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A − L − CRを含む化合物を提供し、ここで

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A − L − CRを含む化合物を提供し、ここで
JP 2007-512364 A 2007.5.17
(57)【 要 約 】
本発明は、式:A−L−CRを含む化合物を提供し、ここで、CRは、環状コア基であり
、Lは、連結基であり、そしてAは、本明細書中で定義したとおりであり、ここでその化
合物は、その分割した鏡像異性体およびジアステレオマー、および薬学的に受容可能なプ
ロドラッグ、代謝物、塩および溶媒和物を含む。また、本発明の化合物をAKTプロテイ
ンキナーゼインヒビターとして使用する方法、および過剰増殖疾患(例えば、癌)を処置
する方法も、提供される。
(2)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iを含む化合物:
【化1】
ここで:
CRは、ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、必要に応じて、1個またはそれ
以上の基で置換されており、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド
、−NR
2 1
SO2 R
O)NR
2 1
R
2 2
OC(O)OR
2 1
2
R
2 3
、−NR
O)R
2 4
−NR
2 1
2 4
、−SO2 NR
、−C(O)R
、−NR
2 1
2 1
C(O)R
、−SO2 R
2 4
C(NCN)NR
2 1
2 2
R
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
C(O)OR
、−NR
2 2
2 1
2 4
、−NR
、−C(O)NR
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
2 1
2 1
、−NR
2 1
2 1
、−OC(O)R
2 1
R
2 1
S(O)R
4
、−S(
2 1
、−
2 1
)NR
、−SR
2 1
、−S(
C(O)NR
2 2
R
C(=NR
2 2
10
2 3
2
、
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C6
ヘテロアルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2 ∼C6 アル
キニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C3 ∼C6 シクロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシ
クロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアル
キルから選択され、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アル
20
キニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロ
アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルのいずれかは、さらに、必要
に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル
、シアノ、ニトロ、アジド、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、
C1 ∼C6 アルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C1 ∼C6 ヘテロ
アルキル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C3 ∼C6 シク
ロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシクロアルキル、−SR
2
1
R
2 4
、−C(O)R
R
2 2
および−OR
2 1
2 1
、C(O)OR
2 1
2 1
、−S(O)R
、−C(O)NR
2 1
R
2 4
2 2
、−SO
、−NR
2
から選択される;
Lは、以下から選択される:
30
(3)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化2】
10
20
ここで、R
1 2
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アジド、
C1 ∼C5 アルキル、C2 ∼C5 アルケニル、C2 ∼C5 アルキニル、C1 ∼C5 ヘテロ
アルキル、C2 ∼C5 ヘテロアルケニルまたはC2 ∼C5 ヘテロアルキニルであり、ここ
で、該アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニルおよびヘ
テロアルキニルのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており
、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、アジド、C1 ∼C4 アルキル、
フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロメトキシ
、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシから選択される;
Aは、
30
【化3】
である;
Wは、NまたはCR
とき、Wは、CR
1 5
1 5
であるが、但し、Lが置換または非置換ピペラジニレンである
40
でなければならない;
Gは、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル
、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロア
リールであり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、
アルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまた
はヘテロアリールのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されてお
り、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、−NR
O2 R
2 2
2 1
2 4
、−SO2 NR
、−C(O)R
、−NR
2 1
2 1
2 1
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
C(O)OR
2 4
2 1
、−NR
2 1
S(O)R
4
、−OC(O)R
2 1
C(=NR
2 1
、−S(O)NR
2 1
2 1
S
2 1
R
、−OC(O)OR
)NR
2 2
R
2 3
、−N
50
(4)
R
2 1
C(O)R
SO2 R
2 4
NCN)NR
2 2
、−NR
2 2
R
、−C(O)NR
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
2 1
、−NR
2 1
R
2 1
JP 2007-512364 A 2007.5.17
2 2
、−SR
2 1
C(O)NR
2 2
、−S(O)R
R
2 3
、−NR
2 4
、−
2 1
C(
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル
、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼
C4 ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアリールおよびヘテロア
リールから選択される;
B
1
およびB
2
は、別個に、存在しないか、またはC1 ∼C4 アルキレン、C1 ∼C4
ヘテロアルキレン、C2 ∼C4 アルケニレン、C2 ∼C4 ヘテロアルケニレン、C2 ∼C
4
アルキニレン、C2 ∼C4 ヘテロアルキニレン、C3 ∼C6 シクロアルキレンおよびC
3
∼C6 ヘテロシクロアルキレンであり、ここで、該アルキレン、ヘテロアルキレン、ア
10
ルケニレン、ヘテロアルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキニレン、シクロアルキレ
ンまたはヘテロシクロアルキレンのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基
で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4
ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
2
およびOR
R
2 1
、R
2 1
から選択される;
2 2
およびR
2 3
2 1
R
2
は、別個に、水素、C1 ∼C6 アルキル、C2 ∼C6 アル
ケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C1 ∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニ
ル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C3 ∼C6 シクロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシクロ
アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル
20
であり;
R
2 4
は、C1 ∼C6 アルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C1
∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C
3
∼C6 シクロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキ
ル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであるか;
あるいはR
2 1
、R
2 2
、R
2 3
またはR
2 4
のいずれか2個は、それらが結合する原
子と一緒になって、4員∼10員炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成
し、ここで、該炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環いずれかは、必要に応じ
て、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニ
トロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、アリ
30
ール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルお
よびヘテロシクリルアルキルから選択される;
R
1 3
およびR
1 4
は、別個に、水素、ヒドロキシル、シアノ、C1 ∼C6 アルキル、
C1 ∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2
∼C6 アルキニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C1 ∼C6 シクロアルキル、C1 ∼C
6
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリー
ルアルキル、−C(O)R
たは−SO2 R
2 4
2 1
、C(O)OR
2 1
、C(=NR
2 1
)NR
2 2
R
2 3
ま
であり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアル
キル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロアル
ケニル、ヘテロアルキニル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルのいずれか
40
は、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲ
2 1
SO2 R
2 1
R
2 2
、−C(O)R
、−OC(O)OR
2 1
、−NR
ン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、−NR
2 N
2 1
R
2 1
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
(O)OR
2 4
、−NR
2
、−C(O)NR
R
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
2 1
2 1
、−NR
2 1
2 1
、−OC(O)R
2 1
R
2 1
S(O)R
4
、−S(O)NR
2 1
2 1
)NR
、−SR
2 1
、−S(O)R
C(O)NR
2 2
C(=NR
2 2
R
2 3
2 2
R
2 3
、−NR
、−NR
2 1
2 4
、−SO
2 1
C(O)R
2 4
、−SO2 R
2 1
2 4
C(NCN)NR
C
2
、−N
2 2
R
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケ
ニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニ
ル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアリールおよびヘテロアリールから選択され
50
(5)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
るか;
あるいはR
1 3
およびR
1 4
は、それらが結合する原子と一緒になって、4員∼10員
炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該炭素環、アリール
、ヘテロアリールまたは複素環いずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置
換されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、C1 ∼C4 アルキ
ル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、
C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
2 1
R
2 2
およびOR
2 1
か
ら選択されるか;
あるいはR
1 3
とB
2
の原子とは、Nと一緒になって、4員∼10員炭素環、アリール
、ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該炭素環、アリール、ヘテロアリール
10
または複素環いずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該
基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘ
テロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキ
ニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
R
1 5
2 1
R
2 2
およびOR
2 1
から選択され;
は、水素、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケ
ニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニルまたはC2 ∼C4 ヘテロアル
キニルであり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、
アルキニルまたはヘテロアルキニルのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の
基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジ
ド、NR
2 1
あるいはR
R
2 2
1 3
およびOR
およびR
1 5
2 1
から選択されるか;
20
は、それらが結合する原子と一緒になって、3員∼10員
炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該炭素環、アリール
、ヘテロアリールまたは複素環いずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置
換されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、C1 ∼C4 アルキ
ル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、
C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
2 1
R
2 2
およびOR
2 1
か
ら選択されるか;
あるいは、WがCR
1 5
であるとき、R
1 5
とB
1
またはB
2
の原子とは、Cと一緒に
なって、3員∼10員炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで
、該炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環いずれかは、必要に応じて、1個ま
30
たはそれ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジ
ド、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C
4 ヘ
2 2
テロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
およびOR
2 1
2 1
R
から選択される;
ここで、該化合物は、その分割された鏡像異性体、ジアステレオマー、溶媒和物および
薬学的に受容可能な塩を含む、
化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、
CRは、以下から選択される:
40
(6)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化4】
10
ここで、Xは、NまたはCR
Yは、CR
1
である;
2
またはNであるが、但し、XがNであるとき、Yは、CR
3
R
2
でなければな
らない;
Zは、CR
3 a
またはNR
2 a
であるが、但し、XがNであるとき、Zは、CR
3
20
でなければならない;
D
1
、D
3
、D
2
、D
またはD
4
3
およびD
4
は、別個に、CR
4
またはNであるが、但し、D
1
、D
2
の2個以下は、Nである;
【化5】
は、任意の二重結合である;
D
5
は、CR
るとき、D
8
5
R
7
またはCR
Qは、CR
およびD
5
8
は、CR
してD
D
7
8
、NR
6
6
またはCR
7
R
7 a
6
R
6 a
7
は、CR
7
5
がOまたはSであ
またはNでなければならず、そし
でなければならないか、または(ii)D
7
は
でなければならないかのいずれかである;
、NまたはC=Oであるが、但し、(w)QがNであるとき、D
5
またはNでなければならず、D
5
、D
7
30
7
は、CR
7
またはNでなければならず、そ
は、Cでなければならないかのいずれかである;
7
、N、OまたはSであるが、但し、D
は、Cでなければならず、D
、CR
、OまたはSであるが、但し、D
の1個は、Cでなければならないか、または(x)QがC=Oであるとき、D
は、CR
6
2 a
は、Cでなければならず、D
て(i)Qは、CR
、CR
5 a
5
は、CR
5
7
がOまたはSであるとき、D
8
またはNでなければならず、そして(y)Qは
でなければならないか、または(z)D
5
は、CR
5
でなければならないかの、
いずれかである;
D
8
は、CまたはNであるが、但し、D
ければならず、そしてQは、CR
6
8
がNであるとき、D
またはCR
6
R
6 a
5
は、CR
5
R
5 a
でな
でなければならない;
KまたはMのいずれかは、カルボニルであるが、但し、KおよびMが両方共にカルボニ
40
ルになることはない;
R
1
、R
5
、R
5 a
およびR
8
は、別個に、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、
ニトロ、アジド、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、
フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、アミノメチル
、ジメチルアミノ、アミノエチル、ジエチルアミノまたはエトキシである;
R
4
2
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アミノ、アジド、C1 ∼C
アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアル
ケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、C1 ∼C6 シクロアルキ
ル、C1 ∼C6 ヘテロシクロアルキル、C1 ∼C6 アリールまたはC1 ∼C6 ヘテロアリ
ールであり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、ア
50
(7)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたは
ヘテロアリールのいずれかは、さらに、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換さ
れており、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、フルオロメチル
、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメ
トキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、アミノメチル、ジメチルアミノ、アミノエチル
、ジエチルアミノおよびエトキシから選択される;
R
2 a
は、水素、ヒドロキシル、シアノ、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアル
キル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C
2
∼C6 ヘテロアルキニル、C3 ∼C6 シクロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシクロアルキ
ル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アル
10
ケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシ
クロアルキル、アリールまたはヘテロアリールのいずれかは、必要に応じて、1個または
それ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニ
トロ、アジド、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フ
ルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、アミノメチル、
ジメチルアミノ、アミノエチル、ジエチルアミノまたはエトキシから選択される;
R
3
およびR
3 a
は、別個に、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アミ
ノ、アジド、C1 ∼C6 アルキル、C1 ∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 アルケニル、
C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C
1
∼C6 シクロアルキル、C1 ∼C6 ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリ
20
ールであり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、ア
ルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたは
ヘテロアリールのいずれかは、さらに、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換さ
れており、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、OR
R
2
R
および(C=O)R
4
、R
6
、R
6 a
2
、R
1
、NR
1
から選択される;
7
、R
7 a
およびR
1 0
は、別個に、水素、ヒドロキシル、シ
アノ、アミノ、ニトロ、アジド、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケ
ニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリー
ル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−NR
2 1
SO2 R
2 4
2 1
R
2 2
、
、−OC(O)OR
2 1
、
、−SO2 NR
−C(O)R
−NR
2 1
C(O)R
R
2 4
)NR
2 1
2 2
R
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
C(O)OR
、−NR
2 2
2 1
2 4
、−NR
、−C(O)NR
2 1
2 3
R
2 2
2 1
2 1
、−NR
または−OR
2 1
2 1
、−OC(O)R
2 1
R
2 1
S(O)R
4
C(=NR
2 2
2 1
、−S(O)NR
2 1
)NR
2 2
R
2 3
、−SR
2 1
、−S(O)R
C(O)NR
2 2
R
2 3
、−NR
、−NR
30
2 1
2 4
、−SO2
2 1
C(NCN
であり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アル
ケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシ
クロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアル
キルのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、
2 1
SO2
2 1
R
2 2
、−OC(O)OR
2 1
別個に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、−NR
R
2 4
、−SO2 NR
、−C(O)R
、−NR
1
2
C(O)R
R
2 4
N)NR
2
2 1
2 1
2 2
R
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
C(O)OR
、−NR
2 2
2 1
2 4
、−NR
、−C(O)NR
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
2 1
2 1
、−NR
2 1
2 1
R
4
、−OC(O)R
2 1
2 1
S(O)R
、−S(O)NR
2 1
2 1
)NR
、−SR
2 1
、−S(O)R
C(O)NR
2 2
C(=NR
2 2
R
2 3
2 2
R
2 3
、−NR
、−NR
40
2
2 4
、−SO
2 1
C(NC
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C
∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4
ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリ
ールから選択され、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニ
ル、アルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール
およびヘテロアリールは、さらに、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換され得
50
(8)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
、該基は、別個に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、C1 ∼
C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロア
ルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテ
ロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール、−NR
1
2 1
R
2 2
、および−OR
2
から選択されるか;
あるいはR
6
およびR
7
は、それらが結合する原子と一緒になって、4員∼10員炭素
環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該炭素環、アリール、ヘ
テロアリールおよび複素環のいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換
されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ジフル
オロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、OR
1
、NR
1
R
2
、シクロアルキル、
10
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール
アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリルアルキルから選択される;そして
R
9
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C1 ∼C6 アルキ
ル、C1 ∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、
C2 ∼C6 アルキニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C1 ∼C6 シクロアルキル、C1
∼C6 ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−NR
1
、−NR
2 1
SO2 R
2 4
および−NR
2 1
C(O)R
2 2
2 1
R
2 2
、−OR
2
であり、ここで、該アルキ
ル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールのいずれかは、
さらに、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハ
ロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、OR
R
2
1
、NR
1
R
2
20
および(C=O)
から選択される、
化合物。
【請求項3】
CRが、以下から選択される、請求項2に記載の化合物:
【化6】
30
。
【請求項4】
D
5
が、NHである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
CRが、以下から選択される、請求項2に記載の化合物:
【化7】
40
。
【請求項6】
Lが、以下から選択される、請求項2に記載の化合物:
50
(9)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化8】
。
【請求項7】
Lが、以下である、請求項6に記載の化合物:
10
【化9】
。
【請求項8】
Aが、以下である、請求項2に記載の化合物:
【化10】
20
。
【請求項9】
Aが、以下である、請求項2に記載の化合物:
30
【化11】
ここで、Gは、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアリール、アリールまた
はヘテロアリールであり、ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル
40
、アリールまたはヘテロアリールのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基
で置換されており、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド
、−NR
2 1
SO2 R
O)NR
2 1
R
2 2
、−C(O)R
OC(O)OR
2 1
、−NR
2
R
2 3
、−NR
2 1
2 4
、−SO2 NR
2 1
C(O)R
O)R
2 4
2 4
、−SO2 R
−NR
2 1
C(NCN)NR
2 1
2 2
R
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
C(O)OR
、−NR
2 2
2 1
2 4
、−NR
、−C(O)NR
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
2 1
2 1
、−NR
2 1
2 1
R
4
、−OC(O)R
2 1
2 1
S(O)R
、−S(
2 1
、−
2 1
)NR
、−SR
2 1
、−S(
C(O)NR
2 2
R
C(=NR
2 2
2 3
2
、
、C1 ∼C4 アルキル、C2 ∼C4
アルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアリールお
よびヘテロアリールから選択される、
50
(10)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
化合物。
【請求項10】
Aが、以下である、請求項6に記載の化合物:
【化12】
10
ここで、Gは、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアリール、アリールまた
はヘテロアリールであり、ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル
、アリールまたはヘテロアリールのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基
で置換されており、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド
、−NR
2 1
SO2 R
O)NR
2 1
R
2 2
、−C(O)R
OC(O)OR
2 1
、−NR
2
R
2 3
、−NR
O)R
2 4
−NR
2 1
2 1
2 4
、−SO2 NR
2 1
C(O)R
、−SO2 R
2 4
C(NCN)NR
2 1
2 2
R
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
C(O)OR
、−NR
2 2
2 1
2 4
、−NR
、−C(O)NR
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
2 1
2 1
、−NR
2 1
2 1
R
4
、−OC(O)R
2 1
2 1
S(O)R
、−S(
2 1
、−
2 1
)NR
、−SR
2 1
、−S(
C(O)NR
2 2
R
C(=NR
2 2
2 3
2
、
20
、C1 ∼C4 アルキル、C2 ∼C4
アルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアリールお
よびヘテロアリールから選択される、
化合物。
【請求項11】
Aが、以下を含む、請求項6に記載の化合物:
【化13】
30
ここで、B
1
およびB
2
は、別個に、存在しないか、またはC1 ∼C4 アルキレンであ
る;
R
2 1 a
∼R
2 1 c
は、別個に、H、ハロゲン、CH3 、CF3 、CH3 O、CN、N
O2 、NH2 、Ph、OHまたはOCH2 Phである;
R
2 2 a
、R
2 2 b
R
2 3 a
は、Hである;そして
R
2 3 b
は、H、CH3 、CH2 NH2 、CH2 NHCH2 、CH2 CH2 NH2 、C
およびR
2 4
は、別個に、H、CH3 またはハロゲンである;
40
H2 CH2 NHCH2 、CH2 CH2 N(CH2 )2 、−(C=O)CH2 NH2 または
−(C=O)CH2 CH2 NH2 であるか;
あるいはR
2 3 a
およびR
2 3 b
は、結合されて、5員または6員複素環を完成する、
化合物。
【請求項12】
Aが、以下を含む、請求項7に記載の化合物:
(11)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化14】
ここで、B
1
およびB
2
は、別個に、存在しないか、またはC1 ∼C4 アルキレンであ
る;
R
10
2 1 a
∼R
2 1 c
は、別個に、H、ハロゲン、CH3 、CF3 、CH3 O、CN、N
O2 、NH2 、Ph、OHまたはOCH2 Phである;
R
2 2 a
、R
R
2 3 a
2 2 b
は、Hである;そして
R
2 3 b
は、H、CH3 、CH2 NH2 、CH2 NHCH2 、CH2 CH2 NH2 、C
およびR
2 4
は、別個に、H、CH3 またはハロゲンである;
H2 CH2 NHCH2 、CH2 CH2 N(CH2 )2 、−(C=O)CH2 NH2 または
−(C=O)CH2 CH2 NH2 であるか;
あるいはR
2 3 a
およびR
2 3 b
は、結合されて、5員または6員複素環を完成する、
化合物。
【請求項13】
20
Aが、以下を含む、請求項6に記載の化合物:
【化15】
ここで、R
R
2 7
2 5
およびR
2 6
は、別個に、HまたはCH3 である;そして
30
は、1−ナフチル、2−ナフチル、3’−ベンジルチエニル、2’−チエニル、
2’−ピリジル、3’−ピリジル、4’−ピリジル、4’−チアゾリルまたは3,3−ジ
フェニルである、
化合物。
【請求項14】
Aが、以下を含む、請求項7に記載の化合物:
【化16】
40
ここで、R
R
2 7
2 5
およびR
2 6
は、別個に、HまたはCH3 である;そして
は、1−ナフチル、2−ナフチル、3’−ベンジルチエニル、2’−チエニル、
2’−ピリジル、3’−ピリジル、4’−ピリジル、4’−チアゾリルまたは3,3−ジ
フェニルである、
化合物。
【請求項15】
50
(12)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
Aが、以下である、請求項6に記載の化合物:
【化17】
10
。
【請求項16】
Aが、以下である、請求項7に記載の化合物:
【化18】
20
。
【請求項17】
Aが、D−またはL−アミノ酸であり、該アミノ酸が、天然に存在するアミノ酸、4−ヒ
ドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチジン
、ノルバリン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、シルツリン、ホモシステイン、ホモセリ
ン、オルニチンおよびメチオニンスルホンから選択される、請求項7に記載の化合物。
30
【請求項18】
前記アミノ酸が、アラニン、フェニルアラニン、ヒスチジンまたはトリプトファンである
、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
前記化合物が、以下を含む、請求項1に記載の化合物:
【化19】
。
【請求項20】
前記化合物が、以下を含む、請求項1に記載の化合物:
40
(13)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化20】
10
ここで、R
2 8
は、H、ハロゲン、CH3 、CF3 、CH3 O、CN、NO2 、NH2
、Ph、OHまたはOCH2 Phである、
化合物。
【請求項21】
前記化合物が、以下を含む、請求項1に記載の化合物:
【化21】
20
ここで、D
R
2 9
1 6
は、OまたはNである;そして
30
は、H、ハロゲン、CH3 、CF3 、CH3 O、CN、NO2 、NH2 、Ph、
OHまたはOCH2 Phである、
化合物。
【請求項22】
哺乳動物における過剰増殖疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、請求項1に記載
の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項23】
哺乳動物における過剰増殖疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、請求項2に記載
の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項24】
40
哺乳動物における過剰増殖疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、請求項3に記載
の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項25】
哺乳動物における過剰増殖疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、請求項4に記載
の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項26】
哺乳動物における過剰増殖疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、請求項5に記載
の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項27】
哺乳動物における過剰増殖疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、請求項6に記載
50
(14)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項28】
哺乳動物における過剰増殖疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、請求項7に記載
の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項29】
哺乳動物における過剰増殖疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、請求項8に記載
の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項30】
哺乳動物における過剰増殖疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、請求項9に記載
の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
10
【請求項31】
哺乳動物における過剰増殖疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、請求項10に記
載の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項32】
哺乳動物における過剰増殖疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、請求項11に記
載の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項33】
哺乳動物における過剰増殖疾患を処置する方法であって、該哺乳動物に、請求項12に記
載の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項34】
20
請求項1に記載の化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する、組成物。
【請求項35】
請求項2に記載の化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する、組成物。
【請求項36】
請求項3に記載の化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する、組成物。
【請求項37】
請求項4に記載の化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する、組成物。
【請求項38】
請求項5に記載の化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する、組成物。
【請求項39】
30
請求項7に記載の化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する、組成物。
【請求項40】
請求項9に記載の化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含有する、組成物。
【請求項41】
医薬として使用するための、請求項1∼21のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項42】
過剰増殖障害を処置する医薬として使用するための、請求項1∼21のいずれか1項に記
載の化合物。
【請求項43】
過剰増殖障害または炎症状態を処置する医薬の製造における、請求項1∼21のいずれか
40
1項に記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国仮特許出願第60/524,003号(これは、2003年11月21日
に出願され、この内容は、その全体として、本明細書中で参考として援用されている)の
利益を主張する。
【0002】
(1.発明の分野)
本発明は、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ(例えば、AKTおよび関連キナー
50
(15)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ゼ)の新規インヒビター、これらのインヒビターを含有する医薬組成物、およびこれらの
インヒビターを調製する方法に関する。これらのインヒビターは、哺乳動物(特に、ヒト
)における過剰増殖疾患(例えば、癌)および炎症を処置するのに有用である。
【背景技術】
【0003】
(2.当該分野の状況の説明)
プロテインキナーゼは、ATPから基質として作用する受容タンパク質へのγ−ホスホ
レート基の転移を触媒する酵素のクラスである。キナーゼの特定の標的は、セリン、スレ
オニンまたはチロシン残基のヒドロキシル基である。この特定の標的化の結果として、キ
ナーゼは、代表的には、セリン/スレオニンプロテインキナーゼまたはチロシンプロテイ
10
ンキナーゼと称される。ヒトゲノムは、500個を上回る異なるプロテインキナーゼをコ
ードすると見積もられている。
【0004】
セリン、スレオニンまたはチロシン残基のリン酸化の一見重要でない仕事は、シグナル
伝達および細胞機能の調節の過程におけるプロテインキナーゼの重要性と矛盾する。キナ
ーゼは、代表的には、細胞外リガンドによって活性化された場合に細胞内タンパク質のリ
ン酸化を引き起こす膜貫通型細胞レセプター(Gタンパク結合レセプターまたは成長因子
レセプター)によって媒介される。多くの場合、相互に連結した系(またはカスケード)
のプロテインキナーゼが、この開始シグナルの全体的な効果を発揮するために必要であり
、このシグナルは最終的には細胞死(アポトーシス)ほど極端な効果を生じ得る。
20
【0005】
リン酸化タンパク質 対 リン酸化されていないタンパク質の比は、微妙な平衡状態に
あり、プロテインホスファターゼがプロテインキナーゼのネガティブな調節因子として作
用し、ホスホリル基をもはや必要とされないように除去する。この相互作用の例として、
キナーゼのリン酸化状態は、細胞が分裂するか、細胞周期を停止するかまたはプログラム
細胞死を停止するかどうかを制御し得る。このキナーゼ/ホスファターゼの関係が調節さ
れなくなると、疾患に関連する潜在的な結果が大きくなる。例えば、異常なプロテインキ
ナーゼ活性または発現は、多くの過剰増殖性の疾患、炎症および組織修復に関連し得、比
較的命に別状のない疾患(例えば、乾癬)からほとんどの場合致命的な疾患(例えば、多
形グリア芽腫、侵襲性の脳腫瘍)に及ぶ多数の疾患と関連する。
30
【0006】
意義深いことに、非定型のタンパク質リン酸化および/または発現は、癌における異常
な細胞増殖、転移および細胞生存の原因となる効果の1つであることがしばしば報告され
ている。種々のキナーゼ(多数のもののうちVEGF、ILK、AKT、ROCK、p7
0S6K、Bcl、PKA、PKC、Raf、Src、PDK1、ErbB2、MEK、
IKK、Cdk、EGFR、BAD、CHK1、CHK2およびGSK3が挙げられる)
の異常な調節および/または発現は、癌に特異的に関係している。
【0007】
CDCからの最近のデータは、癌が米国において2番目に多い死因であることを示し、
全体のほぼ4分の1が悪性新生物に起因することが報告されている(Anderson,
40
National Vital Statistics Report,2001,49
(11):1)。癌の発生、進行および処置の理解における最近の進歩にもかかわらず、
癌患者の全体的な予後を改善するために、多くのことが依然としてなされる必要がある。
【0008】
ホスファチジルイノシトール3’−OHキナーゼ(PI3K)経路は、多くの細胞機能
(細胞周期の進行、増殖、運動性、代謝および生存が挙げられる)においてその効果を及
ぼすシグナル伝達経路のうちの1つである。レセプタープロテインチロシンキナーゼ(P
TK)は、PI3Kをリン酸化させてホスファチジルイノシトール(4,5)−ジホスフ
ェート[PtdIns(4,5)P2 ]にし、膜に結合されたホスファチジルイノシトー
ル(3,4,5)−トリホスフェート[PtdIns(3,4,5)P3 ]を生じる。こ
50
(16)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
れは、キナーゼのプレクストリン相同(PH)ドメインへのPtdIns(3,4,5)
P3 の結合を介して、細胞質から形質膜への種々のプロテインキナーゼの漸増(recr
uitment)を次々に促進する。PI3Kの重要な下流標的として注目すべきキナー
ゼとしては、ホスホイノシチド依存性キナーゼ1(PDK1)およびAKT(プロテイン
キナーゼBとしても公知)が挙げられる。次いで、このようなキナーゼのリン酸化は、メ
ディエータ(例えば、GSK3、mTOR、PRAS40、FKHD、NF−κB、BA
D、カスパーゼ−9など)に関与する他の多くの経路の活性化または不活性化を可能にす
る。
【0009】
PI3K経路についての重要な負のフィードバック機構は、PtdIns(3,4,5
10
)P3 のPtdIns(4,5)P2 への脱リン酸化を触媒するホスファターゼであるP
TENである(非特許文献1;非特許文献2)。全固形腫瘍のうちの60%を超えるもの
で、PTENが不活性形態に変異され、PI3K経路の構成的活性化が可能になることは
、非常に有意なことである。大多数の癌が固形腫瘍であるので、このような観察は、PI
3K経路においてPI3K自体または個々の下流キナーゼのいずれかを特異的に標的する
ことによって、種々の癌の効果を軽減し、正常な細胞機能を回復し得ることを示唆する。
【0010】
PI3K脂質生成物に関して最も特徴付けされた標的の一つは、AGCセリン/スレオ
ニンプロテインキナーゼAKTである(非特許文献3)。AKTは、急性形質転換レトロ
ウイルスAKT8のプロトオンコジーンv−aktのヒト相同体である。プロテインキナ
20
ーゼAおよびプロテインキナーゼCに対するその高い配列相同性はまた、AKTにプロテ
インキナーゼB(PKB)およびプロテインキナーゼAおよびCに関連する(Relat
ed to A and C;RAC)プロテインキナーゼの名称をもたらしている。A
KTの3つのアイソフォーム(すなわち、Akt1、Akt2およびAkt3)が存在す
ることが公知であり、これらは80%の全体の相同性を示す(非特許文献4;非特許文献
5)。さらに、Akt2およびAkt3の両方がスプライス改変体を示す。
【0011】
PtdInd(3,4,5)P3 による細胞膜への補充の際に、AKTは、アイソフォ
ームAkt1、Akt2およびAkt3についてそれぞれT308、T309およびT3
05において、ならびにアイソフォームAkt1、Akt2およびAkt3についてそれ
30
ぞれS473、S474およびS472において、PDK1によってリン酸化(活性化)
される。このようなリン酸化は、現在のところは未知のキナーゼ(推定でPDK2と称さ
れる)によって生じるが、PDK1(非特許文献6)、自己リン酸化(非特許文献7)お
よびインテグリン結合キナーゼ(ILK)(非特許文献8)が、このプロセスに関与する
。AKTの一リン酸化はキナーゼを活性化するが、ニリン酸化が最大限のキナーゼ活性の
ために必要とされる。
【0012】
AKTは、アポトーシスを抑制し、新脈管形成および増殖の両方を促進することによっ
て、その癌への効果を発揮すると考えられる。さらに、AKTは、ヒトの癌の多くの形態
で過剰発現されることが示されている(これらの癌としては、結腸癌(非特許文献9)、
40
卵巣癌(非特許文献10)、脳腫瘍(非特許文献11)、肺癌(非特許文献12)、膵臓
癌(非特許文献13)、前立腺癌(非特許文献14)および胃癌(非特許文献15)が挙
げられるが、これらに限定されない)。
【0013】
異常調節された経路および疾患の最終的な結果を標的にするキナーゼインヒビターの開
発は、医学界および薬学界にとって倫理的かつ商業的に非常に興味深いものである。従っ
て、そういうものとして、(1)細胞膜へのAKTの補充、(2)PDK1またはPDK
2による活性化、(3)基質リン酸化または(4)AKTの下流標的のうちの1つが、単
独治療または他の認められた手順と組み合わせてのいずれかの場合に、抗癌剤として有効
な標的である。
50
(17)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【非特許文献1】Furnari,F.B.ら、Cancer Res.1998年、5
8、p.5002
【非特許文献2】Dahia,P.L.M.、Hum.Molec.Genet.199
9年、8、p.185
【非特許文献3】Hemmings,B.A.,Science,1997年、275、
p.628
【非特許文献4】Staal,S.P,Proc.Natl.Acad.Sci.,19
87年、84、p.5034
【非特許文献5】Nakatani,K,Biochem.Biophys.Res.C
ommun.,1999年,257、p.906
10
【非特許文献6】Balendran,A.,Curr.Biol.,1999年,9、
p.393
【非特許文献7】Toker,A.,J.Biol.Chem.,2000年,275,
p.8271
【非特許文献8】Delcommenne,M.,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,1998年,95、p.11211
【非特許文献9】Zindaら、Clin.Cancer Res.,2001年、7、
p.2475
【非特許文献10】Cheng,J.Q.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,1992年、89,p.9267
20
【非特許文献11】Haas Kogan,D.ら、Curr.Biol.,1998年
、8、p.1195
【非特許文献12】Brognard,J.ら、Cancer Res.,2001年、
61、p.3986
【非特許文献13】Cheng,J.Q.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.
,1996年、93、p.3636
【非特許文献14】Graff,J.R.ら、J.Biol.Chem.,2000年、
275、p.24500
【非特許文献15】Staal,S.P.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,1987年.84、p.5034
30
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要旨)
本発明は、AKTプロテインキナーゼを阻害する新規化合物、これらの化合物を生成す
る方法、およびこのような化合物を含有する医薬組成物を提供する。本発明の化合物は、
AKTプロテインキナーゼの阻害により治療できる疾患および病気の治療薬として、有用
性がある。さらに具体的には、本発明は、一般式Iを有する化合物を包含し:
【0015】
【化22】
40
ここで:
CRは、ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、必要に応じて、1個またはそれ
以上の基で置換されており、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド
、−NR
2 1
SO2 R
O)NR
2 1
R
2 2
OC(O)OR
2 1
2
R
2 3
、−NR
2 4
、−SO2 NR
、−C(O)R
、−NR
2 1
2 1
C(O)R
2 1
2 1
2 2
、−NR
、−C(O)OR
C(O)OR
2 2
R
2 4
2 1
、−NR
、−C(O)NR
2 1
2 1
4
、−OC(O)R
2 1
R
S(O)R
C(=NR
2 2
、−SR
、−S(
2 1
、−
2 1
)NR
2 1
2
、−S(
50
(18)
O)R
2 4
−NR
2 1
、−SO2 R
2 4
C(NCN)NR
、−NR
2 2
R
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
JP 2007-512364 A 2007.5.17
、−NR
2 1
2 1
C(O)NR
2 2
R
2 3
、
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C6
ヘテロアルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2 ∼C6 アル
キニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C3 ∼C6 シクロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシ
クロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアル
キルから選択され、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アル
キニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロ
アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルのいずれかは、さらに、必要
に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル
、シアノ、ニトロ、アジド、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、
10
C1 ∼C6 アルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C1 ∼C6 ヘテロ
アルキル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C3 ∼C6 シク
ロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシクロアルキル、−SR
2
1
R
2 4
、−C(O)R
R
2 2
および−OR
2 1
2 1
、C(O)OR
2 1
2 1
、−S(O)R
、−C(O)NR
2 1
R
2 4
2 2
、−SO
、−NR
2
から選択される;
Lは、以下から選択される:
【0016】
【化23】
20
30
R
5
1 2
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アジド、C1 ∼C
アルキル、C2 ∼C5 アルケニル、C2 ∼C5 アルキニル、C1 ∼C5 ヘテロアルキル
、C2 ∼C5 ヘテロアルケニルまたはC2 ∼C5 ヘテロアルキニルであり、ここで、該ア
ルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニルおよびヘテロアル
キニルのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は
、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、アジド、C1 ∼C4 アルキル、フルオロ
メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフル
オロメトキシおよびトリフルオロメトキシから選択される;
Aは、
【0017】
40
(19)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化24】
である;
Wは、NまたはCR
とき、Wは、CR
1 5
1 5
であるが、但し、Lが置換または非置換ピペラジニレンである
10
でなければならない;
Gは、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル
、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロア
リールであり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、
アルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまた
はヘテロアリールのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されてお
り、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、−NR
O2 R
2 4
、−SO2 NR
2 2
、−C(O)R
2 1
、−NR
R
2 1
2 1
C(O)R
SO2 R
2 4
NCN)NR
2 1
2 2
R
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
C(O)OR
、−NR
2 2
2 1
2 4
、−NR
、−C(O)NR
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
2 1
2 1
、−NR
2 1
2 1
R
4
、−OC(O)R
2 1
2 1
S(O)R
C(=NR
2 2
2 1
、−SR
2 1
C(O)NR
2 2
、−S(O)NR
2 1
S
2 1
R
、−OC(O)OR
)NR
2 2
R
2 3
、−S(O)R
R
2 1
2 3
、−NR
、−N
2 4
、−
2 1
C(
20
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル
、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼
C4 ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアリールおよびヘテロア
リールから選択される;
B
1
およびB
2
は、別個に、存在しないか、またはC1 ∼C4 アルキレン、C1 ∼C4
ヘテロアルキレン、C2 ∼C4 アルケニレン、C2 ∼C4 ヘテロアルケニレン、C2 ∼C
4
アルキニレン、C2 ∼C4 ヘテロアルキニレン、C3 ∼C6 シクロアルキレンおよびC
3
∼C6 ヘテロシクロアルキレンであり、ここで、該アルキレン、ヘテロアルキレン、ア
30
ルケニレン、ヘテロアルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキニレン、シクロアルキレ
ンまたはヘテロシクロアルキレンのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基
で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4
ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
2
およびOR
R
2 1
、R
2 1
から選択される;
2 2
およびR
2 3
2 1
R
2
は、別個に、水素、C1 ∼C6 アルキル、C2 ∼C6 アル
ケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C1 ∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニ
ル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C3 ∼C6 シクロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシクロ
アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル
40
である;
R
2 4
は、C1 ∼C6 アルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C1
∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C
3
∼C6 シクロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキ
ル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである;
またはR
2 1
、R
2 2
、R
2 3
またはR
2 4
のいずれか2個は、それらが結合する原子
と一緒になって、4員∼10員炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し
、ここで、該炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環いずれかは、必要に応じて
、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニト
ロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、アリー
50
(20)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ル、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルおよ
びヘテロシクリルアルキルから選択される;
R
1 3
およびR
1 4
は、別個に、水素、ヒドロキシル、シアノ、C1 ∼C6 アルキル、
C1 ∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2
∼C6 アルキニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C1 ∼C6 シクロアルキル、C1 ∼C
6
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリー
ルアルキル、−C(O)R
たは−SO2 R
2 4
2 1
、C(O)OR
2 1
、C(=NR
2 1
)NR
2 2
R
2 3
ま
であり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアル
キル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロアル
ケニル、ヘテロアルキニル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルのいずれか
10
は、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲ
2 1
SO2 R
2 1
R
2 2
、−C(O)R
、−OC(O)OR
2 1
、−NR
ン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、−NR
2 N
2 1
R
2 1
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
(O)OR
2 4
、−NR
2
、−C(O)NR
R
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
2 1
2 1
、−NR
2 1
2 1
、−OC(O)R
2 1
R
2 1
S(O)R
4
、−S(O)NR
2 1
2 1
)NR
、−SR
2 1
、−S(O)R
C(O)NR
2 2
C(=NR
2 2
R
2 3
2 2
R
2 3
、−NR
、−NR
2 1
2 4
、−SO
2 1
C(O)R
2 4
、−SO2 R
2 1
2 4
C(NCN)NR
C
2
、−N
2 2
R
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケ
ニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニ
ル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアリールおよびヘテロアリールから選択され
20
る;
またはR
1 3
およびR
1 4
は、それらが結合する原子と一緒になって、4員∼10員炭
