンピュ-タ-サービス
津松菱
2003年10月24日
小売
ジャパンリカバリーファンド
新日鉄、住友商事、
大和證券SMBCプリンシパル
インベストメンツ
企業名
スポンサー
三井鉱山
2003年10月31日
鉱業
八神商事
2003年10月31日
卸売業
ピップフジモト
富士油業
2003年12月19日
石油卸
富士興産
大阪マルビル
2004年1月28日
不動産
大和ハウス工業
金門製作所
2004年1月28日
計測器
山武
カネボウ
2004年3月10日
繊維
花王、トリニティインベストメント
ロングリーチグループ
オリックス
日本工営
カネボウ化粧品
2004年3月10日
化粧品
フレック
2004年4月27日
小売
大川荘
2004年5月17日
宿泊業
八幡屋
オグラ
2005年1月18日
卸売業
菱食
タイホー工業
2004年5月20日
化学
イチネン
鬼怒川温泉山水閣
2005年1月18日
宿泊業
とちぎフレンドリーキャピタル
ホテル四季彩
2004年6月4日
宿泊業
鬼怒川グランドホテル
2005年1月18日
宿泊業
フレンドシップカンパニー
ミヤノ
2004年6月4日
機械
東証2部上場
宮崎交通
2005年1月18日
運輸
スカイネットアジア
航空
2004年6月25日
運輸
ANA、宮崎交通グループ
奥日光小西ホテル
2005年2月3日
宿泊業
ジー・アール・ビー・インベストメ
ント・インク
アメックス協販
2004年7月13日
建材
山陰再生ファンド
金谷ホテル観光
2005年2月3日
宿泊業
とちぎフレンドリーキャピタル
栃木レザー
2004年7月21日
皮革
ジェイ・オー・ピー、山陽
釜屋旅館
2005年2月3日
宿泊業
とちぎフレンドリーキャピタル
SEM006120528
花王、トリニティインベストメント
スポンサー
とちぎフレンドリーキャピタル
全日空、雲海酒造、その他
IGPI All Rights Reserved
-3-
企業再生の機能 ~事業のリサイクル機能
競争
成長
優勝劣敗
M&A
再生
淘汰・再編
新しい資金、新しい人材
創業
廃業
整理
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
-4-
まち・ひと・しごと創生に関する有識者懇談会
(14/08/26)説明用ペーパー
Gの世界とLの世界:経済特性、産業構造が大きく異なる2つの経済圏の存在
Gの世界(グローバル経済圏)
Lの世界(ローカル経済圏)
 モノ、情報
 持ち運び可能(貿易財)
 コト、サービス(基本的に対面型)
 生産と同時にその場で消費される(同時性・同場性)
業
種
例
 自動車・電機・機械
 医療機器・製薬
 情報・IT産業の非対面機能
 交通(鉄道、バス、タクシー)・物流
 飲食・宿泊・対面小売・卸売
 社会福祉サービス(医療、介護、保育等)
産
業
構
造




商
品
生
産
性
雇
用
特
徴


サービス産業、中堅・中小企業が中心
ローカル経済圏での不完全競争(労働集約的、密度の経済性で
分散的な産業構造⇒地域密着型の域内競争が基本)
GDP比は長期漸増で60~70%超の世界(先進国共通のトレンド)

労働生産性(投入時間当り付加価値生産額)は世界トップク
ラスかつ事業者間のばらつきも小さい
資本生産性(ROE, ROA)は改善の余地大
 労働生産性が非常に低い
-先進国比で最低レベル(米国の約半分、独仏にも劣る)
-国内製造業比でも約半分
 同一業種の事業者数が多く、生産性のばらつきも大きい



長期的に漸減傾向(約20%の世界)
知識集約型(高度な技能の人材が中心、高賃金)
メンバーシップ型雇用中心で流動性が低い



空洞化が起きにくく、長期的に増加傾向(約80%の世界)
労働集約型(平均的技能の人材が中心、低賃金)
-5ジョブ型雇用中心で流動性が高い

生産拠点の立地選択が必ずしも商品の消費地に依存しな
い(拠点毎の目的に応じた最適な立地を選択可能)
国際経常収支的には、貿易収支または所得収支の稼ぎ手
グローバルな競争市場の原理に支配されざるを得ない

不完全競争市場、かつ公共性の高い規制業種が多く、市場規律
が働きにくい(顧客の商品選択の自由が限定的)
従来は「雇用の受皿」だったが、今後は労働力不足がより深刻化
するため、労働生産性と労働参加率の向上が喫緊課題
地域社会との共創・共生的な経済原理と相性が良い



SEM006120528
製造業、大企業が中心
グローバル経済圏での完全競争(資本集約的でグローバル
な規模の経済性、世界水準の差別化⇒栄光か淘汰か)
GDP比は長期漸減で約30~40%の世界


