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2 1 1m=264 at 測定日の線量率 ×
Ⅲ−2.原子炉管理実習テーマ3の2: モニタ系の校正試験 1.目的 校正用放射線源を用いて、放射線測定器の目的とする性能が維持されていることを確認する。 2.実習場所 原子炉制御室、原子炉室、実験準備室、排気監視室、保物準備室、屋外 3.キーワード エリアモニタ:(図−1 参照) 弥生施設には、γ線エリアモニタ、速中性子線エリアモニタ、熱中性子線エリアモニタの3種が、 炉室、補機室、実験準備室に1式づつ設置されており、さらに、炉室には高線量用γ線エリアモニタ が設置されている。 γ線用には SSD(固体半導体検出器)を使用し、中性子線用には BF3 比例計数管を使用している。γ 線測定についてはシーベルト対応がなされているが、中性子線測定については旧来の計数率表示方式 である。また、中性子線用の中の速中性子線用は、ポリエチレン減速材で速中性子を減速させて測定 する方式のものである。 4.実習手順 4−1.γエリアモニタの校正 1)準備 放射線源を扱う炉室グループと測定値を読取る制御室グループの2組に分かれ、内線電話で連絡 をとりながら測定を行なう。 炉室グループは、γ線エリアモニタに校正用照射器具を設置しておく。 2)実習 炉室グループは、γ線検出器から 0.8m、1.2m、1.6m の何れかの距離(検出器中心部を原点とし た距離)にγ線源を設置し、制御室グループに連絡を行う。 制御室グループは、γエリアモニタのデジタルレートメータの指示値を読取る。測定値は、指示 値を一定間隔で複数回読取り、その平均値を採用する。測定後は、炉室に連絡し、次のポイントに 線源を設置してもらう。 3)計算 各距離における基準線量率を計算により求め、実際の測定値との誤差を評価基準と比較する。 (基準線量の計算) 使用する線源は Co-60 740MBq (半減期 基準日 2000/1/18 264μSV/h at 1m ・経過時間による補正 5.271 年) æ1ö 測定日の線量率 at 1m=264(μSv/h) ´ ç ÷ è 2ø 経過時間 半減期 ・距離による補正 距離r (m) における線量率= 誤差=log 距離1mにおける線量 r2 率 測定値 基準線量率 評価基準:誤差が標準値の±0.3 デカード以内であること。 距離 80 120 160 cm 基準線量率 μSv/h 測定値 μSv/h 誤差 デカード Ⅲ−2− 1 4−2.nエリアモニタのプラトー測定 1)準備 実験準備室の高速中性子用エリアモニタに中性子線源 241Am/Be を設置する。 制御室の中性子エリアモニタ盤の「接地」/「選別」プラグ(図−3)より信号を取出し、モニ タリングポスト盤にあるスケーラ(図−5)に入力する。 2)実習 中性子モニタ用の高圧電源ユニット(図−4)の電圧を操作し、プラトーの測定を行なう。 3)計算 プラトー測定値から「電圧―カウント数」のグラフを作成し、プラトー領域の確認を行う。 プラトー領域を評価基準と比較する。また、使用電圧 1650V のプラトー傾斜を求め、評価基準と 比較する。 1650Vのプラトー傾斜%/V= カウント数(1750V)−カウント数(1600V) 100% ´ カウント数(1650V) 150V 評価基準:プラトー傾斜の相対値が 0.05%/V 以内、領域 150V 以上であること。 高圧 (V) c/100sec %/V 1350 1400 1450 1500 1550 1600 1650 1700 1750 Ⅲ−2− 2 4−3.ガスモニタのプラトー測定 1)準備 放射線源の測定により FFD のアラームが発報してしまうため、予め FFD を OFF にしておく。(図 −6参照) 排気監視室の炉心冷却系のガスモニタ(NaI 検出器)を取出し、検出器先端に 241Am 線源を設置す る。 制御室のガスモニタユニットの「IN」・「COM」プラグより信号を取出し、モニタリングポスト盤 にある SCA(シングルチャンネルアナライザ)に入力し、その出力をスケーラに入力する。SCA の 設定は、ULD:10.0,LLD:0.29 とする。(図−5、図−6参照) 2)実習 ガスモニタユニットの高電圧を操作し、プラトーの測定を行う。 3)処理 プラトー測定値から「電圧―カウント数」のグラフを作成し、プラトー開始電圧の確認を行い、 評価基準と比較する。 評価基準:プラトー開始電圧が 960V 以下であること。 