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丹沢トーナル岩体の全岩化学組成 -分析値171個

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丹沢トーナル岩体の全岩化学組成 -分析値171個
日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要
No.39(2004)pp.259 - 284
丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
-分析値 171 個の総括-
高橋 正樹 1 )・金丸 龍夫 2 )・二平 聡 3 )
Whole - Rock Chemistry of Tanzawa Tonalite:
Summary of 171 Samples
Masaki TAKAHASHI 1 ), Tatsuo KANAMARU 2 )and Satoshi NIHIRA3 )
( Received November 20, 2003 )
The Tanzawa tonalite is an elongated discordant pluton with a length of about 25km in EW and a width of
about 5km in NS, which emplaced into Miocene submarine arc volcanic rocks at about 7Ma. The Tanzawa
tonalite complex is composed of gabbro ( 49-53wt.% SiO2 ), older tonalite ( 53-60wt.% SiO2 ), main tonalite
( 53-73wt.%SiO2 ) and younger tonalite (68-77wt.%SiO2 ), which was emplaced in this order. The mass of
main tonalite is classified into four emplacement units based on magnetic foliations: the Kurokuragawa, Murokubogawa, Mizunokizawa and Ishiwariyama units, from east to west. The Kurokuragawa and Ishiwariyama
units mainly comprise felsic plutonic rocks with more than 65wt% SiO2, while the Murokubogawa and Mizunokizawa units are laterally zoned plutons with mafic margin ( less than 60wt.% SiO2 ) grading to felsic core
( 60 to 73wt.% SiO2 ). The older tonalite, main tonalite and younger tonalite show the same trend on the silica
variation diagrams, implying that they were derived from the same parental magma through similar magmatic
processes. The trend of chemical variation of Tanzawa tonalite on the silica variation diagrams can be
explained by simple crystallization differentiation of plagiolcase and hornblende from andesitic magma. Anorthositic rocks occurred in the main tonalite are enriched in Al 2O3, CaO, Na 2O and Sr, but they are depleted in
TiO2, FeO*, MnO, MgO, K 2O,P2 O5, Ba, Rb, Zr, Y and V. Such chemical characteristics show that they are
essentially the cumulate of plagioclase. Basaltic member of mafic inclusions and mafic syn-plutonic dikes in
the main tonalite are higher in N a 2O, K 2O, Ba and Rb contents than host mafic tonalite. It is difficult to derive
