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特 許 公 報 特許第5781437号

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特 許 公 報 特許第5781437号
〔実 11 頁〕
特 許 公 報(B2)
(19)日本国特許庁(JP)
(12)
(11)特許番号
特許第5781437号
(45)発行日
(P5781437)
(24)登録日 平成27年7月24日(2015.7.24)
平成27年9月24日(2015.9.24)
(51)Int.Cl.
FI
A23F
3/14
(2006.01)
A23F
3/14
A23F
3/16
(2006.01)
A23F
3/16
請求項の数15 (全16頁)
(21)出願番号
特願2011-529540(P2011-529540)
(86)(22)出願日
平成21年9月30日(2009.9.30)
ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノート
(65)公表番号
特表2012-504398(P2012-504398A)
シヤープ
(43)公表日
平成24年2月23日(2012.2.23)
オランダ国、3013・エイエル・ロッテ
(86)国際出願番号
PCT/EP2009/062670
ルダム、ヴェーナ
(87)国際公開番号
WO2010/037768
(87)国際公開日
平成22年4月8日(2010.4.8)
審査請求日
平成24年8月9日(2012.8.9)
審判番号
不服2014-4492(P2014-4492/J1)
審判請求日
平成26年3月7日(2014.3.7)
(31)優先権主張番号
08165776.9
(32)優先日
平成20年10月2日(2008.10.2)
(33)優先権主張国
欧州特許庁(EP)
(31)優先権主張番号
08172695.2
(32)優先日
平成20年12月23日(2008.12.23)
(33)優先権主張国
欧州特許庁(EP)
(73)特許権者 590003065
455
(74)代理人 100108453
弁理士
村山 靖彦
(74)代理人 100064908
弁理士
志賀 正武
(74)代理人 100089037
弁理士
渡邊 隆
(74)代理人 100110364
弁理士
実広 信哉
最終頁に続く
(54)【発明の名称】茶製品を製造する方法
1
2
(57)【特許請求の範囲】
【請求項4】
【請求項1】
混合物を焙じてリーフティーを製造する、請求項3に記
a) 30と90重量%の間の含水量を有する新鮮な一番茶葉か
載の方法。
ら抽出液を圧搾し、それにより葉残渣および茶抽出液を
【請求項5】
製造し、前記新鮮な茶葉が圧搾工程の前または間に凍結
発酵したまたは発酵している茶物質が新鮮な二番茶葉に
融解法を受けない、ステップと、
由来する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
b)新鮮な一番茶葉および/または茶抽出液に酵素不活性
【請求項6】
化処理を施し、それにより茶抽出液の発酵を防止するス
酵素不活性化処理が熱処理である、請求項1から5のいず
テップと、
れか一項に記載の方法。
c)酵素が不活性化している茶抽出液を発酵したまたは発 10
【請求項7】
酵している茶物質と合わせるステップと
d)葉残渣を加工してリーフティーを製造する
を含む方法。
追加のステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に
【請求項2】
記載の方法。
ステップ(c)の茶抽出液を発酵リーフティーと合わせる
【請求項8】
、請求項1に記載の方法。
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法により得られ
【請求項3】
る茶製品。
ステップ(c)が、茶抽出液を発酵しているドールと合わ
【請求項9】
せて混合物を形成するステップを含む、請求項1に記載
ポリフェノールがカテキンを含み、カテキンと総ポリフ
の方法。
ェノールとの重量比が0.40未満、好ましくは0.10∼0.35
( 2 )
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4
である、ポリフェノールを含む、請求項8に記載の茶製
。別の変法において、ウーロン茶は、部分的発酵により
品。
調製される。
【請求項10】
【0004】
カテキンがガレート型カテキンおよび非ガレート型カテ
茶葉は、茶そのものの特徴に関与する物質と共に、通常
キンを含み、非ガレート型カテキンとガレート型カテキ
、植物の成長および光合成に付随する多数の酵素、生化
ンとの重量比が少なくとも1.2:1、好ましくは1.4:1∼20
学的中間体および構造成分を含有する。これらとしては
:1の範囲である、請求項9に記載の茶製品。
、フラバノール、フラバノールグリコシド、ポリフェノ
【請求項11】
ール酸、カフェイン、アミノ酸、単糖類および多糖類、
テアニンおよびカフェインを少なくとも0.2:1の重量比
で含む、請求項8から10のいずれか一項に記載の茶製品
タンパク質、セルロース、脂質、クロロフィルおよび揮
10
発性物質が挙げられる。
。
【0005】
【請求項12】
フラバノール、またはより具体的にはフラバン-3-オー
ポリフェノールを含む、請求項1に記載の方法によって
ルは、摘み立ての茶葉の乾燥重量の最大で30%を構成す
調製される組成物であって、ポリフェノールがカテキン
る傾向があり、カテキンとして知られている。緑茶は、
を含み、カテキンがガレート型カテキンおよび非ガレー
カテキンの大部分を保持するが、紅茶におけるその含量
ト型カテキンを含み、カテキンと総ポリフェノールとの
は、テアフラビンおよびテアルビギンを得るための発酵
重量比が0.40未満であり、非ガレート型カテキンとガレ