高圧 目盛 789 V 2.63 804 V 2.68 819 V 2.73 834 V 2.78 849 V 2.83 864 V 2.88 879 V 2.93 894 V 2.98 909 V 3.03 924 V 3.08 939 V 3.13 954V 3.18 969V 3.23 計数値(c/60sec) (c/60sec) Ⅲ−2− 3 4−4.ダストモニタの校正 1)準備 排気監視室にて、校正線源 U3O8(500Bq)を冷却系の GM 検出器に設置する。(図−7参照) 制御室のダストモニタユニットの「IN」・ 「COM」プラグより信号を取出し、モニタリングポスト 盤にある SCA(シングルチャンネルアナライザ)に入力し、その出力をスケーラに入力する。SCA の設定は、ULD:10.0,LLD:0.78 とする。(図−2、図−5参照) 2)実習 ダストモニタユニットの高電圧を操作し、プラトーの測定を行う。その後、放射線源を外し、バ ックグラウンドの測定を行う。 3)計算 プラトー測定値から「電圧―カウント数」のグラフを作成し、プラトー領域の確認を行う。また、 使用電圧 700V のプラトー傾斜を求め、評価基準と比較する。さらに、使用電圧 700V における計数 効率を求め、評価基準と比較する。 700Vのプラトー傾 斜% /V= カウント数(800V )−カウント数(65 0V) 電圧700Vにおける計数効率= カウント数(700V ) ´ 100% 150V カウント数(700V)−B.G. 60s ´ 500Bq 評価基準:プラトー傾斜 0.15%/V 以下,領域 150V 以上であること :計数効率が5%以上であること 高圧 目盛 625 V 2.08 650 V 2.17 675 V 2.25 700 V 2.33 725 V 2.42 750 V 2.50 775 V 2.58 800 V 2.67 B.G. ― ダスト計数値 (c/60sec) Ⅲ−2− 4 傾斜(%/V) 4−5.モニタリングポスト 1)実習 制御室のモニタリングポスト監視盤でバックグラウンド値の読取りを行う。(図−8参照)測定 値は、指示値を一定間隔で複数回読取り、その平均値を採用する。 放射線源を設置する前に、予めモニタリングポストをテストモードにしておく。 校正用線源をモニタリングポストから1mの位置に照射器具を用いて設置する。 制御室にてモニタリングポストの指示値を読み取る。 2)計算 基準線量率を計算により求め、実際の測定値との誤差を評価基準と比較する。 (基準線量率の計算) 使用する線源は Cs-137 3.7MBq(半減期 基準日 1991/7/11 277 nGy/h at 1m 誤差=log 30.04 年) 指示値−B.G. 標準値 評価基準:誤差が標準値の±0.24 デカード以内であること 空気吸収線量率 (標準値) nGy/h 指示値 バックグラウンド nGy/h nGy/h 正味線量率 nGy/h 誤差 デカード 5.考察 1) 各モニタの検査結果と判定基準を比較し、結果の良否を判定せよ。 2) ガンマエリアモニタが 5μSv/h を示すときの真の線量率を評価せよ。また、そのとき炉心に向 かって 8m 地点の線量率を予想せよ。(エリアモニタは、炉心より 12m の距離にあるとする。 ) 3) ダスト状の放射性物質の濃度として 1 日平均3×10-5Bq/cm3 に相当するアラームを設定したい。 ダストモニタのアラームを cps 値で設定せよ。 (サンプリング流量率 300 リットル/分、サンプリ ング時間8時間とし、放射性物質は 100%ろ紙上に捕集されるものとする。 ) 4) モニタリングポストのバックグラウンド値の真の線量率を評価せよ。また、環境γ線による年 間被ばく量を予想せよ。(1Gy=1Sv とする。) Ⅲ−2− 5 参考資料 速中性子用エリアモニタ 図−1 γエリアモニタ 熱中性子用エリアモニタ サンプリング装置 電磁弁 スタック 電磁弁 図−2 γエリアモニタ 測定値(γ-1) 高電圧 ダイヤル IN , COM 冷却系ダストモニタ 中性子エリアモニタ 図−3 選別 接地 Ⅲ−2− 6 中性子エリアモニタ 高電圧ダイヤル 図−4 タイ マー設定 測定操作 ULD:10.0 LLD:0.29(ガス) 0.78(ダスト) SCA 中性子接続 ガスダスト接続 図−5 カウンター表示 output (制御盤か らの中継ポイント) input output カウンタ タイマー タイマー カウンタ 切り替え NEG(中性子モニタ) POG(ガスダストモニタ) 冷却系ガスモニタ 図−6 高電圧ダイヤル OFF にする (FFD OFF の操作) IN COM Ⅲ−2− 7 冷 冷却 却系 系ダ ダス スト トモ モニ ニタ タ 放射線源 図−7 スポンジ モニタリングポスト 図−8 MP-01 測定値 カウンターユニット Ⅲ−2− 8