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Title
タイの日系自動車メーカーにおけるミルクラン調達に関
する一考察
Author(s)
石原, 伸志; 橋本, 雅隆; 林, 克彦; 根本, 敏則; 小林,
二三夫; 久米, 秀俊; 稲葉, 順一
Citation
Issue Date
Type
日本物流学会誌, 16: 161-168
2008-05
Journal Article
Text Version publisher
URL
http://hdl.handle.net/10086/22002
Right
Hitotsubashi University Repository
論文 R
日本物 流学 会誌第 1
6号 平成 20年 5月
タイの日系自動車メーカーにおける■
ミルクラン調達に関する一考察
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東海大学)、橋本弛塗 (
横浜商科大学)、林克彦 (
流通経済大学)、根本敏則 (
一橋大学)、
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、
林二三夫 (
横浜商科大学)、久米秀俊(
運輸政策研宛殉 、稲勢 順一(
一橋大学)
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要旨
近年、日系 自動車メーカーの海 外生産拠点で ミル クランによる部品調達が主流となってきた。タイにおける日系の主要 自動
車メーカーのミル クランを調査研究 した結果、当初は生産規模の小さい段階で、物流効率を上げるためにミルクランが漫 入さ
れたものの.現在では生産工程に同期化 した小ロッ ト 多頻度調達を高精度で、しかも極力在庫を排除するための仕組み とし
て構築 ・運用されていることが理解された。 また、ミルクランによって部品の調達物流のプロセスを組立メーカー側で リアル
タイムに把握 し、きめ細かなコン トロールが可能になると共に、コス トの明確化とサプライヤーを巻き込んだ改善活動の取 り
組みも高度に実施されていることが明らかになった。
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1.は じめに
ミル クランに関す る確 定的な定義 はまだな
近年 、 自動車 メー カーや家電 メー カー の海
いが、一般 的 には、買手 に よる巡回混載集 荷
外生産拠 点 において ミル クランに よる部 品調
型 の調 達物流 を指す もの とい え よ う。 そ こで
達 を行 う事例 が観察 され る。周知 の通 り、わ
本稿 で は さ しあたって ミル クランを 「
ユーザ
が国の製 造業 では組 立 メーカー に対す る部品
ー (
例 えば 自動車組 立 メーカー)の手配 した
の納入 は部 品サ プ ライヤー に よって個別 に行
1台の トラ ックが決 め られ た時間帯 に、決 め
われ る場合 が多い。海外 で組 立 メーカー に よ
られ た順 路 で複数 のベ ンダー (
例 えば部 品メ
る部品 の巡回 引取型物流 であ る ミル ク ランが
ーカー) を巡回 して、部品や製 品等 を集荷混
採用 され る理 由は何 であ ろ うか。 また、その
載 してユーザー の指定 した工場 (
倉庫)等 に
実態 は どの よ うな ものであ ろ うか。本稿 では、
納入す る方式 」 と定義す る。
タイ にお け る 日系 自動 車 メーカー による部品
の ミル ク ラン調達 の実態 を観 察す るこ とに よ
2. ミル クラン調達物流 に関す る問題の所在
り、 ミル クラン調 達 システ ムの現状 とその役
日本 の 自動車 メー カー は、国内では トヨタ
割 にjい て考察す る。
自動 車の生産体制 に見 られ る直 り、比較的限
-1
6
1
-
定 され た地域 に密 度 高 く部 品 メー カー群 を配
ン蘇州 で も高頻度 の ミル ク ランを実施 してい
置 してお り、部 品 メー カーが組 み立 てメー カ
る例 が あ り、 これ は キヤ ノンの取手 工場 に倣
ーへ納入す る部 品の量 も多いO このた め、輸
った もの とい われ てい る(3)。
送 責任 を もつ部 品 メー カー が仕 立てた トラ ッ
一般 に ミル クランが この よ うに普及 してい
クに よる J
I
T(
ジ ャス トイ ン タイ ム)
納 品 が主
る理 由 と して① 部 品価格 と分離 した形 での物
流 で あった。 しか しなが ら、海 外 の部 品 メー
流 コス トの明確化 、② 小 ロ ッ トで も混載 輸送
カー の空 間的配置構 造 は 日本 とは異 な り、生
す る こ とに よる輸送 コス トの削減 が可能 、③
産規模 も比較 的小 さく、 日本 の よ うな J
I
T体
