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添付資料2 米子市の保育の現状と課題
添付資料2 米子市の保育の現状と課題 1.米子市の保育所の現状 (1)米子市の人口等の状況 ① 人口の推移 人口(住民基本台帳人口)は、年々増加傾向にあったが、平成10年から平成21年まで の11年間で2,976人増加しているものの、平成17年をピークに減少傾向に転じ、平 成21年は、平成20年と比較して280人の減少となっており、引き続き減少傾向にある ものと予測される。 ② 世帯数・世帯規模の推移 世帯数は、年々増加傾向にあり、平成10年から平成21年までの11年間で約7,69 0世帯増加しており、人口の増加(2,976人)と比較して世帯数の増加が大きいことか ら、世帯規模(1世帯当たり人員)の縮小化が進んでおり、平成10年から平成21年まで の11年間で約0.3人減少しており、核家族化が進行している。 表1:人口・世帯数等の推移 H10 区 分 H12 (各年度4月1日現在:住基台帳) H14 H16 H17 H18 H19 H20 H21 総 人 口 145,897 147,667 148,498 149,746 149,803 149,750 149,730 149,153 148,873 世 帯 数 世帯規模 53,806 55,695 57,172 58,821 59,356 60,016 60,643 61,066 61,496 2.71 2.65 2.60 2.55 2.52 2.50 2.47 2.44 2.42 ③ 年齢別人口の推移 年少人口(0歳∼14歳)は、平成10年から平成21年までの11年間で1,943人 減少しており、年々減少傾向にある。 就学前人口(0歳∼5歳)も、平成12年をピークに年々減少傾向にあり、平成10年から 平成21年までの11年間で652人減少しており、人口構成比も平成11年の6.22% をピークに減少しており、平成21年は、平成11年と比較して0.63ポイントの減少と なっており、米子市においても少子化が進行している。 逆に老年人口(65歳以上)は、著しく増加傾向にあり、平成10年から平成21年まで の11年間で8,069人増加しており、年少人口より多くなっている。 また、高齢化率(総人口に占める老年人口の割合・%)を平成10年と平成21年を比較 すると5.06ポイントの上昇となっており、少子化に加え高齢化も進行している。 表2:年齢別人口の推移 H10 H12 H14 H16 H17 H18 H19 H20 H21 23,526 23,196 22,700 22,522 22,463 22,233 22,035 21,773 21,583 16.13% 15.71% 15.29% 15.04% 15.00% 14.85% 14.72% 14.60% 14.50% 就 学 前 8,968 9,172 9,133 9,080 8,950 8,794 8,591 8,434 8,316 人口(再掲) 6.15% 6.21% 6.15% 6.06% 5.97% 5.87% 5.74% 5.65% 5.59% 区 分 年少人口 1 95,997 96,535 96,200 96,378 95,889 95,303 94,735 93,731 92,847 口 65.80% 65.37% 64.78% 64.36% 64.01% 63.64% 63.27% 62.84% 62.37% 26,374 27,936 29,598 30,846 31,451 32,214 32,960 33,649 34,443 18.08% 18.92% 19.93% 20.60% 20.99% 21.51% 22.01% 22.56% 23.14% 生産年齢 人 老年人口 ④ 合計特殊出生率の推移 厚生労働省の人口動態統計によると、平成20年の合計特殊出生率は1.37で平成19 年を0.03ポイント上回り、過去最低の1.26を記録した平成17年から3年連続で上昇 しているが、出生数は微増で、出生数から死亡数を引いた人口の自然増減数は過去最大のマ イナスで人口の減少傾向は加速している。 米子市の平成10年から平成19年までの合計特殊出生率の推移をみると、鳥取県の推移 と類似しており、おおむね下降傾向にあり、平成15年から連続し減少している。 表 3:合計特殊出生率の推移 H10 区 分 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 国 1.38 1.34 1.36 1.33 1.32 1.29 1.29 1.26 1.32 1.34 1.37 鳥取県 1.62 1.52 1.62 1.58 1.51 1.53 1.50 1.47 1.52 1.47 1.43 米子市 1.68 1.59 1.69 1.63 1.55 1.63 1.53 1.52 1.51 1.50 旧淀江町 1.49 1.29 1.18 1.43 1.30 1.19 − − − − − ⑤ 参考1(県内4市年齢別推計人口) 平成17年国勢調査を基準に鳥取県が推計した、平成20年10月1日現在での年齢別推 計人口を基に比較をすると、年少人口の構成比が他の3市より高く、少子化の進行は他市よ り若干ながら遅い。 