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男女平等に関する作文コンクール

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男女平等に関する作文コンクール
平成 21 年度
「男女平等に関する作文コンクール」
小・中学生入選作品集
会 津 若 松 市
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作品を
作品を審査して
審査して
審査委員長
会津若松市男女共同参画審議会会長
佐々木 篤信
会津若松市における男女平等に関する作文コンクールは、平成 16 年度に始ま
り、今年平成 21 年度で6回目となります。今回の応募者は小学生低学年 8 名、
これはここ 3 年間変わっていません。しかし小学生高学年は 120 名、これまで
一番多い時で 20 名でしたから、大幅に増えたことになります。同様に中学生も
今回は 108 名で、これまで最も多かった 61 名をはるかに超えた参加を見ること
ができました。全体では今回 236 名となり、これまで最も多かった 81 名のほぼ
3 倍に増えました。城南小学校のように、学校全体で広範に取り組むところが生
まれたのは画期的なことといえます。各学校関係者のご尽力に心より感謝を申
し上げます。
今回の特徴は、単に数が増えただけではありません。すばらしい作品がたく
さんあり、審査員の皆さんがこれまでのどの回よりもうれしい悲鳴を上げまし
た。今回入賞しなかった作品のなかにも、立派なものがたくさんありました。
第1次の審査が 2 回にわたり行われ、さらに第2次審査、第3次審査を経て、
小学生低学年は 4 名、小学生高学年は 5 名、中学生 5 名の受賞者を決定するに
至りました。
小学生低学年の作品について。どの作品もふだんの生活で見落としている大
切なことにしっかり目が向けられています。公衆トイレのおむつシート、
「なか
よし両親」が男女平等の基本であること、男女いっしょに遊ぶ楽しさ、モデル
となるかっこいい父親、忙しい中で協力する親の姿など、生き生きした家族関
係の描かれた作品が目につきました。
小学生高学年の作品について。入賞作品には祖父母世代から共働き父母世代
への家族の変化を、男女平等の見方を入れながら描いているものが複数ありま
した。また、3世代多人数の家族では家事協力は「当たり前」、家族の原点を見
る思いがします。友だちのお父さんがつくる大きいおにぎりから、自分の家族
のあり方を見つめる作品ができました。更に、少し変わった女の子、そのサッ
カー好きを自分らしく楽しむ力強い作品が生まれました。優秀賞ではありませ
んでしたが、めまぐるしく変わる父の仕事、弟の入学を待って仕事に出る母、
不安を感じながらも自分にできる協力を真剣に考える作品も印象的でした。
中学生の作品について。最優秀賞については、専業主婦の母との会話を通し
て、改めて人にはそれぞれの見方があることを知るという作品でした。金子み
すゞが「みんなちがって、みんないい」といった時代背景、人としての生き方
を筋道たてて展開しているところが高く評価されました。また、他の作品では、
祖父の入居する介護施設とそこに働く男女職員の持ち味を生かした姿が描かれ
ていました。男性がこの領域に増えてきた昨今の職場事情については、別の観
点からの理解が必要かもしれません。さらに、他の作品では、男女それぞれの
能力の違いを認め助け合うことの重要性や、他人の悪いところ探しではなく、
いいところを個性として受け入れることの重要性が強調されています。
以上、小学生低学年、小学生高学年、中学生と見てきまして、いずれにおい
ても、規模が小さくなり一層忙しくかつ個別化・孤立化する家族、そしてこれ
を取り巻く地域や職場の姿が浮かび上がってきます。確かに、マスコミが取り
上げる「無縁社会」の特徴は、ここ会津においてもごく身近に迫った現実とい
えます。しかし同時に、今回の作品に特徴的なことは、必死になって「つなが
り」「縁」「きずな」を求め、その重要性に気づき意識しながら成長している子
どもたちの姿です。男女平等の基礎は、社会を担い構成する一人ひとりが、お
互いをかけがいのない尊厳ある人間として受け入れ新たな関係をつくりあげる
私たちの営みです。異なるものが結びつくところに新たなきずなは生まれます。
この考えが若い次の世代にしっかり根を張っていれば、必ず社会の無縁化、崩
壊を防ぐことができます。本事業の意義は一層大きくなっているのです。
最後になりますが、本コンクールに向けてご尽力賜りました各学校、関係機
関、担当の皆様に心より感謝申し上げます。学校全体で取り組むところがさら
に増えますよう、引き続きご協力下さいますようお願い申し上げます。
小学生低学年の部
最 優 秀 賞
男女びょうどうが
男女びょうどうが広
びょうどうが広がるといいな
謹教小学校
3年 上島 花菜
わたしは、いつも男の子だから、女の子だからという男女さべつは、かんじ
た事がありませんでした。
「女のくせに」と言われた事もなく、学校でも「女の
子だから」と、いじめられた事もありませんでした。
そこで、お母さんに男女さべつにかんする事をけいけんした事があるかどう
か、きいてみました。すると、