組 立 メー カー の生産 ライ ン と同期 化 した J
I
T
制 を構 築す るこ とは困難 で あ る。 さ らに、部
納 品精度 の向上 、とい った点 が指摘 され る(4)0
品 メーカー と組 み立 て メーカー との協力 関係
ミル ク ランは、広 くは混載集 荷 型調 達物流 シ
が、
海 外 で はそれ ほ ど密接 で はない こ とが J
I
T
ステ ム と規 定す るこ とが可能 と思 われ る。 こ
導入 の阻害要 因 とな ってい る。
の混載集荷型調 達物流 システ ムには 、 ミル ク
ランの他 に も小 売業 の商品調 達物 流 と して行
日系 自動車 メー カー の欧州 にお ける部 品調
われ てい る ba
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ulな ども挙 げ られ よ う(5)a
達物流 の分析 に よれ ば、J
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T 調 達 の修 正 が次
さて、調 達物流 の主 た る方 法 と して浮 上 し
の よ うな方 式 で進 め られ てい る。
① シ ン ク ロ納 入(
順 序搬 入)
方式 :シー トな
て きた ミル ク ランは、 グ ローバル ・ロジステ
どの容積 の大 きい部 品の部 品 メー カー が組 立
ィクスの 中で、 どの よ うな意 味 を持 つ ので あ
メー カー の近傍 に立地 して、組 立 ライ ンの投
ろ うかo リー ン ロジステ ィクス戦略 にお け る
入 車種 の順番 に部 品生産 ・納入す る方式。
調 達物流戦略 の分析 に よれ ば、小 ロ ッ ト化 、
② ミル クラン方 式 :1台 の トラ ックが複数
多サイ クル 化 に伴 う物流 コス トの負担 増大 を
の部 品 メー カー を巡 回 し、小 ロ ッ トで混載集
回避 す る手段 と して、直 送化 (
dr
ops
hi
ppi
ng)
、
荷 して組 立 メー カー に J
汀 納入す る方式。
ゾー ン ・ス キ ッピング(
ハ ブ ・ア ン ド・スポー
③調節倉庫利 用方式 :遠 方 の部 品 メー カー
pL (
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) 活用 な どが
ク)
、3
が組 立 メー カー の部 品倉庫 に納 品 し、一 時保
挙 げ られ てお り、この 3PL活用 の仕組 み と し
管 され た部 品在 庫 か ら組 立 工 場 - 高頻 度 で
て、倉 庫管理 、混載 、在 庫管理 、 ゾー ン ・ス
J
I
T納入 す る方式O
キ ッピング も しくは ミル クラ ンの統合 システ
これ らの方式 の うち、 日産 自動 車 の欧州 に
ムが提示 され てい る。 す なわ ち、 ミル クラン
お ける展 開で は、 ミル ク ラン方式 が普及 して
が輸送方 式 と して単独 で取 り扱 われ てい るの
きた こ とが指摘 され 、そ の理 由 と して① 生産
で はな く、調達物 流 の総合 システ ムの下位 シ
の小規模性 、②部 品 メー カー が遠 隔地 にあっ
ステ ム と して位 置付 け られ てい る(
6
)
O
て も比較的狭 い地域 に集 約 され てい る、③ 専
は、ミルクラン集荷された部品を一度組立メーカー
の集配センターに集め、ここから生産ラインに同期
化 して混載 J
I
T納品を行っているD 日通総合研究所
(
2004)pp.
1831
84参照。
(
3) 「
中国は物流で刺す」 日経ビジネス、2004年 9
月 6日号、p
p.
3
436参軌
(
4) たとえば、日通総合研究所(
2004)
p.
1
84参照。
(
5)b
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れ、出荷配送の帰 り便でベンダーからの引き取 り巡
回集荷を行 うもので、積載率が低くコス トが合わな
2002
)p.
19参照。ウォ
い場合に用いられるDLowe(
ルマー トなどが導入 しているO
(
6)Bo
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.(
200
2)pp.
373374参照。
属 の部 品 メー カー でな くて も確 実 な J
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T納入
の実施 と組 立 メー カー に よる コス トの把握 が
可能 とな る、とい った点 が挙 げ られ てい る(1)
0
欧州 以外 で も、 トヨタ 自動 車 が 中国の天津
工場 で行 ってい る ミル ク ラン調 達 の事例 も紹
介 され てい る(2)。 自動 車 だ けで な く、 キヤ ノ
(
1
) 野尻 (
2005
)
pp.
