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【内部監査】 レジュメ 平成 24 年 12 月 12 日(水)
第1回 日戦勉強会【内部監査】 ★月刊監査研究 11 月号 Vol.38 ○「内部監査の専門的実施の国際基準」の改訂について ⇒「内部監査の専門的実施の国際基準」(以下、基準)は、 IIA(内部監査人協会)が公表している内部監査の実施 における国際的な指針である。基準は、2013 年 1 月 1 日付で適用開始予定である。なお、強制力はなく、任 意に従うべきものとして規定されているのみである。 ⇒今回の改訂は、内部監査の独立性確保、ガバナンスに 係る内部監査に関する内容の強化や文言の改善が主 たる内容となっている。 ⇒独立性の確保:内部監査部門長(CAE)が取締役会にて 承認を得るべき項目(あくまでも例示) ・内部監査に係る予算と資源の(利用)計画 ・内部監査部門長の報酬 なお、これらは、組織体のガバナンス、リスク・マネ ジメント、コントロールの各プロセスが効果的・効率 的に機能するために、取締役会が内部監査活動を重視 し支援しており、CAE からの上申に適切に対応する ことが前提として記載されている。 ⇒外部評価の利用:外部評価を入れる頻度だけでなく、 外部評価の形態についても CEA は取締役会と協議す ることが必要 ・外部専門家が独自におこなう評価 ・自己評価に対して外部専門家の評価を受ける ⇒リスク・マネジメントに係る評価対象の追加:COSO ERM フレームワークに合わせ、リスク・マネジメン トの目的に業務の目的達成だけでなく、戦略の目的達 成を追加 ⇒個別監査計画策定においてガバナンス領域も勘案す ることを明記 ⇒許容範囲を超すリスク需要がある場合の CAE の責 任:経営陣が組織体にとって許容範囲を超えるリスク を受容していると CAE が判断した場合、リスクが許 容範囲を超えていることを報告するまでが CAE の責 任である。 平成 24 年 12 月 12 日(水) レジュメ MEMO 第1回 日戦勉強会【内部監査】 平成 24 年 12 月 12 日(水) レジュメ ○トップに強い説明力を持つ内部監査報告書の作成方法 ⇒内部監査報告書に対する経営トップの目的 ・経営者固有の目的:各部門の活動が円滑に遂行され、部 門のリソースに過不足がないかどうかを伝達する ・経営監督としての目的:取締役会が承認した各種方針か ら逸脱する経営管理上の不備を伝達する ⇒報告書の品質:伝達は、以下の点を考慮する ・正確・・・誤りや曲解がなく事実に忠実 ・客観的・・・公正で偏らず先入観がない ・明確・・・容易に理解でき論理的で不要な専門用語を排除 し、すべての重要かつ関連する情報を提供 ・簡潔・・・要領を得たもので、凝り過ぎ、余計な詳細、冗 長さ、くどい言い回しを排除 ・建設的…対象部門や組織体に役立つもの ・完全…基本的な要素を欠くことなく、改善のための提言 と裏付けとなる情報・発見事項 ・適時…時宜を得て目的に適う ⇒記載事項:必要的記載事項について ・業務の目的、業務の範囲 ・内部監査人の意見・結論 ・結果の配布と利用範囲の制約 ・適合できなかった倫理綱要の原則・倫理規範、理由、個々 の不適合の影響 ⇒CAE による最終確認 ・ストーリー性 ・経営者の視点 ・明瞭性 ⇒経営トップニーズの反映 ・中長期経営計画の進捗 ・事業戦略推進上不足するリソースへの対応 ・グローバル展開におけるナショナルスタッフ育成 ・BCP(事業継続計画)対応 なお、事業戦略に絡むようなテーマを監査対象とすること は内部監査部門の本来の職責逸脱とみられる意見もある とのことであるが、筆者は、事業部門が目指す戦略目標の 達成を阻害するリスクの未然防止を支援することで事業 価値の継続的向上に貢献するとして肯定している。 MEMO 第1回 日戦勉強会【内部監査】 ★商事法務 10/5-15 合併号 №1978 (おまけ) ○H24.9.7 法制審議会総会にて承認「会社法性の見直しに 関する要綱」座談会 ⇒社外取締役置くことが相当でない理由を事業報告に 記載 東証上場 54%は社外取既選任 社外要件の厳格化 ①親会社の関係者ではない②兄 弟会社の関係者ではない③当該会社の関係者の近親 者ではない要件を追加(東証の独立役員制度は「主要 な取引先の関係者」について事前相談要件に該当) ⇒監査・監督委員会設置会社の新設 委員会設置会社と 監査役会設置会社の中間的存在 社外役員 監査役 :会社法 2 名+東証 1 名(社外監 2 名+社外取 1 名) 監査・監督委員会 :会社法 2 名(社外取 2 名、監査役は不要) ⇒キャッシュ・アウト(スクイズアウト) 90%超議決権 を保有する会社においては株主総会を経ずに少数株 主に売渡請求が可能。