IGPI All Rights Reserved
-5-
産業別・企業規模別の企業等数
 全体の9割近くを非製造業の中小規模事業者が占めている。また、製造業よりも非製造業の方が、中小規模事業
者の占める割合が大きい。
2(0.6%) 43(10.5%)
367(88.9%)
(単位:万社)
2
1
大会社
中小会社
139
会社以外の法人
(33.7%)
個人
27
(6.5%)
24
(5.8%)
0
16
(3.8%)
農林水 製造業
産業
202
(48.9%)
=88.4%
その他非製造業
出所:資料:総務省・経済産業省「平成24年経済センサス‐活動調査」再編加工
SEM006120528
(注)大会社=資本金1億円以上、中小会社=資本金1億円未満および資本金不詳
IGPI All Rights Reserved
-6-
産業別・企業規模別の従業者数
 全体の約6割を非製造業の中小規模事業者が占めている。また、製造業よりも非製造業の方が、中小規模事業者
の占める割合が大きい。
(単位:万人)
34(0.6%) 1,004(18.8%)
4,311(80.6%)
1,079
(20.2%)
446
(8.3%)
大会社
中小会社
会社以外の法人
個人
1,949
(36.4%)
=60.4%
507
(9.5%)
46
農林水 製造業
産業
696
(13.0%)
5
588
(11.0%)
その他非製造業
出所:資料:総務省・経済産業省「平成24年経済センサス‐活動調査」再編加工
SEM006120528
(注)大会社=資本金1億円以上、中小会社=資本金1億円未満および資本金不詳
IGPI All Rights Reserved
-7-
成長戦略の挑戦課題:競争を勝ち抜く共通のKey wordは「生産性」「新陳代謝力」
 両経済圏は緩やかな相互依存関係だが、直接的な関連性を持っていない(トリクルダウンが起きない背景)。
 GとLの二つの世界を抱えながら前に進まざるを得ないこれからの時代は、重要なことはGかLかではなく、GにはG
の、LにはLの特性に対応した政策体系、成長戦略を用意し、共存させることである。
テ
ー
マ
挑
戦
課
題
Gの世界(グローバル経済圏)
Lの世界(ローカル経済圏)
ビジネスのオリンピックを勝ち抜く
「新陳」と「代謝」の同時促進
① オリンピック水準の競技環境を整える
⇒ 世界水準の立地競争力と競争ルール(コー
ポレート・ガバナンスを含む)を整備
⇒ 世界のトッププレーヤーたち(企業、個人)
 今こそ穏やかな退出・集約化政策と
のアジアにおける活動拠点に
スマート・レギュレーションで、地域経済に生産
性と安定雇用と賃金の同時上昇を達成する
② 大中小を問わず日本企業のオリンピックメダ
リストを増やす
⇒株価、貿易収支、所得収支で国富を増大
資本生産性(資本効率)の向上
SEM006120528
労働生産性の向上
IGPI All Rights Reserved
-8-
Lの成長戦略の根本課題:地域経済の基幹産業たるサービス産業の労働生産性
と賃金を大幅に押し上げること
 両経済圏は緩やかな相互依存関係だが、直接的な関連性を持っていない(トリクルダウンが起きにくい背景)
 重要なことはGかLかではなく、GにはGの、LにはLの特性に対応した政策と成長戦略を用意し、共存させること
 アベノミクス効果で需給ギャップが急速に解消し、従来からの生産労働人口減少による供給制約要因が特にLの経
済圏、雇用の80%を占める地域密着型サービス産業の世界で問題になる中、そこでの労働参加数の拡大と労働
生産性上昇(≒持続的賃金上昇)こそが、ローカルアベノミクスの本丸
テ
ー
マ
挑
戦
課
題
「新陳」と「代謝」の同時促進による労働生産性と賃金の上昇
①スマートな(賢い)レギュレーションで、地域社会との共生力と、イノベーションによる労働生産性向上力(付
加価値up力、業務効率性up力)とを両立できる事業者、起業家を後押し
 緩和すべき規制(ex. 既得権保護型の参入主体規制等)
 強化すべき規制(ex. 最低賃金制度、労働・安全監督等)
 新たなガバナンスモデル(非営利ホールディングス型)の導入⇒公共性の高い産業の集約化・統
合化を推進
②コンパクトシティ化で地域の消費密度を高める
⇒「密度の経済性」に支配される地域のサービス業務(公共サービスを含む)の効率化
③職業訓練やジョブ型正社員化促進等でサービス産業従事者の潜在生産性向上と就労支援を進める
④穏やかな退出・集約化政策とスマート・レギュレーションで、地域経済に生産性と安定雇用と賃金の
同時上昇を達成する。
⇒労働生産性(≒実質賃金)を高めて欧米先進国並みに
⇒集約化・統合化で域内に規律ある寡占的安定を形成
⇒高労働生産性(≒高賃金)かつ安定雇用の企業へ事業と雇用を集約
⇒雇用の80%を占めるLの世界で賃金→消費→投資の好循環を実現へ
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
-9-
非製造業の労働生産性の国際比較
 日本の生産性は、米国の5割程度にとどまっており、欧米諸国(独、仏、英)と比較しても低水準となっている
労働生産性水準(1980~2010年)
労働生産性対米比(1980~2010年)
ドル
ドル
日本
米国
ドイツ
フランス
英国
日本
米国
ドイツ
フランス
英国
60
120
55
110
50
51.2 100
100.0
45
44.8
90
87.6
40
39.0
34.8
80
76.2
67.9
35
30
27.6
25
70
60
20
40
15
30
10
20
5
10
0
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
53.9
50
0
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
出所:経済産業省「通商白書2013」
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 10 -
産業別/規模別の労働生産性比較
 中央値でみると、商業・サービス業の方が製造業よりも労働生産性がやや低い。また、労働生産性の格差は、大規
模事業者よりも小規模事業者の方が、また製造業よりも商業・サービス業の方が、顕著に大きい。
製造業
大企業
労 (単位:万円/人)
働
1,587
生
産
性
商業・サービス業
中規模企業
大企業
1,769
中規模企業
小規模事業者
上位10%
1,633
中央値
1,350
1,265
901
519
小規模事業者
下位10%
900
747
638
278
579
360
356
357
204
50
44
31
倍 (単位:%)
率
18
3
5
出所:財務省 「平成23年度法人企業統計年報」 再編加工
(注)1.労働生産性=付加価値額/従業者数
2.付加価値額=人件費+支払利息等+動産・不動産賃借料+租税公課+営業純益
3.従業者数=役員数+従業員数
SEM006120528
4.倍率=上位10%の労働生産性/下位10%の労働生産性.
5
8
IGPI All Rights Reserved
- 11 -
主要国の開業率国際比較
出所:日本:法務省登記統計、国税庁「国税庁統計年報書」より算出
アメリカ:U.S. Business Dynamics Statistics
イギリス:Office for National Statistics「Business Demography」
ドイツ:Statistisches Bundesamt
フランス:2014年中小企業白書
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 12 -
主要国の廃業率国際比較
出所:日本:法務省登記統計、国税庁「国税庁統計年報書」より算出
アメリカ:U.S. Business Dynamics Statistics
イギリス:Office for National Statistics「Business Demography」
ドイツ:Statistisches Bundesamt
フランス:2014年中小企業白書
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 13 -
Lモードの地域密着・対面型サービス産業の生産性向上で世帯所得の倍増を!
1. 先進国中、最低レベルの労働生産性の原因の直視
・ 経営レベルの低さとばらつきの大きさ
・ 域内における過当競争問題
・ 消費密度の低下(密度の経済性⇒「まち」のコンパクトシティー化の重要性)
・ リスクマネーの不足?(YesでありNoでもある)
・ 企業やイノベーションを妨げる規制の存在?(YesでもありNoでもある)
2. 地域企業の経営を担う「ひと」のレベルを高める施策群の展開
・ 大都市に偏っている経営人材を地域企業へ還流・循環する施策(Ex.官民「人材」ファンドモデル)
・ 域内の優秀な経営者のもとへスムーズに事業と雇用の集約化を促進する新陳代謝施策
⇒ベストプラクティスを地域内、地域間で横展開
3. サービス産業に従事する「ひと」のスキルレベルを高める施策群の展開
・ ジョブ型雇用領域において有効な職業訓練の展開と労働市場改革
4. 地域創生関連施策を労働生産性と賃金・雇用に紐づけること
Ex. 海外観光客の誘致をどう高賃金の安定雇用創出につなげるのか?
5. 地方自治体単位でのきめ細かい「見える化」と粘り強いPDCA管理
・ KPI(生産性指標、賃金・雇用指標など)をリアルタイムで把握し施策効果の評価と見直しを継続
・ 地域金融機関等とも連携して「生産性運動2.0」を展開
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 14 -
GとLの地方版成長戦略の枠組:「ひと」から始動せよ!
戦略① L型産業の労働生産性と賃金向上(サービス産業の高付加価値化and/or業務効率改善)
戦略② G型産業の拡大(グローバル大企業の地方誘致、「隠れたチャンピオン」企業育成、プレミア
ム特産品の育成等)
戦略③ GとLのシナジー追求(G→L:訪日観光客の地方への取り込み、L→G:地域で生まれた新サー
ビス、新商品、ベンチャー企業のグローバル展開)
労働生産性(≒
付加価値生産
投入労働時間
G
型
の
産
業
≒賃金)
戦略③
戦略①
戦
略
②
製造業
IT産業
プレミアム
特産品
L型の産業
小売、卸売、物流、公共交通、宿泊、外食、
医療、介護、保育、農林水産業の大半
就労人口数
SEM006120528
約2割
約8割
IGPI All Rights Reserved
- 15 -
広域連携効果とは~地方公共交通の事例
ベストプラクティスの横展開により、単独では成し得ない改善効果を生み出す
岩手県北バス
単独の
改善
会津バス
福島交通
単独の
改善
単独の
改善
みちのり
HD
単独の
改善
関東自動車
SEM006120528
単独の
改善
茨城交通
IGPI All Rights Reserved
- 16 -
地域金融に期待されるもの

信用創造に貢献出来ているか

地方版成長戦略への貢献に向けて何をするべきか



L型G型、各企業特性に応じた目利き力、取引推進(事業性評価)

