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当日配布資料(1.85MB)
お口の万歩計 「そしゃく回数検出装置」 九州工業大学大学院 工学研究院 機械知能工学研究系 教授 松田 健次 1 開発の経緯 • 2000年1月,発表者と同じ研究室の兼田教授 の奥様が,北九州市の済生会八幡総合病院に ご勤務の松股先生(現在,同病院の病院長) より咀嚼計の必要性をお聞きになり,兼田教 授が九州工業大学のメンバー4名を集めて開 発プロジェクトを設立.松股先生の病院を訪 問. 「簡易に咀嚼回数が把握できるもの」 が必要 2 日本の平均寿命は世界有数の水準に達する H21 過去最高を更新=男性79.59歳、女性86.44歳―厚労省 〈社会問題〉 人口の急速な高齢化とともに,要介護者の増加 〈対策〉 健康を増進し,発病を予防する「一次予防」 適度な運動 健康維持に有効 日常的に管理するには,定量化できる 簡易な装置が必要 3 生活習慣病の推定有病者数(平成14年) 高血圧症 約3,100万人 高脂血症 約3,000万人 糖尿病 約 740万人 2004年の医療費総額31兆4000億円 の約7割(22兆円) が使われる. 4 よく噛む 唾液の分泌が促進 胃腸の負担軽減,疾病の予防・健康の増進 血糖値の増加 満腹感 食べ過ぎの予防 肥満防止 脳の循環血液量の増加 知的発達の促進,ボケ予防,精神安定, ストレス解消 5 6 「ひみこのはがいいぜ」 ・・・かむことの8大効果 ひ・・・肥満防止 かむことで、満腹中枢を刺激します。 み・・・味覚の発達がよくなる 何回もかむことによって、本来の味がわかるようになります。 こ・・・言葉の発達に関与 よくかむことで、口腔周囲筋が発達し、発音がはっきりしてきます。 の・・・脳の活性化 かむことによって脳に酸素と栄養を送り、血流がよくなり、活性化し、ボケ 防止になります。 は・・・歯の病気を予防する かむことにより、だえきの分泌を促進しむし歯や歯周病を予防します。 が・・・がんの予防 だえきにふくまれる酵素の中には、発ガン抑制効果のあるものがあります。 い・・・胃にもいい よくかめば、胃腸の働きを促進させます。 ぜ・・・全身のパワーアップにもなる かむ力は体重の重さくらいだと言われています。(参考文献 健康教室2008.6) 7 背 4000 景 出典:斎藤 滋,噛まない子は本当に だめになる,1997,風人社 3000 咀嚼回数/咀 2000 嚼時間(分) 1000 0 弥生 時代 平安 時代 鎌倉 江戸時 江戸時 戦前 時代 代初期 代後期 現代 咀嚼回数 3990 咀嚼時間 51 1366 31 2654 29 620 11 子どもの多くが 生活習慣予備軍 1465 22 1012 15 1420 22 食習慣改善が重要! 8 復元食メニュー 時 代 復元食のメニュー 卑 弥 呼 ハマグリの潮汁,アユの塩焼き,長芋の煮物,カワハギ (弥生時代) の干物,ノビル,クルミ,クリ,もち玄米のおこわなど 紫 式 部 ブリとアワビの煮物,カブ汁,大根のもろみ漬け,ご飯 (平安時代) 源 頼 朝 イワシの丸干し,梅干し,里芋とワカメのみそ汁,玄米 (鎌倉時代) のおこわ 徳川家康 ハマグリの塩蒸し,里芋とゴボウなどの煮物,タイの焼 (江戸初代) き物,カブのみそ汁,納豆,麦飯 徳川家定 かまぼこ,白身魚の吸い物,カレイの煮物,カブとウリ (江戸13代) の煮物,とうふのみそ汁,ご飯 戦前(昭和10 大豆のみそいため,たくあん,野菜のみそ汁,ニンジン 年ごろの庶民) と大根などの煮物,麦飯 コーンスープ,ハンバーグ,スパゲッティ,ポテトサラダ, 現 代 プリン,パン 出典:斎藤 滋,噛まない子は本当に だめになる,1997,風人社 9 従来の技術 10 11 個人差の影響の把握 腕に圧子を押込み,除荷する過程の,変位ー荷重 変化を測定 12 測定位置 被験者A 被験者B 3.0 3.0 Strained Relaxed 3.0 Strained Relaxed 2.5 1.5 1.0 2.0 1.5 1.0 0.5 0.5 0 1 2 3 4 5 Indentation depth