素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該炭素環、アリール、
ヘテロアリールまたは複素環いずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換
されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、C1 ∼C4 アルキル
、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C
2
∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
2 1
R
2 2
およびOR
2 1
から
選択される;
またはR
1 3
とB
2
の原子とは、Nと一緒になって、4員∼10員炭素環、アリール、
ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該炭素環、アリール、ヘテロアリールま
30
たは複素環いずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基
は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテ
ロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニ
ル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
R
1 5
2 1
R
2 2
およびOR
2 1
から選択される;
は、水素、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケ
ニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニルまたはC2 ∼C4 ヘテロアル
キニルであり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、
アルキニルまたはヘテロアルキニルのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の
基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジ
ド、NR
2 1
またはR
R
1 3
2 2
およびOR
およびR
1 5
2 1
から選択される;
40
は、それらが結合する原子と一緒になって、3員∼10員炭
素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該炭素環、アリール、
ヘテロアリールまたは複素環いずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換
されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、C1 ∼C4 アルキル
、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C
2
∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
2 1
R
2 2
およびOR
2 1
から
選択される;
またはWがCR
1 5
であるとき、R
1 5
とB
1
またはB
2
の原子とは、Cと一緒になっ
て、3員∼10員炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該
炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環いずれかは、必要に応じて、1個または
50
(21)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
それ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、
C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘ
テロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
およびOR
2 1
2 1
R
2 2
から選択され、
ここで、この化合物は、その分割した鏡像異性体およびジアステレオマー、および薬学的
に受容可能なプロドラッグ、代謝物、塩および溶媒和物を含む。
【0018】
本発明はまた、式Iの化合物から選択される薬剤の有効量を含有する医薬組成物に関す
る。式Iの化合物を製造する方法もまた、記述されている。
【0019】
10
さらなる実施態様では、本発明は、式Iの化合物を使用してAKTプロテインキナーゼ
の活性を阻害する方法を提供する。
【0020】
さらなる実施態様では、本発明は、AKTプロテインキナーゼにより媒介される疾患ま
たは病気を処置する方法を提供する。例えば、本発明は、温血動物における過剰増殖障害
を処置する方法を提供し、該方法は、このような動物に、該過剰増殖障害を処置または予
防するのに有効な量で、1種またはそれ以上の式Iの化合物、それらの薬学的に受容可能
な塩またはインビボ開裂可能プロドラッグを投与する工程を包含する。
【0021】
さらなる実施態様では、本発明は、AKTプロテインキナーゼの産生を阻止する方法を
20
提供し、該方法は、AKTプロテインキナーゼの産生を阻止するのに有効な量で、温血動
物に、式Iの化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩またはインビボ開裂可能プロ
ドラッグの有効量を投与する工程を包含する。
【0022】
さらなる実施態様では、本発明は、AKTプロテインキナーゼ阻害効果を与える方法を
提供し、該方法は、温血動物に、式Iの化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩ま
たはインビボ開裂可能プロドラッグの有効量を投与する工程を包含する。
【0023】
さらなる実施態様では、本発明は、AKTプロテインキナーゼ媒介病を処置のまたは予
防する方法を提供し、該方法は、該AKTプロテインキナーゼ媒介病を処置のまたは予防
30
するのに有効な量で、哺乳動物に、式Iの化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩
またはインビボ開裂可能プロドラッグを投与する工程を包含する。本発明に方法に従って
治療できるAKTプロテインキナーゼ媒介病には、癌、炎症および種々の増殖疾患、循環
器病、神経変性疾患、婦人病および皮膚病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本発明に方法に従って治療できる過剰増殖病には、他の種類の過剰増殖疾患のうち、頭
部、頸部、肺、乳房、大腸、卵巣、膀胱、胃、食道、子宮または前立腺の癌が挙げられる
が、これらに限定されない。本発明の化合物および方法は、以下を含めた疾患および病気
を処置するのに使用できる:関節リウマチ、骨関節炎、子宮内膜症、アテローム性動脈硬
化症、静脈移植片狭窄、吻合周辺補綴移植片狭窄、前立腺過形成、慢性閉塞性肺疾患、乾
40
癬、組織修復が原因の神経損傷の阻止、瘢痕組織形成(および創傷治癒の補助)、多発性
硬化症、炎症性腸疾患、感染(特に、(アポトーシスの増加による)細菌感染、ウイルス
感染、レトロウイルス感染または寄生虫感染)、肺疾患、新生物、パーキンソン病、移植
片拒絶(免疫抑制としての)、黄斑変性症および敗血症性ショック。
【0025】
式Iの化合物は、有利なことに、他の公知の治療薬と併用され得る。
【0026】
本発明のさらに他の利点および新規な特徴は、一部には、以下の記述で述べられており
、また、一部には、以下の明細書を調べると当業者に明らかとなるか、本発明を実行する
ことにより、習得できる。本発明の利点は、添付の請求の範囲で特に指摘された器具、組
50
(22)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
み合わせ、組成物および方法によって、実現され達成され得る。
【0027】
(発明の詳細な説明)
式Iの本発明の化合物は、AKTプロテインキナーゼを阻害するのに有用である。式I
の化合物はまた、AKTに加えて、チロシンキナーゼだけでなく、セリンおよびスレオニ
ンキナーゼのインヒビターとして有用であり得る。このような化合物は、AKTプロテイ
ンキナーゼシグナル伝達経路およびチロシンおよびセリン/スレオニンキナーゼレセプタ
経路に阻害により治療できる疾患の治療薬として、有用性を有する。一般に、本発明は、
一般式Iを有する化合物を包含し:
【0028】
10
【化25】
ここで:
CRは、ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、必要に応じて、1個またはそれ
以上の基で置換されており、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド
、−NR
2 1
SO2 R
O)NR
2 1
R
2 2
OC(O)OR
2 1
2
R
2 3
、−NR
2 4
、−SO2 NR
、−C(O)R
、−NR
2 1
2 1
C(O)R
O)R
2 4
2 4
、−SO2 R
−NR
2 1
C(NCN)NR
2 1
2 2
R
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
C(O)OR
、−NR
2 2
2 1
2 4
、−NR
、−C(O)NR
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
2 1
2 1
、−NR
2 1
2 1
R
4
、−OC(O)R
2 1
2 1
S(O)R
、−S(
2 1
、−
2 1
)NR
、−SR
2 1
、−S(
C(O)NR
2 2
R
C(=NR
2 2
2 3
2
20
、
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C6
ヘテロアルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2 ∼C6 アル
キニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C3 ∼C6 シクロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシ
クロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアル
キルから選択され、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アル
キニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロ
アリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルのいずれかは、さらに、必要
に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル
、シアノ、ニトロ、アジド、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、
C1 ∼C6 アルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C1 ∼C6 ヘテロ
アルキル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C3 ∼C6 シク
ロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシクロアルキル、−SR
2
1
R
2 4
R
2 2
、−C(O)R
および−OR
2 1
2 1
、C(O)OR
から選択される;
Lは、以下から選択される:
【0029】
2 1
2 1
、−S(O)R
、−C(O)NR
2 1
R
2 4
2 2
、−SO
、−NR
2
30
(23)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化26】
10
20
R
5
1 2
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アジド、C1 ∼C
アルキル、C2 ∼C5 アルケニル、C2 ∼C5 アルキニル、C1 ∼C5 ヘテロアルキル
、C2 ∼C5 ヘテロアルケニルまたはC2 ∼C5 ヘテロアルキニルであり、ここで、該ア
ルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニルおよびヘテロアル
キニルのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は
、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、アジド、C1 ∼C4 アルキル、フルオロ
メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフル
オロメトキシおよびトリフルオロメトキシから選択される;
Aは、
【0030】
30
【化27】
である;
Wは、NまたはCR
とき、Wは、CR
1 5
1 5
であるが、但し、Lが置換または非置換ピペラジニレンである
40
でなければならない;
Gは、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル
、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロア
リールであり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、
アルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまた
はヘテロアリールのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されてお
り、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、−NR
O2 R
2 2
2 1
2 4
、−SO2 NR
、−C(O)R
、−NR
2 1
2 1
2 1
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
C(O)OR
2 4
2 1
、−NR
2 1
S(O)R
4
、−OC(O)R
2 1
C(=NR
2 1
、−S(O)NR
2 1
2 1
S
2 1
R
、−OC(O)OR
)NR
2 2
R
2 3
、−N
50
(24)
R
2 1
C(O)R
SO2 R
2 4
NCN)NR
2 2
、−NR
2 2
R
、−C(O)NR
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
2 1
、−NR
2 1
R
2 1
JP 2007-512364 A 2007.5.17
2 2
、−SR
2 1
C(O)NR
2 2
、−S(O)R
R
2 3
、−NR
2 4
、−
2 1
C(
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル
、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼
C4 ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアリールおよびヘテロア
リールから選択される;
B
1
およびB
2
は、別個に、存在しないか、またはC1 ∼C4 アルキレン、C1 ∼C4
ヘテロアルキレン、C2 ∼C4 アルケニレン、C2 ∼C4 ヘテロアルケニレン、C2 ∼C
4
アルキニレン、C2 ∼C4 ヘテロアルキニレン、C3 ∼C6 シクロアルキレンおよびC
3
∼C6 ヘテロシクロアルキレンであり、ここで、該アルキレン、ヘテロアルキレン、ア
10
ルケニレン、ヘテロアルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキニレン、シクロアルキレ
ンまたはヘテロシクロアルキレンのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基
で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4
ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
2
およびOR
R
2 1
、R
2 1
から選択される;
2 2
およびR
2 3
2 1
R
2
は、別個に、水素、C1 ∼C6 アルキル、C2 ∼C6 アル
ケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C1 ∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニ
ル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C3 ∼C6 シクロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシクロ
アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル
20
である;
R
2 4
は、C1 ∼C6 アルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C1
∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C
3
∼C6 シクロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキ
ル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである;
またはR
2 1
、R
2 2
、R
2 3
またはR
2 4
のいずれか2個は、それらが結合する原子
と一緒になって、4員∼10員炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し
、ここで、該炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環いずれかは、必要に応じて
、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニト
ロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、アリー
30
ル、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルおよ
びヘテロシクリルアルキルから選択される;
R
1 3
およびR
1 4
は、別個に、水素、ヒドロキシル、シアノ、C1 ∼C6 アルキル、
C1 ∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2
∼C6 アルキニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C1 ∼C6 シクロアルキル、C1 ∼C
6
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリー
ルアルキル、−C(O)R
たは−SO2 R
2 4
2 1
、C(O)OR
2 1
、C(=NR
2 1
)NR
2 2
R
2 3
ま
であり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアル
キル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロアル
ケニル、ヘテロアルキニル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルのいずれか
40
は、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲ
2 1
SO2 R
2 1
R
2 2
、−C(O)R
、−OC(O)OR
2 1
、−NR
ン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、−NR
2 N
2 1
R
2 1
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
(O)OR
2 4
、−NR
2
、−C(O)NR
R
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
2 1
2 1
、−NR
2 1
2 1
、−OC(O)R
2 1
R
2 1
S(O)R
4
、−S(O)NR
2 1
2 1
)NR
、−SR
2 1
、−S(O)R
C(O)NR
2 2
C(=NR
2 2
R
2 3
2 2
R
2 3
、−NR
、−NR
2 1
2 4
、−SO
2 1
C(O)R
2 4
、−SO2 R
2 1
2 4
C(NCN)NR
C
2
、−N
2 2
R
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケ
ニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニ
ル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアリールおよびヘテロアリールから選択され
50
(25)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
る;
またはR
1 3
およびR
1 4
は、それらが結合する原子と一緒になって、4員∼10員炭
素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該炭素環、アリール、
ヘテロアリールまたは複素環いずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換
されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、C1 ∼C4 アルキル
、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C
2
∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
2 1
R
2 2
およびOR
2 1
から
選択される;
またはR
1 3
とB
2
の原子とは、Nと一緒になって、4員∼10員炭素環、アリール、
ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該炭素環、アリール、ヘテロアリールま
10
たは複素環いずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基
は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテ
ロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニ
ル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
R
1 5
2 1
R
2 2
およびOR
2 1
から選択される;
は、水素、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケ
ニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニルまたはC2 ∼C4 ヘテロアル
キニルであり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、
アルキニルまたはヘテロアルキニルのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の
基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジ
ド、NR
2 1
またはR
R
1 3
2 2
およびOR
およびR
1 5
2 1
から選択される;
20
は、それらが結合する原子と一緒になって、3員∼10員炭
素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該炭素環、アリール、
ヘテロアリールまたは複素環いずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換
されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、C1 ∼C4 アルキル
、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C
2
∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
2 1
R
2 2
およびOR
2 1
から
選択される;
またはWがCR
1 5
であるとき、R
1 5
とB
1
またはB
2
の原子とは、Cと一緒になっ
て、3員∼10員炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該
炭素環、アリール、ヘテロアリールまたは複素環いずれかは、必要に応じて、1個または
それ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、
C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘ
テロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、NR
およびOR
2 1
2 1
R
2 2
から選択され、
ここで、該化合物は、その分割した鏡像異性体およびジアステレオマー、および薬学的に
受容可能なプロドラッグ、代謝物、塩および溶媒和物を含む。
【0031】
本発明の1実施態様では、CRは、以下から選択される:
【0032】
30
(26)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化28】
10
ここで、Xは、NまたはCR
Yは、CR
1
である;
2
またはNであるが、但し、XがNであるとき、Yは、CR
3
R
2
でなければな
らない;
Zは、CR
3 a
またはNR
2 a
であるが、但し、XがNであるとき、Zは、CR
3
20
でなければならない;
D
1
、D
3
、D
2
、D
またはD
4
3
およびD
4
は、別個に、CR
4
またはNであるが、但し、D
1
、D
2
の2個以下は、Nである;
【0033】
【化29】
は、任意の二重結合である;
D
5
は、CR
るとき、D
8
5
R
、CR
またはCR
Qは、CR
およびD
5
8
は、CR
してD
D
7
8
、NR
6
6
7
またはCR
R
7 a
6
R
6 a
7
は、CR
7
5
がOまたはSであ
またはNでなければならず、そし
でなければならないか、または(ii)D
7
は
でなければならないかのいずれかである;
30
5
、D
7
の1個は、Cでなければならないか、または(x)QがC=Oであるとき、D
5
またはNでなければならず、D
7
は、CR
7
またはNでなければならず、そ
は、Cでなければならないかのいずれかである;
は、CR
6
、OまたはSであるが、但し、D
、NまたはC=Oであるが、但し、(w)QがNであるとき、D
7
、N、OまたはSであるが、但し、D
は、Cでなければならず、D
、CR
2 a
は、Cでなければならず、D
て(i)Qは、CR
7
5 a
5
は、CR
5
7
がOまたはSであるとき、D
8
またはNでなければならず、そして(y)Qは
でなければならないか、または(z)D
5
は、CR
5
でなければならないかのい
ずれかである;
D
8
は、CまたはNであるが、但し、D
ければならず、そしてQは、CR
6
8
がNであるとき、D
またはCR
6
R
6 a
5
は、CR
5
R
5 a
でな
でなければならない;
40
KまたはMのいずれかは、カルボニルであるが、但し、KおよびMが両方共にカルボニ
ルになることはない;
R
1
、R
5
、R
5 a
およびR
8
は、別個に、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、
ニトロ、アジド、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、
フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、アミノメチル
、ジメチルアミノ、アミノエチル、ジエチルアミノまたはエトキシである;
R
4
2
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アミノ、アジド、C1 ∼C
アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアル
ケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、C1 ∼C6 シクロアルキ
ル、C1 ∼C6 ヘテロシクロアルキル、C1 ∼C6 アリールまたはC1 ∼C6 ヘテロアリ
50
(27)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ールであり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、ア
ルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたは
ヘテロアリールのいずれかは、さらに、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換さ
れており、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、フルオロメチル
、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメ
トキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、アミノメチル、ジメチルアミノ、アミノエチル
、ジエチルアミノおよびエトキシから選択される;
R
2 a
は、水素、ヒドロキシル、シアノ、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアル
キル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C
2
∼C6 ヘテロアルキニル、C3 ∼C6 シクロアルキル、C3 ∼C6 ヘテロシクロアルキ
10
ル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アル
ケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシ
クロアルキル、アリールまたはヘテロアリールのいずれかは、必要に応じて、1個または
それ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニ
トロ、アジド、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フ
ルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、アミノメチル、
ジメチルアミノ、アミノエチル、ジエチルアミノまたはエトキシから選択される;
R
3
およびR
3 a
は、別個に、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アミ
ノ、アジド、C1 ∼C6 アルキル、C1 ∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 アルケニル、
C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C
1
20
∼C6 シクロアルキル、C1 ∼C6 ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリ
ールであり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、ア
ルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたは
ヘテロアリールのいずれかは、さらに、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換さ
れており、該基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、OR
R
2
R
および(C=O)R
4
、R
6
、R
6 a
2
、R
1
、NR
1
から選択される;
7
、R
7 a
およびR
1 0
は、別個に、水素、ヒドロキシル、シ
アノ、アミノ、ニトロ、アジド、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケ
ニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリー
ル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−NR
2 1
SO2 R
2 4
2 1
R
2 2
、
、−OC(O)OR
2 1
、
、−SO2 NR
−C(O)R
−NR
2 1
C(O)R
R
2 4
)NR
2 1
2 2
R
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
C(O)OR
、−NR
2 2
2 1
2 4
、−NR
、−C(O)NR
2 1
2 3
R
2 2
2 1
2 1
、−NR
または−OR
2 1
2 1
、−OC(O)R
2 1
R
2 1
S(O)R
4
、−S(O)NR
2 1
2 1
)NR
、−SR
2 1
、−S(O)R
C(O)NR
2 2
C(=NR
2 2
R
2 3
2 2
R
2 3
、−NR
、−NR
30
2 1
2 4
、−SO2
2 1
C(NCN
であり、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アル
ケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシ
クロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアル
キルのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、
2 1
SO2
2 1
R
2 2
、−OC(O)OR
2 1
別個に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、−NR
R
2 4
、−SO2 NR
、−C(O)R
、−NR
1
2
C(O)R
R
2 4
N)NR
2
2 1
2 1
2 2
R
R
2 2
、−NR
、−C(O)OR
C(O)OR
、−NR
2 2
2 1
2 4
、−NR
、−C(O)NR
2 1
2 3
R
2 2
、−OR
2 1
2 1
、−NR
2 1
2 1
、−OC(O)R
2 1
R
2 1
S(O)R
4
C(=NR
2 2
2 1
、−S(O)NR
2 1
)NR
2 2
R
2 3
、−SR
2 1
、−S(O)R
C(O)NR
2 2
R
2 3
、−NR
、−NR
40
2
2 4
、−SO
2 1
C(NC
、C1 ∼C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C
∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロアルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4
ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリ
ールから選択され、ここで、該アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニ
ル、アルキニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール
50
(28)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
およびヘテロアリールは、さらに、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換され得
、該基は、別個に、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、アジド、C1 ∼
C4 アルキル、C1 ∼C4 ヘテロアルキル、C2 ∼C4 アルケニル、C2 ∼C4 ヘテロア
ルケニル、C2 ∼C4 アルキニル、C2 ∼C4 ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテ
ロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール、−NR
1
2 1
R
2 2
、および−OR
2
から選択される;
またはR
6
およびR
7
は、それらが結合する原子と一緒になって、4員∼10員炭素環
、アリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成し、ここで、該炭素環、アリール、ヘテ
ロアリールおよび複素環のいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換さ
れており、該基は、別個に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ジフルオ
ロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、OR
1
、NR
1
R
2
10
、シクロアルキル、ヘ
テロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールア
ルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリルアルキルから選択される;そして
R
9
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C1 ∼C6 アルキ
ル、C1 ∼C6 ヘテロアルキル、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 ヘテロアルケニル、
C2 ∼C6 アルキニル、C2 ∼C6 ヘテロアルキニル、C1 ∼C6 シクロアルキル、C1
∼C6 ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−NR
1
、−NR
2 1
SO2 R
2 4
および−NR
2 1
C(O)R
2 2
2 1
R
2 2
、−OR
2
であり、ここで、該アルキ
ル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールのいずれかは、
20
さらに、必要に応じて、1個またはそれ以上の基で置換されており、該基は、別個に、ハ
ロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、OR
R
2
1
、NR
1
R
2
および(C=O)
から選択される。
【0034】
本発明の1実施態様では、CRは、以下から選択される:
【0035】
【化30】
30
ここで、D
5
、D
7
、D
8
、XおよびQは、上で定義したとおりである。
【0036】
本発明の他の実施態様によれば、Aは、以下である:
【0037】
【化31】
40
ここで、B
1
およびB
2
は、別個に、存在しないか、またはC1 ∼C4 アルキレンであ
る;
R
2 1 a
∼R
2 1 c
は、別個に、H、ハロゲン、CH3 、CF3 、CH3 O、CN、N
O2 、NH2 、Ph、OHまたはOCH2 Phである;
R
2 2 a
、R
2 2 b
およびR
2 4
は、別個に、H、CH3 またはハロゲンである;
50
(29)
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R
2 3 a
は、Hである;そして
R
2 3 b
は、H、CH3 、CH2 NH2 、CH2 NHCH2 、CH2 CH2 NH2 、C
H2 CH2 NHCH2 、CH2 CH2 N(CH2 )2 、−(C=O)CH2 NH2 または
−(C=O)CH2 CH2 NH2 である;または
R
2 3 a
およびR
2 3 b
は、結合されて、5員または6員複素環を完成する。
【0038】
本発明のさらに他の実施態様では、Aは、以下である:
【0039】
【化32】
10
ここで、R
R
2 7
2 5
およびR
2 6
は、別個に、HまたはCH3 である;そして
は、1−ナフチル、2−ナフチル、3’−ベンジルチエニル、2’−チエニル、
2’−ピリジル、3’−ピリジル、4’−ピリジル、4’−チアゾリルまたは3,3−ジ
フェニルである、
20
本発明に従った式IのA基のさらに特定の例には、以下が挙げられるが、これらに限定
されない:
【0040】
【化33】
30
ここで、G、B
1
、R
1 3
およびR
1 4
は、上で定義したとおりである。
【0041】
代替実施態様では、本発明の式IのA基は、3文字の記号で一般に指定される20種の
天然に生じるアミノ酸から選択されたD−またはL−アミノ酸であり、これらにはまた、
4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒス
チジン、ノルバリン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、シルツリン(cirtullin
e)、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチンおよびメチオニンスルホンが挙げられる
が、これらに限定されない。好ましい1実施態様では、式IのA基は、アラニン、フェニ
ルアラニン、ヒスチジンまたはトリプトファンである。
【0042】
式Iに基づいた化合物の特定の例には、以下がある:
【0043】
40
(30)
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【化34】
10
式Iに基づいた化合物の他の例には、以下がある:
【0044】
【化35】
20
ここで、R
2 8
は、H、ハロゲン、CH3 、CF3 、CH3 O、CN、NO2 、NH2
、Ph、OHまたはOCH2 Phである。
【0045】
式Iに基づいた化合物のさらに他の例には、以下がある:
【0046】
【化36】
30
40
ここで、D
R
2 9
1 6
は、OまたはNである;そして
は、H、ハロゲン、CH3 、CF3 、CH3 O、CN、NO2 、NH2 、Ph、
OHまたはOCH2 Phである。
【0047】
本明細書中で使用する「アルキル」との用語は、1個∼12個の炭素原子の飽和直鎖ま
たは分枝鎖一価炭化水素ラジカルを意味し、ここで、アルキルにジカルは、必要に応じて
、別個に、1個またはそれ以上の下記置換基で置換され得る。アルキル基の例には、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二級ブチル、第三級
ブチル、ペンチル、イソペンチル、第三級ペンチル、ヘキシル、イソヘキシルなどが挙げ
50
(31)
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られるが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書中で使用する「アルキレン」との用語は、1個∼12個の炭素原子の直鎖また
は分枝鎖飽和二価炭化水素ラジカル(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メ
チルプロピレン、ペンチレンなど)を意味する。アルキレンラジカルは、必要に応じて、
別個に、本明細書中で記述した1個またはそれ以上の置換基で置換され得る。
【0049】
「ヘテロアルキル」との用語は、1個∼12個の炭素原子の飽和直鎖または分枝鎖一価
炭化水素ラジカルを意味し、ここで、これらの炭素原子の少なくとも1個は、N、Oまた
はSから選択されるヘテロ原子で置き換えられ、ここで、このラジカルは、炭素ラジカル
10
またはヘテロ原子ラジカルであり得る(すなわち、このヘテロ原子は、このラジカルの中
間または末端で現れ得る)。ヘテロアルキルラジカルは、必要に応じて、別個に、本明細
書中で記述した1個またはそれ以上の置換基で置換され得る。「ヘテロアルキル」との用
語は、アルコキシラジカルおよびヘテロアルコキシラジカルを包含する。
【0050】
本明細書中で使用する「ヘテロアルキレン」との用語は、2個∼12個の炭素原子の直
鎖または分枝鎖飽和二価炭化水素ラジカルを意味し、ここで、これらの炭素原子の少なく
とも1個は、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子で置き換えられ、ここで、このラ
ジカルは、炭素ラジカルまたはヘテロ原子ラジカルであり得る(すなわち、このヘテロ原
子は、このラジカルの中間または末端で現れ得る)。ヘテロアルキレンラジカルは、必要
20
に応じて、別個に、本明細書中で記述した1個またはそれ以上の置換基で置換され得る。
【0051】
「アルケニル」とは、少なくとも1個の二重結合を含む2個∼12個の炭素原子の直鎖
または分枝鎖一価炭化水素ラジカルを意味し、ここで、アルケニルラジカルは、必要に応
じて、別個に、1個またはそれ以上の下記置換基で置換され得る。アルケニル基の例には
、以下が挙げられるが、これらに限定されない:エチレンまたはビニル(−CH=CH2
)、アリル(−CH2 CH=CH2 )、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペン
タ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、5−ヘキセニル(−CH2 CH2 CH
2
CH2 CH=CH2 )、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニ
ル、および1−シクロヘキサ−3−エニル。
30
【0052】
「アルケニレン」とは、少なくとも1個の二重結合を含む1個∼12個の炭素原子の直
鎖または分枝鎖二価炭化水素ラジカル(例えば、1,2−エチレン(−CH=CH−))
を意味する。アルケニレンラジカルは、必要に応じて、別個に、本明細書中で記述した1
個またはそれ以上の置換基で置換され得る。
【0053】
「ヘテロアルケニル」との用語は、2個∼12個の炭素原子および少なくとも1個の二
重結合の直鎖または分枝鎖一価炭化水素ラジカルを意味し、ここで、これらの炭素原子の
少なくとも1個は、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子で置き換えられ、ここで、
このラジカルは、炭素ラジカルまたはヘテロ原子ラジカルであり得る(すなわち、このヘ
40
テロ原子は、このラジカルの中間または末端で現れ得る)。ヘテロアルケニルラジカルは
、必要に応じて、別個に、本明細書中で記述した1個またはそれ以上の置換基で置換され
得る。「ヘテロアルケニル」との用語は、アルケノキシラジカルおよびヘテロアルケノキ
シラジカルを包含する。
【0054】
「ヘテロアルケニレン」とは、少なくとも1個の二重結合を含む1個∼12個の炭素原
子の直鎖または分枝飽和二価炭化水素ラジカルを意味し、ここで、これらの炭素原子の少
なくとも1個は、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子で置き換えられ、ここで、こ
のラジカルは、炭素ラジカルまたはヘテロ原子ラジカルであり得る(すなわち、このヘテ
ロ原子は、このラジカルの中間または末端で現れ得る)。ヘテロアルケニレンは、必要に
50
(32)
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応じて、別個に、本明細書中で記述した1個またはそれ以上の置換基で置換され得る。
【0055】
「アリル」との用語は、式RC=CHCHRを有するラジカルを意味し、ここで、Rは
、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリー
ル、ヘテロアリール、または本明細書中で定義した任意の置換基であり、ここで、アリル
ラジカルは、必要に応じて、別個に、本明細書中で記述した1個またはそれ以上の置換基
で置換され得る。
【0056】
「アルキニル」との用語は、少なくとも1個の三重結合を含む2個∼12個の炭素原子
の直鎖または分枝鎖一価炭化水素ラジカルを意味し、ここで、アルキニルラジカルは、必
10
要に応じて、別個に、1個またはそれ以上の下記置換基で置換され得る。アルキニル基の
例には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アセチレン(−C≡CH)および
プロパルギル(−CH2 C≡CH)。
【0057】
「アルキニレン」との用語は、少なくとも1個の三重結合を含む1個∼12個の炭素原
子の直鎖または分枝鎖二価炭化水素ラジカルを意味し、ここで、アルキニレンラジカルは
、必要に応じて、別個に、本明細書中で記述した1個またはそれ以上の置換基で置換され
得る。典型的なアルキニレンラジカルには、以下が挙げられるが、これらに限定されない
:アセチレン(−C≡C−)、プロパルギル(−CH2 C≡C−)および4−ペンチニル
(−CH2 CH2 CH2 C≡CH−)。
20
【0058】
「ヘテロアルキニル」との用語は、少なくとも1個の三重結合を含む2個∼12個の炭
素原子の直鎖または分枝鎖一価炭化水素ラジカルを意味し、ここで、これらの炭素原子の
少なくとも1個は、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子で置き換えられ、ここで、
このラジカルは、炭素ラジカルまたはヘテロ原子ラジカルであり得る(すなわち、このヘ
テロ原子は、このラジカルの中間または末端で現れ得る)。ヘテロアルケニルラジカルは
、必要に応じて、別個に、本明細書中で記述した1個またはそれ以上の置換基で置換され
得る。「ヘテロアルキニル」との用語は、アルキノキシラジカルおよびヘテロアルキノキ
シラジカルを包含する。
【0059】
30
「ヘテロアルキニレン」との用語は、少なくとも1個の三重結合を含む2個∼12個の
炭素原子の直鎖または分枝飽和二価炭化水素ラジカルを意味し、ここで、これらの炭素原
子の少なくとも1個は、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子で置き換えられ、ここ
で、このラジカルは、炭素ラジカルまたはヘテロ原子ラジカルであり得る(すなわち、こ
のヘテロ原子は、このラジカルの中間または末端で現れ得る)。ヘテロアルキニレンは、
必要に応じて、別個に、本明細書中で記述した1個またはそれ以上の置換基で置換され得
る。
【0060】
「炭素環」、「カルボシクリル」または「シクロアルキル」との用語は、3個∼10個
の炭素原子を有する飽和または部分不飽和環状炭化水素ラジカルを意味する。「シクロア
40
ルキル」との用語は、単環式および多環式(例えば、二環式および三環式)シクロアルキ
ル構造を含み、ここで、多環式構造には、必要に応じて、飽和または部分不飽和シクロア
ルキルまたはヘテロシクロアルキル環またはアリールまたはヘテロアリール環に縮合され
た飽和または部分不飽和シクロアルキルが挙げられる。シクロアルキル基の例には、シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙
げられるが、これらに限定されない。シクロアルキルは、必要に応じて、別個に、1個ま
たはそれ以上の置換可能位置にて、種々の基で置換され得る。例えば、このようなシクロ
アルキル基は、必要に応じて、例えば、C1 ∼C6 アルキル、C1 ∼C6 アルコキシ、ハ
ロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ(C1 ∼C6 )アルキルアミノ、ジ
(C1 ∼C6 )アルキルアミノ、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C1 ∼
50
(33)
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C6 ハロアルキル、C1 ∼C6 ハロアルコキシ、アミノ(C1 ∼C6 )アルキル、モノ(
C1 ∼C6 )アルキルアミノ(C1 ∼C6 )アルキルまたはジ(C1 ∼C6 )アルキルア
ミノ(C1 ∼C6 )アルキルで置換され得る。
【0061】
「ヘテロシクロアルキル」、「複素環」または「ヘテロシクリル」とは、3個∼8個の
環原子の飽和または部分不飽和炭素環ラジカルを意味し、ここで、少なくとも1個の環原
子は、窒素、酸素およびイオウから選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は、Cで
あり、この場合、1個またはそれ以上の環原子は、必要に応じて、別個に、1個またはそ
れ以上の下記置換基で置換され得る。このラジカルは、炭素ラジカルまたはヘテロラジカ
ルであり得る。この用語は、さらに、二環式および三環式縮合環系を含み、これらは、1
10
個またはそれ以上の炭素環または複素環に縮合された複素環を含む。「ヘテロシクロアル
キル」はまた、複素環ラジカルが芳香環またはヘテロ芳香環に縮合されたラジカルを含む
。ヘテロシクロアルキル環の例には、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフ
ラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒド
ロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニ
ル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、
オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3
,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H
−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、
ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、
20
ピラゾリジニルイミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘ
キサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘ
キサニル、3H−インドリルおよびキノリジニルが挙げられるが、これらに限定されない
。スピロ部分もまた、本定義の範囲内に含まれる。上で列挙した基から誘導された前述の
基は、可能な場合、C−結合またはN−結合され得る。例えば、ピロールから誘導された
基は、ピロール−1−イル(N−結合)またはピロール−3−イル(C−結合)であり得
る。さらに、イミダゾールから誘導された基は、イミダゾール−1−イル(N−結合)ま
たはイミダゾール−3−イル(C−結合)であり得る。2個の環炭素原子がオキソ(=O
)部分で置換された複素環基の一例には、1,1−ジオキソ−チオモルホリニルがある。
これらの複素環基は、非置換であるか、または指定したように、1個またはそれ以上の置
30
換可能位置にて、種々の基で置換されている。例えば、このような複素環基は、必要に応
じて、例えば、C1 ∼C6 アルキル、C1 ∼C6 アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シ
アノ、ニトロ、アミノ、モノ(C1 ∼C6 )アルキルアミノ、ジ(C1 ∼C6 )アルキル
アミノ、C2 ∼C6 アルケニル、C2 ∼C6 アルキニル、C1 ∼C6 ハロアルキル、C1
∼C6 ハロアルコキシ、アミノ(C1 ∼C6 )アルキル、モノ(C1 ∼C6 )アルキルア
ミノ(C1 ∼C6 )アルキルまたはジ(C1 ∼C6 )アルキルアミノ(C1 ∼C6 )アル
キルで置換され得る。
【0062】
「ヘテロシクロアルキレン」との用語は、3個∼8個の環原子の飽和または部分不飽和
二価炭素環ラジカルを意味し、ここで、少なくとも1個の環原子は、窒素、酸素およびイ
40
オウから選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は、Cであり、この場合、1個また
はそれ以上の環原子は、必要に応じて、別個に、1個またはそれ以上の下記置換基で置換
され得る。例には、置換または非置換ピペリジニレンが挙げられるが、これに限定されな
い。
【0063】
「アリール」との用語は、単一環(例えば、フェニル)、複数環(例えば、ビフェニル
)または複数縮合環を有する一価芳香族炭素環ラジカルを意味し、ここで、少なくとも1
個は、芳香族であり(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、ナフチル)、こ
れは、必要に応じて、例えば、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロ
メチル、アリール、ヘテロアリールおよびヒドロキシで一置換、二置換または三置換され
50
(34)
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ている。
【0064】
「ヘテロアリール」との用語は、5員環、6員環または7員環の一価芳香族ラジカルを
意味し、これは、窒素、酸素またはイオウから選択される少なくとも1個で4個までのヘ
テロ原子を含有する5個∼10個の原子の縮合環系(その少なくとも1個は、芳香族であ
る)を含む。ヘテロアリール基の例には、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピ
ラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリ
ル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニ
ル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、
インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリ
10
ジニル、プリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チアジアゾリル
、フラザニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾ
リル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニルおよびフロピリジニルがある。ス
ピロ部分もまた、本定義の範囲内に含まれる。ヘテロアリール基は、必要に応じて、例え
ば、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリー
ルおよびヒドロキシで一置換、二置換または三置換されている。
【0065】
「ハロ」との用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。同様に、「
ハロゲン」との用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素置換基を意味する。
【0066】
20
「アリールアルキル」との用語は、1個またはそれ以上のアリール部分(これもまた、
上で定義した)で置換されたアルキル部分(これは、上で定義した)を意味する。さらに
好ましいアリールアルキルラジカルには、アリール−C1
∼ 3
−アルキルがある。例には
、ベンジル、フェニルエチルなどが挙げられる。
【0067】
「ヘテロアリールアルキル」との用語は、ヘテロアリール部分(これもまた、上で定義
した)で置換されたアルキル部分(これは、上で定義した)を意味する。さらに好ましい
ヘテロアリールアルキルラジカルには、5員または6員ヘテロアリール−C1
∼ 3
−アル
キルがある。例には、オキサゾリルメチル、ピリジルエチルなどが挙げられるが、これら
に限定されない。
30
【0068】
「ヘテロシクリルアルキル」との用語は、ヘテロシクリル部分(これもまた、上で定義
した)で置換されたアルキル部分(これは、上で定義した)を意味する。さらに好ましい
ヘテロシクリルアルキルラジカルには、5員または6員ヘテロシクリル−C1
∼ 3
−アル
キルがある。例には、テトラヒドロピラニルメチルが挙げられるが、これに限定されない
。
【0069】
「シクロアルキルアルキル」との用語は、シクロアルキル部分(これもまた、上で定義
した)で置換されたアルキル部分(これは、上で定義した)を意味する。さらに好ましい
ヘテロシクリルラジカルには、5員または6員シクロアルキル−C1
∼ 3
−アルキルがあ
40
る。例には、シクロプロピルメチルが挙げられるが、これに限定されない。
【0070】
「Me」とは、メチルを意味し、「Et」とは、エチルを意味し、「Bu」とは、ブチ
ルを意味し、そして「Ac」とは、アセチルを意味する。
【0071】
一般に、式Iの化合物の官能基の種々の部分は、必要に応じて、1個またはそれ以上の
置換基で置換され得る。本発明の目的のために適当な置換基の例には、ハロ、アルキル、
アリル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリル、ヘテロアルケニル、
ヘテロアルキニル、アルコキシ、ヘテロアルコキシ、Gn −シクロアルキル、Gn −ヘテ
ロシクロアルキル、Gn −OR、Gn −NO2 、Gn −CN、Gn −CO2 R、Gn −(
50
(35)
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C=O)R、Gn −O(C=O)R、Gn −O−アルキル、Gn −OAr、Gn −SH、
Gn −SR、Gn −SOR、Gn SO2 R、Gn −S−Ar、Gn −SOAr、Gn −O
2
Ar、アリール、ヘテロアリール、Gn −Ar、Gn −(C=O)NR
NR
2
2
R
3
、Gn −NR(C=O)R、Gn −SO2 NR
2
R
3
2
R
3
、Gn −
、PO3 H2 、SO3 H
が挙げられるが、これらに限定されず、ここで、Gは、アルキレン(これは、1個∼4
個の炭素を有する)、またはアルケニレンまたはアルキニレン(各々は、2個∼4個の炭
素を有する)である;nは、0または1である;R
1
、R
2
およびR
3
は、アルキル、ア
リル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリル、ヘテロアルケニル、ヘ
テロアルキニル、アルコキシ、ヘテロアルコキシ、Gn −シクロアルキルまたはGn −ヘ
テロシクロアルキルである;そしてArは、アリールまたはヘテロアリールであり、ここ
10
で、該アルキル、アリル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリル、ヘ
テロアルケニル、ヘテロアルキニル、アルコキシ、ヘテロアルコキシ、Gn −シクロアル
キル、Gn −ヘテロシクロアルキル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、Ar、
R
1
、R
2
およびR
3
は、さらに置換され得るか、または非置換であり得る。
【0072】
構造に結合された置換基を定義するために2個またはそれ以上のラジカルが連続して使
用される場合、最初に命名されたラジカルは、末端にあると見なされ、そして最後に命名
されたラジカルは、当該構造に結合されていると見なされることが理解できるはずである
。それゆえ、例えば、アリールアルキルラジカルは、そのアルキル基により当該構造に結
合される。
20
【0073】
本発明の化合物は、1個またはそれ以上の非対称中心を有し得る;従って、このような
化合物は、個々の(R)−または(S)−立体異性体として、またはそれらの混合物とし
て、生成できる。特に明記しない限り、本明細書および請求の範囲における特定の化合物
の記載または命名は、個々の鏡像異性体と、それらの混合物、ラセミ体などとの両方を含
むと解釈される。従って、本発明はまた、式Iのラセミ化合物および分割した鏡像異性体
およびジアステレオマー化合物を包含する。原子の空間的配置を決定し立体異性体を分離
する方法は、当該技術分野で周知である(「Advanced Organic Che
mistry」、4th edition J.March,John Wiley a
nd Sons,New York,1992のChapter 4にある論述を参照の
30
こと)。
【0074】
式Iの化合物に加えて、本発明はまた、このような化合物の溶媒和物、薬学的に活性な
代謝物、薬学的に受容可能なプロドラッグおよび薬学的に受容可能な塩を包含する。
【0075】
「溶媒和物」との用語は、1個またはそれ以上の溶媒分子との分子の凝集体を意味する
。
【0076】
「薬学的に活性な代謝物」とは、特定の化合物またはそれらの塩の体内での代謝を介し
て生成された薬理学的に活性な産物である。化合物の代謝物は、当該技術分野で公知の通
40
常の技術を使用して確認され得、それらの活性は、本明細書中で記述したような試験を使
用して、決定され得る。
【0077】
官能基(これには、アミノ基、アミド基、ヒドロキシ基またはカルボン酸基が挙げられ
るが、これらに限定されない)を有する本発明の化合物は、薬学的に受容可能なプロドラ
ッグに変換できる。「薬学的に受容可能なプロドラッグ」とは、生理学的な条件下にてま
たは加溶媒分解により特定の化合物またはこのような化合物の薬学的に受容可能な塩に変
換され得る化合物である。プロドラッグには、アミノ酸残基、または2個またはそれ以上
(例えば、2個、3個または4個)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が、アミド結合また
はエステル結合を介して、本発明の化合物の遊離アミノ基、ヒドロキシ基またはカルボン
50
(36)
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酸基に共有結合された化合物が挙げられる。これらのアミノ酸残基には、3文字の記号で
一般に指定される20種の天然に生じるアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されず、
これにはまた、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン、イソデモシン、
3−メチルヒスチジン、ノルバリン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、シルツリン、ホモ
システイン、ホモセリン、オルニチンおよびメチオニンスルホンが挙げられる。本発明の
1つの好ましいプロドラッグは、ホスフェート残基に共有結合された式Iの化合物である
。本発明の他の好ましいプロドラッグは、バリン残基に共有結合された式Iの化合物であ
る。
【0078】
別の種類のプロドラッグもまた、包含される。例えば、遊離カルボキシル基は、アミド
10
またはアルキルエステルとして、誘導体化できる。他の例として、Advanced D
elivery Reviews,1996,19,115で概説されているように、遊
離ヒドロキシ基を含む本発明の化合物は、含まれるヒドロキシ基を、リン酸エステル、ヘ
ミスクシネート、ジメチルアミノアセテートまたはホスホリルオキシメチルカルボニルに
変換することにより、プロドラッグとして誘導体化できる。ヒドロキシ基およびアミノ基
のカーバメートプロドラッグもまた、ヒドロキシ基のカーボネートプロドラッグ、スルホ
ン酸エステルおよび硫酸エステルと同様に、含まれる。(アシルオキシ)メチルおよび(
アシルオキシ)エチルエーテルとしてのヒドロキシ基の誘導体化もまた、包含され、ここ
で、そのアシル基は、アルキルエステルであり得、必要に応じて、エーテル、アミンおよ
びカルボン酸官能基を含めた基(これらに限定されない)で置換され、この場合、このア
20
シル基は、上記アミノ酸エステルである。この種のプロドラッグは、J.Med.Che
m.,1996,39,10で記載されている。さらに具体的な例には、以下のような基
でのアルコール基の水素原子の置換が挙げられる:(C1 ∼C6 )アルカノイルオキシメ
チル、1−((C1 ∼C6 )アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C1 ∼
C6 )アルカノイルオキシ)エチル、(C1 ∼C6 )アルコキシカルボニルオキシメチル
、N−(C1 ∼C6 )アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C1 ∼C6
)アルカノイル、α−アミノ(C1 ∼C4 )アルカノイル、アリールアシルおよびα−ア
ミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシル(ここで、各α−アミノアシル
基は、別個に、天然に存在するL−アミノ酸から選択される)、P(O)(OH)2 、−
P(O)(O(C1 ∼C6 )アルキル)2 またはグリコシル(ヘミアセタール形状の炭水
30
化物のヒドロキシル基を除去することから得られるラジカル)。
【0079】
遊離アミンもまた、アミド、スルホンアミドまたはホスホンアミドとして、誘導体化で
きる。これらのプロドラッグ部分の全ては、以下を含めた基(これらに限定されない)を
取り込み得る:エーテル、アミンおよびカルボン酸官能基。例えば、プロドラッグは、こ
のアミン基内の水素原子を以下のような基で置換することにより、形成できる:R−カル
ボニル、RO−カルボニル、NRR’−カルボニルであって、ここで、RおよびR’は、
それぞれ別個に、(C1 ∼C1
0
)アルキル、(C3 ∼C7 )シクロアルキル、ベンジル
であるか、またはR−カルボニルは、天然α−アミノアシルまたは天然α−アミノアシル
−天然α−アミノアシルである)、−C(OH)C(O)OY(ここで、Yは、H、(C
1
40
∼C6 )アルキルまたはベンジルである)、−C(OY0 )Y1 (ここで、Y0 は、(
C1 ∼C4 )アルキルであり、そしてY1 は、(C1 ∼C6 )アルキル、カルボキシ(C
1
∼C6 )アルキル、アミノ(C1 ∼C4 )アルキルまたはモノ−N−またはジ−N,N