「女の人のトイレには、おむつをかえるシートが
あるけど、男の人のトイレには、おむつをかえるシートがないのは、男女さべ
つじゃないかな。」と、言っていました。ああ、みじかなところにも、小さな男
女さべつがあるんだな、と気付きました。
わたしには、小さな弟がいます。そういえば、いつも弟のおむつをかえにト
イレへ行っていたのは、お母さんでした。なぜ、女の人のトイレにしかおむつ
がえシートがないのかなあと、ふしぎです。もし、お父さんと弟がお出かけを
して、おむつをかえる事になったら、きっとお父さんは、こまるだろうなと思
いました。
さいきんでは、男の人も女の人もだれでも入れるトイレにおむつがえシート
がふえてきました。また、お父さんにきくと、男の人のトイレにも赤ちゃんを
すわらせておけるイスの付いたトイレがふえているそうです。それは、男女びょ
うどうが広がっているんだなと思いました。だれかがわたしのように男女びょ
うどうにしようという考えがあったからなのかな、と思いました。このような
きょうどうトイレが、もっともっとふえていったらいいなと思いました。
わたしは、今まで男女さべつの事をかんじた事がありませんでした。今回、
お父さんやお母さんの話を聞いてはじめて気付く事が多かったです。わたしの
大好きな町がもっとくらしやすい町になっていけばいいなあと思います。
1
講
評
公衆トイレのおむつシートの例から、男女平等の社会環境整備に目を向けて
意見を述べ、暮らしやすいまちづくりを望んでいます。身近でなかなか気づか
ないところに着目したところがとても新鮮で独創的です。
2
優
秀
賞
マ マ と パ パ
松長小学校
1年 うえだ ゆうま
ぼくのパパは、あさからよるまで、かいしゃではたらいています。車やバイ
クがだいすきで、はれの日はバイクでかっこよく、でかけていきます。
ぼくのママは、ずっとおうちにいます。ぼくが、がっこうからかえると、お
かえりと、げん気にいいます。ゆうがたからは、せいとさんたちがあつまって
きて、ママはおべんきょうをおしえています。
土日は、パパがラーメンやうどんをつくってくれます。とてもおいしくて、
ぼくもママもいもうとも、にこにこして、いっぱいおかわりをします。おにわ
では、たくさんのやさいを、パパがそだてています。やさいもとてもあまくて、
おいしいです。パパがつくったものは、なんでもおいしいです。
ぼくも、大きくなったら、パパみたいに、おしごとをいっしょうけんめいに
やります。おとこだけど、おりょうりもやりたいです。おいしいやさいもつく
りたいです。ママとけんかをしても、まけないでがんばります。つよいおとこ
は、やさしいのです。
3
講
評
会社勤めの父が、手作りの野菜を使い料理してくれる休日の家族団らんの様
子が生き生きと描かれています。父の日常にかっこいいと心から感じていて、
素直な気持ちで大好きな両親を目標にしています。
4
優
秀
賞
いっしょにあそぼう
小金井小学校 2年
内田 芹菜
わたしは、みんなとなかよくあそぶのがすきです。だけど、どうしてと思う
ことがあります。
校ていで、男の子がドッジボールをしているところを見ていて、わたしもや
りたくなったので、
「ドッジボールにまぜて。」と言ったら、
「やあだね。女子は、
あっちいけ」と言われてしまいました。友だちが、
「せいべつくらい、気にする
ことないじゃん。」と言っていました。わたしは、女子だけど、まぜてくれたっ
ていいじゃんと思いました。わたしはボールをあまりとばせないけれど、上手
になりたいし、ドッジボールは楽しいので、やりたかったです。
近くの公園で、すなあそびをしている時は、男の子に、「水をくんでこい。」
「じょうろをとってこい。」と言われることがあります。
「自分でとってきて。」と言ったら、「やあだね。女子のくせに。生い気だ。」
と言われました。けれどまけずに、
「男子だって生い気じゃん。年上じゃないの
にめいれいしてるじゃん。」と言って、ブランコやすべり台などほかのあそびを
しました。いっしょに、すなあそびをしたいと思っただけなのになあと思いま
した。
それから、女の子がおにごっこをしていると、男の子をまぜてあげるけれど、
男の子は女の子をまぜてくれません。りゆうを聞いたけど、教えてくれません
でした。かなしくてつまらなかったです。
わたしは、ドッジボールでも、すなあそびでも、おにごっこでも、みんなで
なかよくあそびたいと思っています。だけど、女の子だからまぜてくれなかっ
たり、めいれいされたりするか「どうして?」と思うことがあります。いっしょ
にあそべるはずなのにどうして入れてくれないのかなあ。だけど、わたしも男
の子に、同じことやってないかなあ。いっしょにあそんであげたりしているか
5
なあ。わたしは、入れてあげていると思っているけど、もしかしたら気づかな
くて、入れてないかもしれないなあ。そんなときは、
「ぼくもまぜて。」って言っ
てもらえると気づくからうれしいなあ。男の子にいやなことを言ってるかもし
れないなあ。そんなときは、「そんなこと言わないで。」って言ってくれると分
かるのになあ。そうしたら、みんなで楽しくあそべるのになあと思いました。
講
評
日常生活の遊びの中の男女差別を通して疑問を抱き、一緒に遊ぶほうが楽し
いと訴え、そこから自分自身も振り返りみつめています。この気づきが大切で