δ, mm 6 0.0 Strained Relaxed 2.5 Force F,N 2.0 Force F,N Force F,N 2.5 0.0 被験者C 2.0 1.5 1.0 0.5 0 1 2 3 4 5 Indentation depth δ, mm 6 0.0 圧子押込み荷重と押込み変位の関係 0 1 2 3 4 5 Indentation depth δ, mm 6 (d=4.76mm) 13 咀嚼と会話による圧子の動きの相違 ・10回咀嚼 ・100文字音読 14 測定結果 咀嚼 音読 1.5 1.0 変位 mm 1.0 変位 mm 咀嚼 音読 1.5 0.5 0.5 0.0 0.0 -0.5 -0.5 0 5 10 15 時間 sec 被験者A 20 25 0 5 10 15 時間 sec 20 25 被験者C 15 咀嚼回数検出装置(特願2003-339675) 10 9 1 12 13 11 7 4 2 14 12 8 5 3 6 1 基台 2 レバー取付部 3 圧子支持レバー 4 補助レバー 5 圧子 6 摩擦部材 7 弾性体 8軸 9 可動変位制限体 10 ねじ 11 固定変位制限体 12 絶縁部材 13 接点部材 14 コード 16 10 10 9 12 13 11 7 9 1 4 1 12 2 14 13 11 7 4 2 14 12 12 8 8 6 3 5 1 装着前の状態 2 装着した直後の状態 10 10 9 9 1 12 13 11 7 6 3 5 4 1 12 2 14 12 13 11 7 4 2 14 12 8 8 5 3 3 咀嚼によって咀嚼筋が 収縮・緊張した状態 6 5 3 6 4 弛緩状態 17 実施例 咀嚼回数100回での検出回数 (喋りなし) 被験者:42歳男性 1回目 102回(調整前) 2回目 105回(調整前) 3回目 100回(調整後) 被験者:36歳女性 1回目 98回(調整前) 2回目 102回(調整前) 調整つまみ 本体 咀嚼回数100回での検出回数 (喋り有り:2500文字) 被験者:42歳男性 1回目 103回(調整前) 2回目 114回(調整前) 3回目 100回(調整後) 被験者:36歳女性 1回目 114回(調整前) 2回目 108回(調整前) 18 応用性 発光体+電池 本体 赤外線受光体 発光体 赤外線ダイオード+電池 発音体 赤外線受光体 赤外線受光体 発音体 00136 発光体 カウンター 本装置を、発光体、発音体、あるいはリモートコントロールのスイッチとして用 いれば、咀嚼動作にともなって、光や音を発したり、玩具等を作動させることも 可能であり、幼児等の遊び心を刺激することにより咀嚼を積極的に行う習慣を 身につけさせることも期待できる。 19 本技術に関する知的財産権 1.咀嚼回数検出装置 出願番号 :特許3619835 出願人 :北九州産業学術推進機構 発明者 :松田健次,松股 孝,兼田楨宏, 加藤了三,大屋勝敬,西川宏志 2.咀嚼回数検出装置 出願番号 :特許3766973 出願人 :北九州産業学術推進機構 発明者 :松田健次,松股 孝,兼田楨宏 20 新技術の特徴・従来技術との比較 • 特殊なセンサーは使用せず、手作りが可能 なほど単純な構造の機械的スイッチである。 • 感度の調整が容易である。 • 咀嚼以外の動作も検出可能であり、外部装 置のOn-Off信号として用いることができる。 21 想定される用途 • 食育、健康管理のための咀嚼カウンター • 福祉・介護・医療用の動作検出スイッチ • ゲーム・玩具・電子機器等のOn-Offスイッチ 22 実用化に向けた課題 • 本装置を,最適な場所に容易に,また確実に装 着できる手法の確立 • 医科・歯科系大学,小学校等と連携した研究の 推進 • そのために必要なだけの数の試作機の準備 • 一般家庭で購入できる程度の低価格化の実現 • 表示部の改良・高機能化 • 咀嚼計以外の用途の発掘・検証 23 お問い合わせ先 国立大学法人九州工業大学大学 産学連携推進センター知的財産部門 TEL 093-884-3499 FAX 093-884-3531 e-mail [email protected] 24