−(C1 ∼C6 )アルキルアミノアルキルである)、−C(Y2 )Y3 (ここで、Y2 は
、Hまたはメチルであり、そしてY3 は、モノ−N−またはジ−N,N−(C1 ∼C6 )
アルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イルである
)。
【0080】
「薬学的に受容可能な塩」とは、特定の化合物の遊離酸および遊離塩基の生物学的有効
性を保持して生物学的またはそれ以外で有害ではない塩である。本発明の化合物は、十分
50
(37)
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に酸性の官能基、十分に塩基性の官能基、または両方の官能基を有し得、従って、多数の
無機または有機塩基、および無機および有機酸のいずれかと反応して、薬学的に受容可能
な塩を形成し得る。薬学的に受容可能な塩の例には、本発明の化合物と鉱酸または有機酸
または無機塩基との反応により調製されたものが挙げられ、このような塩には、硫酸塩、
ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水
素塩、ピロリン酸、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、
カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロ
ピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマ
ル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、
安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安
10
息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フ
ェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒ
ドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸
、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩およびマンデル酸塩が
挙げられる。
【0081】
もし、本発明の化合物が塩基であるなら、所望の薬学的に受容可能な塩は、当該技術分
野で利用可能な任意の適当な方法(例えば、遊離塩基を以下で処理すること)により、調
製され得る:無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)または有機
酸(例えば、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン
20
酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(例えば、グルクロン酸また
はガラクツロン酸)、アルファヒドロキシ酸(例えば、クエン酸または酒石酸)、アミノ
酸(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)、芳香族酸(例えば、安息香酸または
ケイ皮酸)、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸またはエタンスルホン酸)な
ど。
【0082】
もし、本発明の化合物が酸であるなら、所望の薬学的に受容可能な塩は、当該技術分野
で利用可能な任意の適当な方法(例えば、遊離酸を以下で処理すること)により、調製さ
れ得る:無機または有機塩基(例えば、アミン(第一級、第二級または第三級))、アル
カリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物など。適当な塩基の例証的な例には、
30
アミノ酸(例えば、グリシンおよびアルギニン)、アンモニア、第一級、第二級および第
三級アミン、および環状アミン(例えば、ピペリジン、モルフォリンおよびピペラジン)
から誘導された有機塩;およびナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マン
ガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムから誘導された無機塩が挙げられるが
、これらに限定されない。
【0083】
本発明の化合物は、容易に利用可能な出発物質を使う当該技術分野で利用可能な技術を
使用して、本明細書中で記述した反応経路および合成スキームを使用して、調製され得る
。
【0084】
40
(本発明の治療局面)
本発明はまた、哺乳動物における過剰増殖疾患の処置のための薬学的組成物を提供し、
この方法は、治療有効量の本発明の化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩、プロドラ
ッグ、代謝物または水和物と、薬学的に受容可能なキャリアとを含む。1つの実施形態に
おいて、上記薬学的組成物は、癌(例えば、皮膚癌、脳腫瘍、肺癌、扁平細胞癌、膀胱癌
、胃癌、膵臓癌、乳癌、頭部癌、頚部癌、腎癌、卵巣癌、前立腺癌、結腸直腸癌、食道癌
、睾丸癌、婦人科癌、心臓癌、肝臓癌、骨肉腫、髄膜癌、脊髄癌、血液癌、皮膚癌、副腎
癌または甲状腺癌)の処置用である。別の実施形態において、上記薬学的組成物は、非癌
性の過剰増殖疾患(例えば、皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)、再狭窄の良性過形成ま
たは前立腺の良性過形成(例えば、良性前立腺肥大症))の処置用である。
50
(38)
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【0085】
本発明はまた、哺乳動物における過剰増殖疾患の処置のための方法に関し、この方法は
、その哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩、プ
ロドラッグ、代謝物または水和物を、有糸分裂のインヒビター、アルキル化因子、代謝拮
抗物質、挿入抗生物質、成長因子インヒビター、細胞周期インヒビター、酵素インヒビタ
ー、トポイソメラーゼインヒビター、生物反応修飾物質、抗ホルモン物質、新脈管形成イ
ンヒビターおよび抗アンドロゲン物質からなる群より選択される抗腫瘍因子と組み合わせ
て投与する工程を包含する。
【0086】
本発明はまた、哺乳動物における膵疾患または腎疾患を処置する方法に関し、この方法
10
は、その哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩、
プロドラッグ、代謝物または水和物を投与する工程を包含する。
【0087】
本発明はまた、哺乳動物における未分化胚芽細胞移植を予防する方法に関し、この方法
は、その哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩、
プロドラッグ、代謝物または水和物を投与する工程を包含する。
【0088】
本発明はまた、哺乳動物おける脈管形成または新脈管形成に関する疾患を処置する方法
に関し、この方法はその哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物あるいはその薬学的に
受容可能な塩、プロドラッグ、代謝物または水和物を投与する工程を包含する。1つの実
20
施形態において、上記方法は、腫瘍新脈管形成、慢性炎症性疾患(関節リウマチ)、アテ
ローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患、皮膚疾患(例えば、乾癬、湿疹(excema)お
よび強皮症)、糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性症、血管腫、黒
色腫、カポジ肉腫および卵巣癌、乳癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌,結腸癌および類表皮癌
からなる群より選択される疾患を処置するためのものである。
【0089】
本発明はまた、哺乳動物における炎症性疾患、自己免疫疾患、破壊性骨障害、増殖性障
害、感染症、ウイルス疾患、線維性疾患または神経変性疾患に関連する疾患または状態を
処置するための薬学的組成物に関し、この組成物は、治療有効量の本発明の化合物あるい
はその薬学的に受容可能な塩、プロドラッグ、代謝物または水和物と、薬学的に受容可能
30
なキャリアとを含む。上記の疾患および/または状態の例としては、関節リウマチ、アテ
ローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患、皮膚疾患(例えば、乾癬、湿疹および強皮症)、糖
尿病および糖尿病性合併症、糖尿病性網膜症、未熟児の網膜症、加齢性黄斑変性症、血管
腫、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、アレルギー反応(喘息アレルギー性鼻炎および
アトピー性皮膚炎が挙げられる)、腎疾患および腎不全、多発性嚢胞腎、急性冠不全症候
群、鬱血性心不全、変形性関節症、神経線維腫症、臓器移植拒絶、悪液質ならびに疼痛が
挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
そのような障害に罹患する温血動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおけ
る上記の疾患および状態の処置における医薬として使用するための、式Iの化合物がさら
40
に提供される。そのような障害に罹患する温血動物、好ましくは哺乳動物、より好ましく
はヒトにおける上記の疾患および状態の処置のための医薬の調製における、式Iの化合物
の使用もまた、提供される。
【0091】
本発明の方法に従って、本発明の化合物あるいはその化合物の薬学的に受容可能な塩、
プロドラッグ、代謝物または水和物を用いて処置され得る患者としては、例えば、乾癬、
再狭窄、アテローム性動脈硬化症、BPH、肺癌、骨肉腫、CMML、膵臓癌、皮膚癌、
頭部および頚部の癌、皮膚黒色腫もしくは眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部
の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、睾丸癌、婦人科腫瘍(例えば、子宮肉腫、ファローピウス管
の癌、子宮内膜の癌、子宮頸部の癌、膣の癌または陰門の癌)、ホジキン病、食道の癌、
50
(39)
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小腸の癌、内分泌系の癌(甲状腺、副甲状腺または副腎の癌)、軟部組織の肉腫、尿道の
癌、陰茎の癌、前立腺癌、慢性もしくは急性白血病、小児の固形腫瘍、リンパ球性リンパ
腫、膀胱の癌、腎臓または尿管の癌(例えば、腎細胞癌、腎盂の癌)、あるいは中枢神経
系の新生物(例えば、原発性CNSリンパ腫、脊髄の軸の腫瘍、脳幹膠腫または下垂体腺
腫)を有すると診断された患者が挙げられる。
【0092】
本発明はまた、哺乳動物における異常な細胞増殖を阻害するための薬学的組成物に関し
、この組成物は、一定量の本発明の化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩または溶媒
和物またはプロドラッグを、一定量の化学療法薬と組み合わせて含み、ここで、その化合
物、塩、溶媒和物またはプロドラッグの量および化学療法薬の量は、ともに、異常な細胞
10
増殖を阻害するのに有効である。多くの化学療法薬が現在当該分野で公知である。1つの
実施形態において、化学療法薬は、有糸分裂のインヒビター、アルキル化因子、代謝拮抗
薬、抗腫瘍抗生物質、成長因子インヒビター、細胞周期インヒビター、酵素トポイソメラ
ーゼインヒビター、生物学的応答修飾物質、抗ホルモン物質、新脈管形成インヒビターお
よび抗アンドロゲン物質からなる群より選択される。
【0093】
本発明はさらに、哺乳動物における異常な細胞増殖を阻害するか、または過剰増殖疾患
を処置するための方法に関し、この方法は、その哺乳動物に一定量の本発明の化合物ある
いはその薬学的に受容可能な塩または溶媒和物またはプロドラッグを、放射線療法と組み
合わせて投与する工程を包含し、ここで、その化合物、塩、溶媒和物またはプロドラッグ
20
の量は、哺乳動物において異常な細胞増殖を阻害するかまたは過剰増殖障害を処置するの
に有効な放射線療法と組み合わせられる。放射線療法を行うための技術は、当該分野で公
知であり、これらの技術は本明細書中に記載される治療と組み合わせて使用され得る。こ
の併用療法における本発明の化合物の投与は、本明細書中に記載されるように決定され得
る。
【0094】
本発明の化合物は、異常な細胞を、そのような細胞を死滅させ、そして/またはそのよ
うな細胞の増殖を阻害するために放射線を用いる処置に対して感受性にさせ得ると考えら
れる。従って、本発明はさらに、放射線を用いる処置のために哺乳動物における異常な細
胞を感作するための方法に関し、この方法は、その哺乳動物に、一定量の本発明の化合物
30
あるいはその薬学的に受容可能な塩または溶媒和物またはプロドラッグを投与する工程を
包含し、その量は放射線を用いる処置に対して異常な細胞を感作するのに有効である。こ
の方法におけるその化合物、塩または溶媒和物の量は、本明細書中に記載されるそのよう
な化合物の有効量を確認するための手段に従って決定され得る。
【0095】
本発明の化合物および方法はまた、他の疾患および状態(例えば、炎症性疾患)を処置
するために使用され得、この他の疾患および状態としては、関節リウマチ、骨関節炎、子
宮内膜症、アテローム性動脈硬化症、静脈移植狭窄、吻合周囲人工移植狭窄(peri−
anastomatic prosthetic graft stenosis)、前
立腺肥大、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、組織修復、瘢痕組織形成に起因する(そして創傷治
40
癒に役立ち得る)神経障害の阻害、、多発性硬化症、炎症性腸疾患、感染(特に、(アポ
トーシスが増加することによる)細菌感染、ウイルス感染、レトロウイルス感染または寄
生虫感染)、肺疾患、新生物、パーキンソン病、移植拒絶(免疫抑制薬として)、黄斑変
性症および敗血症性ショックが挙げられる。
【0096】
本発明の化合物の治療有効量は、AKTプロテインキナーゼ、チロシンキナーゼ、付加
的セリン/スレオニンキナーゼおよび/または二重特異性キナーゼの変調(modula
te)または調整(regulate)によって媒介される疾患を処置するために使用さ
れ得る。「有効量」は、そのような処置を必要とする哺乳動物に投与される場合に、1以
上のAKTプロテインキナーゼ、チロシンキナーゼ、付加的セリン/スレオニンキナーゼ
50
(40)
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および/または二重特異性キナーゼの活性によって媒介される疾患に処置を行うのに十分
である、化合物の量を意味することが意図される。したがって、例えば、式Iの化合物あ
るいはその塩、活性な代謝物またはプロドラッグの治療有効量は、1以上のAKTプロテ
インキナーゼ、チロシンキナーゼ、付加的セリン/スレオニンキナーゼおよび/または二
重特異性キナーゼの活性を変調、調節または阻害するのに十分な量であり、その結果、そ
の活性によって媒介される疾患状態が軽減または緩和される。
【0097】
用語「異常な細胞増殖」および「過剰増殖疾患」は、本出願において交換可能に使用さ
れる。
【0098】
10
「異常な細胞増殖」は、本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、正常な調
節機構に非依存性である細胞増殖をいう(例えば、接触阻止の喪失)。この用語は、例え
ば、(1)変異型チロシンキナーゼの発現またはレセプターチロシンキナーゼの過剰発現
によって増殖する腫瘍細胞(腫瘍);(2)異常なチロシンキナーゼの活性化が起こる他
の増殖性疾患の良性細胞および悪性細胞;(3)レセプターチロシンキナーゼによって増
殖する任意の腫瘍;(4)異常なセリン/スレオニンキナーゼの活性化によって増殖する
任意の腫瘍;ならびに(5)異常なセリン/スレオニンキナーゼの活性化が起こる他の増
殖性疾患の良性細胞および悪性細胞、に関する異常な増殖を包含する。
【0099】
そのような量に対応する所定の因子の量は、因子(特定の化合物、疾患状態およびその
20
重篤度、処置を必要とする哺乳動物の個性(例えば、体重))に依存して変化するが、そ
れでもなお、当業者によって日常的に決定され得る。「処置する」は、少なくとも部分的
に、1以上のAKTプロテインキナーゼ、チロシンキナーゼ、付加的セリン/スレオニン
キナーゼおよび/または二重特異性キナーゼの活性によって影響を受ける哺乳動物(例え
ば、ヒト)における疾患状態に関する少なくとも軽減を意味することが意図され、そして
「処置する」としては、特に哺乳動物が疾患状態を有する傾向があると見出されているが
まだその疾患状態を有すると診断されていない場合に、その疾患状態がその哺乳動物で起
きることを予防すること;その疾患状態を変調および/または阻害すること;ならびに/
あるいはその疾患状態を緩和することが挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
30
哺乳動物(ヒトを含む)の治療的処置(予防的処置を含む)について、式Iの化合物あ
るいはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、代謝物またはプロドラッグを使用するため
に、式Iの化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、代謝物またはプロドラ
ッグは、通常は、薬学的組成物としての標準的な薬務に従って処方される。本発明のこの
局面に従って、式Iの化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、代謝物また
はプロドラッグを含む薬学的組成物が、本明細書中で上に規定されるように薬学的に受容
可能な希釈剤またはキャリアと組み合わせて提供される。
【0101】
本発明に従って薬学的組成物を調製するために、治療有効量または予防有効量の式Iの
化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、代謝物またはプロドラッグ(単独
40
で、または本明細書中に開示されるようなさらなる治療因子とともに)が、好ましくは、
薬学的に受容可能なキャリアとともに、1用量を生成するための従来の薬学的配合技術に
従って、十分に混合される。キャリアは、投与(例えば、経口または非経口)に対して望
ましい調製物の形態に依存して広範な形態を取り得る。適切なキャリアの例としては、任
意およびすべての溶媒、分散媒、アジュバント、コーティング、抗菌物質および抗真菌物
質、等張性因子および吸収遅延因子、甘味料、(長期保存を促進するための)安定剤、乳
化剤、結合剤、増粘剤、塩、防腐剤、溶媒、分散媒、アジュバント、コーティング、抗菌
物質および抗真菌物質、等張性因子および吸収遅延因子、矯味矯臭因子、ならびに特定の
治療用組成物を調製するために必要とされ得る雑物質(例えば、緩衝液および吸収剤)が
挙げられる。薬学的に活性な物質を含む媒体および因子の使用は、当該分野で周知である
50
(41)
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。いずれの従来の媒体も因子も式Iの化合物と混合不可能である場合を除いて、治療用組
成物および調製物中でのその使用が企図される。補助的な活性成分もまた、本明細書に記
載されるように組成物および調製物に組み込まれ得る。
【0102】
本発明の組成物は、経口的用途に適切な形態(例えば、錠剤、ロゼンジ、硬質かカプセ
ルもしくは軟質カプセル、水性懸濁液もしくは油性懸濁液、乳濁液、分散性粉末もしくは
顆粒、シロップもしくはエリキシル)、局所的用途に適切な形態(例えば、クリーム、軟
膏、ゲル、または水性溶液もしくは油性溶液または水性懸濁液もしくは油性懸濁液)、吸
入による投与に適切な形態(例えば、微細に分割された粉末または液体エアロゾル)、吹
送(insufflation)による投与に適切な形態(例えば、微細に分割された粉
10
末)あるいは非経口投与に適切な形態(例えば、静脈内投与、皮下投与もしくは筋肉内投
与用の滅菌水溶液もしくは油性溶液、または直腸投与用の坐剤)であり得る。例えば、経
口的用途に意図された組成物は、1以上の着色剤、甘味料、矯味矯臭薬および/または防
腐剤を含み得る。
【0103】
錠剤形成のために適切な薬学的に受容可能な賦形剤としては、例えば、不活性な希釈剤
(例えば、ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウム、造粒
剤および崩壊剤(例えば、コーンスターチまたはアルゲン酸(algenic acid
)));結合剤(例えば、スターチ);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸または滑石);防腐剤(例えば、エチルp−ヒドロキシ安息香酸もしくはプロ
20
ピルp−ヒドロキシ安息香酸、および抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸))が挙げられ
る。錠剤処方物は、それらの崩壊およびその後の胃腸管内での活性成分の吸収を改変する
か、またはそれらの安定性および/もしくは外見を改善するためのいずれかのために、い
ずれの場合も当該分野で周知の従来のコーティング因子および手順を使用して、コーティ
ングされていなくてもコーティングされていてもよい。
【0104】
経口的用途のための組成物は、硬質なゼラチンカプセル(活性成分は不活性な固体希釈
剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合される)か、ま
たは軟質なゼラチンカプセル(活性成分は水または油状物(例えば、ピーナッツ油、液体
パラフィンもしくはオリーブ油))の形態であり得る。
30
【0105】
水性懸濁液は、一般的に、活性成分を微細に粉末にされた形態で、1以上の懸濁剤(例
えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴム
およびアカシアゴム);分散剤または湿潤剤(例えば、レシチンまたは脂肪酸を含むアル
キレンオキシドの縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン))、または長
鎖脂肪族アルコールを含むエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレン
オキシセタノール)、または部分的に脂肪酸およびヘキシトール由来のエステルを含むエ
チレンオキシドの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート
)、または部分的に脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルを含むエチレンオキ
40
シドの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート)とともに含む。水
性懸濁液はまた、1以上の防腐剤(例えば、エチルp−ヒドロキシ安息香酸もしくはプロ
ピルp−ヒドロキシ安息香酸、抗酸化物(例えば、アスコルビン酸)、着色物質、矯味矯
臭剤および/または甘味剤(例えば、スクロース、サッカリンまたはアスパルテーム))
を含み得る。
【0106】
油状懸濁液は、活性成分を、植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もし
くはココナッツ油)または鉱物油(例えば、液体パラフィン)に懸濁させることによって
処方され得る。油状懸濁液はまた、増粘剤(例えば、蜜ろう、固形パラフィンまたはセチ
ルアルコール)を含み得る。上記のような甘味剤および矯味矯臭剤が提供されて、口当た
50
(42)
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りのよい経口調製物が提供され得る。これらの組成物は、抗酸化剤(例えば、アスコルビ
ン酸)の添加によって保存され得る。
【0107】
水の添加による水性懸濁液の調製に適切な分散粉末および顆粒は、一般的に、活性成分
を、分散剤もしくは湿潤剤、懸濁剤、および1以上の防腐剤とともに含む。適切な分散剤
もしくは湿潤剤および懸濁剤は、上ですでに言及されたものによって例示される。さらな
る賦形剤(例えば、甘味剤、矯味矯臭剤および着色剤)もまた、存在し得る。
【0108】
本発明の薬学的組成物はまた、水中油乳濁液の形態であり得る。油相は、植物油(例え
ば、オリーブ油もしくはラッカセイ油)または鉱物油(例えば、液体パラフィン)あるい
10
はこれらの任意の混合物であり得る。適切な乳化剤は、例えば、天然に存在するゴム(例
えば、アカシアゴムもしくはトラガカンゴム)、天然に存在するリン脂質(例えば、大豆
、レシチン)、脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルもしくは部分エステル(
例えば、ソルビタンモノオレエート)ならびにエチレンオキシドを含む上記部分エステル
の縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。乳
濁液はまた、甘味剤、矯味矯臭剤および防腐剤を含み得る。
【0109】
シロップおよびエリキシルは、甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール
、ソルビトール、アスパルテームもしくはスクロース)とともに処方され得、そしてまた
、粘滑剤、防腐剤、矯味矯臭剤および/または着色剤を含み得る。
20
【0110】
薬学的組成物はまた、滅菌した注入可能な水性懸濁液もしくは油性懸濁液の形態であり
得、これらは、公知の手順に従って、上で言及されるような1以上の適切な分散剤もしく
は湿潤剤および懸濁剤を用いて処方され得る。滅菌した注入可能な調製物はまた、無毒性
の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌した注入可能な溶液もしくは懸濁液(
例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液)であり得る。
【0111】
坐剤処方物は、活性成分を適切な非刺激性の賦形剤(これは、通常の温度では固形であ
るが、直腸温度では液体であり、それゆえ、直腸で融解して薬物を放出する)と混合する
ことによって調製され得る。適切な賦形剤としては、例えば、ココアバターおよびポリエ
30
チレングリコールが挙げられる。
【0112】
局所処方物(例えば、クリーム、軟膏、ゲルおよび水性溶液もしくは油性溶液または水
性懸濁液もしくは油性懸濁液)は、一般的に、活性成分を従来の局所的に受容可能なビヒ
クルまたは希釈剤を、当該分野で周知の従来の手順を使用して配合することによって得ら
れ得る。
【0113】
吹送による投与のための組成物は、約30μm以下の平均直径の粒子を含む、微細に分
割された粉末の形態であり得、その粉末自体は、活性成分を単独で含むかまたは1以上の
生理学的に受容可能なキャリア(例えば、ラクトース)で希釈された活性成分のいずれか
40
を含む。次いで、吹送用の粉末は、首尾よくカプセル中に保持され、このカプセルは、例
えば、公知の薬剤であるクロモグリク酸ナトリウムの吹送に使用されるようなターボ吸入
器デバイスとともに使用するために1mg∼50mgの活性成分を含む。
【0114】
吸入による投与のための組成物は、活性成分を微細に分割された固体を含むエアロゾル
または液滴のいずれかで分配するように調整された従来の加圧エアロゾルの形態であり得
る。従来のエアロゾル噴霧剤(例えば、揮発性フッ化炭化水素もしくは揮発性炭化水素)
が使用され得、エアロゾルデバイスが、首尾よく調整されて、活性成分の定量が分配され
る。
【0115】
50
(43)
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処方物におけるさらな情報について、Comprehensive Medicina
l Chemistry(Corwin Hansch;編集局長)(Pergamon
Press 1990)の第5巻第25.2章を参照のこと。これは、参考として本明
細書中に明確に援用される。
【0116】
単回の投薬形態を生成するために1以上の賦形剤と合わされる本発明の化合物の量は、
処置される宿主および特定の投与経路に依存して必然的に変化する。例えば、ヒトに対す
る経口投与に意図される処方物は、適切かつ好都合な量の賦形剤(全組成物の約5重量%
∼約98重量%まで変わり得る)と配合された0.5mg∼2gの活性因子を含み得る、
単位投薬形態は、一般的に、約1mg∼約500mgの活性成分を含む。投与経路および
10
投薬レジメンにおけるさらなる情報について、Comprehensive Medic
inal Chemistry(Corwin Hansch;編集局長)(Perga
mon Press 1990)の第5巻第25.3章を参照のこと。これは、参考とし
て本明細書中に明確に援用される。
【0117】
式Iの化合物の治療目的または予防目的のための用量のサイズは、状態の性質および重
篤度、動物もしくは患者の年齢および性別、ならびに投与経路により、周知の医学の原則
に従って、必然的に変わる。
【0118】
本発明の化合物は、単独でMEKの阻害による利益を得る疾患状態の処置で使用される
20
他の薬物および治療を組み合わされて使用され得る。そのような処置は、本発明の化合物
に加えて、従来の手術または放射線療法もしくは化学療法を含み得る。そのような化学療
法は、以下のカテゴリーの抗腫瘍因子のうちの1以上を含み得る:
(i)内科的腫瘍学で使用されるような抗増殖/抗悪性腫瘍薬およびそれらの組み合わ
せ(例えば、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミ
ド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンおよびニ
トロソ尿素);代謝拮抗薬(例えば、葉酸拮抗薬(例えば、5−フルオロウラシルのよう
なフルオロピリミジン、テガフール、ラルチトレキセド、メトトレキサート)、シトシン
アラビノシド、ヒドロキシ尿素、あるいは欧州特許出願番号第239362号に開示され
る好ましい代謝拮抗薬のうちの1つ(例えば、N−(5−[N−(3,4−ジヒドロ−2
30
−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ]−2−テノイ
ル)−L−グルタミン酸));抗腫瘍性抗生物質(例えば、アドリアマイシン、ブレオマ
イシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシ
ン−C、ダクチノマイシンおよびミトラマイシンのようなアントラサイクリン);有糸分
裂インヒビター(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレル
ビンのようなビンカアルカロイド、ならびにタキソールおよびタキソテールのようなタキ
ソイド);ならびにトポイソメラーゼインヒビター(例えば、エプトポシドおよびテニポ
シド、アムサクリン、トポテカンおよびカンポテシンのようなエピポドフィロトキシン)
):
(ii)細胞増殖抑制剤(例えば、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、トレ
40
ミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン)、エストロゲン
レセプター下方制御因子(例えば、フルベストラン)、抗アンドロゲン剤(例えば、ビカ
ルタミド、フルタミド、ニルタミド、酢酸シプロテロンおよびCasodex
T M
(4’
−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3
’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド))、LHRHアンタゴニストもしくは
LHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、ロイプレリンおよびブセレリン)、プロゲス
トゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼインヒビター(例えば、アナスト
ロゾール、レトロゾール、ボラゾールおよびエキセメスタン)ならびに5α−レダクター
ゼのインヒビター(例えば、フィナステリド));
(iii)癌細胞浸潤を阻害する因子(例えば、マリマスタットのようなメタロプロテ
50
(44)
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イナーゼインヒビター、およびウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子のレセプター機
能のインヒビター);
(iv)成長因子抗体、成長因子レセプター抗体(例えば、抗erbB2抗体トラスツ
ムザブ[Herceptin
T M
]および抗erbB1抗体セツキシマブ[C225])
、ファルネシルトランスフェラーゼインヒビター、チロシンキナーゼインヒビターおよび
セリン/スレオニンキナーゼインヒビター(例えば、上皮成長因子ファミリーチロシンキ
ナーゼのインヒビター(例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メト
キシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZ
D1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)
キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)および6−アクリルアミド−
10
N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾ
リン−4−アミン(CI1033)))、血小板由来成長因子ファミリーのインヒビター
ならびに肝細胞成長因子ファミリーのインヒビターのような成長因子機能のインヒビター
;
(v)抗新脈管形成因子(例えば、血管内皮成長因子の効果を阻害する因子(例えば、
抗血管内皮細胞成長因子抗体ベバシツマブ[Avastin
T M
]、国際特許出願WO9
7/22596、WO97/30035、WO97/32856およびWO98/133
54に開示されるような化合物)、ならびに他の機構によって作用する化合物(例えば、
リノミド、インテグリンαvβ3機能のインヒビター、MMPインヒビター、COX−2
インヒビターおよびアンギオスタチン));
20
(vi)血管損傷因子(例えば、コンブレタスチンA4、および国際特許出願WO99
/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、
WO02/04434およびWO02/08213に開示される化合物;
(vii)アンチセンス治療(例えば、ISIS2503のような上に列挙される標的
に指向されるアンチセンス、および抗rasアンチセンス);
(viii)遺伝子治療アプローチ(例えば、GVAX
T M
、異常なp53または異常
なBRCA1もしくはBRCA2のような異常な遺伝子を置き換えるためのアプローチ、
GDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ治療)アプローチ(例えば、シトシンデアミ
ナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌のニトロレダクターゼ酵素を用いるアプローチ)な
らびに化学療法もしくは放射線療法に対する患者の耐性を増大させるためのアプローチ(
30
例えば、多剤耐性遺伝子治療)が挙げられる);
(ix)インターフェロン;ならびに
(x)免疫治療アプローチ(例えば、患者の腫瘍細胞の免疫原性を増大させるためのエ
キソビボアプローチおよびインビボアプローチ(サイトカイン(例えば、インターロイキ
ン2、インターロイキン4)または顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子を用いるト
ランスフェクション)、T細胞アネルギーを減少させるためのアプローチ、トランスフェ
クトされた免疫細胞(例えば、サイトカイントランスフェクト樹状細胞)を用いるアプロ
ーチ、サイトカイントランスフェクト腫瘍細胞株を用いるアプローチ、ならびに抗イディ
オタイプ抗体を用いるアプローチが挙げられる)。
【0119】
40
このような共同的な処置は、処置の個々の成分の同時投与、連続投与または独立投与の
様式によって達成され得る。このような組み合わせ生成物は、本明細書で上に記載される
用量範囲内の本発明の化合物、および許容される用量範囲内の他の薬学的に受容可能な活
性因子を用いる。
【0120】
本発明のこの局面に従って、癌の共同的処置のために本明細書で上に規定されるような
式Iの化合物、および本明細書で上に規定されるようなさらなる抗腫瘍因子を含む薬学的
組成物が提供される。
【0121】
式Iの化合物は温血動物(ヒトを含む)において使用するための治療因子として主に価
50
(45)
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値があるが、これらはまたAKTプロテインキナーゼ、チロシンキナーゼ、付加的セリン
/スレオニンキナーゼおよび/または二重特異性キナーゼを制御する必要がある場合はい
つでも有用である。従って、これらは新規の生物学的試験の開発および新規の薬理学的因
子の探索において使用するための薬理学的標準物質として有用である。
【0122】
本発明の化合物の活性は、AKTプロテインキナーゼ、チロシンキナーゼ、付加的セリ
ン/スレオニンキナーゼおよび/または二重特異性キナーゼについて、インビトロ、イン
ビボまたは細胞株においてアッセイされ得る。インビトロアッセイとしては、キナーゼ活
性の阻害を決定するアッセイが挙げられる。代替的インビトロアッセイは、インヒビター
がキナーセに結合する能力を定量し、インヒビターを放射標識した後結合し、インヒビタ
10
ー/キナーゼ複合体を単離し、結合した放射標識の量を決定するか、あるいは競合実験(
新規のインヒビターが公知の放射性リガンドと共にインキュベートされる)を行うことの
いずれかによって測定され得る。これらおよび他の有用なインビトロアッセイならびに細
胞培養アッセイは、当業者に周知である。
【0123】
本発明は、ある程度詳細に記述され説明されているものの、本開示は、例としてのみ構
成されており、当業者は、上で請求した本発明の精神および範囲から逸脱することなく、
一部の組み合わせおよび配列における多数の変更を講じることができることが分かる。
【0124】
本発明の化合物は、有機合成の当業者に周知の多数の方法で、調製され得る。本発明の
20
化合物は、有機合成化学の分野で公知の合成方法または当業者が十分理解するそれらのバ
リエーションと一緒に下記の方法を使用して、合成できる。好ましい方法には、下記のも
のが挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
本発明の新規化合物は、この節で記述した反応および技術を使用して、調製され得る。
これらの反応は、使用される試薬および物質に適当で行われる変換に適した溶媒中にて、
実行される。また、下記の合成方法の記述では、提案された全ての反応条件(溶媒の選択
、反応雰囲気、反応温度、実験およびワークアップ手順の持続時間)は、その反応に標準
的な条件(これらは、当業者に容易に認められる)であるように選択されることが理解で
きるはずである。有機合成の当業者は、分子の種々の部分に存在している官能基が、提案
30
された試薬および反応と適合性でなければならないことを理解する。これらの反応条件に
適合性であるという置換基に対する制約は、当業者に容易に明らかとなり、次いで、代替
方法を使用しなければならない。
【0126】
本発明の化合物の調製は、収束的または連続的な合成様式で、実行され得る。このよう
な化合物およびそれらの化合物に至る中間体の調製および精製で必要な技術は、当業者に
公知である。精製手順には、順相または逆相クロマトグラフィー、結晶化、および蒸留が
挙げられるが、これらに限定されない。
【0127】
本発明の化合物(8)、(9)、(10)および(11)の調製の図示は、図1で示さ
40
れている。この合成は、置換キナゾリノン(3)の調製で出発し、これは、例えば、対応
する置換アリールアミノ酸(1)と対応する置換アミド(2)との縮合により、行われる
(例えば、LeMahieuら、J.Med.Chem.,1983,26,420−5
、およびそこで引用された参考文献を参照のこと)。キナゾリノン(3)への脱離基の導
入は、ハロゲン化剤(例えば、POCl3 )で処理して塩素化キナゾリン(4)を得るこ
とにより、達成され得る。次いで、このハロゲン脱離基は、置換された保護されたピペラ
ジン(5)(例えば、Bocであるが、適当な保護基が使用され得る;see、T.W.
Greeneら、「Protective groups in organic sy
nthesis」、John Wiley and Sons,1999,3rd Ed
.,pp.494−653を参照のこと)で置き換えられる。ピペラジン(5)は、純粋
50
(46)
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状態で、または塩基の存在下にて、いずれかで、塩素化キナゾリン(4)に導入され得る
。次いで、このピペラジン保護基は、公知方法(Greeneら、上記)(6)により、
除去され得る。
【0128】
キナゾリン中間体(6)でのピペラジン第二級アミンの置換は、種々の求電子試薬およ
び反応条件を使用して、達成され得る。例えば、このピペラジンは、適当にN−置換また
は保護されたアミノ酸(例えば、Bocなど)(これは、溶液相条件下および固相条件下
の両方にて、種々の標準的なペプチドカップリング手順を使用して導入され得る)でアシ
ル化され得、化合物(8)のような生成物が得られる。代表例については、Miklos
Bodanszky,「Principles of Peptide Synthe
10
sis」、Springer−Verlag,1993,2nd Ed.およびC.Na
jera,Synlett,2002,9,1388−1403を参照のこと。上記のよ
うに、(そしてもし保護されたなら)、そのN−保護アミノ酸単位は、次いで、代表的な
手順(例えば、Boc−基上の酸を使用する;Greeneら、上記)を使用して脱保護
され得、次いで、当業者が理解する手順に従って、望ましいように処置され得る。
【0129】
化合物(8)と類似した本発明の化合物は、天然または「非天然」アミノ酸(7)でア
シル化することにより、キナゾリン中間体(6)から調製され得る。「非天然」アミノ酸
の調製もまた、当業者に周知であり、それらの使用は、本発明に含まれる(代表的な論文
としては、C.Najera,Synlett,2002,9,1388−1403およ
20
びJ.−A.Ma,Anges.Chemie,Int.Ed.,2003,42,42
90−4299、およびそれらで引用された参考文献を参照のこと)。
【0130】
あるいは、ピペラジン(6)は、塩基の存在下にて、酸または酸ハロゲン化物でアシル
化され得、置換アミン(10)が生成する。さらに、置換第三級アミン(11)は、還元
剤(例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム)の存在下にて、ピペラジン(6)を適当な
アルデヒド(または代理物)で処理することにより、調製できる。ピペラジン(6)はま
た、エポキシドで処理でき、アミノアルコール(9)が得られる。全ての官能基は、標準
的な条件(例えば、還元、アルキル化、酸化、パラジウムまたはニッケル媒介カップリン
グなど)下にて、さらに処置されて、各化合物がさらに官能化される。
30
【0131】
図1で描写した化合物は、ラセミ化合物として、または単一の鏡像異性体として(例え
ば、鏡像異性的に純粋なアミノ酸(7)を使用して)、いずれかとして調製され得る。も
し、ラセミ化合物として調製されるなら、対応する鏡像異性体は、化合物のラセミ混合物
をキラル固定相カラム(これは、順相または逆相HPLC技術を使用する)で分離するこ
とにより、単離され得る。あるいは、化合物(8)のジアステレオマー混合物は、ラセミ
化合物(8)を適当なキラル酸(または、適当に活性化された誘導体)(例えば、酒石酸
ジベンゾイルなど(例えば、Kinbara,K.ら,J.Chem.Soc.,Per
kin Trans.2,1996,2615;およびTomori,H.ら、Bull
.Chem.Soc.Jpn.,1996,3581を参照のこと))で処理することに
40
より、調製できる。次いで、これらのジアステレオマーは、伝統的な技術(すなわち、シ
リカクロマトグラフィー、結晶化、HPLCなど)で分離され、続いて、キラル補助剤を
除去して、鏡像異性的に純粋な化合物(8)が得られる。
【0132】
本発明の他の化合物は、図2∼15で図示された選択的に置換され官能化された酸、ア
ミノ酸、ヒドロキシ酸およびそれらの変種を使用して、調製できる。例えば、本発明の化
合物(14)は、図2で示したようにして、調製され得る。置換α−ヒドロキシベンジル
エステル(12)のヒドロキシル基は、適当な保護基(例えば、アセテート)で保護され
て、化合物13が得られる。次いで、このベンジルエステルは、(例えば、水素化分解に
より)、対応するカルボン酸に変換されて、化合物(14)が得られる。
50
(47)
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【0133】
図3は、化合物(18)の調製を示す。置換フェニルボロン酸(15)、グリオキシル
酸(16)、およびキラルまたはアキラルなモノ保護(例えば、Boc保護基を使用する
)ジアミン(17)(例えば、3−Boc−アミノピロリジン)は、適当な溶媒(例えば
、1,2−ジクロロエタン)中にて混ぜ合わされ、そして高温で撹拌されて、カルボン酸
(18)が得られる。
【0134】
図4は、化合物(22)の調製を示す。2−(2−アミノエトキシ)エタノール(19
)は、適当なアミン保護基(例えば、Boc)で保護され、そのヒドロキシル基は、カル
ボン酸に酸化されて、中間体(20)が得られる。次いで、化合物(20)中の酸は、適
10
当な塩基(例えば、K2 CO3 )およびハロゲン化アルキルを使用してエステルに変換さ
れ、中間体化合物(21)が得られる。中間体化合物(21)のエノール化は、強酸(例
えば、LDAまたはLHMDS)を使って達成され、続いて、置換ハロゲン化ベンジルお
よびアルキル化エステルが加えられ、これは、次いで、塩基加水分解により、対応する酸
(22)に変換される。
【0135】
化合物(28)は、図5で示すようにして調製され得る。置換フェニルカルボン酸(2
3)は、酸性(鉱酸、ROH)または塩基性(K2 CO3 、R
2
X)条件下にて、適当な
エステル(24)に変換される。エステル(24)のエノール化は、強塩基(例えば、L
DA)を使って達成され、ハロ酢酸エステル(例えば、ブロモ酢酸第三級ブチル)を加え
20
ると、中間体化合物(25)が得られる。選択的なエステルの脱保護は、化合物(25)
を酸(例えば、TFA)で処理することにより実行され、カルボン酸(26)が得られる
。カルボン酸(26)は、(例えば、ジフェニルホスホリルアジドを使用して)、アシル
アジドに変換され、これは、次いで、適当なアルコール溶媒(例えば、第三級ブチルアル
コール)中にて、ルイス酸(例えば、SnCl4 )の存在下または非存在下にて、対応す
るカーバメート保護アミンに変換され、化合物(27)が得られる。次いで、このカルボ
ン酸エステルは、塩基性条件(例えば、THF中のLiOH水溶液)下にて加水分解する
ことにより、対応する酸に変換され、化合物(28)が得られる。
【0136】
図6は、カルボン酸(31)の調製を示す。ラクタム(29)は、強酸(例えば、LD
30
A/LiBrまたはLHMDS)でエノール化され、そして置換ハロゲン化ベンジルを加
えると、アルキル化中間体化合物(30)が得られる。次いで、このラクタムは、塩基性
条件(例えば、LiOH水溶液、THF)下にて開環されて、カルボン酸(31)が得ら
れる。
【0137】
化合物(36)は、図7で示したようにして、調製され得る。適当に置換したベンズア
ルデヒドをシアノ酢酸エチルで縮合すると、構造(32)の化合物が得られる。還元剤(
例えば、NaBH4 )で処理すると、飽和化合物(33)が得られ、これは、続いて、コ
バルト媒介水素化物還元にかけられて、化合物(34)が得られる。次いで、このアミン
は、保護でき、そのエステルがケン化されて、化合物(35)が得られる。ピペラジンで
40
のカップリングは、例えば、EDCIまたはPyBropを使用して達成でき、続いて、
脱保護されて、最終化合物(36)が得られる。
【0138】
図8は、アミノ酸(40)の調製を示す。化合物(39)は、ベンズアルデヒドをシア
ノ酢酸エチルで縮合することにより、続いて、Lee,J.ら、(1999),3060
−3065で記載された手順に従った触媒水素化により、調製できる。化合物(39)は
、第一級アミンの保護に続いて塩基性条件(例えば、LiOH水溶液)下にてケン化する
ことにより、化合物アミノ酸(40)に変換できる。
【0139】
アミノ酸(40)への代替アプローチは、図9で示されている。化合物(41)(ここ
50
(48)
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で、Pgは、適当な保護基(例えば、Boc)である)は、適当な溶媒(例えば、THF
またはエーテル)中にて、低温で、種々の有機金属試薬(例えば、LDA)で処理でき、
ジアニオン中間体が生成し、これは、適当な量のハロゲン化ベンジルでクエンチされて、
中間体化合物(42)が得られる。塩基性条件(例えば、LiOH水溶液)下にてケン化
すると、所望生成物(40)が得られる。
【0140】
図10は、化合物(45)からのアミノアルコール(46)の合成を要約する。化合物
(45)は、図9で描写したような脱保護、アルキル化およびケン化の順序により、化合
物(44)から調製され得る。
【0141】
10
化合物(50)の調製は、図11で示されている。フェニル酢酸誘導体(47)は、適
当な溶媒(例えば、THFまたはエーテル)中にて、低温で、適当な有機金属試薬(例え
ば、LDA)で脱プロトン化でき、次いで、化合物(48)(ここで、Xは、適当な脱離
基(例えば、Br、Cl)であり、そしてPgは、適当な保護基(例えば、Bocまたは
Ts)である)と反応されて、中間体化合物(49)が得られる(Ho−sam A.ら
(1997)J.Med.Chem.,40,2196;Ohkandaら,(2004
),J.Med.Chem.,47,432))。塩基性条件(例えば、LiOH水溶液
)下にて化合物(49)をケン化すると、酸(50)が得られる。
【0142】
化合物(55)は、図12で示すようにして、調製され得る。適当に置換された市販の
20
酸(51)をアルコールでエステル化すると、所望のエステル(52)が得られる。エス
テル(52)を適当な塩基および求電子試薬(例えば、アクリレートなど(53))で処
理し、続いて、酸でエステル完結すると(T.W.Greeneら、上記を参照のこと)
、中間体化合物(54)が得られる。活性化試薬でアジドを導入し(アシル−アジドが得
られる)、続いて、加熱すると、酸(54)の必要なN−保護アミノ−エステル中間体へ
の再配列に影響を与える(例えば、Bocであるが、適当なアルコール溶媒と共に、任意
の適当な保護基が使用され得る;Greeneら、上記を参照のこと)。エステル中間体
を水酸化物塩基で処理すると、N−保護アミノ酸(55)が得られる。
【0143】
化合物(58)は、図13で示すようにして、調製され得る。触媒塩基(例えば、カリ
30
ウム第三級ブトキシド)を使用して、フェニル酢酸エチルエステルをアクリル酸第三級ブ
チルでマイケル付加することに続いて、その第三級ブチルエステルを酸加水分解すると、
化合物(56)が得られる。ジフェニルホスホリルアジドを使用するクルチウス転位に続
いて、そのエステルをケン化すると、化合物(57)が得られる。ピペラジンとのカップ
リングは、EDCIまたはPyBropを使用して達成では、続いて、そのBoc基を脱
保護して、最終化合物(58)が得られる。
【0144】
図14は、化合物(61)の調製を示す。リチウムビス(トリメチルシリル)アミドを
使用して、フェニル酢酸エチルエステルをα−ブロモ酢酸第三級ブチルエステルでアルキ
ル化すると、化合物(59)が得られる。この手順の残りは、図13で描写したものと同
40
じであり、化合物(61)が得られる。
【0145】
化合物(71)は、図15で示すようにして、調製され得る。4−クロロキナゾリンを
イソニコペ酸エチルで置換したのに続いて、そのエステルをケン化すると、中間体(68
)が得られる。ハロゲン化剤(例えば、塩化チオニルまたは塩化オキサリル)で処理する
と、酸塩化物(69)が得られる。溶媒としてのMeOH、THFまたはDCE中にて、
NaCNBH3 またはNaH(OAc)3 を使用して、適当に置換したベンズアルデヒド
をN−Boc−エチレンジアミンで還元アミノ化すると、第二級アミン(70)が得られ
る。(69)をアミン(70)で還元し、続いて、そのBoc基を脱保護すると、化合物
(71)が得られる。
50
(49)
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【0146】
あるいは、式(74)の化合物き、図16で示すようにして、調製され得る。溶媒とし
てのMeOH、THFまたはDCE中にて、NaCNBH3 またはNaH(OAc)3 を
使用して、適当に置換したアニリンをN−(2−オキソエチル)カルバミン酸第三級ブチ
ルで還元アミノ化すると、第二級アミン(72)が得られる。化合物(72)は、そのB
oc基を除去することにより、続いて、酸−塩基抽出およびクロマトグラフィーにより、
精製でき、構造(73)の化合物が得られ、次いで、Boc2 Oで処理することにより、
化合物(72)に戻って変換される。塩基としてDMAPを使用して中間体(69)と反
応させ、続いて、そのBoc基を、例えば、含エーテルHClで脱保護し、そして置換す
ると(もし必要なら)、化合物(74)が得られる。
10
【0147】
化合物(78)は、図17で示すようにして、調製され得る。化合物(75)は、文献
手順に従って、7−アザインドールから調製できる。ピペラジンの導入は、N−ベンジル
ピペリジンを中間体(75)と共に溶融することにより達成でき、中間体(76)が得ら
れる。そのベンジル保護基の除去は、例えば、Pd−Cの存在下にて、メタノール中で、
水素化を使用することにより、達成できる。Boc−保護アミノ酸と中間体(77)との
カップリングは、例えば、EDCIまたはPyBropを使用して達成でき、続いて、そ
のBoc基を脱保護して、化合物(78)が得られる。
【0148】
図18は、化合物(81)の調製を示す。化合物(79)は、文献手順と同様にして、
20
2−アミノピリジンから調製できる(A.R.Katritzkyら,J.Org.Ch
em.,2003,68,4935−4937)。例えば、含エーテルHClを使用して
、そのBoc基を脱保護すると、中間体(80)が得られる。このピペラジンは、例えば
、EDCIまたはPyBropを使用して、N−保護アミノ酸にカップリングでき、続い
て、脱保護されて、最終化合物(81)が得られる。
【0149】
図19は、5−および6−置換インダゾール(86)の調製を図示している。置換ニト
ロインダゾール(82)(ここで、R
5
およびR
7
は、置換基であり、これらは、引き続
いた反応で使用するのに適当である)は、標準的な条件(例えば、水中での触媒水素化、
亜鉛/酢酸、Fe/HCl、SnCl2 /MeOHまたはFeSO4 )を使用して、アミ
30
ノインダゾール(83)に還元され得る。アミノインダゾール(83)は、酸スカベンジ
ャー(例えば、Na2 CO3 、K2 CO3 など)の存在下にて、化合物(84)(例えば
、ビス(2−クロロエチル)アミン)と反応でき、環化生成物(85)が得られる。この
反応は、適当な溶媒(例えば、エタノール)中にて、約50∼150℃で加熱することに
より、実行される。次いで、得られたピペラジン化合物(85)は、適当な酸(例えば、
保護アミノ酸)(これは、種々の標準的なペプチドカップリング手順を使用して、溶液相
または固相条件下にて、導入され得る)によりアシル化される。そのカップリング生成物
は、Rにおける任意の保護基を除去する分離脱保護工程を必要とし得、生成物(86)が
得られる。例えば、Boc保護基は、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタンまたはメタノ
ール)の存在下にて、トリフルオロ酢酸(TFA)または塩酸で処理することにより、除
40
去され得る。Cbz基の除去は、パラジウム触媒の存在下での水素による触媒水素化によ
り、または移動水素化(transfer hydrogenation)により、実行
できる。Fmoc基は、溶媒(例えば、DMF)中にて、低沸点アミン(例えば、ピペリ
ジンなど)を使って、除去できる。
【0150】
図20は、3−アルキルおよび3−アリール置換インダゾール(90)の合成を描写し
ている。ヨード中間体(87)は、図20で示して手順により、調製できる。化合物(8
7)は、適当な保護基を使用して保護され、そしてアルキルまたはアリールボロン酸また
はエステルと適当なPd触媒(例えば、Pd(PPh3 )4 )とで処理されて、所望の3
−置換中間体(89)が得られ、これは、次いで、脱保護されて、化合物(90)が得ら
50
(50)
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れる。
【0151】
3−アミノ置換インダゾールの調製は、図21が概説されている。化合物(92)は、
PdまたはCu−媒介カップリングを介して、適当にモノ保護されたピペラジン中間体と
化合物(91)(ここで、Xは、適当な脱離基(例えば、ブロモ、ヨードまたはOTf)
である)とを反応させることにより、調製でき(Buchwaldら,(2000),J
.Org.Chem.,65,1144;Hartwigら,(1998)Angew.
Chem..Int.Ed.Eng.,37,2046)、中間体(92)が得られる。
保護基の除去に続いて、酸とアミドカップリングすると、化合物(93)が得られ、これ
は、次いで、ヒドラジンで処理されて、3−アミノインダゾール中間体(94)が得られ
10
る。そのN−1窒素を選択的に保護すると、化合物(95)が得られ、これは、不活性溶
媒(例えば、ジクロロメタンなど)中にて、酸ハロゲン化物でアシル化でき、アミド(9
6)が得られる。このカップリング反応を促進するために、酸スカベンジャーとして、有
機塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンまたはDM
AP)が加えられ得る。化合物(96)の化合物(97)への変換は、これらの保護基の
除去により、達成できる。
【0152】
図22は、イソキノリン環を持つ特定の種類の化合物の合成を描写している。化合物(
100)は、公知方法に従って、塩基およびパラジウムまたは銅触媒の存在下にて、適当
にモノ保護したピペラジン(99)をイソキノリン化合物(これは、脱離基Xで置換され
20
ており、ここで、Xは、ハロゲン化物(例えば、クロロ、ブロモおよびヨード)またはス
ルホネート(例えば、OSO2 CF3 )である)と反応させることにより、調製できる。
化合物(100)の保護基Pgを除去すると、アミン中間体が得られ、これは、図19で
描写しているように、好都合には、酸とのアミドカップリングにより、続いて、保護基を
任意に除去することにより、化合物(101)に変換できる。
【0153】
図23は、5位置に置換基を持つ特定の種類のピリミジンの合成を提示している。化合
物(104)は、酸スカベンジャー(例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエ
チルアミン)の存在下にて、適当にモノ保護したピペラジン化合物(103)と4−クロ
ロ置換ピリミジン中間体(102)(ここで、Xは、BrまたはIである)との間でSN
30
Ar反応させることにより調製できる。保護基Pgを除去し、続いて、酸(106)とア
ミドカップリングすると、中間体(107)が得られる。中間体(107)は、金属媒介
反応を介して、種々のカップリング成分(108)と反応でき、生成物(109)が得ら
れる。例えば、ピリミジン環の5位置にO−またはS−連結置換基を持つ化合物は、改良
ウルマンカップリング条件カップリング条件(Wolter、M.ら、Org.Lett
.2002,4,973−976)下にて、塩基(例えば、Cs2 CO3 )およびCu触
媒(例えば、CuCl、CuIなど)の存在下で、中間体(107)とアルコールまたは
チオールとの間で反応させることにより、調製できる。いくつかの場合では、この反応を
促進するために、添加剤(例えば、2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタン−3,5−
ジオン、ペンタン−2,4−ジオン、1,10−フェネトロリン(phenethrol
40
ine)など)が加えられる。あるいは、もし、チオール酸ナトリウムが利用可能である
なら、この反応には、塩基は必要ではない。化合物(107)とチオールとの間の反応は
また、パラジウム触媒反応により、達成され得る(Kondoら、Chem.Rev.,
2000,100,3205−3220;Zheng,N.ら、J.Org.Chem.
,1998,63,9606−9607)。ピリミジン環の5位置にN−連結置換基を持
つ化合物は、中間体(107)とアミンとの間のPdまたはCu媒介カップリングにより
、調製できる(Buchwaldら、(2000),J.Org.Chem.,65,1
144;Hartwigら、(1998)Ange.Chem..Int.Ed.Eng
.37,2046)。ピリミジン環の5位置にアルキルまたはアリール置換基を持つ化合
物は、塩基(例えば、Na2 CO3 およびEt3 N)、触媒Pd(O)種(例えば、Pd
50
(51)
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(PPh3 )4 、Pd(PPh3 )2 Cl2 、Pd2 (dba)3 およびPd(OAc)
2
)および適当な配位子(例えば、PPh3 およびAsPh3 )の存在下にて、中間体(
107)と(108)(ここで、Yは、ボロン酸またはボロン酸エステルである)との間
でSuzukiカップリング(Miyaura,N.Suzuki A.(1995),
Chem.Rev.95,2457;Org.React.(1997),50,1)す
ることにより、調製できる。あるいは、5−アルキルおよびアリール置換ピリミジン(1
09)はまた、Pd(例えば、Pd(PPh3 )4 )またはNi(例えば、Ni(aca
c)2 )触媒の存在下にて、化合物(107)と(108)(ここで、Y−R’は、オル
ガノ亜鉛試薬である)との間でニギシ(Nigeshi)またはコマダ(Kumada)
カップリングさせることにより、調製され得る。あるいは、5−アルキルおよびアリール
10
置換ピリミジン(109)はまた、Pd触媒の存在下にて、化合物(107)と(108
)(ここで、Y−R’は、オルガノスタナン(organostannane)試薬であ
る)との間でスティル(Stille)カップリングさせることにより、調製され得る。
【0154】
図24は、5位置にO−連結置換基を持つ化合物の代替合成を描写している。化合物(
111)は、中間体(110)とベンジルアルコールとをCu触媒でカップリングさせる
ことにより、調製できる。そのベンジル基を水素化により除去すると、5−ヒドロキシル
ピリミジン中間体(112)が得られ、これは、図19で描写するように、脱保護および
アミドカップリングにより、化合物(115)に変換できる。塩基(例えば、K2 CO3
、Cs2 CO3 など)の存在下にて、不活性溶媒(例えば、DMF)中で、化合物(11
20
5)をハロゲン化アルキルでアルキル化すると、所望化合物(116)が得られる。
【0155】
化合物(125)は、図25で描写するようにして、合成できる。適当に置換したピリ
ミジン(119)は、塩基(例えば、NaOEt)の存在下にて、対応する適当に置換し
たマロン酸ジエステル(117)と対応する置換ホルムアミジン(118)とを縮合する
ことにより、調製され得る。ピリミジン(119)をハロゲン化剤(例えば、POCl3
またはPOBr3 )で処理すると、ジハライド(120)が得られる。そのハロゲンを保
護ピペラジン(121)で置き換えると、一置換化合物(122)が得られ、これは、第
二ハロゲンの反応(例えば、触媒水素化)により、化合物(123)に変換できる。化合
物(123)の所望化合物(125)への変換は、図22で描写した手順により、達成で
30
きる。
【0156】
図26は、5,6−二置換ピリミジン(129)を調製するアプローチを図示している
。純粋状態で、または塩基の存在下にて、いずれかで、化合物(126)を求核試薬(例
えば、アミン)で処理すると、SNA
r
生成物(127)が得られる。あるいは、化合物
(126)は、例えば、図23で描写されているような種々の金属媒介カップリング反応
によって、化合物(127)に変換できる。化合物(127)の所望化合物(129)へ
の変換は、図22で描写されているように、脱保護、アミドカップリングおよび任意の脱
保護の順序により、達成できる。
【0157】
40
ピリミジン環の6位置にアミノ基を有する化合物の調製は、図27で示されている。式
(131)の化合物は、中間体(130)とアンモニア等価物(例えば、ベンゾフェノン
イミン)との間のパラジウム触媒カップリング反応により、調製できる。アンモニア等価
物のアリール化に関する論文および主な参考文献については、Muci,A.R.,Bu
chwald,S.L.,Topics in Current Chemistry,
2002,219,131を参照のこと。化合物(131)内の保護基Pg
2
を除去する
と、アミノ中間体(132)が得られる。(132)の所望化合物(134)への変換は
、図22で描写した手順により、達成できる。
【0158】
図28は、シンノリン環を持つ本発明の化合物の調製を要約している。化合物(137
50
(52)
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)は、4−ヒドロキシル シンノリン(135)および保護ピペラジン(136)から、
トリフレート中間体を介して、ワンポットプロセスにより、調製できる(Cacchi,
S.ら、Synlett,1997,1400)。化合物(137)内の保護基を連続的
に除去し、続いて、アミドカップリングおよび任意の脱保護により、化合物(139)が
得られる。
【0159】
図29は、ジアミノ基を含有する化合物の合成を描写している。化合物(140)内の
アミノ基を保護すると、保護中間体が得られ、これは、フタルイミドとの光延反応にかけ
られて、化合物(141)が得られる。このフタルイミド基は、塩基(例えば、ヒドラジ
ンおよび低沸点アミン)で選択的に除去できる。標準的なペプチドカップリング手順を使
10
用して化合物(142)を酸でアシル化し、続いて、保護基を除去すると、生成物(14
4)が得られる。
【0160】
図30で示すように、化合物(141)内の保護基は、あるいは、まず、公知条件下に
て、選択的に除去でき、化合物(146)が得られ、これは、酸とカップリングでき、ア
ミド(147)が得られる。そのフタルイミド基を塩基(例えば、ヒドラジンおよび低沸
点アミン)で除去すると、生成物(148)が生じる。
【0161】
図31は、1−置換キノリジノン(153)の調製を要約している。化合物(149)
を有機金属塩基(例えば、n−BuLi)で処理し、続いて、2−エトキシメチレンマロ
20
ン酸ジエチルエステルでクエンチすると、マイケル付加生成物(150)が得られる。不
活性溶媒(例えば、キシレン)中にて化合物(150)を加熱するとき、環化が起こり、
中間体(151)が得られる。中間体(151)内のカルボキシレート基は、酸性溶液(
例えば、HClまたはH2 SO4 水溶液)中で加熱することにより、除去され得る。化合
物(152)内の保護基を連続的に除去し、続いて、アミドカップリングおよび任意の脱
保護により、化合物(153)が得られる。
【0162】
図32は、4−ヒドロキシルピペリジンリンカーを有する化合物の合成を描写している
。化合物(155)は、塩基(例えば、NaHまたはトリエチルアミン)の存在下にて、
適当な溶媒(例えば、DMF、THFなど)中で、適当にN−保護した4−ヒドロキシル
30
ピペリジン化合物と置換キナゾリン中間体(154)(ここで、Xは、脱離基(例えば、
ClまたはBr)である)とのSN Ar反応により、調製できる。化合物(155)内の
保護基Pgを除去し、続いて、酸を使うアミドカップリングおよび任意の脱保護により、
所望化合物(156)が得られる。
【0163】
テトラヒドロピリジンリンカーを有する化合物の合成は、図33で描写されている。化
合物(157)(ここで、Pgは、適当な保護基である)は、有機金属試薬(例えば、L
DA)およびN−フェニルトリフルオロメタンスルホンアミドで処理され、トリフレート
(158)が得られる(Eastwood,P.R.(2000),Tetrahedr
on Lett.,3705)。トリフレート(158)の対応するボロン酸エステル(
40
159)への転化は、適当なジボロン種(例えば、ジピナコラトジボロン)または他の求
電子ホウ素源と適当なパラジウム触媒とを反応させることにより、達成される。次いで、
エステル(159)は、パラジウム触媒作用下にて化合物(160)(ここで、Xは、脱
離基(例えば、クロロ、ブロモ、ヨードまたはOTf)である)と反応されて、中間体(
161)が得られる。あるいは、この交差カップリング反応はまた、その脱離基とホウ素
種とを交換することにより、逆方向で実行できる。例えば、中間体(161)は、化合物
(160)(ここで、Xは、ボロン酸またはエステルである)とトリフレート(158)
との間の反応により、調製できる。化合物(161)内の保護基を連続的に除去し、続い
て、アミドカップリングおよび任意の脱保護により、化合物(162)が得られる。
【0164】
50
(53)
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図34は、5,6−二置換ピロロピリミジン(175)の調製を描写している。化合物
(168)は、業者から得ることができるか、または文献方法(例えば,Eger,K.