tonalite magma by simple crystallization differentiation from mafic magma which produced mafic inclusions
and syn - plutonic dikes. The high alumina basaltic magma of mantle origin underplated the lower crust and
melted amphibolite with low alkaline content to give rise to low-K andesitic magma, which migrated upward
into upper crust and was emplaced to solidify as Tanzawa tonalite. The Tanzawa tonalite is M-type and magnetite-series granitic rocks with low K2O content but shows no characteristics of adakite.
Keywords: Tanzawa, tonalite, gabbro, plutonic rocks, crystallization differentiation,
andesitic magma, M-type, magnetite-series, zoned pluton
1 )日本大学文理学部地球システム科学科:
〒 156-8550 東京都世田谷区桜上水 3-25-40
2 )神戸大学大学院自然科学研究科:
〒 657-8507 神戸市灘区鶴甲 3-11
3 )国土交通省北海道開発局農業生産部:
〒 060-8511 札幌市北区 8 条東 2 丁目
1 )Department of Geosystem Sciences, College of Humanities
and Sciences, Nihon University: 3-25-40 Sakurajosui Setagayaku, Tokyo, 156-8550 Japan
2 )Graduate School of Science and Technology, Kobe University:
3-11 Tsuruko Nada-ku, Kobe, 657-8507 Japan
3 )Hokkaido Regional Development Bureau, Ministry of Land,
Infrastructure and Transport: 2 Higashi 8 jyo Kita-ku, Sapporo, 060-8511 Japan
─ 259 ─
(159)
高橋 正樹・金丸 龍夫・二平 聡
の底の沈降によって空間を占めたロポリス的な貫入を
1 はじめに
行ったこと,などを主張した。
中新世の島弧性海底火山堆積物中に貫入した
石原ほか( 1976 )は,丹沢トーナル岩体が磁鉄鉱を
M - type・磁鉄鉱系列に属する丹沢トーナル岩体は,
多く含む高帯磁率の花崗岩であり,日本列島の他の中
未成熟な島弧地殻を代表する深成岩体であり,花崗岩
生代・新生代花崗岩類と異なり,著しく K 2O に乏しく,
質大陸地殻の生成と進化を考える上で重要な鍵を握る
低い K 2O/Na 2O 比を有する特異な性質を示すことを明
岩体であると考えられている(Taira et al, 1999 など )。
らかにした。また,Sn にも乏しいことから,丹沢トー
本論では,これまでの我々のグループの研究によって
ナル岩体の生成場として,大陸的要素の欠如した大洋
得られた丹沢深成岩体を構成するトーナル岩類を中心
性環境を考えた。Ishizaka and Yanagi( 1977 )や川手・
とした 171 個あまりの全岩化学組成分析値を総括し,
藤巻(1996 )は丹沢深成岩体の Sr 同位体比を測定し ,
その組成上の特徴について議論することにしたい。
その 87Sr/ 86 Sr 初生値が 0.7033 ~ 0.7037 と枯渇したマン
トル物質に近いきわめて低い値を有することを示し
2 これまでの研究
た。また,Ishizaka and Yanagi(1977)は,低い Rb 量,
丹沢深成岩体については,これまでに多くの研究が
Rb/Sr 比,K/Rb 比を有することから,丹沢トーナル岩
が未成熟島弧の環境下において低 K 2O カルクアルカリ
なされてきている。
相馬・吉田( 1966 )は,丹沢深成岩体が,6 種の岩
安山岩マグマの結晶分化作用によって生成されたと考
相からなる閃緑岩質複合岩体と,それに先行して貫入
えた。こうした化学組成上の特徴から,高橋(1986)
した斑れい岩質複合岩体よりなることを明らかにし
は,丹沢トーナル岩が,未成熟島弧地殻を代表する磁
た。一方,滝田( 1974)はさらに詳細な研究を行い,