の間に生じる化学的および酵素的酸化の両方が原因で非
ート型カテキンとの重量比が少なくとも1.2:1、好まし
常に低下する。
くは1.4:1∼20:1の範囲である、組成物。
【0006】
【請求項13】
20
カテキンは、抗腫瘍活性ならびに体形および/または体
カテキンと総ポリフェノールとの重量比が0.10∼0.35で
脂肪の調整に対する効果を含めた様々な生物活性を有す
ある、請求項12に記載の組成物。
るものと主張されてきた。
【請求項14】
【0007】
ポリフェノールが、テアフラビン、テアルビギンまたは
茶は、多くの他のフェノールを含有する。これらとして
それらの混合物を含む、請求項12または請求項13に記載
は、没食子酸、ケルセチン、ケンフェロール、ミリセチ
の組成物。
ン、およびそれらのグリコシドなどのフラバノール、な
【請求項15】
らびにクロロゲン酸およびp-クマロイルキナ酸などのデ
テアニンおよびカフェインを少なくとも0.2:1の重量比
プシドが挙げられる。これらの一部は、発酵の間に発生
で含む、請求項12から14のいずれか一項に記載の組成物
する化学反応に関与すると考えられている。
。
30
【0008】
【発明の詳細な説明】
緑茶は、紅茶よりさらに多くのカテキンを含有する。し
【技術分野】
かし、多くの消費者の間で健康意識が急激に増大してい
【0001】
るにもかかわらず、緑茶は、通常、薄すぎて飲むと不快
本発明は、茶製品を製造する方法に関する。より詳細に
であるとして西洋諸国で否定されている。さらに、緑茶
は、本発明は、発酵していない茶抽出液を発酵した茶物
は、通常浸出させるのに時間がかかり、したがって、西
質と合わせることにより得られる茶製品に関する。
洋における、品質を高めるための利便性への欲求を満た
【背景技術】
さない。これらの欠点を克服するために、紅茶の有利な
【0002】
特性を有するが、従来の紅茶で一般的な濃度より高濃度
茶樹(Camellia sinensis)に基づく飲料は、数百年間も
のカテキンを有する茶製品を提供する努力がなされてき
世界中で人気があった。伝統的に、このような飲料は、 40
た。
リーフティーを温水で浸出させることにより製造される
【0009】
。
WO 98/23164(Unilever)は、カテキンおよびフェノール
【0003】
を0.15∼0.4の間の比で含有することを特徴とする、第1
西洋世界で消費される茶の大部分は、茶樹Camellia sin
の実質的に発酵した茶と第2の実質的に発酵していない
ensisの葉を収穫し、それらを萎凋させ、揉捻し、酵素
茶とのブレンドを含むリーフティーを開示している。こ
的に酸化(発酵)させ、焙じ、分類することにより得られ
の文献は、ガレート型と非ガレート型カテキンとの比が
る、いわゆる紅茶である。しかし、該葉を発酵ステップ
苦味と関係し、したがって、ガレート型と非ガレート型
なしで加工して、緑茶として知られているものを製造す
カテキンとの比が低い茶のクローンが好ましいというこ
ることができる。このような茶は、中華人民共和国、日
とも教示している。
本、北アフリカおよび中東の一部で広く消費されている 50
【先行技術文献】
( 3 )
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【特許文献】
たは茎を指す。
【0010】
【0018】
【特許文献1】WO 98/23164
「ドール」とは、浸軟した新鮮な茶葉を指す。
【特許文献2】欧州特許第1365657B1号
【0019】
【非特許文献】
抽出液の圧搾
【0011】
本明細書で使用する場合、「抽出液を圧搾する」という
【非特許文献1】「Tea - Cultivation to consumption
用語は、溶媒を使用して茶固形物を抽出することとは対
」、K.C. WillsonおよびM.N. Clifford(編)、1992年、C
照的に、物理的な力を使用して新鮮な茶葉から抽出液を
hapman & Hall、London、555∼601頁、17章
【非特許文献2】「Tea: Cultivation to Consumption
絞り出すことを指す。したがって、「圧搾する」という
10
用語は、絞る、圧縮する、搾り取る、脱水するおよび押
」、K.C. WillsonおよびM.N. Clifford(編)、第1版、19
し出すなどの意味を包含する。圧搾ステップの間に少量
92年、Chapman & Hall(London)、13章および14章
の溶媒(例えば、水)を茶葉に添加することは可能である
【発明の概要】
。しかし、溶媒により茶固形物が有意に抽出されるのを
【発明が解決しようとする課題】
防止するために、圧搾の間の茶葉の含水量は、上で定義
【0012】
した新鮮な茶葉と同じである。
本発明者らは、今回、新鮮な茶葉から圧搾した茶抽出液
換言すると、圧搾ステップの間、新鮮な茶葉の含水量は
が、新鮮な葉そのものより低いガレート型と非ガレート
、30と90重量%の間、より好ましくは60と90%の間である
型カテキンとの比を有するということを見出した。した
。新鮮な葉は、このような溶媒に付随する環境的および
がって、緑茶抽出液は、紅茶製品に添加してそのカテキ
経済的問題により、圧搾の前または間に非水性溶媒(例
ン含量を増加させることができるのに対して、新鮮な葉 20
えば、アルコール)と接触していないことも好ましい。
の起源であるクローンに関係なく、苦味を少なく維持す
【0020】
る。
飲料
【課題を解決するための手段】
本明細書で使用する場合、「飲料」という用語は、ヒト
【0013】
の食用に適した実質的に水性の飲料組成物を指す。
試験および定義
【0021】
茶
カテキン
本発明の目的のために、「茶」とは、Camellia sinensi
本明細書で使用する場合、「カテキン」という用語は、
s var. sinensisおよび/またはCamellia sinensis var.
カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテ
assamica由来の物質を意味する。var. assamica由来の
キンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピ
物質は、var. sinensisより高濃度の茶活性成分を有す
30
カテキンガレート、エピガロカテキンガレート、および
るため、特に好ましい。
それらの混合物の総称として使用する。カテキンは、以
【0014】
下の省略記号を使用して示すこともある。カテキンはC
本発明の目的のために、「リーフティー」とは、浸出さ
、ガロカテキンはGC、カテキンガレートはCG、ガロカテ
れていない形態の茶葉および/または茎を含有し、含水
キンガレートはGCG、エピカテキンはEC、エピガロカテ
量30重量%未満まで乾燥され、通常含水量が1∼10重量%
キンはEGC、エピカテキンガレートはECG、およびエピガ
の範囲の茶製品(すなわち、「加工茶」)を意味する。
ロカテキンガレートはEGCG。「ガレート型カテキン」と
【0015】
いう用語は、CG、ECG、GCG、EGCGおよびそれらの混合物
「緑茶」とは、実質的に発酵していない茶を指す。「紅
の総称として使用する。
茶」とは、実質的に発酵した茶を指す。「ウーロン茶」
とは、部分的に発酵した茶を指す。
【0022】
40
テアフラビン
【0016】
本明細書で使用する場合、「テアフラビン」という用語
「発酵」とは、例えば、葉の浸軟により細胞を機械的に
は、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフ
破壊することで、ある種の内因性酵素および基質を一緒
ラビン-3'-ガレート、テアフラビン-3,3'-ジガレートお
にした際に茶が受ける酸化および加水分解プロセスを指
よびそれらの混合物の総称として使用する。これらの化
す。このプロセスの間に、葉中の無色のカテキンは、黄
合物の構造は周知である(例えば、「Tea -Cultivation
色およびオレンジ色から暗褐色のポリフェノール物質の
to consumption」、K.C. WillsonおよびM.N. Clifford(
複合混合物に変換される。
【0017】
編)、1992、Chapman & Hall、London、555∼601頁の17
章の構造xi-xivを参照)。テアフラビンは、省略記号TF1
「新鮮な茶葉」とは、含水量30重量%未満まで乾燥され
∼TF4を使用して示すこともあり、TF1はテアフラビン、
ておらず、通常含水量が60∼90%の範囲の茶葉および/ま 50
TF2はテアフラビン-3-ガレート、TF3はテアフラビン-3'
( 4 )
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-ガレートであり、TF4はテアフラビン-3,3'-ジガレート
【0025】
(または単純に「テアフラビンジガレート」)である。「
HPLC分析条件
ガレート型テアフラビン」という用語は、TF2、TF3、TF
カラム:Luna Phenyl hexyl 5μ、250×4.60mm
4およびそれらの混合物の総称として使用する。
流速:1ml/分
【0023】
オーブン温度:30℃
リーフティー中のカテキンおよびカフェインの決定
溶媒:A:アセトニトリル中の2%酢酸
リーフティー中のカテキンおよびカフェインの量は、以
B:水中の2%酢酸および0.02mg/ml EDTA
下のように逆相HPLCにより同時に決定する。
注入量:10μl
【0024】
試料の調製
【0026】
10
【表1】
1.0.5μmのスクリーンが取り付けられたCyclotech(商標
)1093試料ミル(FOSS Ltd、Warrington、Cheshire、UK)
を使用して、微粉となるまでリーフティーを粉砕する。
2.粉砕した茶約200mgを抽出管に正確に秤量し、質量を
記録する。
3.メタノール水溶液(蒸留水中の70%v/vメタノール)少な
【0027】
くとも20mlを70℃まで温める。
定量:毎日作成する較正曲線に対するピーク面積。較正
4.熱いメタノール水溶液5mlを抽出管に添加する。ボル
曲線はカフェインから作成し、カテキンの濃度は、個々
テックスミキサーでメタノール水と茶物質とを穏やかに
のカテキンのカフェインに対する相対応答係数を使用し
混合し、70℃の水浴中に5分間置き、再度混合し、次い
20
て計算する(ISOカテキン法-ISO/CD 14502-2から)。個々
で、70℃の水浴中にさらに5分間置く。
のカフェイン標準品(Sigma、Poole、Dorset、UK)をピー
5.ボルテックスミキサーでメタノール水と茶物質とを再
ク同定マーカーとして使用する。
度穏やかに混合し、次いで、20℃の気温で10分間冷却さ
【0028】
せる。
抽出液および飲料中のカテキンおよびカフェインの決定
6.抽出管を相対遠心力(RCF)2900gで10分間遠心分離する
液体試料中のカテキンおよびカフェインの量は、以下の
。
ように逆相HPLCにより同時に決定する。
7.抽出管は、今や、茶物質の栓の上に上清液を含有して
【0029】
いるはずである。上清を清潔な目盛付き試験管に慎重に
試料の調製
デカントする。
1.試料9mlを採取し、蒸留水中の2.5mg/ml EDTAおよび2.
8.熱いメタノール水溶液5mlを抽出管中の栓に添加する
30
5mg/mlアスコルビン酸の溶液1.12mlと共にアセトニトリ
。ボルテックスミキサーでメタノール水と茶物質とを穏
ル1.12mlを添加する。
やかに混合し、70℃の水浴中に5分間置き、再度混合し
2.次いで、得られた溶液を微小遠心管にデカントし、RC
、次いで、70℃の水浴中にさらに5分間置く。
F14000gで10分間遠心分離する。
9.ボルテックスミキサーでメタノール水と茶物質とを再
【0030】
度穏やかに混合し、次いで、20℃の気温で10分間冷却さ
HPLC分析条件
せる。
HPLC分析条件は、リーフティーについて上で示したもの
10.抽出管をRCF2900gで10分間遠心分離する。
と同一である。
11.抽出管は、今や、茶物質の栓の上に上清液を含有し
【0031】
ているはずである。上清を、ステップ7の上清を含有す
る目盛付き試験管に慎重にデカントする。
抽出液および飲料中のテアニンの決定
40
液体試料中のテアニンの量は、o-フタルアルデヒドによ
12.メタノール水溶液でプールした上清を10mlにする。
るポストカラム誘導体化後の蛍光検出を使用した逆相HP