ら(1987),J;Heterocycl.Chem.24,425−430;Rot
h,H.J.ら(1975),Arch.Phare.308,179−185;Pic
hler,H.ら(1986),Liebigs Ann.Chem.1986,148
5−1505)から調製できる。高温で化合物(168)をギ酸で縮合すると、中間体(
169)が得られる(Traxler,P.M.ら(1996),J:Med.Chem
.,39,2285−2292)。化合物(169)をハロゲン化剤(例えば、POCl
3
)で処理すると、ハロゲン化物(170)が得られる。保護基Pgを除去し、続いて、
純粋状態で、または酸スカベンジャー(例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリ
10
エチルアミン)の存在下にて、いずれかで、このハロゲンを適当に保護したピペラジン(
172)で置換すると、中間体(173)が得られる。中間体(173)の化合物(17
5)への変換は、図22で描写した手順により、達成できる。
【0165】
3−置換ピラゾロピリミジン(182)の調製は、図35で描写されている。化合物(
176)は、業者から得ることができるか、または文献方法(例えば,Hamaguch
i,M.ら(1986),Heterocycles.24,2111−2115;Ma
Call,M.A.ら(1962),J:Org.Chem.27,2433−2439
)から調製できる。化合物(176)をヒドラジンで縮合すると、シアノ中間体(177
)が得られ、これは、高温でギ酸で縮合することにより、化合物(178)に転化できる
20
。あるいは、化合物(96)は、まず、加水分解でき、第一級アミドが得られ、これは、
次いで、高温で、ホルムアミドと縮合されて、環化生成物(178)が得られる。(17
8)をハロゲン化剤(例えば、POCl3 )で処理すると、ハロゲン化物(179)が得
られる。(179)の所望化合物(182)への変換は、図22で記述した手順により、
達成できる。
【0166】
3−置換ピラゾロピリミジンを合成する中間体(179)への代替経路は。図36で示
されている。有機金属試薬(例えば、LDA)で処理することに続いてアルデヒド(18
4)でクエンチすることにより、C−5位置にて4,6−ジクロロピリミジンをレギオ選
択的に脱プロトン化すると、ヒドロキシル中間体(185)が得られる(Radinov
30
,R.ら(1986),Synthesis,11,886−891;Radinov,
R.ら(1991),J:Org.Chem.,56,4793−4796)。中間体(
185)は、酸化剤(例えば、CrO3 またはMnO2 )で酸化でき、ケトン(186)
が得られる。ヒドラジンを不活性溶媒(例えば、THFまたはDCM)で処理すると、環
化生成物(179)が得られる。(179)の所望化合物(182)への変換は、図22
で記述した手順により、達成できる。
【0167】
図37で示すように、化合物(190)は、2つの方法で調整され得る。第一に、複素
環コア(188)をアミノアミドピペラジン(189)で置換し、続いて、酸で脱保護す
ると、所望生成物(190)が得られる。第二に、複素環コア(188)をN−保護ピペ
40
ラジン(191)で置換すると、中間体(192)が得られ、これは、脱保護、アミノ酸
(193)とのカップリングおよび酸との再度の脱保護にかけられて、最終化合物(19
0)が得られる。ハロゲン化物(188)は、業者から得られるか、または当業者に公知
の手段により調製され得る。
【0168】
テトラヒドロピラド[2,3−d]ピリミジン誘導体(199)は、図38で示したよ
うにして、調製され得る。2−アミノ−3−ピラドカルボン酸(194)は、ホルムアミ
ドと共に加熱されて、4−ヒドロキシピラドピリミジン誘導体(195)が得られ、これ
は、POCl3 (例えば)との塩素化にかけられて、4−クロロピリドピリミジン誘導体
(196)を得た。化合物(196)と1−Boc−ピペラジンとのSN Ar反応により
50
(54)
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、中間体(197)が得られた。触媒量のPtO2 (例えば)の存在下にて、水素下で、
中間体(197)を還元すると、テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン誘導体(
198)が得られた。脱保護後、化合物(198)は、N−保護アミノ酸とのアミドカッ
プリングにかけられ、続いて、酸で脱保護されて、生成物(199)を得た。
【0169】
ジヒドロピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体は、図39で示したようにして、調製
され得る。2−エトキシカルボニル−コハク酸ジエチルエステル(200)は、ホルムア
ミジンと共に加熱されて、(4,6−ジヒドロキシピリミジン−5−イル)−酢酸メチル
エステル(201)を得た。化合物(201)をPOCl3 (例えば)でハロゲン化する
と、ジクロロピリミジン誘導体(202)が得られた。THFおよび求電子試薬R
3
X中
10
にて、化合物(142)を塩基(例えば、KH)で処理すると、中間体(203)が得ら
れた。DIBAL−Hのような試薬で還元すると、このアルコールが得られ、これは、塩
基(例えば、TEA)の存在下にて、MsCl(例えば)で活性化されて、メシレート中
間体(204)が得られる。メシレート(204)をp−メトキシベンジルアミン(例え
ば)で処理すると、ジヒドロピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体(205)が得られ
た。化合物(205)と1−Boc−ピペラジンとをSN Ar反応させると、中間体(2
06)が形成さけた。化合物(206)を酸(例えば、TFA)で脱保護すると、遊離ア
ミン(207)が得られた。遊離アミン(207)を適当に置換/保護したアミノ酸でア
ミドカップリングし、続いて、脱保護(もし必要なら)すると、生成物(208)が得ら
れた。
20
【0170】
本発明の化合物(217)は、図40で示したようにして、調製され得る。それゆえ、
ボロン酸(213)と適当に置換したアリールハロゲン化物(214)とのパラジウム触
媒交差カップリングにより、そのエステル中間体が得られ、これは、過酸化物ベースでケ
ン化されて、酸(215)が生じる。標準的な条件(例えば、EDCI、HOBtなど)
下にて酸(215)とアミン(216)とをカップリングすると、そのN−保護/置換し
た進行中間体が得られる(例えば、Bocであるが、任意の適当な保護基が使用され得る
;Greeneら、上記を参照のこと)。このN−保護/置換中間体(例えば、Boc)
は、もし必要なら、開裂されて、生成物(217)が得られる。
【0171】
30
化合物(223)は、図41で示したようにして、調製され得る。適当に置換した市販
の4,3,0−複素環(218)への脱離基の導入は、例えば、ハロゲン化剤(例えば、
POCl3 )で処理することにより達成され得、塩化物(219)が得られる。例えば、
純粋状態で、または塩基の存在下にて、いずれかで、その脱離基を適当に置換し保護した
ピペラジン(220)(例えば、Bocであるが、任意の適当な保護基が使用され得る;
Greeneら(上記)を参照のこと)で置き換え、続いて、(上記教本を参照して)そ
のピペラジン保護基を除去すると、進行したキナゾリン中間体(221)が得られる。次
いで、このピペラジン第二級アミンの置換は、種々の求電子試薬および反応条件を使用し
て、達成され得る。このピペラジンは、適当にN−置換した保護アミノ酸(例えば、Bo
cなど(162))(これは、溶液相条件および固相条件の両方の条件下にて、種々の標
40
準的なペプチドカップリング手順を使用して、導入され得る)でアシル化され得、化合物
(223)が得られる。代表例としては、Miklos Bodanszky,「Pri
nciples of Peptide Synthesis」、Springer−V
erlarg,1993,2nd Ed.,およびC.Najera,Synlett,
2002,9,1388−1403を参照のこと。上記のように、(また、もし保護した
なら)、そのN−保護アミノ酸単位は、次いで、Greeneら(上記)で引用された代
表的な手順(例えば、Boc基については、酸)を使用して脱保護され得、次いで、当業
者が理解する手順に従って、望ましいように処置され得る。あるいは、(図1のようにし
て)、アミン(221)は、有機合成の当業者に公知の手順を使用して、任意の他の求電
子試薬(エポキシド、酸ハロゲン化物、アルデヒドなどが挙げられるが、これらに限定さ
50
(55)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
れない)と反応され得る。
【0172】
式(229)の化合物は、図42で示したようにして、調製され得る。化合物(224
)と保護リンカー(例えば、Boc−ピペラジン)とのSNAr反応により、ピペラジン
(225)が得られる。活性化アセチレン基(226)を取り付けるために、有機金属媒
介反応が使用され得、そして塩基(例えば、KOtBu)で処理すると、ピロロピリミジ
ン(228)が得られる。そのピペラジン保護基を脱保護し(例えば、Boc基の場合、
酸を使って)、そしてアシル化すると(例えば、保護アミノ酸を使い、続いて、もし必要
なら、脱保護する)、所望生成物(229)が得られる。
【0173】
10
式(234)の化合物は、図43で示したようにして、調製され得る。それゆえ、適当
に置換したニトロピリドン(230)をハロゲン化し(例えば、POCl3 )、引き続い
て、ビニルグリニャール試薬で処理すると、適当にハロゲン化したピロロピリジン(23
2)が得られる。引き続いて、適当に置換したピペラジン誘導体(233)でSN Ar置
換(あるいは、遷移金属媒介反応)すると、所望生成物(234)が得られる。
【0174】
図44は、式(242)の化合物の一般的な調製を図示している。適当に置換したアミ
ノチオフェン(235)を(例えば、加熱下にて、ギ酸および酢酸アンモニウムを使用し
て)アシル化し、そして高温でホルムアミドおよびギ酸アンモニウム(例えば)で環化す
ると、適当な複素環が得られる。塩化オキサリル(例えば)を使用してハロゲンすると、
20
適当にハロゲン化した中間体(237)が得られる。次いで、この中間体は、複数の様式
で官能化され得る。例えば、(加熱または遷移金属媒介反応のいずれかを使用して)適当
に置換したピペラジンで置換すると、所望生成物(242)が得られる。あるいは、その
コアは、オルガノリチウムベース(例えば)およびハロゲン源(例えば、NCS、Br2
、I2 など)を使用してハロゲン化され得、化合物(238)が得られる。臭素化の場合
、非レギオ選択性およびポリ臭素化の両方が観察され、さらに十分に置換され官能化され
た誘導体(239)に入ることが可能となる。次いで、これらは、任意数のアニオン性ま
たは遷移金属媒介反応(例えば、スズキ、スティル、ネギシなど)にかけられ得、さらな
る官能性が生じる(例えば、(240)または(241))。全ての場合、(もし望まし
いなら、引き続いた官能化と共に)適当に置換したピペラジンでの引き続いた置換により
30
、所望生成物(242)が生じる。
【0175】
化合物(247)は、図45で示したようにして、調製され得る。4−クロロピロロ[
2,3−d]ピリミジン(243)は、適当な溶媒(例えば、t−ブタノール)中にて、
適当な酸化剤(例えば、三臭化ピリジニウム)で酸化され、得られたgem−二臭化物は
、適当な条件(例えば、Zn/HOAcを使用する)下にて、適当な溶媒(例えば、Me
OH)中で還元されて、ラクタム244が得られる。適当な溶媒(例えば、IPAまたは
NMP)中で、塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下または非存在下にて、化合物
(244)とモノ保護ジアミン(245)(例えば、Boc保護基を使用する)とを反応
させ、続いて、鉱酸(例えば、)で脱保護すると、中間体(246)が得られる。次いで
40
、化合物(246)は、適当な溶媒(例えば、DCMまたはDMF)中で、塩基(例えば
、トリエチルアミンまたはDIEA)と共にまたはそれなしで、保護アミノ酸(例えば)
(例えば、Boc保護基を使用する)と混ぜ合わされ、そして適当なカップリング剤(例
えば、DCC、HBTUまたはEDCI)で処理されて、(Boc−保護基の場合)酸で
脱保護した後、化合物(247)が得られる。
【0176】
図46は、化合物(256)の一般的な調製を示す。適当に置換したチオフェンカルボ
ン酸(248)は、ジフェニルホスホリルアジド(例えば)を使用して、適当な塩基およ
び溶媒(例えば、t−BuOH)の存在下にて、高温で、再配列によって、保護アミノチ
オフェン(249)に転化され得る。これは、高温で、適当なマロネート誘導体(例えば
50
(56)
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、マロン酸2−エトキシメチレン)で処理でき、ピリドチオフェン(250)が得られる
。塩基(例えば、NEt3 )の存在下にて、POCl3 (例えば)を使用してハロゲン化
すると、塩化物(251)が得られ、これは、次いで、適当なリンカー(例えば、Boc
−ピペラジン)で処理され、そして適当に脱保護され得、ピペラジン中間体(252)が
得られる。(標準的な条件下にて、例えば、適当に保護したアミノ酸を使用して)アシル
化し、続いて、脱保護(もし必要なら)すると、所望生成物(254)が得られる。ある
いは、脱保護に代えて、このエステルは、水性塩基性条件(例えば、水およびメタノール
中でのLiOH)を使用してケン化され得、酸(255)が得られ、これは、次いで、適
当な溶媒(例えば、ジフェニルエーテル)中にて高温で加熱することによる脱炭酸反応に
より、除去され得る。任意の追加の必要な脱保護後、所望生成物(256)が得られる。
10
【0177】
化合物(265)の一般的な調製は、図47で示されている。それゆえ、標準的な条件
下にて、適当に置換したハロピリドン(257)をアセテート基(例えば)で保護し、引
き続いて、(例えば、PdCl2 (PPh3 )2 およびCuIを使用して)、官能化アク
チレン(actyylene)(258)を遷移金属の媒介で導入すると、中間体アセチ
レン(260)が得られる。塩基(例えば、Na2 CO3 水溶液および加熱)で処理する
と、環化が起こり、ピリジルフランコア(261)が得られる。N−酸化(例えば、mc
pba酸化)およびハロゲン化剤(例えば、POCl3 )によってハロゲン化すると、ハ
ロゲン化物(263)が得られ、これは、次いで、ピペラジン(例えば)で置換されて、
(264)が得られ、次いで、引き続いて、適当に保護したアミノ酸の導入(例えば)に
20
より、さらに官能化され、続いて、脱保護されて、所望生成物(265)が得られる。
【0178】
図48は、化合物(271)の一般的な調製を図示している。塩基の存在下にて、ウラ
シル誘導体(266)を3−アミノピラゾール(267)でカップリングすると、ピラゾ
ロピリドン(268)が得られる。(例えば、POCl3 を使用して)ハロゲン化すると
、ハロゲン化物(269)が得られ、適当に置換したリンカー(例えば、加熱を使用して
、Boc−ピペラジン)で置換し、その保護基(例えば、Boc−基に対して、TFA)
を除去し、続いて、保護アミノ酸(例えば)を使用してアシル化し、(続いて、適当に脱
保護すると)、所望生成物(271)が得られる。
【0179】
30
本発明を説明するため、以下の実施例を含める。しかしながら、これらの実施例は、本
発明を限定するのではなく、本発明を実施する方法を示唆することを意味するにすぎない
ことが理解できるはずである。当業者は、記述された化学反応が本発明の他の多数の類似
物を調製するのに容易に適応でき、本発明の化合物を調製する代替方法が本発明の範囲内
であると見なされることを認識する。例えば、例示されていない本発明の化合物の合成は
、例えば、介在基を適当に保護することにより、記述されたもの以外の当該技術分野で公
知の他の適当な試薬を利用することにより、および/または反応条件の常套的な変更を行
うことにより、当業者に明らかな改良によって、うまく実行され得る。あるいは、本明細
書中で開示されているかまたは当該技術分野で公知の他の反応は、本発明の他の化合物を
調製するために適用されると認識されている。
40
【実施例】
【0180】
(生物学的実施例)
(AKT−1キナーゼアッセイの実施例)
本発明において記載される化合物の活性は、以下の手順によって決定され得る:この手
順は、市販のINAPキットを使用する蛍光偏光による、全長ヒト組換え活性AKT−1
による蛍光標識ペプチドのリン酸化を測定するキナーゼアッセイを記載する。
【0181】
アッセイの材料は、Molecular Devices(Sunnyvale,CA
)製のIMAP AKT Assay Bulk Kit(製品番号R8059)に由来
50
(57)
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する。このキット材料は、IMAP反応緩衝液(5x):10mM Tris−HCl(
pH7.2)、10mM MgCl2 、0.1% BSA、0.05% NaN3 を含む
希釈された1x IMAP反応緩衝液を含む。DTTを、規定どおりに、使用直前に1m
Mの最終濃度で添加する。
【0182】
IMAP結合緩衝液(5x)およびIMAP結合試薬もまた含まれる。この結合溶液は
、1x IMAP結合緩衝液へのIMAP結合試薬の1:400希釈物として調製される
。
【0183】
配列(F1)−GRPRTSSFAEGを有する蛍光標識AKT基質(Crossti
10
de)。20μMのストック溶液を、1×IMAP反応緩衝液中に調製する。
【0184】
使用されるプレートとしては、化合物の希釈および化合物−ATP混合物を調製するた
めに使用されるCostar3657(ポリプロピレン製で白色のv字型の底を有する3
82ウェル)が挙げられる。アッセイプレートは、Packard ProxyPlat
e
T M
−384Fであった。
【0185】
使用したAKT−1は、PDK1およびMAPキナーゼ2で活性化される全長ヒト組換
えAKT−1から作製した。
【0186】
20
アッセイ手順は、DMSO中の10mMの化合物のストック溶液の調製を始める。スト
ック溶液およびコントロール化合物を、1:2でDMSOに9回連続希釈(10μLの化
合物+10μLのDMSO)して、望ましい用量範囲にわたる50倍希釈のシリーズを得
る。次いで、DMSO中の2.1μLの化合物のアリコートを、1× IMAP反応緩衝
液(1mM DTTを含む)中の50μLの10.4μM ATPを含むCostar 3657プレートに移す。完全に混合した後、2.5μLのアリコートをProxyPl
ate
T M
−384Fプレートに移す。
【0187】
アッセイを、200nMの蛍光標識ペプチド基質および4nM AKT−1を含む2.
5μLの溶液のアリコートの添加によって開始する。プレートを1000gで1分間遠心
30
分離し、周囲温度で60分間インキュベートする。次いで、反応を、15μLの結合溶液
の添加によってクエンチし、再度遠心分離し、周囲温度でさらに30分間インキュベート
した後、蛍光偏光を測定するように構成したVictor 1420 Multilab
el HTSカウンターで読み取る。
【0188】
このアッセイで試験した式Iの数個の化合物は、AKTプロテインキナーゼを阻害する
活性を示し、その化合物としては、(2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)
−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン、(
2R)−2−アミノ−3−(2−ナフチル)−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラ
ジン−1−イル)−プロパン−1−オン、および(2R)−2−アミノ−3−(4−クロ
40
ロフェニル)−1−(4−チエノ[3,2,b]ピリジン−7−イル−ピペラジン−1−
イル)−プロパン−1−オンが挙げられる。
【0189】
(調製実施例)
本発明の化合物は、ラセミ化合物として、または単一の鏡像異性体として(例えば、鏡
像異性的に純粋な試薬を使用して)、いずれかとして、調製され得る。もし、ラセミ化合
物として調製するなら、対応する鏡像異性体は、順相または逆相HPLC技術を利用する
キラル固定相カラムでラセミ混合物を分離することにより、単離され得る。あるいは、こ
のラセミ混合物を適当なキラル酸(または適当に活性化した誘導体)(例えば、酒石酸ジ
ベンジル)で処理することにより、ジアステレオマー混合物が調製できる(例えば、Ki
50
(58)
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nbara,K.ら、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.2,199
6,2615;およびTomori,H.ら、Bull.Chem.Soc.Jpn.,
1996,3581)。次いで、これらのジアステレオマーは、伝統的な技術(すなわち
、シリカクロマトグラフィー、結晶化、HPLCなど)により分離され、続いて、キラル
補助剤が除去されて、鏡像異性的に純粋な物質が得られる。
【0190】
以下の実施例は、本発明の化合物のいくつかの合成を説明する。特に明記しない限り、
全ての温度は、摂氏で示す。特に明記しない限り、試薬は、業者(例えば、Aldric
h Chemical Company,Lancaster,TCIまたはMaybr
idge)から購入し、さらに精製することなく、使用した。
10
【0191】
以下で示す反応は、一般に、窒素またはアルゴンの正圧下にて、または無水溶媒中で乾
燥チューブを使って(特に明記しない限り)行い、反応フラスコには、典型的には、注射
器を経由して基質および試薬を導入するためのゴム製隔壁を取り付けた。ガラス器具類は
オーブンで乾燥し、および/または加熱乾燥した。
【0192】
HPLC保持時間(Rt )は、分で報告する。特に明記しない限り、以下のHPLC条
件を使用して、報告した保持時間を得た:Waters YMC ODS−AQ、3.0
×50mm;水(0.01%HFBA、1%IPA)中で5∼95%の勾配MeCN;流
速:1.00mL/分;220nmで検出した。
20
【0193】
1
H−NMRスペクトルは、400MHzで操作するVarian機器で記録した。
1
H−NMRスペクトルは、参照標準としてクロロホルムを使用して、CDCl3 溶液(p
pmで報告した)として得た(7.25ppm)。必要に応じて、他のNMR溶媒を使用
した。ピークの多重度を報告するとき、以下の略語を使用する:s(一重項)、d(二重
項)、t(三重項)、m(多重項)、br(広幅化した)、dd(二重項の二重項)、d
t(三重項の二重項)。
【0194】
(実施例1A)
【0195】
30
【化37】
(4−ピペラジニルキナゾリンアミノアミドの調製)
(工程1)
40
4−クロロキナゾリン(2.0g、12.2mmol)(Tobe、Masanori
ら、Bioorg Med.Chem.2003,11(3),383)およびDIEA
(3.2mL、18.2mmol)のIPA(40mL)溶液に、Boc−ピペラジン(
1.96g、12.81mmol)を加えた。その反応混合物を還流状態まで加熱し、そ
して20時間撹拌し、その後、室温まで冷却し、そして回転乾燥により濃縮した。その残
渣をジクロロメタン(DCM)に溶解し、そして1N NaOHで洗浄した。有機層を乾
燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして回転乾燥により濃縮した。得られた油状物をジオ
キサン25mLに溶解し、そして4M HCl/ジオキサン(46mL、182mmol
)を滴下した。その懸濁液を2分間超音波処理し、そして室温で、13時間撹拌し、その
後、この反応混合物を回転乾燥により乾燥状態まで濃縮した。得られたアミンHCl塩を
50
(59)
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2N NaOHに溶解し、そしてDCMで抽出した。有機層を乾燥し(Na2 SO4 )、
濾過し、そして回転乾燥により濃縮した。得られた油状物をシリカ(9:1:0.02の
DCM/MeOH/NH4 OH)で精製して、黄色油状物(2.5g、96%)として、
4−ピペラジニルキナゾリンを得た。
【0196】
【化38】
10
(工程2)
Jonesチューブ(これは、4−ピペラジニルキナゾリン(1.0当量)のCHCl
3
溶液に懸濁したPS−CDI(Argonaut、1.04mmol/g、2.2当量
)を含有する)に、固形Boc−保護アミノ酸(1.5当量)(実施例1Bを参照のこと
)を加えた。その反応混合物を、室温で、15時間振盪し、その後、それを真空濾過し、
樹脂をCHCl3 でリンスし、その濾液を回転乾燥により濃縮した。もし必要なら、その
粗カップリング生成物をシリカ(DCM/EtOAcまたはDCM/MeOH)で精製し
た。得られたBoc−アミノアミドを最小限のジオキサンに溶解し、そして4M HCl
/ジオキサン(10当量)を加えた。その懸濁液を5分間超音波処理し、そして室温で、
20
12時間撹拌し、その後、それを、回転乾燥により濃縮した。固形物をエーテルに分散し
、窒素圧を使って濾過により単離し、そして減圧下にて乾燥して、塩酸塩として、対応す
る4−ピペラジニルキナゾリンアミノアミドを得た。もし必要なら、これらの塩酸塩を1
N NaOHで遊離塩基化し、DCMで抽出し、そして合わせた有機層を乾燥し(Na2
SO4 )、濾過し、回転乾燥により濃縮し、そして減圧下にて乾燥した。
【0197】
(実施例1B)
実施例1、工程2の4−ピペラジニルキナゾリンに、Boc−保護アミノ酸として、以
下のアミノ酸を導入した:
【0198】
30
(60)
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【化39】
10
20
30
4−ピペラジニルキナゾリンと実施例1Bで示した適当なアミノ酸とを使用して、実施
例1、工程2で記述したようにして、実施例2∼21で記述した化合物を調製した。
【0199】
(実施例2)
【0200】
【化40】
40
((2R)−2−アミノ−3−フェニル−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−
1−イル)−プロパン−1−オン)
Rt 2.15.MS(ESI+)[M+H]
+
362。
50
(61)
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【0201】
(実施例3)
【0202】
【化41】
10
((2R)−2−アミノ−4−フェニル−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジ
ン−1−イル)−ブタン−1−オン)
Rt 2.26.MS(ESI+)[M+H]
+
376。
【0203】
(実施例4)
【0204】
【化42】
20
((2R)−2−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−1−(4−キナゾリン−4
−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン)
Rt 2.15.MS(ESI+)[M+H]
+
392。
【0205】
30
(実施例5)
【0206】
【化43】
40
((2R)−2−アミノ−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)
−3−(2−チエニル)−プロパン−1−オン)
Rt 2.10.MS(ESI+)[M+H]
【0207】
(実施例6)
【0208】
+
368。
(62)
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【化44】
10
((2R)−2−アミノ−3−(3−インドリル)−1−(4−キナゾリン−4−イル
−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン)
Rt 2.24.MS(ESI+)[M+H]
+
401。
【0209】
(実施例7)
【0210】
【化45】
20
((2R)−2−アミノ−3−(2−クロロフェニル)−1−(4−キナゾリン−4−
イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン)
Rt 2.23。MS(ESI+)[M+H]
+
396。
【0211】
(実施例8)
30
【0212】
【化46】
40
((2R)−2−アミノ−(3−クロロフェニル)−1−(4−キナゾリン−4−イル
−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン)
Rt 2.30。MS(ESI+)[M+H]
【0213】
(実施例9)
【0214】
+
396。
(63)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化47】
((2R)−2−アミノ−(4−クロロフェニル)−1−(4−キナゾリン−4−イル
10
−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン)
【0215】
【化48】
(実施例10)
20
【0216】
【化49】
30
((2R)−2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)−1−(4−キナゾリン−4
−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン(12))
Rt 2.23。MS(ESI+)[M+H]
+
380。
【0217】
(実施例11)
【0218】
【化50】
40
((2R)−2−アミノ−3−(2−ナフチル)−1−(4−キナゾリン−4−イル−
ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン)
Rt 2.39。MS(ESI+)[M+H]
+
412。
【0219】
(実施例12)
50
(64)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【0220】
【化51】
10
((2R)−2−アミノ−2−(2−インダニル)−1−(4−キナゾリン−4−イル
−ピペラジン−1−イル)−エタン−1−オン)
Rt 2.33。MS(ESI+)[M+H]
+
388。
【0221】
(実施例13)
【0222】
【化52】
20
((±)−2−(4−フルオロフェニル)−2−ピペラジニル−1−(4−キナゾリン
−4−イル−ピペラジン−1−イル)−エタン−1−オン)
Rt 2.21分間。MS(ESI+)[M+H]
+
435。
30
【0223】
(実施例14)
【0224】
【化53】
40
((2R)−2−アミノ−3(2,4−ジクロロフェニル)4−キナゾリン−4−イル
−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン)
Rt 2.39。MS(ESI+)[M+H]
【0225】
(実施例15)
【0226】
+
430。
(65)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化54】
((2R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(4−キナゾリン
10
−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン)
Rt 2.43。MS(ESI+)[M+H]
+
430。
【0227】
(実施例16)
【0228】
【化55】
20
((2R)−2−(N−メチルアミノ)−3−フェニル−1−(4−キナゾリン−4−
イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン)
Rt 2.15。MS(ESI+)[M+H]
+
376。
【0229】
(実施例17)
【0230】
30
【化56】
((2R)−2−(N,N−ジメチルアミノ)−3−フェニル−1−(4−キナゾリン
40
−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オンの調製)
(2R)−2−(N−メチルアミノ)−3−フェニル−1−(4−キナゾリン−4−イ
ル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン(遊離塩基、14mg、0.037m
mol)の1,2−ジクロロエタン溶液に、ホルムアルデヒドの溶液(37%w/w、5
0μL、0.61mmol)を加え、次いで、Na(OAc)3 BH(0.12mmol
)を加えた。その反応混合物を、室温で、3時間撹拌し、その後、飽和NaHCO3 を加
え、この反応混合物を10分間撹拌した。その懸濁液をDCMで抽出し、合わせた抽出物
を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして回転乾燥により濃縮した。その残渣を、ET
OACを使ってFluorosilプラグで濾過し、その濾液を回転乾燥により濃縮した
。得られた残渣をエーテルに溶解し、そして過剰の4M HCl/ジオキサンを加えた。
50
(66)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
黄色固形物を窒素圧を使って濾過により単離し、そして減圧下にて乾燥して、二塩酸塩と
して、所望生成物(7mg、41%)を得た。Rt 2.20。MS(ESI+)[M+
H]
+
390。
【0231】
(実施例18)
【0232】
【化57】
10
((4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−((3R)−1,2,3,
4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−イル)−メタノン)
Rt 2.21。MS(ESI+)[M+H]
+
374。
【0233】
(実施例19)
20
【0234】
【化58】
30
((2R)−2−(2−アミノアセトアミド)−3−フェニル−1−(4−キナゾリン
−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オンの調製)
実施例1の工程2に従って、(2R)−2−アミノ−3−フェニル−1−(4−キナゾ
リン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン(遊離塩基)をBoc−
グリシンでアシル化し、そして脱保護して、(2R)−2−(2−アミノアセトアミド)
−3−フェニル−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン
−1−オンを得た。Rt 2.23。MS(ESI+)[M+H]
+
419。
【0235】
(実施例20)
【0236】
40
(67)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化59】
10
((2R)−2−(3−アミノプロピオンアミド)−3−フェニル−1−(4−キナゾ
リン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オンの調製)
実施例1の工程2に従って、(2R)−2−アミノ−3−フェニル−1−(4−キナゾ
リン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン(遊離塩基)をBoc−
ホモアラニンでアシル化し、そして脱保護して、(2R)−2−(3−アミノプロピオン
アミド)−3−フェニル−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−
プロパン−1−オンを得た。Rt 2.24。MS(ESI+)[M+H]
+
433。
【0237】
以下で調製した化合物について、報告された保持時間(分間)を得るのに使用したHP
20
LC条件は、以下であった:Waters YMC ODS−AQ、4.6×50mm;
水(0.01%HFBA、1%IPA)中の5∼95%勾配MeCN;流速:2.00m
L/分;220nmで検出した。
【0238】
(実施例21)
【0239】
【化60】
30
((2R)−2−[(2−アミノエチル)アミノ]−3−(4−クロロフェニル)−1
−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オンの調製)
(2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−キナゾリン−4−イ
ル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン(遊離塩基、41mg、0.104m
40
mol)を、室温で、メタノール0.7mL中のBoc−2−アミノアセトアルデヒド(
16mg、0.104mmol)と共に、1時間撹拌し、その後、NaBH4 (6mg、
0.160mmol)を加えた。その反応混合物を3時間撹拌し、次いで、1N NaO
Hでクエンチした。この反応混合物をDCMで抽出し、合わせた抽出物を乾燥し(Na2
SO4 )、濾過し、そして回転乾燥により濃縮した。その粗残渣をシリカ(15:1のD
CM/MeOH)で精製した。得られたBoc−アミン中間体を4M HCl/ジオキサ
ン1.4mLで処理し、そして室温で、14時間撹拌し、その後、この反応混合物をエー
テルで希釈した。固形物を窒素圧を使って濾過により単離し、そして減圧下にて乾燥して
、トリ塩酸塩として、所望生成物(29mg、51%)を得た。Rt 1.69.MS(
CI+)[M+H]
+
439。
50
(68)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【0240】
(実施例22)
【0241】
【化61】
10
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−((2R)−2−メチル
−4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オンの調製)
実施例1の工程1と類似の様式で、4−((3R)−3−メチルピペラジニル)キナゾ
リンを調製し、それを、次いで、実施例1の工程2に従って、Boc−4−クロロ−D−
フェニルアラニンでアシル化し、そして脱保護して、(2R)−2−アミノ−3−(4−
クロロフェニル)−1−((2R)−2−メチル−4−キナゾリン−4−イル−ピペラジ
ン−1−イル)−プロパン−1−オンを得た。Rt 1.72.MS(CI+)[M+H
]
+
410。
20
【0242】
(実施例23)
【0243】
【化62】
30
(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6−フェニルキナゾリン−
4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オンの調製)
(工程1)
6−ブロモキナゾリン−4−オール(1.0g、4.44mmol)のPOCl3 (1
0mL)溶液を、110℃で、封管中にて、一晩撹拌した。この溶液を室温まで冷却し、
そして氷(200g)に注いだ、この溶液をDCM(300mL)で抽出し、水(200
mL)で洗浄し、Na2 SO4 で乾燥し、そして真空中で濃縮して、褐色固形物として、
40
不純な6−ブロモ−4−クロロキナゾリンを得、これを、さらに精製しなかった(1.5
g)。MS(APCI+)[M+H]
+
243.1。
【0244】
(工程2)
工程1から得た粗生成物(1.5g)、ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエス
テル(2.29g、12.3mmol)およびトリエチルアミン(2.15mL、15.
4mmol)のN−メチルピロリジノン(50mL)溶液を、80℃で、2時間撹拌した
。この溶液を室温まで冷却し、EtOAc(200mL)で希釈し、水(3×200mL
)で洗浄し、そしてNa2 SO4 で乾燥した。その混合物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(50%EtOAc/ヘキサンs)で精製して、無色油状物(1.5g、3.8
50
(69)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
mmol、工程1から85%)として、4−(6−ブロモ−キナゾリン−4−イル)−ピ
ペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0245】
【化63】
(工程3)
10
4−(6−ブロモ−キナゾリン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチ
ルエステル(1.50g、3.81mmol)のMeOH(50mL)溶液にHCl(E
t2 O中で1.0M、30mL)を加え、そして室温で、一晩撹拌した。その混合物を真
空中で濃縮して、ビス−塩酸塩(1.3g、93%.)として、6−ブロモ−4−ピペラ
ジン−1−イル−キナゾリンを得た。MS(APCI+)[M+H]
+
295.1。
【0246】
(工程4)
6−ブロモ−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリンビス−塩酸塩(360mg、0.
98mmol)およびトリエチルアミン(0.30mL、1.2mmol)のDMF(8
mL)撹拌溶液に、室温で、窒素下にて、EDCI−HCl(230mg、1.2mmo
20
l)、HOBt(160mg、1.2mmol)およびBoc−D−4−クロロフェニル
アラニン(240mg、1.2mmol)を加えた。室温で、一晩撹拌した。EtOAc
(100mL)で希釈し、水(3×50mL)で洗浄し、Na2 SO4 で乾燥し、そして
真空中で濃縮した。その混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(100%EtO
Ac)で精製して、黄色固形物(320mg、57%)として、[2−[4−(6−ブロ
モキナゾリン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−1−(4−クロロベンジル)−2
−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0247】
【化64】
30
(工程5)
Pd2 dba3 (8.0mg、0.0087mmol)およびトリフェニルアルシン(
11mg、0.035mmol)の撹拌混合物に、室温で、窒素下にて、THF(5mL
)を加えた。その黄色溶液を、室温で、2分間撹拌し、次いで、カニューレを経由して、
[2−[4−(6−ブロモキナゾリン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−1−(4
40
−クロロベンジル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(50
mg、0.087mmol)およびフェニルボロン酸(21mg、0.17mmol)の
エチレングリコールジメチルエーテル(5mL)および炭酸ナトリウム水溶液(2M、5
mL)の撹拌溶液に移し、そして80℃で、窒素下にて、一晩加熱した。その反応物を室
温まで冷却し、EtOAc(100mL)に抽出し、水(50mL)で洗浄し、Na2 S
O4 で乾燥し、そして真空中で濃縮した。この混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(100%EtOAc)で精製して、油状物(30mg、60%)として、{1−(
4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4−(6−フェニルキナゾリン−4−イル)
−ピペラジン−1−イル]−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。MS
(APCI+)[M+H]
+
574.0および572.0。
50
(70)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【0248】
(工程6)
{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4−(6−フェニル−キナゾリン
−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル
(30mg)のDCM(10mL)撹拌溶液に、室温で、トリフルオロ酢酸(4mL)を
加えた。その溶液を、室温で、4時間撹拌し、NaOH水溶液(1N、10mL)でクエ
ンチし、EtOAc(100mL)で希釈し、そしてNaOH水溶液(2×50mL)で
洗浄した。有機相をNa2 SO4 で乾燥し、そして真空中で濃縮して、無色油状物(23
mg)として、2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6−フェニル−
キナゾリン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オンを得た。
10
【0249】
【化65】
この油状物をTHF(10mL)に吸収させ、HCl(Et2 O中で1.0M、10mL
20
)で処理し、そして真空中で濃縮して、固形物(21mg)として、2−アミノ−3−(
4−クロロフェニル)−1−[4−(6−フェニル−キナゾリン−4−イル)−ピペラジ
ン−1−イル]−プロパン−1−オンのビス塩酸塩を得た。
【0250】
(実施例24)
【0251】
【化66】
30
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル−1−(4−チエノ[3.2,b
]ピリジン−7−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
40
チエノ[3,2−b]ピリジン−7−オール(0.756g)に、DMF(15mL)
中のNaH(鉱油中で60%、0.24g)を少しずつ加えた。その反応混合物を40℃
で温め、そして30分間撹拌した。冷却した後、N−フェニルトリフルオロメタンスルホ
ンアミド(2.1g)を加え、この反応混合物を、室温で、1時間撹拌し、そしてBoc
−ピペラジン(1.9g)を加えた。この混合物を、80℃で、2時間撹拌した。酢酸エ
チル(100mL)を加え、得られた溶液をブライン(2×50mL)で洗浄し、硫酸ナ
トリウムで乾燥し、減圧下にて濃縮し、そしてクロマトグラフィー(1:4のヘキサン/
EtOAc)で精製して、黄色油状物として、生成物1.32g(82.5%)を得た。
Rt 2.10分間.MS(ESI+)[M+H]
【0252】
+
320。
50
(71)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
(工程2)
DCM(20mL)中の4−チエノ[3,2−b]ピリジン−7−ピペラジン−1−カ
ルボン酸第三級ブチルエステル(1.32g)に、ジオキサン(21mL)中の4N H
Clを加えた。その反応物を、室温で、10時間撹拌した。減圧下にて溶媒を除去し、得
られたアミンHCl塩を飽和炭酸水素ナトリウム(20mL)に溶解し、そしてDCM(
30mL)で抽出した。有機層を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして回転乾燥によ
り濃縮して、灰白色固形物(0.85g、93.8%)として、7−ピペラジン−1−イ
ル−チエノ[3,2−b]ピリジンを得た。Rt 1.40分間。MS(ESI+)[M
+H]
+
220。
【0253】
10
(工程3)
(2R)−2−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−クロロフェニル)−プロ
ピオン酸(0.092g)のTHF(5mL)溶液に、0℃で、DIEA(0.07mL
)およびHBTU(0.12g)を加えた。その混合物を、室温で、20分間撹拌し、次
いで、7−ピペラジン−1−イル−チエノ[3,2−b]ピリジン(0.056g)を加
えた。その反応物を、室温で、1時間撹拌した。EtOAc(20mL)を加え、そして
有機層を分離した。水層をEtOAc(20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭
酸水素ナトリウム(20mL)で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去
した後。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、白色泡状
固形物(0.126g、98.5%)として、生成物を得た。Rt 2.43分間。MS
(ESI+)[M+H]
+
20
501。
【0254】
(工程4)
得られたBoc−アミノアミド(0.056mg)をジオキサンに溶解し、そして4M
HCl/ジオキサン(0.5mL)を加えた。その懸濁液を、室温で、3時間撹拌し、
その後、それを濃縮して、塩酸塩(0.53g、98%)として、対応するアミノアミド
を得た。Rt 1.77分間。MS(ESI+)[M+H]
+
401。
【0255】
(実施例25)
【0256】
30
【化67】
(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−チエノ[3,2−d]ピリミ
ジン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
Boc−D−Phe(4−Cl)−OH(3.65g、12.2mmol)、ピペラジ
ン(10g、116mmol)のDCM(200mL)溶液に、HOBT(3.3g、2
4mmol)およびEDCI(4.7g、25mmol)を加えた。その混合物を、室温
で、12時間撹拌した。その溶液を、水、ブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで
乾燥した。濾過した後、有機溶媒を蒸発させ、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
にかけて、生成物である[1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−ピペラジン−
1−イル−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(0.58g、13%)を得た
。
【0257】
40
(72)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化68】
(工程2)
3−アミノチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(20g、127mmol)の
10
ギ酸(100mL)溶液に、酢酸アンモニウム(13g、169mmol)を加えた。そ
の混合物を3時間還流した。室温まで冷却した後、その沈殿物を濾過し、水で洗浄し、そ
して真空乾燥して、3−ホルミルアミノチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(2
0.5g、87%)を得た。
【0258】
【化69】
20
(工程3)
3−ホルミルアミノチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(20.5g、111
mmol)およびギ酸アンモニウム(21g、333mmol)の混合物に、ホルムアミ
ド(29.8g、662mmol)を加えた。その混合物を、10時間にわたって、14
0℃まで加熱した。冷却した後、固形物を濾過し、水で洗浄し、そして真空乾燥して、生
成物である3H−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−オン(12.5g、74%)を
得た。
【0259】
【化70】
30
(工程4)
DMF(13.2mL、170mmol)のDCM(100mL)溶液に、0℃で、1
時間にわたって、DCM(100mL)中の塩化オキサリル(22mL、252mmol
)を非常にゆっくりと加えた。得られた白色ゲル溶液に、3H−チエノ[3,2−d]ピ
リミジン−4−オン(12g、79mmol)を加えた。その混合物を4時間還流した。
冷却した後、この混合物を水(500mL)に注ぎ、そしてDCM(3×250mL)で
抽出した。次いで、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、白色
40
固形物(13.4g、99%)として、7−クロロ−チエノ[3,2−b]ピリジンを得
た。
【0260】
【化71】
(工程5)
[1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−ピペラジン−1−イル−エチル]−
50
(73)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
カルバミン酸第三級ブチルエステル(60mg、0.163mmol)および4−クロロ
チエノ[3,2−d]ピリミジン(950mg、0.293mmol)のトルエン(5m
L)/TEA(1mL)溶液を、12時間還流した。溶媒を除去した後、その残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィーにかけて、[1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−
(4−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]
−カルバミン酸第三級ブチルエステル(71mg、86.7%)を得た。
【0261】
【化72】
10
(工程6)
[1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−(4−チエノ[3,2−d]ピリミ
ジン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステ
ルのDCM(2mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、1mL)を加えた。その混
合物を、室温で、4時間撹拌した。溶媒を除去して、定量的に、2−アミノ−3−(4−
クロロフェニル)−1−(4−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル−ピペラジン
−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩を得た。MS(ESI+)[M+H]
+
20
4
02。
【0262】
(実施例26)
【0263】
【化73】
30
(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5H−ピロロ[3,2−d
]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調
製)
(工程1)
4,6−ジクロロ−5−アミノピリミジン(1g、6.1mmol)のTEA(2mL
)およびトルエン(10mL)溶液に、1−Boc−ピペラジン(2.3g、12.3m
mol)を加えた。その混合物を12時間還流した。溶媒を除去し、その残渣をシリカゲ
40
ルクロマトグラフィーにかけて、生成物である4−(5−アミノ−6−クロロピリミジン
−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(1.9g、99%)
を得た。
【0264】
【化74】
(工程2)
4−(5−アミノ−6−クロロピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸
50
(74)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
第三級ブチルエステル(1g、3.19mmol)およびTMS−アセチレン(1.5g
、15mmol)のTEA(10mL)およびTHF(30mL)溶液に、N2 下にて、
PdCl2 (PPh3 )2 (0.33g、0.47mmol)およびCuI(0.1g、
0.53mmol)を加えた。その混合物を、20時間にわたって、80℃まで加熱した
。溶媒を除去し、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、生成物である4−
(5−アミノ−6−トリメチルシラニルエチニル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン
−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.3g、25%)を得た。
【0265】
【化75】
10
(工程3)
t
BuOK(0.063g、0.56mmol)のNMP(4mL)溶液に、N2 下に
て、NMP(1mL)中の4−(5−アミノ−6−トリメチルシラニルエチニル−ピペラ
ジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.1g、0.
27mmol)を加えた。その混合物を、室温で、4時間激しく撹拌した。その反応を水
(1mL)および酢酸エチル(50mL)でクエンチした。NMPがなくなるまで、有機
相をブラインおよび水で洗浄し、次いで、MgSO4 、濾過し、そして濃縮した。その残
20
渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、生成物である4−(5H−ピロロ[3,2
−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(4
3mg、53%)を得た。
【0266】
【化76】
30
(工程4)
4−(5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボ
ン酸第三級ブチルエステル(43mg、0.14mmol)のDCM(4mL)溶液に、
ジオキサン中のHCl(4M、1mL)を加えた。その混合物を、室温で、4時間撹拌し
た。溶媒を除去し、その残渣を、TEA(2mL)、Boc−D−Phe(4−Cl)−
OH(43mg、0.14mmol)、HOBT(30mg、0.222mmol)およ
びEDCI(41mg、0.214mmol)(DCM(5mL)中)で処理した。この
混合物を、室温で、12時間撹拌した。溶媒を除去し、その残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィーにかけて、生成物である{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4
−(5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−エ
40
チル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(30mg、44%)を得た。
【0267】
【化77】
(工程5)
50
(75)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4−(5H−ピロロ[3,2−d
]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−カルバミン酸第三級ブ
チルエステルのDCM(4mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、1mL)を加え
、そして4時間撹拌した。溶媒を除去して、定量的に、2−アミノ−3−(4−クロロフ
ェニル)−1−[4−(5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジ
ン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を得た。MS(ESI+)[M+H]
+
385。
【0268】
(実施例27)
【0269】
10
【化78】
(2−アミノ−3−4−クロロフェニル)−1−[(1H−ピロロ[3,2−b]ピリ
ジン−7−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オンの調製)
(工程1)
20
4−ヒドロキシ−3−ニトロ−ピリジン(2g、14mmol)のPOCl3 (6mL
)溶液に、PCl5 (2.5g、12mmol)を加えた。その混合物を、3時間にわた
って、還流状態まで加熱した。溶媒を蒸発させ、その残渣を氷水で冷却し、そして水(3
mL)およびCHCl3 (6mL)と共に激しく撹拌した。位相をCHCl3 (5×5m
L)で抽出した。有機相を合わせ、そしてMgSO4 で乾燥した。濾過した後、溶媒を除
去して、生成物である4−クロロ−3−ニトロ−ピリジン(2.24g、99%)を得た
。
【0270】
【化79】
30
(工程2)
4−クロロ−3−ニトロ−ピリジン(2g、13mmol)の乾燥THF(100mL
)溶液に、N2 下にて、−78℃で、過剰の臭化ビニルマグネシウム(1.0M、40m
L、40mmol)を加えた。その混合物を、−20℃で、8時間撹拌した後、この反応
を20%NH4 Cl(75mL)でクエンチした。水相を酢酸エチルで抽出した(3×1
00mL)。合わせた有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その残渣
をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、7−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピ
40
リジン(0.3g、16%)を得た。
【0271】
【化80】
(工程3)
7−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(40mg、0.262mmol)
のキシレン(4mL)およびTEA(1mL)溶液に、[1−(4−クロロベンジル)−
2−オキソ−2−ピペラジン−1−イル−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル
50
(76)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
(0.1g、0.27mol)を加えた。その混合物を6日間還流した。真空下にて溶媒
を除去し、その残渣をHPLCによる精製にかけて、{1−(4−クロロベンジル)−2
−オキソ−2−[4−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−7−イル)−ピペラジン
−1−イル]−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(10mg、8%)を得た
。
【0272】
【化81】
10
(工程4)
{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4−(1H−ピロロ[3,2−b
]ピリジン−7−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−カルバミン酸第三級ブチ
ルエステルのDCM(4mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、1mL)を加えた
。その混合物を、室温で、4時間撹拌した。溶媒を除去して、定量的に、生成物である2
−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリ
ジン−7−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オンを得た。MS(ESI
+)[M+H]
+
20
384。
【0273】
(実施例28)
【0274】
【化82】
30
(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6−ヨードチエノ[3,2
−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オンの調製)
(工程1)
LDA(1.8M、20.6mL、37.1mmol)のTHF(65mL)溶液に、
−78℃で、1時間にわたって、THF(50mL)中の4−クロロ−チエノ[3,2−
d]ピリミジン(5.26g、31mmol)を滴下した。20分間撹拌した後、その混
合物に、−78℃で、THF(40mL)中のI2 (12.7g、50mmol)を滴下
した。この混合物を、同じ温度で、20分間撹拌し、次いで、2時間にわたって、室温ま
で温めた。この混合物を水(100mL)に注ぎ、そして30分間撹拌した。固形物を濾
40
過し、水およびヘキサン−ヘキサン/DCM(50:1)で洗浄して、生成物である4−
クロロ−6−ヨードチエノ[3,2−d]ピリミジン(6.86g、75%)を得た。
1
H NMR(DMSO、400Hz)δ8.97(s、1H)、8.15(s、1H)。
【0275】
(工程2)
4−クロロ−6−ヨードチエノ[3,2−d]ピリミジン(0.22g、0.742m
mol)のDCE(5mL)/TEA(2mL)溶液に、[1−(4−クロロベンジル)
−2−オキソ−2−ピペラジン−1−イル−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステ
ル(25mg、0.68mmol)を加えた。その混合物を2時間還流した。溶媒を除去
し、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、生成物である{1−(4−クロ
50
(77)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ロベンジル)−2−[4−(6−ヨードチエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−
ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(
44mg、95%)を得た。
【0276】
【化83】
10
(工程3)
{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(6−ヨードチエノ[3,2−d]ピリミ
ジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三
級ブチルエステルのDCM(4mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、1mL)を
加えた。その混合物を、室温で、4時間撹拌した。溶媒を除去して、定量的に、生成物で
ある2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6−ヨードチエノ[3,2
−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オンを得た。
MS(ESI+)[M+H]
+
528。
【0277】
20
(実施例29)
【0278】
【化84】
30
(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6−プロパ−1−イニル−
チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1
−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
ZnBr2 (70mg、0.311mmol)のTHF(2mL)溶液に、室温で、臭
化プロパルギルマグネシウム(0.5M、0.6mL、0.3mmol)を加えた。20
分間撹拌した後、6−ヨードチエノ[3,2−d]ピリミジン(50mg、0.08mm
ol)を加えた。その混合物をN2 でフラッシュし、そしてPdCl2 (dppf)を加
えた。この混合物を、室温で、N2 下にて、12時間撹拌した。濾過した後、その濾液を
濃縮し、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、生成物である{1−(4−
40
クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4−(6−プロパ−1−イニル−チエノ[3,2
−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−カルバミン酸第三
級ブチルエステル(17mg、40%)を得た。
【0279】
【化85】
50
(78)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
(工程2)
{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4−(6−プロパ−1−イニル−
チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−カ
ルバミン酸第三級ブチルエステルのDCM(4mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4
M、1mL)を加えた。その混合物を4時間撹拌した。溶媒を除去して、定量的に、生成
物である2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6−プロパ−1−イニ
ル−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン
−1−オン二塩酸塩を得た。MS(ESI+)[M+H]
+
440。
【0280】
(実施例30)
10
【0281】
【化86】
(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6−チオフェン−3−イル
20
−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−
1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(6−ヨードチエノ[3,2−d]ピリミ
ジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル}−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三
級ブチルエステル(50mg、0.080mmol)のDMF(3mL)溶液に、2M Na2 CO3 (0.1mL)および3−チオフェニルボロン酸(15mg、0.117m
mol)を加えた。その混合物に、20分間にわたって、N2 を泡立たせ、次いで、Pd
(PPh3 )4 (10mg、0.012mmol)を加えた。この混合物を、12時間に
わたって、90℃まで加熱した。真空下にて溶媒を除去し、その残渣をシリカゲルクロマ
30
トグラフィーにかけて、生成物である{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−
[4−(6−チオフェン−3−イル−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−ピ
ペラジン−1−イル]−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(16mg、34
.4%)を得た。
【0282】
【化87】
40
(工程2)
生成物である{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4−(6−チオフェ
ン−3−イル−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]
−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステルのDCM(4mL)溶液に、ジオキサン
中のHCl(4M、1mL)を加えた。その混合物を、室温で、4時間撹拌した。溶媒を
除去して、定量的に、生成物である2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4
−(6−チオフェン−3−イル−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラ
ジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を得た。MS(ESI+)[M+H]
+
50
(79)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
484。
【0283】
(実施例31)
【0284】
【化88】
10
(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6−メチルスルファニル−
チエノ[3,−d]ピリミジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(6−ヨードチエノ[3,2−d]ピリミ
ジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三
級ブチルエステル(50mg、0.080mmol)、メチルチオール酸ナトリウム(1
2mg、2.15mmol)および1,3−ジ−第三級ブチル−プロパン−ジオン(94
0mg、0.22mmol)の溶液をN2 でパージした。NMP(2mL)およびCuC
l(5mg、0.05mmol)を加えた。その混合物を、3時間にわたって、130℃
20
まで加熱した。冷却した後、その反応物を酢酸エチルで希釈し、そして濾過した。その濾
液を、水、ブラインで洗浄し、そしてMgSO4 で乾燥した。濾過した後、溶媒を除去し
、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、生成物である{1−(4−クロロ
ベンジル)−2−[4−(6−メチルスルファニル−チエノ[3,2−d]ピリミジン−
4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチ
ルエステル.(20mg、46%)を得た。
【0285】
【化89】
30
(工程2)
{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(6−メチルスルファニル−チエノ[3,
2−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カ
ルバミン酸第三級ブチルエステルのDCM(4mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4
M、1mL)を加えた。その混合物を、室温で、4時間撹拌した。溶媒を除去して、定量
的に、生成物である2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6−メチル
スルファニル−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]
−プロパン−1−オン二塩酸塩を得た。MS(ESI+)[M+H]
【0286】
(実施例32)
【0287】
+
448。
40
(80)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化90】
(4−{4−[2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−プロピオニル]−ピペラジ
ン−1−イル}−チエノ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボニトリル二塩酸塩の調製
)
10
(工程1)
{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(6−ヨードチエノ[3,2−d]ピリミ
ジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三
級ブチルエステル(50mg、0.080mmol)のピリジン(5mL)溶液に、Cu
CN(20mg、0.223mmol)を加えた。その混合物を、N2 下にて、12時間
還流した。溶媒を除去し、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、{1−(
4−クロロベンジル)−2−[4−(6−シアノチエノ[3,2−d]ピリミジン−4−
イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエ
ステル(29mg、69%)を得た。
【0288】
20
【化91】
(工程2)
{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(6−シアノチエノ[3,2−d]ピリミ
ジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三
30
級ブチルエステルのDCM(4mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、1mL)を
加えた。その混合物を、室温で、10時間撹拌した。溶媒を除去し、その残渣をHPLC
による精製にかけて、4−{4−[2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−プロピオ
ニル]−ピペラジン−1−イル}−チエノ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボニトリ
ル二塩酸塩(12mg、44%)を得た。MS(ESI+)[M+H]
+
427。
【0289】
(実施例33)
【0290】
【化92】
40
(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6−メチルチエノ[3,2
−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩
の調製)
(工程1)
4−クロロ−6−ヨードチエノ[3,2−d]ピリミジン(0.5g、1.7mmol
50
(81)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
)のDCE(5mL)/TEA(1mL)溶液に、1−ベンジル−ピペラジン(0.3g
、1.69mmol)を加えた。その混合物を1時間還流した。溶媒を除去し、その残渣
をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−
6−ヨードチエノ[3,2−d]ピリミジン(0.65g、88%)を得た。
【0291】
【化93】
10
(工程2)
THF(10mL)中で真空乾燥したZnBr2 (0.5g、2.2mmol)の懸濁
液に、室温で、MeMgBr(3M、0.6mL、1.8mmol)を滴下した。添加後
、その混合物を1時間撹拌し、次いで、(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−6−
ヨードチエノ[3,2−d]ピリミジン(0.4g、0.92mmol)を加え、続いて
、N2 下にて、PdCl2 (dppf)(30mg)を加えた。この混合物を、2時間に
わたって、60℃まで加熱した。その反応を水でクエンチした。有機相を分離し、そして
MgSO4 で乾燥した。濾過した後、溶媒を除去し、その残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィーにかけて、生成物である4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−6−メチ
ルチエノ[3,2−d]ピリミジン(0.16g、54%)を得た。
20
【0292】
【化94】
(工程3)
4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−6−メチルチエノ[3,2−d]ピリ
ミジン(65mg、0.20mmol)のMeOH(10mL)溶液に、Pd/C(10
30
%、20mg)およびTFA(2滴)を加えた。その混合物を、H2 バルーン下にて、4
時間撹拌した。濾過により触媒を除き、その濾液を濃縮した。その残渣をDCM(6mL
)およびTEA(2mL)に溶解し、次いで、Boc−D−Phe(4−Cl)−OH(
59mg、0.20mmol)を加え、続いて、HOBT(50mg、0.37mmol
)およびEDCI(74mg、0.39mmol)を加えた。その混合物を、室温で、1
2時間撹拌した。溶媒を除去し、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、生
成物である{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(6−メチルチエノ[3,2−d
]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミ
ン酸第三級ブチルエステル(60mg、59%)を得た。
【0293】
40
【化95】
(工程4)
{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(6−メチルチエノ[3,2−d]ピリミ
ジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三
50
(82)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
級ブチルエステルのDCM(4mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、1mL)を
加えた。その混合物を4時間撹拌した。溶媒を除去して、定量的に、生成物である2−ア
ミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6−メチルチエノ[3,2−d]ピリ
ミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を得た。M
S(ESI+)[M+H]
+
416。
【0294】
(実施例34)
【0295】
【化96】
10
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1H−インダゾ
ール−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
20
(工程1)
5−アミノインダゾール(2.53g、19.0mmol)、ビス(2−クロロエチル
)アミン塩酸塩(3.60g、20.1mmol)およびエタノール(30mL)の混合
物を、還流状態で、一晩加熱した。この混合物を室温まで冷却した。Na2 CO3 (2.