表4:県内4市年齢別推計人口(H20.10.1 現在) 区 分 鳥取県 鳥取県年齢別推計人口より 米子市 鳥取市 倉吉市 境港市 総 人 口 (人) 594,915 148,281 199,054 51,190 35,671 年少人口 (人) 80,632 21,421 27,628 6,840 4,887 13.6 14.4 13.9 13.4 13.7 361,599 92,191 126,328 30,154 21,732 60.8 62.2 63.5 58.9 60.9 152,147 34,488 44,773 14,183 9,052 25.6 23.3 22.5 27.7 25.4 30,227 8,274 10,771 2,560 1,734 5.08 5.58 5.41 5.00 4.86 構 成 比 生産年齢人口 構 成 比 老年人口 構 成 比 就学前児童数 構 成 比 (%) (人) (%) (人) (%) (人) (%) 注:国勢調査を基準に推計されているため、年齢不詳者を総人口に含んでおり、年少、生産年齢、老 年人口の合計と合致しない。 2 ⑥ 参考2(将来人口推計) 国立社会保障・人口問題研究所が平成17年の国勢調査結果を踏まえ、平成20年12月 に発表した「日本の市区町村別将来人口(平成20年12月推計)」によると、多くの自治体 で人口規模が縮小し、人口規模 5 千人未満の自治体の割合は、平成17(2005)年の1 2.6%(228自治体)から平成47(2035)年には20.4%(369自治体)に 上昇し、平成12(2000)年から平成17(2005)年にかけて既に69.0%の自治 体で人口が減少しているが、本推計によると、その割合は今後も増加を続け、平成42(2 030)年から平成47(2035)年にかけては97.9%の自治体で人口が減少すると 推計されている。 米子市においても、平成22年以降、年々減少し平成47年には、平成17年と比較して 総人口で約17,000人(11.2ポイント)減少することが推計されている。また、年少 人口(0歳∼14歳)は、約7,300人(33.1ポイント)減少し、現在の三分の一程度にな ることが推計されており、人口減少、少子化の傾向はますます進行するものと思われる。 表5:将来人口推計(平成20年12月推計) 2005 年 2010 年 2015 年 2020 年 2025 年 2030 年 2035 年 (H17) (H22) (H27) (H32) (H37) (H42) (H47) 127,768 127,176 125,430 122,735 119,270 115,224 110,679 数 ) 100.0 99.5 98.1 96.0 93.3 90.1 86.6 県 607,012 595,589 580,333 561,494 540,403 518,131 494,630 数 ) 100.0 98.1 95.6 92.5 89.0 85.4 81.5 市 149,584 149,579 148,082 145,413 141,807 137,545 132,846 数 ) 100.0 100.0 99.0 97.2 94.8 92.0 88.8 年 少 人 口 22,093 21,042 19,749 18,310 16,894 15,730 14,773 数 ) 100.0 95.2 89.4 82.9 76.5 71.2 66.9 ( 構 成 比 ) 14.8 14.1 13.3 12.6 11.9 11.4 11.1 生 産年 齢人 口 95,311 92,762 87,829 84,253 81,656 78,942 75,280 数 ) 100.0 97.3 92.2 88.4 85.7 82.8 79.0 ( 構 成 比 ) 63.7 62.0 59.3 57.9 57.6 57.4 56.7 老 年 人 口 32,181 35,776 40,503 42,850 43,258 42,873 42,793 数 ) 100.0 111.2 125.9 133.2 134.4 133.2 133.0 ( 構 成 比 ) 21.5 23.9 27.4 29.5 30.5 31.2 32.2 区 分 全国(単位千人) ( 指 鳥 取 ( 指 米 ( 指 ( 指 ( 指 ( 指 子 3 表5−2:将来人口推計県内4市比較(平成20年12月推計) 2005 年 2010 年 2015 年 2020 年 2025 年 2030 年 2035 年 (H17) (H22) (H27) (H32) (H37) (H42) (H47) 米子市 100.0 100.0 99.0 97.2 94.8 92.0 88.8 総 人 口 鳥取市 100.0 99.6 98.5 96.7 94.3 91.6 88.5 指 数 倉吉市 100.0 96.5 92.5 88.1 83.5 78.8 74.1 境港市 100.0 97.8 94.9 91.2 87.2 83.0 78.7 米子市 100.0 95.2 89.4 82.9 76.5 71.2 66.9 年少人口 鳥取市 100.0 93.2 86.8 79.2 72.7 67.5 63.0 指 数 倉吉市 100.0 89.4 79.7 71.1 63.8 57.8 52.5 境港市 100.0 91.5 81.6 73.7 66.8 61.2 56.7 米子市 100.0 97.3 92.2 88.4 85.7 82.8 79.0 生産年齢 鳥取市 100.0 98.7 94.2 89.9 86.3 82.8 79.3 人口指数 倉吉市 100.0 94.7 86.8 79.7 74.3 69.5 65.0 境港市 100.0 95.5 89.2 84.2 80.2 76.0 71.4 米子市 100.0 111.2 125.9 133.2 134.4 133.2 133.0 老年人口 鳥取市 100.0 106.8 119.7 129.2 133.6 134.9 134.0 指 数 倉吉市 100.0 104.1 112.3 116.4 115.0 111.3 106.2 境港市 100.0 107.6 118.0 120.7 118.6 114.9 111.4 区 分 (2)保育所設置・利用児童数等の状況 ① 保育所施設数 保育所施設数は、平成13年より新たな私立保育所の認可により増加してきており、平成 16年には、40施設となり、平成10年と比較して6施設増加している。 