鉄鉱系列・M-type 花崗岩であることを指摘している。
丹沢深成岩体は,主に斑れい岩および 18 の独立した
Kawate and Arima( 1998 )は丹沢トーナル岩体の岩
岩体から構成されるトーナル岩質複合岩体からなるこ
石学的研究を行い,岩体を構成する岩石のうち SiO2 量
と,また,このトーナル岩質複合岩体は,野外での産
が 62wt.%以下のものは,SiO2 量が 62wt%程度の安山
状や鏡下での特徴から 10 の岩型に分類が可能である
岩 質 マ グ マ の キ ュ ー ム レ イ ト( 集 積 岩 ) で あ り,
ことを示した。さらに,斑れい岩体の活動以降に形成
62wt.%以上のものは安山岩質マグマが結晶分化作用
されたトーナル岩質複合岩体が,4つのステージから
を行った結果生成された分化マグマであると考えた。
なることを明らかにした。それによれば,第 1 期が大
一方,Nakajima and Arima( 1998 )は,伊豆諸島に産す
滝沢型および熊木沢型のトーナル岩,最も広い面積を
る低 K 2O 島弧ソレアイト質玄武岩について H2O 不飽和
占める第 2 期が畦ヶ丸型およびユーシン型のトーナル
の条件下で融解実験を行い,丹沢トーナル岩を形成し
岩,小型の岩体からなる第 3 期が,樅の木沢型,板小
た安山岩質マグマが,1.2Gpa 以下の圧力下において温
屋沢型,地蔵沢型,用木沢型,箱根屋沢型のトーナル
度 1050℃で低 K2O 島弧ソレアイト質角閃岩が 50%融解
岩,最後の第 4 期が富士見型のトーナル岩である。
することによって生成されたと推定している。
岩体の形態について,Yoshii( 1928 ),森下( 1934 ),
丹沢トーナル岩が中新世の海底島弧火山性堆積物で
相馬( 1968 ),滝田(1974 )は,東西に延びた細長い
ある丹沢層群に貫入していることから,その年代が中
底のすぼまるロート状の岩体を,見上( 1958 )は北方
新世以降の新しいものであることは明らかである。丹
に傾いた板状の岩体を,荒井( 1987 )は東西に延びた
沢 ト ー ナ ル 岩 の 年 代 に つ い て は,Kawano and Ueda
ダイアピル状の岩体を,それぞれ考えた。これらの研
(1966 ) は, 黒 雲 母 の K-Ar 法 に よ る 年 代 値 と し て
究者は,丹沢深成岩体の貫入機構として,強制貫入や
5.2Ma,4.3Ma,7.6Ma の 3 つを報告している。佐藤ほ
ダイアピル状の貫入様式を提唱した。これに対し,高
か(1986)は,4.8Ma,4.6Ma,5.1Ma の黒雲母 K-Ar 年
橋ほか( 2000 )は,帯磁率異方性の面構造および線構
代,および 10.1Ma,10.7Ma の角閃石 K-Ar 年代から,
造を明らかにし,それらに基づいて,丹沢深成岩体が
丹沢トーナル岩体が 14Ma ころに貫入固化し,その後
複数の貫入単位からなり,全体として東西に伸長した
平均約50℃/Maで冷却したと推定した。これに対して,
細長い箱形の形態を呈すること,また,主として岩体
Saito et al.( 1991 )は,黒雲母と角閃石に関する多数の
(160)
─ 260 ─
丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
K-Ar 年代値を測定し,それらがほぼ 7Ma に集中する
小規模な捕獲岩として出現する。丹沢層群との接触部
ことから,7 Ma が丹沢トーナル岩の貫入・固化年代で
では,丹沢層群起源の捕獲岩を有する。岩相はきわめ
あり,それより古い年代は鉱物中の過剰 Ar によるも
て不均質で,斑れい岩質ペグマタイトが普通にみられ
のであるとした。
る。古期トーナル岩体は丹沢深成岩体の東部および南
西部に独立したストックとして出現する(図 1 )
。南西
3 丹沢トーナル岩体の地質
部岩体と丹沢層群および斑れい岩体との接触部付近で
丹沢深成岩体は,東西約 25km,南北約 10km の東西
は,それらの捕獲岩が認められるが,一般的には包有
に伸長した細長い形態を示す複合岩体である( 図 1 )。
岩に乏しい。主期トーナル岩と比べて,岩相の違いは
これらは貫入順序にしたがって,斑れい岩体,古期
ほとんど認められないが,古期トーナル岩は明らかに
ト ー ナ ル 岩 体( older tonalite ), 主 期 ト ー ナ ル 岩 体
熱変成を被っており,主期トーナル岩に先立って貫
( main tonalite ),新期トーナル岩体( younger tonalite )
入・固化したものと考えられる。斑れい岩体と古期
の4つに大きく区分される。ここでいう斑れい岩体は,
トーナル岩体をあわせた分布面積は 14.3km2 である。
滝田( 1974 )の斑れい岩体,古期トーナル岩体は第 1
最も大きな面積を占める主期トーナル岩体は,丹沢
期の熊木沢岩型および大滝沢型,主期トーナル岩体は
山地蛭ヶ岳から山中湖東部まで,東西約 20km,南北