す。
6
優
秀
賞
男 女 平 等
城南小学校
3年 白川 怜桜
男女平等と言う言葉を、お母さんがよくお父さんに言っているのを聞きます。
お母さんは、お父さんがおふろそうじをした時、
「これって、男女平等だよね。」
と、にこにこしながらやさしい声でお父さんに言います。そうすると、お父さ
んもにこにこしながら手伝ってくれます。
お母さんに、
「男女平等って何。」と聞いたら、お母さんは、
「男の人がこれを
やる、女の人はこれをやるとは決まっていなくて、男の人と女の人が助け合う
ことを言うんだよ。」と教えてくれました。
わたしの家でも助け合っています。お父さんは、仕事に行く前に、まずおふ
ろそうじをします。水をぬいて、せんざいをつけてきれいにあらいます。おふ
ろそうじが終わると、せんたく物をほします。2階に持っていって家ぞくみん
なの物をほします。夜は、お母さんといっしょに食きをあらったり、ふいたり
します。
お母さんは、ごはん作りと後かたづけと妹のおべんとう作りと、妹に洋服を
着せたりします。それから、妹をようち園に送っていきます。でも、それだけ
ではありません。仕事にも行きます。かんごしなのでたいへんです。家に帰っ
てくると、ようち園に妹をむかえに行きます。帰ってきてからも、やることは
いっぱいあります。夕ごはんの用意もします。わたしのピアノとえい語の、な
らいものの送りむかえもしてくれます。だから、そんなお母さんをお父さんが
助けてあげます。
わたしは、学校へ行く前に、げんかんそうじとゴミすてをします。これは、
3年生になってからやっています。2年生のときは、何もやっていませんでし
た。3年生になって、
「男女平等」という本を読みました。その本には、2年生
の子がげんかんそうじをしたり、ゆかふきをしたり、あらいものを手つだった
7
りしていることが書いてありました。だから、わたしも負けていられないと思っ
て始めました。
家ぞくみんなで助け合うことが、男女平等なのかなあと思います。お父さん
とお母さんは、男だから、女だからと決めないで仕事をしているので、わたし
もぜったい自分の決めた仕事をちゃんとやろうと思いました。わたしのお母さ
んとお父さんはなかよしなので、男女平等になっているんだと思います。わた
しも、お父さんやお母さんのようになりたいです。
講
評
家族みんなで家事を分担している様子がよく表現されています。「なかよし」
が男女平等のもとになることに気づき、両親の姿を見てそこから自分の将来を
見つめています。
8
小学生高学年の部
最 優 秀 賞
ぼくのしょう来 の夢
城南小学校
4年 安積 崚
ばあちゃんはよくぼくに、「ばあちゃんは本当は子どもに勉強を教えるのが
好きだったから学校の先生になりたかったんだ。でも、9人も兄弟がいて女の
子だったからばあちゃんまで上の学校に出すお金が家になかったんだ。ばあ
ちゃんも男に生まれたかったなあ。」と昔のことを悲しそうに思い出して話し
ます。ぼくはその話を聞くと、(どうして昔は女の子はあまり学校へ行ったり、
自由に仕事についたりできなかったのかなあ。)と不思ぎに思っていました。
ある日、お母さんが、「ユニセフぼ金にご協力をお願いします」というちら
しを見せてくれました。そこには、~女の子に学ぶチャンスを~食べていくだ
けで精一杯の貧しい家庭にとって、子どもの学費は大きな負担です。たとえ学
費が無料になったとしても、家に残る男の子が優先されます。女の子が学校に
通えば、学校で学んだ「生きるための知識」を家庭や社会、そして次の世代に
広げ、次の世代の子どもの死亡率を半減させることができるのです。と書いて
ありました。お母さんはぼくがむずかしくて分からないところを説明しながら、
「ばあちゃんが子どものころの日本も、せんそう中で同じだったんだよ。女の
子より男の子が優先されたの。くやしかったばあちゃんは一生けん命はたらい
て、学校の先生になるための大学にお母さんを出してくれたんだよ。」と教え
てくれました。ぼくが、「お母さんは、ばあちゃんがなれって言ったから学校
の先生になったの。」と聞くとお母さんは、「それもあるけど、お母さんが子
どものころ男の人と同じように仕事をして、お給料も同じっていう仕事はあま
り無かった中で、子どもが大好きだったし、男女平等でやりがいがある仕事だ
なって思ったんだよ。」と答えてくれました。
お父さんにも、どうして今の仕事をえらんだのか聞いたら、「電気を作る仕
事がおもしろそうだったし、安積君にむいているよと中学校のたんにんの先生
9
がすすめてくれたからかな。」と言っていました。2人の話を聞いてぼくは、
お父さんとお母さんは、男女に関係なく、がんばればなりたいしょく業につけ
る時代に生まれてよかったなと思いました。
ぼくは今、しょう来医者になりたいと思っています。それは、3年前にクモ
まっか出血でたおれて入院したばあちゃんを毎日お見まいに行って、ばあちゃ
んを治してくれた宇野先生の仕事に感動したからです。ぼくも宇野先生のよう
に、病気で苦しんでいる人を助ける仕事につけるようにがんばりたいです。
講
評
祖母の話から、男女平等な社会のあり方、母の仕事の意味を筋道をたててしっ
かりと考えています。また、両親とのふれあいを通して自分の将来の意欲が伝
わってきます。
10
優
秀
賞
わたしって、
わたしって、変わってる?