全国の状況は、昭和60年の22,899か所をピークに減少していたが、平成13年よ り増加傾向にあり、平成20年は、22,909か所で、平成10年と比較して577か所増 加している。公・私立別の内訳では、公立が1,632か所減少したのに対し、私立は、2, 209か所増加している。 ② 保育所定員 保育所定員は、年々増加してきており、平成20年に3,545人となり、平成10年と 比較して590人増加している。公・私立別の内訳では、公立が50人増加したのに対し、 私立は、新たな施設認可に伴い540人増加している。 全国の状況は、平成10年まで減少を続けていたが、平成11年から年々増加してきてお り、平成20年には、2,120,889人となり、平成10年と比較して206,938人 増加している。公・私立別の内訳では、公立が57,184人減少したのに対し、私立は、 264,122人増加している。 4 ③ 保育所利用児童数 保育所利用児童数は、年々増加してきており、平成21年には、3,666人となり、平成1 0年と比較して972人増加している。なお、平成18年以降は3,600人台で推移してい る。公・私立別の内訳では、公立が223人、私立が749人増加している。これは、低年齢 からの入所希望の増加と待機児童解消対策の一環として、低年齢児を受け入れる私立保育所 の新たな認可と定員増をした結果であると考えられる。 全国の状況は、平成6年まで減少しつづけていたが、平成7年から年々増加してきており、 平成20年には2,022,173人となり、平成10年と比較して330,903人増加 している。公・私立別の内訳では、公立が8,860人増加したのに対し、私立は、322, 043人増加している。 ④ 定員充足率 定員充足率(利用児童数÷定員)は、年々増加してきており、平成21年には、103.4% となり、平成10年と比較して12.2ポイント増加している。公・私立別では、公立が9 8.8%に対し、私立は、106.6%と7.8ポイント高い。また、平成10年と比較し て公立が12.5ポイント、私立が11.1ポイント増加している。 全国の状況は、平成6年まで減少しつづけていたが、平成7年から年々増加してきており、 平成20年には、95.3%で、平成10年と比較して6.9ポイント増加している。公・ 私立別では、公立が87.9%に対し、私立が102.6%と14.7ポイント高い。 表6:米子市の保育所施設数・利用児童数(各年4月1日) 公 区分 施設数 定員 立 私 利 用 定 員 児童数 充足率 立 施設数 定員 計 利 用 定 員 児童数 充足率 施設数 定員 利 用 定 員 児童数 充足率 H10 17 1,395 1,204 86.3 17 1,560 1,490 95.5 34 2,955 2,694 91.2 H11 17 1,395 1,223 87.7 17 1,570 1,548 98.6 34 2,965 2,771 93.5 H12 17 1,395 1,301 93.3 17 1,600 1,611 100.7 34 2,995 2,912 97.2 H13 17 1,375 1,292 94.0 18 1,645 1,638 99.6 35 3,020 2,930 97.0 H14 17 1,395 1,335 95.7 20 1,865 1,879 100.8 37 3,260 3,214 98.6 H15 17 1,395 1,339 96.0 21 1,975 1,987 100.6 38 3,370 3,326 98.7 H16 17 1,415 1,381 97.6 23 2,070 2,092 101.1 40 3,485 3,473 99.7 H17 17 1,405 1,404 99.9 23 2,070 2,180 105.3 40 3,475 3,584 103.1 H18 17 1,445 1,433 99.2 23 2,070 2,196 106.1 40 3,515 3,629 103.2 H19 17 1,445 1,453 100.6 23 2,070 2,192 105.9 40 3,515 3,645 103.7 H20 17 1,445 1,415 97.9 23 2,100 2,227 106.0 40 3,545 3,642 102.7 H21 17 1,445 1,427 98.8 23 2,100 2,239 106.6 40 3,545 3,666 103.4 5 表7:全国の状況 区 分 保育所数 定 員 利用児童数 定員充足率 平成10年 22,332 1,913,951 1,691,270 88.4 平成20年 22,909 2,120,889 2,022,173 95.3 比較増減 +577 +206,938 +330,903 +6.9 うち公立 11,328 1,046,654 919,559 87.9 うち私立 11,581 1,074,235 1,102,614 102.6 公立比較増減 △1,632 △57,184 +8,860 +5.4 私立比較増減 +2,209 +264,122 +322,043 +6.2 利用児童数 定員充足率 表8:米子市の状況 区 分 保育所数 定 員 平成10年 34 2,955 2,694 89.9 平成20年 40 3,545 3,642 102.7 比較増減 +6 +590 +948 +12.8 うち公立 17 1,445 1,415 97.9 うち私立 23 2,100 2,227 106.0 公立比較増減 ±0 +50 +211 +11.6 私立比較増減 +6 +540 +737 +10.5 (3)年齢区分別の保育所利用児童の状況 ① 年齢区分別保育所利用児童数 米子市の保育所利用児童数は、前記のとおり平成21年には、3,666人となり、平成10 年と比較して948人増加しているが、年齢区分別の利用児童数としては、特に3歳未満児 の利用が平成10年と比較して576人増加している。 ② 保育所利用児童割合 米子市の就学前児童の保育所利用児童の割合(保育所利用児童数÷就学前の前児童)は、 平成21年が全体で44.08%、平成10年の30.04%と比較して14.04ポイン ト高くなっている。公・私立別では、公立が17.16%に対し、私立が26.92%であり、 私立保育所を利用する児童割合が9.76ポイント高くなっている。 全国の保育所利用児童割合は、平成20年が保育所利用児童全体で30.7%で平成10年 の23.6%と比較して、7.1ポイント高くなっている。 米子市の同時期の保育所利用児童割合は、全体で43.2%であり、全国平均(30.7%) を12.5ポイント上回っており、各年齢区分における利用児童割合も、0歳児が5.1ポ イント、1・2歳児が14.3ポイント、3歳以上児が13.8ポイント全国平均を上回っ ており、保育需要が高い。 6 表9:米子市の年齢区分別保育所利用児童・利用割合 区 H10 分 H12 H14 H16 H17 H18 H19 H20 H21 145,897 147,667 148,498 149,746 149,803 149,750 149,730 149,153 148,873 総人口 1,459 1,488 1,500 1,466 1,448 1,429 1,329 1,393 1,333 1 歳 1,523 1,588 1,559 1,517 1,456 1,457 1,439 1,336 1,418 2 歳 1,457 1,481 1,509 1,525 1,492 1,438 1,457 1,423 1,330 3 歳 1,574 1,549 1,559 1,535 1,520 1,456 1,423 1,443 1,400 4 歳 1,438 1,452 1,475 1,505 1,537 1,504 1,444 1,412 1,443 口 5 歳 1,517 1,614 1,531 1,532 1,497 1,510 1,499 1,427 1,392 計 8,968 9,172 9,133 9,080 8,950 8,794 8,591 8,434 8,316 0歳児 87 90 122 129 135 136 161 184 170 1歳児 276 330 397 420 425 477 521 490 543 2歳児 401 457 511 565 591 584 589 666 606 3歳児 638 678 723 774 767 758 734 748 787 4歳児 654 664 757 792 849 827 801 757 797 5歳児 638 693 704 793 817 847 839 797 763 計 2,694 2,912 3,214 3,473 3,584 3,629 3,645 3,642 3,666 0歳児 5.96 6.05 8.13 8.80 9.32 9.52 12.11 13.21 12.75 1歳児 18.12 20.78 25.47 27.69 29.19 32.74 36.21 36.68 38.29 2歳児 27.52 30.86 33.86 37.05 39.61 40.61 40.43 46.80 45.56 3歳児 40.53 43.77 46.38 50.42 50.46 52.06 51.58 51.84 56.21 4歳児 45.48 45.73 51.32 52.62 55.24 54.99 55.47 53.61 55.23 5歳児 42.06 42.94 45.98 51.76 54.58 56.09 55.97 55.85 54.81 計 30.04 31.75 35.19 38.25 40.04 41.27 42.43 43.18 44.08 保 利 用 児 童 数 人 0 歳 育 利 用 児 童 割 合(%) 所 表10:年齢区分別保育所利用児童の割合の全国比較 区 分 20年保育所利用児童の割合 10年保育所利用児童の割合 676,590 21.0% 480,520 13.4% 88,189 8.1% 59,062 4.9% 588,401 27.6% 421,458 17.7% 国 3歳以上児 1,345,583 40.0% 1,210,750 33.8% 全年齢児計 2,022,173 30.7% 1,691,270 23.6% 1,340 32.3% 764 17.2% 184 13.2% 87 6.0% 1,156 41.9% 677 22.7% 市 3歳以上児 2,302 53.8% 1,930 42.6% 全年齢児計 3,642 43.2% 2,694 30.0% 3歳未満児(0∼2歳) 全 うち0歳児 