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わかりやすい悪性腫瘍の話 肝臓がん 肝臓がんの特徴

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わかりやすい悪性腫瘍の話 肝臓がん 肝臓がんの特徴
わかりやすい悪性腫瘍の話
肝臓がん
2013.7.31
肝臓がんの特徴
日本人の肝臓がんの多くが、慢性肝炎から肝硬変を経て発症する。肝炎ウイルス(特に C
型肝炎に感染すると、10 年~20 年かけて、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんへと進行していき
ます。肝細胞から発生するため、肝細胞がん(原発性肝がん)といいます。
〇種類と罹患率・死亡率
肝細胞がん、胆管細胞がん、胃や大腸がんからの
転移性肝がんに分けられます。
罹患率は*2007 年統計によると男性 7%で第 5
位、女性 5%で 6 位であり増加しています。死亡
率は*2011 年統計で、男性 15%で第 3 位、女性
7%で 6 位であり増加傾向ですが、肝炎ウイルス
の感染が減っているため 2020 年頃から死亡率は
低下に向かうと予想されています。
東京都医師会 HP より
*国立がん研究センターがん対策情報センター
〇症状
肝臓がんには特別な症状というものはなく、背景にある肝硬変の症状(食欲不振、腹水
黄疸、食道・胃の出血など)が見られます。
〇診断
① 腫瘍マーカー・・AFP(アルファ・フェト・プロテイン)と PIVKA-Ⅱ(ピブカ
Ⅱ)が指標です。
② 超音波検査 ・・肝臓がんの画像検査の基本で検査中に体表から針をさして組織を
採取し病理診断を行います。
(肝生検)
③ CT 検査
④ 血管撮影検査
造影剤を点滴静注する造影 CT が一般的で
がんの近くの肝動脈までカテーテルという
造影剤を急速静注して腫瘍血管の様子を見
細い管を入れ造影剤を注入。血管撮影の結
るダイナミック CT が精密検査として行わ
果、小さな肝臓がんがわかり、引き続き冠
れます。
(腫瘍マーカー・Com)
動脈塞栓療法を行う。
(大阪本町 CS クリニック)
わかりやすい悪性腫瘍の話
肝臓がん
2013.7.31
肝臓がんの治療
肝臓がんは、病期と肝臓の状態を考えた以下の治療を行います。
標準治療としては肝切除、ラジオ波焼灼(ショウシャク)療法(RFR)
、冠動脈塞栓術(TAE)
放射線治療などを病態に応じて選びます。
先進医療として陽子線の線量特性を利用した陽子線治療が期待されています。
① 肝切除(手術による部分切除)
肝切除は、腫瘍数が 2~3 個以下の場合
に行われ、肝機能が良いことが絶対条件
となります。
最も確実な治療法で非常に大きながんや
外側に飛び出した形のがんも手術が選ば
れますが、肝機能が悪いことが多いため
切除しても再生は難しく、肝不全を起こ
す危険性があります。
(大阪市立大学附属病院より)
② 局所療法(ラジオ波焼灼療法など)
写真:
(大阪市立大学医学部附属病院)
皮膚の上から超音波をあてながら
針を腫瘍内に侵入させ、アルコール
を注入したり、マイクロ波あるいは
ラジオ波で焼き切る方法です。
ラジオ波は、保険が適応された治療
法として確立されています。
図:(日経 BP 社 がんナビ)
③ 冠動脈塞栓療法
肝臓には、門脈と肝動脈という 2 つのルートから血液が流れ込んでいて、正常な肝細
胞は主に門脈から酸素や栄養を得ています。一方でがん細胞は、ほとんどが肝動脈か
ら酸素や栄養を供給されているため、この性質を利用してがん病巣へ行く肝動脈を詰
めてしまう治療です。5 年生存率は肝切除やラジオ波、放射線治療が 60%台に対して
20%ほどです。
④ 放射線治療
近年、放射線治療が著しく進歩し、がん病巣にピンポイントで X 線を照射する定位照
射法が盛んに行われています。また、先進医療の陽子線治療は、陽子(水素原子核)
を加速して照射する方法で、現在国内8か所で行われています。
(詳細は次回掲載)
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