13.蒸留水中の2.5mg/ml EDTAおよび2.5mg/mlアスコルビ
LCクロマトグラフィーにより決定する。
ン酸の溶液1mlを目盛付き試験管に添加する。
【0032】
14.プールした上清混合物1部を10%アセトニトリル安定
試料の調製
剤溶液(蒸留水中の10%v/vアセトニトリル、0.25mg/mlア
試料を1:10の試料:水の重量比で脱イオン水(25℃)で希
スコルビン酸および0.25mg/ml EDTA)4部(体積)で希釈す
釈する。
る。
【0033】
15.希釈したプール上清混合物を微小遠心管にデカント
HPLC分析条件
し、卓上遠心分離機でRCF14000gで10分間遠心分離する
カラム:Hypersil HyPURITY Elite(商標)C18、5μ、150m
。
50
m×4.6cm
( 5 )
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流速:1ml/分
して、ふるいのメッシュサイズにより特徴付けられる。
オーブン温度:35℃
・ 全体を通してタイラーメッシュサイズを使用する。
溶媒:A:水中の5mMペンタデカフルオロオクタン酸
・ ふるいのメッシュの前の「+」は、粒子がふるいに
B:アセトニトリル中の5mMペンタデカフルオロオクタン
より保持されることを示す。
酸
・ ふるいのメッシュの前の「-」は、粒子がふるいを
【0034】
通過することを示す。
【表2】
【0041】
例えば、粒度が-5+20メッシュと記載されている場合、
粒子は5メッシュのふるいを通過し(粒子は4.0mm未満)、
10
20メッシュのふるいにより保持される(粒子は841μm超)
であろう。
【0042】
葉の粒度は、追加的にまたは代替的に、国際規格ISO607
【0035】
8-1982に列挙されている等級を使用して特徴付けること
定量:カラムからの溶離液を低デッドボリューム3方向ジ
ができる。これらの等級は、参照により本明細書に組み
ャンクションに供給し、o-フタルアルデヒド試薬と1:1
込まれている本発明者らの欧州特許第1365657B1号(特に
の比で混合し、o-フタルアルデヒド試薬は、アイソクラ
[0041]節およびTable 2)で詳細に考察している。
チックポンプにより1ml/分で押し出す。(o-フタルアル
【0043】
デヒド試薬は、pH10ホウ酸塩緩衝液中のo-フタルアルデ
驚くべきことに、本発明者らは、発酵していない茶抽出
ヒド1.0g/l、メタノール5ml/l、Brij 35 2ml/lおよび2- 20
液が、従来の紅茶抽出物の組成とは異なる組成を有し、
メルカプトエタノール3ml/lである)蛍光検出は、励起=3
発酵した茶と合わせて新規な茶製品を提供することがで
40nmおよび放射=425nmである。毎日作成する較正曲線に
きるということを見出した。理論により縛られることを
対するピーク面積を定量に使用する。較正曲線は、Sunt
望むものではないが、本発明者らは、発酵していない茶
heanine(商標)(Taiyo KK)の標準液の希釈から作成する
抽出液が比較的低濃度のガレート型カテキンおよび/ま
。
たはカフェインを有し、したがって、ガレート型ポリフ
【0036】
ェノールおよび/またはカフェインに付随する苦味など
リーフティー中のテアニンの決定
の負の特性を過剰に増加させることなく、紅茶と合わせ
固体試料中のテアニンの量をo-フタルアルデヒドによる
てその可溶性の茶固形物を増加させることができると考
ポストカラム誘導体化後の蛍光検出を使用した逆相HPLC
えている。さらに、茶抽出液は、リラクゼーション、注
クロマトグラフィーにより決定する。
30
意力および/または集中力を増加させるなどのある種の
【0037】
望ましい生理学的効果を有することが知られているテア
試料の調製
ニンが比較的豊富であることが分かっている。
試料約1.0gを100mlメスフラスコに正確に秤量する。次
【0044】
いで、熱い(60℃)脱イオン水50mlをメスフラスコに添加
したがって、本発明は、第1の態様において、
し、該フラスコを自動振盪機で30分間勢いよく振盪させ
a)新鮮な一番茶葉から抽出液を圧搾し、それにより葉残
る。室温への冷却後、脱イオン水で試料を100mlにする
渣および茶抽出液を製造するステップと、
。
b)新鮮な一番茶葉および/または茶抽出液に酵素不活性
【0038】
化処理を施し、それにより茶抽出液の発酵を防止するス
HPLC分析条件
テップと、
HPLC分析条件は、抽出液および飲料について上で示した 40
c)酵素が不活性化している茶抽出液を発酵したまたは発
ものと同一である。
酵している茶物質と合わせるステップと
【0039】
を含む方法を提供する。
総ポリフェノールの決定
【0045】
試料の総ポリフェノール含量は、ISO14502-1:2005(E)と
本発明は、第2の態様において、該方法により得られた
して国際標準化機構により公表されている国際規格に詳
および/または得られる茶製品を提供する。このような
述されているようなFolin-Ciocalteu法を使用して決定
製品は、カテキンを含むと見込まれるが、ポリフェノー
する。
ル中に緑茶製品より低濃度のカテキンを有し、比較的低
【0040】
い割合のガレート型カテキンを有すると見込まれ、した
葉の寸法および等級
がって代替法により製造された茶製品より安定で、かつ
本発明の目的のために、葉の粒度は、以下の慣例を使用 50
/または苦くないと思われる。
( 6 )
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【0046】
【0053】
したがって、本発明は、さらなる態様において、ポリフ
新鮮な茶葉は、圧搾の前に、例えば、浸軟、萎凋または
ェノールを含む組成物であって、ポリフェノールがカテ
それらの組合せから選択される単位プロセスを含めた前
キンを含み、カテキンがガレート型カテキンおよび非ガ
処理を受けてもよい。
レート型カテキンを含み、カテキンと総ポリフェノール
【0054】
との重量比が0.40未満であり、非ガレート型カテキンと
本発明において使用する茶抽出液は、ガレート型ポリフ
ガレート型カテキンとの重量比が少なくとも1.2:1、好
ェノールが意外に少ないことが分かっている。このこと
ましくは1.4:1∼20:1の範囲である組成物を提供する。
は、抽出液中の非ガレート型とガレート型カテキンとの
【発明を実施するための形態】
【0047】
重量比から明らかである。緑茶抽出液は、例えば、1.4:
10
1超、より好ましくは1.6:1超、より好ましくはさらに1.