うち1・2歳児 3歳未満児(0∼2歳) 米 うち0歳児 子 うち1・2歳児 7 3歳未満児(0∼2歳) 435 10.5% 285 6.4% 36 2.6% 23 1.6% 399 14.5% 262 8.8% 立 3歳以上児 980 22.9% 919 20.3% 全年齢児計 1,415 16.8% 1,204 13.4% 905 21.8% 479 10.8% うち0歳児 148 10.6% 64 4.4% うち1・2歳児 757 27.4% 415 13.9% 立 3歳以上児 1,322 30.9% 1,011 22.3% 全年齢児計 2,227 26.4% 1,490 16.6% 公 うち0歳児 うち1・2歳児 3歳未満児(0∼2歳) 私 (4)待機児童の状況 毎年4月1日現在では待機児童は発生していないが、年度中途において発生している状況で あり、特に3歳未満の低年齢児(0歳∼2歳)に多く発生している。 各年度10月1日現在での状況を比較すると、平成14年度には56人と推計していた待機 児童は、平成15年度及びに16年度に低年齢児の受入可能な私立保育所を新たに認可したこ とにより30人台に減少していたが、平成19年度以降、40人台に増加してきており、さら に増加するものと予測される。 低年齢児の待機児童の発生の要因としては、近年の経済不況により共稼ぎ家庭の増加が傾向 にあるが、保育施設は、近年整備された保育所並びに乳児等低年齢児専用で整備された保育所 を除き、従来からの保育所は、定員の2割程度を3歳未満児定員として施設整備がされている ことから、乳児室・ほふく室が狭隘、沐浴・調乳設備がないなど施設設備面に加え、年度中途 での入所に対する保育士の確保ができないことが待機児童の発生原因となっている。 表11:米子市の保育所待機児童数 年 度 0歳 (各年度10月1日現在) 1歳 2歳 3歳 4歳以上 計 平成14年 20 20 10 3 3 56 平成15年 10 13 5 1 1 30 平成16年 10 11 5 4 2 32 平成17年 12 12 5 2 0 31 平成18年 13 13 7 2 1 36 平成19年 18 16 8 2 0 44 平成20年 20 19 4 4 0 47 8 (5)保育サービスの実施状況 米子市の保育サービスの実施状況は、保護者の就労形態の変化に伴う土曜午後開所、延長保育、 休日保育については、私立保育所が主に実施している。乳児保育についても、低年齢児の入所希 望の増加に伴い、低年齢児を受け入れることできる新たな私立保育所の認可をしたこともあり、 主に私立保育所(米子福祉会を除く。)が実施している。特に乳児保育が公立・米子福祉会で実施 されていないのは、 近年整備された保育所及び乳児等低年齢児専用の保育施設を除いて定員の2 割程度を3歳未満児定員として施設整備をしていることから、乳児室・ほふく室が狭隘であった り、 沐浴、調乳等の設備の整備が行われていないのが主たる要因である。 障害児保育については、 その性質上、対象児童の入所希望が継続的ではないため、一時的(複数年になる場合もある。)に 加配保育士の確保をする必要があることから、現状では、公立と米子福祉会の保育所での実施が 多くなっている。 (平成21年 4 月 1 日現在) 表12:保育サービスの実施状況 特 別 保 育 実 施 状 況 施 土曜 設 午後 延 長 乳 児 障害児 休 日 一時 数 開所 保 育 保 育 保 育 保 育 保育 公立保育所 17 7 4 3 12 0 2 0 私立保育所 23 22 21 13 9 3 8 1 (うち米子福祉会) (10) (9) (9) (2) (7) (0) (3) (0) 40 29 25 16 21 3 10 1 区 分 計 病児・ 病後児 保 育 *病児・病後児保育は、保育所併設以外に1施設ある。 (6)公立保育所の施設状況 米子市の公立保育所の施設状況は、老朽化の著しかった大和保育園、さくら保育園を平成1 6年度に全面改築を行ったほか、近年では、夜見保育園、すみれ保育園の屋根及び西保育園、 淀江保育園の保育室床修繕等の大規模修繕を年次的に行うとともに、平成17年には、夜見保 育園、崎津保育園の機械室壁面に吹き付けられていたアスベストの除去工事を行うなど施設の 維持管理に努めてきている。 しがしながら、米子市の公立保育所は、昭和46年から56年にかけ整備されたもので内外 壁の損傷や老朽化が著しく、ニーズの高い低年齢児受入のための乳児室・ほふく室が狭隘であ り、また、建設当時と異なる道路等の周辺の環境変化や、自然環境の変化に伴う施設設備の整 備など、今後、大規模な改築や修繕を行っていく必要がある。特に、すみれ保育園は、木造建築 で築後53年を経過しており老朽化が著しいとともに、敷地か狭隘で保育園への進入路並びに 周辺道路の状況が劣悪であり、早急な移転改築等の対応が必要である。 また、公立保育所は、非常災害時の避難所予定施設となっていることから、耐震診断を行っ た結果、構造耐震指数(Is 値)が0.7未満の施設(あがた保育園、春日保育園、南保育園) の耐震補強が必要である。 