わってる?
城西小学校
5 年 渡部 小百合
わたしは、サッカークラブに入っています。小さいころから、サッカーが好
きでマリーゼなどの女子サッカーがあったので、女子がサッカークラブに入る
のはあたりまえだと思ってこのクラブに入りました。でも入ってみたら女子は、
わたし1人でした。それにサッカークラブの先生に「女子でこのクラブに入っ
たのは、初めてかも。」と言われて、少し「え!?そうなの?」と思ってドキッ
としました。
わたしは、ようち園の発表会でいつも、男の子の役でした。『7ひきの子や
ぎ』で兄さんやぎの役。『3びきの子ぶた』でオオカミの役。『ピーター・パ
ン』ではピーターの役。年長の時は、『かっぱのお宝』というげきでとうぞく
の役をやりました。とうぞくの役でステージに出た時は、さすがにお父さんは、
ショックだったそうです。役の決め方は、まずやりたいものを自分でえらびま
す。そして人数があわなかったりしたら話し合いなどで決めていました。役を
やっているときは、「男の子の役もこんなに楽しいのか。」と思いながらやっ
ていました。
わたしが好きなことを出来るのは、
「そんなこと女の子がすることじゃない。」
と言う人がいなかったからだそうです。
わたしがその役をえらんだ時、先生たちとお父さんお母さんでいろいろ相談
して、「自分でえらんだ好きなことを最後までしっかりやる方がいい。」とい
うことになっていたそうです。
わたしの家族は7人家族です。お父さんとお母さん、おじいちゃんおばあちゃ
んも仕事をしています。なのでおじいちゃんが夕はんを作ることもあります。
お父さんが、買い物や茶わんあらいをすることもあります。
おたがいに助け合っているので毎日仲よく生活できるんだなと思います。
11
わたしは、男らしさ女らしさとかいいことがいっぱいあるけれど、自分らし
く、一生けん命なのが一番だと思います。わたしは、サッカークラブ、女子第
1号として入ったけれど、やっぱり、かみかざりや洋服は、女の子らしいかわ
いいものが好きです。今年は、サッカークラブの女子の人数は3人になって、
去年よりも楽しくなりました。他の人も女子なのに…と思わなくなったみたい
です。
わたしはこれからも、いろんなことにちょうせんしていきたいと思います。
「変わってるね。」なんていわないでおうえんしてくれるとうれしいです。
講
評
自分のやりたいことに挑戦した経験、そして周りの大人の配慮に関して、明
るく率直に描かれています。自分らしく生きる大切さに気づき、伸び伸びと成
長する姿がとてもすばらしいです。
12
優
秀
賞
大 きいおにぎり
神指小学校
5 年 橋本 和音
5年生の学年行事で、新がた県立自然科学館に行った時のことです。「それ、
おっきいよね。」おべんとうを食べていたら、ふみや君のお母さんが言いました。
周りいた人たちが、いっきにふたごの友基君・大基君が食べてたおにぎりに注
目しました。「わぁ、ほんとだぁ。」とわたしのお母さんが言いました。ソフト
ボールくらいの大きさだったので、わたしは、「わぁすごくでかい。」と心の中
で思いました。「お父さんが作ったんだよ。」と友基君・大基君2人が口をそろ
えて言いました。「もしかして、おべんとう全部お父さんが作ったの。」おべん
とうの中身をのぞくと、たまごやき・ベーコンまき・ゆでたアスパラガス・デ
ザートにはフルーツが入っていました。「えー作ったの。すごいね。」お母さん
たちが言うと、
「おにぎりは、ほんとうはもっと大きいよ。たまごやきは、買っ
てきて切っただけだよ。」と、友基君・大基君のおとうさんが笑いながら言いま
した。夕飯も作るそうで、周りのお母さんたちはびっくりしながら話を聞いて
いました。わたしは、そのおべんとうを見ながら、
「友基君・大基君のお父さん
はうらやましいな。」と思いました。
わたしのお父さんは、料理をしません。たまに食器をあらったり、休みの日
オフロそうじをするだけです。他は家にいるお母さんが家事をします。お母さ
んが用事で夕方おそくなっても、絶対に料理をしません。こんな時は作ってほ
しいなぁと思います。わたしがそのことをお母さんに言うと、
「そうだね。作っ
てくれたら楽だけど、うちはその時できることをやっていたらこうなったの。」
と言いました。友基君・大基君のうちは、共働きで夜きんもあるからお父さん
とお母さんが家事を半分ずつにしていることも教えてもらいました。わたしは
男だから料理をしないわけではないし、男だって料理をするんだなと思いまし
た。
13
わたしは大人になったら何か仕事を一生けん命やりたいです。だからもし結
こんしたら相手の人と家事をうまく分けっこしたいです。いそがしい時は、も
ちろん、料理をしてほしいと思います。
講
評
友達のお父さんが作った大きなおにぎりから、自分の家族と比較し違いを観
察しています。その視点がユニークであり、そこから男女共生社会へ眼が向け
られ、それぞれの家庭で家族が協力する素晴らしさを生き生きと表現し、将来
の自分の姿を見つめています。
14
優
秀
賞
できる人
できる人ができる事
ができる事をできる時
をできる時に
東山小学校
5年 木村 彰吾
今年の夏、ぼくは北海道旅行をしました。飛行機に乗るのは、これで3度目