労働生産性向上、新陳代謝への貢献
地域金融機関の経営の持続性のために

事業性評価は万能ではない

地域金融機関自身もL型産業である

金融機関毎の独自の戦略が求められている
金融庁自身の改革も問われている

SEM006120528
金融危機から金融平時対応への組織改革
IGPI All Rights Reserved
- 17 -
事業の「良し悪し」を判断する際、よく言われるフレームワーク
市場 (Customer)
競争 (Competitor)
自社 (Company)
自社の事業戦略
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 18 -
事業性評価の考えるフレームワーク
事業経済性
市場
競争
ゲームのルール(一般解)
“End of the Game”
“勝ち残りのパターン”
自社
 事業ドメイン・競争
ポジション
 競争優位の源泉の
有無/強弱
 組織内部の特性/
動機づけの構造
自社の事業戦略(固有解)
 外部ステークホル
ダーのビヘイビア
 どうやって勝ち抜いていくか?
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 19 -
規模の経済性
 身近に、規模を大きくすると共有コストが薄まる経済構造は、どんな例がありますか?
売り上げ
利益
利益
固有コスト
共有コスト
5ユニットの場合
10ユニットになると
平均コスト=総コスト/ユニット数が低下
 規模効果とは、ユニット数量増に伴い(ユニットあたりの)平均コストが低下する経済効果を言う
 規模効果が効くためには、共有コストが厚いことが大前提
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 20 -
参考)
自動車メーカーの規模と収益性
2007年度
10
9
8
売
上
高
営
業
利
益
率
(
%
)
7
6
5
4
3
2
1
0
1,000,000
10,000,000
100,000,000
売上高(百万円)
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 21 -
広義の規模の経済性
 大きくなると交渉力が高まる
 仕入の規模効果
 販売先等との力関係
 経験曲線(累積経験量に応じてコストダウン)
 いわゆる「歩留まり」の改善
 日本の企業が得意な「擦り合わせ」「現場改善」はこの効果と大きな関係あり
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 22 -
参考)
食品卸の規模と収益性
2010年度
9
8
7
売
上
高
営
業
利
益
率
(
%
)
6
5
4
3
2
1
0
1,000
-1
10,000
100,000
1,000,000
10,000,000
-2
売上高合計(百万円)
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 23 -
参考)
システムインテグレーターの規模と収益性
2010年度
40
35
30
売
上
高
営
業
利
益
率
(
%
)
25
20
15
10
5
0
10,000
-5
100,000
1,000,000
10,000,000
売上高合計(百万円)
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 24 -
参考)
規模型事業と分散型事業
 共有コストの厚みによって、規模を拡大することの経済的意味が明らかに異なる。
規模型事業
分散型事業
 共有コストの比率が高く、事業拡大に
伴って共有コストが薄まり、利益率が
向上する
 共有コストの比率が低いため、事業拡
大が利益率向上に結び付きにくく、取
引条件や立地など個別要因に利益率
が大きく依存する
利
益
率
利
益
率
事業規模
事業規模
固有コスト
共有コスト
共有コスト
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 25 -
範囲の経済性
 範囲の経済性が効く事業は、身近に、何がありますか?
A固有コスト
A A A A A
B固有コスト
B B B B B
A A A A A
B B B B B
Bについても共有できるコスト
(共有コスト)
 範囲の経済性とは、事業/製品等のユニットの複線化により、ユニットあたりの平均コストが
低下する経済効果を言う(ここではAというユニット群にBというユニット群の売り上げを乗せ
ることで、コスト効率が高まっている)
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 26 -
密度の経済性
 密度の経済性が効く事業は、身近に、何がありますか?
各店舗固有のコスト
(固有コスト)
店舗間で共有できるコスト
(共有コスト)
 密度の経済性とは、エリア内の事業/事業所/取引先等のユニット数の増加(ユニット密度
の上昇)により、ユニットあたりの平均コストが低下する経済効果を言う(ここでは、同一エリ
アで3店舗から7店舗に増やした場合の物流費や店舗管理コストが薄まっている)
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 27 -
付加価値構造の違い ⇒ ゲームのルールの違い
【産業財メーカー等】
特に「障壁事業か否か?」
【卸売業】
【レストラン等】
販管費
付
加
価
値
店舗コンセプト
販管費
立地
価格帯
加工費
メニュー
仕入原価
接客
売上から外部
調達を除いた
もの
食材選び
仕入原価
材料費
◆ 付加価値比率が高く、競
争要因が限定される事業
は、競争力の面で大きな
格差をつけやすい。(障
壁ビジネス)
SEM006120528
<付加価値規定要素 >
◆ 付加価値の比率が低
いビジネスは障壁化し
にくい。また規模の不
経済が働くビジネスが
このタイプ。
調理方法
◆ 付加価値の比率が一定以上あり、ドライバー
が多様な産業は、競争要因が多くなり、様々な
戦い方をする企業が並存しやすい。(オペレー
ションビジネス、機会ビジネス)
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- 28 -
参考)
業種による付加価値構造の違い
【JFEスチール】
(高炉鉄鋼 )
【菱 食】
(食品卸)
営業利益
営業利益
営業利益
販管費
・運賃保管料
・給料手当等
・事務費等
販管費
【ユニクロ】
(衣料品SPA)
【イオン】
(日用品小売)
販管費
・給与・賞与
・法定福利厚生費
製造経費
・外注作業費
・減価償却費
営業利益
その他
・水道光熱費
・修繕維持費
広告宣伝費
地代家賃
その他
広告宣伝費
販管費
地代家賃
人件費
労務費
売上原価
製造原価
営業原価
売上原価
材料費
SEM006120528
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- 29 -
付加価値の大きさと事業経済性
事業性評価において、まず見るべき点は財務諸表に加えて以下のポイント
内容
例示
 対象会社の付加価値率(売上-外部調達)の大きさ
付加価値の
大きさ
利益
 経営改善の可能性を見る際に、コスト面で自分
付
加
価
値
その他
コスト
たち自身でコントロールできる範囲をどの程度
持っているかはとても重要
外部調達
 対象会社の事業経済性
10
 規模型事業or分散型事業(売り上げを伸ばす
事業経済性
と利益率が上がる構造なのか否か?)
 計画の方向性を検討する上で重要な要素
9
8
営7
業6
利
益5
率4
(
%3
)2
1
0
1,000,000
規模が効く
10,000,000
100,000,000
売上高(百万円)
上記2点を見れば経営改善の可能性・計画の方向性が大まかに見えてくる
SEM006120528
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- 30 -
業態による付加価値の差
付加価値(=売上-外部調達)業態により大きく異なる。
外食チェーン
産業材メーカー
営業利益
営業利益
家電量販
営業利益
卸売業
営業利益
販管費
販管費
付
加
価
値
売上から外部調
達を除いたもの
賃料他
販管費
加工費
人件費
仕入原価
仕入原価
仕入原価
経営改善の
難易度
難易度低
材料費
難易度高
 付加価値が小さい企業はコスト削減等の施策が限定的で経営改善が困難な場合が多い
 よって、同じ利益率の企業の中でも、付加価値率が低い企業はより注意が必要 (業績が悪く
なっても容易に立て直せない)
SEM006120528
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- 31 -
事例①:付加価値率が高い企業(外食チェーン)の立て直し
営業利益
計画策定
【営業利益率推移(実例)】
販売費
設備費
(賃料等)
6%
付
加
価
値
5.2%
5%
4%
販管費
3%
人件費
売上
原価