200
202参軌
この事例では、天津周辺からはミルクランで直接
組立工場に納入され、上海周辺の部品メーカーから
(
2)
11
62 -
その統合 システムの 目的は、調達 と生産 の
2007年 8月 26日か ら 9月 2日まで、 タイ
効率的な同期化 の実現 にあ り、部品の生産プ
の 自動車関連 メーカーの ヒア リング調査 を実
ロセス と完成 品の組 立プ ロセスの直結 ・連動
施 した(
7
)
〇本論 文では、 日系 自動車組み立て
化 の意 図 が背 景 に あ る。 従 来 の グ ローバ ル
メーカーの中で もシステ ム化 が進 んでい る ト
scM では、部 品の生産プ ロセ ス と完成 品の組
TMT)を中心 と
ヨタモー ター ・タイ ラン ド (
立プ ロセスの間に在庫 を緩衝材 として配置す
した ミル クラン調達 について取 り上 げる。調
ることによ り、組立 ライ ンの安定的な稼働 を
査対象企業 は、 自動車組 み立てメーカーであ
維持 して きたo Lか し、素早い グローバル生
MT、その ミル クランを実際に行 うTTKL、
るT
産拠点の展開 と製 品の多仕様化 、業務 の迅速
TMTに 1次部 品 メーカー(
テ ィア 1)
として部
化競争 の進展等 によ り、余分 な在庫 を持たな
品 を納 め 自らもグループ内や 2次部 品メーカ
い リー ンな供給体制 と合 わせ て迅速 な供給体
ー (
テ ィア 2) に対 しミル クランを行 ってい
制 も同時 に求 め られ るよ うになって きた。 こ
るデ ンソー タイ ラン ドであるO同事例 の観察
の ことが調達 ・生産プ ロセ スの よ り深 い連動
によ り、生産 ・納期管理 の徹底が難 しい海外
-の要請 とその実現手段 としての ミル クラン
進 出メーカー を巻 き込んで精度の高い ミル ク
-の傾斜 につ ながってい る と考 え られ るO
ランが実現可能 な ことを示す ことができる。
す なわち、我が国の既存研 究か ら一般的 に
3. 1 TMTの概要
は 「
空間的配置構造」「
比較的狭い地域 」な ど
トヨタ 自動車は、世界主要地域 に調達 ・生
地理的要因 とミル クランの導入 との関係 が指
産 ・販売拠点 を設 け、グ ローバル化 を進 めて
摘 されてい るが、米 国の リー ンロジステ ィク
い る。2006年 には海外生産会社 は 5
2社 まで
スの研 究では、調達 ロジステ ィクス全体の戦
増 え、海外生産台数 は 390万台 とな り、国内
略 によって調達 ロジステ ィクスは多様 な戦略
生産台数 41
9万台 と並ぶほ どとなってい るC
を取 りうること、特 に生産 との同期化 な どが
アジア地域 には生産会社 25社があ り、
生産台
指摘 されてい る。 この よ うに、 ミル クラン調
数は 1
5
2万台 となってい る
達が導入 され る過程 では、生産 ・調達規模や
アジア地域 の中核的な生産拠点 として位置づ
サプ ライヤーの立地分散状況 な どの要因が影
け られ 、 ピック ・ア ップ ・トラ ック (
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MV:
響 してい るだけでな く、生産 ・調達戦略か ら
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の影響 が指摘 されてい る。
では全世界 向けの輸 出拠 点 としての役割 を担
以上の よ うに、 自動車産業 の調達物流 には
様 々な形態 があ り、多様 な要因が影響 してい
。
なかで もタイは
ってい る。タイでの生産台数 は 49万台である
が、その うち 20万台が輸 出 されてい る。
グローバル化 が進展す る 1
995年以前 には、
る。 自動 車産業の調達物流 を考 える上で、採
用事例が増加 してい る ミル クラン調達 の意義
重要部品の調達 は 日本か らの輸 出に依存 して
を再検討 し、 ミル クラン調達へ の影響要因を
MVの部品調達では、全世界
いた。 しか し、I
分析す ることは重要な問題 である。 そ こで、
最適調達が戦略的に打 ち出 され、調達物流 の
本研 究ではタイにお ける 日系主要 自動車 メー
効率化が重要 な課題 となってい る。I
MVでは
カー の生産 ・調達 (ミル クラン)を調査す るこ
部品点数 レベルで 9割 以上が現地調達 に切 り
とによ り上記 の問題 点 を明 らかにす るこ とを
(
7) 本調査は、日本郵船株 式会社 の寄付 による一橋 大
目的 とす る。
3. タイ 日系 自動車 メー カーによる部品の ミ
学商学部 の グローバル ・ロジステ ィクスに関す る産
学連携事業 にお ける研 究 と して実施 され た。調査団
の メンバー は、根本敏 則 (
団長)、橋本雅隆(
副団長)、
ルクラン調達 に関す る概要
- 、柴 田信 幸、中排諭 であ る。
石原伸志、小林二三夫、林克彦、久米秀俊、稲葉順
-1
63-
替わってい る。 日本国内では、部品メーカー
カーか らの部 品受渡 し用 に トラ ックベイが 3
による J
I
T 納品体制 が調達物流の特徴 である
か所 ある (
①輸送 ケー ス単位 、②大型部品で
が、 タイ で は TMT 自 らが物 流会社 で あ る
(
プ ログレ
直接 ライ ンに持込、③ 大型部 品で P
TTKL と協力 しミル クラン体制 を構築 してい
ス)レー ン経 由)。 このほか輸入 品用 の トラッ