14g、20.2mmol)を加え、その反応混合物を、還流状態で、8時間加熱した。
冷却した後、この混合物を濾過し、その濾液を真空中で蒸発させた。その残渣を1N H
Cl(100mL)に溶解し、そしてDCM(2×50mL)で抽出した。水相を4N NaOH(30mL)で塩基性にし、そしてEtOAcで抽出した(2×100mL)。
合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマ
トグラフィー(20:1のDCM/MeOH∼20:1:0.5のDCM/MeOH/E
30
t3 N)で精製して、褐色固形物として、5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾー
ル(1.26g、33%)を得た。
【0296】
【化97】
(工程2)
40
(D)−Boc−4−クロロフェニルアラニン(0.119g、0.396mmol)
および5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール(0.100g、0.494mm
ol)のDMF(5mL)溶液に、EDCI(0.152g、0.791mmol)、H
OBt(0.121g、0.791mmol)およびトリエチルアミン(0.110mL
、0.791mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、一晩撹拌した。この混合
物を、水とEtOAcとの間で分配した。水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層
を、NaHCO3 水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラ
ムクロマトグラフィー(80:1∼50:1のDCM/MeOH)で精製して、白色固形
物として、(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール
−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブ
50
(83)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
チルエステル(0.176g、92%)を得た。
【0297】
【化98】
10
(工程3)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テル(0.176g、0.364mmol)のDCM(10mL)溶液に、ジオキサン中
の4N HCl(1mL)を加えた。その混合物を、室温で、一晩撹拌し、次いで、蒸発
させた。得られた固形物をイソプロピルアルコール−エーテル(1:5)に懸濁し、そし
て30分間撹拌した。この混合物を濾過して、白色固形物として、(2R)−2−アミノ
−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1H−インダゾール−5−イル)−ピペラ
ジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩(0.151g、91%)を得た。
20
【0298】
【化99】
30
(実施例35)
【0299】
【化100】
40
((2S)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1H−インダゾ
ール−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
(D)−Boc−4−クロロフェニルアラニンを(L)−Boc−4−クロロフェニル
アラニンで置き換えて、実施例34、工程2で記述した手順により、(2S)−{1−(
4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イル)−ピペラジン−1
−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステルを調製した。
【0300】
50
(84)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化101】
(工程2)
10
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2S)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5
−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチル
エステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2S)−2−アミ
ノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1H−インダゾール−5−イル)−ピペ
ラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0301】
【化102】
20
(実施例36)
【0302】
【化103】
30
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1H−インダゾ
40
ール−6−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
5−アミノインダゾールを6−アミノインダゾールで置き換えて、実施例34、工程1
で記述した手順により、6−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを調製した。L
CMS(APCI+)m/z 203[M+H]
+
;Rt=1.53分間。
【0303】
(工程2)
5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを6−ピペラジン−1−イル−1H−
インダゾールで置き換えて、実施例34、工程2で記述した手順により、(2R)−{1
−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−6−イル)−ピペラジン
50
(85)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステルを調製した。
【0304】
【化104】
10
(工程3)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−6
−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチル
エステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−アミ
ノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1H−インダゾール−6−イル)−ピペ
ラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
20
【0305】
【化105】
(実施例37)
30
【0306】
【化106】
40
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1−メチル−1
H−インダゾール−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩
の調製)
(工程1)
5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール(0.34g、1.3mmol)の1
,4−ジオキサン(5mL)溶液に、3N NaOH(0.42mL、1.3mmol)
を加えた。0℃まで冷却した後、炭酸第三級ブチル(0.25g、1.3mmol)の1
,4−ジオキサン(1mL)溶液を滴下した。その反応混合物を、室温で、一晩撹拌し、
次いで、水に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機層を、NaHCO3 飽和
50
(86)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
水溶液、水、ブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマトグ
ラフィー(EtOAc:ヘキサン、1:1)で精製して、白色固形物として、4−(1H
−インダゾール−5−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.
31g、82%)を得た。
【0307】
【化107】
10
(工程2)
NaH(60%、4mg、0.1mmol)のDMF(0.5mL)撹拌懸濁液に、4
−(1H−インダゾール−5−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステ
ル(0.100g、0.33mmol)のDMF(1mL)溶液を滴下した。30分間撹
拌した後、ヨウ化メチル(0.026g、0.18mmol)を滴下した。その混合物を
、室温で、2時間撹拌し、次いで、EtOAcと水との間で分配した。水相をEtOAc
で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣を
カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、2:1)で精製して、白色固形物と
して、4−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−ピペラジン−1−カルボン
20
酸第三級ブチルエステル(0.023g、22%)を得た。
【0308】
【化108】
30
(工程3)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを4−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−ピペラジン−1−カルボン
酸第三級ブチルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、1−
メチル−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール二塩酸塩を調製した。LCMS
(APCI+)m/z 217[M+H]
+
;Rt=1.15分間。
【0309】
(工程4)
5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを1−メチル−5−ピペラジン−1−
イル−1H−インダゾール二塩酸塩で置き換えて、実施例34、工程2で記述した手順に
より、(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1−メチル−1H−イン
ダゾール−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸
第三級ブチルエステルを調製した。
【0310】
40
(87)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化109】
(工程5)
10
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1−メチル−1H−イン
ダゾール−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸
第三級ブチルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R
)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1−メチル−1H−インダ
ゾール−5−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した
。
【0311】
【化110】
20
(実施例38)
【0312】
30
【化111】
40
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−イソキノリン−6
−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
乾燥DME(2mL)中の6−ブロモイソキノリン(これは、以下の文献に従って、4
−ブロモベンズアルデヒドから調製した:Neiko Nerenzら(1998)J.
Chem.Soc.Perkin Trans.2、437−447、0.200g、0
.961mmol)、1−Bocピペラジン(0.215g、1.15mmol)、K3
PO4 (0.286g、1.35mmol)、(2’−ジシクロヘキシルホスファニル−
ビフェニル−2−イル)−ジメチルアミン(0.028g、0.072mmol)および
Pd2 dba3 (0.022g、0.024mmol)を充填した丸底フラスコを、N2
50
(88)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
下にてパージし、そして還流状態で、5時間加熱した。冷却した後、その混合物を、Et
OAcとH2 Oとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した
。その残渣をカラムクロマトグラフィー(1:1のヘキサンs/EtOAc、)で精製し
て、白色固形物として、4−イソキノリン−6−イル−ピペラジン−1−カルボン酸第三
級ブチルエステル(0.210g、70%)を得た。
【0313】
【化112】
10
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを4−イソキノリン−6−イル−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル
で置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、6−ピペラジン−1−イル−
イソキノリン二塩酸塩を調製した。
20
【0314】
【化113】
(工程3)
5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを6−ピペラジン−1−イル−イソキ
30
ノリン二塩酸塩で置き換えて、実施例34、工程2で記述した手順により、(2R)−[
1−(4−クロロベンジル)−2−(4−イソキノリン−6−イル−ピペラジン−1−イ
ル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルを調製した。
【0315】
【化114】
40
(工程4)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−[1−(4−クロロベンジル)−2−(4−イソキノリン−6−イル−
ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルで
置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−アミノ−3−(
4−クロロフェニル)−1−(4−イソキノリン−6−イル−ピペラジン−1−イル)−
50
(89)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0316】
【化115】
10
(実施例39)
【0317】
【化116】
20
((2R)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−イソキノ
リン−6−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを6−ピペラジン−1−イル−イソキ
ノリン二塩酸塩で置き換え、そして(D)−Boc−4−クロロフェニルアラニンを(D
)−Boc−トリプトファンで置き換えて、実施例34、工程2で記述した手順により、
(2R)−[1−(1H−インドール−3−イルメチル)−2−(4−イソキノリン−6
30
−イル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエ
ステルを調製した。
【0318】
【化117】
40
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−[1−(1H−インドール−3−イルメチル)−2−(4−イソキノリ
ン−6−イル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブ
チルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−
アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(4−イソキノリン−6−イル−ピ
50
(90)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0319】
【化118】
10
(実施例40)
【0320】
【化119】
20
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メチルスル
ファニルピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸
塩の調製)
(工程1)
4−クロロ−5−ヨードピリミジン(3.00g、12.5mmol)(これは、以下
の文献に従って、4(3H)−ピリミジノンから調製した:Takao Sakamot
oら(1986)Chem.Pharm.Bull.,2719−2724)、Et3 N
(5.22mL、37.4mmol)、1−Bocピペラジン(2.79g、15.0m
30
mol)およびNMP(30mL)の混合物を、75℃で、6時間加熱した。冷却した後
、その反応混合物を、EtOAcと水との間で分配した。水相をEtOAcで抽出した。
合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマ
トグラフィー(2:1のヘキサン/EtOAc)で精製して、白色固形物として、4−(
5−ヨード−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステ
ル(4.81g、99%)を得た。
【0321】
【化120】
40
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを4−(5−ヨード−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級
ブチルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、5−ヨード−
4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン二塩酸塩を調製した。
【0322】
50
(91)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化121】
(工程3)
5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを5−ヨード−4−ピペラジン−1−
イル−ピリミジン二塩酸塩で置き換えて、実施例34、工程2で記述した手順により、(
2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−ヨードピリミジン−4−イル
10
)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステ
ルを調製した。
【0323】
【化122】
20
(工程4)
丸底フラスコに、メタンチオール酸ナトリウム(17mg、0.25mmol)、(2
R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−ヨードピリミジン−4−イル)
−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル
(71mg、0.12mmol)および2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタン−3,
5−ジオン(6mg、0.25当量)を充填した。真空パージしてN2 を再充填した後、
この混合物に、NMP(3mL)およびCuCl(6mg、0.06mmol)を加えた
。その反応物を、130℃で、1時間撹拌した。冷却した後、その反応混合物をEtOA
cで希釈し、そしてセライトで濾過した。その濾液をブラインで洗浄し、Na2 SO4 で
乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。その残渣をフラッシュカラムクロマトグラフ
30
ィー(1:1のヘキサン/EtOAc)で精製して、無色粘性物質として、(2R)−{
1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−メチルスルファニルピリミジン−4−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テル(24mg、39%)を得た。
【0324】
【化123】
40
(工程5)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−メチルスルファニルピ
リミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸
第三級ブチルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R
)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メチルスルファニルピ
リミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製し
50
(92)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
た。
【0325】
【化124】
10
(実施例41)
【0326】
【化125】
20
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−フェニルピ
リミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
(2R)−1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−ヨードピリミジン−4−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テル(0.150g、0.262mmol)、フェニルボロン酸(0.042g、0.3
41mmol)および2N炭酸ナトリウム溶液(0.34mL、0.68mmol)をD
ME(3mL)中で撹拌し、その混合物を、15分間にわたって、N2 で脱気した。テト
ラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.015g、0.013mmo
30
l)を加え、この混合物を、80℃で、24時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し
、そしてDCMと水との間で分配した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機層をNa
HCO3 飽和水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィー(これは、ヘキサン:EtOAc(3:1∼1:1)で溶出し
た)で精製して、無色油状物として、(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−オ
キソ−2−[4−(5−フェニルピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−エ
チル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(0.074g、54%)を得た。
【0327】
【化126】
40
(工程2)
(2R)−1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イル
)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステ
ルを(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4−(5−フェニル
50
(93)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−カルバミン酸第三級ブチ
ルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−ア
ミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−フェニルピリミジン−4−イル)
−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0328】
【化127】
10
(実施例42)
【0329】
【化128】
20
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−チオフェン
−3−イル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二
塩酸塩の調製)
(工程1)
フェニルボロン酸を3−チオフェンボロン酸で置き換えて、実施例41、工程1で記述
した手順により、(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4−(
5−チオフェン−3−イル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル
30
}−カルバミン酸第三級ブチルエステルを調製した。
【0330】
【化129】
40
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4−(5−チオフェ
ン−3−イル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−カルバミ
ン酸第三級ブチルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(
2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−チオフェン−3−
イル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩
を調製した。
50
(94)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【0331】
【化130】
(実施例43)
【0332】
10
【化131】
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−フェノキシ
20
ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製
)
丸底フラスコに、フェノール(33mg、0.35mmol)、(2R)−{1−(4
−クロロベンジル)−2−[4−(5−ヨードピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1
−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(100mg、0
.175mmol)、Cs2 CO3 (114mg、0.350mmol)および2,2,
6,6−テトラメチル−ヘプタン−3,5−ジオン(8mg、0.25当量)を充填した
。真空パージしてN2 を再充填した後、この混合物に、NMP(3mL)およびCuCl
(9mg、0.09mmol)を加えた。その反応物を、130℃で、2時間撹拌した。
冷却した後、この反応物をEtOAcで希釈し、そして濾過した。その濾液を水、ブライ
30
ンで洗浄し、そして乾燥した。溶媒を蒸発させ、続いて、フラッシュカラムクロマトグラ
フィー(10:1のDCM/MeOH)にかけると、遊離塩基として、表題化合物が得ら
れ、これを、ジオキサン中の4N HClで処理することにより、二塩酸塩(36mg、
38%)に変換した。
【0333】
【化132】
(実施例44)
【0334】
40
(95)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化133】
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−ヨードピリ
10
ミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−ヨードピリミジン−4
−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチル
エステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、表題化合物を調製し
た。
【0335】
【化134】
20
(実施例45)
【0336】
【化135】
30
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1[4−(5−クロロピリミ
ジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
4−クロロ−5−ヨードピリミジンを4,5−ジクロロピリミジン(これは、以下の文
献に従って、5−クロロピリミジン−4−オールから調製した:Chestfield J.ら(1955)J.Chem.Soc.Abstracts,3478−3481)
で置き換え、そして1−Bocピペラジンを[1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ
−2−ピペラジン−1−イル−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルで置き換え
て、実施例40、工程1で記述した手順により、(2R)−1−(4−クロロベンジル)
−2−[4−(5−クロロピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキ
ソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステルを調製した。
【0337】
40
(96)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化136】
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
10
テルを(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−クロロピリミジン−
4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチ
ルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−ア
ミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−クロロピリミジン−4−イル)−
ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0338】
【化137】
20
(実施例46)
【0339】
【化138】
30
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−フルオロピ
リミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
4−クロロ−5−ヨードピリミジンを4−クロロ−5−フルオロピリミジン(これは、
以下の文献に従って、5−フルオロピリミジン−4−オールから調製した(Kheife
ts,G.M.ら、2000,Russian J.Org.Chem.,1373−1
387))で置き換え、そして1−Bocピペラジンを[1−(4−クロロベンジル)−
2−オキソ−2−ピペラジン−1−イル−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル
で置き換えて、実施例40、工程1で記述した手順により、(2R)−{1−(4−クロ
ロベンジル)−2−[4−(5−フルオロピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イ
ル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステルを調製した。
【0340】
40
(97)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化139】
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
10
テルを(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−フルオロピリミジン
−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブ
チルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−
アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(S−フルオロピリミジン−4−イル
)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0341】
【化140】
20
(実施例47)
【0342】
【化141】
30
((2R)−2−アミノ−1−[4−(5−ベンジルオキシピペリジン−4−イル)−
ピペラジン−1−イル]−3−(4−クロロフェニル)−プロパン−1−オン二塩酸塩の
調製)
(工程1)
4−(5−ヨード−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチ
ルエステル(780mg、2.00mmol)、CuI(38mg、0.20mmol)
、1,10−フェナントロリン(72mg、0.4mmol)、Cs2 CO3 (912m
g、2.8mmol)、ベンジルアルコール(0.62mL、6.0mmol)およびト
ルエン(2mL)を充填した封管を、110℃で、40時間加熱した。得られた懸濁液を
室温まで冷却し、そしてシリカゲルパッドで濾過し、EtOAcで溶出した。溶媒を蒸発
させ、続いて、シリカゲルクロマトグラフィー(10:1のヘキサン/EtOAc)にか
けると、白色固形物として、4−(5−ベンジルオキシピリミジン−4−イル)−ピペラ
ジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.640g、86%)が得られた。
【0343】
40
(98)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化142】
(工程2)
(2R)−1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イル
)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステ
ルを4−(5−ベンジルオキシピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第
10
三級ブチルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、5−ベン
ジルオキシ−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン二塩酸塩を調製した。LCMS(A
PCI+)m/z 271[M+H]
+
;Rt=1.64分間。
【0344】
(工程3)
5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを5−ベンジルオキシ−4−ピペラジ
ン−1−イル−ピリミジン二塩酸塩で置き換えて、実施例34、工程2で記述した手順に
より、(2R)−[2−[4−(5−ベンジルオキシピリミジン−4−イル)−ピペラジ
ン−1−イル]−1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第
三級ブチルエステルを調製した。
20
【0345】
【化143】
(工程4)
30
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−[2−[4−(5−ベンジルオキシピリミジン−4−イル)−ピペラジ
ン−1−イル]−1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第
三級ブチルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)
−2−アミノ−1−[4−(5−ベンジルオキシピリミジン−4−イル)−ピペラジン−
1−イル]−3−(4−クロロフェニル)−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0346】
【化144】
(実施例48)
【0347】
40
(99)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化145】
((2R)−2−アミノ−1−[4−(5−アミノピリミジン−4−イル)−ピペラジ
10
ン−1−イル]−3−(4−クロロフェニル)−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを4−(5−アミノピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブ
チルエステル(これは、U.S.5,563,142で記述した手順に従って、4,6−
ジクロロ−ニトロピリミジンから調製した)で置き換えて、実施例34、工程3で記述し
た手順により、4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−5−イルアミン二塩酸塩を調製
した。LCMS(APCI+)m/z 180[M+H]
+
;Rt=1.12分間。
【0348】
20
(工程2)
5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを4−ピペラジン−1−イル−ピリミ
ジン−5−イルアミン二塩酸塩で置き換えて、実施例34、工程2で記述した手順により
、(2R)−[2−[4−(5−アミノピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル
]−1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエ
ステルを調製した。
【0349】
【化146】
30
(工程3)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−[2−[4−(5−アミノピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−
イル]−1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチ
ルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−ア
ミノ−1−[4−(5−アミノピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−3−
(4−クロロフェニル)−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0350】
40
(100)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化147】
(実施例49)
【0351】
10
【化148】
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メトキシピ
20
リミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
4−(5−ベンジルオキシピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三
級ブチルエステル(0.540g、1.46mmol)のMeOH(20mL)撹拌溶液
に、N2 下にて、炭素上10%Pd(40mg)を慎重に加えた。反応容器を真空下にて
脱気し、次いで、バルーンを使用して、水素雰囲気下に置いた。その混合物を、室温で、
2時間撹拌した。この時点で、水素ガスを脱気し、そして濾過により触媒を除去した。そ
の濾液を濃縮した。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:1のヘキサン/Et
OAc)で精製して、白色固形物として、4−(5−ヒドロキシピリミジン−4−イル)
−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.390g、95%)を得た。
30
【0352】
【化149】
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
40
テルを4−(5−ヒドロキシピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三
級ブチルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、4−ピペラ
ジン−1−イル−ピリミジン−5−オール二塩酸塩を調製した。LCMS(APQI+)
m/z 181[M+H]
+
;Rt=1.15分間。
【0353】
(工程3)
5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを4−ピペラジン−1−イル−ピリミ
ジン−5−オール二塩酸塩で置き換えて、実施例34、工程2で記述した手順により、(
2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−ヒドロキシピリミジン−4−
イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエ
50
(101)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ステルを調製した。
【0354】
【化150】
10
DMF(2mL)中のヨウ化メチル(18mg、0.13mmol)、K2 CO3 (1
8mg、0.13mmol)および(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4
−(5−ヒドロキシピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エ
チル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(50mg、0.11mmol)の混合物を
、室温で、1時間撹拌した。その反応混合物を水で希釈し、そしてEtOAcで抽出した
。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をフラッシュ
クロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、1:1)で精製して、無色油状物として、
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−メトキシピリミジン−4−
イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエ
ステル(20mg、39%)を得た。
20
【0355】
【化151】
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−、エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエ
30
ステルを(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−メトキシピリミジ
ン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級
ブチルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)−2
−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メトキシピリミジン−4−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0356】
【化152】
(実施例50)
【0357】
40
(102)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化153】
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−イソプロポ
10
キシピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の
調製)
(工程1)
ヨウ化メチルを臭化イソプロピルで置き換えて、実施例49、工程2で記述した手順に
より、(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−イソプロポキシピリ
ミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第
三級ブチルエステルを調製した。
【0358】
【化154】
20
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
30
テルを(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−イソプロポキシピリ
ミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第
三級ブチルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)
−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−イソプロポキシピリミジ
ン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0359】
【化155】
(実施例51)
【0360】
40
(103)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化156】
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メチルピリ
10
ミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
DMF(2mL)中の(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−ヨ
ードピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバ
ミン酸第三級ブチルエステル(0.070g、0.12mmol)、メチルボロン酸(0
.022g、0.37mmol)、K2 CO3 (0.085g、0.61mmol)およ
びPdCl2 (PPh3 )2 (0.0086g、0.012mmol)の混合物を、10
0℃で、窒素下にて、16時間加熱した。その混合物を室温まで冷却し、そしてEtOA
cと水との間で分配した。有機層をNaHCO3 飽和水溶液およびブラインで洗浄し、乾
燥し、そして濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、DCM/M
20
eOH(70:1)で溶出した)で精製して、無色油状物として、(2R)−{1−(4
−クロロベンジル)−2−[4−(5−メチルピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1
−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(0.022g、
39%)を得た。
【0361】
【化157】
30
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−メチルピリミジン−
4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチ
ルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−ア
ミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メチルピリミジン−4−イル)−
ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
40
【0362】
【化158】
(実施例52)
【0363】
50
(104)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化159】
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−シンノリン−4−
10
イル−ピペラジン−1−イル−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
NaH(鉱油中で60%、0.099g、2.46mmol)のDMF(5mL)懸濁
液に、DMF(2mL)中のシンノリン−4−オール(これは、米国特許第4,620,
000号で記述した手順に従って、2−アミノアセトフェノンから調製した;0.300
g、2.05mmol)を滴下した。その反応混合物を40℃で温め、そして30分間撹
拌した。冷却した後、DMF(2mL)中のN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイ
ミド(0.880g、2.46mmol)を加え、この反応混合物を、室温で、1時間撹
拌した。その混合物に1−Bocピペラジン(0.765g、4.11mmol)を加え
た。その反応物を、80℃で、4時間撹拌した。冷却した後、この混合物をEtOAcと
20
水との間で分配した。水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を、水、ブラインで
洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(1:1∼1:
3のヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色油状物として、4−シンノリン−4−イル
−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.246g、38%)を得た。
【0364】
【化160】
30
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを4−シンノリン−4−イル−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステルで
置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、4−ピペラジン−1−イル−シ
ンノリン二塩酸塩を調製した。
【0365】
【化161】
40
(工程3)
5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを4−ピペラジン−1−イル−シンノ
リン二塩酸塩で置き換えて、実施例34、工程2で記述した手順により、(2R)−[1
−(4−クロロベンジル)−2−(4−シンノリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)
−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルを調製した。
50
(105)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【0366】
【化162】
10
(工程4)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−[1−(4−クロロベンジル)−2−(4−シンノリン−4−イル−ピ
ペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルで置
き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−アミノ−3−(4
−クロロフェニル)−1−(4−シンノリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロ
パン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0367】
【化163】
20
(実施例53)
【0368】
30
【化164】
((2R)−2−アミノ−1−(4−シンノリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)
−3−フェニルプロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを4−ピペラジン−1−イル−シンノ
リン二塩酸塩で置き換え、そして(D)−Boc−4−クロロフェニルアラニンを(D)
−Boc−フェニルアラニンで置き換えて、実施例34、工程2で記述した手順により、
(2R)−[1−ベンジル−2−(4−シンノリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)
−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルを調製した。
【0369】
40
(106)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化165】
(工程2)
10
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル−カルバミン酸第三級ブチルエステ
ルを(2R)−[1−ベンジル−2−(4−シンノリン−4−イル−ピペラジン−1−イ
ル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルで置き換えて、実施例
34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−アミノ−1−(4−シンノリン−4
−イル−ピペラジン−1−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン二塩酸塩を調製した
。
【0370】
【化166】
20
(実施例54)
【0371】
【化167】
30
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(2−メチルキナ
ゾリン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
4−クロロ−5−ヨードピリミジンを4−クロロ−2−メチルキナゾリンで置き換え、
そして1−Bocピペラジンを[1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−ピペラ
ジン−1−イル−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルで置き換えて、実施例4
0、工程1で記述した手順により、(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4
−(2−メチルキナゾリン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル
}−カルバミン酸第三級ブチルエステルを調製した。
【0372】
40
(107)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化168】
(工程2)
10
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(2−メチルキナゾリン−
4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチ
ルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−ア
ミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(2−メチルキナゾリン−4−イル)−
ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0373】
【化169】
20
(実施例55)
【0374】
【化170】
30
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(2−クロロキナ
ゾリン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
4−クロロ−5−ヨードピリミジンを2,4−ジクロロキナゾリンで置き換え、そして
1−Bocピペラジンを[1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−ピペラジン−
1−イル−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルで置き換えて、実施例40、工
程1で記述した手順により、(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(2
−クロロキナゾリン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カ
ルバミン酸第三級ブチルエステルを調製した。
【0375】
40
(108)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化171】
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
10
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(2−クロロキナゾリン−
4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチ
ルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−ア
ミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(2−クロロキナゾリン−4−イル)−
ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0376】
【化172】
20
(実施例56)
【0377】
【化173】
30
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(2−メトキシキ
ナゾリン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(2−クロロキナゾリン−4−
イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエ
ステル(23mg、0.043mmol)のMeOH(1mL)溶液に、ジオキサン中の
4N HCl(1mL)を加えた。その混合物を、室温で、2日間撹拌し、次いで、蒸発
させて、白色固形物として、表題化合物(14mg、65%)を得た。
【0378】
40
(109)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化174】
(実施例57)
【0379】
【化175】
10
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−キノリン−4−イ
ル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オンの調製)
20
(工程1)
4−クロロキノリン(2.0g、12.2mmol)のトルエン(100mL)溶液に
、ピペラジン(7.98g、92.7mmol)を加えた。その反応混合物を還流状態ま
で加熱し、96時間撹拌し、その後、それを室温まで冷却し、次いで、0℃までさらに冷
却した。得られた混合物を濾過して、沈殿した塩酸塩を除去した。これらの塩をトルエン
で洗浄した後、合わせた濾液を10%酢酸水溶液(2×25mL)で洗浄した。合わせた
水性混合物をジエチルエーテル(25mL)で洗浄し、次いで、1M NaOHを加える
ことにより、pH8∼10まで塩基化した。得られた水性混合物をジクロロメタン(3×
25mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして
回転乾燥により濃縮した。その粗残渣である4−ピペラジニルキノリンを黄色固形物(2
.54g、97%)として得、さらに精製することなく、使用した。
1
30
H NMRは、文
献(Abel,M.D.ら、Journal of Heterocyclic Che
mistry(1996),33(2),415−420)で報告されたものと一致して
いた。
【0380】
(工程2)
Jonesチューブ(これは、4−ピペラジニルキノリン(1.0当量)のCHCl3
溶液に懸濁したPS−CDI(Argonaut、1.04mmol/g、2.2当量)
を含有する)に、固形Boc−保護アミノ酸(1.5当量)を加えた。その反応混合物を
、室温で、15時間振盪し、その後、それを真空濾過し、樹脂をCHCl3 でリンスし、
40
その濾液を回転乾燥により濃縮した。もし必要なら、その粗カップリング生成物をシリカ
(DCM/EtOAcまたはDCM/MeOH)で精製した。得られたBoc−アミノア
ミドを最小限のジオキサンに溶解し、そして4M HCl/ジオキサン(10当量)を加
えた。その懸濁液を5分間超音波処理し、そして室温で、12時間撹拌し、その後、それ
を、回転乾燥により濃縮した。固形物をエーテルに分散し、窒素圧を使って濾過により単
離し、そして減圧下にて乾燥して、塩酸塩として、対応する4−アミノアミドを得、これ
は、HPLCにより、90%純粋であった。Rt 2.36.MS(APCI+)[M+
H]
+
395。Rt 2.36.MS(APCI+)[M+H]
+
395。
【0381】
(実施例58)
50
(110)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【0382】
【化176】
10
(1−キナゾリン−4−イル−ピペリジン−4−カルボン酸(2−アミノ−エチル)−
(4−クロロベンジル)−アミド二塩酸塩の調製)
(工程1)
4−クロロ−キナゾリン(5.00g、30.4mmol)およびイソニペコ酸エチル
(4.78g、30.4mmol)のTHF(80mL)溶液に、外界温度で、トリエチ
ルアミン(12.7mL、91.1mmol)を加えた。12時間還流した後、その混合
物を真空中で濃縮し、得られた残渣を、DCMと0.1M NaOH水溶液との間で分配
した。分離したDCM層を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして真空中で濃縮した。
得られた固形物をEt2 Oに懸濁し、そして濾過して、1−キナゾリン−4−イル−ピペ
リジン−4−カルボン酸エチルエステル(8.0g、28.0mmol)を得た。この物
20
質をEtOH(50mL)およびTHF(50mL)に溶解し、続いて、H2 O(50m
L)中のNaOH(3.73g、93.4mmol)を加えた。12時間撹拌した後、そ
の混合物を1.0N HCl(93.5mL)で中和し、そして真空中で濃縮した。揮発
性有機物を除去した後、得られた水溶液中にて、白色沈殿物が形成される。固形物を濾過
により除き、そして空気乾燥して、1−キナゾリン−4−イル−ピペリジン−4−カルボ
ン酸(6.5g)を得た。
【0383】
【化177】
30
(工程2)
1−キナゾリン−4−イル−ピペリジン−4−カルボン酸(2.20g、8.55mm
ol)のDCM(40mL)懸濁液に塩化チオニル(1.37mL、18.8mmol)
を加えると、透明溶液が生じる。2時間撹拌した後、沈澱物が形成され、そして濾過によ
り除いて、白色固形物(2.0g)として、塩化1−キナゾリン−4−イル−ピペリジン
−4−カルボニル塩酸塩を得た。
【0384】
40
(工程3)
N−(2−アミノエチル)カルバミン酸第三級ブチル(1.00g、6.24mmol
)および4−クロロベンズアルデヒド(0.90g、6.37mmol)のDCE(10
mL)溶液を30分間撹拌し、続いて、NaBH(OAc)3 (1.98g、9.36m
mol)を一度に加えた。12時間撹拌した後、その混合物を、0.2N HClでpH
2まで酸性化し、そしてDCMで抽出した(3回、各々は捨てた)。酸性水層を2.0M
NaOHでpH10まで塩基化し、そしてDCMで抽出した。DCM抽出物を乾燥し(
Na2 SO4 )、濾過し、そして真空中で濃縮して、油状物(1.0g)として、[2−
(4−クロロベンジルアミノ)−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。
LCMS(APCI+)m/z 285、287[M+H]
+
。
50
(111)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【0385】
(工程4)
[2−(4−クロロベンジルアミノ)−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル
(180mg、0.63mmol)およびDMAP(154mg、1.26mmol)の
DCM(6.5mL)溶液(これは、氷浴で冷却した)に、塩化1−キナゾリン−4−イ
ル−ピペリジン−4−カルボニル塩酸塩(197mg、0.63mmol)を加えた。1
2時間撹拌した後、その混合物を、DCM(50mL)とH2 O(80mL)(これは、
1.0M HCl(1mL)を含有する)との間で分配した。DCM層を排水し、そして
酸性水層をDCMでさらに3回抽出した。合わせたDCM抽出物を乾燥し(Na2 SO4
)、濾過し、そして真空中で濃縮した。その粗製物質をクロマトグラフィー(SiO2 )
10
(これは、溶離液として、EtOAcを使用する)にかけて、{2−[(4−クロロベン
ジル)−(1−キナゾリン−4−イル−ピペリジン−4−カルボニル)−アミノ]−エチ
ル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(190mg)を得た。
【0386】
(工程5)
1−{2−[(4−クロロベンジル)−(1−キナゾリン−4−イル−ピペリジン−4
−カルボニル)−アミノ]−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(190mg
、0.36mmol)をDCM(5mL)に溶解し、続いて、Et2 O中の2.0M H
Cl(2mL)を加えた。12時間撹拌した後、その混合物をDCEで希釈し、そして真
空中で濃縮した。次いで、得られた白色固形物をMeCNに懸濁し、そして真空中で濃縮
20
して(2回繰り返す)、白色粉末(120mg)として、1−キナゾリン−4−イル−ピ
ペリジン−4−カルボン酸(2−アミノ−エチル)−(4−クロロベンジル)−アミド二
塩酸塩を得た。
【0387】
【化178】
30
(実施例59)
【0388】
【化179】
40
(2−(R)−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1H−ピロロ[2
,3−b]ピリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸
塩の調製)
(工程1)
4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(2.50g、16.4mmol)
およびN−ベンジルピペラジン(3.18g、18.0mmol)の混合物を、175℃
で、封管中にて、3時間溶融すると、結晶性固形塊が形成された。0.1M NaOH水
50
(112)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
溶液(10mL)を加え、この固形物を壊して、懸濁液を得た。濾過すると、白色固形物
(3.90g)として、4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[
2,3−b]ピリジンが得られた。LCMS(APCI+)m/z 293[M+H]
+
。
【0389】
(工程2)
4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
(3.90g、13.3mmol)およびPd(OH)2 /C(937mg、1.33m
mol)のMeOH(60mL)溶液を、1気圧のH2 下にて、2日間撹拌した。その混
合物をMeOHで希釈し、ケイソウ土で濾過し、その濾液を真空中で濃縮して、固形物(
10
100mg、遊離塩基として保持した)として、4−ピペラジン−1−イル−1H−ピロ
ロ[2,3−b]ピリジンを得た。残留している物質をMeOHに懸濁し、そしてEt2
O中の2.0M HClで処理した。この混合物を真空中で濃縮して、4−ピペラジン−
1−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン二塩酸塩(2.30g)を得た。
【0390】
【化180】
20
(工程3)
(R)−N−Boc−4−クロロフェニルアラニン(458mg、1.53mmol)
および4−ピペラジン−1−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(200mg、
0.73mmol)のDCM(5mL)溶液(これは、氷浴で冷却した)に、PyBro
p(407mg、0.87mmol)を一度に加えた。次いで、DIEA(0.66mL
、3.78mmol)を中に入れ、氷浴を取り除き、その混合物を、外界温度で、12時
間撹拌した。この混合物をDCMで希釈し、そして0.1N HClで洗浄した。分離し
たDCM層を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして真空中で濃縮した。この物質をM
eOH(4mL)に溶解し、続いて、H2 O(2mL)中のLiOH一水和物(122m
30
g、2.91mmol)を加え、そして12時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮し
、そしてクロマトグラフィー(SiO2 )(これは、溶離液として、2%MeOH/DC
Mを使用し、続いて、5%MeOH/DCMを使用する)にかけた。得られた物質をDC
M(4mL)および2.0M HCl(Et2 O(2mL)中)に溶解し、次いで、12
時間撹拌した。この混合物を真空中で濃縮し、そしてクロマトグラフィー(SiO2 )(
これは、溶離液として、10%MeOH/DCMを使用し、続いて、10%(MeOH中
で7N NH3 )/DCMを使用する)にかけた。精製した物質をMeOHに溶解し、続
いて、Et2 O中の2.0N HClを加え、次いで、真空中で濃縮した。得られたガラ
ス状物をEt2 Oに懸濁し、そして真空中で濃縮して(2回繰り返す)、灰白色粉末(5
0mg)として、2−(R)−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1H
40
−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1
−オン二塩酸塩を得た。
【0391】
【化181】
(実施例60)
50
(113)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【0392】
【化182】
(3−アミノ−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−2−p−
10
トリル−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
ジイソプロピルアミン(9.4mL、67.0)のTHF(280mL)0℃溶液に、
n−BuLi(ヘキサン中で1.60M、40.7mL、65.1mmol)を加えた。
その混合物を、0℃で、30分間撹拌し、次いで、−78℃まで冷却した。この−78℃
LDA溶液に、注射器により、p−トリル−酢酸メチルエステル(10.48g、63.
8mmol;これは、p−トリル−酢酸から調製した)のTHF(10mL)溶液を加え
、これを、次いで、45分間撹拌した、注射器により、純粋なブロモ酢酸第三級ブチル(
28mL)を加え、その反応物を、−78℃で、15分間撹拌した。浴を取り除き、この
反応物を室温まで温めた。さらに5時間撹拌した後、その反応混合物をNH4 Cl飽和溶
20
液でクエンチし、そして真空中で有機物を除去した。その油状混合物を酢酸エチルで抽出
し、そして有機物を合わせた。この有機物をMgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中
で濃縮した。その粗油状物をシリカゲル(25:1のヘキサン:EtOAc)で精製して
、淡黄色油状物(15.3g、86%)として、2−p−トリル−コハク酸4−第三級ブ
チルエステル1−メチルエステルを得た。
【0393】
【化183】
30
(工程2)
2−p−トリル−コハク酸4−第三級ブチルエステル1−メチルエステル(15.3g
、54.8mmol)のDCM(110mL)溶液を、室温で、純粋TFA(63mL)
で処理した。その混合物を完結するまで5時間撹拌し、その後、この反応混合物を濃縮し
、そして真空中で一晩乾燥して、白色固形物を得た。この固形物をトルエン190mLに
懸濁し、0℃まで冷却し、そしてジフェニルホスホリルアジド(13.4mL、62.1
mmol)およびトリエチルアミン(19.7mL、141mmol)で連続的に処理し
40
た。この反応混合物(均一)を室温まで温め、そして完結するまで4時間撹拌した。その
溶液を1%クエン酸溶液でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機物を
ブラインで洗浄して、Na2 SO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮して、淡褐色
油状物を得た。その粗アジドを第三級ブタノール190mLに溶解し、純粋SnCl4 (
0.25mL、2.82mmol)で処理し、そして窒素の発生と共に、90℃まで慎重
に加熱した。この混合物を、90℃で、2.5時間撹拌し、そして室温まで冷却した。そ
の溶液をNaHCO3 飽和溶液でクエンチし、次いで、濃縮した。その油状混合物をEt
OAcで抽出し、そして合わせた有機物をブラインで洗浄し、MgSO4 で乾燥し、濾過
し、そして真空中で濃縮した。その残渣をシリカゲル(9:1のヘキサン:EtOAc)
で精製して、淡黄色油状物(12.3g、74%)として、3−第三級ブトキシカルボニ
50
(114)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ルアミノ−2−p−トリル−プロピオン酸メチルエステルを得た。
【0394】
【化184】
(工程3)
この3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−p−トリル−プロピオン酸メチルエス
10
テル(12.3g、41.9mmol)を1:1のTHF:水(200mL)に溶解し、
そして室温で、水酸化リチウム一水和物(2.64g、62.9mmol)で処理した。
その反応物を、室温で、完結するまで一晩撹拌し、そして真空中で濃縮した。その油状混
合物を水で分配し、そしてEtOAc(捨てた)で洗浄した。水性物を、pH<2になる
まで、固形KHSO4 で処理し、次いで、EtOAcで抽出した。合わせた有機物をNa
2
SO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮して、白色固形物(10.95g、93
%)として、3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−p−トリル−プロピオン酸を得
た。
【0395】
【化185】
20
(工程4)
この4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン二塩酸塩(50mg、0.174mmol
、2N NaOHで遊離塩基にし、そしてDCMで抽出した)、HOBt一水和物(27
mg、0.174mmol)および3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−p−トリ
30
ル−プロピオン酸(58mg、0.209mmol)をDCM(1.3mL)/THF(
3∼5滴)に溶解した。その反応混合物をDCC(43mg、0.209mmol)で処
理し、そして完結するまで、室温で、2.5時間撹拌した。この混合物をDCMで希釈し
、圧縮セライトで真空濾過し、そしてDCMでリンスした。その濾液を、2N 水酸化ナ
トリウム溶液と共に、5分間撹拌し、分液漏斗に移し、そしてDCMで抽出した。合わせ
た有機物をNa2 SO4 で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その残渣をシリカゲル(1
:19のDCM:EtOAc)で精製して、3−Boc−アミノ−1−(4−キナゾリン
−4−イル−ピペラジン−1−イル)−2−p−トリル−プロパン−1−オンを得た。こ
の物質を1,4−ジオキサン1.0mLに溶解し、そして1,4−ジオキサン(1.0m
L、沈殿)中の4M HClで処理した。この混合物を、完結するまで、室温で、一晩撹
拌し、次いで、乾燥状態まで濃縮した。固形物を最小限の量のMeOHに溶解し、次いで
、ジエチルエーテルで倍散した。得られた固形物を、窒素圧を使って、フリット付き漏斗
での濾過により単離し、エーテルでリンスし、そして真空乾燥して、淡黄色粉末(60m
g、77%)として、3−アミノ−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−
イル)−2−p−トリル−プロパン−1−オン二塩酸塩を得た。
【0396】
40
(115)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化186】
(実施例61)
【0397】
10
【化187】
(4−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペ
ラジン−1−イル)−ブタン−1−オンの調製)
(工程1)
20
(4−クロロフェニル)−酢酸(20.0g、106mmol)を、外界温度で、エタ
ノール220mLに溶解した。触媒量の硫酸(10滴)を加えて、淡黄色溶液を得た。そ
の反応物を完結するまで一晩撹拌し、そして30mLまで濃縮した。その濃縮物を酢酸エ
チルとNaHCO3 半飽和溶液との間で分配した。水性物を酢酸エチルで抽出し、そして
有機物を合わせた。この有機物を、水、ブラインで洗浄し、分離し、MgSO4 で乾燥し
、濾過し、そして真空中で濃縮して、淡黄色油状物(21.0g、99%)として、所望
の純粋な(4−クロロフェニル)−酢酸エチルエステルを得た。
【0398】
【化188】
30
(工程2)
(4−クロロフェニル)−酢酸エチルエステル(9.52g、47.9mmol)をT
HF(80mL)に溶解し、0℃まで冷却し、そしてカリウム第三級ブトキシド(538
mg、4.79mmol)で処理した。得られた橙色溶液を、0℃で、15分間撹拌し、
次いで、−78℃まで冷却した。10分間にわたって、3つの等しい部分で、アクリル酸
第三級ブチル(7.72mL、52.7mmol)を加えた。その溶液を一晩撹拌し、室
温まで温めた。この反応溶液を真空中で濃縮し、その残渣を、酢酸エチルとNH4 Cl飽
和溶液との間で分配した。水性物を酢酸エチルで抽出し、そして有機物を合わせた。この
有機物をブラインで洗浄し、分離し、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮
した。その残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;これは、9:1のヘキサン:EtO
Acで溶出した)で精製して、80%より高い純度(9.00g、57%)で、2−(4
−クロロフェニル)−ペンタン二酸5−第三級ブチルエステル1−エチルエステルを得た
。
【0399】
40
(116)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化189】
(工程3)
2−(4−クロロフェニル)−ペンタン二酸5−第三級ブチルエステル1−エチルエス
テル(9.00g、27.5mmol)を、室温で、DCM(40mL)に溶解し、そし
てTFA(40mL)でゆっくりと処理した。その溶液を、完結するまで、3時間撹拌し
10
、次いで、真空中で濃縮した。その残渣を、真空下にて、一晩保存し、次いで、トルエン
80mLに溶解した。この溶液を窒素下にて脱気し、0℃まで冷却し、それぞれ、トリエ
チルアミン(8.44mL、60.6mmol)で処理し、そしてジフェニルホスホリル
アジド(6.53mL、30.3mmol)で処理した。その反応物を室温まで温め、3
時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。その残渣を酢酸エチルに再溶解し、そして1w
/w%クエン酸溶液で洗浄した。有機物をMgSO4 で乾燥し、濾過し、そして濃縮して
(<30℃)、黄色油状物として、中間体アジドを得た。この物質を直ちに第三級ブタノ
ール80mLに溶解し、そしてSnCl4 (1.0M DCM溶液1.65mL、1.6
5mmol)で処理した。この溶液を、1時間にわたって、80℃まで加熱して、窒素ガ
スを発生させた。その反応混合物を飽和NaHCO3 (20mL)で処理し、そして真空
20
中で濃縮して、ゲルを得た。その残渣を酢酸エチルと水との間で分配し、水性物を酢酸エ
チルで抽出した。有機物をブラインで洗浄し、分離し、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そ
して真空中で濃縮した。その残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;これは、4:1の
ヘキサン:EtOAcで溶出した、Rf =0.20)で精製して、無色油状物(5.61
g、60%)として、純粋な4−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−(4−クロロフ
ェニル)−酪酸エチルエステルを得た。
【0400】
【化190】
30
(工程4)
4−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−(4−クロロフェニル)−酪酸エチルエス
テル(5.61g、16.4mmol)をTHF(40mL)および水10mLに溶解し
、次いで、0℃まで冷却した。その混合物を水酸化リチウム一水和物(1.38g、32
.8mmol)で処理して、黄色溶液を得た。氷浴を取り除き、この混合物を室温まで一
晩撹拌した。その反応混合物を約15mLまで濃縮し、そして水で希釈した。水性物を酢
酸エチル(捨てた)で洗浄し、次いで、酸性(pH=2∼3)になるまで、3M HCl
溶液で処理した。得られた白色沈殿物を酢酸エチルで抽出し、そして有機物を合わせた。
この有機物をブラインで洗浄し、分離し、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で
濃縮して、無色油状物として、4−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−(4−クロロ
フェニル)−酪酸を得た。この物質を最小限の量の温(60℃)ヘキサンに再溶解し、そ
して濃縮して、白色発泡体として、純粋な所望生成物を得た。
【0401】
40
(117)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化191】
(工程5)
4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン(60mg、0.21mmol)および4−第
三級ブトキシカルボニルアミノ−2−(4−クロロフェニル)−酪酸(62mg.0.2
1mmol)をDCM(1.5mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。その溶液を、
それぞれ、PyBrop(98mg、0.21mmol)およびDIEA(74μL、0
10
.42mmol)で処理した。その混合物を、一晩にわたって、室温まで温め、そして内
容物を酢酸エチルとNH4 Cl飽和溶液との間で分配した。水性物を酢酸エチルで抽出し
、そして有機物を合わせた。この有機物をNaHCO3 溶液で洗浄し、分離し、Na2 S
O4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。その残渣をクロマトグラフィー(シリ
カゲル;これは、ヘキサン/EtOAc勾配で溶出した)で精製して、無色油状物として
、この純粋なBoc−中間体を得た。この物質を1,4−ジオキサン1.0mLに溶解し
、そしてジオキサン中の4M HCl(1.0mL、2.79mmol)で処理した。そ
の溶液を、完結するまで、室温で、一晩撹拌した。得られた懸濁液をジエチルエーテルで
希釈し、そして真空濾過により単離した。固形物のパッドを、乾燥窒素流で乾燥させて、
白色固形物(32mg、37%)として、純粋な4−アミノ−2−(4−クロロフェニル
20
)−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−ブタン−1−オンビス
−塩酸塩を得た。この生成物の少量を、分析目的のために、遊離塩基にした。
【0402】
【化192】
30
(実施例62)
【0403】
【化193】
40
((3E)−4−フェニル−2−ピペラジン−1−イル−(4−キナゾリン−4−イル
)−ブタ−3−エン−1−オン三塩酸塩の調製)
(3E)−2−(4−Boc−ピペラジニル)−4−フェニルブタ−3−エン酸を使用
して、実施例1Aの調製について記述した手順により、(3E)−4−フェニル−2−ピ
50
(118)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ペラジン−1−イル−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−ブタ
−3−エン−1−オン三塩酸塩(17mg、47%)を調製した。LCMS(APCI+
)m/z 443[M+H]
+
。HPLC Rt 2.31分間。
【0404】
(実施例63)
【0405】
【化194】
10
(3−アミノ−4−フェニル−N−(1−キナゾリン−4−イル−ピペリジン−4−イ
ル)−ブチルアミド二塩酸塩の調製)
(工程1)
4−クロロキナゾリン(2.0g、12.2mmol)のIPA(45mL)溶液に、
Boc−4−アミノピペリジン(2.56g、12.8mmol)およびDIEA(3.