9 (平成21年4月 1 日現在) 表13:米子市公立保育所の施設状況 主 保 育 所 名 定員 要 構造 階数 部屋数 建 建築面積 (㎡) 物 (園 舎) 竣工年月 経年 土 地 耐震診断 敷地面積 (Is 値) (㎡) 東保育園 120 RC 2 6 696.16 S54.3 30 0.69 1,962.15 西保育園 120 RC 2 5 638.02 S56.3 28 0,97 2,066.27 南保育園 80 S 1 5 696.15 S53.3 31 0.53 2,767.00 すみれ保育園 45 W 1 4 287.94 S30.5 53 − 1,086.64 さくら保育園 120 S 2 7 952.85 H16.6 4 − 2,615.35 彦名保育園 90 RC 1 5 470.12 S55.3 29 2.19 2,621.60 崎津保育園 90 RC 1 5 471.35 S52.2 32 2.05 3,448.29 小鳩保育園 90 RC 1 5 402.16 S46.3 38 1.22 1,669.42 富益保育園 90 RC 1 5 471.33 S54.3 30 2.20 1,830.80 夜見保育園 90 RC 1 5 475.97 S53.3 32 2.13 2,763.43 春日保育園 45 S 1 4 343.77 S51.3 33 0.48 2,716.71 こたか保育園 60 S 1 4 361.44 S61.2 23 − 4,428.22 あがた保育園 90 S 1 5 540.82 S56.3 28 0.16 2,389.20 ねむの木保育園 60 RC 1 3 397.50 S47.3 37 1.94 1,461.11 淀江保育園 90 RC 1 7 822.67 S49.3 35 0.74 4,126.28 大和保育園 120 W 1 8 913.45 H16.2 5 − 3,488.00 45 RC 1 4 393.54 S51.2 33 1.45 3,036.26 宇田川保育園 備考1 建物構造・RC(鉄筋コンクリート造) S(鉄骨造) W(木造) 備考 2 部屋数は、保育室、ほふく室、乳児室、遊戯室の数 (7)公立保育所の保育士配置状況 公立保育所の保育士の配置状況は、児童福祉施設最低基準の規定に基づく保育士(定数内保育 士:0歳児おおむね3人に1人、1.2歳児おおむね6人に1人、3歳児おおむね20人に1 人、4歳以上児おおむね30人に1人) 、保育所運営費国庫負担金制度基準に基づく保育士(施 設加配保育士:定員90人以下の施設に 1 人)及び障害児保育、一時保育に対応した保育士のほ か、延長、土曜午後、同和保育に対応した保育士(非常勤職員:週30時間)を配置している。 平成21年4月1日現在での保育士の配置状況は、定数内保育士が124人のうち、正規職員 が78人、臨時職員が46人で37.1%が臨時保育士という体制で保育を行っている。平成 13年度の定数内保育士の臨時職員への依存度は、21.8%であり、保育所利用児童の増加及 び低年齢化により定数内保育士の臨時職員が占める割合が15.3ポイント増加している。 臨時保育士は、法令、条例等の制限があり1年以上の雇用ができないため施設加配保育士や 障害児加配保育士等を加えると、毎年、年度当初に70人以上の確保が必要であるが、その確 保に困難を来たしており、年度中途においては、さらに、保育士の確保が困難なため待機児童 10 の発生する要因となっている。 また、保育所は、地域における子育て支援のために、乳幼児などの保育に関する相談に応じ、 助言するなど社会的役割も求められており、現状においても、保育の質の確保が困難となると ともに、保育所運営にも支障を来たしかねない状況にある。 表14:公立保育所保育士の配置状況 (各年度4月1日現在) 平成13年度 区 分 入 所 児童数 定数内保育士 正規 臨時 職員 職員 平成21年度 加配保育士 計 施設 その 加配 他 入 所 児童数 定数内保育士 正規 臨時 職員 職員 加配保育士 計 施設 その 加配 他 東保育園 107 6 2 8 0 2 103 6 2 8 0 2 西保育園 131 7 2 9 0 1 130 7 1 8 0 1 南保育園 64 4 1 5 1 1 87 4 3 7 1 2 すみれ保育園 29 3 0 3 1 0 51 3 1 4 1 1 さくら保育園 130 6 2 8 0 0 127 6 7 13 0 1 彦名保育園 93 4 2 6 1 2 98 4 2 6 1 3 崎津保育園 76 4 1 5 1 1 87 4 3 7 1 1 小鳩保育園 49 3 0 3 1 1 46 3 0 3 1 0 富益保育園 101 6 1 7 1 1 98 5 4 9 1 1 夜見保育園 101 6 1 7 1 1 80 4 2 6 1 1 春日保育園 45 3 0 3 1 1 51 3 1 4 1 0 こたか保育園 59 3 1 4 1 0 60 3 3 6 1 1 あがた保育園 73 4 1 5 1 1 81 4 2 6 1 0 ねむの木保育園 54 9 4 13 1 0 56 7 6 13 1 0 淀江保育園 76 5 2 7 1 1 95 5 3 8 1 1 大和保育園 72 4 1 5 1 0 128 7 5 12 0 1 宇田川保育園 32 2 1 3 1 0 50 3 1 4 1 0 1,292 79 22 101 11 12 1,428 78 46 124 13 16 計 定数内臨職割合 21.78% 37.10% 備考1 入所児童数には、広域入所を含み、定数内保育士には、園長は含んでない。 2 加配保育士のその他は、障害児保育及び一時保育に係る保育士として配置した保育士で、延長 保育等に従事する非常勤職員は含まない。 (8)公立保育所の運営費の状況 公立保育所の運営に係る費用は、平成16年度から国の三位一体改革により一般財源化(市 町村に税源移譲)され設置者である市町村が全額負担することとなったが、民間保育所の運営 に係る費用は、児童を保育所で保育した場合に最低基準を維持するのに必用な経費として、保 育所運営費国庫負担制度に基づき、基本保育単価(児童の年齢、施設の定員規模等に応じて設 11 定された児童一人当りの月額単価)及び民間施設給与等改善費加算額(職員の経験年数に応じ て加算される額)に加え、乳児保育等特別保育の実施状況により加算される主任保育士専任加 算額、事務職員雇上加算額を加えて積算された保育所運営費を基本的な運営財源とし、その他 に乳児保育等特別保育事業に係る補助金・交付金、米子市民間認可施設運営補助金(一施設単純 平均1,089千円) 、鳥取県民間社会福祉設運営費補助金(一施設単純平均2,651千円) を財源として運営されている。 また、運営費は、大別して保育所の運営に当てられる経費(事務費)と入所児童の処遇に当 てられる経費(事業費)とに分かれ、さらに、一般生活費(児童の保育に直接必要な経費) 、児 童用採暖費(児童の冬季の採暖に要する経費) 、人件費(園長、保育士等職員の人件費) 、管理費 (保育所の管理に要する経費)に区分され、それぞれ支出対象及び金額が規定されている。(た だし、運営費の弾力運用により他の区分に充当することは容認されている。) 保育所の運営費は、入所児童の年齢構成や定員規模等により単純に比較をすることはできな いが、仮に公立保育所(17施設)の運営状況を、平成19年度の決算額を基に私立保育所ベー ス(保育所運営費国庫負担制度の基本保育単価及び民間施設給与等改善費加算額を適用、県・ 市運営費補助金は除外) )で試算し単純比較をすると、人件費が基準額(国庫負担制度により積 算した額)を153,774、785円(14.5%)超過し、逆に事業費(一般生活費及び 児童用採暖費)及び管理費が基準額を49,171,718円(27.9%)下回っている。 基本的に私立保育所の人件費は、基準額内で執行されており、基準額を下回った事務費、管理費 については、その取扱に対する制限はあるが、翌年度以降の人件費、修繕、備品等購入費の不足を 補填するための積立金として積み立てられることとなるが、仮に事務費・管理費の剰余額を人 件費に充当したとしても104,603,067円基準額を超過したことになり、これを単純 に公立保育所児童一人当りに換算(超過額÷年間延べ保育児童数(17,989人/月初日入 所児童) )すると公立保育所は、私立保育所と比較して、年間で約70,000円多くの経費を 要したこととなる。 表15:公立保育所運営費比較 区 分 人件費 平成19年度 計 運営費基準額 基準超過額 超 過 率 (A)‐(B) (C) (C)/(A) 決算額 (A) (B) 1,057,402,055 903,627,270 153,774,785 14.5% 176,156,452 225,328,170 ▲49,171,718 ▲27.9% 1,233,558,507 1,128,955,440 104,603,067 8.5% 事業費・管理費 合 (単位:円) (9)保護者負担の軽減の推移 児童福祉法第56条第3項の規定により児童の保護者から徴収している保育料は、国が示す 保育所徴収金基準額表に規定する児童の年齢及び所得区分に応じた徴収基準額を基本に設定し、 子育て支援の観点から鳥取県と市町村が協調して実施している第3子保育料軽減子育て支援事 業による軽減も含め、国の徴収基準額より約204百万円∼209百万軽減している。 しかしながら、保護者負担の軽減に要する財源は、市の一般財源を投入して行っており、税 収等の歳入が大きく見込めず一般会計予算も年々減少傾向にある現状において、その財源確保 12 も非常に厳しい状況にある。 (単位:円) 表17:保護者負担軽減額 区 分 平成17年度 国徴収基準額 (A) 平成19年度 平成20年度 1,174,737,880 1,178,181,100 1,161,652,030 1,181,796,970 903,044,030 908,898,580 892,705,860 905,728,780 62,816,000 63,074,000 65,182,000 66,684,000 208,877,850 206,208,520 203,764,170 209,384,190 45,538 人 45,688 人 45,780 人 45,800 人 4,586 4,513 4,450 4,571 市徴収基準額 (B) 県補助金 (C) 軽減額 平成18年度 (D) (A-B-C) 延べ保育児童数 (E) 軽減額(人/月) (D/E) (10)予算規模と保育所運営費の推移 米子市の一般会計における予算規模は、平成18年度には新市一体化の推進に伴い実施する 事業費(淀江地区 CATV 施設整備事業、米子消防署整備事業、淀江小学校屋内運動場改修事業な ど)の増によるもののほか、制度改正による児童手当扶助費の増が主な理由で500億円台の予 算規模になっているが、税収等の歳入が大きく見込めない現状において年々減少傾向にあり、非 常に厳しい状況にある。 保育所運営費は、平成21年度が3,266万円で一般会計の6.8%を占め、一般会計予算 が減少傾向にある中で、増加傾向にある。 しかしながら、この要因は、入所児童数の増加に伴う保育所事業運営上の経常的経費の増加に よるものであり、特に公立保育所の運営は、市の財政状況に影響されるため、乳児保育、延長保 育などの保育サービスの拡充やそれに伴う施設・設備の整備が行えない状況である。 