る。 さらに部品メーカーに対 しては、部品納
クベイが 1か所 ある。部 品の うち、7割 を ミ
入 を求 めない ものの、国内 と同様 に生産計画
ル クランで集荷 し、3 割 は部 品 メーカーが納
の共有 、e
カンパ ン方式 に よる発注等 で緊密
入す る。 ケース単位納 品用 の トラ ックベイは
な協力体制 を とってい る。
11レー ンあ り、スケジュール毎 に利用 レー ン
3. 2
TM Tサム ロン工場
を指定す る。 トラ ック ・ドライバーは、 トラ
(1) ミルクランの導入
ックの鍵 と引き換 えにフォー ク ・リフ トの鍵
TMT の組立工場 は、サム ロン (
Sa
mr
ong)、
を受 け取 り、指定 され た検収場所 にパ レッ ト
Ga
t
e
wa
y)、バ ンポー (
Ba
nPho)
ゲー トウェイ (
を置 く。 e
カ ンパ ンを印刷 した伝票 とケース
の 3か所 にある。サ ム ロン工場では、タイ国
内の部 品数 を照合 し、数 量チ ェ ックを行い、
内向けを生産 してい る。 ゲー トウェイ工場 で
伝票 にチェ ックを入れ て P レー ンに持 ち込む。
は、乗用車 (
カム リ、ウイ ツシュ、カ ロー ラ、
ドライバー は、空ケースの回収 も行 う。
TTKL
ミル クラン用の車両数 は約 600台で 、
VI
OS、ヤ リス) を生産 している。 2007 年 に
完成 したバ ンポー工場では、輸 出向け I
MV を
と K ライ ンに委託 している。ミル クランを運
生産 している。
営す る物流業者 との契約運賃 は、ルー ト別 に
TMT は、タイ国内に分布 してい る調達先 を、
トラ ック等 の固定費 と人件費 ・燃料費等の変
ロケー シ ョン と道路アクセ スによ り A-E ゾ
動費 を求 め、積 み上げで計算 している。毎月
ー ンに区分 し (
A :アユ タヤ ・ナ ワナ コン工
め生産計画 に基づ き、 ミル クランの配送計画
業団地周辺 、良:バ ンコク周辺 、C:アマタナ
を立てている。 生産規模 の小 さいタイでは、
コン周辺 、D:イースタン ・シーボー ド周辺、
ミル クランで調達す る場合で も、数回分のオ
E:ゲー トウェイ工場周辺)
、各 ゾー ン単位 で
ー ダー をま とめて部 品を引き取 っている。 こ
ミル クランを実施 し、部品を調達 してい る。
れ を P レー ンを使 って、e
カンパ ン 1回分の
部品メーカー は 1
20社 (
主要企業 は 1
0社。ま
オーダー に分割す るb E
l
本 では、生産規模が
0社が 日系) である。
た 11
大 き く 1オー ダー毎 に多頻度納入 されている
TMTが ミル クランを導入 した理 由は、日本
と比べ部品 メーカー各社 の納入量が少ないた
めである。 ミル クランで引き取れ ば、部 品の
ため、p レー ンの この機 能は不要 である。
3. 3
TTK ロジステ ィクス (TTK L)
(1) ミル クランの概要
納入頻度が増 え、在庫 を削減 できる。 さらに
TTKLは、TMTの ミル クランを運営す るた
は、部 品メーカー任せ では見 えない物流 コス
めに、2002年 1
2月に設 立 され た。株主構成
トも見 えるよ うにな る。輸送オペ レー シ ョン
51
%、
豊 田通商 26%、
は、
豊 田通商(
タイ ラン ド)
の管理特性 は生産 とは違 うので、物流管理部
キムラユニテ ィー23%であるQ事業内容 は、
署が必要 となる。部 品メーカーの物流能力か
輸送事業 と物流事業 に分 かれてい るD輸送事
らみて調達物流 は組立てメーカー主導で行わ
業では、 自動車部 品の現地調達 ミル クランが
ざるを得 ない。
中山であ り、その他 に国内輸送、最適ルー ト
(2) ミルクランの運用
プランニ ングを行 ってい る。物流事業では、
サム ロン工場では ミル クランを次の通 り運
CKD輸 出部品梱包 (
Mul
t
iSour
c
ePa
r
t
s
)、部品
用 してい る。 同工場には、タイ国内部品 メ-
集約物流 (
ve
ndo
rt
oVe
ndor
)、一般倉庫作業
-1
6
4-
を行 ってい る。アマタナ コン、サムロン、イ
程である。部品メーカー の通い箱のサイズに
ースタン ・シーボー ド、ゲー トウェイに拠点
規格外の ものが含 まれ搭載できなかった り、
1
6台、フォー ク ・リフ ト
を置 き、 トラック 6
受 け入れ ター ミナルでの集荷時間が重なった
40台 を保有 している
りす るな ど、計算 したスケジュール通 り運行
。
TMT向けの ミル クランは、豊 田通商(
タイ)
がで きない場合がある。 このため、実際に運
が 2001年か ら開始 し、2003年 に TTKLが引
行が可能か どうか を、手作業で再チェック し
MV生産開始 とともに、ミル クラ
き継 いだ。I
てい るO
ンが本格化 した。2007年 5月時点で ミル クラ
(2) ミルクランのオペ レー シ ョン
ンに使用す る トラック数 は 5
65台、 ドライバ
実際に運行に先立ち、TTKL の運行管理者
ー数 は 1
,
081人まで拡大 した。現在、TMTの
は運行計画 を分か りやす く印刷 した運行 ツー
3 工場向けの ミル クランを行 ってい る。各工
ル (ドライバー ・チェ ックシー ト、ルー トコ
堤-の納入ルー トは約 50設定 されている。ト
ー ドカー ド、ター ミナルカー ド、バスケ ッ ト
積載量 4.
