Page 1 文化学園リポジトリ Academic Repository of BUNKA GAKUEN

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1830-40年代の刊本 (下)
石山,彰
図書館だより 35 (1972-06) pp.4-5
1972-06-01
http://hdl.handle.net/10457/1867
Rights
http://dspace.bunka.ac.jp/dspace
遷騰i㌶1：箇
どのような稀鯛本（きこうぽん一
所1燗に流布tイしてい・宝1・珍しい書
物）が収蔵されているかがある。
∴三
蔵ついては・ご専門のお立場から本
の甲から
西洋版服飾稀観書（4）1830∼40年代の刊本（F）
このように見てくると，1830∼40年代というのは，西洋
館所蔵の稀韻本をご紹介いただく
文化妃パ学教援石山
彰
全忘の構成は，次のとおり大きく6部に分かれている。
の服装史研究にとって「模索の時代一1だったことがわかる。
（ゴ」ア ジ ア 1∼WL382．08F1∼8〕8巻8冊
ELがしばしば指楠した体系化がなされていないというの1
z．．／ワ’［1： 1∼N「382．08F19∼22〕 4巻4｛II｝
このことであり，それは，民族服という観点に置き換えて1，
：s’．・’tリカ 1∼N ．382．08F23∼26〕 4巻41冊
同じことである。前回紹介したべILドーのワー｝ンの試な
1ヨーt・v’・ ｜∼X「：382．08F9∼18「10巻16冊
は，まことに1‘bllltgものではあったが，地理，歴史，風俗
J・ 1丁一ヒ・Jtt”・〆 ｜ ’382．08 F27 1逢1冊
習慣のそれぞれの問には，連係！、必然性もなく羅列されて
i；，」曽 補 いて， ・貫した「万針がkられない、だから，概して物理
例によ一tて国さ：地域ごとの，取り扱った内容には，極二1‘．
1・m 382．08F1・2 2巻2冊
的な総合と集約のままなのであり，単なる寄せ集めの段階
な偏万があり，それによって，われわれは，19世紀初頭に
にとどまっている。’「］時としては，次のこと自体に，まだ
おけるヨーロv“’・人の，世界各地への認識のバt’tメーター
意義が見いだせた時代だったのであり，類書には，前回に
にすることができる。最適の具体例が日本である。アジア
も触れておいたイタリアのフェラリオの次の大著がある。
の第ff巻の221ページにDelli∬sole del CiaPPone（ジャ
「282．08Fl∼27， F 1∼2二Ferrario， Dotto re Ciu−
ポー午島、として登場するが，当時は，世界のへき（僻）地で
otio；11 Costume Antico e Modermo， 29 vols， Firenze，
あ一，たことがわかる。他の著名な諸国の場合の内容の筋、「r：
1823∼37． フェラリオ「古代および現代の風俗習慣、29
てを1［」貯：に従って記せば，およそ次のようになっている。
巡，23cm×14cm。本，9の初判本には1816年から1827年まで
地川・地形と；ド代，政治と法律，軍事，宗教，婚礼，葬
の10年間にわたってミラノから1：1」行されたイタリア語版と
汎，機械技術，）：術， ・般建築，軍事建築と土木，絵画，
’7ランス語版との2種がある。初版本の標準の巻数は，本
ト『1判．詩，吝楽，舞踊，風俗習憤，宴会，衣服，帽J’一と乗
蕃14巻17冊，増補3巻であるが，本学の蔵，9tt版は，第2版
牝など，祭りと誤楽，遊戯，商業，i”業と尺度，労働収益
に属するイタリア語版で，増補3巻を含めて30冊にバfン
などである。そして各巻には，それぞれモロッコ紙に刷っ
ディソグ（製本）されており，この中の増補第Il巻が欠で，
た銅版］三彩色のすぐれた服装，建築，ときには占地図のプレ
合計29冊になっている。
ートが皿富にそう（挿）入され，全逢で合計2，430枚にも及
これらの全容をは（把）握するのは簡単でないので，やぺ）
でいる。索引代わりにEたる国や民族の記載巻を記せば
司しく記述しておこ’1D三，と’llと仁川の原つ’L・t”rト・：
11（〃）とおりでき，る，（A＝Asia， F＝Africa，M＝America， E
はlll「代および現代の風俗習慣またはソェラリ1．博l」監修
＝EurOpe．0＝Oceania， S二増補，の略）
の類似の素描を伴一，た，往時の記念物に基づくrll代および
・L（ ）SIS− 〉 A ・1・Ii 日本，朝鮮一＞A皿 印度一＞AJ” ・ヒイ
現代諸国民の政治・’u1：11；1・宗教・芸術・〔こ［学・習俗の歴史
／，いノレ・一，ンヤ∴， hンポジ、・など一→A八「 1，1．〔『・’∵ttt
であり，第2版で二これ二 改川増ki｝の．口，llきかほく」
つA、， リパドキア，アルメニア，アルバニア，パ・しシ．r、
｝山間｝Rti