第 2 期の畦ヶ丸型およびユーシン型,新期トーナル岩
約 5km にわたって分布し,丹沢深成岩体の中で最も
体は第 3 期および第 4 期の各岩型にほぼ相当する .
広い分布面積を示す( 約 90km2 )。主期トーナル岩体
斑れい岩体は,主に丹沢深成岩体北縁および南西部
は,帯磁率異方性の面構造の分布形態に基づき,東か
に分布する( Fig. 1 )。また,岩体中央部~西部では,
ら,玄倉川,室久保川,水ノ木沢,石割山の 4 つの貫入
図 1 丹沢深成岩体の地質図( Kawate and Arima( 1998 ); 滝田( 1974 ); 杉山( 1976 )による )
─ 261 ─
(161)
高橋 正樹・金丸 龍夫・二平 聡
ユ ニ ッ ト が 識 別 さ れ る( Kanamaru and Takahashi,
2003 )。新期トーナル岩体は小規模であり,主期トー
ナル岩体中に散在して分布する。
岩体中には苦鉄質包有岩がみられ,その分布密度は
2
長径 10cm 以上のものが 0.5 ~ 1.5 個 /m であることが
とによって行われたと推定した。
4 岩石記載
4. 1 斑れい岩類
細粒~粗粒で,輝石・角閃石ガブロノーライト,角
一般的であるが,多数密集してみられる場合もあり,
閃石斑れい岩,石英斑れい岩などが主体をなす。帯磁
岩体内での分布は不均一である。また,苦鉄質 syn-
率は 60 ~ 120 × 10
plutonic dike も 認 められ る。 苦鉄 質 syn-plutonic dike
中で最も高い値を示す。磁鉄鉱系列に属する。主要構
の走向は,EW 性のものが卓越する。syn-plutonic dike
成鉱物は斜長石,角閃石,単斜輝石,斜方輝石,かん
はしばしば分解して,苦鉄質包有岩の集合体,そして
らん石,であり,副成分鉱物として黒雲母,石英,磁
苦鉄質包有岩へと移化する。苦鉄質 syn-plutonic dike
鉄鉱,スフェーン,燐灰石,ジルコンなどを含む。古
構成岩や苦鉄質包有岩には,急冷縁や火炎状縁組織な
期トーナル岩や主期トーナル岩と接する付近では熱変
ど,捕獲時に高温液体であったことを示す証拠がみら
成作用を受けており,グラノブラスティック組織を示
れ,また,しばしば周囲のトーナル岩と漸移的な岩相
す。角閃石は主に緑褐色ホルンブレンドであり,少量
を呈している。こうした現象は,苦鉄質包有岩や syn
のカミングトン閃石もみられる。角閃石は半自形でポ
-plutonic dike を構成する苦鉄質マグマと周囲のトーナ
イキリティックに斜長石を含む場合が多い。輝石は単
ル岩質マグマとの間に,マグマ混合が生じていたこと
独で産する場合と,ホルンブレンドの中核部に他形で
を示唆する。
産する場合とがある。
岩体中にはアプライト・ペグマタイトはほとんどみ
られないが,厚さ数 cm から 50cm 程度の小規模なシー
-3
SI unit であり,丹沢深成岩体の
4. 2 古期トーナル岩
中粒のトーナル岩を主体とし,石英閃緑岩を伴う。
-
ト,岩脈あるいはレンズ状の斜長石の濃集した優白質
帯磁率は 38 ~ 54 × 10 3 SI unit である。磁鉄鉱系列に
斜長岩( anorthosite )様の岩体がよく発達する。岩体の
属する。主要構成鉱物は,斜長石,褐緑色ホルンブレ
縁辺部には,同心円状の優黒色コートランダイト質
ンド,黒雲母,石英であり,少量のカミングトナイト,
シュリーレンと優白色斜長岩からなる ellipsoid( Wein-
斜方輝石,単斜輝石を伴う。副成分鉱物として,磁鉄
berg et al., 2001 )もみられる( Kanamaru et al., 2003 )。
鉱,スフェーン,ジルコン,燐灰石を含む。主期トー
水ノ木沢ユニットの西部には,幅 2km にわたって
ナル岩による熱変成作用を受けており,他形充填的に
NW - SE 方向にのびる左横ずれ剪断変形帯が発達し,
黒雲母が生じている。西部岩体においては,石英の波
剪断帯内のトーナル岩には著しい葉理構造がみられ,
動消光など弱い変形組織が認められる。単斜輝石,斜
苦鉄質包有岩は著しい伸長変形を被っている。syn-
方輝石は角閃石の中核部に他形結晶として産する。
plutonic dike の EW 走向から推定されるσHmax の方向
4. 3 主期トーナル岩
とNW-SE剪断帯の左横ずれセンスとは調和的であり,
中粒 ~ 粗粒のトーナル岩,トロニエム岩および石
-
丹沢トーナル岩体は,マグマ固化時に EW 圧縮あるい
英閃緑岩よりなる。帯磁率は 16 ~ 72 × 10 3 SI unit と
は NS 引張の地殻応力場に置かれていたものと考えら
変化に富み,岩体中央の外縁部で最も高く,東端およ
れる。
び西端部で低くなる傾向を持つ。磁鉄鉱系列に属す
丹沢トーナル岩体の貫入境界は明瞭であり,周囲の
る。主要構成鉱物は,斜長石,緑褐色~褐緑色ホルン
母岩の構造を切っており,母岩は脆性的な破壊を受け
ブレンド,石英,黒雲母であり,少量のカミングトン