抽出液の圧搾
8:1超、最も好ましくは3:1∼20:1の非ガレート型カテキ
本発明において使用する茶抽出液は、新鮮な一番茶葉か
ンとガレート型カテキンとの重量比を有し得る。
ら圧搾される。圧搾ステップは、例えば、濾過および/
【0055】
または遠心分離により茶抽出液から分離される葉残渣も
圧搾の前の浸軟は、所望量の抽出液を圧搾するのに必要
製造する。
な時間および/または圧力を減少させることができる。
【0048】
しかし、驚くべきことに、本発明者らは、圧搾の前の新
圧搾した抽出液の量が少なすぎる場合、葉残渣から抽出
鮮な茶葉に対する過剰な損傷が、圧搾した抽出液におけ
液を分離することが困難となり、かつ/またはプロセス
る非ガレート型とガレート型ポリフェノールとの重量比
が非効率的となる。したがって、圧搾した抽出液の量は
を低下させる恐れがあるということを見出した。したが
、新鮮な茶葉1kg当たり少なくとも10ml、より好ましく
20
って、好ましい実施形態において、新鮮な葉は、圧搾ス
は少なくとも25ml、より好ましくはさらに少なくとも50
テップの前または間に浸軟および/または凍結融解法を
ml、最も好ましくは75∼600mlであることが好ましい。
受けない。
茶葉の単位質量当たり圧搾される抽出液の量について言
【0056】
及する場合、茶葉の質量が、乾燥重量ベースではなく「
酵素不活性化
現状」ベースで表現されるということに留意されたい。
本発明の方法のステップ(b)は、新鮮な一番茶葉および/
したがって、質量は、葉の中の任意の水分を含む。
または茶抽出液に酵素不活性化処理を施し、それにより
【0049】
茶抽出液の発酵を防止するステップを含む。
圧搾ステップは、葉残渣からの茶抽出液の分離を可能に
【0057】
し、必要量の抽出液を得られる限り、任意の好都合な方
一実施形態において、茶抽出液には、圧搾の直後に酵素
法で実現することができる。抽出液を圧搾するのに使用 30
不活性化ステップを施す。特に、茶抽出液は、圧搾後10
する機械としては、例えば、油圧プレス、空気圧プレス
分以内、より好ましくは5分以内、最も好ましくは1分以
、スクリュープレス、ベルトプレス、押出機またはそれ
内に酵素不活性化ステップを施すことが好ましい。本実
らの組合せを挙げ得る。
施形態は、葉残渣を圧搾後にさらに加工して少なくとも
【0050】
部分的に発酵した茶製品を生成する場合、すなわち、葉
抽出液は、新鮮な葉の1回の圧縮または複数回の圧縮で
残渣を加工してウーロンまたは紅茶製品を製造する場合
新鮮な葉から得ることができる。抽出液は、単純で急速
、特に好ましい。
なプロセスを可能にするため、1回の圧縮から得られる
【0058】
ことが好ましい。
代替実施形態において、新鮮な茶葉には、圧搾ステップ
【0051】
(a)の前に酵素不活性化ステップを施す。本実施形態は
圧搾ステップは、貴重な茶化合物の劣化を最小限にする 40
、葉残渣を圧搾後にさらに加工して実質的に発酵してい
ために、周囲温度で実施することが好ましい。例えば、
ない茶製品を生成する場合、すなわち、葉残渣を加工し
葉の温度は、5∼40℃、より好ましくは10∼30℃でもよ
て緑茶製品を製造する場合、特に好ましい。
い。
【0059】
【0052】
酵素の変性が可能な任意の公知の処理を使用して発酵酵
圧搾ステップにおいて使用する時間および圧力は、必要
素を不活性化することができる。特に好都合な酵素不活
量の抽出液を生成するために変動させることができる。
性化処理は熱処理である。例えば、新鮮な葉は、蒸され
しかし、通常、抽出液を圧搾するのに加えられる圧力は
ている、かつ/または煎られていてもよく、かつ/あるい
、0.5MPa(73psi)∼10MPa(1450psi)の範囲であろう。圧
は、茶抽出液は、熱交換器で、または蒸気注入または液
力が加えられる時間は、通常、1秒∼1時間、より好まし
体を加熱するのに適した他のそのような方法により加熱
くは10秒∼20分、最も好ましくは30秒∼5分であろう。
50
してもよい。
( 7 )
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13
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【0060】
【0066】
発酵酵素の不活性化により緑茶抽出液が製造される。
本発明の方法は、別の実施形態において、抽出液を、発
【0061】
酵したリーフティーから抽出された茶固形物と合わせる
不活性化処理は、新鮮な葉中のカテキンの大部分を保持
ことにより、苦味が少ないなどの改善した特性を有する
するのに十分であることが好ましい。特に、酵素が不活
、すぐに飲める飲料、茶粉末または茶濃縮物の製造に使
性化している茶抽出液がポリフェノールを含み、ポリフ
用される。例えば、抽出液またはその画分は、リーフテ
ェノールがカテキンを含み、カテキンと総ポリフェノー
ィーから抽出された茶固形物を含む粉末または液体濃縮
ルとの重量比が少なくとも0.50:1、より好ましくは少な
物と合わせてもよい。追加的にまたは代替的に、茶抽出
くとも0.60:1、最も好ましくは0.70∼0.99:1であること
が好ましい。
液は、リーフティーから抽出された茶固形物を含む茶飲
10
料と合わせてもよい。
【0062】
【0067】
茶抽出液を発酵しているまたは発酵した茶物質と合わせ
茶抽出液は、任意の量の発酵したまたは発酵している茶
る
物質と合わせてもよい。しかし、本発明者らは、得られ
本発明の方法のステップ(c)は、酵素が不活性化してい
る茶製品がほぼ等しい量の抽出液および茶物質の両方に
る茶抽出液を発酵したまたは発酵している茶物質と合わ
由来する可溶性の茶固形物を含むように、茶抽出液を発
せるステップを含む。
酵したまたは発酵している茶物質と合わせた際に、特に
【0063】
望ましい茶製品を調製することができるということを見
発酵した茶物質は、ブラックもしくはウーロンリーフテ
出した。したがって、合わせることにより、茶抽出液に
ィーおよび/またはブラックまたはウーロンリーフティ
