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古都ルアンパバーンへ 母なるメコン川を下る 2 - Travel Journal Gateway
Promotion & Campaign Indochinapor t Re 水を旅するインドシナ 2 アンコール遺跡 シェムリアップ サンボール遺跡 ―ラオス編 ― 古都ルアンパバーンへ 母なるメコン川を下る トンレサップ湖 ミャンマー ネピドー プノンペン ハノイ ラオス 左/こぢんまりとしているフェイサイの町 中央/ルアンパバーン。朝の托鉢風景 右/首都ビエンチャンにあるパトゥーサイ(凱旋門) ビエンチャン ヤンゴン タイ ベトナム バンコク カンボジア プノンペン フェイサイ 水をテーマにアジアを旅する2回目である。 今回はインドシナ中央部に位置する内陸国ラオスへ。 タイとの国境を緩やかに流れるメコン川を下る。 北部のフェイサイから古都ルアンパバーンまでの1泊2日、 川風に吹かれながらのスローな船旅である。 ホーチミン ルアンパバーン ビエンチャン メコン川 パクセ 文・写真/小林天心(亜細亜大学教授) メコン川 ワットプー 船スタイルのボートは暑くもなく寒くも ャビンからなっている。舟からは桟橋の 上りが火・木・土。所要時間は下りが なく、実に快適である。流れを下って ない岩場に直接、スタッフに手をとっ 1日目7時間、2日目8時間。ルアンパバー ゆくと、水遊びの子供たちが真っ白い てもらい上陸する。雨季と乾季で水位 ンからフェイサイへの上りは1日目11時 歯を見せながら手を振る。水牛の群れ の変化が激しいため、桟橋などはつく 間、2日目10時間と少し長くなる。船 が浸かっていたりする。投網を打つ人、 れない。 中のランチ、ティータイムの果物など、 釣り人、岸辺の畑を耕す人。竹林や森 ゆるやかな坂を100mばかり、ホテル スタッフの行き届いたサービスともども が続き、ときに焼畑の煙が漂ってくる。 の玄関まで歩いてゆく。レセプションや すばらしい。 上り下りのさまざまな形をした舟が行 レストラン棟と客室とは、ボードウォー すこしのんびりした日程にするのであ き交う。ミルクコーヒーのような色をし クでつながっている。周囲の自然にう れば、ルアンサイロッジに2泊する手が た川の水は音もなく流れているが、け まく溶け込んだ、素朴な雰囲気とデザ ある(追加は2食込みで71ドル)。この メコン川は世界で10番目に長い。チ も可)。距離およそ300km、1泊2日の の役割を担っている。流域には多くの っこう速い。時に白波をけたててスピー インがすばらしい。オープンテラスにな ツアーはラオス北部旅行の素材として、 ベットの東部から流れ出し、インドシナ 舟旅は途中のパクベンで1泊する。メコ 村落がある。 ほとんど少数民族の村だが、 ドボートが突っ走ってゆく。 ったレストランでの、そよ風に吹かれな 完成度が高い。日本からのツアーでも、 を貫き、ベトナム南部で南シナ海に注 ンの西側はタイである。流れの相当部 ツアーの途中2つほどの村に上陸訪問す メコン川下りのボートは各種あるが、 がらの食事はツアーの満足度を引き上 すぐに人気コースになるだろう。FIT いでいる。全長4800km(諸説がある)。 分が国境になっているが、川の水はラ る。村人たちは米やきび、にんにく、 ツアーで使うなら「ルアンサイクルーズ・ げている。水量が多いのに、メコンの のためには、ツアー以外に乗り合いの ちなみに 日 本 で 一 番 長 い 信 濃 川 は オスに属しており、クルーズはラオスの ゴマ、ホップなどをつくり暮らしてきた。 パッケージ」が手ごろだ。ソファ付きラ 流れは水音がしない。夜、灯に飛び込 ボートもあるが、外国人との乗り合い 367km だ。雨季と乾季では、ラオスの 国内旅行になる。20世紀初頭、ラオス 村の家々は木や竹でできた高床式であ ウンジやバーを備えたボートは長さ34m、 んでくる虫の多さもまた、ラオスの自然 で一向に困ることはない。世界遺産の あたりで水位が8m も変わる。流れの速 を植民地としていたフランスとタイの条 る。床下でニワトリや豚が遊んでいる。 36人乗り。パクベン1泊のホテル代、1 そのものである。ルアンサイロッジはか ルアンパバーンと組み合わせてゆけば、 さや波の高さは大差ない。 約により、メコンの西岸が国境になっ 村人たちは観光客に木工の民芸品、綿 日3食と午前午後のティー、途中の村 なり上等なエコツーリズムロッジであ 熟年のアジア・リピーターからも高い評 たからだ。 や絹織物、酒などを売る。子供たちも への上陸観光などが含まれ、1人11 〜 4 る。 価を受けることができる。素朴なラオス メコン川は人々にとって道路であり、 そうした品々のセールスに忙しい。 月317ドル、5 〜 10月195ドル(09年) 。 熟年のアジア・リピーターに にふさわしい、価格的にも魅力なコー メコン川沿いの村の暮らしを見る ラオスの北西、タイとの国境にある 上下水道であり、農、水、林業、酒造り、 フェイサイ(人口6万人)から、ルアン 織物業などを含め、ラオス全体の生命 パバーンへの舟下りを紹介する(その逆 線であると同時に、ソーシャルセンター レベルが高いルアンサイロッジ 川下りはとても気持ちがいい。屋形 欧米のシニア客層に人気が高く、彼ら にとってはラオス旅行の定番になってい クルーズの運航はフェイサイからの下 るようだ。 りが月・水・金、ルアンパバーンからの スである。 【ベトナム編に続く】 ※取材協力/日本アセアンセンター観光交流部 ツアーは中間地点のパクベンで、パ ッケージ専用の4つ星ホテル、ルアンサ イロッジに宿泊する。メコン川とその渓 谷を見下ろすすばらしい眺望のロケーシ ョンにあり、全20室は独立した木造キ ●日本アセアンセンター CLMVセミナー開催 日本アセアンセンターは3月17日、都内で旅行業、観 光業関係者を対象に、 カンボジア、 ラオス、 ミャンマー、 ベ トナム (CLMV) の観光セミナーを開催する。 ▪日程/2010年 3月17日 (水) セミナー:14: 00 〜18: 00 レセプション:18 : 00 〜20 : 00 同センターは、CLMV4カ国の観光における現状のリ ▪場所/芝パークホテル 牡丹の間 サーチをもとに、専門家が現地を調査。それらの結果を ▪お申込み/ FAX:03-5402- 8009 もとに、09年12月にベトナムのハノイでASEAN各国の NTO (観光機関) 、 ASEAN事務局、 メコンツーリズムオフ ィスから関係者を集め、 ワークショップを行った。今回のセ ミナーはその結果をもとに、CLMV各国における新しい 観光材料を提供できるセミナーとなる。セミナー・レセプシ ョンとも入場無料。 左/メコン川流域には多くの村落が点在する。子供たちも元気いっぱい 右/タイとの国境にあるフェイサイ。ここから川の旅へ 40 TRAVEL JOURNAL 2010.2.22 【問い合わせ先】 国際機関日本アセアンセンター 観光交流部 Tel : 03-5402-8008 [email protected]. jp www.asean.or.jp/ ja パクベンのルアンサイロッジ TRAVEL JOURNAL 2010.2.22 41