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工学系研究科 電気電子工学専攻 猪原哲准教授 パルスパワーの応用

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工学系研究科 電気電子工学専攻 猪原哲准教授 パルスパワーの応用
工学系研究科
IHARA
電気電子工学専攻
SATOSHI
猪原 哲
准教授
・「軽量かつコンパクトなナノ秒パルスパワー電源の開発」
・「パルスパワーによる植物の生育制御に関する研究」
・「パルスパワーおよびプラズマを使った水質浄化に関する研究」
[キーワード]
パルスパワー,プラズマ,ナノ秒,水質浄化,植物,生育制御
パルスパワーの応用展開(農作物制御・水質浄化)
研究紹介
◆ナノ秒パルスパワー電源
パルスパワー電源の基本原理は非常にシンプルで,
「一旦,電気エネルギーを貯めたあと,非常に短い時間
に開放する」というものです.つまり,①貯めたエネル
ギーを短い時間に開放する,②そのエネルギーを効率よ
く負荷に転送する,という2点に技術が要求されます.
当研究室では,特に 10 ナノ秒以下のパルスパワー電源
の開発に取り組んでいます.
◆農作物の育成コントロール
電気的刺激は植物などの生体に何らかの効果を与える
ことが知られています.AED(除細動器)はその身近
な例です.他にも,種や球根にパルスパワーの印加によ
り刺激を与えると,発芽の促進や,逆に抑制を促すこと
ができます.また,植物は過酷な環境を生き抜くために
「休眠」という現象を起こしますが,パルスパワーを用
いると,この休眠からの覚醒を可能とすることが,当研
究室の実験で明らかになりました.このように,パルス
パワーは農作物に対して様々な制御機能を有することが
判明しており,今後は本技術を活用した農作物の生育コ
ントロールについて検討を進めています.
◆水質浄化に関する研究
経済活動において様々な汚染水が発生します.現在,一
般的な浄化方式として,次亜塩素酸を用いた処理や生物分
解などが挙げられます.しかしながら,これらの方式では
難分解性物質(フッ素化合物など)や塩素耐性菌の処理は
できません.そこで当研究室では,プラズマを用いて,従
来法では対応できていない汚染物質の処理に関する研究
を行っています.プラズマと水中キャビテーションの併用
によって,低コスト・高効果な処理を行えるシステムを考
案し,その実用化のための基礎的研究を行っています.
1.2
1.0
Absorbance
◆研究概要
マイクロ秒~ナノ秒オーダーの短い時間に巨大な電力
を発生する技術を「パルスパワー技術」といいます.日
本全体で消費される総電力は約 100GW(ギガワッ
ト,109 ワット),九州全体で約 10GW となります
が,「パルスパワー技術」によって,これらと同規模の
電力を実験室で発生させることが可能です(自然界には
パルスパワーに相当するエネルギーは多数存在し,雷は
その代表です).当研究室では,パルスパワー発生装置
(パルスパワー電源)の開発とその応用について研究を
行っています.
With cavitation
キャビテーション単独処理
0.8
0.6
0.4
水中キャビテーション
With プラズマ処理
cavitation
and discharge
0.2
0.0
0
水中キャビテーションプラズマ
10
20
30
40
t (min)
Treatment
time
Treatment
time
(min)
50
水中プラズマによる色素の脱色効果(吸光度測定)
◆特許
特許第 481344「水処理装置」
特許第 5464692「水処理装置」
特開 2014-79743「液体処理装置及び液体処理方法」
掲載情報 2016 年7月現在
水処理など環境技術関連の
企業の方,その他へ
一言アピール
新しい水処理技術,農業技術の開発を検討中の企業の方,その他高電圧・プ
ラズマの応用をご検討中の企業の方は気軽にお問合せください.
産学・地域連携機構より
猪原准教授は,パルスパワー技術の応用展開を目指しています.プラズマを活用し
た解決を模索している企業の皆さんからの新しい提案をお待ちしています.
佐賀大学研究室訪問記
2016
佐賀大学
産学・地域連携機構
(佐賀県佐賀市本庄町1番地)
(お問い合せ先) 国立大学法人 佐賀大学 学術研究協力部 社会連携課
TEL:0952-28-8416
E-mail:[email protected]
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