20
2mL、18.2mmol)を加えた。その反応混合物を還流状態まで加熱し、そして1
6時間撹拌し、その後、この反応混合物を室温まで冷却し、そして濃縮した。その残渣を
EtOAcに溶解し、水、1N NaOH、ブラインで洗浄し、乾燥し(Na2 SO4 )
、濾過し、そして濃縮して、4−(4−Boc−アミノピペリジン−1−イル)キナゾリ
ンを得、これを、次の工程で、直接使用した。
【0406】
(工程2)
粗4−(4−Boc−アミノピペリジン−1−イル)キナゾリンの1:1 ジオキサン
:DCM(40mL)溶液に、4M HCl/ジオキサン20mLを加えた。得られた懸
濁液を、室温で、14時間撹拌し、その後、それを乾燥状態まで濃縮し.その残渣を、D
30
CMおよび1M NaOH中にて撹拌し、相分離し、そして水相をDCMで抽出した。合
わせた有機相を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして濃縮した。その残渣をシリカゲ
ル(8:1のEtOAc:MeOH)で精製して、黄色油状物として、4−(4−アミノ
ピペリジン−1−イル)キナゾリン(2.7g、96%)を得た。
【0407】
【化195】
40
(工程3)
Boc−p−ホモフェニルアラニンを使用して、実施例1A、工程2に使用した手順に
従って、4−(4−アミノピペリジン−1−イル)キナゾリンから、3−アミノ−4−フ
ェニル−N−(1−キナゾリン−4−イル−ピペリジン−4−イル)−ブチルアミド二塩
酸塩(10mg、33%)を調製した。LCMS(APCI+)m/z 390[M+H
]
+
。HPLC Rt 1.94分間。
【0408】
(実施例64)
50
(119)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【0409】
【化196】
(3−アミノ−4−フェニル−N−(1−キナゾリン−4−イル−ピペリジン−4−イ
10
ルメチル)−ブチルアミド二塩酸塩の調製)
SN Ar工程にて4−Boc−アミノメチルピペリジンを使用して、実施例63の調製
について記述した手順により、3−アミノ−4−フェニル−N−(1−キナゾリン−4−
イル−ピペリジン−4−イルメチル)−ブチルアミド二塩酸塩(13mg、42%)を調
製した。LCMS(APCI+)m/z 404[M+H]
+
。HPLC Rt 1.9
8分間。
【0410】
(実施例65)
【0411】
【化197】
20
(3−アミノ−4−フェニル−1−[4−(キナゾリン−4−イルアミノ)−ピペリジ
ン−1−イル]−ブタン−1−オン二塩酸塩の調製)
SN Ar工程にて4−アミノ−1−Boc−ピペリジンを使用して、実施例63の調製
30
について記述した手順により、3−アミノ−4−フェニル−1−[4−(キナゾリン−4
−イルアミノ)−ピペリジン−1−イル]−ブタン−1−オン二塩酸塩(19mg、59
%)を調製した。LCMS(APCI+)m/z 390[M+H]
+
。HPLC Rt
2.24分間。
【0412】
(実施例66)
【0413】
【化198】
40
(3−アミノ−4−フェニル−1−[3−(キナゾリン−4−イルアミノ)−ピロリジ
ン−1−イル]−ブタン−1−オン二塩酸塩の調製)
SN Ar工程にて3−アミノ−Boc−ピロリジンを使用して、実施例63の調製につ
いて記述した手順により、3−アミノ−4−フェニル−1−[3−(キナゾリン−4−イ
ルアミノ)−ピロリジン−1−イル]−ブタン−1−オン二塩酸塩(16mg、51%)
50
(120)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
を調製した。LCMS(APCI+)m/z 376[M+H]
+
。HPLC Rt 2
.17分間。
【0414】
(実施例67)
【0415】
【化199】
10
(3−アミノ−4−フェニル−N−[3−(キナゾリン−4−イルアミノ)−プロピル
]−ブチルアミド二塩酸塩の調製)
SN Ar工程にてBoc−プロピレンジアミンを使用して、実施例63の調製について
記述した手順により、3−アミノ−4−フェニル−N−[3−(キナゾリン−4−イルア
ミノ)−プロピル]−ブチルアミド二塩酸塩(14mg、46%)を調製した。LCMS
(APCI+)m/z 364[M+H]
+
。HPLC Rt 2.14分間。
【0416】
20
(実施例68)
【0417】
【化200】
(3−アミノ−4−フェニル−N−[3−(キナゾリン−4−イルアミノ)−エチル]
30
−ブチルアミド二塩酸塩の調製)
SN Ar工程にてBoc−エチレンジアミンを使用して、実施例63の調製について記
述した手順により、3−アミノ−4−フェニル−N−[3−(キナゾリン−4−イルアミ
ノ)−エチル]−ブチルアミド二塩酸塩(11mg、37%)を調製した。LCMS(A
PCI+)m/z 350[M+H]
+
。HPLC Rt 2.07分間。
【0418】
(実施例69)
【0419】
【化201】
40
(3−アミノ−4−フェニル−N−(3−キナゾリン−4−イル−3−アザ−ビシクロ
[3.1.0]ヘキサ−6−イル)−ブチルアミド二塩酸塩の調製)
SN Ar工程にて(1α,5α,6α)−6−Boc−アミノ−3−アザビシクロ[3
50
(121)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
.1.0]ヘキサン(これは、以下の文献に従って、調製した:Tamim F.Bra
ishら、1996,1100−1102)を使用して、実施例63の調製について記述
した手順により、3−アミノ−4−フェニル−N−(3−キナゾリン−4−イル−3−ア
ザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)−ブチルアミド二塩酸塩(19mg、5
9%、ジアステレオマーの混合物)を調製した。LCMS(APCI+)m/z 388
[M+H]
+
。HPLC Rt 2.13、2.23分間。
【0420】
(実施例70)
【0421】
【化202】
10
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(7H−ピロロ[
2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二
20
塩酸塩の調製)
(工程1)
IPA(130mL)中に4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5.
0g、32.6mmol)、Boc−ピペラジン(15g、81mmol)およびDIE
A(19.8mL、114mmol)を含有する溶液を、80℃で、18時間撹拌し、そ
の後、その反応物を濃縮した。この粗製物をシリカゲル(20:1のDCM:MeOH)
でフラッシュして、黄色粉末を得、これを、MeOH/最低限のDCMから再結晶して、
白色結晶性固形物(3クロップ)として、4−Boc−ピペラジン−1−イル−7H−ピ
ロロ[2,3−d]ピリミジンを得た。
【0422】
30
【化203】
(工程2)
4−Boc−ピペラジン−1−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンのDCM
(225mL)溶液に、滴下漏斗により、4M HCl/ジオキサン120mLを滴下し
、そして得られた懸濁液を、室温で、18時間撹拌した。次いで、その反応混合物をエー
40
テルで希釈し、そして固形物を、窒素圧を使って、フリット付き漏斗での濾過により単離
し、エーテルでリンスし、そして真空乾燥して、白色粉末として、4−ピペラジン−1−
イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン二塩酸塩(8.44g、94%)を得た。
【0423】
【化204】
50
(122)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
(工程3)
4−ピペラジン−1−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン二塩酸塩(30m
g、0.11mmol)、HOBtH20(17mg、0.11mmol)、TEA(4
5μL、0.33mmol)および(D)−Boc−4−クロロフェニルアラニン(39
mg、0.13mmol)のDMF(1.6mL)溶液に、DCC(27mg、0.13
mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、4時間撹拌し、その後、それを濃縮し
た。その残渣をDCMに懸濁し、固形物を綿プラグで真空濾過することにより除去し、そ
してDCMでリンスした。その濾液を濃縮し、そして粗製物をシリカゲル(1:1∼1:
4のDCM:EtOAc)で精製して、(2R)−2−Boc−アミノ−3−(4−クロ
ロフェニル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペ
10
ラジン−1−イル]−プロパン−1−オンを得、これを、次の工程で使用した。
【0424】
(工程4)
(2R)−2−Boc−アミノ−3−4−クロロフェニル)−1−[4−7H−ピロロ
[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン
のジオキサン1mL溶液に、4M HCl/ジオキサン1mLを加えた。得られた懸濁液
を、室温で、一晩撹拌し、その後、それを乾燥状態まで濃縮した。その固形物を最小限の
MeOHに溶解し、次いで、エーテルで倍散した。得られた固形物を、窒素圧を使って、
フリット付き漏斗での濾過により単離し、エーテルでリンスし、そして真空乾燥して、ピ
ンク色粉末として、(2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(
20
7H−ピロロ[2,3−dlピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパ
ン−1−オン二塩酸塩(19mg、38%)を得た。
【0425】
【化205】
30
(実施例71)
【0426】
【化206】
40
((S)−2−アミノメチル−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(7H−ピロ
ロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オ
ン二塩酸塩の調製)
(工程1)
(4R,5S)−4−メチル−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(5.2g、
29mmol)のTHF(60mL)撹拌溶液に、−78℃で、N2 下にて、nBuLi
(ヘキサン中で1.6M、20mL、32mmol)を加えた。その溶液を、−78℃で
50
(123)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
、10mL撹拌し、次いで、塩化3−(4−クロロフェニル)−プロピオニル(6.0g
、29mmol)を加え、この混合物を、1時間にわたって、室温まで温めた。この溶液
をNH4 Cl飽和水溶液でクエンチし、DCM(2×200mL)に抽出し、Na2 SO
4
で乾燥し、そして真空中で濃縮した。その生成物をシリカカラムクロマトグラフィー(
50%EtOAc/ヘキサン)で精製して、(4R,5S)−3−[3−(4−クロロフ
ェニル)−プロピオニル]−4−メチル−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(4
.8g、48%)を得た。
【0427】
【化207】
10
(工程2)
(4R,5S)−3−[3−(4−クロロフェニル)−プロピオニル]−4−メチル−
5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(4.8g、14mmol)のTHF(200
mL)撹拌溶液に、−78℃で、N2 下にて、NaHMDS(1.0M、17mL、17
mmol)を加えた。−78℃で45分間撹拌し、次いで、10分間にわたって、ブロモ
−酢酸第三級ブチルエステル(2.5mL、17mmol)を滴下した。その溶液を、4
20
時間にわたって、−20℃まで温め、次いで、NH4 Cl飽和水溶液でクエンチした。そ
の生成物をEtOAc(2×300mL)に抽出し、Na2 SO4 で乾燥し、真空中で濃
縮し、そしてシリカカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)で精製し
て、(3S)−3−(4−クロロベンジル)−4−((4R、SS)−4−メチル−2−
オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−イル)−4−オキソ−酪酸第三級ブチルエ
ステル(5.1g、80%)を得た。
【0428】
【化208】
30
(工程3)
(3S)−3−(4−クロロベンジル)−4−((4R,5S)−4−メチル−2−オ
キソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−イル)−4−オキソ−酪酸第三級ブチルエス
テル(5.1g、11mmol)のDCM(100mL)溶液をTFA(50mL)で処
理し、そして室温で、1時間撹拌した。この溶液を真空中で濃縮し、トルエンに吸収させ
、次いで、真空中で濃縮した。高真空下に6時間置いて、(3S)−3−(4−クロロベ
40
ンジル)−4−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリ
ジン−3−イル)−4−オキソ−酪酸(4.5g、100%)を得た。
【0429】
【化209】
50
(124)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
(工程4)
(3S)−3−(4−クロロベンジル)−4−((4R,5S)−4−メチル−2−オ
キソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−イル)−4−オキソ−酪酸(1.0g、2.
5mmol)のPhMe(50mL)撹拌溶液に、0℃で、N2 下にて、NEt3 (70
0μL、5.0mmol)を加えた。これに続いて、ジフェニルホスホリルアジド(65
0μL、3.0mmol.)を加えた。その溶液を、0℃で、15分間撹拌し、次いで、
室温で、一晩撹拌した。この溶液を1%クエン酸で洗浄し、EtOAcに抽出し、そして
真空中で濃縮した。tBuOH(50mL)に吸収させ、SnCl4 (DCM中で1.0
M、0.1mL)を加え、撹拌し、そして85℃で、5時間加熱した。室温まで冷却し、
そして炭酸水素塩飽和水溶液でクエンチした。室温で10分間撹拌し、次いで、真空中で
10
濃縮した。その生成物を水(100mL)に吸収させ、EtOAc(2×200mL.)
に抽出し、Na2 SO4 で乾燥し、そして真空中で濃縮した。その生成物をシリカカラム
クロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)で精製し、次いで、Biotage
で精製して、[(2S)−2−(4−クロロベンジル)−3−((4R,5S)−4−メ
チル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−イル)−3−オキソ−プロピル
]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(300mg、25%)を得た。LCMS(AP
CI+)m/z 373[M−Boc+H]
+
;Rt:3.92分間。
【0430】
(工程5)
[(2S)−2−(4−クロロベンジル)−3−((4R,5S)−4−メチル−2−
20
オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−イル)−3−オキソ−プロピル]−カルバ
ミン酸第三級ブチルエステル(300mg、0.63mmol)のTHF/H2 O(30
/10mL)溶液に、0℃で、LiOH(80mg、1.9mmol)およびH2 O2 (
30容量%、3.0mL、0.63mmol)を加え、そして0℃で、30分間撹拌した
。次いで、Na2 SO3 (飽和溶液、10mL)をゆっくりと慎重に加えた。EtOAc
(100mL)で希釈し、そして水(2×100mL)に抽出した。水層を酸性化し(1
N HCl)、EtOAc(3×100mL)に抽出し、Na2 SO4 で乾燥し、そして
真空中で濃縮して、(S)−2−(第三級ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−3−(
4−クロロフェニル)−プロピオン酸(150mg、75%)を得た。LCMS(APC
I−)m/z 322[M−Boc+H]
−
;Rt:2.23分間。
30
【0431】
(工程6)
4−ピペラジン−1−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン二塩酸塩(100
mg、0.36mmol)、(S)−2−(第三級ブトキシカルボニルアミノ−メチル)
−3−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸(130mg、0.40mmol)、ED
CI(83mg、0.44mmol)およびHOBt(59mg、0.44mmol)の
DMF(15mL)撹拌懸濁液に、室温で、NEt3 (150μL、1.1mmol)を
加えた。室温で一晩撹拌した。EtOAc(100mL)に注ぎ、水(100mL)、1
N NaOH(50mL)で洗浄し、Na2 SO4 で乾燥し、真空中で濃縮し、シリカカ
ラムクロマトグラフィー(100%EtOAc)で精製して、(S)−{2−(4−クロ
40
ロベンジル)−3−オキソ−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−
イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得
た。LCMS(APCI+)m/z 499[M+H]
+
;Rt:2.70分間。これを
DCM(50mL)に吸収させ、そしてTFA(5mL)と共に一晩撹拌した。EtOA
c(100mL)に注ぎ、1N NaOH(2×100mL)で洗浄し、Na2 SO4 で
乾燥し、そして真空中で濃縮した。HCl塩(Et2 O・HCl、ジエチルエーテル中で
2M)を形成して、(S)−2−アミノメチル−3−(4−クロロフェニル)−1−[4
−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プ
ロパン−1−オン二塩酸塩(100mg、59%)を得た。
【0432】
50
(125)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化210】
(実施例72)
10
【0433】
【化211】
20
((R)−2−アミノ−1−[4−(3−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリ
ミジン−4−イル)−ピペラジン−1−1−3−(4−クロロフェニル)−プロパン−1
−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
4−ヒドロキシピラゾロピリミジン(2.5g、18mmol)を、POCl3 (34
mL、0.37mol)およびN,N−ジメチルアニリン(4.7mL、37mmol)
に溶解した。この混合物を、1.5時間にわたって、還流状態(120℃)まで加熱した
。この混合物を粘稠油状物まで濃縮し、そして氷浴中にて、0℃まで冷却した。この油状
物を氷水混合物に注ぎ、そして5分間撹拌した。その酸性融解物をエーテル(4×100
30
mL)で抽出し、そして有機物を合わせた。この有機物を冷水で抽出し、次いで、NaH
CO3 冷半飽和溶液、次いで、ブラインで洗浄し、分離し、MgSO4 で乾燥し、濾過し
、そして真空中で濃縮して、淡黄色粉末として、4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−
d]ピリミジン(1.1g、39%)を得た。1H NMR(DMSO−d6、400M
Hz)δ8.79(1H、s)、8.41(1H、s)。
【0434】
(工程2)
4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(1.1g、7.1mmol)
のCHCl3 (50mL)懸濁液に、NBS(1.49g、8.4mmol.)を加えた
。その混合物を、室温で、5時間撹拌し、0℃まで冷却し、固形物を真空濾過により単離
40
し、冷CHCl3 でリンスし、そして空気乾燥した。この固形物をシリカカラムクロマト
グラフィー(50%EtOAc/ヘキサン)で精製して、3−ブロモ−4−クロロ−1H
−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(1.3、77%)を得た。
【0435】
(工程3)
3−ブロモ−4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(1.3g、5.
5mmol)のDMF(42mL)溶液に、0℃で、NaH(180mg、7.7mmo
l)を少しずつ加えた。その反応混合物を、0℃で、5分間撹拌し、次いで、室温で、1
.5時間撹拌し、その後、それを0℃まで冷却し直した。純粋PhSO2 Cl(0.7m
L、5.6mmol)を加え、この反応混合物を室温まで温め、そして一晩撹拌した。そ
50
(126)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
の反応物をNH4 Cl飽和水溶液でクエンチし、そしてH2 Oでさらに希釈した。得られ
た沈殿物を真空濾過により単離して、1−ベンゼンスルホニル−3−ブロモ−4−クロロ
−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(1.8g、88%)を得た。
【0436】
【化212】
(工程4)
1−ベンゼンスルホニル−3−ブロモ−4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピ
10
リミジン(1.8g、4.8mmol)、Boc−ピペラジン(1.4g、7.2mmo
l)およびDIPEA(2.1mL、12mmol)のIPA(40mL)溶液を撹拌し
、そして還流状態で、一晩加熱した。その反応混合物を−10℃まで冷却し、固形物を真
空濾過により単離し、冷IPAでリンスし、そして高真空ラインにてさらに乾燥して、白
色粉末として、4−(1−ベンゼンスルホニル−3−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−
d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(1.
7g、67%)を得た。
【0437】
【化213】
20
(工程5)
1−ベンゼンスルホニル−3−ブロモ−4−ピペラジン−1−イル−1H−ピラゾロ[
3,4−d]ピリミジン(210mg、0.40mmol)のMeOH(20mL)撹拌
溶液に無水HCl(ジオキサン中で4N、10mL)を加え、そして室温で、一晩撹拌し
た。その懸濁液を真空中で濃縮して、1−ベンゼンスルホニル−3−ブロモ−4−ピペラ
30
ジン−1−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン二塩酸塩(200mg、10
0%)を得た。LCMS(APCI+)m/z 423および425[M+H]
+
;Rt
:1.98分間。
【0438】
(工程6)
1−ベンゼンスルホニル−3−ブロモ−4−ピペラジン−1−イル−1H−ピラゾロ[
3,4−d]ピリミジン二塩酸塩(40mg、0.081mmol)および(D)−2−
第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸(27m
g、0.089mmol)のDCM(10mL)懸濁液に、室温で、DIPEA(84μ
l、0.48mmol)を加えた。次いで、HBTU(34mg、0.089mmol)
40
を加え、その反応物を、室温で、一晩撹拌した。MeOH(5mL)および3M LiO
H(3mL)を加え、その混合物を撹拌し、そして50℃で、2時間加熱した。この混合
物をNaHCO3 飽和水溶液(10mL)で希釈し、DCMに抽出し、Na2 SO4 で乾
燥し、そして真空中で濃縮した。その粗混合物をシリカカラムクロマトグラフィー(50
%EtOAc/ヘキサン)で精製して、(R)−[2−[4−(3−ブロモ−1H−ピラ
ゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−1−(4−クロ
ロベンジル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。LC
MS(APCI+)m/z 564および566[M+H]
+
;Rt:3.04分間。こ
れをMeOH(10mL)に吸収させ、そして無水HCl(ジオキサン中で4M、20m
L)で処理した。その溶液を、室温で、一晩撹拌し、そして真空中で濃縮して、(R)−
50
(127)
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2−アミノ−1−[4−(3−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−
イル)−ピペラジン−1−イル]−3−(4−クロロフェニル)−プロパン−1−オン二
塩酸塩(13mg、30%)を得た。LCMS(APCI+)m/z 464および46
6[M+H]
+
;Rt:2.00分間。
【0439】
(実施例73)
【0440】
【化214】
10
((S)−2−アミノメチル−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メチル
−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロ
パン−1−オン二塩酸塩の調製)
20
(工程1)
4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(2.5g、16mmol)のC
DCl3 (65mL)懸濁液にNBS(2.9g、16mmol)を加え、その反応混合
物を撹拌し、そして還流状態で、2.5時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、固
形物を真空濾過により単離し、冷CHCl3 でリンスし、そして空気乾燥して、5−ブロ
モ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3.0g、79%)を得た。
LCMS(APCI+)m/z 232および234[M+H]
+
;Rt:2.32分間
。
【0441】
【化215】
30
(工程2)
5−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(3.0g、13m
mol)のDMF(40mL)溶液に、0℃で、NaH(鉱油中で60%w/w、720
mg、18.1mmol)を加え、その混合物を、0℃で、N2 下にて、30分間撹拌し
た。次いで、PhSO2 Cl(1.7g、13mmol)を加え、その反応物を、室温で
、2時間撹拌し、その後、H2 O(200mL)を加えて、沈殿を起こした。沈殿物を濾
過により集め、そして真空乾燥して、7−ベンゼンスルホニル−5−ブロモ−4−クロロ
−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(4.9g、100%)を得た。
40
【0442】
【化216】
(工程3)
7−ベンゼンスルホニル−5−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリ
ミジン(4.9g、13mmol)、ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル
(3.7g、20mmol)およびDIPEA(5.7mL、33mmol)のIPA(
30mL)懸濁液を撹拌し、そして還流状態で、6時間加熱した。その混合物を−10℃
50
(128)
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まで冷却し、真空濾過により固形物を集め、冷IPAでリンスし、そして真空乾燥して、
4−(7−ベンゼンスルホニル−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−
4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(5.9g、86%)を
得た。
【0443】
【化217】
10
(工程4)
4−(7−ベンゼンスルホニル−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(250mg、0.4
8mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(140m
g、0.12mmol)のTHF(10mL)撹拌溶液に、室温で、N2 下にて、MeZ
nCl(THF中で2.0M、720μL、1.4mmol)を加えた。その溶液を撹拌
し、還流状態で、2時間加熱し、室温まで冷却し、NH4 Cl飽和水溶液でクエンチし、
EtOAc(2×100mL)に抽出し、Na2 SO4 で乾燥し、そして真空中で濃縮し
た。その生成物をBiotage(シリカ、40%EtOAc/ヘキサン)で精製して、
20
4−(7−ベンゼンスルホニル−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−
4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(210mg、94%)
を得た。
【0444】
【化218】
30
(工程5)
4−(7−ベンゼンスルホニル−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(4.0g、13mm
ol)のDCM(100mL)溶液を無水HCl(ジオキサン中で4M、100mL)で
処理し、そして室温で、一晩撹拌した。その懸濁液を真空中で濃縮して、7−ベンゼンス
ルホニル−5−メチル−4−ピペラジン−1−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミ
ジン二塩酸塩(5.4g、100%)を得た。LCMS(APCI+)m/z 358[
M+H]
+
;Rt:1.79。
【0445】
40
(工程6)
7−ベンゼンスルホニル−5−メチル−4−ピペラジン−1−イル−7H−ピロロ[2
,3−d]ピリミジン二塩酸塩(50mg、0.12mmol)および(S)−2−(第
三級ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−3−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸
(40mg、0.13mmol)のDCM(10mL)懸濁液に、室温で、DIPEA(
120μL、0.70mmol)を加えた。次いで、HBTU(48mg、0.13mm
ol)を加え、その反応物を、室温で、一晩撹拌した。MeOH(5mL)および3M LiOH(1.2mL)を加え、この混合物を撹拌し、そして50℃で、2時間加熱した
。この混合物をNaHCO3 飽和水溶液(10mL)で希釈し、DCMに抽出し、Na2
SO4 で乾燥し、そして真空中で濃縮した。その粗混合物をシリカカラムクロマトグラフ
50
(129)
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ィー(50%EtOAc/ヘキサン)で精製して、(S)−{2−(4−クロロベンジル
)−3−[4−(5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピ
ペラジン−1−イル]−3−オキソ−プロピル}−カルバミン酸第三級ブチルエステルを
得た。LCMS(APCI+)m/z 253[M+H]
+
;Rt:2.85分間。これ
をMeOH(10mL)に吸収させ、そして無水HCl(ジオキサン中で4M、20mL
)で処理した。その溶液を、室温で、一晩撹拌し、そして真空中で濃縮して、(S)−2
−アミノメチル−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メチル−7H−ピロロ
[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン
二塩酸塩(21mg、37%)を得た。LCMS(APCI+)m/z 413[M+H
]
+
;Rt:1.82分間。
10
【0446】
(実施例73)
【0447】
【化219】
20
((2S)−2−アミノメチル−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−チオ
フェン−2−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−
1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
4−(7−ベンゼンスルホニル−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(150mg、0.2
9mmol)のDME(4mL;使用前に窒素で脱気した)溶液に、0.94M Na2
CO3 水溶液(0.61mL、0.57mmol)およびPd(PPh3 )4 (66mg
30
、0.057mmol)を加えた。その反応混合物を5分間撹拌し、次いで、2−チオフ
ェンボロン酸(55mg、0.43mmol)を加えた。この反応混合物を還流状態まで
加熱し、そして16時間撹拌し、その後、それを室温まで冷却し、そして回転蒸発により
DMEを除去した。この反応混合物をH2 Oで希釈し、そしてDCMで抽出し、合わせた
抽出物を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして濃縮した。その粗製物をシリカゲル(
8:1∼4:1のヘキサン:EtOAc)で精製して、ベージュ色粉末として、4−(7
−ベンゼンスルホニル−5−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミ
ジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(120mg、7
9%)を得た。LCMS(APCI+)m/z 526[M+H]
+
;Rt:3.25分
間。
40
【0448】
(工程2)
4−(7−ベンゼンスルホニル−5−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[2,3−
d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(12
0mg、0.23mmol)のジオキサン2mL溶液に、4M HCl/ジオキサン1.
5mLを加えた。その反応混合物を、室温で、6時間撹拌し、その後、それをエーテルで
希釈し、そして固形物を、窒素圧を使って、フリット付き漏斗での濾過により単離し、エ
ーテルでリンスし、そして真空乾燥して、黄色粉末として、7−ベンゼンスルホニル−4
−ピペラジン−1−イル−5−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリ
ミジン二塩酸塩(110mg、95%)を得た。LCMS(APCI+)m/z 426
50
(130)
[M+H]
+
JP 2007-512364 A 2007.5.17
;Rt:1.95分間。
【0449】
(工程3)
7−ベンゼンスルホニル−4−ピペラジン−1−イル−5−チオフェン−2−イル−7
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン二塩酸塩(50mg、0.10mmol)、DIE
A(0.10mL、0.60mmol)および(2S)−2−(Boc−アミノメチル)
−3−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸(38mg、0.12mmol)のDCM
(2mL)溶液に、HBTU(44mg、0.12mmol)を加えた。その反応混合物
を、室温で、2時間撹拌し、その後、MeOH(2mL)および3M LiOH(0.5
mL)を加えた。この反応混合物を、2時間にわたって、35℃まで加熱し、その後、飽
10
和NaHCO3 を加え、その混合物をDCMで抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(Na
2
SO4 )、濾過し、そして濃縮した。その粗製物をシリカゲル(これは、2:1のDC
M:EtOAcに次いで、1:4のDCM:EtOAcの勾配でフラッシュした)で精製
して、(2S)−2−Boc−アミノメチル−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−
(5−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピ
ペラジン−1−イル]−プロパン−1−オンを得、これを、次の工程で使用した。
【0450】
(工程4)
(2S)−2−Boc−アミノメチル−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5
−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラ
20
ジン−1−イル]−プロパン−1−オンのジオキサン1.5mL溶液に、4M HCl/
ジオキサン1.5mLを加えた。得られた懸濁液を、室温で、16時間撹拌し、その後、
それを乾燥状態まで濃縮した。固形物を最小限のMeOHに溶解し、その生成物を追加の
エーテルで倍散した。これらの固形物を、窒素圧を使って、フリット付き漏斗での濾過に
より単離し、エーテルでリンスし、そして真空乾燥して、淡黄色粉末として、(2S)−
2−アミノメチル−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−チオフェン−2−イ
ル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プ
ロパン−1−オン二塩酸塩(37mg、67%)を得た。
【0451】
【化220】
30
(実施例75)
【0452】
【化221】
40
(2−アミノ−3−(4−クロロ−2−メチル−フェニル−1−(4−キナゾリン−4
−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
50
(131)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
(工程1)
THF(250mL)中に4−クロロ−2−メチル−安息香酸(4g、23mmol)
およびLiAlH4 (890mg、23.5mmol)を含有する混合物を、窒素雰囲気
下にて、室温で、2時間撹拌した。その反応物を硫酸ナトリウム十水和物でクエンチした
。この混合物をセライトのパッドで濾過し、濾過ケーキをTHFで洗浄した。濾液を減圧
下にて濃縮した。その残渣をbiotage(これは、30%酢酸エチル/ヘキサンで溶
出した)で精製すると、無色油状物として、(4−クロロ−2−メチル−フェニル)−メ
タノール(3.70g、100%)が得られた。
【0453】
【化222】
10
(工程2)
ジエチルエーテル150mL中に(4−クロロ−2−メチル−フェニル)−メタノール
(2g、13mmol)およびPBr3 (1.3mL、14mmol)を含有する溶液を
、室温で、一晩撹拌した。その反応物をエーテルで希釈し、そして水で洗浄した。有機相
を硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、溶媒を除去し、その残渣をbiotage(こ
れは、20%酢酸エチル/ヘキサンで溶出した)で精製すると、無色油状物として、1−
ブロモメチル−4−クロロ−2−メチル−ベンゼン(1.89g、67%)が得られた。
20
【0454】
【化223】
(工程3)
DMSO(50mL)中に(ベンズヒドリリデン−アミノ)−酢酸エチルエステル(2
.3g、8.6mmol)を含有する溶液に、窒素雰囲気下にて、カリウムt−ブトキシ
ド(1.2g、11mmol)を加えた。20分間撹拌した後、1−ブロモメチル−4−
クロロ−2−メチル−ベンゼン(1.89g、8.6mmol)を加え、その反応物を、
室温で、一晩撹拌した。この反応物を酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。
30
有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、溶媒を除去し、その残渣をbiotag
e(これは、20%酢酸エチル/ヘキサンで溶出した)で精製すると、黄色油状物として
、2−(ベンズヒドリリデン−アミノ)−3−(4−クロロ−2−メチル−フェニル)−
プロピオン酸エチルエステル(1.75g、50%)が得られた。LCMS(APCI+
)m/z 406[M+H]
+
;Rt:4.16分間。
【0455】
(工程4)
2−(ベンズヒドリリデン−アミノ)−3−(4−クロロ−2−メチル−フェニル)−
プロピオン酸エチルエステル(1.7g、4.2mmol)および3N HCl(90m
L)を含有する混合物を、75℃で、一晩加熱した。その反応物を室温まで冷却し、そし
て酢酸エチルで洗浄した。水相を減圧下にて濃縮して、白色固形物として、2−アミノ−
3−(4−クロロ−2−メチル−フェニル)−プロピオン酸(640mg、72%)を得
た。
【0456】
40
(132)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化224】
(工程5)
2−アミノ−3−(4−クロロ−2−メチル−フェニル)−プロピオン酸(640mg
、3.0mmol)、ジオキサン25mLおよび1N 水酸化ナトリウム9mLを含有す
10
る溶液に、boc無水物(0.73g、3.3mmol)を加えた。その反応物を、室温
で、3時間撹拌した。この反応物を水で希釈し、そしてDCMで洗浄した。水相を1N HClで酸性化し、そして酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した
。濾過し、そして溶媒を除去すると、白色固形物として、2−第三級ブトキシカルボニル
アミノ−3−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−プロピオン酸(640mg、80%
)が得られた。
【0457】
【化225】
20
(工程6)
DMF(30mL)中に2−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−クロロ−2
−メチル−フェニル)−プロピオン酸(200mg、0.64mmol)を含有する溶液
に、窒素雰囲気下にて、HOBT(0.12g、0.76mmol)、EDCI(0.1
5g、0.76mmol)およびNMM(0.19g、1.9mmol)を加えた。10
分間撹拌した後、4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン(200mg、0.93mmo
l)を加え、そして撹拌を一晩継続した。その反応物を酢酸エチルで希釈し、そして水で
30
洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、溶媒を除去し、その残渣をb
iotage(これは、10%MeOH/DCMで溶出した)で精製すると、[1−(4
−クロロ−2−メチルベンジル)−2−オキソ−2−(4−キナゾリン−4−イル−ピペ
ラジン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(0.31g、95
%)が得られた。LCMS(APCI+)m/z 510[M+H]
+
;Rt:2.54
分間。
【0458】
(工程7)
DCM(30mL)中に[1−(4−クロロ−2−メチルベンジル)−2−オキソ−2
−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸第三
級ブチルエステル(0.30g、0.59mmol)を含有する溶液に、窒素雰囲気下に
て、TFA(1.4mL)を加えた。室温で一晩撹拌した後、その反応物を減圧下にて濃
縮した。その残渣をDCMに溶解し、そしてエーテル中の2N HClを加えた。固形物
を濾過し、そして乾燥して、灰白色固形物として、2−アミノ−3−(4−クロロ−2−
メチル−フェニル)−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロ
パン−1−オン二塩酸塩(0.217g)を得た。
【0459】
40
(133)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化226】
(実施例76)
【0460】
【化227】
10
(4−{4−[3−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−プロピオニル]−ピペラジ
ン−1−イル}−1,3−ジヒドロピロロ[2,3−b]ピリミジン−2−オン二塩酸塩
20
の調製)
(工程1)
4−クロロ−5,7−ジヒドロピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(これは、
以下の文献に従って、調製した:Li Sunら、Bioorg.and Med.Ch
em.Lett.2002、12,2153−2157;690mg、3.7mmol)
、Boc−ピペラジン(630mg、3.7mmol)およびDIEA(0.96mL、
5.5mmol)のIPA(20mL)溶液を還流状態まで加熱し、そして14時間撹拌
し、その後、その反応混合物を濃縮した。その粗製物をシリカゲル(1:2のDCM:E
tOAc∼1:4のDCM:EtOAcの勾配)で精製して、4−Boc−ピペラジン−
1−イル−5,7−ジヒドロピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オンを得、これを、
30
次の工程で使用した。
【0461】
(工程2)
4−Boc−ピペラジン−1−イル−5,7−ジヒドロピロロ[2,3−d]ピリミジ
ン−6−オンのジオキサン25mL溶液に、4M HCl/ジオキサン15mLを加えた
。得られた懸濁液を、室温で、15時間撹拌し、その後、それをエーテルで希釈した。固
形物を、窒素圧を使って、フリット付き漏斗での濾過により単離し、エーテルでリンスし
、そして真空乾燥して、赤色粉末として、4−ピペラジン−1−イル−5,7−ジヒドロ
ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン二塩酸塩(350mg、100%)を得た。
【0462】
40
【化228】
(工程3)
4−ピペラジン−1−イル−5,7−ジヒドロピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−
オン二塩酸塩(40mg、0.14mmol)、HOBt・H2 O(21mg、0.14
mmol)、TEA(57μL、0.41mmol)および3−Boc−アミノ−2−(
50
(134)
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4−クロロフェニル)−プロピオン酸(これは、A109の調製について記述した手順を
使用して、4−クロロフェニル酢酸メチルエステルから調製した;49mg、0.16m
mol)の5:1 DCM:THF(1.2mL)溶液に、DCC(34mg、0.16
mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、4時間撹拌し、その後、それを濃縮し
た。その残渣をDCMに懸濁し、そして固形物を綿プラグで真空濾過することにより除去
し、そしてDCMでリンスした。その濾液を濃縮し、そして粗製物をシリカゲル(1:1
∼1:5のDCM:EtOAcの勾配)で精製して、4−{4−[3−Boc−アミノ−
2−(4−クロロフェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−イル}−1,3−ジヒ
ドロピロロ[2,3−b]ピリミジン−2−オンを得、これを、次の工程で使用した。L
CMS(APCI+)m/z 401[M−Boc+H]
+
;Rt:2.16分間。
10
【0463】
(工程4)
4−{4−[3−Boc−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−プロピオニル]−ピ
ペラジン−1−イル}−1,3−ジヒドロピロロ[2,3−b]ピリミジン−2−オンの
ジオキサン1.2mL溶液に、4M HCl/ジオキサン1.2mLを加えた。得られた
懸濁液を、室温で、15時間撹拌し、その後、それを乾燥状態まで濃縮した。その固形物
を最小限のMeOHに溶解し、そして生成物を、エーテルを加えて倍散した。得られた固
形物を、窒素圧を使って、フリット付き漏斗での濾過により単離し、エーテルでリンスし
、そして真空乾燥して、暗ピンク色粉末として、4−{4−[3−アミノ−2−(4−ク
ロロフェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−イル}−1,3−ジヒドロピロロ[
20
2,3−b]ピリジン−2−オン二塩酸塩(28mg、43%)を得た。
【0464】
【化229】
(実施例77)
【0465】
30
【化230】
(4−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−1−(4−キナゾリン−
40
4−イル−ピペラジン−1−イル)−ブタン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
4−クロロマンデル酸(12.3g、65.9mmol)のトルエン(50mL)、E
tOH(16mL)および濃H2 SO4 (0.1mL)溶液を、ディーンスタークトラッ
プを使用して水を除去しつつ、12時間還流した。その混合物を真空中で濃縮し、DCM
で希釈し、そして希NaHCO3 水溶液で洗浄した。分離したDCM層を乾燥し(MgS
O4 )、濾過し、そして真空中で濃縮して、無色油状物(10.0g)として、(4−ク
ロロフェニル)−ヒドロキシ−酢酸エチルエステルを得、これは、放置すると、結晶化し
た。
【0466】
50
(135)
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(工程2)
[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]三フッ化イオウ(9.45mL、51.3mm
ol)のDCM(35mL)溶液(これは、−78℃まで冷却した)に、DCM(35m
L)中の(4−クロロフェニル)−ヒドロキシ−酢酸エチルエステル(10.0g、46
.6mmol)をカニューレ挿入した。12時間撹拌して外界温度まで温めた後、その混
合物をNaHCO3 飽和水溶液に注いだ。この混合物をDCMで抽出し、有機抽出物を乾
燥し(MgSO4 )、濾過し、そして真空中で濃縮した。その粗製物質をクロマトグラフ
ィー(SiO2 )(これは、溶離液として、DCMを使用する)にかけて、無色油状物(
7.0g)として、(4−クロロフェニル)−フルオロ酢酸エチルエステルを得た。
【0467】
10
(工程3)
(4−クロロフェニル)−フルオロ酢酸エチルエステル(3.00g、13.8mmo
l)のTHF(25mL)溶液に、0℃で、カリウム第三級ブトキシド(155mg、1
.38mmol)を加えて、橙−赤色にした。15分後、その混合物を−78℃まで冷却
し、そしてアクリル酸t−ブチル(2.23mL、15.2mmol)を純粋状態で加え
た。撹拌し12時間にわたって外界温度まで温めた後、その混合物を飽和NH4 Clでク
エンチし、真空中で濃縮し、H2 Oで希釈し、そしてDCMで抽出した。DCM抽出物を
乾燥し(MgSO4 )、濾過し、そして真空中で濃縮した。その粗製物質をクロマトグラ
フィー(SiO2 )(これは、溶離液として、DCMを使用する)にかけて、無色油状物
(1.20g)を得た。この油状物のDCM(6mL)およびTFA(4mL)溶液を一
20
晩撹拌した。その混合物をトルエン(40mL)で希釈し、そして真空中で濃縮した。そ
の粗生成物を希NaHCO3 水溶液に溶解し、そしてDCM(2回、捨てた)で抽出した
。水層を1.0N HClでpH1.0まで酸性化し、そしてDCM(2回)で抽出した
。有機抽出物を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして真空中で濃縮して、油状物(1
.0g)として、2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−ペンタン二酸1−エチル
エステルを得た。
【0468】
(工程4)
2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−ペンタン二酸 1−エチルエステル(1
.00g、3.46mmol)のt−BuOH(20mL)溶液にトリエチルアミン(0
30
.53mL、3.81mmol)を加え、続いて、ジフェニルホスホリルアジド(0.8
2mL、3.81mmol)を加えた。その混合物を、95℃で、3時間加熱し、真空中
で濃縮し、そして希NaHCO3 溶液とDCMとの間で分配した。分離したDCM層を乾
燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして真空中で濃縮した。その粗生成物をクロマトグラ
フィー(SiO2 )(これは、溶離液として、DCMを使用する)にかけて、4−第三級
ブトキシカルボニルアミノ−2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−酪酸エチルエ
ステル(600mg)を得た。
【0469】
【化231】
40
(工程5)
4−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−
酪酸エチルエステル(580mg、1.61mmol)のTHF(5mL)およびMeO
H(5mL)溶液に、H2 O(5mL)中の水酸化リチウム一水和物(0.27g、6.
50
(136)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
45mmol)を加えた。12時間撹拌した後、その混合物を真空中で濃縮し、H2 Oで
希釈し、そしてDCM(3回、捨てた)で抽出した。次いで、水相をpH1まで酸性化し
、そしてDCM(2回)で抽出した。有機抽出物を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そ
して真空中で濃縮して、4−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−(4−クロロフェニ
ル)−2−フルオロ−酪酸(400mg)を得た。この物質を、さらに精製することなく
、次の工程で使用した。
【0470】
(工程6)
4−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−(4−クロロフェニル)−2−フルオロ−
酪酸(400mg、1.21mmol)および4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン二
10
塩酸塩(346mg、1.21mmol)のDCM(12mL)溶液(これは、氷浴で冷
却した)に、PyBrop(562mg、1.21mmol)を一度に加えた。DIEA
(0.84mL、4.82mmol)を加え、その混合物を外界温度まで温め、そして1
2時間撹拌した。この混合物をDCMで希釈し、そして0.1N HClで洗浄した。分
離したDCM層を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして真空中で濃縮した。その粗製
物質をクロマトグラフィー(SiO2 )(これは、溶離液として、2%MeOH/DCM
に続いて5%MeOH/DCMを使用する)にかけて、[3−(4−クロロフェニル)−
3−フルオロ−4−オキソ−4−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)
−ブチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(230mg)を得た。LCMS(AP
CI+)m/z 528、530[M+H]
+
。
20
【0471】
(工程7)
[3−(4−クロロフェニル)−3−フルオロ−4−オキソ−4−(4−キナゾリン−
4−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(2
26mg、0.43mmol)のDCM(2mL)および2.0M HCl(Et2 O(
1mL)中)溶液を、12時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮し、そしてクロマト
グラフィー(SiO2 )(これは、溶離液として、10%MeOH/DCMに続いて10
%(MeOH中の7N NH3 )/DCMを使用する)にかけた。精製した物質をMeO
Hに溶解し、続いて、Et2 O中の2.0N HClを加え、次いで、真空中で濃縮した
。得られたガラス状物を、還流状態で、イソプロピルアルコール中にて加熱し、そして真
30
空中で濃縮した。得られた固形物をアセトニトリルに懸濁し、そして真空中で濃縮して(
2回繰り返す)、白色粉末として、4−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−2−フル
オロ−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−ブタン−1−オン二
塩酸塩を得た。
【0472】
【化232】
(実施例78)
【0473】
40
(137)
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【化233】
10
(3−アミノ−2−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−1−[4−(7H−ピ
ロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−
オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
ジイソプロピルアミン(1.3mL、9.0mmol)のTHF(20mL)撹拌溶液
に、0℃で、n−BuLi(1.6Mヘキサン溶液、5.6mL、9.0mmol)を加
えた。その反応物を、0℃で、15分間撹拌し、次いで、−78℃まで冷却した。3−第
三級ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸第三級ブチルエステル(1.0g、4.1
mmol)のTHF(5mL)溶液を滴下した。その混合物を、−78℃で、2時間撹拌
した。4−ブロモ−1−ブロモメチル−2−フルオロ−ベンゼン(1.3g、4.9mm
20
ol)のTHF(4mL)溶液を滴下した。完結した後、ドライアイス浴を取り除き、そ
の反応物を、氷浴中にて、0℃まで温めた。0℃で30分間撹拌した後、この反応物を飽
和NH4 Cl水溶液に注いだ。有機層を分離した。水層をEtOAcで抽出した。合わせ
た有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン:EtOAc、20:1∼5:1)で精製して、無色油状物として、2
−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−プ
ロピオン酸第三級ブチルエステル(1.35g、77%)を得た。
【0474】
【化234】
30
(工程2)
2−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−3−第三級ブトキシカルボニルアミノ
−プロピオン酸第三級ブチルエステル(1.30g、3.01mmol)をTHF(12
mL)およびMeOH(12mL)に溶解した。LiOH一水和物(0.50g、12.