でしたが、ぼくは、あることに気が付きました。なんと客室乗務員に男の人が
いたのです。ぼくは、男の人でもできるのだなぁと思いました。男の人は、パ
イロットやせいび士、女の人が、客室乗務員だと思っていたからです。しかし
仕事内容も、女性と何も変わりませんでした。
飛行機をおりてから、母に聞きました。
「なんで男の人がいたの。」
「今は、男
の人も、女の人も関係ないの。男だからこの仕事、女だからこの仕事。という
のは、平等じゃないのよ。」と答えました。そう思えば父の仕事もそうです。父
は、消防士として働いています。消防士には、女性もいます。夜勤をやり、火
事や救急にも一緒に行きます。それってとても大変な事じゃないのかな。なぜ
なら女性は、体力や力が男性よりないからです。それを父に聞いてみました。
すると、「助け合ってやるからだいじょうぶ。」と答えました。
ぼくは助け合うってどういう事なのか考えてみました。ぼくの家は、共働き
です。そして、せんたくやそうじや食事づくりはだれがやるとは決まっていま
せん。父もやれば母もやります。父が夜勤の時は、母がやります。母が仕事で、
父が休みの日は、父がやります。2人が休みの日は、2人で一緒にやっていま
す。もちろんぼくたち兄弟も手伝います。その時両親は、男だからこれをやっ
て。女だからこれをやって。とは言いません。ぼくは、お茶わんを洗っていま
す。弟は料理を手伝っています。妹は、にんじんの皮むきがとくいです。ぼく
は、(そうか。こういう事が助け合うということなのか。)と思いました。
(できる人ができる事をできる時にやる。)そうすれば、男や女なんて関係な
いのではないでしょうか。しかし、そんな家庭は少ないのかもしれません。実
際祖父の家もそうです。祖父は、犬の散歩だけで、後はテレビの前から動きま
15
せん。祖母は座るひまも無く動き回っています。ぼくたちが遊びに行くと食事
や世話など全部やってくれます。ぼくはそれが、あたり前だと思っていました。
しかし、両親の話を聞き、色々考えて、気付きました。祖母が1人でやるのは
おかしい。ぼくや祖父、みんなでやればいいのではないか。人を思いやる気持
ちが大切なんだ。という事を。そして、
(できる人が、できる事を、できる時に。)
やれば男女差別などなくなるのではないでしょうか。
これからぼくは、人を思いやる心を忘れずに、男女関係なく、助け合って、
自分らしさを出せるようがんばっていきたいです。
講
評
飛行機での男性客室乗務員の発見や女性消防士の存在から、
「助け合う」とは
何なのかを自分に問いかけ、両親と祖父母の生活を対比して家族の協力が大切
なことに気付き、そこから「できる人ができる事をできる時にする」との「助
け合い」の考えを引き出しました。
16
優
秀
賞
ぼくの家
ぼくの 家 は 、 男 女 平 等
城南小学校
6 年 遠藤 優太
ぼくの家は、祖父、祖母、父、母、姉、妹2人、そしてぼくの8人家族であ
る。
ぼくが小さい頃から祖父が台所やふろそうじをしたり、祖母の届かないとこ
ろのそうじをしている。父は、夜勤明けや休みの日は、洗濯物を干したり、た
たんだり、部屋の片付けをしたり、妹が赤ちゃんだった頃は、オムツをかえた
り、ミルクを飲ませたりしている姿をいつも見ていた。
母は、保育士の仕事をしている。となりの友達のお母さんは、いつも家にい
てくれているので、うらやましいなと思ったことはあるが、母は毎日忙しそう
に「行ってきます。」と仕事に出かけていく。母のいない昼間は、祖母が、家事
をしたり、妹たちのめんどうをみていた。これが、ぼくが小さい頃からみてき
た家族である。
『男女平等』という言葉を聞いた時、ぼくは思わず母に聞いてし
まった。「どういう意味?」と。すると母はこんなふうに言っていた。
いろいろなことがあるけれど、昔、日本では男尊女卑といって、男の人がえ
らくて、女の人は、男の人の言うことをなんでも聞かなければいけない時代が
あった。男の人は、家族のために一生けん命働き、女の人は家にいて、家事を
したり、子育てをしたりするのがあたり前。一家の主人が一番風呂、主人がは
しをつけないうちはごはんを食べられない。
母からこんな話を聞いた時、ぼくは信じられない気持ちだった。ぼくの家で
は子供たちが一番風呂、最後に入るのは祖父で、お湯を抜いて明日のために水
をくんで、まわりをピカピカにする。食事だって家族がそろえば、いっせいに
食べ始める。
母が夜勤でいない日は、祖母がごはんを作り、父が洗濯をし、いつものよう
に祖父は風呂そうじ、ぼくたち4人も、食事の後片付けを手伝ったり、ふとん
17
をしいたり、できることは分担してやるようにしている。
ぼくの家では、男も女も関係なく家事をするのがあたり前になっている。そ
れに家族だれかのたん生日には、父が料理を作ってくれる、これはぼくが1番
楽しみにしていることだ。家庭科で調理をするようになり、ぼくも料理に興味
を持つようになった。休みの日には、料理の手伝いをすることも楽しみである。
今の時代はとても幸せだと思う。男の人でも料理をしていいし、看護師や保
育士などやりたい仕事ができる。お父さんの職場にも、女の消防士がいると聞
いておどろいたが、男の仕事、女の仕事と決めつけずに、将来の仕事を選べる
のはとてもいいことだと思う。