ている。こうした貫入境界の特徴および帯磁率異方性
閃石,単斜輝石,斜方輝石を含む。輝石は角閃石の中
の線構造の走向傾斜などから,高橋ほか( 2000 )や
核部に他形結晶として産する。副成分鉱物として,磁
Kanamaru and Takahashi( 2003 )は,丹沢トーナル岩マ
鉄鉱,スフェーン,燐灰石,ジルコンを含む。変形葉
グマの貫入定置は,ダイアピルによってではなく,NS
理の発達した岩相には,石英のサブグレイン化や斜長
引張応力場における底部の沈降を伴うプルアパート型
石双晶の湾曲などの変形組織がみられる。また,変形
の割れ目充填を通して,一種のロポリスを形成するこ
によってホルンブレンドが細粒結晶の集合体となって
(162)
─ 262 ─
丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
おり,このことは変形作用がホルンブレンドが安定な
斜長石や,角閃石の反応縁を持つ石英など,マグマ混
高温下で進行したことを示している。
合の証拠となる組織を有する鉱物が含まれることがあ
シート状の脈岩として産する優白質斜長岩は,斜長
石および少量の石英からなり,角閃石,黒雲母をとも
る。
4. 4 新期トーナル岩
なう。苦鉄質包有岩や syn-plutonic dike を構成する苦
主として斑状細粒のトーナル岩およびトロニエム岩
鉄質細粒岩は,主として斜長石と角閃石( 一部輝石 )
から構成される。帯磁率は3 ~23×10 3 SI unitである。
からなるが,苦鉄質包有岩には,分解反応縁を有する
磁鉄鉱系列に属する。主要構成鉱物は,斜長石,石英,
図2
-
( FeO*,MgO,Al 2O3,CaO,MnO )。
丹沢深成岩体の全岩主化学組成 SiO2 変化図( 1 )
AOB:アルカリ玄武岩系列;HAB:高アルミナ玄武岩系列;LTH:低アルカリソレアイト系列;HIGH-K:高 K 系列;
MED-K:中間 K 系列;LOW-K:低 K 系列
─ 263 ─
(163)
高橋 正樹・金丸 龍夫・二平 聡
黒雲母,緑色ホルンブレンドであり,カミングトン閃
石をともなう。副成分鉱物として磁鉄鉱,スフェーン,
5 全岩化学組成
全岩化学組成分析には蛍光 X 線分析装置( 東京大学
燐灰石,ジルコンを含む。変形葉理構造を示す岩相で
地震研究所の理学電気社製 3080E3 型および茨城大学
は,石英のサブグレイン化,斜長石双晶の湾曲などの
理学部機器分析センターの理学電気社製 3270 型 )を使
変形組織がみられる。
用した。分析方法および分析誤差は高橋ほか( 2003 )
による。分析値を表 1a-f および 2a-c に,また試料採
取地点を付図 1 ~ 10 に示す。
5. 1 全岩主化学組成
図 3 丹沢深成岩体の全岩主化学組成 SiO2 変化図( 2 )
( TiO2,P2O5,Na2O,K2O,Na2O+K2O )
(164)
─ 264 ─
丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
表 1a 丹沢深成岩体の全岩主化学組成
表 1b 丹沢深成岩体の全岩主化学組成
─ 265 ─
(165)
高橋 正樹・金丸 龍夫・二平 聡
表 1c 丹沢深成岩体の全岩主化学組成
表 1d 丹沢深成岩体の全岩主化学組成
(166)
─ 266 ─
丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
表 1e 丹沢深成岩体の全岩主化学組成
表 1f 丹沢深成岩体の全岩主化学組成
─ 267 ─
(167)
高橋 正樹・金丸 龍夫・二平 聡
図4
主期トーナル岩体における全岩 SiO2 量の空間的分布。ユニツト区分は Kanamaru and Takahashi(2003)による。K:玄
倉川ユニット;Mu:室久保川ユニット;Mi:水ノ木沢ユニット;I:石割山ユニット
全岩 SiO2 量は,斑れい岩体で 49 ~ 53wt.%,古期トー
P2O5 に乏しい傾向を示す。
ナル岩体で 53 ~ 60wt.%,主期トーナル岩体で 53 ~
主期トーナル岩体中での全岩 SiO2 量の空間的変化を
73wt.%,新期トーナル岩体で 68 ~ 77wt.%と,活動が
みると,岩体東部の玄倉川ユニットと西部の石割山ユ
新しくなるにしたがって増加する傾向がある。
ニットが SiO2 =65wt.%以上と珪長質であり,岩体中
全岩主化学組成値を SiO2 変化図でみると,古期トー
央部の室久保川ユニット,水ノ木沢ユニットが SiO2 =
ナル岩体,主期トーナル岩体,新期トーナル岩体とも
65wt.%未満のものが多くてより苦鉄質である(図 4 )。
に,すべての酸化物でほぼ同一のトレンド上にのり,
室久保川ユニットと水ノ木沢ユニットは,周縁部が
ステージの違いによる差は認められない( 図 2・3 )。
SiO2=60wt.%以下とより苦鉄質であり,中心部に向
SiO2 量が 53wt.%から 75wt.%へと増大するとともに,