店舗人員の効率化
本社人員の効率化
不採算店舗撤退
賃料交渉
メニュー改定
2.5%
1.5%
2%
1.6%
1%
0%
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
材料費
 付加価値が大きいため、コスト削減等の施策が打ちや
すく、短期間での経営改善に成功
SEM006120528
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- 32 -
事例②:付加価値率が低い企業(建材メーカー)
営業利益
販管費
原油価格とアスファルト価格の推移
(ドル、円)
140
製造経費
130
120
労務費
リーマンショックで原油価格下落
原油(WTI)
ストレートアスファルト
80,000
110
70,000
6.0%
100
60,000
90
80
売上
原価
90,000
50,000
70
40,000
60
材料費
(アス
ファルト)
50
40
3.0%
30,000
3.5%
3.4%
30
20
10
3.0%
20,000
1.1%
10,000
営業利益率の推移
0
0
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
SEM006120528
 付加価値が低いことに加え、材料の大分部を占めるアスファルト価格が原油相場に依存しているため、原油価格次
第で対象会社の利益が決まる構造
 よって会社自身でのコストコントロールが非常に困難であり、仮にリーマンショックが無ければ、厳しい状況に追い込
まれていた可能性大
→ 経営が外部環境に大きく依存しており、最も注意が必要なタイプの企業
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- 33 -
付加価値を切り口とした計画策定
【コスト構造】
営業利益
【計画策定の切り口】
(億円)
XXXXXXX
6.0
物流費の削減
5.0
XX
原価低減
XX
人件費の効率
3.0
XX
●
円
億
円
XX
2.0
1.0
XX
商品構成の見直し
4.0
加工費
XX
ロス率の低減
販管費
●
円
付加価値の領域を中心に施策の積み上げ
足元の利益
目標利益
 仕入れ業者と交渉・相見積の実施
材料費
 間接材の値下げは比較的容易だが、直接材に関してはスイッチング
が困難で値下げが困難なケースが多い
 設計変更等を通じた商品部材の見直し
 本質的な改善手法として有効。但し時間がかかる
SEM006120528
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- 34 -
規模型事業と分散型事業の複合型
ITベンダー各社の売上高と当期利益率の相関
事業特性
当期利益率
35.0%
パッケージ開発系
SI系
パッケージ開発系
30.0%
営業利益
事業特性

規模型
25.0%
販管費
その他
原価
20.0%

付
加
価
値
15.0%
SI系
10.0%
労務費
分散型
5.0%
外注費
0.0%
100
1000
-5.0%
10000
売上
(億円)
材料費
(機器,パッ
ケージ等)
営業利益
事業規模の単純な拡大は
プロジェクト管理コスト・リス
クの増大をまねき、収益が
悪化(分散型事業)する傾
向にある
商品・パッケージに縛られ
ないため、事業・サービスの
自由度が広い(競争要因・
打ち手が多数)
規
模 勝ちパターン
が
効
か  売上の拡大よりも個別採算
な 性を重視し健全な案件を積
い み上げることが重要
 案件毎、拠点毎、外注
先毎など全ての個別単
位で、条件設定、収益管
理、コスト改善、オペ
レーション効率化をきめ
細かくやり続けることに
より収益を作り上げてい
く
事業特性
パッケージ事業は規模型事
業の性質を有しており、規模
の拡大によって収益性が増
加する傾向にある。
 販売本数の増加による開
発コストの負担軽減
 大手パッケージ会社に集約さ
れ、デファクト化が進行する
傾向にある。
 開発投資余力がある

販管費
その他
原価
付
加
価
値
労務費
勝ちパターン
規
模
の
効
果
パッケージ
開発費
M&A等を通じ規模を追及
しデファクト化。それができ
なければ淘汰の道へ
 特定分野の中でNo1シェ
ア獲得

-10.0%
(対数目盛表示)
 SI系の事業特性は「分散型」。共有コストの比率が低く規模の経済が効きにくい為、事業拡大が収益率の向上に繋がりにくい
 一方、パッケージソフト系の会社は、開発、メンテナンスコスト等で共有コスト比率が高まる為、規模の効果はあらわれる。
SEM006120528
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- 35 -
参考)SI系の打ち手
本事業は分散型の事業特性であり、収益改善のためには、様々な打ち手を木目細かく、粘り強く行っていく
ことが必要
 間接人員の体制見直し、再配置
100%
販売費および
一般管理費
その他管理費
 間接人員の効率
 通信網の新設・契約の見直し
のれん償却費
人件費
80%
 通信回線の使用量
 リース資産・料率(リース会社との交渉力)
製造経費
60%
40%
改善に向けた施策
コストドライバー
<コスト構造>
製造原価
 賃料水準(場所、広さ)
 利用率
その他人件費
 投資額
20%
開発人件
費
SEM006120528
 不稼働資産の撤退・返却
 賃料交渉
賃料
減価償却費
外注費
(派遣OP費用)
 リース料率の引き下げ交渉
 開発案件数・工数・効率(開発スピード等)
※SV、設計担当等
 稼働率
 開発生産性
(一人当たりの売上・利益)データ登録数)
 開発人件費単価
 派遣会社との交渉力
 設計方法論(手順・標準アウトプット)、ナレッ
ジ共有化の構築
 スキルアップ・養成
稼働率
 日次/年間繁閑差の縮小
 需要予測の精度向上
 労働構成のフレキシビリティ
 納期コントロール
開発生産性
 開発スキル向上
 システムの改善による生産性向上
開発人件費単価
 社員/派遣の割合最適化
 派遣会社との交渉・パート化推進
 残業・深夜勤務の削減
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- 36 -
対象会社の戦略策定案 ~外食事業~
市場(Customer)
競争(Competitor)
 市場
 少子高齢化や食に対する個人消費
の落ち込みにより市場は低単価&
減少傾向(弁当等は伸長)
 ニーズ
 消費者ニーズの多様化。(高齢者、
お一人様ニーズの増)
 業態にはある種の寿命があり、絶え
間ないリニューアルが求められる
 競争環境
 低価格業態の増加(ワタミ・三光)。
 勝ち組は高価格・低価格のどちらか
に偏っており3000円前後の中価格
帯の業態は厳しい
 新規参入
 参入障壁が低く新陳代謝が激しい
自社・事業特性(Company)
 事業の経済性
 外食は基本分散型。但しセントラル
キッチンの活用により規模型モデル
あり得る
 収益性を規定する要因
 外部調達比率は30%程度であり付
加価値率が高く、業績を左右する施
策の方向性が多様(立地、メニュー、
接客等)
 オーナーのリーダシップ
対象産業の勝ちパターン




ニーズ変化に対して常に二の矢、三の矢を打ち続ける事業基盤
(分散型)個別店単位の収益向上、(規模型)セントラルキッチンの稼働向上
メニュー、接客等における他社との差別化
(低価格の場合)価格競争を確保できるローコストオペレーション
当該事業会社のユニー
クネス