ただし、対象会社の取締役会の 承認は必要 ★商事法務 11/15 №1981 ○社外役員にかかる実務対応(上) ・現行の社外取締役の定義 会社又は子会社の業務執行取締役もしくは執行役また は支配人その他の使用人ではなく、かつ、過去に会社又 は子会社の業務執行取締役もしくは執行役または支配 人その他の使用人となったことがないものをいう。 ・現行の社外監査役の定義 過去に会社又は子会社の業務執行取締役もしくは執行 役または支配人その他の使用人となったことがないも のをいい、子会社の取締役等を兼ねることができない。 ⇒改正(予定)後の「社外」定義の追加 会社の親会社や兄弟会社の関係者でないこと 過去 10 年間に会社や子会社の関係者ではないこと (監査役の場合、親会社の取締役が監査役として入った としても「社外」としては認められなくなる。) ★商事法務 11/25 平成 24 年 12 月 12 日(水) レジュメ №1982 ○詐害的な会社分割における債権者の保護 ⇒事業再生で使われる「ノアの箱舟方式」の規制 MEMO 第1回 日戦勉強会【内部監査】 ○デュアル・クラス・ストラクチャーをめぐる日米の状況 ⇒2008 年に東証において議決権種類株式の上場を可能と する上場規程の改訂が行われているが、日本での利用は 今のところゼロ。米国では、グーグル、フェイスブック、 グル―ポンなどが利用。 ★企業リスク 2012.07 第 36 号&2012.10 ○内部監査ナビゲーション 第 37 号 「データ監査にチャレンジ」 ⇒CAAT(Computer Assisted Audit Techniques) コンピューターにより電子データを分析する監査技法 利点と効用: ①内部監査の有効性の向上 ・手作業では実施不能な膨大な処理件数の全件検証(精 査)が可能 ・検証時のヒューマンエラーによる見落としを防止 ・リスクにフォーカスした内部監査手続を実施 ②内部監査の効率性の向上 ・処理速度が速い ・毎年継続的に実施する監査手続をプログラム化して再 利用 ③付加価値の提供 ・蓄積されているデータかを内部監査人の視点で分析し 課題を見つけ改善提案が可能 ・異例なデータから、業務処理の課題を把握できる。例 えば、担当別の取扱件数による業務効率の比較 利用局面: ①監査計画段階 リスク評価のための定量分析 例:財務データからリスクの高い事業拠点を分類 ②内部統制検証手続 IT 業務処理統制での利用 例:売上計上の取引データと出荷データの一致検証 ③内部統制の不備への対応 不備の影響額の算定 例:不備の定義を明確化して、該当する取引をすべて 抽出する(推定値ではなく、確定値として算定) ④財務数値の監査手続 例:部門別の月次の予算と実績の比較 平成 24 年 12 月 12 日(水) レジュメ MEMO 第1回 日戦勉強会【内部監査】 MEMO 導入手順: ①導入計画の立案(試査・精査) ②検証データの入手(データがあるか、どんなデータが欲し いか) ③監査手続の実施(検証方法の調整) ④実施結果の調書化・レヴュー(何をしたかを明確に) ★会社法 A2Z 2012 年 12 月号 第 67 号 ○職場におけるハラスメント ・パワハラの定義 法令上の明確な定義は存在しない。厚労省のワーキング グループでは、以下のように定義している。 「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係 などの職場内の優位性を背景に、業務の定期性な範囲を 超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪 化させる行為をいう」 ・判断基準(明確なものはない) 行為のなされた状況や行為者の意図、両者の関係などを 総合的に勘案して社会通念上不当とされれば違法とな りうる。 ・判例 ①川崎市水道局(いじめ自殺) ②医療法人財団健和会事件 → パワハラ肯定 → パワハラ否定 ・労災認定もある。 ★経営財務 平成 24 年 12 月 12 日(水) レジュメ 12/3 号 №3092(おまけ) ○HP「のれん」減損と不正会計疑惑 HP:2012 年 10 月末終了事業年度の4Q において 88 億ド ル(7 千億円)の減損処理を実施。およそ 50 億ドル分は、昨 年買収した英国のソフトウェア会社 A 社ののれん減損分 A 社は業績不振だけでなく、会計不正があったとしている。 ①売上の混合 ソフトとハードの売上を意図的にすり替え、ソフトの売上 が多いように仮装 ②流通在庫の売上 ユーザーの検収以前に、流通段階で売上を計上 ③長期契約の一括計上 長期のデータ対協契約を初期段階で収益計上