表18:米子市一般会計予算・保育所運営費 区 分 一 般 会 計 保育所 運営費 構成比 (単位:百万円) 13 年度 14 年度 15 年度 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 55,754 53,103 53,930 49,987 48,818 50,373 49,227 48,898 47,683 3,141 2,921 3,039 3,121 3,129 3,207 3,221 3,244 3,266 5.6% 5.5% 5.6% 6.2% 6.4% 6.4% 6.5% 6.6% 6.8% ※ 13 年度∼16 年度に旧淀江町を含む。 13 3.保育所の問題・課題 保護者の就労形態の変化や女性の社会進出の増加などにより、低年齢からの保育所利用希望者 が増加してきており、乳児保育・延長保育など多様化した保育サービスへの対応が求められている。 また、少子化や核家族化が進展するとともに、長引く景気の低迷により個人所得が減少するなど 子どもや子育て家庭を取り巻く社会環境は急激に変化しており、子育てに対する負担感や孤立化 による育児不安を抱える保護者が増えており、地域における子育て支援体制の充実が求められて いる。このような状況において、保育所は、保育所での保育サービスの充実は勿論のこと、地域にお ける子育て支援の中核施設としての役割も重要になってきている。 多種多様化した保育ニーズに対応し、市民が「安心して子どもを生み育てられ、子どもがいきい きと個性豊かに育つまち」の実現を目指して、限られた財源や人材を有効に活用した取り組みが 必要である。 (1)特別保育の充実 保護者の就労形態の変化に伴い、保育メニューも多様化しており、乳児保育、延長保育、障害 児保育、休日保育、土曜午後の開所などの特別保育実施施設を増やす必要がある。 特別保育を実施するに当たっては、保護者の時間的なゆとりのなさが生み出す児童への悪影 響も想定されることから、子育て家庭を中心として事業主や地域での子育て意識の向上と支援 体制の整備に努め、児童の生活リズムに十分配慮しながら実施園の拡大に努めることが必要で ある。 特別保育を実施する上で、乳児・ほふく室等の施設や沐浴・調乳等の設備の整備及び保育士 の確保が必要である。 (2)地域における子育て支援機能の充実 地域における子育て支援対策として、一時保育の充実を図るとともに、市内に5ヶ所設置して いる子育て支援センターや地域の子育て組織等と連携して、乳幼児の保育・育児に関する相談に 応じ、 助言するなど、地域における子育て支援の中核施設として、その機能の充実を図る必要 がある。 保育所における子育て支援機能を充実する上で、専任の保育士の確保が必要であり、また、保 育士の資質の向上も必要である。 (3)定員超過受け入れ・待機児童の解消 保育所入所希望者の増加に伴い、殆どの保育所で年度当初から定員を超過して受け入れをし ており、また、年度中途において40人以上の待機児童が発生している。 定員を超過して受け入れをしている保育所の中には止むを得ず、遊戯室の一部を保育室とし て使用している施設もあり、恒常的な定員超過受け入れは施設面で保育士への負担が増加し保 育の質の低下に繋がる恐れもあり、また、待機児童の発生の要因にもなっているため、定員超 過受け入れ、待機児童解消に向けた施設整備等の対策が必要である。 恒常的な定員超過受け入れ及び待機児童の解消に当たっては、今後の少子化の動向や保護者 14 の就労の状況等を踏まえ、既存の保育施設の拡張や新たな保育施設の認可に加え、既存の幼稚 園を活用した就学前の教育・保育を一体として捉えた総合施設(幼保一体型施設)の導入も含 め検討する必要がある。 なお、待機児童の殆どが3歳未満児であることから、乳児室・ほふく室等の増築等と保育士の 確保も必要であるが、公立保育所の施設整備については、その整備が国庫補助対象から外され市 費単独負担であり、また、保育士の確保もその雇用の形態(臨時職員)から非常に厳しい状況 である。 (4)保育士の確保と資質の向上 保育ニーズに対応した乳児保育・延長保育等の特別保育の充実を図る上で保育士確保とと もに、保育所における子育て相談など育児支援機能の充実を図る上で、保育士の資質の向上 を図る必要がある。 保育士の確保及び資質の向上については、現時点で公立保育所の定数内保育士の約4割弱 が臨時職員という体制であり、さらに、職員定員適正化計画において、平成26年度までの計 画期間で、退職者の一部補充により、概ね15%程度(141人)の人員削減が計画されて おり、平成17年6月1日現在で園長も含めた保育士107名に換算すると10名の保育士 を削減する予定であり、今まで以上に保育士の人材確保が困難となることが予測されること から、保育の質の低下が予想されるとともに、保育所運営にも支障を来たす恐れがある。 (5)施設整備 米子市の公立保育所は、昭和30年に建設された保育所をはじめ昭和40年台半ば∼50 年代半ばに建設された保育所が殆どであるため、施設が老朽化しており、定員超過及び待機児 童の解消や保育ニーズの高い低年齢児の受け入れをするためには、乳児室・ほふく室及び沐 浴・調乳等の施設・設備の整備を移転改築も含め計画的に行っていく必要がある。 なお、公立保育所の施設整備は、改築、大規模修繕とも民間保育所とは異なり、国庫補助対 象が除外されたため、市費単独での整備となるため、今後の財政状況も勘案しながら整備計画 を策定し整備する必要があるが、非常に厳しい状況である。 また、現行制度では、精算基準である国の保育所徴収金基準額が、3歳以上児の第4階層 (D1階層)以上については、定員規模に影響し増減するため、保護者の利便性も考慮した 統合も含め、保護者負担の軽減(保育料軽減)の観点から、定員規模の拡大も視野に入れて 検討する必要がある。 15