0mmol)のH2 O(12mL)溶液を加えた。その混合物を、還流状態で、一晩加熱
した。冷却した後、真空中で溶媒を蒸発させた。その残渣を水に溶解し、そしてエーテル
(2×)で抽出した。水相を1N HClで酸性化し、そしてEtOAcで抽出した。合
わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮して、白色固形物として、2−(
40
4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−プロピ
オン酸(1.00g、88%)を得た。
【0475】
【化235】
(工程3)
実施例34、工程2において、5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを4−
ピペラジン−1−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン二塩酸塩で置き換え、そ
50
(138)
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して(D)−Boc−4−クロロフェニルアラニンを2−(4−ブロモ−2−フルオロ−
ベンジル)−3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸で置き換えることによ
り、次いで、実施例34、工程3で記述したようにして、そのBoc保護基を除去するこ
とにより、3−アミノ−2−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−1−[4−(7
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン
−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0476】
【化236】
10
(実施例79)
【0477】
【化237】
20
(2−(R)−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−イミダゾ[1,2−
a]ピリジン−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製
)
(工程1)
H2 O(200mL)中の1−ピペラジンカルボン酸第三級ブチル(7.45g、40
30
.0mmol)およびベンゾトリアゾール(4.76g、40.0mmol)の混合物を
1時間撹拌した。次いで、グリオキサール(水中で40重量%、2.90g、20mmo
l)を加え、その混合物を12時間撹拌して、白色沈殿物を生成した。沈殿物を濾過によ
り除き、そしてH2 Oで洗浄した。固形物をDCMに溶解し、乾燥し(Na2 SO4 )、
濾過し、そして真空中で濃縮して、灰白色固形物(10.0g)として、1,2−(ベン
ゾトリアゾール−1−イル)−1,2−(4−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチル
エステル)エタンを得た。
【0478】
(工程2)
ジクロロエタン(30mL)中の2−アミノピリジン(282mg、3.00mmol
)および1,2−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,2−(4−ピペラジン−1−
カルボン酸第三級ブチルエステル)エタン(1.90g、3.00mmol)の混合物を
3時間還流した。次いで、粉末化したKOH(555mg、9.90mmol)を加え、
その混合物を12時間撹拌した。この混合物を濾過し、その濾液を真空中で濃縮した。得
られた物質をクロマトグラフィー(SiO2 )(これは、溶離液として、DCMに続いて
5%MeOH/DCMを使用する)にかけて、4−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3
−イル−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(900mg)を得た。
【0479】
40
(139)
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【化238】
(工程3)
4−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル−ピペラジン−1−カルボン酸第三級
ブチルエステル(950mg、3.14mmol)のDCM(10mL)および2.0N
HCl(Et2 O(5mL)中)溶液を12時間撹拌した。形成された沈澱物を濾過に
10
より除いて、赤色固形物(800mg)として、3−ピペラジン−1−イル−イミダゾ[
1,2−a]ピリジン二塩酸塩を得た。
【0480】
(工程4)
(R)−N−Boc−4−クロロフェニルアラニン(392mg、1.31mmol)
、3−ピペラジン−1−イル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン二塩酸塩(300mg、
1.09mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(177mg、1.31m
mol)のDMF(5mL)溶液にトリエチルアミン(0.30mL、2.18mmol
)を加え、続いて、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミ
ド塩酸塩(251mg、1.31mmol)を一度に加えた。12時間撹拌した後、その
20
混合物をH2 Oで希釈し、1.0M NaOHでpH12まで塩基化し、そしてDCMで
抽出した。DCM抽出物を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして真空中で濃縮した。
その残渣をクロマトグラフィー(SiO2 )(これは、溶離液として、DCM:Et2 O
(1:1)に続いて10%MeOH/DCMを使用する)にかけて、(R)−[1−(4
−クロロベンジル)−2−(4−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル−ピペラジ
ン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(350m
g)を得た。
【0481】
(工程5)
(R)−[1−(4−クロロベンジル)−2−(4−イミダゾ[1,2−a]ピリジン
30
−3−イル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチ
ルエステル(350mg、0.72mmol)のDCM(3mL)および2.0N HC
l(Et2 O(2mL)中)溶液を12時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮し、そ
して得られた物質をクロマトグラフィー(SiO2 )(これは、溶離液として、10%M
eOH/DCMに続いて10%(MeOH中の7N NH3 )/DCMを使用する)にか
けた。この物質をMeOHに溶解し、続いて、Et2 O中の2.0N HClを加え、次
いで、真空中で濃縮した。得られた粘性物質をイソプロピルアルコールからストリップし
、次いで、アセトニトリルからストリップして、白色固形物(100mg)として、2−
(R)−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−イミダゾ[1,2−a]ピリ
ジン−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩を得た。
40
【0482】
【化239】
(実施例80)
50
(140)
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【0483】
【化240】
(2(R)−アミノ−3−(4−クロロフェニル−3−メチル−1−(4−キナゾリン
−4−イル−ピペラジン−1−イル)−ブタン−1−オンの調製)
(工程1)
10
2−(4−クロロフェニル)−2−メチル−プロピオン酸(6.10g、30.7mm
ol)を、室温で、乾燥THF(120mL)に溶解した。注射器を経由して、5分間(
激しい泡立ち)にわたって、Red−Al(28.25mL、0.101mol)の70
%w/w溶液を滴下した。その混合物を、3時間にわたって、還流状態まで加熱した。こ
の溶液を0℃まで冷却し、そして飽和酒石酸ナトリウム溶液(100mL、激しい水素の
発生)および水100mLを加えることにより、慎重にクエンチした。その水性混合物を
酢酸エチルで抽出し、合わせた有機物を希NaHCO3 で洗浄し、次いで、ブラインで洗
浄し、分離し、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮して、無色油状物(5
.70g、99%)として、2−(4−クロロフェニル)−2−メチル−プロパン−1−
オールを得た。この物質を、精製することなく、使用した。
20
【0484】
【化241】
(工程2)
−78℃で、DMSO(436mL、61.4mmol)をDCM(100mL)に溶
解し、そして塩化オキサリル(4.02μL、46.6mmol)で処理した。その溶液
を、−78℃で、30分間撹拌した後、DCM(10mL)溶液として、2−(4−クロ
ロフェニル)−2−メチル−プロパン−1−オール(5.67g、30.7mmol)を
30
滴下した。添加が完結した後、この溶液を、−78℃で、2時間撹拌し、次いで、トリエ
チルアミン(25.7mL、184mmol)で処理した。この溶液を外界温度まで温め
、そして3時間撹拌した。この溶液を水を加えることによりクエンチし、さらに多くのD
CMで分配した。水性物をDCMで抽出し、合わせた有機物をMgSO4 で乾燥し、濾過
し、そして真空中で濃縮した。その残渣をクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸
エチルの勾配)で精製して、黄色油状物(5.60g、99%)として、2−(4−クロ
ロフェニル)−2−メチルプロピオンアルデヒドを得た。
【0485】
【化242】
40
(工程3)
この2−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアルデヒド(5.60g、3
0.7mmol)および(S)−4−メチル−ベンゼンスルフィン酸アミド(5.00g
、32.2mmol)をDCM(300mL)に溶解し、そしてTi(OEt)4 (32
.1mL、153mmol)で処理した。その混合物を、窒素下にて、4時間にわたって
、還流状態まで加熱した。その溶液を氷浴中で冷却し、そして水200mLを滴下してク
エンチした。得られた沈殿物(Ti塩)を、セライトの充填剤で濾過することにより除去
し、そしてDCMで洗浄した。得られた濾液を分離し、水性物をさらに多くのDCMで抽
50
(141)
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出した。合わせた有機物をMgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。その
残渣を、シリカゲル(ヘキサン:酢酸エチル、1:1)のプラグで濾過することにより精
製して、無色油状物として、(R)−4−メチルベンゼンスルフィン酸[2−(4−クロ
ロフェニル)−2−メチルピロリデン]−アミドを得、これを放置すると、白色固形物(
9.28g、95%)が得られた。
【0486】
【化243】
10
(工程4)
シアン化ジエチルアルミニウム(1.0Mトルエン溶液43.5mL、43.5mmo
l)をイソプロパノール(28.9mL、377mmol)に加え、そして10℃で、1
5分間撹拌した。この溶液を、−78℃で、THF(290mL)溶液としての(R)−
4−メチルベンゼンスルフィン酸[2−(4−クロロフェニル)−2−メチル−プロピリ
デン]−アミド(9.28g、29.0mmol)にカニューレ挿入した。この溶液を、
−78℃で、15分間撹拌し、そして一晩にわたって、室温までゆっくりと温めた。この
溶液を希NaHCO3 溶液を加えてクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた
20
有機物をブラインで洗浄し、分離し、Na2 SO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃
縮して、無色油状物(9.55g、収率95%)として、4−メチル−ベンゼンスルフィ
ン酸[2−(4−クロロフェニル)−1−シアノ−2−メチル−プロピル]−アミドを得
た。この物質を、濃HCl溶液中にて、週末にわたって、110℃(還流)まで加熱した
。この溶液を室温まで冷却し、エーテルで洗浄し、次いで、真空中で濃縮して、白色固形
物(1.61g、21%)として、(5)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−
3−メチル−酪酸塩酸塩を得た。
【0487】
【化244】
30
(工程5)
この(S)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−3−メチル−酪酸塩酸塩(1
.00g、3.79mmol)を、室温で、2M NaOH(6mL)溶液に溶解し、そ
して二炭酸ジ第三級ブチル(957μL、4.16mmol)で処理した。その溶液を、
完結するまで、4時間撹拌し、この水溶液を1M HCl溶液を加えて酸性化した(pH
=2∼3)。水性物を酢酸エチルで抽出し、そして有機物を合わせた。この有機物をブラ
インで洗浄し、分離し、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮して、無色油
状物を得た。その残渣をクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチルの勾配)で
精製して、(S)−2−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−クロロフェニル)
−3−メチル−酪酸(636mg、51%)を得た。
【0488】
40
(142)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化245】
(工程6)
この4−ピペラジン−1−イル−キナゾリンビス−塩酸塩(220mg、0.766m
mol)、(S)−2−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−クロロフェニル)
−3−メチル−酪酸(251mg、0.766mmol、1.0当量)、1−ヒドロキシ
10
ベンゾトリアゾール(109mg、0.804mmol、1.05当量)およびEDCI
(154mg、0.804mmol、1.05当量)をDMF(6.0mL)に溶解/懸
濁した。その混合物をトリエチルアミン(427μL、3.06mmol)で処理し、そ
して完結するまで、一晩撹拌した。その反応物を、酢酸エチルと希NaHCO3 溶液との
間で分配した。水性物を酢酸エチルで抽出し、そして有機物を合わせた。有機物を水で洗
浄し、次いで、ブラインで洗浄し、分離し、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中
で濃縮した。その残渣を、酢酸エチルを使って、シリカゲルの小プラグで溶出し、そして
真空中で濃縮した。この保護中間体をジオキサン1mLに直ちに溶解し、そして室温で、
4時間にわたって、4M ジオキサン中のHCl(1.92mL、7.66mmol)で
処理した。得られた沈殿物をエーテルで倍散し、次いで、濾過して、真空下にて乾燥する
20
と、淡黄色固形物(277mg、73%)として、(R)−2−アミノ−3−(4−クロ
ロフェニル)−3−メチル−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)
−ブタン−1−オンビス−塩酸塩が得られた。
【0489】
【化246】
30
(実施例81)
【0490】
【化247】
40
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6,7,8,9
−テトラヒドロ−5H−1,3,9−トリアザ−フルオレン−4−イル)−ピペラジン−
1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
4−クロロ−5−ヨードピリミジンを4−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5
H−1,3,9−トリアザ−フルオレン(これは、以下の文献に従って、2−アミノ−1
50
(143)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
−(4−メトキシ−ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−3
−カルボニトリルから調製した:Traxler,P.M.ら(1996),J.Med
.Chem.,39,2285−2292)で置き換えて、実施例40、工程1で記述し
た手順により、 4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1,3,9−トリアザ−
フルオレン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステルを調製した
。
【0491】
【化248】
10
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1,3,9−トリアザ−フルオレン
−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステルで置き換えて、実施例
34、工程3で記述した手順により、4−ピペラジン−1−イル−6,7,8,9−テト
ラヒドロ−5H−1,3,9−トリアザ−フルオレン二塩酸塩を調製した。
20
【0492】
【化249】
(工程3)
4−ピペラジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1,3,9−トリ
アザ−フルオレン二塩酸塩(20mg、0.061mmol)および(D)−Boc−4
−クロロフェニルアラニン(20mg、0.067mmol)の懸濁液に、DIEA(6
3μL、0.36mmol)およびHBTU(25mg、0.067mmol)を加えた
30
。その反応物を、室温で、2時間撹拌した。その混合物を水とEtOAcとの間で分配し
た。有機層を、NaHCO3 水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。
その残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、40:1∼20:1)で精製
して、無色油状物として、(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−
[4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1,3,9−トリアザ−フルオレン−4
−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得
た。実施例34、工程3で記述した手順により、Boc保護基を除去すると、白色固形物
として、(2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6,7,8
,9−テトラヒドロ−5H−1,3,9−トリアザ−フルオレン−4−イル)−ピペラジ
ン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩(28mg、90%)が得られた。
40
【0493】
【化250】
(実施例82)
【0494】
50
(144)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化251】
10
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(キナゾリン−4
−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−プロパン−1−オンの調製)
(工程1)
NaH(60%、0.146g、3.65mmol)のDMF(15mL)撹拌懸濁液
に、0℃で、4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.6
11g、3.04mmol)のDMF(5mL)溶液を滴下した。その反応物を1時間撹
拌し、次いで、4−クロロキナゾリン(0.500g、3.04mmol)を加えた。そ
の混合物を室温まで温め、そして一晩撹拌した。この混合物をH2 OとEtOAcとの間
で分配した。水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し
、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、2:
20
1)で精製して、無色油状物として、4−(キナゾリン−4−イルオキシ)−ピペリジン
−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.76g、76%)を得た。実施例34、工
程3で記述した手順により、Boc基を除去すると、白色固形物として、4−(ピペリジ
ン−4−イルオキシ)−キナゾリン二塩酸塩が得られた。
【0495】
【化252】
30
(工程2)
5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを4−(ピペリジン−4−イルオキシ
)−キナゾリン二塩酸塩で置き換え、そして(D)−Boc−4−クロロフェニルアラニ
ンを(D)−Fmoc−4−クロロフェニルアラニンで置き換えて、実施例34、工程2
で記述した手順により、(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[
4−(キナゾリン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−エチル}−カルバミン
酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステルを調製した。
【0496】
40
【化253】
(工程3)
50
(145)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
(2R)−1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4−(キナゾリン−4−
イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−エチル}−カルバミン酸9H−フルオレン−9
−イルメチルエステル(0.166g、0.262mmol)のDCM(5mL)撹拌溶
液に、ピペリジン(1mL)を加えた。その反応物を、室温で、4時間撹拌した。揮発性
物質を蒸発させた。その残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、50:1
∼10:1)で精製して、無色油状物として、(2R)−2−アミノ−3−(4−クロロ
フェニル)−1−[4−(キナゾリン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−プ
ロパン−1−オン(0.099g、92%)を得た。
【0497】
【化254】
10
(実施例83)
【0498】
20
【化255】
30
4−アミノ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(4−キナゾリン−4−イル−
ピペラジン−1−イル)−ブタン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
(3,4−ジクロロフェニル)−酢酸メチルエステルで出発すること以外は、実施例6
1、工程1∼3で記述したものと類似の反応により、4−第三級ブトキシカルボニルアミ
ノ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−酪酸を得た。
【0499】
【化256】
40
(工程2)
4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン(20mg、0.070mmol)をCHCl
3
(1mL)に溶解し、そして4−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−(3,4−ジ
クロロフェニル)−酪酸(36mg、0.10mmol)を加えた。PS−カルボジイミ
ド樹脂(0.21mmol)を加え、その混合物を一晩振盪した。この反応混合物を濾過
し、その濾液を真空中で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;
これは、1:4のDCM/EtOAcで溶出した)で精製して、純粋なBoc−保護中間
体を得た。この物質を1,4−ジオキサン1.0mLに溶解し、そしてジオキサン中の4
50
(146)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
M HCl(1.0mL、4mmol)で処理した。その溶液を、室温で、完結するまで
、一晩撹拌した。その反応混合物を乾燥状態まで濃縮し、その残渣をジエチルエーテル2
mLで倍散した。窒素雰囲気下にて、固形物を濾過し、そして真空下にて、2時間乾燥さ
せて、4−アミノ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(4−キナゾリン−4−イ
ル−ピペラジン−1−イル)−ブタン−1−オン二塩酸塩(15mg、42%)を得た。
【0500】
【化257】
10
(実施例84)
【0501】
【化258】
20
(2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−メチルアミノ−1−(4−キナゾリン−4
−イル−ピペラジン−1−イル)−ブタン−1−オン二塩酸塩の調製)
文献手順(Mahavir Prashadら、Org.Lett.2003,5(2
),125−128)に従って、2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−Boc−アミ
ノ−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−ブタン−1−オンをN
−メチル化して、[3−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソ−4−(4−キナゾ
リン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチ
ルエステルを得、これを、過剰のHCl/ジオキサンで処理して、2−(3,4−ジクロ
30
ロフェニル)−4−メチルアミノ−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−
イル)−ブタン−1−オン二塩酸塩(7mg、31%)を得た。
【0502】
【化259】
(実施例85)
【0503】
40
(147)
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【化260】
10
(1−{4−[4−アミノ−2−(3.4−ジクロロフェニル)−ブチリル]−ピペラ
ジン−1−イル}−キノリジン−4−オン塩酸塩の調製)
(工程1)
4−ピリジン−2−イルメチル−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(
これは、以下の文献に従って、1−ピリジン−2−イルメチル−ピペラジンから調製した
:J.Med.Chem.(1993),36,2984)(2.00g、7.21mm
ol)のTHF(15mL)溶液に、−78℃で、n−BuLi(ヘキサン中で1.6M
、5.0mL、7.9mmol)を加えた。その混合物を室温まで温め、そして30分間
20
撹拌した。次いで、この溶液を−78℃まで冷却し、そしてマロン酸ジエチルエトキシメ
チレン(1.72g、7.93mmol)のTHF(2mL)溶液を滴下した。その反応
混合物を、1時間にわたって、0℃まで温め、そして0℃で、1時間撹拌した。この反応
物を水に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥
し、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、8
:1∼1;1)で精製して、ジアステレオマーの混合物として、2−[2−(4−第三級
ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル)−1−エトキシ−2−ピリジン−2−イル
−エチル]−マロン酸ジエチルエステル(2.40g、67%)を得た。
ジアステレオマー1:
【0504】
30
【化261】
ジアステレオマー2:
40
【0505】
【化262】
(工程2)
2−[2−(4−第三級ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル)−1−エトキシ
50
(148)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
−2−ピリジン−2−イル−エチル]−マロン酸ジエチルエステル(2.40g、4.8
6mmol)をキシレン(20mL)に溶解し、そして140℃で、12時間加熱した。
冷却した後、揮発性物質を蒸発させ、その残渣をカラムクロマトグラフィー(EtOAc
)で精製して、橙色固形物として、1−(4−第三級ブトキシカルボニル−ピペラジン−
1−イル)−4−オキソ−1,9a−ジヒドロ−4H−キノリジン−3−カルボン酸エチ
ルエステル(1.39g、71%)を得た。
【0506】
【化263】
10
(工程3)
濃HCl(5mL)中の1−(4−第三級ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル
)−4−オキソ−1,9a−ジヒドロ−4H−キノリジン−3−カルボン酸エチルエステ
ル(0.320g、0.797mmol)の混合物を30分間還流した。冷却した後、そ
の反応物をNaHCO3 水溶液で塩基化し、そしてDCMで十分に抽出した。合わせた有
機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮して、黄色油状物として、1−ピペラジン
−1−イル−1,9a−ジヒドロ−キノリジン−4−オン(0.075g、41%)を得
20
た。
【0507】
【化264】
(工程4)
30
実施例34、工程2において、5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを1−
ピペラジン−1−イル−1,9a−ジヒドロ−キノリジン−4−オンで置き換え、そして
(D)−Boc−4−クロロフェニルアラニンを4−第三級ブトキシカルボニルアミノ−
2−(3,4−ジクロロフェニル)−酪酸で置き換え、次いで、実施例34、工程3で記
述したようにして、そのBoc保護基を除去して、1−{4−[4−アミノ−2−(3,
4−ジクロロフェニル)−ブチリル]−ピペラジン−1−イル}−キノリジン−4−オン
塩酸塩を調製した。
【0508】
【化265】
(実施例86)
【0509】
40
(149)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化266】
((2R)−2−アミノ−3−フェニル−1−4−キナゾリン−4−イル−ピペリジン
10
−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
25mLフラスコに、4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,6−ジヒドロ−
2H−ピリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(これは、以下の文献に従って、4−
オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルから調製した:Wustrow,
D.J.ら(1991),Synthesis,993−995;1.14g、3.12
mmol)、4−クロロキナゾリン(0.512g、3.12mmol)、塩化リチウム
(0.397g、9.36mmol)、Pd(PPh3 )4 (0.180g、0.156
mmol)およびヘキサメチルジチン(hexamethylditin)(1.02g
、3.12mmol)を充填した。1,4−ジオキサン(20mL)を加え、その反応物
20
を、15分間にわたって、N2 で脱気した。その混合物を、還流状態で、一晩撹拌した。
冷却した後、黒色懸濁液をフッ化カリウム飽和水溶液に注いだ。この混合物をEtOAc
で希釈し、そして2時間撹拌した。有機相を分離した。水相をEtOAcで抽出した。合
わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン:EtOAc、2:3)で精製して、無色油状物として、4−キナ
ゾリン−4−イル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸ベンジルエステ
ル(0.790g、73%)を得た。
【0510】
【化267】
30
(工程2)
4−キナゾリン−4−イル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸ベン
ジルエステル(0.907g、2.63mmol)のMeOH(30mL)撹拌溶液に、
N2 下にて、炭素上10%Pd(100mg)を慎重に加えた。その反応物を、50ps
iで、パール振盪機を使用して、3日間水素化した。濾過により触媒を除去した。その濾
液を真空下にて蒸発させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeO
H、20:1∼DCM:MeOH:Et3 N、100:10:1)で精製して、白色ワッ
クス状固形物として、4−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル)−キ
ナゾリン(0.358g、64%)を得た。
【0511】
40
(150)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化268】
(工程3)
実施例34、工程2において、5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを4−
(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル)−キナゾリンで置き換え、そし
て(D)−Boc−4−クロロフェニルアラニンを(D)−Boc−フェニルアラニンで
10
置き換えて、(2R)−[1−ベンジル−2−オキソ−2−(4−キナゾリン−4−イル
−ピペリジン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルを調製した。
【0512】
【化269】
20
(工程4)
(2R)−1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イル
)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステ
ルを(2R)−[1−ベンジル−2−オキソ−2−(4−キナゾリン−4−イル−ピペリ
ジン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルで置き換えて、実施例
34、工程3で記述した手順により、(2R)−2−アミノ−3−フェニル−1−(4−
キナゾリン−4−イル−ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製し
た。LCMS(APCI+)m/z 361[M+H]
+
;Rt=2.38分間。
30
【0513】
(実施例87)
【0514】
【化270】
40
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1H−ピロロ[
2,3−b]ピリジン−4−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−
プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
窒素でフラッシュしたフラスコ(これは、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1
,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カ
ルボン酸第三級ブチルエステル(これは、以下の文献に従って、4−オキソピペリジン−
1−カルボン酸第三級ブチルから調製した:Eastwood,P.R.(2000),
50
(151)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
Tetrahedron Lett.,3705−3708;127mg、0.410m
mol)、K2 CO3 (142mg、1.02mmol)およびジクロロ[1,1’−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(
17mg、0.020mmol)を含む)に、1−ベンゼンスルホニル−4−クロロ−1
H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(100mg、0.342mmol)のDMF(3m
L)溶液を加えた。その混合物を、80℃で、36時間加熱した。この混合物を室温まで
冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。合わせた有機層を、NaHCO3 飽和
水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィー(これは、ヘキサン:EtOAc(2:1)で溶出した)で精製して、無色
油状物として、4−(1−ベンゼンスルホニル−1H−ピロロ[2,3’−b]ピリジン
10
−4−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステ
ル(0.068g、45%)を得た。
【0515】
【化271】
20
(工程2)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを4−(1−ベンゼンスルホニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル
)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステルで置き換
えて、実施例34、工程3で記述した手順により、1−ベンゼンスルホニル−4−(1,
2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジ
ン二塩酸塩を調製した。
30
【0516】
【化272】
(工程3)
1−ベンゼンスルホニル−4−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル
40
)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン二塩酸塩(25mg、0.061mmol)お
よび(D)−Boc−4−クロロフェニルアラニン(20mg、0.067mmol)の
DMF(2mL)溶液に、DIEA(63μL、0.36mmol)およびHBTU(2
5mg、0.067mmol)を加えた。その反応物を、室温で、2時間撹拌した。その
混合物を水とEtOAcとの間で分配した。有機層を、NaHCO3 水溶液およびブライ
ンで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をTHF(0.3mL)およびMeOH
(0.3mL)に溶解した。水酸化リチウム一水和物(10mg、0.24mmol)の
H2 O(0.3mL)溶液を加えた。この混合物を、50℃で、一晩撹拌した。冷却した
後、その反応物をEtOAcと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し
、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、1:
50
(152)
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1∼3:1)で精製して、無色油状物として、(2R)−{1−(4−クロロベンジル)
−2−オキソ−2−[4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−3,6
−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステ
ルを得た。実施例34、工程3で記述した手順により、そのBoc基を除去すると、白色
固形物として、(2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(1H
−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1
−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩(9mg、33%)が得られた。
【0517】
【化273】
10
(実施例88)
【0518】
【化274】
20
(2(R)−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−N−(1−キナゾリン−4−イル
−アゼチジン−3−イル)−プロピオンアミドの調製)
(工程1)
(1−ベンズヒドリルアゼチン−3−イル)−カルバミン酸第三級ブチルエステル(5
00mg、1.48mmol)、Pd/C(10%w/w、157mg、0.07mmo
30
l)およびギ酸アンモニウム(932mg、14.8mmol)を25 RBF(これに
は、冷却器を備え付けた)に秤量し、3回脱気し、そしてメタノール6mLに懸濁/溶解
した。その混合物を、完結するまで、4時間にわたって、60℃まで加熱し、そして室温
まで冷却した。この混合物をセライトの充填剤で濾過し、エタノールで洗浄し、その濾液
を真空中で濃縮した。その残渣をDCM(30mL)に再溶解し、Na2 SO4 で乾燥し
、濾過し、そして真空中で濃縮して、粗中間体を得た。この中間体および4−クロロキナ
ゾリン(268mg、1.63mmol)をNMP(6mL)に溶解し、次いで、ジイソ
プロピルエチルアミン(515μL、2.96mmol)で処理した。その溶液を、完結
するまで、一晩にわたって、80℃まで加熱して、橙色混合物を得た。室温まで冷却した
後、この溶液を酢酸エチルで希釈し、そして希NaHCO3 溶液に注いだ。水性物を酢酸
エチルで抽出し、そして有機物を合わせた。この有機物を、水、ブラインで洗浄し、分離
し、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。その残渣をクロマトグラフ
ィー(シリカゲル;これは、9:1のMeOH:EtOAcで溶出した)で精製して、黄
褐色固形物(390mg、88%)として、純粋な(1−キナゾリン−4−イル−アゼチ
ジン−3−イル)−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0519】
40
(153)
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【化275】
(工程2)
この(1−キナゾリン−4−イル−アゼチジン−3−イル)−カルバミン酸第三級ブチ
ルエステル(390mg、1.30mmol)を4M HCl(7mL)に溶解し、そし
10
て80℃で、3時間後に完結するまで、撹拌した。その水溶液をエーテル(捨てた)で洗
浄し、そして水層を真空中で濃縮して、白色固形物として、脱保護した中間体を得た。こ
の固形物を含むフラスコに。、HOBt(193mg、1.43mmol)、EDCI(
274mg、1.43mmol)および2(R)−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3
−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸(389mg.1.30mmol)を充填した
。その混合物をDMF(12.0mL)に懸濁/溶解し、そしてTEA(905μL、6
.49mmol)で処理した。この混合物を、完結するまで、4時間撹拌した。その内容
物を酢酸エチルと希NaHCO3 溶液との間で分配した。水性物を酢酸エチルで抽出し、
そして有機物を合わせた。この有機物を、水、ブラインで洗浄し、分離し、MgSO4 で
乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮して、白色固形物として、粗Boc−中間体を得た
20
。この物質をDCM(7mL)に溶解し、そしてTFA(4.0mL)で処理した。2時
間後、その反応溶液を真空中で濃縮して、淡黄色油状物を得た。その内容物を酢酸エチル
と希NaHCO3 溶液との間で分配した。水性物を酢酸エチルで抽出し、そして有機物を
合わせた。この有機物をブラインで洗浄し、分離し、Na2 SO4 で乾燥し、濾過し、そ
して真空中で濃縮した。その残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;これは、9:1の
MeOH:DCMで溶出した)で精製して、無色油状物(177mg、30%)として、
純粋な2(R)−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−N−(1−キナゾリン−4−イ
ル−アゼチジン−3−イル)−プロピオンアミドを得た。
【0520】
【化276】
30
(実施例89)
【0521】
40
(154)
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【化277】
10
(4−アミノ−1−[4−(6−アミノ−5−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル
)−ピペラジン−1−イル]−2−(4−ジクロロフェニル)−ブタン−1−オン二塩酸
塩の調製)
(工程1)
5−シクロプロピル−ピリミジン−4,6−ジオール(1.35g、8.87mmol
)のDCE(35mL)撹拌溶液に、POCl3 (4.14mL、44.4mmol)に
続いてDIEA(1.72g、13.3mmol)をゆっくりと加えた。その反応混合物
を、2日間にわたって、還流状態まで加熱した。冷却した後、真空中で溶媒を蒸発させた
。その残渣を5%NaHCO3 とEtOAcとの間で分配した。有機相をブラインで洗浄
20
し、乾燥し、そしてシリカゲルパッドに通して、黄色油状物として、4,6−ジクロロ−
5−シクロプロピル−ピリミジン(1.30g、78%)を得た。
【0522】
【化278】
(工程2)
4−クロロ−5−ヨードピリミジンを5−シクロプロピル−4,6−ジクロロ−ピリミ
ジンで置き換えて、実施例40、工程1で記述した手順により、4−(5−シクロプロピ
ル−6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエ
30
ステルを調製した。
【0523】
【化279】
(工程3)
丸底フラスコにPd(OAc)2 (84mg、0.37mmol)およびrac−BI
40
NAP(234mg、0.37mmol)を充填し、そしてN2 でパージした。このフラ
スコに、4−(5−シクロプロピル−6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン
−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(1.27g、3.75mmol)、ベンゾフェ
ノンイミン(815mg、4.50mmol)、NaOBu
t
(793mg、8.25m
mol)およびトルエン(24mL)を加えた。その混合物を、1時間にわたって、95
℃まで加熱した。室温まで冷却した後、その反応物をEtOAcで希釈し、セライトで濾
過し、そして濃縮した。その粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOA
c、2:1)で精製して、無色油状物として、4−[6−(ベンズヒドリリデン−アミノ
)−5−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸第三級
ブチルエステル(1.62g、89%)を得た。
50
(155)
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【0524】
【化280】
(工程4)
4−[6−(ベンズヒドリリデン−アミノ)−5−シクロプロピル−ピリミジン−4−
イル]−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(1.60g、3.31mm
10
ol)のMeOH(70mL)撹拌溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.41g、6
.0mmol)およびNaOAc(0.65g、7.9mmol)を加えた。室温で一晩
撹拌した後、その反応混合物を0.1N NaOHとDCMとの間で分配した。有機層を
乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラム(DCM:MeOH、20:1)で精製して
、無色シロップとして、4−(6−アミノ−5−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル
)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(1.00g、95%)を得た。
【0525】
【化281】
20
(工程5)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを4−(6−アミノ−5−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−
1−カルボン酸第三級ブチルエステルで置き換えて、実施例34、工程3で記述した手順
により、5−シクロプロピル−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イルアミン
二塩酸塩を調製した。
30
【0526】
【化282】
(工程6)
実施例34、工程2において、5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを5−
シクロプロピル−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イルアミン二塩酸塩で置
き換え、そして(D)−Boc−4−クロロフェニルアラニンを4−第三級ブトキシカル
ボニルアミノ−2−(4−クロロフェニル)−酪酸で置き換え、次いで、実施例34、工
程3で記述したようにして、そのBoc保護基を除去して、4−アミノ−1−[4−(6
−アミノ−5−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2
−(4−クロロフェニル)−ブタン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0527】
40
(156)
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【化283】
(実施例90)
【0528】
10
【化284】
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−フロ[3,2−b
20
]ピリジン−7−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
3−ヒドロキシ−2−ブロモピリジン(21.4g、123mmol)の無水酢酸(2
5g、245mmol)溶液を1時間還流した。冷却した後、その混合物を氷水に注ぎ、
Na2 CO3 で中和し、そしてエーテルで抽出した。有機相を乾燥し、そして濃縮した。
その残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ、エーテルで溶出して、酢酸2−ブロモ−ピ
リジン−3−イルエステル(26.2g、99%)を得た。
【0529】
【化285】
30
(工程2)
PdCl2 (PPh3 )2 (1.4g、2.0mmol)およびCuI(0.4g、2
.1mmol)のTEA(100mL)およびTHF(200mL)溶液に、窒素下にて
、THF(100mL)中の2−ブロモ−3−アセトキシ−ピリジン(13.1g、60
.6mmol)およびTMS−アセチレン(7.0g、71mmol)の混合物を一度に
加えた。その混合物を、室温で、1時間撹拌した。次いで、飽和NaHCO3 (50mL
)およびMeOH(50mL)でクエンチした。この混合物を、80℃で、2時間撹拌し
た。冷却した後、この混合物をエーテルで抽出した。有機相を乾燥し、そして濃縮した。
その残渣をカラムクロマトグラフィーにかけて、フロ[3,2−b]ピリジン(1.54
40
g、21%)を得た。
【0530】
【化286】
(工程3)
フロ[3,2−b]ピリジン(1.5g、13.0mmol)のCHCl3 (30mL
)溶液に、MCPBA(2.9g、17.0mmol)を加えた。その混合物を、室温で
、16時間撹拌した。この混合物をアルミナ(140g、塩基性)で濾過し、そして酢酸
50
(157)
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エチル/ヘキサン(1:1)およびDCM/MeOH(20:1)で洗浄して、フロ[3
,2−b]ピリジン4−オキシド(1.49g、88%)を得た。
【0531】
【化287】
(工程4)
フロ[3,2−b]ピリジン4−オキシドのCHCl3 (5mL)溶液に、POCl3
(5g、33mmol)を加えた。その混合物を2時間還流した。冷却した後、この混合
物を氷水でクエンチし、そしてNaHCO3 で中和した。CHCl3 (3×100mL)
10
で抽出した。有機相を乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィーに
かけて、7−クロロ−フロ[3,2−b]ピリジン(0.74g、50%)を得た。
【0532】
【化288】
(工程5)
7−クロロ−フロ[3,2−b]ピリジン(0.73g、4.75mmol)およびピ
ペラジン(1.2g、14mmol)の混合物を、封管中にて、4時間にわたって、13
0℃まで加熱した。冷却した後、固形物をMeOHおよびDCMに溶解し、濃縮し、そし
20
てカラムクロマトグラフィーにかけ、DCM/MeOH(10:1∼1:1)で溶出して
、7−ピペラジン−1−イル−フロ[3,2−b]ピリジン(0.21g、22%)を得
た。MS(APCI+)[M+H]
+
204。
【0533】
(工程6)
7−ピペラジン−1−イル−フロ[3,2−b]ピリジン(0.21g、1.03mm
ol)および(2R)−2−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−クロロフェニ
ル)−プロピオン酸(0.6g、2.0mmol)のDMF(10mL)およびTEA(
2mL)溶液に、HOBT(0.3g、2.2mmol)およびEDCI(0.42g、
2.2mmol)を加えた。その混合物を、室温で、4時間撹拌した。溶媒を除去し、そ
30
の残渣をカラムクロマトグラフィーにかけて、(2R)−[1−(4−クロロベンジル)
−2−(4−フロ[3,2−b]ピリジン−7−イル−ピペラジン−1−イル)−2−オ
キソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(7mg、1.4%)を得た。MS
(APCI+)[M+H]
+
486。
【0534】
(工程7)
(2R)−[1−(4−クロロベンジル)−2−(4−フロ[3,2−b]ピリジン−
7−イル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸第三級ブチル
エステル(7mg、0.014mmol)のDCM(4mL)溶液に、ジオキサン中のH
Cl(4M、1mL)を加えた。その混合物を、室温で、4時間撹拌した。溶媒を除去し
て、HCl塩(6mg、99%)として、(2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェ
ニル)−1−(4−フロ[3,2−b]ピリジン−7−イル−ピペラジン−1−イル)−
プロパン−1−オンを得た。MS(APCI+)[M+H]
【0535】
(実施例91)
【0536】
+
386。
40
(158)
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【化289】
((7S,2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(7−メチ
10
ル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピ
ペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩および(7R,2R)−2−アミノ
−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(7−メチル−5,6,7,8−テトラヒド
ロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル−プロパン−
1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
2−クロロ−6−メチル−ニコチン酸(3.00g、17.5mmol)のMeOH中
アンモニア(7M、60mL)溶液を、ボンベにて、一晩にわたって、120℃で加熱し
た。冷却した後、溶媒を除去し、その残渣を2N HClで中和した。沈殿物を濾過し、
水で洗浄し、そして乾燥して、2−アミノ−6−メチル−ニコチン酸(1.44g、54
20
%)を得た。
【0537】
【化290】
(工程2)
2−アミノ−6−メチル−ニコチン酸(1.44g、9.46mmol)およびホルム
30
アミド(8.0g、178mmol)の混合物を、170℃で、2時間撹拌した。冷却し
た後、この混合物を水(4mL)でクエンチした。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、そして
乾燥して、7−メチル−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−オール(0.79g、5
1%)を得た。
【0538】
【化291】
(工程3)
7−メチル−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−オール(0.78g、4.84m
mol)のDCE(30mL)溶液に、DIEA(1.0mL、1.19mmol)を加
え、続いて、POCl3 (2.4mL、26.1mmol)を加えた。その混合物を一晩
還流した。冷却した後、溶媒を除去し、その残渣を水(50mL)に溶解し、そして酢酸
エチル(3×100mL)で抽出した。有機相を乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカ
ラムクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン/酢酸エチル(2:1)で溶出して、4−クロ
ロ−7−メチル−ピリド[2,3−d]ピリミジン(0.66g、76%)を得た。
【0539】
40
(159)
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【化292】
(工程4)
DCE(40mL)およびTEA(5mL)中の4−クロロ−7−メチル−ピリド[2
,3−d]ピリミジン(0.66g、3.67mmol)および1−Boc−ピペラジン
(0.75g、4.03mmol)の混合物を1時間還流した。冷却した後、溶媒を除去
し、その残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル−DCM/MeOH(10
:1)で溶出して、4−(7−メチル−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−
10
ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(1.2g、99%)を得た。
【0540】
【化293】
(工程5)
4−(7−メチル−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−
20
カルボン酸第三級ブチルエステル(1.2g、3.64mmol)、PtO2 (42mg
、0.18mmol)のMeOH(40mL)およびTFA(2mL)溶液を、H2 (1
atm)下にて、室温で、4時間撹拌した。触媒を濾過し、そして溶媒を除去した。その
残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ、DCM/MeOH(20:1)で溶出して、T
FA塩(0.43g、27%)として、4−(7−メチル−5,6,7,8−テトラヒド
ロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級
ブチルエステルを得た。
【0541】
【化294】
30
(工程6)
4−(7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン
−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステルTFA塩(0.19g
、0.44mmol)のDCM(20mL)およびTEA(1mL)溶液に、(S)−モ
シャー酸(Mosher’s acid)塩化物(0.14g、0.55mmol)を加
えた。その混合物を、室温で、20分間撹拌した。溶媒を除去し、その残渣をカラムクロ
マトグラフィーにかけ、ヘキサン/酢酸エチル(4:1−3:1−2:1)で抽出した。
第一スポットにより、(7S)−4−[7−メチル−8−(3,3,3−トリフルオロ−
2−メトキシ−2−フェニル−プロピオニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド
[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエス
テル(84mg、34%)が得られた。
【0542】
40
(160)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化295】
第二スポットにより、(7R)−4−[7−メチル−8−(3,3,3−トリフルオロ−
2−メトキシ−2−フェニル−プロピオニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド
[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエス
10
テル(85mg、35%)が得られた。
【0543】
【化296】
(工程7)
20
(7S)−4−[7−メチル−8−(3、3,3−トリフルオロ−2−メトキシ−2−
フェニル−プロピオニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリ
ミジン−4−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(84mg、0
.153mmol)のMeOH(5mL)溶液に、LiOH(3M、4mL)を加えた。
その混合物を、室温で、4日間撹拌し、次いで、2N HClで中和した。溶媒を除去し
、その残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル−DCM/MeOH(20:
1)で溶出して、(7S)−4−(7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド
[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエス
テル(32mg、63%)を得た。
【0544】
30
【化297】
(工程8)
(7S)−4−(7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]
ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(32mg
、0.096mmol)のDCM(2mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、2m
40
L)を加えた。その混合物を、室温で、3時間撹拌した。溶媒を除去して、HCl塩(2
2mg、99%)として、(7S)−7−メチル−4−ピペラジン−1−イル−5,6,
7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジンを得た。MS(APCI+)[
M+H]
+
234。
【0545】
(工程9)
(7S)−7−メチル−4−ピペラジン−1−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−
ピリド[2,3−d]ピリミジン(7.5mg、0.032mmol)のDCM(4mL
)およびDIEA(0.5mL)の溶液に、D−2−第三級ブトキシカルボニルアミノ−
3−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸(10mg、0.033mmol)およびH
50
(161)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
BTU(13mg、0.034mmol)を加えた。その混合物を、室温で、1時間撹拌
した。溶媒を除去し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エ
チル(2:1)で溶出した)にかけて、(7S、2R)−{1−(4−クロロベンジル)
−2−[4−(7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリ
ミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第
三級ブチルエステル(16mg、96%)を得た。
【0546】
【化298】
10
(工程10)
(7S,2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(7−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1
−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(16mg、0.
031mmol)のDCM(5mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、2mL)を
加えた。その混合物を、室温で、4時間撹拌した。溶媒を除去して、(7S,2R)−2
20
−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(7−メチル−5,6,7,8−テ
トラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−
プロパン−1−オン二塩酸塩(13mg、99%)を得た。MS(APCI+)[M+H
]
+
416。(7R)−4−[7−メチル−8−(3、3,3−トリフルオロ−2−メ
トキシ−2−フェニル−プロピオニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,
3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステルと
類似の様式で、(7R,2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−
(7−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−
イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0547】
30
(実施例92)
【0548】
【化299】
40
(3−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メチル−7H−ピロロ
[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン
二塩酸塩の調製)
(工程1)
7−ベンゼンスルホニル−5−メチル−4−ピペラジン−1−イル−7H−ピロロ[2
,3−d]ピリミジン二塩酸塩(35mg、0.081mmol)、3−Boc−アミノ
−2−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸(27mg、0.089mmol)および
TEA(0.11mL、0.81mmol)のDCM(1.2mL)溶液に、HBTU(
34mg、0.089mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、2時間撹拌し、
50
(162)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
その後、3M LiOH(0.15mL)およびMeOH(1.0mL)を加えた。この
反応混合物を、35℃で、3.5時間撹拌し、その後、飽和NaHCO3 を加えた。この
混合物をDCMで抽出し、そして合わせた抽出物を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そ
して濃縮した。その粗製物をシリカゲル(これは、1:1のDCM:EtOAcに次いで
、1:4のDCM:EtOAcまでの勾配でフラッシュした)で精製して、3−Boc−
アミノ−2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メチル−7H−ピロロ[2,3
−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オンを得、こ
れを、次の工程で使用した。
【0549】
(工程2)
10
3−Boc−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メチル−7H−
ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1
−オンのジオキサン1mL溶液に、4M HCl/ジオキサン1.5mLを加えた。得ら
れた懸濁液を、室温で、7時間撹拌し、その後、それを乾燥状態まで濃縮した。次いで、
固形物を最小限のMeOHに溶解し、その生成物を、エーテルを加えて倍散した。この固
形物を、窒素圧を使って、フリット付き漏斗での濾過により単離し、エーテルでリンスし
、そして真空中で乾燥して、ベージュ色粉末として、3−アミノ−2−(4−クロロフェ
ニル)−1−[4−(5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)
−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩(21mg、55%)を得た。
【0550】
20
【化300】
(実施例93)
30
【0551】
【化301】
(2−(4−クロロフェニル)−3−ジメチルアミノ−1−[4−(5−メチル−7H
40
−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−
1−オンビス−塩酸塩の調製)
(工程1)
7−ベンゼンスルホニル−5−メチル−4−ピペラジン−1−イル−7H−ピロロ[2
,3−d]ピリミジンビス−塩酸塩(200mg、0.465mmol)および3−第三
級ブトキシカルボニルアミノ−2−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸(146mg
、0.488mmol)を、室温で、DMF(2.0mL)に溶解/懸濁し、そしてTE
A(259μL、1.86mmol)で処理した。HBTU(194mg、0.511m
mol)を一度に加え、その反応物を、完結するまで、室温で、一晩撹拌した。この反応
物を、酢酸エチルと希NaHCO3 溶液との間で分配した。水性物を酢酸エチルで抽出し
50
(163)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
、そして有機物を合わせた。有機物を水で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、分離し、
MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。その残渣をクロマトグラフィー
(シリカゲル;これは、70:30の酢酸エチル:ヘキサンで溶出した)にかけて、無色
ゲル(295mg、99%)として、純粋な[3−[4−(7−ベンゼンスルホニル−5
−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル
]−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソ−プロピル]−カルバミン酸第三級ブチル
エステルを得た。
【0552】
【化302】
10
(工程2)
この[3−[4−(7−ベンゼンスルホニル−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d
]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−(4−クロロフェニル)−3
20
−オキソ−プロピル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(295mg、0.464m
mol)を1,4−ジオキサン2.3mLに溶解し、そして1,4−ジオキサン(2.3
mL、9.29mmol)中の4M HClで処理した。その混合物を、完結するまで、
4時間撹拌すると、黄色沈殿物が得られた。その懸濁液をジエチルエーテルで希釈し、そ
して水に注いだ。さらに多くのジエチルエーテルを加え、そして層を振盪した。エーテル
洗浄液を捨て、そして水性物を、pH紙で塩基性(約10)になるまで、飽和NaHCO
3
溶液で処理して、白色沈殿物を得た。この水性物を酢酸エチルで抽出し、そして有機物
を合わせた。この有機物を水で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、分離し、MgSO4
で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮して、無色油状物(194mg、77%)として
、ほぼ純粋な3−アミノ−1−[4−(7−ベンゼンスルホニル−5−メチル−7H−ピ
30
ロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−(4−クロ
ロフェニル)−プロパン−1−オンを得た。
【0553】
【化303】
40
(工程3)
この3−アミノ−1−[4−(7−ベンゼンスルホニル−5−メチル−7H−ピロロ[
2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−(4−クロロフェ
ニル)−プロパン−1−オン(75mg、0.139mmol)を1,2−ジクロロエタ
ン1.0mLに溶解し、そして37%ホルムアルデヒド水溶液(31μL、0.417m
mol)で処理した。その溶液を、室温で、15分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化
ホウ素ナトリウム(118mg、0.557mmol)を一度に加えた。その反応は1時
間で完結し、そして内容物を希NaHCO3 溶液に注いだ。水性物を酢酸エチルで抽出し
、そして有機物を合わせた。この有機物を水で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、分離
50
(164)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
し、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。その残渣をクロマトグラフ
ィー(シリカゲル;これは、9:1の酢酸エチル:メタノール中の1%TEAで溶出した
)で精製して、無色油状物として、純粋な1−[4−(7−ベンゼンスルホニル−5−メ
チル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−
2−(4−クロロフェニル)−3−ジメチルアミノ−プロパン−1−オン中間体を得た。
この油状物を、THF、メタノールおよび水(それぞれ、0.5mL)に溶解した。その
溶液を水酸化リチウム一水和物(29mg、0.696mmol)で処理して、不透明溶
液を得、これを、完結するまで、一晩撹拌した。この溶液を酢酸エチルと水との間で分配
し、そして水性物をさらに多くの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を水で洗浄し、
次いで、ブラインで洗浄し、分離し、Na2 SO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃
10
縮して、黄色油状物として、粗生成物を得た。その残渣をクロマトグラフィー(シリカゲ
ル;これは、4:1の酢酸エチル:メタノール中の1%TEAで溶出した)で精製して、
無色油状物として、表題遊離塩基を得た。この物質を最小限の量のTHF(>1mL)に
溶解し、そしてエーテル中の2.0M HClで処理した。得られた白色沈殿物を濾過し
、ジエチルエーテルで洗浄し、そして減圧下にて乾燥して、白色固形物(24mg、35
%)として、2−(4−クロロフェニル)−3−ジメチルアミノ−1−[4−(5−メチ
ル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プ
ロパン−1−オンビス−塩酸塩を得た。
【0554】
【化304】
20
(実施例94)
【0555】
【化305】
30
(2−(4−クロロフェニル)−4−ジメチルアミノ−1−[4−(5−メチル−7H
−ピロロ[2,3−dピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−ブタン−1−
オンビス−塩酸塩の調製)
実施例93、工程1∼3で記述した手順[工程1において、3−第三級ブトキシカルボ
ニルアミノ−2−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸を4−第三級ブトキシカルボニ
ルアミノ−2−(4−クロロフェニル)−酪酸で置き換える]により、2−(4−クロロ
フェニル)−4−ジメチルアミノ−1−[4−(5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d
]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−ブタン−1−オンビス−塩酸塩(
21mg、30%)を調製した。
【0556】
40
(165)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化306】
(実施例95)
10
【0557】
【化307】
(N−(2−アミノ−エチル)−N−(4−クロロベンジル)−4−ピリジン−4−イ
ル−ベンズアミドビス−塩酸塩の調製)
20
(工程1)
(2−アミノ−エチル)−カルバミン酸第三級ブチルエステル(5.00g、31.2
mmol)および4−クロロ−ベンズアルデヒド(4.61g、32.77mmol)を
、室温で、1,2−ジクロロエタン60mLに溶解した。その反応混合物を40分間撹拌
した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(9.90g、46.8mmol)で処
理した。この混合物を、完結するまで、一晩撹拌し、そしてNaHCO3 飽和溶液でクエ
ンチした。水性物をDCMで抽出し、分離し、MgSO4 で乾燥し、そして真空中で濃縮
した。その残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;これは、ヘキサン/EtOAc+2
%トリエチルアミンで溶出した)で精製して、粘稠な黄色油状物(5.38g、61%)
として、純粋な[2−(4−クロロベンジルアミノ)−エチル]−カルバミン酸第三級ブ
30
チルエステルを得た。
【0558】
【化308】
(工程2)
4−ブロモ−安息香酸エチルエステル(1.00g、4.37mmol)、ピリジン−
40
4−ボロン酸(537mg、4.37mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(0)(757mg、0.655mmol)を、窒素下にて、脱気した
。固形物を、1,4−ジオキサン15mLおよび2M 炭酸ナトリウム溶液2.6mLに
溶解した。その混合物を、完結するまで、一晩にわたって、80℃まで加熱し、そして室
温まで冷却した。内容物を、酢酸エチルと水との間で分配し、そして水性物を酢酸エチル
で抽出した。合わせた有機物を、水、ブラインで洗浄し、MgSO4 で乾燥し、濾過し、
そして真空中で濃縮した。その残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;これは、1:1
のヘキサン:EtOAcで溶出した、Rf=0.2)で精製して、淡黄色固形物(350
mg、35%)として、純粋な4−ピリジン−4−イル−安息香酸エチルエステルを得た
。
50
(166)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【0559】
【化309】
(工程3)
この4−ピリジン−4−イル−安息香酸エチルエステル(430mg、1.89mmo
l)を、完結するまで、3M HCl溶液6.5mL中にて、一晩にわたって、100℃
10
まで加熱した。その混合物を室温まで冷却し、そして水で希釈した(沈殿物らを溶解した
)。その溶液を濾過し、そして真空中で濃縮して、淡黄色固形物(380mg、85%)
として、4−ピリジン−4−イル−安息香酸塩酸塩を得た。
【0560】
【化310】
20
(工程4)
この4−ピリジン−4−イル−安息香酸塩酸塩(100mg、0.502mmol)、
[2−(4−クロロベンジルアミノ)−エチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(
143mg、0.502mmol)、HOBt(77mg、0.502mmol)および
EDCI(56mg、0.552mmol)をDMF(1.7mL)に溶解し、次いで、
室温まで、トリエチルアミン(77μL、0.552mmol)で処理した。その反応物
を、完結するまで、一晩撹拌し、そして酢酸エチルと希NaHCO3 溶液との間で分配し
た。水性物を酢酸エチルで抽出し、そして有機物を合わせた。有機物を、水、ブラインで
洗浄し、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。その残渣をクロマトグ
ラフィー(シリカゲル;これは、ヘキサン/酢酸エチルの勾配+2%トリエチルアミンで
30
溶出した)で精製して、無色油状物(184mg、93%)として、{2−[(4−クロ
ロベンジル)−(4−ピリジン−4−イル−ベンゾイル)−アミノ]−エチル}−カルバ
ミン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0561】
【化311】
(工程5)
この{2−[(4−クロロベンジル)−(4−ピリジン−4−イル−ベンゾイル)−ア
ミノ]−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(184mg、0.395mmo
l)を1,4−ジオキサン2.0mLに溶解し、そして1,4−ジオキサン中の4M H
Cl(2.0mL)で処理した。その反応物を、完結するまで、1時間撹拌し、そしてジ
エチルエーテルで希釈した。その生成物を真空濾過により単離して、淡黄色粉末(166
mg、96%)として、N−(2−アミノ−エチル)−N−(4−クロロベンジル)−4
−ピリジン−4−イル−ベンズアミドビス−塩酸塩を得た。
【0562】
40
(167)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化312】
(実施例96)
【0563】
【化313】
10
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5,6,7,8
20
−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル
]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
2−アミノニコチン酸(7.00g、50.7mmol)およびホルムアミド(22.