3 トン)
ラックは、6輪 トラ ック (
ラベル) を作成す るC運行管理者 は、ルー ト
を利用 してお り、大型 トラ ックが走行可能 な
ごとに トラック、 ドライバーを決定 し、地理
地域では 1
0輪ダブルス トラック(
1
2 トン)
を
情報 システムにルー ト情報 を登録す る。 ドラ
利用 している。
イバーは、作業 ごとにチェ ックシー トに記入
TTKL の ミル クランに対す る基本的 な考 え
を行 う。運行 中は 1分 ごとにポー リングが行
方は、生産工程か らのプル システ ムによ り混
われ、運航管理者は GPS情報 を取得 し、 トラ
I
T納入す ることである。 ミル クラ
載集荷 で J
ックの動態管理 を行 っている。 ダイヤ と比較
ンを導入す るためには、オーダーの平準化や
して、作業の遅れ、ス ピー ドオーバー、走行
通い箱 の規格化が前捷 となる。オー ダー ご と
ルー ト外れ等 の異常があった場合には、オペ
に積載量が異 なっていては積載効率が低下す
レーシ ョンセ ンターの端末に異常情報が表示
るため、平準化 してオーダー して も らうこ と
され、運行管理者は運転者 と携帯電話で状況
が必要である。通い籍は、 トラックサイズに
を確認す る。渋滞時には、予 め設定 された迂
合 わせ て搭載 できるよ うに 1スキ ッ ド (
プラ
回経路 のなかか ら、迂回路 を指示す る。
スチ ック製パ レッ ト)のサイズを割 り出 し、1
TTK_
Lでは、GPS-の投資 は、燃費改善、
スキ ッ ドにぴた りと積載 できるよ うに通い箱
事故減少、保険料率値 引き等 を考 えれば正 当
を規格化 してい るO
化できると評価 してい る。 トラックにオンボ
ミル クランは、 自動車の生産計画 と密接 に
ー ドコンピュー タはな く、チェックシー ト-
関係 して行われ るため、顧客である TMT と
の記入に より、管理 してい る。GPSの履歴 を
の密接 な協力体制が築かれ ているoTTKLは、
参照すれ ば、両方を付 き合わせ ることで十分
ルー トを決定す るために必要 となる走行時間
に管理が可能である。 このよ うな改善によっ
や輸送距離等の基本情報 を収集 し、TMTに提
て生 じた利益は 、TMT との間で折半 している。
供す る。TMTは、パーツ情報、生産計画、通
部品の積み込みは、痛み付 け表に基づいて
い箱サイ ズ等か ら毎 日の輸送量を計算 し、最
部品メーカー側 が行 う。TTKL は荷崩れや貨
適運行管理 システムによ りルー トとスケジュ
物事故が生 じない よ うに、転倒防止ボー ドや
ール を計算す るO この計算 結果 を も とに、
安全ベル トで貨物を保護す る。 ダイヤ通 りに
TTKL は、積み付 け表、 トラックダイアグラ
複数の部 品メーカーか ら集荷 し、TMT工場の
ム、受 け入れ ター ミナル ダイヤを作成す るO
指定 トラ ックベイに納品す る。到着時間はプ
現在最 も手間がかかっているのが、 この工
0分以内で指定 されてい る。
ラス ・マイナス 1
-1
6
5-
1
5分 を超 える と、指定時間を順守できなかっ
合 わせ て ASEAN での事業 を拡大 し、現在、
I
(
Ke
y
た こ と に な る が 、 そ の 比 率 は KP
域 内に生産会社 1
3社 を擁 し、
各国に販売機能
のひ とつであ り、5
%程
Pe
r
or
f
ma
nc
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n
d
i
c
a
t
o
r
)
を持たせ 、シンガポール に地域統括会社 を設
度である。
置 している。デ ン ソー タイ ラン ドはタイの生
ドライバーは、フォー ク ・リフ トで貨物 を
1社 か ら構成
産子会社 6社 と販売 ・統括会社 '