かって SiO2 量が増大しより珪長質になるという水平方
TiO2 量が 1.0wt.%から 0.2wt.%,Al 2O3 量が 20.0wt.%か
向の組成累帯構造を有する。主期トーナル岩体全体で
ら 13.5wt.%,FeO* 量が 11.0wt.%から 1.5wt.%,MnO 量
みると,SiO2=60wt.%未満が占める面積の割合が 18%,
が0.2wt,
%から0.04wt.%,
MgO量が4.7wt.%から0.5wt.%,
60 ~ 65wt.%が 36%,65 ~ 70wt.%が 36%,70wt%以上
CaO 量が 10.0wt.%から 2.0wt.%,P2O5 量が 0.16wt.%か
が 10%となる。すなわち,SiO2=65wt.%未満のより苦
ら 0.04wt.%とほぼ直線的に減少し,Na 2O 量が 2.8wt.%
鉄質な岩石が全体の面積の 54%と半分以上を占めてい
から 4.5wt.%,K2O 量が 0.17wt.%から 1.90wt.%へと増
ることになる。
大する。K2O 量では,そのほとんどが低 K 系列の領域
主期トーナル岩中に含まれる斜長岩は,SiO2 量が
にプロットされ,著しく K 2O に乏しい M-type 花崗岩
58wt.%から 71wt.%にわたり,母岩の SiO2 量と対応し
の特徴を示すが,以上の酸化物の組成変化とはやや異
た組成変化を示す。SiO2 量の増大にともない,TiO2,
なり,SiO2 =65wt.%を越えたあたりで組成変化トレン
FeO*,MnO,MgO,CaO,P2O5 が減少し,Al 2O3,Na2O,
ドの傾斜が急になる曲線的トレンドを示し,70wt.%以
K2O が増大する。母岩のトーナル岩と比較すると,
上では中間 K 系列のものもみられるようになる。SiO2
TiO2,FeO*,MnO,MgO,K2O,P2O5 に著しく乏しく,
vs. Na2O+K2O 図では,すべて低アルカリソレアイト
Al 2O3,CaO,Na2O に富む。
系列に属する。はんれい岩体の分析値数は少ないが,
同じく主期トーナル岩中に含まれる苦鉄質包有岩と
トーナル岩体に比べて,やや MgO,K 2O に富み,TiO2,
syn-plutonic dike は,SiO2 量が 51wt.%から 60wt.%まで
(168)
─ 268 ─
丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
変化し,母岩のトーナル岩と比較して,MgO,FeO*,
Rb,Zr,Y,V に乏しい。一方,苦鉄質包有岩および syn-
MnO,Na2O,K2O に富み,TiO2,P2O5,CaO,Al2O3 に乏
plutonic dike は,トーナル岩に比べて Ba,Rb,V に富み,
しい。その多くは中間 K 系列の領域にプロットされ,
Sr に乏しい。SiO2 = 55wt.%以下で比較した場合,苦鉄
SiO2 vs. Na2O+K2O 図では,高アルミナ玄武岩系列に
質包有岩および syn-plutonic dike とトーナル岩では,
属する。
Zr 量や Y 量に差がみられないため Rb/Zr 比,Ba/Zr 比,
5. 2 全岩微量元素組成
Rb/Y 比,Ba/Y 比で違いが認められ,トーナル岩の方
全岩微量元素組成を SiO2 変化図でみると,古期トー
がこれらの比が低い。
ナル岩体,主期トーナル岩体,新期トーナル岩体とも
また,Sr/Y vs. Y 図でみると,トーナル岩の組成は
に,すべての微量元素でほぼ同一のトレンド上にの
すべて通常の島弧珪長質マグマの領域にプロットさ
り,ステージの違いによる差は認められない(図5・6 )。
れ,アダカイトの組成は示さない(図 7 )
。
SiO2 量の増加にともない,Sr は 350ppm から 140ppm,
Y が 40ppm から 10ppm,V が 260 ppm から 35ppm,Ni が
6 議 論
10ppm から 2ppm,Cr が 15ppm から 2ppm へと減少し,
6. 1 トーナル岩における組成変化トレンド
Ba が 30ppm から 500ppm,Zr が 20ppm から 120ppm,Rb
トーナル岩は,貫入定置ステージの違いにかかわら
が 3ppm から 30ppm へと増大する。このうち,LIL 元素
ず,すべて同一の組成変化トレンドを示す。このこと
である Ba と Rb は SiO2 = 70wt.%を越えると急激に増加
は,同一起源マグマに由来し,ほぼ同一のマグマプロ
する曲線的なトレンドを示す。
セスをへて形成されたマグマが,ステージを変えて相
斜 長岩は,トーナル岩に比べて Sr に富むが,Ba,
次いで貫入定置したことを意味する。K 2O,Rb,Ba など
表 2a 丹沢深成岩体の全岩微量元素組成
─ 269 ─
(169)
高橋 正樹・金丸 龍夫・二平 聡
表 2b 丹沢深成岩体の全岩微量元素組成
表 2c 丹沢深成岩体の全岩微量元素組成
(170)
─ 270 ─
丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
の L I L 元素をみると明らかに曲線的な増加トレンドを
鉱物は含まれなかったものと思われる。
示し,これらの組成変化トレンドは結晶分化作用の結
6. 2 斜長岩の全岩化学組成
果として生じたものであると推定される。Kawate and
斜長岩は Al 2O3,CaO,Na2O に富むが,TiO2,FeO*,
Arima( 1998 )は,丹沢トーナル岩中の Ce,Nd,Yb な
MnO,MgO,K2O,P2O5 に著しく乏しい。また,Sr に富
どの希土類元素の組成変化トレンドが SiO2 = 62wt.%
むが,Ba,Rb,Zr,Y,V に乏しい。こうした化学的特
付近に最高点をもち,SiO2 = 62wt.%以上では減少傾向
徴は,斜長岩が斜長石に富み,苦鉄質鉱物や液成分に
に転ずることなどから,丹沢トーナル岩の組成変化ト
乏しかったことを示している。一方,斜長岩は母岩の
レンドが SiO2 = 62wt.%の安山岩質マグマからの「斜長
SiO2 に対応した SiO2 量変化を示す。以上のことは,斜
石+ホルンブレンド+磁鉄鉱」の結晶分化作用で説明
長岩が母岩のトーナル岩質マグマから斜長石が濃集す
され,SiO2 = 62wt.%以下の岩石はこの安山岩質マグマ
ることによって形成されたことを示している。トーナ
からの集積岩,62wt.%以上は分化した液からなると考
ル岩中の優白質シート状脈などを構成する斜長岩質岩
えた。トーナル岩の組成変化トレンドは,安山岩質マ
は,何らかのメカニズムによってトーナル岩マグマか
グマからの結晶分化作用によるとする Kawate and Ari-
ら斜長石が濃集した結果生成されたものと思われる。
ma( 1998 )の考えで基本的に説明可能と思われる。す
6. 3 トーナル岩と苦鉄質包有岩・syn-plutonic dike
なわち,SiO2 = 62wt.%以下の岩石は「安山岩質マグマ
との成因的関係
+ 結晶 」からなる集積岩の,SiO2 = 62wt.%以上の岩石
苦鉄質包有岩や syn-plutonic dike を構成する玄武岩
は分化した液の,それぞれ固化したものということに
~玄武岩質安山岩マグマは,苦鉄質トーナル岩よりも
なる。また,Sr/Y vs. Y 図( Defant et al., 1991 )によれ
Na2O,K2O,Ba,Rb に富み,高い Rb/Zr,Rb/Y,Ba/Zr,
ば,トーナル岩マグマはアダカイトの性質を示さない
Ba/Y 比を示す。したがって,こうした苦鉄質マグマ
ので,安山岩マグマの起源物質にはガーネットなどの
からの単純な結晶分化作用によって珪長質トーナル岩
図 5 丹沢深成岩体の全岩微量元素組成 SiO2 変化図( 1 )
( Sr,Rb,Ba,Zr )
─ 271 ─
(171)
高橋 正樹・金丸 龍夫・二平 聡
図 6 丹沢深成岩体の全岩微量元素組成 SiO2 変化図( 2 )
( Y,V,Ni,Cr )
部地殻物質が融解してアルカリに乏しい安山岩質トー
ナル岩マグマが生成され( Nakajima and Arima, 1998 ),
さらに,上昇し分化して定置したトーナル岩マグマ溜
り中へ,後から高アルミナ玄武岩マグマが注入され
て,syn-plutonic dike や苦鉄質包有岩が形成されるに
至った,と考えると,両者の関係はよく説明できる。
7 まとめ
(1)丹沢深成岩体は,貫入・定置時期の古い方から順
に,斑れい岩体( 49 ~ 53wt.% SiO2 ),古期トーナ
ル岩体(53 ~ 60wt.% SiO2 )
,主期トーナル岩体(53
図 7 丹沢深成岩体の Sr / Y vs. Y 図( Defant et al.,1991 )
~ 73wt.% SiO2 ),新期トーナル岩体(68 ~ 77wt.%
SiO2 )からなる。
マグマを生成することは困難である。一方,これらの
(2)最も広い面積を占める主期トーナル岩は,帯磁率
苦鉄質包有岩や syn-plutonic dike が,未固化あるいは
異方性測定の結果から 4 つのユニットから構成さ
一部固化したトーナル岩マグマ溜り中に液体状態で注
れることが判明しているが,東部の玄倉川ユニッ
入されたことは明らかなので,地下では成因的に異な
トと西部の石割山ユニットが SiO2 = 65wt.%以上
る 2 種のマグマが共存していたことになる。マントル
の珪長質岩からなるのに対して,中央部の室久保
で生成された高アルミナ玄武岩マグマが地殻下底部に
川ユニットと水ノ木沢ユニットは,周縁部が苦鉄
付加し,その熱でアルカリに乏しい角閃岩からなる下
質( SiO2 = 60wt%以下)で中心部が珪長質であり
(172)
─ 272 ─
丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
Na 2O,K2O,Ba,Rb に富んでおり,そのうち玄武