由来する水溶性の茶固形物と発酵したまたは発酵してい
ーから抽出された固形物でもよい。発酵した物質は、ブ 20
る茶物質に由来する水溶性の茶固形物との重量比が、5:
ラックリーフティーであることが好ましい。新鮮な茶葉
1∼1:5、より好ましくは2:1∼1:2、最も好ましくは1.5:
から発酵したリーフティーを製造する製造方法は周知で
1∼1:1.5の範囲である茶製品がもたらされることが好ま
あり、好適な方法は、例えば、参照によりその全体が本
しい。
明細書に組み込まれている「Tea - Cultivation to con
【0068】
sumption」(K.C. WillsonおよびM.N. Clifford(編)、19
茶抽出液は、圧搾後に抽出液を加工することなく茶物質
92、Chapman & Hall、London)の13章および14章に記載
と合わせてもよい。代替的に、例えば、抽出液には、合
されている。全てのリーフティーの製造に共通している
わせるステップの前に濃縮および/または希釈ステップ
ステップは乾燥ステップである。ウーロンおよびブラッ
を施してもよい。
クリーフティーの場合、乾燥ステップは、通常、発酵酵
【0069】
素を不活性化するのにも利用する。
30
驚くべきことに、本発明者らは、発酵していない茶抽出
【0064】
液が、発酵している茶物質と合わせることができ、発酵
発酵した茶物質はポリフェノールを含み、ポリフェノー
している茶物質から製造された茶製品のカテキン含量を
ルはカテキンを含み、カテキンと総ポリフェノールとの
さらに増加させるということを見出した。本発明者らは
重量比が0.40:1未満、より好ましくは0.30:1未満、より
、茶抽出液中のいかなるカテキンも発酵している茶物質
好ましくはさらに0.20:1未満、最も好ましくは0.15:1∼
中に存在する発酵酵素により酸化されると予期していた
0.001:1であることが好ましい。
ため、このことは驚きである。したがって、好ましい実
【0065】
施形態において、ステップ(c)は、茶抽出液を発酵して
本発明の方法は、一実施形態において、水溶性の茶固形
いるドールと合わせて混合物を形成するステップを含む
物の量が増加したリーフティー製品の製造に使用され、
。混合物は、少なくとも2時間発酵させることができる
したがって、リーフティー製品の浸出速度の増加を可能 40
が、依然として茶抽出液由来のカテキンを保持する。し
にする。
たがって、一実施形態において、混合物は、少なくとも
このような製品の好都合な製造方法は、茶抽出液をリー
10分、好ましくは少なくとも30分、最も好ましくは1∼4
フティーと合わせて混合物を形成し、次いで、混合物を
時間発酵される。通常、混合物を焙じることにより発酵
乾燥させることによるものである。混合物は、混合物の
を抑えてリーフティーを製造する。
30重量%未満の含水量まで、より好ましくは1∼10重量%
【0070】
の範囲の含水量まで乾燥することが好ましい。好都合な
ステップ(c)の発酵したまたは発酵している茶物質は、
ことに、茶抽出液をリーフティーに噴霧して混合物を形
ステップ(a)からの葉残渣を含み得る。しかし、最終製
成することができる。
品中の茶固形物を最大化するために、発酵したまたは発
追加的にまたは代替的に、混合物は、流動層乾燥機で乾
酵している茶物質が新鮮な二番茶葉に由来することが好
燥させることができる。
50
ましい。
( 8 )
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15
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【0071】
リーフティー等級にすることができる。
葉残渣の加工
【0077】
該方法の効率を最大化するために、葉残渣を廃棄するの
茶製品
ではなく、さらに加工して、商業的に実現可能な製品を
本発明は、該方法により得られたおよび/または得られ
製造することが好ましい。特に好ましい実施形態におい
る茶製品を提供する。このような製品は、低濃度のガレ
て、該方法は、葉残渣を加工してリーフティーを製造す
ート型カテキンおよび/または低濃度のカフェインを有
る追加のステップ(d)を含む。
すると見込まれ、したがって、代替法により製造された
【0072】
茶製品より安定で、かつ/または苦くないと思われる。
驚くべきことに、本発明者らは、圧搾した抽出液の量が
追加的にまたは代替的に、該製品は、代替法により製造
新鮮な葉1kg当たり300ml未満である場合、圧搾後の葉残 10
された茶製品より高濃度のテアニンを有し得る。
渣のポリフェノールおよびアミノ酸などの茶化合物の全
【0078】
体的な濃度がより低いという事実にもかかわらず、葉残
茶製品は、例えば、リーフティー、飲料、茶粉末または
渣を加工して、少なくとも従来の品質のリーフティーを
液体濃縮物でもよい。
製造することができるということを見出した。概して、
【0079】
最終的なリーフティーの品質(例えば、浸出性能につい
飲料は、通常、飲料の0.001∼5重量%、より好ましくは0
て)は、圧搾した抽出液が少ないほど良好である。した
.01∼3重量%、最も好ましくは0.1∼1重量%の量の茶固形
がって、ステップ(a)で圧搾した抽出液の量は、茶葉1kg
物を含む。
当たり300ml未満、より好ましくは275ml未満、より好ま
【0080】
しくはさらに250ml未満、最も好ましくは225ml未満であ
茶製品は、製品中の発酵していない茶固形物(茶抽出液
ることが好ましい。
20
由来)と発酵した茶固形物(茶物質由来)とを合わせるこ
【0073】
とにより、発酵した茶製品と発酵していない茶製品との
葉残渣は、グリーンリーフティー、ブラックリーフティ
中間のカテキン濃度を含むであろう。したがって、該製
ーまたはウーロンリーフティーを製造するために加工し
品はポリフェノールを含み、ポリフェノールがカテキン
てもよい。ウーロンリーフティーおよびブラックリーフ
を含み、カテキンと総ポリフェノールとの重量比が0.40
ティーの場合、ステップ(d)は、葉残渣を発酵させるス