検収エ リア-卸 し、空の通い箱 を積み込む。
され、バ ンパ コン工場 ではカーエ ア コンと同
1スキ ッ ドの卸 と積み込みの処理時間は、そ
部品 を主 に生産 してい る。
れぞれ 36秒 が標 準である。書類の処理が終了
バ ンパ コン工場 では、
TMT等 の 自動車メー
す ると、 ドライバー はフォー ク ・リフ トの鍵
カーか らの受注 に平準化 ポス トを用いている。
と引 き換 え に トラ ック の 鍵 を受 け取 り、
これ は各社 か らダンゴ状 に発注 され る部品を、
TTKLのター ミナル に帰庫す る。帰庫 した ド
一定 ロッ ト数 単位 に切 り分 けライ ンに生産指
ライバーは、運行管理者 とともにチェ ックシ
示す るための仕組みである。 1 ロ ッ ト当た り
ー トの内容 を確認す るo異常がなけれ ば、次
の部品は 2個である。従 って、3個 の注文が
の ドライバー に運行 を引き継 ぐ。
来て も 2個 は生産す るが、3個 目は同 じ部品
TMTが トラ ックを手配 してい るのだか ら、
の注文が来 るまで生産 しない。 同ポス トによ
責任範囲は トラ ック-の積込み までが部品メ
り、各納入先向けの部 品 を一定の割合で少 し
ーカー の責任 、積 込 み 以 降 は T
MT の責任
ずつ分 けるこ とで段取 りを削減 させ る効果、
(
P
OT:F
r
e
eo
nTr
u
c
k
) と考 えるのが 自然 で
ない しロジステ ィクスを平準化 させ る効果 を
ある。実際、輸送 中の事故及び コンシール ド.
もつ。 これ によ り、在庫 が減 り、完成品倉庫
ダメー ジは、T
TKLが掛 けてい る運送保 険で
も無 くす こ とが可能 となる。
カバー され、保険金 は T
MT に支払われてい
このよ うな工夫によ り、デ ン ソー タイ ラン
る。しか し、T
MTは部品メーカーの現場 での
ドでは 1次部品メーカー と して ミル クラン集
検収ができないため、製 品が T
MT工場到着
荷時間に合 わせ た平準化生産 を行 っている。
時の検収終了後 に所有権 が移転す るとの見解
さらにデ ン ソー タイ ラン ドを含 めたデ ンソー
に立ってい る。 ここに ミル クランの責任分岐
グループでは、生産会社や 2次部 品メーカー
点の唆昧 さが ある。
との間で 自らミル クランを行 っている。 この
輸送 ピー ス数 単位 でみ た貨物 事 故 率 は、
1
2
P
PM (1
2回/1
00万回)であるが、貨物事故
こ とは、 自動車産業全体への ミル クランの普
及 を示 してい る。
が起 こった場合 には、損害賠償 だけですむ問
デ ン ソー グループにお ける ミル クラン事例
題ではない。部品が届 かない と生産 ライ ンが
として、輸 出部 品の物流セ ンター-の集荷が
止まって しま うため、緊急輸送 を行 う。 普段
あげ られ る。この背景 として 、1
995年頃か ら
は ドライバー の管理 を行 ってい る従業員 5人
日本 を含 めた各 国の調達 ・生産 ・販 売拠点間
がパ トロールチームを組 み、事故時には緊急
にお ける相互的なサプ ライチ ェー ンが形成 さ
発動す る体制 をも敷 いてい る。
れ 、1対 N 生産型か ら、N 対 N サプライチェ
3. 4 デ ンソー タイラン ド バ ンパ コン工場
ー ン型 に変化 した ことが あげ られ る。 この変
デン ソ丁は、パ ワー トレイ ン関係製品(
スタ
化 に伴 い、それぞれ の調達 ・生産 ・販売拠点
ー ター等 )
や空 調 関係 製 品(
カーエ ア コン等)
を相互 に結ぶ物流線 が増加 したため、輸出入
な どの 自車部 品製品 メー カーで、6 つの事業
物流 コス トの削減 が、 コス ト競争力強化の鍵
グループ を擁 し、4
8
.