ぼくの家であたり前になっている男女平等。ぼくも、料理でも洗濯でも、そ
うじでもなんでもできる人間になりたいと思っている。
講
評
自分の家では各人が「当たり前」に担当する仕事(家事)があるという実践
的な内容のなかに、お互いの信頼感が読み取れます。3世代がそれぞれに協力
し、うまく助け合っている生活の中で、自然に身についたものが社会へ出たそ
の先が楽しみです。
18
中学生の部
最 優 秀 賞
男 女 平 等 について
河東中学校
1 年 矢野
桜
昔の日本では、女性が家事をして男性が働く家庭が多かった。しかし、今は
その逆も少なくない。私の家では母は働いていない。そこで働きたいと思わな
いのか、また、男性が家事をする事についてどのように考えているか聞いてみ
た。すると「桜が空っぽの家に帰ってくる事は考えられなかったの。うちは、
3人家族でお父さんの帰りが遅いから3人が揃うのは、朝の短い時間だけ。だ
から3人が揃わなくても少しの時間でも家族が一緒に過ごす時間が大切だと
思ったの。だから働く事は考えなかった。でも桜もおおきくなったし、社会に
出たい気持ちが出始めてきたなあ。男性が家事をする事は、うちの場合は難し
いね。いないのだから。」と答えた。私は母の考えを初めて聞いた。
しかし、世の中には「女性は働かなくていい」
「男性が家事をするのはおかし
い」という意見もある。それは人それぞれだ。私はこの時、
「みんなちがってみ
んないい」という金子みすゞの詩の一節が思い浮かんだ。みすゞは大正時代に
若くして才能を認められ活やくした有名な詩人だ。女性が男性に負けないほど
活やくする事などあまり無かったであろう時代の中で「みんなちがってみんな
いい」と詩ったみすゞの心には、もしかしたら男女も年令も人種も宗教も性格
も人それぞれの個性であり「差別してはいけない」という思いがあったのかも
しれないと思う。私は以前、山口県長門市にある金子みすゞ記念館を訪ね様々
な作品だけでなくみすゞの人生を知る事ができ、とても印象に残った。当時の
男性中心の社会で、女性でありながら才能を認められ幸せだったのではないか
と思っていたら結婚、出産、離婚を経験し最後には一人娘も別れた夫に奪われ
そうになり自ら命を絶ったそうだ。
「みんなちがってみんないい」というすばら
しい詩と、みすゞが生きていた当時の社会の厳しい現実と、それに対抗するた
めに命をかけなければいけなかった悲しみに何とも言えぬ複雑な気持ちにさせ
19
られた。みすゞはどんな思いだったろうか?本当に心から「みんなちがってみ
んないい」と思える世の中になってゆけばいいなと思う。
また人間という生き物は自分と意見の違う者を差別する。こんな事の一つ一
つが男女差別につながってしまうのだろうと思う。男女不平等を無くすといっ
てもすぐに無くす事はできない。だから、どんなに小さくても今、私にできる
事はなにか考えた。その結果、人の意見や価値観が違うからといって拒否する
のではなく尊重し理解し合って生きていく事が大切なのではないかと思う。こ
のような身近な事が男女差別を無くす第一歩なのだと私は信じる。
講
評
専業主婦である母の思いを聞き、金子みすゞ記念館を訪ね「みんなちがって
みんないい」という詩をつくった時代背景や生き方に学び、自分にできること
は何かを論理的に述べています。とても真摯な願いが伝わってきます。
20
優
秀
賞
男 女 平 等 について
第二中学校
2年 浅野 奈緒美
「男女平等」とは何なんだろうか。辞典で調べてみると、男女で扱い方に違
いをつけず、等しくするといった意味になった。さらに、インターネットで調
べてみると、全国的に男女共同参画への取り組みが行われていることがわかっ
た。
私がいろいろ調べていく上で、1つ疑問に思ったことがある。それは、男女
平等の取り組みが、女性を守る為や女性の地位向上の為に進められているとい
うことだ。
例えば、男女平等の活動計画に「男女が働きやすい環境づくり」とあげられ
ている。しかし、内容は、働く女性が差別なく、能力を十分発揮できるように
するとか、女性が子どもを産んでも働き続けられる環境を整備し、男女共に、
職場生活と家事や育児・介護などの家庭生活が両立できるよう支援していくと
いったものだ。私はこれに、女性中心に考えられているような印象を受けた。
あまり男性のことは取りあげられていない。
私は、男女が同じ割合で、育児や家事、介護などをすれば良いとは必ずしも
思っていない。私の父にその話をすると、父は「子供が幼い時は、母親の愛情
と能力が一番大切だし、同じことを父親がしても補えないところがある。父親
として自信を持ってやれない部分があると思う。」と言っていた。もちろん、家
庭生活において男女が協力することは、とても大切だと思う。その上で、さら
に女性らしさ男らしさが生かされることが、人として平等な大きい力になって
いくのではないだろうか。
私は、今の社会のことはあまりよくわからないが、女だから男だからこれを
やらせない。しなきゃいけないといった固定概念は聞かなくなったと思う。学
校生活を振り返ってみても、男女平等に、施設や教育も提供されているし、差
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別なく評価されていると思う。ただ体育の授業の準備の時など、先生は男子に