テーブルコミニケーション
重視
店舗調理型
オーナー経営(拡大志向)
【対象会社固有の戦略方針】
分散型の事業特性を考慮し、個店毎の採算性の最大化 (無駄に新規業態・出店開発をしない)
① FLコスト(食材、人件費)の低減…食材にかけるコストは維持する一方、ローコストオペレーションにより人
件費・設備費を低減→ 低価格をより推進し、他社と差別化
② 新規出店の厳格化・・・・オーナーの思い付きでの出店をコントロールする
③ 最適な店舗の仕組みの構築とそれを実現する人材教育
④ 採算管理のPDCAを導入
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 37 -
市場
競争
自社
勝ちパターン
自社(事業特性/経済性)① 事業経済性
特徴
戦略
営業利益率
<外食>
12.0
外食業界は基本分散型
(但し一部、業態は規模型を追求)
※次頁参照
トリドール
10.0
オーイズミフーズ
ハブ
一六堂
チムニー
ホリイフードサービス
8.0
つぼ八
サイゼリア
ワタミ
ジー・テイスト
6.0
三光マーケティングフーズ
モンテローザ
ヴィア・ホールディングス
ダイヤモンドダイニング
マルシェ
4.0
コロワイド東日本
さくら水産
木曽路
大庄
コロワイド
ジェイグループホールディングス
2.0
テンアライド
サッポロライオン
0.0
0
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
140,000
160,000
売上(百万円)
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 38 -
市場
競争
自社
勝ちパターン
自社(事業特性/経済性)② 勝ちパターン
特徴
戦略
【外食業界の勝ちパターン】
差別化路線で見
るべきポイント
分散型タイプ
10%
 何を持って差
別化している
か?
 店舗拡大によ
り品質低下に
なる可能性が
あり、多店舗展
開に耐えうるオ
ペレーショ基
盤・人材教育
ができている
か?
➡ 分散型事業の
海外に調理工場
(セントラルキッチ
ン)により低価格
化を実現
営
業
利
益
率
マルチコンセプ
ト戦略(100店
舗100業態)
ダイヤモンド
ダイニング
規模型タイプ
サイゼリア
消費者嗜好に合わせ
て低価格化を進めて
いるが、コスト競争力
が追いつかず現時点
では低収益
どちらかの方向性
ロイヤル
ホスト
サンデーサン
0%
 何を持って低
価格を実現し
ているか?
 サイゼリアのよ
うにセントラル
キッチン(海外
工場)モデルを
採用している場
合は、工場の
稼働率は維持
できているの
か?
 規模型事業の
為、セントラル
キッチンの稼働
率重要
為、個店の収
支管理重要
差別化
SEM006120528
低価格路線で見
るべきポイント
「低価格路線」、「差別化」ど
ちらにも向かいきれない企
業は業績の谷の底に落ちる
低価格路線+
コスト競争力
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- 39 -
自社(事業特性/経済性)③
勝ちパターン比較 サイゼリアVSダイヤモンドダイニング
市場
競争
自社
勝ちパターン
特徴
戦略
 販促アクションとしては以下(各社・各業態毎の顧客特性を考慮し、重点アクションを絞って実施することも可)を想定
営業利益
7%
3%
その他
16%
賃料
人件費
減価償却費
売上原価
14%
22%
28%
5%
25%
3%
30%
サイゼリア
SEM006120528
28%
20%
数値から見える2社の戦略違い
① サイゼリアはセントラル
キッチンモデルを取って
いるため売上原価・減
価償却費が多い
➡ 低価格メニューで差
別化
② 一方、ダイヤモンドダイ
ニングは「食の雰囲気」
を重視し都市部への出
店を強化しているため、
賃料比率が高い
➡ 雰囲気・内装で差別
化
ダイヤモンドダイニング
IGPI All Rights Reserved
- 40 -
市場
競争
自社
勝ちパターン
自社(事業特性/経済性)④ 競合コスト構造
特徴
戦略
100%
20.3%
22.7%
25.3%
21.2%
18.8%
27.3%
22.5%
80%
11.5%
13.2%
21.1%
27.2%
9.5%
15.1%
23.5%
16.3%
13.5%
12.7%
11.5%
Food + Labor
60%ライン
11.1%
60%
15.5%
23.4%
27.1%
25.5%
22.6%
38.2%
38.5%
営業利益
29.3%
40%
28.2%
32.7%
24.3%
その他
賃借料
人件費
食材費
20%
39.3%
35.4%
35.6%
38.5%
28.9%
30.8%
各社戦略の違い、重視
するポイントの違いによ
り、コスト構造が異なる
 食材重視(原価)
 立地重視(賃料)
 サービス重視(人件
費)
29.6%
25.6%
28.0%
銀行側も、対象の外食企
業の
 戦略・重視するポイント
 事業モデル(セントラル
キッチンor店舗調理)
28.0%
0%
を理解した上で審査・財
務数値を分析する必要が
ある
-20%
同じ外食業界であっても、実は横並びで数値比較は難しい
(利益の源泉が異なる)
SEM006120528
何故なら
IGPI All Rights Reserved
- 41 -
対象会社の戦略①
分散型の事業特性を考慮し、個店毎の採算性の最大化にむけ
パラメータ
市場
特徴
戦略
施策(例)
客数アップ
適切な出店開発
…
…
新メニュー開発
…
×
お持ち帰りサービス強化
…
…
一声運動(「もう一杯いかがですか?」)
…
教育の強化(人時生産高の向上)
…
タッチパネル等システム導入 ・・・
…
メニューミックス
単価アップ
利益
×
人件費削減
(省力オペレーション徹底)
×
コスト面
自社
勝ちパターン
ポイント制度の導入 ・・・
→新規顧客・リピーター増加
売上面
競争
価格交渉・ルート見直し・独自ルート開拓
共同購買 等
材料費削減
生産工場保有会社・食品会社との業務提携
×
ロス率低減(システム化等による発注量適正化)
…
…
…
物流費削減
ドミナント出店
…
修繕・維持管理業者の見直し
(体制も含め)
…
賃料交渉
…
本社人員の削減
…
×
本社コスト
賃料・諸経費削減
・
・
・
利益を構成する要素を分解し、それぞれに対する施策を検討する
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 42 -
市場
競争
自社
勝ちパターン
対象会社の戦略②:収益力改善施策 サマリー
特徴
戦略
この3年間で借入金の圧
縮・収益改善により借入金
倍率を(借入金÷EBITDA)
3~4倍にする
(億円)
収益力改善施策効果
10億円~程度
新規出店・リニューアル効果
3億円
圧縮
本社コスト削減
1億円
不採算業態・店舗
撤退
0.4億円
XXXX億円
食材ロス削減
0.2億円
リニューアル
1.5億円)
賃料削減
0.8億円)
XXX
億円
(実績)
不採算
店舗撤退
0.8億円
現在のEBITDA
SEM006120528
店舗オペレーション
(人件費等)改善
2.3億円
メニューミックスに
よる粗利改善
1.5億円
諸経費削減
1.7億円
施策
効果
新規出店
2.6億
借
入
金
その他
0.6億円
仕入コスト削減
0.6億円
細かい施策の積み上げにより10億円超の収益改善に成功
XXX
億円
(実績)
改善後EBITDA
IGPI All Rights Reserved
- 43 -
市場
競争
自社
勝ちパターン
対象会社の戦略③:FLコストの低減
特徴
戦略
課題点及び分析の視点
実施施策
※収益率
収
益
性
に
バ
ラ
ツ
キ
和
食
系
Foodコスト
の削減
FLの観点から
各店舗の
収益性を改善
M
亭
○
業
態
別
頁
参
照
H
S
や
B
L
D
亭
H
H
Laborコスト
・・・
不採算店に
関して
洋
食
系
の削減
別
頁
参
照
改善が困難な店舗に関して
不採算店舗・業態撤退
X
X
と
り
○
○
げ
ん
○
○
▲
▲
C
C
Q
Q
Q
Q
同業態の店舗でも各店舗毎の収益性に