未満、より好ましくは0.10∼0.35であり、最も好ましく
テップを含む。
は0.20∼0.30であることが好ましい。
【0074】
【0081】
グリーンリーフティー、ブラックリーフティーおよびウ
茶製品は、通常、比較的低い割合のガレート型カテキン
ーロンリーフティーの製造方法は周知であり、好適な方
を含むであろう。カテキンは、ガレート型カテキンおよ
法は、例えば、「Tea: Cultivation to Consumption」
30
び非ガレート型カテキンを含み、非ガレート型カテキン
、K.C. WillsonおよびM.N. Clifford(編)、第1版、1992
とガレート型カテキンとの重量比が少なくとも1.2:1、
年、Chapman & Hall(London)、13章および14章に記載さ
れている。
より好ましくは少なくとも1.4:1、より好ましくはさら
【0075】
とが好ましい。
全てのリーフティーの製造に共通しているステップは、
【0082】
乾燥ステップである。ウーロンおよびブラックリーフテ
茶製品は、通常、比較的低い含量のカフェインおよび/
ィーの場合、乾燥ステップは、通常、発酵酵素を不活性
または高濃度のテアニンを含むであろう。好都合なこと
化するのにも利用する。効率的に乾燥するには高温が必
に、このことは、テアニンとカフェインとの重量比によ
要であり、したがって、該方法のステップ(d)は、葉残
り表すことができる。テアニンとカフェインとの重量比
渣を少なくとも75℃、より好ましくは少なくとも90℃の 40
は、0.2超、より好ましくは少なくとも0.3、最も好まし
温度で乾燥させるステップを含むことが好ましい。
くは0.4∼2.0であることが好ましい。
【0076】
【0083】
ステップ(d)は、好ましくは乾燥後に、葉残渣から製造
組成物
されたリーフティーを分類して、少なくとも35メッシュ
本発明は、発酵した茶製品の感覚特性を有するが、高い
の粒度にするステップを含むことが好ましい。リーフテ
割合のカフェインおよび/またはガレート型カテキン由
ィーを分類して30メッシュ∼3メッシュの粒度にするこ
来の不要な苦味をもたらすことなくカテキンの健康効果
とがより好ましい。代替的にまたは追加的に、リーフテ
をもたらす組成物を提供する。
ィーを分類して、ペコファニングス(PF)等級以上、より
【0084】
好ましくはオレンジファニングス(OF)以上、最も好まし
組成物はポリフェノールを含み、ポリフェノールがカテ
くはブロークンオレンジペコファニングス(BOPF)以上の 50
キンを含み、カテキンがガレート型カテキンおよび非ガ
に少なくとも1.5:1、最も好ましくは1.6∼20:1であるこ
( 9 )
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レート型カテキンを含み、カテキンと総ポリフェノール
して乾燥させて(120℃の吸気温度で10分、次いで90℃の
との重量比が0.40未満であり、非ガレート型カテキンと
吸気温度で10分)、含水量9重量%の加工緑茶(グリーンリ
ガレート型カテキンとの重量比が少なくとも1.2:1であ
ーフティー)を得た。このリーフティー2gの浸出液は、
る。
茶2gを沸かしたての湯200mlで2分間浸出させることによ
【0085】
り調製した。
組成物は、紅茶の特性を有することが好ましい。したが
【0092】
って、カテキンと総ポリフェノールとの重量比は0.40未
結果
満、好ましくは0.10∼0.35、最も好ましくは0.20∼0.30
Table 1(表3)は、茶抽出液および基準浸出液中のカテキ
である。
ンの組成を示している。
追加的または代替的に、ポリフェノールは、テアフラビ 10
【0093】
ン、テアルビギンまたはそれらの混合物などの紅茶ポリ
【表3】
フェノールを含む。
【0086】
非ガレート型カテキンとガレート型カテキンとの重量比
は、少なくとも1.4:1、より好ましくは少なくとも1.5:1
、最も好ましくはから1.6∼20:1であることが好ましい
。
【0087】
組成物は、通常、比較的低い含量のカフェインおよび/
または高濃度のテアニンを含むであろう。好都合なこと 20
に、このことは、テアニンとカフェインとの重量比によ
【0094】
り表すことができる。テアニンとカフェインとの重量比
このデータは、緑茶抽出液のカテキン中のガレート型種
は、0.2超、より好ましくは少なくとも0.3、最も好まし
の割合が、基準浸出液と比較して低いことを示している
くは0.4∼2.0であることが好ましい。
。さらに、緑茶抽出液は、基準浸出液と比較して高いテ
【0088】
アニンとカフェインとの比を有する。
(実施例)
【0095】
以下の実施例を参照しながら、本発明をさらに説明する
(実施例2)
。
本実施例は、紅茶抽出液をブラックリーフティーと合わ
【0089】
せる効果を示している。
(実施例1)
30
【0096】
本実施例は、本発明に有用な緑茶抽出液の製造を示して
試料の製造
いる。
分析のためにリーフティーの3つの試料を調製した。試
【0090】
料Aは、市販のブラックリーフティーであった。試料Bは
抽出液の調製
、緑茶抽出液(実施例1に記載のように製造した)182gを
Camellia Sinensis var. assamicaの新鮮なケニア茶葉(
ブラックリーフティー142gと合わせることにより調製し
カテキン含量は乾燥重量で約15%であった)を約100℃で6
た。試料Cは、緑茶抽出液250gをブラックリーフティー9
0秒間蒸して内因性酵素を不活性化し、したがって発酵
8gと合わせることにより調製した。試料BおよびCについ
を防止した。蒸した葉を、室温まで冷却し、野菜カッタ
て、抽出液をビーカー中の乾燥リーフティーに添加し、
ーを使用して切り刻んで、平均寸法が約0.5∼1cm2の切
完全に混合した。ミックスを20℃で30分間平衡させ、流
り刻んだ葉を得た。次いで、切り刻んだ葉を、背圧80ps 40
動層乾燥機を使用して乾燥させた(120℃の吸気温度で10
i(0.55MPa)で作動するスクリュープレス(Vincent水平連