8g、506mmol)の混合物を、2.5時間にわたって、167℃まで加熱した。冷
却した後、その固形物を温水(100mL)から再結晶して、純粋な生成物(4.80g
、64%)を得た。
【0564】
【化314】
30
(工程2)
4−ヒドロキシピリド[2,3−d]ピリミジン(2.00g、13.6mmol)の
POCl3 (40mL)溶液を、2時間還流した。冷却した後、過剰のPOCl3 を真空
下にて除去した。その残渣を飽和NaHCO3 でクエンチし、そして酢酸エチル(3×1
00mL)で抽出した。有機相を乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマトグ
ラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出した)にかけて、4−クロロ
40
ピリド[2,3−d]ピリミジン(0.72g、32%)を得た。
【0565】
【化315】
(工程3)
4−クロロピリド[2,3−d]ピリミジン(0.72g、4.4mmol)および1
−Bocピペラジン(0.84g、4.5mmol)のDCE(10mL)およびIPA
(10mL)溶液に、トリエチルアミン(4mL)を加えた。その混合物を4時間還流し
50
(168)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
た。冷却した後、溶媒を除去した。その残渣を酢酸エチルでカラムクロマトグラフィーに
かけて、4−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル−ピペラジン−1−カルボン酸
第三級ブチルエステル(1.26g、92%)を得た。
【0566】
【化316】
10
(工程4)
4−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル−ピペラジン−1−カルボン酸第三級
ブチルエステル(0.24g、0.76mmol)のMeOH(10mL)およびTFA
(1mL)溶液に、PtO2 (10mg)を加えた。その混合物を、H2 (1atm)下
にて、室温で、一晩撹拌した。触媒を濾過により除き、そして溶媒を除去した。その残渣
をカラムクロマトグラフィー(これは、DCM/MeOH(20:1)で溶出した)にか
けて、4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イ
ル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.15g、62%)を得た
20
。
【0567】
【化317】
(工程5)
4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル)
30
−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.88g、2.75mmol)
のDCM(10mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、5mL)を加えた。その混
合物を、室温で、4時間撹拌した。溶媒を除去して、HCl塩(0.80g、99%)と
して、4−ピペラジン−1−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d
]ピリミジンを得た。MS(APCI+)[M+H]
+
220。
【0568】
(工程6)
4−ピペラジン−1−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピ
リミジン二塩酸塩(20mg、0.068mmol)および(2R)−2−第三級ブトキ
シカルボニルアミノ−3−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸(21mg、0.07
0mmol)のDCM(5mL)およびTEA(1mL)溶液に、HBTU(30mg、
0.079mmol)を加えた。その混合物を、室温で、4時間撹拌した。溶媒を除去し
、その残渣をカラムクロマトグラフィー(これは、酢酸エチル/DCM/MeOH(20
:1)で溶出した)にかけて、(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−
2−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(18m
g、53%)を得た。
【0569】
40
(169)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化318】
(工程7)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−オキソ−2−[4−(5,6,7,8
10
−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル
]−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(18mg、0.036mmol)の
DCM(4mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、2mL)を加えた。その混合物
を、室温で、4時間撹拌した。溶媒を除去して、(2R)−2−アミノ−3−(4−クロ
ロフェニル)−1−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]ピリ
ミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩(14mg
、99%)を得た。MS(APCI+)[M+H]
+
401。
【0570】
(実施例97)
【0571】
20
【化319】
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(6,7−ジヒド
30
ロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プ
ロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
ホルムアミドHCl塩(21.6g、268mmol)のMeOH(300mL)溶液
に、NaOMe(MeOH中で25%、120mL、555mmol)を加えた。その混
合物を、室温で、1時間撹拌した。次いで、MeOH(90mL)中の1,1,2−エタ
ントリカルボン酸トリエチル(64.4g、60mL、262mmol)をゆっくりと加
えた。添加後、その混合物を、室温で、20時間撹拌した。溶媒を除去し、その残渣を氷
水(200mL)に溶解し、そしてpH=1∼2になるまで、2N HCl(140mL
)で中和した。形成された固形物を濾過し、水(50mL)で洗浄し、そして真空乾燥し
40
て、(4,6−ジヒドロキシ−ピリミジン−5−イル)−酢酸メチルエステル(45g、
93%)を得た。
【0572】
【化320】
(工程2)
(4,6−ジヒドロキシ−ピリミジン−5−イル)−酢酸 メチルエステル(45g、
50
(170)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
244mmol)のDCE(800mL)溶液に、DIEA(72mL、413mmol
)を加え、続いて、POCl3 (80mL、874mmol)をゆっくりと加えた。添加
後、その混合物を、室温で、2時間撹拌し、次いで、一晩還流した。冷却した後、溶媒を
除去し、その残渣を氷水(400mL)に溶解し、pH6まで、10N NaOHで中和
した。酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。有機相を乾燥し、そして濃縮した。そ
の残渣をカラムクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で溶出し
た)にかけて、(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−酢酸メチルエステル(3
8g、70%)を得た。
【0573】
【化321】
10
(工程3)
(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−酢酸メチルエステル(0.52g、2
.35mmol)のエーテル(40mL)溶液に、−78℃で、DIBAL−H(1.5
M、4mL、6.05mmol)を滴下した。添加後、その混合物を室温まで温め、そし
て3時間撹拌した。次いで、−78℃で、2N HCl(10mL)でクエンチした。酢
酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機相を乾燥し、そして濃縮して、かなり純粋な
2−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−エタノール(0.44g、97%)
を得た。
20
【0574】
【化322】
(工程4)
2−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−エタノール(0.46g、2.4
mmol)のDCM(40mL)溶液に、MsCl(0.50g、4.36mmol)、
トリエチルアミン(1mL)および触媒量のDMAPを加えた。室温で一晩撹拌した後、
30
溶媒を除去し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(
4:1)で溶出した)にかけて、メタンスルホン酸2−(4,6−ジクロロ−ピリミジン
−5−イル)−エチルエステル(0.52g、80%)を得た。
【0575】
【化323】
(工程5)
メタンスルホン酸2−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−エチルエステル
(0.50g、1.84mmol)および4−メトキシベンジルアミン(0.60g、4
.37mmol)のDCE(30mL)およびTEA(4mL)溶液を、一晩還流した。
冷却した後、溶媒を除去し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/
酢酸エチル(4:1)で溶出した)にかけて、4−クロロ−7−(4−メトキシ−ベンジ
ル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(036g、71%)
を得た。
【0576】
40
(171)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化324】
(工程6)
4−クロロ−7−(4−メトキシ−ベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2
10
,3−d]ピリミジン(0.36g、1.31mmol)、1−Boc−ピペラジン(1
.0g、5.37mmol)およびtBuOK(0.18g、1.60mmol)のNM
P(20mL)溶液を、20時間にわたって、128℃まで加熱した。冷却した後、その
混合物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、そして水(5×150mL)で洗浄した。
有機相を乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(これは、ヘキ
サン/酢酸エチル(1:1)で溶出した)にかけて、4−[7−(4−メトキシ−ベンジ
ル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペラ
ジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.32g、57%)を得た。
【0577】
【化325】
20
(工程7)
4−[7−(4−メトキシ−ベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−
d]ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.
30
32g、0.74mmol)のTFA(20mL)溶液を、65℃で、20時間撹拌した
。冷却した後、このTFAを、真空下にて、4−ピペラジン−1−イル−6,7−ジヒド
ロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンビス−トリフルオロ酢酸塩(0.15g、9
9%)を得た。MS(APCI+)[M+H]
+
206。
【0578】
(工程8)
4−ピペラジン−1−イル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジ
ンビス−トリフルオロ酢酸塩(20mg、0.097mmol)のDCM(10mL)お
よびTEA(2mL)溶液に、(2R)−2−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−(
4−クロロフェニル)−プロピオン酸(30mg、0.10mmol)およびHBTU(
30mg、0.079mmol)を加えた。その混合物を、室温で、2時間撹拌した。溶
媒を除去し、その残渣をカラムクロマトグラフィーにかけて、(2R)−{1−(4−ク
ロロベンジル)−2−[4−(6,7−ジヒドロ−SH−ピロロ[2,3−d]ピリミジ
ン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級
ブチルエステル(19mg、40%)を得た。
【0579】
40
(172)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化326】
(工程9)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピ
ロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エ
10
チル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(19mg、0.039mmol)のDCM
(4mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、2mL)を加えた。その混合物を、室
温で、6時間撹拌した。溶媒を除去して、(2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェ
ニル)−1−[4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−
イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩(15mg、99%)を
得た。MS(APCI+)[M+H]
+
388。
【0580】
(実施例98)
【0581】
【化327】
20
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メチル−6
,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1
30
−イル]−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
KH(30%、13.3g、125mmol)のTHF(200mL)溶液に、0℃で
、THF(200mL)中の(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−酢酸メチル
エステル(20.0g、90.0mmol)およびMeI(290.0g、8.8mL、
141.0mmol)をゆっくりと加えた。添加後、その混合物を、室温で、30分間撹
拌し、次いで、1時間にわたって、還流状態まで加熱した。0℃まで冷却した後、この混
合物をNH4 Cl飽和水溶液でクエンチした。有機相を分離し、そして水相を酢酸エチル
(3×200mL)で抽出した。これらの有機相を合わせ、そして乾燥した。溶媒を除去
した後、その残渣をカラムクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(5:1
40
)で溶出した)にかけて、2−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−プロピオ
ン酸メチルエステル(17.6g、83%)を得た。
【0582】
【化328】
(工程2)
2−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−プロピオン酸 メチルエステル(
0.5g、2.13mmol)のエーテル(40mL)溶液に、−78℃で、DIBAL
50
(173)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
−H(1.5M、4mL、6.0mmol)を滴下した。その混合物を室温まで温め、そ
して3時間撹拌した。次いで、−78℃で、2N HCl(10mL)でクエンチした。
水相を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機相を乾燥し、そして濃縮した。その
残渣をカラムクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で溶出した
)にかけて、2−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−プロパン−1−オール
(0.40g、91%)を得た。
【0583】
【化329】
10
(工程3)
2−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−プロパン−1−オール(0.40
g、1.93mmol)のDCM(40mL)溶液に、MsCl(0.50g、4.36
mmol)、TEA(1mL)および触媒量のDMAPを加えた。その混合物を、室温で
、2時間撹拌した。溶媒を除去し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(これは、ヘキ
サン/酢酸エチル(4:1)で溶出した)にかけて、メタンスルホン酸2−(4,6−ジ
クロロ−ピリミジン−5−イル)−プロピルエステル(0.54g、98%)を得た。
【0584】
【化330】
20
(工程4)
メタンスルホン酸2−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−プロピルエステ
ル(0.54g、1.89mmol)のDCM(30mL)およびTEA(4mL)溶液
に、4−メトキシベンジルアミン(0.80g、5.83mmol)を加えた。その混合
物を一晩還流した。冷却した後、溶媒を除去し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(
30
これは、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で溶出した)にかけて、4−クロロ−7−(4
−メトキシ−ベンジル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]
ピリミジン(0.55g、99%)を得た。
【0585】
【化331】
40
(工程5)
4−クロロ−7−(4−メトキシ−ベンジル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H
−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.55g、1.88mmol)のNMP(20m
L)溶液に、1−Boc−ピペラジン(1.0g、5.40mmol)および
t
BuOK
(0.21g、1.88mmol)を加えた。その混合物を、30時間にわたって、12
8℃まで加熱した。冷却した後、この混合物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、そし
て水(5×150mL)で洗浄した。有機相を乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラ
ムクロマトグラフィー(これは、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出した)にかけて
、4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−
イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.30g、36%)を得
50
(174)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
た。
【0586】
【化332】
10
(工程6)
4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−
イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(0.30g、0.68mm
ol)のTFA(20mL)溶液を、一晩にわたって、65℃まで加熱した。冷却した後
、真空下にて、過剰のTFAを蒸発させて、TFA塩(0.15g、99%)として、5
−メチル−4−ピペラジン−1−イル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]
ピリミジンを得た。MS(APCI+)[M+H]
+
220。
【0587】
(工程7)
5−メチル−4−ピペラジン−1−イル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−
20
d]ピリミジン(18mg、0.082mmol)のDCM(10mL)およびTEA(
2mL)溶液に、(2R)−2−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−クロロフ
ェニル)−プロピオン酸(25mg、0.082mmol)およびHBTU(31mg、
0.082mmol)を加えた。その混合物を、室温で、2時間撹拌した。溶媒を除去し
、その残渣をカラムクロマトグラフィー(これは、酢酸エチル−DCM/MeOH(30
:1)で溶出した)にかけて、(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(
5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−
ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(
32mg、78%)を得た。
【0588】
30
【化333】
(工程8)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(5−メチル−6,7−ジヒド
ロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−2
−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエステル(32mg、0.064mmo
l)のDCM/MeOH(5:1、6mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、2m
L)を加えた。その混合物を、室温で、6時間撹拌した。溶媒を除去して、(2R)−2
−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−
5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパ
ン−1−オン二塩酸塩(26mg、99%)を得た。MS(APCI+)[M+H]
402。
【0589】
(実施例99)
【0590】
+
40
(175)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化334】
((2R)−N−{4−[4−(2−アミノ−3−フェニル−プロピオニル)−ピペラ
10
ジン−1−イル]−キナゾリン−6−イル}−メタンスルホンアミド二塩酸塩の調製)
(工程1)
4−クロロ−6−ニトロキナゾリン(これは、以下の文献およびその中の参考文献に従
って、調製した:Alexander J.Bridgesら、J;Med.Chem.
1996,39,267−276;12g、57.5mmol)およびDIEA(10m
L、57.5mmol)のIPA(230mL)溶液に、Boc−ピペラジン(10.7
g、57.5mmol)を加えた。その反応混合物を60℃まで加熱し、そして13時間
撹拌し、その後、それを室温まで冷却し、そして回転乾燥により濃縮した。その残渣をジ
クロロメタン(DCM)に溶解し、そして1N NaOHで洗浄した。有機層を乾燥し(
Na2 SO4 )、濾過し、そして回転乾燥により濃縮した。得られた油状物をシリカゲル
20
(1:1∼1:4のDCM:EtOAc勾配)で精製して、淡黄色油状物(18.3g、
89%)として、4−(6−ニトロ−キナゾリン−4−イル)−1−Boc−ピペラジン
を得た。LCMS(APCI+)m/z 360[M+H]
+
。HPLC Rt 3.0
6分間。
【0591】
(工程2)
Pd/C(5%w/w、800mg、0.38mmol)の2−メトキシエタノール(
これは、使用前に、窒素で脱気した)100mL懸濁液に、4−(6−ニトロ−キナゾリ
ン−4−イル)−1−Boc−ピペラジン(4.0g、11.1mmol)の2−メトキ
シエタノール10mL溶液を加えた。その反応混合物に、H2 のバルーンを泡立たせ、こ
30
の反応混合物を、室温で、H2 雰囲気下にて、13時間撹拌した。次いで、セライトを加
え、この反応混合物をセライトのパッドで濾過し、そしてMeOHでリンスした。その濾
液を濃縮し、得られた油状物を、EtOAcと共に、シリカゲルの短プラグで濾過した。
得られた濾液を濃縮して、4−(6−アミノ−キナゾリン−4−イル)−1−Boc−ピ
ペラジン(3.47g、95%)を得た。LCMS(APCI+)m/z 330[M+
H]
+
。HPLC Rt 2.31分間:
(工程3)
(6−アミノキナゾリン−4−イル)1−Boc−ピペラジン(1.0g、3.04m
mol)、トリエチルアミン(1.7mL、12.2mmol)およびDMAP(93m
g、0.76mmol)のDCM(20mL)0℃溶液に、滴下漏斗により、塩化メタン
40
スルホニル(0.59mL、7.6mmol)のDCM(6mL)溶液を滴下した。その
反応混合物を、5分間撹拌し、室温まで温め、さらに1.5時間撹拌し、その後、この反
応混合物を0℃まで冷却し、そして注射器により、NaOMe(MeOH中で5.4M、
5.6mL、30.4mmol)をゆっくりと加えた。この反応混合物を10分間撹拌し
、室温まで温め、さらに2時間撹拌し、その後、飽和NH4 Clを加えた。この反応混合
物をDCMで抽出し、そして合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(Na2 SO4
)、濾過し、そして濃縮した。得られた残渣をシリカゲル(20:1のDCM:MeOH
)で精製して、ベージュ色粉末として、N−(4−Boc−ピペラジン−1−イル−キナ
ゾリン−6−イル)−メタンスルホンアミド(1.05g、85%)を得た。LCMS(
APCI+)m/z 408[M+H]
+
。HPLC Rt 2.64分間。
50
(176)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【0592】
(工程4)
N−(4−Boc−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−6−イル)−メタンスルホン
アミド(1.05g、2.58mmol)のジオキサン15mL溶液に、4M HCl/
ジオキサン10mLを加えた。得られた懸濁液を、室温で、17時間撹拌し、その後、そ
れをエーテルで希釈し、そして固形物を、窒素圧を使って、フリット付き漏斗での濾過に
より単離し、エーテルでリンスし、そして真空乾燥して、白色粉末として、N−(4−ピ
ペラジン−1−イル−キナゾリン−6−イル)−メタンスルホンアミド二塩酸塩(969
mg、99%)を得た。
【0593】
10
【化335】
(工程5)
Jonesチューブ(これは、PS−CDI(Argonaut、1.04mmol/
20
g、56mg、2.0当量)(これは、N−(4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−
6−イル)−メタンスルホンアミド二塩酸塩(11mg、0.029mmol、1.0当
量)およびDIEA(25μL、0.15mmol、5.0当量)のCHCl3 :THF
(9:1、1.6mL)溶液に懸濁した)を含有する)に、連続的に、HOBt・H2 O
(6mg、0.038mmol、1.3当量)および(D)−Boc−フェニルアラニン
(8mg、0.032mmol、1.1当量)を加えた。その反応混合物を、室温で、1
5時間振盪し、その後、Si−トリスアミン(Silicycle、1.21mmol/
g、48mg、2.0当量)を加えた。この反応混合物を、さらに1時間振盪し、その後
、それを真空濾過し、この樹脂をCHCl3 でリンスし、その濾液を、回転乾燥により、
濃縮した。その粗製物をシリカゲル(19:1のDCM:MeOH)で精製して、透明で
30
無色の残渣として、(2R)−N−{4−[4−(2−Boc−アミノ−3−フェニル−
プロピオニル)−ピペラジン−1−イル]−キナゾリン−6−イル}−メタンスルホンア
ミドを得た。
【0594】
(工程6)
(2R)−N−4−[4−(2−Boc−アミノ−3−フェニル−プロピオニル)−ピ
ペラジン−1−イル]−キナゾリン−6−イル}−メタンスルホンアミドのジオキサン1
.0mL溶液に、4M HCl/ジオキサン1.2mLを加えた。得られた懸濁液を、室
温で、さらに13時間撹拌し、その後、それを乾燥状態まで濃縮した。得られた固形物を
最小限のMeOHに溶解し、その生成物を、エーテルを加えることにより、倍散した。得
られた懸濁液をエーテルで希釈し、そして固形物を、窒素圧を使って、フリット付き漏斗
での濾過により単離し、エーテルでリンスし、そして真空中でさらに乾燥して、黄色粉末
として、(2R)−N−f4−[4−(2−アミノ−3−フェニル−プロピオニル)−ピ
ペラジン−1−イル]−キナゾリン−6−イル}−メタンスルホンアミド二塩酸塩(13
mg、84%)を得た。LCMS(APCI+)m/z 455[M+H]
Rt 2.18分間。
【0595】
(実施例100)
【0596】
+
。HPLC
40
(177)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化336】
(4−アミノ−2−(2−クロロフェニル)−1−[4−(1H−ピラゾロ[3,4−
d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−ブタン−1−オンビス−塩酸塩
の調製)
(工程1)
10
1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オール(5.00g、36.73mm
ol)を、オキシ塩化リン68.5mLおよびN,N−ジメチルアニリン(73.47m
mol)9.31mLに溶解した。この混合物を、完結するまで、90分間にわたって、
還流状態(120℃)まで加熱すると、暗赤色溶液が得られた。この混合物を真空中で濃
縮し、そして氷浴にて、0℃まで冷却した。その残渣を氷水に注ぎ、そして3分間撹拌し
た。その酸性融解物をエーテルで抽出し、そして有機物を合わせた。この有機物を冷水で
洗浄し、冷NaHCO3 半飽和溶液、ブラインで洗浄し、分離し、MgSO4 で乾燥し、
濾過し、そして真空中で濃縮して、淡黄色粉末(2.30g、41%)として、4−クロ
ロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンを得た。1H NMR(DMSO−d6、
400MHz)δ8.84(s、1H)、8.46(s、1H)、NH 観察されず。
20
【0597】
(工程2)
この4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(500mg、3.24m
mol)およびピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(603mg、3.2
4mmol)をNMP(11.0mL)に溶解し、次いで、ジイソプロピルエチルアミン
(845μL、4.85mmol)で処理した。その黄色溶液を、完結するまで、一晩に
わたって、80℃まで加熱し、そして室温まで冷却した。この溶液を酢酸エチルで希釈し
、希NaHCO3 溶液に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を水、ブラ
インで洗浄し、分離し、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮して、黄褐色
固形物として、粗製物質を得た。この物質をDCM/ヘキサンで倍散して、クリーム色着
30
色固形物(824mg、84%)として、4−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジ
ン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0598】
【化337】
(工程3)
この4−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−
カルボン酸第三級ブチルエステル(600mg、1.97mmol)を1,4−ジオキサ
ン4mLに溶解し、そして室温で、1,4−ジオキサン中の4M HCl(10mL)で
処理した。その溶液を2時間撹拌して、生成物の淡黄色懸濁液を得た。溶媒をジエチルエ
ーテルで希釈し、10分間撹拌し、そして濾過した。生成物のパッドをジエチルエーテル
で洗浄し、そして窒素流下にて乾燥して、淡黄色固形物(539mg、99%)として、
4−ピペラジン−1−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンビス−塩酸塩を得
た。
【0599】
40
(178)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化338】
(工程4)
この4−ピペラジン−1−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンビス−塩酸
塩(60mg、0.22mmol)、HOBt(29mg、0.22mmol)、EDC
I(46mg、0.24mmol)および4−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−(
10
2−クロロフェニル)−酪酸[これは、実施例61で記述した手順により、調製した(6
8mg.0.22mmol)]をDMF(1.5mL)に懸濁/溶解し、次いで、トリエ
チルアミン(121μL、0.87mmol)で処理した。その混合物を、完結するまで
、4時間撹拌し、次いで、酢酸エチルと希NaHCO3 溶液との間で分配した。水性物を
酢酸エチルで抽出し、そして有機物を合わせた。この有機物を、水、ブラインで洗浄し、
分離し、MgSO4 で乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。その残渣を1,4−ジ
オキサン1mLに溶解し、そして1,4−ジオキサン中の4M HCl(1mL)で処理
した。この溶液を、完結するまで、室温で、一晩撹拌し、そしてジエチルエーテルで希釈
して、沈澱物を得た。この物質を壊して、懸濁した顆粒固形物を得、これを、30分間撹
拌した。この懸濁液を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、そして窒素流で乾燥して、黄
20
褐色固形物(69.2mg、67%)として、4−アミノ−2−(2−クロロフェニル)
−1−[4−(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1
−イル]−ブタン−1−オンビス−塩酸塩を得た。
【0600】
【化339】
30
(実施例101)
【0601】
【化340】
40
(4−アミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペ
ラジン−1−イル)−ブタン−1−オン、二塩酸塩の調製)
(工程1)
THF(40mL)中でLiHMDS(1.0M、11.3mL、11mmol)を含
有する溶液に、窒素雰囲気下にて、−78℃で、5分間にわたって、2−オキソ−ピロリ
50
(179)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(2.gg、11mmol)のTHF(15
mL)溶液を滴下した。添加が完了した後、その反応物を、−78℃で、45分間撹拌し
、続いて、5分間にわたって、THF(15mL)中で臭化4−メチルベンジル(2.1
g、11mmol)を含有する溶液を滴下した。この反応物を、−78℃で、1時間撹拌
し、次いで、1時間にわたって、0℃まで温めた。その混合物を3M LiOH(36m
L)でクエンチし、そして室温で、一晩撹拌した。この反応物を水で希釈し、そしてエー
テルで洗浄した。水相を1N HClで酸性化し、そしてDCMで抽出した。有機相を硫
酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、溶媒を除去すると、4−第三級ブトキシカルボニル
アミノ−2−(4−メチルベンジル)−酪酸(1.61g、49%)が得られた。LCM
S(APCI−)m/z 306[M−Boc−H]
−
;Rt:2.14分間。
10
【0602】
(工程2)
DMF(25mL)中で4−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−(4−メチルベン
ジル)−酪酸(0.24g、0.77mmol)を含有する溶液に、窒素雰囲気下にて、
EDCI(0.16g、0.84mmol)、HOBT(130mg、0.84mmol
)およびNMM(0.28g、2.8mmol)を加えた。室温で15分間撹拌した後、
4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン(200mg、0.93mmol)を加え、その
反応物を室温で撹拌した。この反応物を酢酸エチルで希釈し、そして水、飽和炭酸水素ナ
トリウムおよび水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、溶媒を除
去し、その残渣をbiotage(これは、10%MeOH/DCMで溶出した)で精製
20
すると、白色固形物として、[3−(4−メチル−ベンジル)−4−オキソ−4−(4−
キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−ブチル]−カルバミン酸第三級ブチル
エステル(0.225g、64%)が得られた。
【0603】
【化341】
30
(工程3)
DCM(10mL)およびジオキサン中の4N HCl(5mL)中で[3−(4−メ
チル−ベンジル)−4−オキソ−4−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イ
ル)−ブチル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(0.22g、0.44mmol)
を含有する混合物を、室温で、窒素雰囲気下にて、一晩撹拌した。その反応物を減圧下に
て濃縮した。その残渣をメタノールに溶解し、そしてエーテルを加えて、生成物を沈殿さ
せた。固形物を濾過し、そして乾燥して、4−アミノ−2−(4−メチルベンジル)−1
−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−ブタン−1−オン二塩酸塩(
167mg)を得た。
40
【0604】
【化342】
(実施例102)
【0605】
50
(180)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化343】
10
((2R,3’R)−2−(3’−アミノ−ピロリジン−1−イル)−2−(3,4−
ジクロロフェニル)−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−エタ
ノン三塩酸塩の調製)
((2S,3’R)−2−(3’−アミノ−ピロリジン−1−vD−2−(3,4−ジ
クロロフェニル−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−エタノン
三塩酸塩)
(工程1)
グリオキシル酸一水和物(1.0g、10.9mmol)および(3R)−3−Boc
−アミノ−ピロリジン(2.06g、11.1mmol)のDCE(65mL)溶液に、
3,4−ジクロロフェニルボロン酸(2.11g、11.1mmol)を加えた。その反
20
応混合物を還流状態まで加熱し、そして16時間撹拌し、その後、それを室温まで冷却し
、DCMで希釈し、そして1M Na2 CO3 で抽出した。塩基性水層をEtOAcで抽
出し、そして合わせた抽出物を1N NaOHで洗浄し、乾燥し(Na2 SO4 )、濾過
し、そして濃縮した。得られた残渣を最小限のDCMに溶解し、その生成物を、エーテル
を加えることにより、倍散した。得られた固形物を真空濾過により単離し、エーテルで洗
浄し、そして真空乾燥して、黄褐色粉末として、(3’R)−(3’−Boc−アミノ−
ピロリジン−1−イル)−(3,4−ジフルオロフェニル)−酢酸の1つのジアステレオ
マー(これは、ジアステレオマー1と呼ぶ)(1.53g、36%)を得た。
【0606】
【化344】
30
上で得た塩基性水層を、CO2 の発生が止まるまで、固形KHSO4 で約pH6.5ま
で慎重に酸性化した。次いで、その油状混合物をEtOAcで抽出し、そして合わせた抽
出物を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして濃縮した。得られた残渣を最小限のDC
Mに溶解し、その生成物を、エーテルを加えることにより、倍散した。得られた固形物を
真空濾過により単離し、エーテルで洗浄し、そして真空乾燥して、黄褐色粉末として、(
3’R)−(3’−Boc−アミノ−ピロリジン−1−イル)−(3,4−ジフルオロフ
ェニル)−酢酸の他のジアステレオマー(これは、ジアステレオマー2と呼ぶ)(0.6
7g、16%)を得た。
【0607】
40
(181)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化345】
(工程2、ジアステレオマー1)
10
4−ピペラジン−1−イルキナゾリン(30mg、0.14mmol)およびジアステ
レオマー1(65mg、0.17mmol)のDCM:THF(3:1、1.2mL)溶
液に、連続的に、HOBt・H2 O(21mg、0.14mmol)およびDCC(34
mg、0.17mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、3.5時間撹拌し、そ
の後、それをDCMで希釈し、圧縮セライトで真空濾過し、そしてDCMでリンスした。
次いで、その濾液を、2N NaOHと共に撹拌し、そしてDCMで抽出した。合わせた
抽出物を乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして濃縮した。その粗製物をシリカ(1:
4のDCM:酢酸エチル∼30:1のDCM:MeOHの勾配)で精製して、(3’R)
−2−(3’−Boc−アミノ−ピロリジン−1−イル)−2−(3,4−ジクロロフェ
ニル)−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−エタノンを得た。
20
次いで、これをジオキサン1.2mLに溶解し、そして4M HCl/ジオキサン1.5
mLを加えた。得られた懸濁液を、室温で、16時間撹拌し、その後、それを乾燥状態ま
で濃縮した。固形物を最小限のMeOHに溶解し、その生成物をエーテルで倍散した。得
られた固形物を、窒素圧を使って、フリット付き漏斗での濾過により単離し、エーテルで
リンスし、そして真空乾燥して、淡黄色粉末として、(3’R)−2−(3’−アミノ−
ピロリジン−1−イル)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(4−キナゾリン−
4−イル−ピペラジン−1−イル)−エタノン三塩酸塩の1つのジアステレオマー(67
mg、81%)を得た。
【0608】
【化346】
30
(工程2、ジアステレオマー2)
上記ジアステレオマー1についての工程2に従って、4−ピペラジン−1−イルキナゾ
リンをジアステレオマー2でアシル化して、淡黄色粉末として、(3’R)−2−(3−
アミノ−ピロリジン−1−イル)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(4−キナ
ゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−エタノン三塩酸塩の他のジアステレオマー
(60mg、72%)を得た。
【0609】
40
(182)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化347】
10
(実施例103)
【0610】
【化348】
20
((2R)−2−アミノ−3−フェニル−1−(4−ピリド[2,3−d]ピリミジン
−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン三塩酸塩の調製)
(工程1)
2−アミノニコチン酸(7g)およびホルムアミド(22.8g)を、167℃(内部
温度)で、2.5時間加熱した。冷却した後、固形物を温水100mLから再結晶して、
淡黄色粉末(5.2g、69.7%)として、ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−オ
ールを得た。
【0611】
30
【化349】
(工程2)
このピリド[2,3−d]ピリミジン−4−オール(3g)を、POCl3 (45mL
)中にて、還流状態で、3時間撹拌した。過剰のPOCl3 を除去した。その残渣を冷水
10mLに加え、そしてEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブラ
40
インで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去した後、黄色固形物(0.
3g、7.6%)として、4−クロロピリド[2,3−d]ピリミジンが得られた。
【0612】
【化350】
(工程3)
この4−クロロ−ピリド[2,3−d]ピリミジン(0.3g)およびピペラジン(1
.6g)を、エタノール(10mL)中にて、1時間還流した。溶媒を除去し、そしてト
ルエン50mLを加えた。このトルエンを真空中で除去した。得られた固形物を、精製す
50
(183)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ることなく、次の工程に使用した。Rt 1.93分間。MS(ESI+)[M+H]
+
216。
【0613】
(工程4)
(2R)−2−第三級ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−プロピオン酸(0.
092g)のTHF(5mL)溶液に、0℃で、DIEA(0.74mL)およびHBT
U(1.3g)を加えた。その混合物を、室温で、20分間撹拌し、次いで、4−ピペラ
ジン−1−イル−ピリド[2,3−d]ピリミジン(0.31g)を加えた。その反応物
を、室温で、1時間撹拌した。EtOAc(20mL)を加え、そして有機層を分離した
。水層をEtOAc(20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム
10
(20mL)で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去した後、その残渣
をフラッシュクロマトグラフィー(10:1=DCM:MeOH)で精製して、白色発泡
固形物(0.392g、58.9%)として、[1−ベンジル−2−オキソ−2−(4−
ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル−ピペラジン−イル)−エチル−カルバミン
酸第三級ブチルエステルを得た。
【0614】
【化351】
20
(工程5)
[1−ベンジル−2−オキソ−2−(4−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル
−ピペラジン−イル)−エチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(0.046mg)
をDCM(5mL)に溶解し、そしてHCl/ジオキサン(0.5mL)を加えた。その
懸濁液を、室温で、3時間撹拌し、その後、それを濃縮して、(2R)−2−アミノ−3
−フェニル−1−(4−ピリド[2,3−d]ピリミジン−4−イル−ピペラジン−1−
イル)−プロパン−1−オン三塩酸塩(0.031g、86%)を得た。Rt 1.55
分間。MS(ESI+)[M+H]
+
30
363。
【0615】
(実施例104)
【0616】
【化352】
40
(5−アミノ−2−(4−クロロベンジル)−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペ
ラジン−1−イル)−ペンタン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
LHMDS(1.OM、5.3mL、5.3mmol)のTHF(10mL)−78℃
溶液に、注射器により、Boc−2−ピペリドン(1.0g、5.0mmol)のTHF
(8mL)溶液を加えた。その反応混合物を、−78℃で、1時間撹拌し、その後、注射
50
(184)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
器により、4−クロロ臭化ベンジル(1.1g、5.3mmol)のTHF(5mL)0
℃溶液を迅速に加えた。この反応混合物を、−78℃で、1時間撹拌し、0℃まで温め、
さらに1時間撹拌し、次いで、3M LiOH溶液17mLでクエンチした。次いで、こ
の反応混合物を、室温で、15時間撹拌し、その後、それをH2 Oで希釈し、そしてエー
テルで洗浄した。水層を固形KHSO4 で酸性化し、DCMで抽出し、その抽出物を乾燥
し(Na2 SO4 )、濾過し、そして濃縮して、透明で無色のシロップとして、5−Bo
c−アミノ−2−(4−クロロベンジル)−ペンタン酸(1.0g、60%)を得た。L
CMS(APCI−)m/z 340[M−H]
−
;Rt:2.37分間。
【0617】
(工程2)
10
EDCI(100mg、0.54mmol)、HOBt・H2 O(82mg、0.54
mmol)、5−Boc−アミノ−2−(4−クロロベンジル)−ペンタン酸(170m
g、0.50mmol)およびTEA(190μL、1.4mmol)のDMF(3mL
)溶液を10分間撹拌し、そして固形4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン二塩酸塩(
130mg、0.45mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、15時間撹拌し
、その後、水を加えた。この反応混合物をDCMで抽出し、そして合わせた抽出物をNa
HCO3 で洗浄し、乾燥し(Na2 SO4 )、濾過し、そして濃縮した。その粗製物をシ
リカゲル(1:1∼1:9のDCM:EtOAc)で精製して、5−Boc−アミノ−2
−(4−クロロベンジル)−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)
−ペンタン−1−オンを得た。LCMS(APCI+)m/z 538[M+H]
+
;R
20
t:3.12分間。
【0618】
(工程3)
5−Boc−アミノ−2−(4−クロロベンジル)−1−(4−キナゾリン−4−イル
−ピペラジン−1−イル)−ペンタン−1−オンのジオキサン1.5mL溶液に、4M HCl/ジオキサン2.5mLを加えた。得られた懸濁液を、室温で、17時間撹拌し、
その後、それを乾燥状態まで濃縮した。固形物を最小限のMeOHに溶解し、その生成物
を、エーテルを加えることにより、倍散した。固形物を、窒素圧を使って、フリット付き
漏斗での濾過により単離し、エーテルでリンスし、そして真空乾燥して、白色粉末として
、5−アミノ−2−(4−クロロベンジル)−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラ
30
ジン−1−イル)−ペンタン−1−オン二塩酸塩(110mg、46%)を得た。
【0619】
【化353】
(実施例105)
40
【0620】
【化354】
(2−(2−アミノ−エトキシ)−3−(4−クロロフェニル)−1−4−−キナゾリ
ン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
50
(185)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
PS−CDI(175mg、0.181mmol)、HOBt一水和物(214mg、
0.140mmol)、4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン二塩酸塩(52mg、0
.181mmol)および2−(2−第三級ブトキシカルボニルアミノ−エトキシ)−3
−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸(48mg、0.140mmol;これは、以
下の文献で記述した手順に従って、(2−Boc−アミノ−エトキシ)−酢酸エチルエス
テルを臭化4−クロロベンジルでアルキル化することにより、調製した:Nizal S
.Chandrakumarら、J.Med.Chem.1992,35,2928−2
938)をクロロホルム2.5mL(プラス3∼5滴のTHF)に懸濁/溶解した。その
混合物を、室温で、一晩振盪し、次いで、2時間にわたって、MP−CO3 (330mg
、0.838mmol)で処理した。この混合物を真空濾過し、クロロホルムでリンスし
10
、そして真空中で濃縮した。その残渣をシリカゲル(1:19のDCM:EtOAc)で
精製して、2−(2−Boc−アミノ−エトキシ)−3−(4−クロロフェニル)−1−
(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オンを得た。こ
の物質を1,4−ジオキサン1.0mLに溶解し、そして1,4−ジオキサン中の4M HCl(1.5mL)で処理すると、ゆっくりと、沈殿物が得られた。この混合物を短時
間超音波処理し、そして完結するまで、室温で、一晩撹拌した。.得られた懸濁液を真空
中で濃縮し、固形物をジエチルエーテルに懸濁し、窒素圧下にて濾過し、そして真空乾燥
して、黄色粉末(13mg、18%)として、2−(2−アミノ−エトキシ)−3−(4
−クロロフェニル)−1−(4−キナゾリン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−プロ
パン−1−オン二塩酸塩を得た。LCMS(APCI+)m/z 440[M+H]
+
。
20
HPLC Rt=1.75分間。
【0621】
(実施例106)
【0622】
【化355】
30
((2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(3−シクロプロ
ピル−1H−ピラゾロ[3,4−d1ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]
−プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
(工程1)
LDA(9.85mL、1.5M、15.8mmol)のTHF(20mL)撹拌溶液
に、−78℃で、4,6−ジクロロピリミジン(2.00g、13.4mmol)のTH
F(12mL)溶液を滴下した。1.5時間撹拌した後、シクロプロパンカルボアルデヒ
ド(1.05g、15.0mmol)のTHF(10mL)溶液を滴下した。その溶液を
、−78℃で、1時間撹拌し、次いで、水(10mL)を加えるクエンチした。その反応
混合物を室温まで温め、そしてEtOAcと水との間で分配した。有機層をブラインで洗
浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/Et
OAc、3:1)で精製して、黄色油状物として、シクロプロピル−(4,6−ジクロロ
−ピリミジン−5−イル)−メタノール(2.36g、80%)を得た。
【0623】
40
(186)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【化356】
(工程2)シクロプロピル−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−メタノー
ル(0.84g、3.8mmol)の無水アセトン(12mL)の激しく撹拌した溶液に
、0℃で、酸化クロム(VI)(1.2g、12mmol)を少しずつ加えた。その混合
物を、0℃で、30分間撹拌した。イソプロパノール(2mL)を加えることにより、過
剰の酸化剤を壊した。15分間撹拌した後、その反応混合物をNaHCO3 飽和溶液に注
ぎ、そしてセライトで濾過した。その濾液をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブ
10
ラインで洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン:EtOAc、6:1)で精製して、無色油状物として、シクロプロピル−(4,6
−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−メタノン(0.80g、96%)を得た。
【0624】
【化357】
(工程3)
シクロプロピル−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−イル)−メタノン(0.75
g、3.5mmol)、無水ヒドラジン(0.13mL、4.1mmol)およびTHF
20
(35mL)の混合物を、室温で、4時間撹拌した。その反応物を、水とEtOAcとの
間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、そして短シリカゲルパッドに通して
、白色固形物として、4−クロロ−3−シクロプロピル−1H−ピラゾロ[3,4−d]
ピリミジン(0.50g、74%)を得た。
【0625】
【化358】
(工程4)
30
4−クロロ−5−ヨードピリミジンを4−クロロ−3−シクロプロピル−1H−ピラゾ
ロ[3,4−d]ピリミジンで置き換えて、実施例40、工程1で記述した手順により、
4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−ピ
ペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステルを調製した。LCMS(APCI+)m
/z 345[M+H]
+
;Rt=2.52分間。
【0626】
(工程5)
(2R)−{1−(4−クロロベンジル)−2−[4−(1H−インダゾール−5−イ
ル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸第三級ブチルエス
テルを4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル
40
)−ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステルで置き換えて、実施例34、工程
3で記述した手順により、3−シクロプロピル−4−ピペラジン−1−イル−1H−ピラ
ゾロ[3,4−d]ピリミジン二塩酸塩を調製した。
【0627】
【化359】
50
(187)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
(工程6)
実施例81、工程3において、4−ピペラジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒ
ドロ−5H−1,3,9−トリアザ−フルオレン二塩酸塩を3−シクロプロピル−4−ピ
ペラジン−1−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン二塩酸塩で置き換えて、
(2R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−[4−(3−シクロプロピル
−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プ
ロパン−1−オン二塩酸塩を調製した。
【0628】
【化360】
10
(実施例107)
【0629】
【化361】
20
(2−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−
[4−(7H−ピロロ[2,3−]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−
プロパン−1−オン二塩酸塩の調製)
30
(工程1)
3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸第三級ブチルエステルを(3,4
−ジクロロフェニル)−酢酸メチルエステルで置き換え、そして4−ブロモ−1−ブロモ
メチル−2−フルオロ−ベンゼンを4−ブロモメチル−イミダゾール−1−カルボン酸第
三級ブチルエステル(これは、以下の文献に従って、4(5)−ヒドロキシメチルイミダ
ゾール塩酸塩から調製した:J.Med.Chem.1997,40,2208)で置き
換えて、実施例78、工程1で記述した手順により、4−[2−(3,4−ジクロロフェ
ニル)−2−メトキシカルボニル−エチル]−イミダゾール−1−カルボン酸第三級ブチ
ルエステルを調製した。
【0630】
40
【化362】
(工程2)
3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−2−(4−トリフルオロメチルベンジル)−プ
ロピオン酸エチルエステルを4−[2−(3,4−ジクロロフェニル)−2−メトキシカ
50
(188)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
ルボニル−エチル]−イミダゾール−1−カルボン酸第三級ブチルエステルで置き換えて
、実施例78、工程2で記述した手順により、2−(3,4−ジクロロフェニル)−3−
(1H−イミダゾール−4−イル)−プロピオン酸を調製した。
【0631】
【化363】
10
(工程3)
実施例B−1、工程2において、5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾールを4
−ピペラジン−1−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン二塩酸塩で置き換え、
そして(D)−Boc−4−クロロフェニルアラニンを2−(3,4−ジクロロフェニル
)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−プロピオン酸で置き換えて、2−(3,4
−ジクロロフェニル)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−[4−(7H−ピ
ロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−
オンを調製した。この遊離アミンを、エーテル中にて、HClで処理することにより、H
Cl塩に変換した。
20
【0632】
【化364】
「含有する」、「含有している」、「含む」および「含んでいる」との語句は、本明細
書中および上記請求の範囲で使用するとき、そこで述べた特徴、整数、成分または工程の
存在を特定すると解釈されるが、それらは、1つまたはそれ以上の他の特徴、整数、成分
30
または工程の存在または追加を除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0633】
添付の図面は、本明細書中に組み込まれ、そして本明細書の一部をなすが、本発明の非
限定的な実施態様を図示し、その記載と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0634】
(図面では)
【図1】図1は、化合物8∼11を調製する反応スキームを示す。
【図2】図2は、化合物14を調製する反応スキームを示す。
【図3】図3は、化合物18を調製する反応スキームを示す。
40
【図4】図4は、化合物22を調製する反応スキームを示す。
【図5】図5は、化合物28を調製する反応スキームを示す。
【図6】図6は、化合物31を調製する反応スキームを示す。
【図7】図7は、化合物35および36を調製する反応スキームを示す。
【図8】図8は、化合物39および40を調製する反応スキームを示す。
【図9】図9は、化合物40を調製する反応スキームを示す。
【図10】図10は、化合物46を調製する反応スキームを示す。
【図11】図11は、化合物50を調製する反応スキームを示す。
【図12】図12は、化合物55を調製する反応スキームを示す。
【図13】図13は、化合物57および58を調製する反応スキームを示す。
50
(189)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
【図14】図14は、化合物60および61を調製する反応スキームを示す。
【図15】図15は、化合物69∼71を調製する反応スキームを示す。
【図16】図16は、化合物72∼74を調製する反応スキームを示す。
【図17】図17は、化合物78を調製する反応スキームを示す。
【図18】図18は、化合物80および81を調製する反応スキームを示す。
【図19】図19は、化合物85および86を調製する反応スキームを示す。
【図20】図20は、化合物90を調製する反応スキームを示す。
【図21】図21は、化合物93∼97を調製する反応スキームを示す。
【図22】図22は、化合物100および101を調製する反応スキームを示す。
【図23】図23は、化合物104∼109を調製する反応スキームを示す。
10
【図24】図24は、化合物112∼116を調製する反応スキームを示す。
【図25】図25は、化合物120∼125を調製する反応スキームを示す。
【図26】図26は、化合物127および129を調製する反応スキームを示す。
【図27】図27は、化合物132および134を調製する反応スキームを示す。
【図28】図28は、化合物137および139を調製する反応スキームを示す。
【図29】図29は、化合物141∼144を調製する反応スキームを示す。
【図30】図30は、化合物148を調製する反応スキームを示す。
【図31】図31は、化合物151∼153を調製する反応スキームを示す。
【図32】図32は、化合物155および156を調製する反応スキームを示す。
【図33】図33は、化合物161および162を調製する反応スキームを示す。
20
【図34】図34は、化合物171∼175を調製する反応スキームを示す。
【図35】図35は、化合物178∼182を調製する反応スキームを示す。
【図36】図36は、化合物179を調製する反応スキームを示す。
【図37】図37は、化合物190を調製する反応スキームを示す。
【図38】図38は、化合物197∼199を調製する反応スキームを示す。
【図39】図39は、化合物205∼208を調製する反応スキームを示す。
【図40】図40は、化合物215および217を調製する反応スキームを示す。
【図41】図41は、化合物219、221および223を調製する反応スキームを示す
。
【図42】図42は、化合物229を調製する反応スキームを示す。
【図43】図43は、化合物232および234を調製する反応スキームを示す。
【図44】図44は、化合物237∼242を調製する反応スキームを示す。
【図45】図45は、化合物244および247を調製する反応スキームを示す。
【図46】図46は、化合物250、251および254∼256を調製する反応スキー
ムを示す。
【図47】図47は、化合物263および265を調製する反応スキームを示す。
【図48】図48は、化合物269および271を調製する反応スキームを示す。
30
(190)
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
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(191)
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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(192)
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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(193)
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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(194)
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
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(195)
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
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(196)
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
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(197)
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
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(198)
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
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(199)
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
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(200)
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
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(201)
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
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(202)
【国際調査報告】
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(203)
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.
FI
C07D 487/04
C07D 471/04
C07D 231/56
C07D 217/02
C07D 401/12
C07D 239/47
C07D 239/42
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C07D 239/48
C07D 237/28
C07D 239/95
C07D 215/42
C07D
C07D
C07D
401/04
455/02
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C07D 491/048
A61K 31/517
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A61K 31/502
A61K 31/4409
A61P 35/00
A61P 43/00
A61P 29/00
テーマコード(参考)
(2006.01)
(2006.01)
C07D 495/04
105Z
4C064
C07D 487/04
140 4C065
(2006.01)
(2006.01)
C07D 471/04
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C07D 231/56
Z
4C086
(2006.01)
(2006.01)
C07D 217/02
C07D 401/12
(2006.01)
(2006.01)
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C07D 239/42
(2006.01)
(2006.01)
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C07D 239/48
(2006.01)
(2006.01)
C07D 237/28
C07D 239/95
(2006.01)
(2006.01)
(2006.01)
C07D 215/42
C07D 401/04
C07D 487/04
142 (2006.01)
(2006.01)
C07D 471/04
105E
C07D 455/02
(2006.01)
(2006.01)
C07D 403/04
C07D 491/048
(2006.01)
(2006.01)
C07D 471/04
118Z
A61K 31/517
(2006.01)
(2006.01)
A61K 31/496
A61K 31/519
(2006.01)
(2006.01)
A61K 31/506
A61K 31/502
A61K 31/4409 A61P 35/00
A61P 43/00
105 A61P 43/00
111 A61P 29/00
(81)指定国 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),
EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,
CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,
CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L
V,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW
(72)発明者 ミッチェル, イアン エス.
アメリカ合衆国 コロラド 80026, ラファイエット, レーブンウッド レーン 250
3
(72)発明者 スペンサー, キース エル.
アメリカ合衆国 コロラド 80540, ライオンズ, ステージコーチ トレイル 873
(72)発明者 ステンゲル, ピーター
アメリカ合衆国 コロラド 80503, ロングモント, ケンブリッジ ドライブ 1525
(72)発明者 ハン, ヨンシン
アメリカ合衆国 コロラド 80503, ロングモント, ネルソン パーク ドライブ 71
(206)
JP 2007-512364 A 2007.5.17
5
(72)発明者 カラン, ニコラス シー.
アメリカ合衆国 コロラド 80304, ボールダー, ダプル レーン 4651
(72)発明者 マンソン, マーク
アメリカ合衆国 コロラド 80027, ルイスビル, カクタス コート 513
(72)発明者 ビガーズ, ガイ ピー. エー.
アメリカ合衆国 コロラド 80304, ボールダー, マクスウェル アベニュー 510
(72)発明者 ブレイク, ジェームス
アメリカ合衆国 コロラド 80504, ロングモント, マラード サークル 2435
(72)発明者 ピスコピオ, アンソニー
アメリカ合衆国 コロラド 80503, ロングモント, ニオット メドウ ファーム ロー
ド 8531
(72)発明者 ジョシー, ジョン
アメリカ合衆国 コロラド 80503, ロングモント, バーガンディ ドライブ 7173
(72)発明者 ミラー, スコット
アメリカ合衆国 コロラド 80503, ロングモント, ネルソン ロード 2727, ア
パートメント エム−301
(72)発明者 シャオ, デンミン
アメリカ合衆国 コロラド 80501, ロングモント, グレナーバー ウェイ 1911
(72)発明者 シュ, リウ
アメリカ合衆国 コロラド 80501, ロングモント, プレーリー ホーク ドライブ 1
605
(72)発明者 ラオ, チャン
アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02451, ウォルサム, キングス ウェイ 15, ナンバー33
(72)発明者 ワン, ビン
アメリカ合衆国 コロラド 80510, ロングモント, スパロウ ホーク ドライブ 94
2
(72)発明者 ベルナキィ, エイプリル エル.
アメリカ合衆国 コロラド 80503, ロングモント, パイク ロード 3800 4−1
02
Fターム(参考) 4C031 LA01
4C034 AA10
4C050 AA01 BB04 CC08 EE03 FF01 GG04 HH04
4C055 AA01 BA01 CA01 DA08 DA34 DB02 DB04 DB07 DB10
4C063 AA01 BB01 BB02 BB09 CC15 CC31 CC92 DD02 DD03 DD06
DD10 DD29 DD31 EE01
4C064 AA11 CC01 DD01 EE04 EE08 FF01 GG15
4C065 AA03 AA04 BB06 BB11 CC01 DD02 DD03 EE02 HH01 JJ01
KK01 LL08 PP15
4C071 AA01 BB01 CC01 CC02 CC21 DD13 DD15 EE13 FF06 HH17
JJ08
4C086 AA01 AA03 BC17 BC46 BC50 CB05 CB06 CB09 CB22 CB26
GA04 GA07 GA08 GA12 MA01 MA02 MA04 MA05 NA14 ZB11
ZB21 ZB26 ZC20
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