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セブンイレブンvs.ファミリー マート
リーディング企業 IT 戦略の 分岐点 図1◉セブン - イレブン・ジャパンとファミリーマートにおける海外店舗のシステム戦略の違い セブンイレブン vs.ファミリー 海外システムの進 コンビニエンス・ストア2 強が、海外展開向け情報システムの標準化に乗り 出した。これまでは、セブンイレブン、ファミリーマートともに、進出先で 個別に開発してきた。狙いは3つ。出店スピードの加速、コスト削減、店舗 運営レベルの向上だ。ただ、セブンイレブンがインフラから、ファミリーマー トがアプリケーションから、 とそのアプローチは異なる。 (大和田 尚孝) 58 NIKKEI COMPUTER 2007.7.9 国内のコンビニエンス・ストアで、 海外出店に最も積極的なのは、連結売 上高で業界2位のファミリーマートだ。 成長著しいアジアを中心に、海外だけ で6196店(2007年4月末時点)を出店 スウェーデン ノルウェー 図 2 ◉セブンイレブンとファミリーマートの 海外展開状況 74店 99店 カナダ 464店 中国 1221店 トルコ 110店 74店 韓国 デンマーク 3526店 61店 台湾 6082店 4511店 タイ 12店 2026店 3912店 522店 米国 1461店 メキシコ 693店 フィリピン シンガポール 283店 はセブンイレブンの店舗数 はファミリーマートの店舗数 345店 マレーシア オーストラリア 846店 364店 プエルトリコ 14店 店舗数は、 ファミリーマートが年月末現在、 セブンイレブンが年月末現在 中国・北京のセブン イレブン店舗 万504店(図2) 。ファミリーマートを 上回る。ただし、このうちセブン—イ レブン・ジャパンが店舗運営やシステ タイのファミリーマート店舗 ム開発に直接関与しているのは、中 国・北京と米ハワイの100店強だけ。 米国に6000店を抱える米セブンイレブ ン(旧サウスランド)を05年11月に完 マート 全子会社化したのを機に、昨年から、 米セブンイレブンに対し、情報システ 化に挑む ムの設計方針などを本格的に指導し始 めたところだ。 日本からの支援範囲こそ違うが、セ ブン—イレブン・ジャパンとファミ リーマートの海外システム戦略には共 通点が少なくない。各国・地域の経済 力や現地法人の事業規模に見合うシス テム投資をするという考え方だ。国内 (図1) 。業界3位ローソンの海外出店数 積極的。進出する5カ国・地域のコン では、セブン—イレブン・ジャパンが 286店(同2月末時点)に大きく水をあ ビニ運営企業に出資し、システム開発 500億円、ファミリーマートは310億 けている。約7000店の国内を含めて を支援している。 円を投じ、それぞれ小売業としては最 「グローバル2万店構想」を掲げるファ 一方、セブンイレブンの看板を掲げ 先端のシステムを昨年稼働させてい ミリーマートは、さらなる店舗拡大に た店舗は、07年3月末現在で海外に2 る。だが、両社とも国内のシステムを NIKKEI COMPUTER 2007.7.9 59