よく物を運ばせる。男子は文句も言わずに力仕事を頑張ってくれている。私は、
今回男女平等を考える機会を得て、男子の力仕事を、ただ見ているだけでなく、
やっぱり一緒に運んだり、男子に感謝する気持ちを持つことが人として大切だ
と、今思っている。
私は、男女平等とは決して、いろいろなことを男女同じくやることではなく、
特に難しく考えずに、自然体で、男性が女性を、女性が男性を、心のどこかで
敬っていけば、目に見えなくても、それはそれで男女平等に繋がっていくので
はないかと強く思っている。つまり、私は、男女がお互いの能力を認め合い理
解しながら、性別を特に意識することなく、人間として助け合っていくことが、
男女平等の理想的な社会をつくっていくのだと思う。
講
評
男女平等の取り組みが「女性中心である」と指摘し、体育の授業で感じたこ
とから、お互いの能力を認め合い理解し助け合っていくことが男女平等な社会
づくりには必要であるとまとめています。
22
優
秀
賞
真 の男 女 平 等 とは…
第五中学校
2年 芳賀 美涼
「男女共同参画社会」や「ジェンダー」など、男女平等に関するいくつかのキー
ワードが私たちの耳になじみ、かなり浸透してきているように思います。
また、
「男女雇用機会均等法」により、雇用の分野で男女が平等に機会を与え
られるようになりました。これらは、男女の性別での差別がなくなりつつある
こと、男女が共に生きていく社会環境が整いつつあることを指し示していると
私は思います。
しかしながら、日々の生活の中に男女平等の意識が浸透し、差別的な考えが
なくなったとは言えないのではないでしょうか。
「男はこうあるべきだ」とか「女
はこうでなくてはいけない」といった偏見は、まだまだ根強く残っているので
はないでしょうか。
私は、小学校へ入学したとき、それまで七五三のために長くしていた髪を短
く切り、ショートカットにしてみました。髪を切ることで気持ちが切り替わり、
これから始まる新しい生活に大きな希望を抱いていたのです。自分としては、
とても嬉しい気持ちでした。しかし、ある日クラスメートの女の子から、
「なん
で女の子なのに、髪が短いの?」と言われました。それを聞いた私は、とても
驚き、何とも言えない違和感を覚えました。(私は男の子を意識して髪の毛を
切ったわけではないのに、なぜそんなことを言われるのだろう)大きな疑問が
残りました。
今までも私は、クラスメートから、「女の子なのに、言葉遣い男みたいだね」
「みっちゃんって男っぽいのに、ピアノうまいね。」などと言われます。そのよ
うな言葉を聞くたびに、私の中では、「女の子なのに」「男っぽいのに」とは一
体どういうことだろうかという疑問がわいてきました。確かに私は女として生
まれてきましたが、女である前に、1人の人間なのだ、と思うのです。
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こうして見てみると、私たちは無意識のうちに、いかに人を男女の区別で見
ているか、無意識の言動で相手を傷つけているか、ということに気づかされま
す。
人を、男女の区別で見るのではなく、同じ人間として見て、相手を尊重する
ことが最も重要であり、真の男女平等と言えるのではないでしょうか。私は、
一人の人間として様々な分野で、それぞれが性別の差を越え、それぞれの個性
を発揮しながら、いろいろなことにチャレンジできることこそが、男女平等の
社会を作る要だと考えています。
私自身、そのような意識をきちんと持ち、男女が共に手を携えて生きていけ
る社会の実現に微力ながらかかわっていきたいと思います。
講
評
男女平等の法整備等は進んでいるが、自分の経験から今でも偏見や無意識の
差別があることに疑問を感じ、1人の人間として尊重しあえる社会の大切さに
気づき、自分らしく生きるという個性発揮でチャレンジできる社会を実現した
いとまとめています。
24
優
秀
賞
介 護 は今 は男 女 共 に
第五中学校
2年 佐藤 勇人
僕の祖父は 15 年間の1人暮らしを経て、現在は、介護付有料老人ホームに入
居しています。かつて介護は女性のみの担当だと思われていましたが、高齢化
が進んだ今は、自宅では老老介護になり、介護に男女の区別はなくなったと思
います。
祖父の介護施設を見ると、収容人員 51 人に対し、看護師(女)3人、介護職
(男)5人、
(女)18 人、1対3の割合です。入居者は4対6で老女が多く女の
園です。
祖父に男女の介護士さんについての意見を聞いてみました。夜勤は災害が
あった時に、力が強く頼りになる男性がよい。女性はパニックになるのではと
心配しています。車椅子に移る時、体が大きく胸板の厚い男性の方が安心だと
も話しています。一番印象に残った話は、入浴は 80 歳を過ぎても男は男、介助
は男性がよく、また恥じらい、照れがあるように感じました。男性だと力いっ
ぱい洗ってくれて、気持ちよかったと特に感じるようです。祖父の大好きな野
球中継がある時は、時間になるとテレビのスイッチを入れ、又結果を教えてく
れます。女性は「老人は国技の相撲のみが好き」と思い、皆を食堂で観戦させ