5
%が海外販 売 とな って
となってきたO物流効率化 に向けた基本戦略
いる。 2
0
0
0年か らの トヨタ I
MV生産開始 に
は、① リー ドタイム短縮- の取組み、② コス
ー1
6
6-
ト最小化-の取組 みが挙 げ られ るo コス ト最
れまで充分 な生産量を確保できていなかった。
小化の取組 みの中で削減対象 となるコス トは、
そのため部品調達物流では、特定部品メーカ
ASEAN 域 内輸 出入 物 流 コス トうちか ら関
ーか らは少量の部 品を輸送す ることになる。
税 ・輸入諸掛 を除いた輸送費、在庫管理費、
全体 としての生産台数 が少ない中で、市場 で
包装 ・作業費 の 3つである。
の売れ筋製 品を供給す ることが求め られ 、 し
この輸送費削減 のために、タイ国内にお け
かもジャス トイ ンタイムでの生産 とそれ に合
る工場、グループ企業、仕入先等 を巡回す る
わせ た多頻度 での部品調達が不可欠 にな る。
ミル クラン方式 を導入 してタイ国内に設置 し
効率的な ロジステ ィクスの実現 には車両を
た輸出セ ンターに集荷 し、そ こか ら海外輸入
満載 で活用す るこ とが必須であるが、部品メ
拠点 (
1
1社)-海上輸送す る方式 を導入 して
ーカー1社 か らの多頻度少量の部品だけでは
い る。 さらに、在庫管理費削減 のために 「
後
満載 にはな らない。TMTでは、 ミル クラン
補充 +金太郎飴運搬 」 を導入 してい る。後補
によ り複数 メーカーか らの部 品を混載す るこ
充 とは、後工程が生産のために引取 った部品
とによ り、調達物流の積載率 を向上 させたの
のみを一箱単位 で前工程-発注 し、補充す る
である。従 って、調達物流 の方式 は、工場数 、
ことである。金太郎飴運搬 とは、運搬具 を統
各工場 の荷量、工場の密度 との関係 で何台の
一 させ た上で (
ケー ス、パ レッー
トを部品間で
車で どのよ うに回って集荷す るかが決 まって
共通化 し)、
納入先別 の部 品を常に一定の割合
くるoそれ はた とえば、
で梱包 ・
運搬 し、作業工程 において負荷低減 ・
(
必要車両台数 、ルー ト数)
-
f(
坐
在庫量の平均化 を 目指す ものであるC た とえ
産台数 、頻度、 トラ ックサイズ、工場数)
ば、輸入国では週 1回同時に 3本の コンテナ
といった定式化が可能か も しれ ない。
同 じミル クランで も部 品メーカーが主導 し、
が入 る とき、輸 出側 で発注順 にパ レクイズ、
バ ンニ ングされ たコンテナ を、その順 を守 っ
巡回型で複数 の組 立メーカーに納品す ること
て意図的に 1
.
7 日に 1本 の コンテナを引取 り
は考 え られ る。 しか し、実態 として各部品メ
(
3本/
5日)、工場では 23分に 1パ レッ ト開
ーカー は特定の組立メーカー と取引す る場合
1
.
7日 (
1
.
7×1
6時間)/
72パ レッ ト)
0
梱す る (
が多い こと、部品メーカーの組立メーカー に
こ うした新 たな物流活動 の実施 に際 して、
対す る納品物流の実行能力が高 くない ことな
発注、生産、集荷、梱包 、運搬 をスルーで見
どか ら、組立 メーカー主導で ミル クラン集荷
た改善取組み も行 なった。 さらに、包装 ・作
が採用 されている。次節で述べ るが、 ミル ク
業費削減 のために、地域通い箱及び地域 リタ
ラン集荷の実施 によ り、組み立てメーカーが
ーナブル ボ ックスの導入、地域集合教育の実
部品メーカーの生産情報 を取得 し、部 品メー
施 、地域仕様データベース (
地域共用サーバ
カー を管理す る機会が増 えるのである。
ー)の導入等 を行 った。
4. 2 現段階における ミルクランの意義
生産 ・調達規模 が十分 に大 き くなってきた
4. 事例研究の考察 と示唆
現段階 にお ける ミル クランの意義 について考
4. 1 初期段階における ミルクランの意義
えてみたい。
現在 の TMTの場合は、調達ボ リュームが
以上の事例研 究か ら、まず海外進出の初期
的段階か ら海外 の生産拠点で ミル クラン調達
十分 に大 きい 中で、徹底 した在庫 の削減お よ
が採用 され る理 由について考 えてみ よ う。
び あ らゆ るプ ロセスにお ける無駄 の排除 とい
日系 自動車 メーカーは当初、タイ国内市場
う基本方針 を具体化す る延長線上 に ミル クラ
向けに生産す る目的で タイ に進出 しため、 こ
ンが位 置づけ られている。その点は、部品メ
-1
6
7-
-カーか ら見て もデ ン ソー にお けるプル と平
組み立て生産 の効率的な同期化 を実現す るこ
準化 (
後補充+
金太郎飴運搬)対策 、TTKLにお
とが重要 である。従 って、効率的に ミル クラ