大きな開きが存在
SEM006120528
・・・
オペレーション改善(原価・人件費)により
収益性を改善
IGPI All Rights Reserved
- 44 -
市場
特徴
戦略
実施施策
課題点及び分析の視点
具体化策
○
○
業
態
自社
勝ちパターン
対象会社の戦略④: Laborコストの削減
人件費率
競争
同じ売上規模でも
人件費率にバラツ
キがある
数値化
要実施タスク、アクション
 1店舗あたり投入時
間10-20時間/週削
減
➔ 約80百万円/年削
減
 各店舗、時間帯別シフト、人時生産性精査
 改善点洗い出し
 不採算時間帯(ランチ、アイドルタイム、ミッ
ドナイト)の投入時間数削減
 スタンバイ、閉店作業時間短縮
 ピーク立ち上がり時間帯の人員数最適化
➔ 約2百万円/年削減
 各店舗毎、1社員当たり実残業時間精査
 45時間未満:45時間迄業務実施
(ただし年間360時間を超過しないよう考慮)
 45時間以上:45時価間超過分の業務を準
社員にシフト
正社員:給与
準社員:時給見直し
(評価制度見直し)
➔ 約5百万円/年削減
 各店舗毎、準社員時給精査
 高単価、勤続年数長、の準社員リストアップ
 評価に応じた時給設定調整(ダウン、アップ
両方あり)
■正社員->準社員
への置き換え
■社員2名体制->1
名化
 社員1名/月商4.5
百万円あたりを基
準値として社員数
を最適化
➔ 約145百万円/年削
減
 準社員店長候補社員選定
 準社員の正社員化、正社員の配置換え・退
職社員との入れ替え
 準社員店長登用基準、オペレーショントレー
ニングメニュー等設計
➔ 約55百万円/年削
減
 パート等級、時給設定見直し(首都圏、地方
等エリア毎に設定)
 パート店長登用制度設計
 諸手当付正社員配置が割高となる地域の
地域社員制度検討
シフト見直し
投
入
時
間
正社員の残業代見
直し
売上高(千円)
売上高(千円)
人件費率
▲
▲
業
態
単
価
売上高(千円)
投入時間数(シフトの巧拙)、の差により、同じ売上規模でも人
件費率にバラツキあり
➔ 社員配置構成の見直し、パートシフト最適化、により収
益改善が可能
SEM006120528
制
度
制度見直し
パート等級見直し
 地域社員制度
(北海道・東北・
四国等)検討
IGPI All Rights Reserved
- 45 -
市場
競争
自社
勝ちパターン
対象会社の戦略⑤: Laborコストの削減 -シフトの見直しについてー
特徴
戦略
店舗A
販売スタッフ
Aさん
投入時間
8:00
9:00
6H スタン バイ 作業1H
Bさん
8H
スタン バイ 作業1H
Cさん
Dさん
8H
5H
スタン バイ 作業1H
Eさん
Gさん
5H
5H
Hさん
5H
Iさん
5H
10:00
11:00
5H
12:00
3H
13:00
14:00
休憩1H
販売スタッフ
Aさん
16:00
17:00
18:00
4H
休憩1H
削減
5H
「ランチ前(準備)に多く人を張りすぎ」
10:00
21:00
3H
削減
9:00
20:00
5H
削減
投入時間
8:00
6H
19:00
4H
朝は5人→3人に変更
店舗B
15:00
11:00
スタン バイ 作業1H
Bさん
Cさん
Dさん
7H
7H
5H
Eさん
Fさん
6H
6H
Hさん
4H
Iさん
4H
・
・
・
スタンバイは4人→3人に変更
スタン バイ 作業1H
スタン バイ 作業1H
削減
12:00
5H
3H
エンド作業1H
4H
エンド作業1H
4H
エンド作業1H
夕刻は7人→4人に変更
夜は4人→3人に変更
「ディナー準備に多く人を張りすぎ」
「締め作業に人を張りすぎ」
13:00
14:00
休憩1H
4H
4H
15:00
16:00
17:00
18:00
19:00
20:00
3H
休憩1H
2H
削減
5H
6H
5H
削減
エンド作業1H
3H
エンド作業1H
3H
エンド作業1H
夕刻以降は6人→4人に変更
全ての店舗のシフト表の改善点を検証しながら人件費を削減
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 46 -
市場
粗利率(%)
100
100
80
75
70
65
60
90
お通し
85
もんじゃ
肉料理
宴会
その他
串焼 豚
釜めし 串揚
串焼 野菜
お通し
85
カクテル
サワー
サラダ
果実酒
揚物 つくね
お食事
ベジ
お手軽
海鮮 鍋
ソフトドリンク
メニューミックスにより1億以上の
粗利改善
95
粗利高商品の売
上増
90
サラダ
65
60
串焼 とり
串焼 他 ランチ 日本酒
ベジ 鍋 海鮮 ソフトドリンク
70
ビール
55
サワー
つくね
お食事 お手軽 揚物
カクテル
75
逸品
利益率の高い製品の売数拡大
もんじゃ
80
焼酎
特徴
戦略
実施施策
粗利率(%)
95
肉料理
釜めし
焼酎
串焼 豚
その他 串揚
串焼 野菜
日本酒
串焼 他 ランチ
55
デザート
50
自社
勝ちパターン
対象会社の戦略⑥: Foodコストの削減 -メニューミックス課題点及び分析の視点
競争
売上高商品の原
価低減
逸品
宴会
串焼 とり
ビール
売数の多い商品の
原価改善
デザート
50
45
果実酒
45
飲み放題
飲み放題
40
40
0
50,000 100,000 150,000 200,000
450,000 500,000 550,000
0
50,000 100,000 150,000 200,000
売上(千円)
450,000 500,000 550,000
売上(千円)
 高粗利だが、売個数が少ない商品に関しては、メニューの見せ方、POP等で販促
 売個数大で粗利低めの商品に関しては、仕入れ交渉が可能か検討
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 47 -
対象会社の戦略⑦:
FLコストの低減により品質を維持しつつ、単価引き下げ
低
価
格
居
酒
屋
市
場
シ
ェ
ア
10%
扇屋
8%
7%
さくら水産
6%
鳥貴族
6%
金の蔵Jr
5%
だんまや水産
えこひいき
6%
シェアアップ
勝ちパターン
特徴
戦略
6%
価格(客単価)
3000円
6%
3%
2%
自社
8%
6%
やきとり大吉
競争
●業態が今後目指す方向性
市場・競合環境
八剣伝
市場
シェアアップ
6%
3%
5%
2500円
A業態
その他
54%
55%
2000円
B業態
1500円
2009年
競
合
のK
動S
向F
な
ど
2010年
 価格が安いだけでなく、顧客にインパクトを与えるほどの「値ごろ感・お得
感」の高い商品を提供・価格設定ができるかどうかが勝負の分かれ目
 三光マーケティングフーズの「金の蔵Jr」はドミナント戦略をとっており、系
列店同士で食材を共有するなどの工夫をして低コストを実現している
 ワタミの「わっしょい」は、タッチパネル導入などでオペレーションコスト抑制
を徹底(人件費率19%程度)し、フードの原価率は42%程度かけている
上げる
品質
下げる
 品質は上げ、単価・皿単価は下げて、利用頻度をあ
げる方向性
 コストダウンは、人・フード以外の設備費抑制等での
実現するのが理想
 現行既存店を軸としたドミナント出店を想定
 複数業態の小店を一括りで管理するエリアマネー
ジャーの育成・配置も検討
出所)富士経済研究所「外食産業マーケティング便覧」2010、文献検索
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 48 -
対象会社の戦略⑧: 新規出店の厳格化
-出店戦略の見直し 場当たり的な出店からの脱却-
オフィスゾーン
飲食ゾーン
商業ゾーン
XXXXX町
10.7M
2.7M
XXXXXXXXX駅
8.1M
2.0M
ハブ駅
XXXXXXXXXX
5.6M
1.2M
歓楽ゾーン
UR
XXXXXXXXXX
4.6M
0.8M
XXXXXXXXX駅
5.0M
1.0M
XXXXXXXXXX町
6.0M
1.9M
特徴
店舗実績
超高収益
店舗
オフィス駅
XXXXXXXX橋
4.0M
0.2M
低収益店舗
XX
3.5M
0.6M
商業駅
XXX北口
3.2M
0.1M
XXXXXX町