水平方向の組成累帯構造を示す。
(3)古期トーナル岩,主期トーナル岩,新期トーナル
岩質岩は高アルミナ玄武岩である。こうした苦鉄
岩は SiO2 変化図上で一連のトレンドを示し,同一
質マグマの単純な結晶分化作用によっては,アル
起源マグマから,同一マグマプロセスをへて形成
カリに乏しいトーナル岩マグマを生成することは
されたマグマの固化物と考えられる。
できず,両者は起源を異にする。
(4)トーナル岩の組成変化トレンドは,K2O,Rb,Ba
(7)苦鉄質包有岩や syn-plutonic dike を形成したマン
などの LIL 元素の挙動から,結晶分化作用の結果
トル起源のややアルカリに富む高アルミナ玄武岩
生じたものと考えられる。SiO2 =62wt%程度の安
マグマが地殻下底部に付加し,その熱で角閃岩か
山岩質マグマが結晶分化した結果,SiO2 =62%以
らなるアルカリに乏しい下部地殻物質が融解し,
下の集積岩と 62wt.%以上の分化液とが生成され
アルカリに乏しい安山岩質のトーナル岩マグマが
たらしい。
生成されたと考えると,両者の関係はよく説明で
(5)主期トーナル岩体中にみられる斜長岩は Al 2O3,
きる。
CaO,Na 2O,Sr に 富 む が,TiO2,FeO*,MnO,
MgO,K2O,P2O5 ,Ba,Rb,Zr,Y,V に著しく乏し
く,斜長石の濃集によって形成されたものと考え
られる。
(6)主期トーナル岩体中にみられる苦鉄質包有岩およ
び syn-plutonic dike は, ト ー ナ ル 岩 に 比 べ て
謝辞
本研究を進めるにあたり,茨城大学理学部の池田幸雄教
授,田切美智雄教授,木村真教授,藤縄明彦助教授には御
議論,御援助をいただいた。また,荒牧重雄東京大学名誉
教授(当時地震研究所教授)には蛍光 X 線分析装置の使用
を許可していただいた。以上の方々に感謝の意を表します。
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丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
付図 1 試料採取地点( 国土地理院 2 万 5 千分の 1 地形図「御正体山」による )
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高橋 正樹・金丸 龍夫・二平 聡
付図 2 試料採取地点( 国土地理院 2 万 5 千分の 1 地形図「御正体山」による )
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丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
付図 3 試料採取地点( 国土地理院 2 万 5 千分の 1 地形図「御正体山」による )
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高橋 正樹・金丸 龍夫・二平 聡
付図 4 試料採取地点( 国土地理院 2 万 5 千分の 1 地形図「御正体山」による )
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丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
付図 5 試料採取地点( 国土地理院 2 万 5 千分の 1 地形図「中川」による )
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高橋 正樹・金丸 龍夫・二平 聡
付図 6 試料採取地点( 国土地理院 2 万 5 千分の 1 地形図「中川」による )
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丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
付図 7 試料採取地点( 国土地理院 2 万 5 千分の 1 地形図「中川」による )
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高橋 正樹・金丸 龍夫・二平 聡
付図 8 試料採取地点( 国土地理院 2 万 5 千分の 1 地形図「中川」による )
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丹沢トーナル岩体の全岩化学組成
付図 9 試料採取地点( 国土地理院 2 万 5 千分の 1 地形図「大室山」による )
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高橋 正樹・金丸 龍夫・二平 聡
付図 10 試料採取地点( 国土地理院 2 万 5 千分の 1 地形図「中川」による )
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