てくれます。毎朝の着替えの時はたんすを見て、「今日はどれにしますか。」と
まるで着せ替え人形のようだと笑っていました。ファッションは女性です。す
みずみまで掃除し、ベットメーキングは女性が最適。人それぞれ得意不得意が
あり、一長一短です。
僕もお見舞いに行き感じるのは、男性は背が高いのでひざを曲げて、祖父の
目線に合わせて会話をしてくれています。女性は会話をする時に、自然と必ず
肩や背中に手を置いています。手のぬくもりが伝わり、女性の心の温かさが感
じられる行動です。男女共それぞれ特有のある介護をしている事が目に触れ、
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僕自身もうれしく思いました。
「介護は女性の仕事」の思いは一昔前です。介護
職は最近男性が増えて来ました。施設内でも、20・30 代の若い男性が働いてい
ます。介護は男女関係なく行わなければならない務めであると思います。人が
相手の仕事です。相手のプライドを傷つけずに介護をするのは、大変難しいと
思われています。お互い協力し切磋琢磨して心技に輝きを増して欲しいと願っ
ています。今後は5対5になるように、男性の進出に期待しています。介護に
は知識や技術がもちろん必要ですが、最終的には人と人とがどう接するかが重
要です。男性、女性は関係なく、男女平等で行うべき責任ある新職種であると
思います。リストラされた人達が介護の研修を受けるニュースを見ました。人
材不足で受け皿を広げています。これを見ても介護は女性のみではないと改め
て思います。男女一緒に頑張るべきです。
講
評
祖父が入居する介護施設の職員の姿を細かに観察しています。男子、女子ス
タッフの持ち味を生かすあり方を提案し、介護現場の男女共同の重要性を述べ
ています。これからますます増加する「介護」について考えることは、非常に
大切なことです。
26
優
秀
賞
本当の
本当の男女平等について
男女平等について思
について思うこと
第六中学校
3年 齊藤 美優
「男らしい」
「女らしい」なぜこのような言葉があるのか。私は不思議でたま
らない。
「お前って女らしくないよな。」私は男子にこの言葉をよく口にされる。
それは私の性格にあった。さっぱりした性格。強気の口調。
「男らしくて強い女」
それが私に与えられた称号なのだ。
しかし「男らしい」「女らしい」とはどのような人のことをいうのだろうか。
男は強く仕事ができる人じゃないといけないのか。女は弱く家事が得意じゃな
いといけないのか。そんな決まりはどこにあるのか。
私の家庭では父も母も家事・洗濯をする。母が体調が悪かったりすると父が
料理をしたり、洗濯したりする。それが私にとって普通のことだった。しかし、
友達と料理の話になった時、思いがけない事実を知った。
「うちではお父さんは
料理しないよ。」ということを半数以上の友達が言うのだった。
私は驚きを隠せなかった。男の人は料理をしないことが普通なのか。そうで
はないと思う。私の父の場合、高校生の時、家が遠かったため姉といっしょに
下宿生活を行っていてしだいに料理ができるようになったと言っていた。父に
とって料理とは生きていくために必要な知恵なのである。
私の母は専業主婦だが知り合いには子どもを育てながら働いている女の人も
いる。私はその人たちを見ているといつか自分もそうなりたいと思うときがあ
る。女の人が男の人と同じようにまたはそれ以上に仕事をこなしていることは
すばらしいことだと思う。
学校では男子と女子でする仕事が分かれたりする。重い荷物をもつのは男子、
掃除をするのは女子ときっちり決まっていることがある。でもそれはおかしい
ことだと思う。重い荷物をはこぶのが得意な女子や掃除が得意な男子だってい
る。お互いのいい所を見分ける「目」を持つことが大切だと思う。
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男女平等。本当の男女平等とはお互いのいい所、悪い所、得意なこと、苦手
なことを知ることから始まるのではないだろうか。
「男のくせに」
「女のくせに」
と言うのはお互いの悪い所しか見ていない証拠である。いい所、得意なことを
伸ばし、悪い所、苦手なことをカバーしてあげることで良い人間関係を築くこ
とができるのではないか。人間全てにおいて完璧な人などいない。それをふま
え、互いに支え合うことが大切なのではないか。
私たちはまだまだ未熟だ。お互いを性別によって傷つけることだってよくあ
る。しかし性別によってうまれる偏見の「目」は場合によっては人間関係を壊
すことを知っておく必要性がある。
男女平等。まず、人の個性を認めよう。そして、いい所、悪い所、得意なこ
と、苦手なことを見つける「目」を持ち、それを受けとめる大きな「心」を私
はつくっていきたい。
講
評
日常生活の中で無意識に男女差別があることに気づき、それを解決しようとし
ています。「男のくせに」「女のくせに」というのは、お互いの悪いところしか
見ていない証拠、個人の長所を認め合い短所をカバーしあう家庭や社会の基本
に着目しています。
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