ける作業 と荷役機器 (
梱包材)の徹底 した標準
ンを管理 ・運営す るためには、生産 ・発注情
化 と KPI管理 とい った面 に反 映 され てい る。
報 をいち早 く把握す る立場 にある自動車 メー
す なわ ち、た とえサプ ライヤーか らの距離が
カー と物流業者 が調達計画 と物流計画 を共有
さほ ど遠 くな くて も、また、 1日 2回の納入
し、両計画 を同期化す る必要 がある。
頻度 で トラ ック満載 にな る納入量がある とし
自動車 メーカー は生産 ・発注情報等 を開示
て も、それ を 1日 4回納入 に し、わ ざわ ざ ミ
し、物流業者 もルー ト別 の輸送 コス トや人件
ル クランに して よ り高頻度 に引き取ってい る。
費等 を開示 し、相互 に利 益が生 まれ るよ うな
本研 究の結論 として、組 立 メーカー に とっ
料金設定 を行 うことが重要 とな る。 また、物
ての ミル クランの意義 をま とめると、①生産
流業者 も自動車 メーカー等 と同期化す るため
と同期化 した′
トロッ トの引き取 り(
プル)型調
には、物流業者 が 自動車 メーカーの生産 シス
達の実現 とそれ に よる在庫の圧縮お よび調達
テムや企業風 土を理解 し、その考 え方や手法
リー ドタイ ム短縮 、(
塾引き取 りによるコス ト
を物流業者 の企業風 土に移植 できるかがポイ
の明確化 、(
卦リアル タイ ムでの調達物流 プ ロ
ン トとなろ う。 また、生産 と調達 の管理水準
セ スの把握 と俊敏 かつ柔軟 な コン トロール の
を合 わせ るためには、管理 が難 しい道 路上 の
実現 、④サプライヤー を巻 き込んだ改善 と仕
輸送 に関 しては リアル タイ ムの動態管理 が不
組みの高度化 の実現、が挙 げ られ る。
可欠であろ うO これ らは、タイ に限 られ た こ
4. 3
ミル クランの課題
とではな く、世界 の 自動車産業で、 ミル クラ
この よ うな観 点 に立てば今後、途上国で工
ン調達 を成功 に導 く重要 な鍵 であろ う
。
場 を展開す る時 は、工場・
の生産規模 にかかわ
以上、タイの 日系 自動 車 メーカー を対象 と
らず ミル クランの採用 は必須 となるであろ う。
した事例分析 に基づ き論 じてきた。 この分析
さらに、今後 、タイ においては複数の 自動
結果 は、タイの 日系 自動車 メーカーだ けでな
車 メーカー、部 品メーカー を巻 き込み、輸送
く、世界 のL
自動車産業の ミル クランに とって
用容器や情報 システ ムの標準化 を進 め、 よ り
重要な示唆 を含む ものである。 日欧米 の 自動
効率的な ミル クランを行 うこ とが求め られ る。
車産業 を中心に蓄積 され た既存研 究 と比較対
TTKL で も述べてい る通 り、ケース、パ レッ
照 し、今後 の事例研究 を積み重ね ることによ
トが業界で標 準化 され ていなけれ ば効果 は大
り、今後研 究の発展 を図 るこ ととしたい。
き くな らない。 TMT では、通い箱 の標 準化
が重要な役割 を果 た していたが 、TMT グルー
参考文献
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007年 4月 9日
(
3)中小企業金 融公庫総合研 究所 『自動車産業 にお け
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(
4)日通総合研 究所編著 『中国物 流の基礎 知識 』大成
出版社 2004.
(
5)野尻 亘 『新版 日本 の物流 一流通 近代化 と空 間構
造 -』古今 書院 2005
(
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2002.
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Koga
nPa
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,2002.
化、タイでの標準化等が考 え られ て しか るべ
きである。 さらに、物流業者側 で も各社 の部
品の積合せ輸送 を計画で きる能力、関係者 に
提案 できるノウハ ウの蓄積 を期待 したい。
4. 4
自動車 メー カー と物流業者の関係
今般 の調査か ら、効率的 な ミル クライ調達
を成功 させ る要因を探 るこ とも可能 である。
TMT と TTKL、デ ン ソー タイ ラン ドとの関
係 をみ る と、 ミル クランでは、部 品の調達 と
-1
68-
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