分、次いで90℃の吸気温度で10分)。
続プレスモデルCP4、Vincent Corp.、Tampa、Florida、
【0097】
USA)を使用して圧縮した。得られた抽出液の収率は50ml
浸出液の製造
/葉100gであった。茶抽出液を直ちに20分間(3℃で10000
各リーフティーの浸出液は、各試料2gを沸かしたての湯
g)遠心分離し、次いで、上清を、0.2μmのフィルターが
200mlで2分間浸出させることにより調製した。
取り付けられたNalgene(商標)濾過装置を使用してフィ
【0098】
ルター滅菌した。
結果
【0091】
Table 2(表4)は、浸出液の組成を示している。
基準浸出液の製造
【0099】
圧縮してない切り刻んだ葉の一部を流動層乾燥機を使用 50
【表4】
( 10 )
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で10000g)遠心分離し、次いで、上清を、0.2μmのフィ
ルターが取り付けられたNalgene(商標)濾過装置を使用
してフィルター滅菌した。遠心分離および濾過後の茶抽
出液の固形物含量は6重量%であった。
【0103】
リーフティーの製造
20℃で4時間萎凋されたCamellia sinensis var. assami
caの新鮮なケニア茶葉(一芯二葉)を使用した。萎凋され
た葉を、CTC(切る、引き裂く、丸める)機(ローラーは1
【0100】
10
インチ当たり6歯で各々1000rpmおよび100rpmの速度に設
これらの結果は、緑茶抽出液をブラックリーフティーと
定)に2回供給する前に、野菜カッターを使用して切り刻
合わせることにより製造された茶製品(試料BおよびC)が
んだ。次いで、新鮮なドールを2つの部分に分割した。
、抽出液を添加せずにブラックリーフティーから製造さ
第1の部分は、7:1のドールと水との重量比で脱イオン水
れたもの(試料A)より高濃度の固形物、カテキンおよび
と合わせた。第2の部分は、7:1のドールと抽出液との重
テアニンを有する浸出液を製造するということを示して
量比で緑茶抽出液と合わせた。次いで、両方の部分を、
いる。さらに、これらの結果は、緑茶抽出液を添加した
Teacraft(商標)発酵装置を使用して25℃の温度で各々2
試料(試料BおよびC)が、そこから製造された浸出液中に
時間発酵させた。次いで、各部分を流動層乾燥機で乾燥
ブラックリーフティー(試料A)と比較して低い割合のガ
させてリーフティーを製造した。第1の部分(ドール+水)
レート型カテキンを有し、浸出液のカフェイン濃度を増
由来のリーフティーを試料Dと呼び、第2の部分(ドール+
加させないということを示している。さらに、上記浸出 20
緑茶抽出液)由来のリーフティーを試料Eと呼んだ。
液の色を分析したところ、3つの浸出液の間にごくわず
【0104】
かな色の違いが見られた。緑茶抽出液は、過剰な濃度の
結果
ガレート型カテキンおよび/またはカフェイン(どちらも
Table 3(表5)は、同一の浸出条件下でリーフティーから
苦味が付随する)をもたらすことなくブラックリーフテ
製造された浸出液の組成を示している。
ィー浸出液のカテキン含量を増加させ、一方で紅茶に期
【0105】
待される色を保持するのに使用することができる。
【表5】
【0101】
(実施例3)
本実施例は、緑茶抽出液を発酵しているドールと合わせ
る効果を示している。
30
【0102】
抽出液の製造
新鮮な茶葉を約100℃で60秒間蒸して内因性酵素を不活
性化し、したがって発酵を防止した。蒸した葉を、室温
まで冷却し、野菜カッターを使用して切り刻んで、平均
【0106】
寸法が約0.5∼1cm2の切り刻んだ葉を得た。次いで、切
これらの結果は、発酵の開始時に緑茶抽出液を添加し、
り刻んだ葉を、油圧プレス(直径160mmのシリンダー内の
発酵プロセス(緑茶抽出液中のカテキンを酸化すると期
葉500g質量に5トンをかけることにより、下向き圧力354
待される)に曝したにもかかわらず、得られたリーフテ
psi(2.44MPa)が得られる)を使用して緑茶抽出液を圧搾
した。緑茶抽出液の収率は22ml/葉100gであり、総固形
ィーによりカテキン含量が増大した浸出液がさらに製造
40
されたということを示している。
物含量は8重量%であった。茶抽出液を直ちに20分間(3℃
────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者
スティーヴン・ピーター・コリヴァー
アラブ首長国連邦・ドバイ・ジェベル・アリ・フリー・ゾーン・ラウンダバウト・13・ピー・オ
ー・ボックス・17055・ユニリーバー・ガルフ・エフゼットイー
(72)発明者
アンドリュー・リー・ダウニー
イギリス・ベッドフォードシャー・MK44・1LQ・シャーンブルック・(番地なし)・ユニリ
( 11 )
JP
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B2
2015.9.24
ーバー・アールアンドディー・コルワース
(72)発明者
デヴィッド・ジョージ・シャープ
イギリス・ベッドフォードシャー・MK44・1LQ・シャーンブルック・(番地なし)・ユニリ
ーバー・アールアンドディー・コルワース
(72)発明者
シャオキン・ユー
イギリス・ベッドフォードシャー・MK44・1LQ・シャーンブルック・(番地なし)・ユニリ
ーバー・アールアンドディー・コルワース
合議体
審判長
紀本
孝
審判官
鳥居
稔
審判官
山崎
勝司
(56)参考文献
英国特許第593260(GB,B)
特開2007−82526(JP,A)
特表2008−504030(JP,A)
特開2007−110990(JP,A)
特許第3537794(JP,B2)
特開2003−125705(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
A23F 1/22-1/237
A23F 3/00-5/50
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