3.1M
0.5M
XXXXX
5.1M
1.1M
新XXXXXXX
3.0M
0.1M
XXXXX
2.2M
0.0M
XXXXX目
5.0M
0.7M
店名
売上 / 月
EBITDA/ 月
XXX平井
2.6M
0.2M
出店第一優先ゾーン
収
益
性
低
XXX
7.3M
2.2M
XXX通
4.0M
0.9M
地域密着駅
高
中収益店舗
XXXX町
4.8M
0.6M
XXXXXX駅
4.0M
0.2M
自社
戦略
XXXXXXXX町
6.6M
1.3M
競争
勝ちパターン
高収益
店舗
池袋 BG
5.5M
0.5M
XXXXXXXXXX
7.0M
1.6M
市場
XXX銀座
3.1M
0.4M
過去の成功事例
をもとに店舗戦
略を立案「どの
エリアが儲かる
のか?」
XXX
3.0M
0.1M
出店第二優先ゾーン
「場当たり的な出店」から「戦略的な出店」への切り替え
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 49 -
プロジェクトの進め方
 現状の中計を基に、中長期の事業方向性を固めつつ、それを管理するための体制を構築
計画策定フェーズ
ハンズオン実行フェーズ
計画の骨子
計画の詳細化
実行展開と軌道修正
以降
2.5ヶ月程度
事業の
選択と集中
戦略
事
業
改善余地
の見極め
コスト削減
原価
見える化
管
理
モニタリング
体制/
資金繰り精査
実効性高いプラン
へ落し込み
~
計画数値策定
グランドデザイン
~
運用体制構築
事業計画の実行
~
PDCA
運用支援
事業・地域別の
戦略仮説策定
改善余地
の見極め
実効性高いプラン
へ落し込み
~
計画数値策定
事業計画の実行
~
PDCA
グランドデザイン
~
運用体制構築
運用支援
事業・地域別の
戦略仮説策定
改善余地
の見極め
実効性高いプラン
へ落し込み
~
計画数値策定
グランドデザイン
~
運用体制構築
事業計画の実行
~
PDCA
運用支援
✔ 事業の選択と集中の基本指針
✔ 具体的なアクションプラン
✔ 事業・財務・組織戦略の実行
✔ 生産拠点の基本指針
✔ 組織案の検討
✔ PDCAを廻すことでの戦略軌道修正
✔ コスト改善余地(原価・販管)の見極め
✔ 営業戦略の検討
✔ 全社・各部門での事業成果 等
✔ 必要構造改革費用の算出(概算)
✔ 数値計画への落としこみ
✔ (一部)キャッシュの捻出案の検討 等
✔ 改革シナリオの社内展開 等
✔ 原価の見える化~モニタリングの仕組みの構築/資金繰り精査
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 50 -
計画策定プロセス
収支の見える化
/収益低迷の背景
→何が儲かっていて、何
が儲かっていないのか?
構
造
改
革
プ
ラ
ン
の
策
定
市場・競争動向・成
長性(機種等)
生産面、営業・
マーケティング上の
課題
集約化
固定費圧縮/
工場・拠点の
集約化
人員の効率化
選択と集中の検討
(コア・ノンコア)
モノづくり強化
→コスト削減余地
販売戦略
の検討
コア事業の強化策
検討
概算施策
効果の
取り纏め
(構造改革
費用)
取り纏め
(3か年程度
の数値計画
策定)
ノンコア事業/不稼働
資産の整理
その他、コスト削減余地(販管費等)
反映
数足
値元
計(
画今
策期
定)
SEM006120528
予算策定状況・
構成要素確認
成り行き数値
策定シミュレーション(売上・コスト検証)
資金繰りの把握
今期
数値
計画
中長期的の構造改革プランを策定する一方、足元の数値の検証・改善も併せて検討
→加えて、できる施策は計画策定と並行して実施(早期効果実現) IGPI All Rights Reserved
- 51 -
施策検討イメージ
収益改善イメージ
換金資産があれば
売却・流動化
PLの改善イメージ
イメージ図
施策効果の積み上げ
xx
7億円程度
xx
55億円
xx
xx
xx
XX
億円
程度
xx
目標:有
利子負債
の1/5
3.7
億円
EBITDA
(2014/3期)
ポートフォリ
オ再構築
(選択と集中)
製造原価
の引き下げ
人件費の
効率化
物流費の削減
その他経
費の見直し
新事業
目指すべき
EBITDA
連結借入金
27年9月
貴社の現状及び課題を踏まえ、施策の洗い出し~効果を積み上げ計画を策定
→7億円程度の収益改善の必要性
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 52 -
施策検討イメージ
製品ポートフォリオの再構築(選択と集中)
選択と集中の切り口
本命
課題
各製品・取引の採算性
将
来
性
(
大
)
新規
市
場
性
貴社の強み・技術の棚卸
将
来
性
(
小
)
?
今後の顧客・マーケットの
市場成長性の分析
機会
見切
Good
(将来CFがプラス)
Bad
(将来CFが弱含み)
・
・
・
・
等の分析を踏まえ
収益性
貴社製品・子会社/事業を市場性、収益性の観点から評価し
選択と集中を実施(ポートフォリオの再構築)
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 53 -
施策検討イメージ
製品構成見直し(採算性分析)
 売上規模小・取扱品目多により、採算性悪化の状況に陥っていないか等分析のうえ、コア・ノンコアを選別
品目と売上の占有率の関係性分析
取扱製品と粗利率分析
粗利率
XX品目
100%
XX百万円
100%
XX
(20%)
50%
0%
-50%
XX
(80%)
-100%
-150%
 売上規模小、粗利マイナスの製品(群)の
存在有無について見極め
XX
(80%)
-200%
-250%
 売上貢献少の部
品が膨大で、効
率性・採算性悪
化となっていな
いか見極め
XX
(20%)
-600%
-650%
売上高
SEM006120528
品目
売上高
IGPI All Rights Reserved
- 54 -
施策検討イメージ
製品構成見直し(製品別損益構成・改善余地分析)
 売上規模、付加価値の大きさの観点で分析の上、生産体制再編・効率化による固定費の削減へ
固定費が半分になっても赤
字、売上も小さくノンコア
95%
主要部品のコスト構造
売上が大きい一方で赤字幅が大きく、固定費削減可能性を 付加価値小
早期に見極める必要性
社内加工費
加工償却費
固定費を削減し、収益の柱に
利益が出ているため
現状維持
71%
35% 37%
74%
16%
35%
100%
36%
52%
43%
78%
68%
44%
42%
22%
26%
購入部品費
外注加工費
21%
18%
21%
変
動
費
材料費
主要部品A
主要部品C
主要部品B
SEM006120528
固
定
費
主要部品D
主要部品F
主要部品H 主要部品I
主要部品L
主要部品N
主要部品E
主要部品G
主要部品J
主要部品M
主要部品K
主要部品O
主要部品Q
主要部品S
主要部品P
主要部品R
IGPI All Rights Reserved
- 55 -
施策検討イメージ
製品構成見直し(検討~実行)
①
②
③
④
製品(群)レベルでの採算性評価
コア・ノンコアの線引き
残すべきコア製品の製造工程・
ラインレベルでの効率化余地検証
顧客影響洗い出し
終息/撤退時期方針決定
売上規模や適正な固定費などの
算定
• 製品(群)毎レベルで、コスト
構造・利益率を分析
• ①で線引きした、ノンコアの
製品(群)を廃止
• 製品(群)ごとのコア・ノンコ
アの線引きを実施
• コア製品(群)に注力・集中
する場合の効率化余地検討
- 貴社の強みや技術の
棚卸の観点も考慮
<検証ポイント>
 工場別損益は?
 稼働率の状況は?
 品種/品目数と売上・粗利
 ライン変更・工場集約化に
 製品群・製品別の損益は?
 強み・技術優位性は?、等
• 選択と集中に伴い、適正な
固定費規模等を算定
- 納入先との契約関係
や供給責任を考慮
- リードタイムや必要と
なる対応策を検証
<検証ポイント>
率の関係性分析は?
• ②でノンコアとした製品につ
いて対策を検討
よる原価低減余地はある
か?
 仕入価格改定の余地は?
<検証ポイント>
 供給責任に関する契約はど
うなっているか?