ゴ
羅盤騨
季
x｝ti，1 s．，・
、，’ン 堺，・ノ 砺’
礼装のトルコの家長と小姓ら フェラリオ （EIV）
マティルダ女王の壁掛 フェラリオ （EM）
4
tデ｛アなど一＞AXil カブー・し，スキタイ，トル；r，シベ
と‘詩 の3篇が収められている。図版は，それほどすぐ
：1アー＞AV皿 一t’セー〆ニア→AW ギリシャ→EI∼IVT イ
れたものとはいえないが，網羅的である点と解説の良さが
txリア（第1部）一＞EV1∼2 スペイン→EVI フランス→
本さ｝の評価を高め，次代の研究者に｛，多大の影響を｛アえた。
（第1部）→E VI i∼2 イギリス→EVII 1 スカソジナビア
第1巻一＞5∼131比糸己， 第2巻一＞13∼14ttlSf糸己， 第3巻一）15Ulr
→E Vlr 1 ハンガリア，ロシアE VII 2 オランダ→E VII 2
紀，第5巻一＞16∼17世紀，第6巻一、17∼18世紀，第7巻一＞
イタリア（第2部）→E珊2∼3 スイス，ドイツ（第1部）
17∼19世紀初頭，第8巻一＞19世紀となっている。
→D（1 ドイツ（第2・3部）一一〉 E IX 2 フランス（第2部）
：383． 135 Ltt Lanti， Louis Marie； Costumes desノ「e−
→EX エジプト→FI∼fi エチオピア，ヌビア，アビ
lnmes du Pays de Caux， et de Plusieurs aμthres Parties
シニァ，ギニア，ナイジェリアなど→F皿 ロアソゴ，コ
de t’ancierzne Province de Normandie， Paris，1927。ラン
ンゴ，アソゴラなど→FN アxリカー＞MI∼㎜ ブラジ
テ『コー地方の女性の服装』34cm×26cm。副題にも見られ
ル→M ll ティモーノし，・・フ〆，カt・リソ，∵リアナ，サ
るとおり，本書はフランスのコー地方と若干のフランス革
ンドウィッチなどの諸島を含む十セアニアー＞OV’ ．［ジプ
命前におけるノルマソディ州の女子の民族服を含む105枚
ト近代→OV 中部アフリヵ一・OV i毎南島．台湾一・Sl
からなる銅版F彩色の図集である。コーとは，セーヌ河北部
ヒソドスタン，ビノレちシャ∴，．・’ラヤなどの補遺一、S｛
一帯をさす地方名で，別名を・・一シ・ワーズ（Cauchoises）
クァア，パレステtナ，：・ ・一カサス，モシ バしなど一＞S．1
とも呼んでいる。要するに，ノルソディ州の北東部と思っ
アメ1／カ・インデfアンの補遺一）S］11 『〆ラジ’しの総遺
てよい。ランテの著作の別の例は，すでに月報31シ｝にも紹
一＞S田 ペルシャ，イタリア中世，ア川いりの補遺一》s田
fi’したが，作品は抜群にすぐオしており，1枚1枚が名作で
さて，19世紀前半の稀簿田｝の紹介を終えるに’［1た一、て，
ある。この地方の冠り物は今でも著名であるが，この図集
私はフランスの有名な苦述家ラクノしワの次
では，エンパイア時代のそれを見ることができる。
の著作とラソテの近着の名著をあげればな
らない。
〔383．135Bl∼10）he Bibliophile Ja−
cob （Lacoroix， Paule）；Costu〃les histoプi−
ては，拙著『服飾事典」（ダヴaッド社刊）
の804ページに紹介しておいた。このフラ
ポ
∼39。ラクルワ（愛書家ヤコゾ）『フランス
服飾史．！10巻，25cm×17cm。彼自身につい
に属する珍ぼの・つであり，1852年にも再
刊された。第1巻から第8巻までは，5世
8
紀から1839イドまでの530枚にノ又ぶ銅版手彩
竺
色のプレートと解説に’「1てられ，第9巻に
餌三
齢、
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鰯 輪続
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x ・ご『〆
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は！奢1多禁止令 および「］i∼飾関係の 散文
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は「フラソス人の私’iミ活史．が，第10巻に
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ンス服飾史は，ラクノしワの最も初期の著作
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ques de la france， tomes 10， Paris，1836
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アンリll世とカトリーヌ・ド・メディシスら フェラリオ （EM）