- 納入先企業との保証
<検証ポイント>
 工場集約・製品撤退に紐づ
け削減すべき固定費は?
 その金額はどの程度か?
契約は?、等
 ノンコア製品撤退の場合、代
替案は提示可能か?
- 転注先の確保は?
- 在庫の前倒し生産
は?、等
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 56 -
施策検討イメージ
見える化の基盤となる実績原価
 製品別の実績原価を見える化することにより、収益力強化に向けて適時適切な判断が可能となる
コストデータの定義
活用シーン(例)
<製品別損益の見える化>
製造原価
材料費
材料単価
所要量
完成品量
加工費
機械加工
工程別
レート
%
ロス量
工程別
設備費用
工程別
工程別
加工時間 総稼働時間
人加工
工程別
レート
利
益
率
(
)
工程別
総費用
工程別
工程別
作業時間 総稼働時間
原価の活用目的とデータ管理可能性のバランス
を整理し、原価の算出ロジック、データ登録・集計
方法などを定義する
<留意ポイント>
切り口:事業・地域・顧客・製品・・・
指標:売上・粗利・限界利益・営業利益・・・
50
40
30
20
10
H
L
拡販
すべき領域
B
A
C
0
-10
-20
-30
D
M
F
0
G
E
K
撤退
すべき領域
10
20
原価改善
すべき領域
売上高
30
40
実際原価ベースで損益を見える化することによ
り、各製品に対するとるべきアクションが明確化
し、全体最適のための活動が可能となる。
活用シーンに適合した見える化を実現することが重要
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 57 -
施策検討イメージ
(参考)製造コスト低減の論点
設計における改善施策
原価構成
材料費
生産における改善施策
施策例
原価構成
加工精度(公差)の変更
材料費
人件費
成形方法の変更
製造原価
製造原価
外注加工費
加工・曲げ回数の変更
人件費
外注加工費
製造経費
寸法、板厚、重量の変更
材質(等級、規格)の変更
人件費
研究開発費
フロントローディング
運搬費及び
梱包費
設計標準書の整備
業務委託料
SEM006120528
標準部品の整備
加工不良の削減
電力費の削減
水道費の削減
販売管理費
運搬費及び
梱包費
加工工数の削減
不稼動工数の削減
所定外賃金の抑制
販売管理費
余剰人員の削減
段取作業工数の削減
梱包材・副資材の変更
研究開発費
不要材料の改善
所定外賃金の抑制
溶接箇所・回数の変更
製造経費
材料歩留りの改善
加工ロスの改善
表面処理方法の変更
人件費
施策例
エネルギー費の削減
消耗品工具費の削減
業務委託料
発注回数/計画精度の向上
IGPI All Rights Reserved
- 58 -
施策検討イメージ
工場再編
 効果と必要性を見極めたうえで、工場の再編プランを検討
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 59 -
施策検討イメージ
販管費等、コスト削減のアプローチ
コスト構造(イメージ *)
主要論点(例示)
100%
販管費
一般管理費
4.9%
2.0%
3.3%
運送費
7.8%
製造経費
製造経費その他
3.3%
1.3%
4.3%
販売費
90%
80%
運搬費
70%
消耗費
旅費通信費
60%
26.2%
労務費
 販売費…即効性のあるコスト削減項目がどの程度あるか
要検証
 消耗費、修繕費…自助努力(予算引下げ)による引下げの
可能性
 運送費、運搬費…業者の見直し、非効率納入先の削減等
による引下げの可能性
電力費
修繕費
50%
福利厚生費
40%
5.5%
設備費
退職給付
 労務費、残業代…集約化、生産性向上に伴う効率化の可
能性
9.8%
賞与引当
30%
残業手当
 減価償却費…工場集約化、投資抑制に伴う引き下げ
基準内給与
20%
償却費
購入費
37.0%
賃借料
10%
外注費
材料費
 外注費…内製化の可能性、付加価値の低い製品の取りや
めの検討
 材料費…仕入単価の見直し、商品構成の見直し等による
引下げの可能性
0%
*:本数値はあくまでイメージであり、貴社数値は使用していない
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 60 -
施策検討イメージ
調達コスト削減
 ファクト情報からどのコスト削減の打ち手パターンが適応しうるか検討
ファクト情報
コスト削減のための主要な打ち手パターン
自社の力が大きい
短期施策
中期施策
サプライヤの力が大きい
条件適正化
調達特性明確化
(定性情報)
調達データ分析
(定量情報)
So what?
Why so?
施
策
の
方
向
性
検
討
・
施
策
抽
出
対
サ
プ
ラ
イ
ヤ
施
策
協働コスト低減
サプライヤ切替
 他拠点既存サプライヤへの切替
 新規サプライヤ開拓
 協働開発・設計
 協働プロセス改善
ボリューム創出
 サプライヤ集約
 共同購買
 部品共通化
対
部
品
施
策
SEM006120528
 調達拠点間のGap適正化
 サプライヤ間のGap適正化
 原価分析に基づくコスト基準とのGap適正化
仕様適正化
 仕様の変更
 材料使用量の変更
 汎用品への切り替え
内製化
 完全内製化
 一部内製化
IGPI All Rights Reserved
- 61 -
施策検討イメージ
営業戦略の検討
 全くの白地領域を狙うのではなく、既存事業の強みを梃子にした事業の検討がまずは必要
製
品
・
サ
ー
ビ
ス
新
規
白地領域
(バリューチェーン含め
ゼロベースで構築)
既
存
海外等
既存
新規
市場・チャネル
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 62 -
施策検討イメージ
営業戦略再構築(製品戦略・営業戦略明確化)
 稼ぐ製品(製品戦略)、稼ぎ方(営業戦略)を明確にし、全社一丸でコストを意識したものづくりを徹底
狙って
提
案
営
業
• 稼ぐ製品、効率よく安く
作る製品が共有され収
益性を重視し案件を狙
えている
見仕
積様
り検
作
成討
入
札
創って
受
注
• 営業戦略が設計・調達等部門を跨
ぎ共有され、コストが徹底的に作り
込まれている
• 案件に対して技術営業が仕様や標
• 攻める領域を絞り込み
準品をコントロールし有利な提案が
用途、エリアに応じた攻 行えている
め方が共有され実行さ
れている
概
要
・
詳
細
設
計
設
備工
木程
型設
手計
配・
/
タ
ー市の
情
ゲ場報設
テ調収計
ィ査 等
ン・集
グ ・
売って
作る / 仕入れる
資
材
調
達
製
造
納
品
• ミニビークルのPDCA
が継続できている
• 戦略的な調達コストダウンが徹底され
ている
• 営業・設計が連携し標
準化が検討・実施され
ている
• 一気通貫(営業・設計・調達・製造)で
コストを意識したモノづくりが徹底され
ている
• 製造・品質を考慮した
設計が行えている
• 高い品質意識により工程単位で品質
改善活動や作業効率化活動が実施・
徹底されている
重
点
ポ
イ
ン
ト
事業管理
• 情報が経年で把握でき見える化が徹底されている(営業情報、品質情報、生産性情報、作番収益性情報等)
• 年度を跨いだ作番での収益管理、作番を積上げた事業全体での収益管理ができ、改善につなげられている
SEM006120528
IGPI All Rights Reserved
- 63 -
最後に


SEM006120528
ローカル企業にチャンスあり

キーワードは 「分ける化」「見える化」

収益改善の絶え間無い努力、PDCA

ツールとしての「事業経済性分析」「改善積み上げ滝グラフ」

首都圏進出は成長戦略として正しいのか?(事業特性に合致しているか)
地域金融機関にもチャンス大きい

地域創生で求められる地域金融機関の役割大きい

事業性評価は経営上のツールの一つ
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資金の提供者から人材の提供者へ
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