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珍しいお茶の飲み方 本文127p
紅茶辞典 p127-134 珍しいお茶のЏみ方 ☆ チベットのバター茶<チャスマ> 酥油茶(すうようちゃ) というチベット݄ 原でЏまれるバター入り茶です。チベット 牛や羊からとった脂肪・バターを酥油と いい、独特の香りがあります。 チ ベ ッ ト は 、 ヒ マ ラ ヤ 山 麓 の 平 均 標݄ 4000m 以上の݄原にあり、夏冬、昼夜の 気温差が大きく、標݄が݄いので日差しは 強く、日照時間はଥい土地です。辺境で寒 さが厳しく、乾燥の強い、人間には厳しい 環境です。 このような自然環境での生活では、体を温 めるためとビタミンの補給のためにバター 茶を 1 日に 20、30 杯ポルパという木椀で Џんでいます。これで体温の維持と、野菜 からの栄養素の摂取が難しい分を補ってい るのです。 バターの栄養成分のほかに、肉िによるڒ 液の酸性化の中和にも役立っているといわ れ、チベット人にとってはなくてはならな いお茶なのです。 茶(ぺいちゃ)や磚茶(たんちゃ)がで きた古い時代から続いています。 ○ 作り方 ① 茶や磚茶を削り、やかんかで煮出 し、濃い茶汁を作る。 ② 茶こしで茶葉をこし、木製の細ଥい樋、 チベット۰でいうドモとかドンモというも のに入れて、塩とバター(酥油)を加え撹 拌する。時には砂糖を入れることもある。 ポルパは自分専用のもの、つまりマイカッ プをいつも持ち歩いています。 ☆ モンゴルの羊茶(ようちゃ) < ク ム イ ス> 煮出した茶に塩で味をつけて羊乳を加えた Џみもので、南のゴビ砂漠、北のシベリア にはさまれた、標݄約 1000m 2000m の ݄原(草原)地帯に暮らす遊牧民に愛され ています。茶の発祥の蒙古時代から木椀で Џんでいました。 チベットのバター茶に似ていますが、モン ゴルでは羊茶を作るときに羊肉を入れて一 緒に煮込み、肉もやわらかくなるので茶葉 とともにिべたりもします。羊茶は、チベッ トと同様に野菜で補えないビタミン補給 の目的と、山羊や羊肉を常िしているので ڒ液の酸性化の中和のためにも重要なもの なのです。 現在は、木椀のほかアヤガという日本の飯 茶碗より少し小ぶりの陶器のものや、金も のの器を使ってЏみます。 羊茶は磚茶をけずってで煮出し、塩で味 付けして羊乳を加えて作ります。ஞ市ശで は牛乳で作るほうが多くなっているようで す。モンゴルでは、緑磚茶を多く使用して います。 磚茶(タンチャ)は中国で古くから作られ ているもので、茶を集めてやわらかくして から、煉瓦状や円形、球形に蒸気の圧力で 固めた茶のことをいいます。緑磚茶ともい い、紅茶で作ると紅磚茶といいます。古く は辺境の地へ遠ס離輸送のためや、遊牧民 紅茶辞典 p127-134 族の携行िとして作られていました。現在 でもモンゴルやチベットで、バター茶や羊 茶に使われています。 ☆ ミヤンマーの漬け茶 ミヤンマー北ശ山地のパラウン族は、野生 の茶の木の葉を乳酸発ܼさせ、ごま油と塩 で味付けして、茶葉を漬物として保存しま す。この漬物のことをレット・ペットとか ラペットといい、このശ族にとって貴重な िべ物でありご馳走でした。現在はミヤン マーの市場でि料品として売られています。 िべ方は、緑茶をЏむときお茶受けとして 一緒にिべます。炒めたピーナッツやにん にくに、干し海老、小、ץとうがらしなど をラペットに混ぜて作ったものをお茶受け にします。この漬物茶のことを湿ったお茶 ラペ・ソウといい、お茶としてЏむ緑茶は 乾いたお茶ラペ・チョウといいます。 ☆ エスキモー・イヌイットのݗ茶 グリーンランド、カナダ、アラスカなどの 極北地帯に住むエスキモー・イヌイットは 海獣(あざらし)やץを常िとしている民 族です。地理的自然環境から野菜や果物に よるビタミンの摂取は困難なので、その 代わりに生肉とそれぞれの動物の各ശ位を 無駄なく摂取することによって補っている わけです。 しかし、生肉を常िとしているためにڒ液 の酸性化が֙こります。それを是正するた めにアルカリ性Џ料の紅茶をЏんでいます。 紅茶はアルカリ性Џ料です。紅茶が伝わっ てからは、茶汁が真っݗになるまで、ଥく じっくりと火にかけて煮出したものをスト レートでЏんでいます。 ☆ ネパール・カシミール地方の茶 ネパールでは、インド式ミルクティーのチャ イの他マサラを入れたマサラチャイ、しょ うが入りチャイなど、コクのある甘くて濃 厚なお茶がЏまれています。ヒマラヤ登山 の案内人や荷役人をしているシェルパ族が 始まりとされるシェルパティーもあります。 カシミール地方ではサモワールを使って出 した緑茶か、紅茶にシナモンやカルダモン などのスパイスを入れて塩か砂糖で味をつ けた、カシミール・チャイをЏみます。ミ ルクは入れません。 ☆ タイの噛み茶、ミアン Miang タイ、ミヤンマー、ラオスの国境地帯の山 岳民族には、渋味とあまずっぱい味がある ミアン(ミエンともいう)という噛む漬物 茶が愛用されています。ミアンは野生の茶 の葉を蒸して樽か瓶に入れて石の重しをし て発ܼさせ、バナナの葉で包んだものです。 これをガムのように噛み続けると、口の中 がさっぱりする上に、虫歯予にも役立ち、 含まれるカフェインにより眠気がӾめて元 気になるという効果があります。そのため チェンマイの南にあるパ・ミアン村の学校 では昼ि後に生徒に噛ませているそうです。 その他、中の茶葉を出し、火であぶって乾 燥させてから、熱湯に入れて煮出し、塩で 味付けしてЏんだり、漬ける茶葉が、アッ サム系の大葉なので、バナナの包みから茶 葉を出し、岩塩を添えてナッツや肉などを 包んでガムのように噛んでिべたりします。 ☆ ベトナムの茶 ベトナムでは、中国に接しているため古く から喫茶の習慣がありましたが、国土が南 紅茶辞典 p127-134 北に細ଥいために好まれるЏみものも多様 で、それぞれ特徴があります。北ശは一般 的に緑茶がЏまれ、南ശは外来のЏみもの が多く特にコーヒーのЏ用が目立ちます。 ジャスミン茶やウーロン茶がЏまれ、紅茶 は主として輸出用に作られています。 ベトナムの代表的な茶といえば、緑茶に蓮 の花をブレンドした蓮茶です。その他、蓮 の葉を茶葉のようにしてЏむハーブティー があります。これには利尿効果や݄ڒ圧に よい効果があるといわれています。また蓮 の実も緑茶とブレンドして、蓮の実茶とし て作られています。 珍しいものとしてはチャラン茶があります。 適当なଥさのস竹に生の茶葉をつめて炉な どの上につるし、燻製のように茶葉を乾燥 させたものです。チャランとはベトナム۰ で竹筒という意味です。このチャラン茶は 地域によっていろいろな作り方があります。 ☆ 南米(アルゼンチン、パラグアイ、 ブラジル)のマテ茶 南米のアルゼンチン、パラグアイ、ブラ ジルに古くから普及しているЏみものです が、茶葉を使っているものではありません。 パラグアイ原産のモチノキ科の常緑樹マテ の木を地方へ移植して広まったといわれて います。マテ茶はマテの葉をଧかごに入れ て下から炎で燻して乾燥させ、手で揉み砕 いて細かくしたものです。Џむときはひょ うたん型の容器でマテ茶を多めに入れてお 湯を注ぎଥいストローのような「ポンピー ジャ」という先にこし器のついた管を差し 込んで、ゆっくり吸うのです。マテ茶は疲 労回復、腎臓、肝臓によいといわれていま す。 ☆ 日本のめずらしい茶 富山のバタバタ茶 富山県朝日町と入善町に伝えられているも ので、たてるときに、このような音がする ことから名付けられたお茶です。独特な製 法で作られたݗ茶を五༰八茶碗に入れ、茶 筅をバタバタと振り立てて泡立てます。こ の時の茶筅が変わっていて、先がささくれ だって少し広がっていて、柄がଥいもので す。これを 2 本束ねて 1 本にして使いま す。 出вのボテボテ茶 島根県松江地方に伝えられているЏ茶習慣 で、各家で作った番茶を泡立てたお茶です。 番茶は花つきの枝ごと刈り取って、Д干し にして作ります。少し大きい茶碗に番茶を 注いで、ササラに似た茶筅の先に塩をつけ て泡立てます。泡が消えないうちにݗな どの煮や煮物、飯、きざんだ漬物など を入れて混ぜます。これを茶碗の底を手で たたいて、片方に寄せた具とお茶を流し込 みながらЏみ込みます。 沖縄のブクブク茶 沖縄の琉球王朝時代に、ఉ覇地域だけで親 しまれたお茶で、現在は保存会の人々が中 心になって伝えています。 ブクブク茶は、大きな木をくりぬいて作ら れた直径 30cm 位のに、サンピン茶と よばれるジャスミン茶と番茶を混ぜて入れ、 香ばしく炒った米の煮出し汁を加えて、大 きな茶筅でしっかりと泡立てます。泡立て には1時間もかかります。この泡立てで重 要なのは水で、硬水が必要です。ఉ覇の水 は珊瑚礁のカルシウム分が多い硬水なので 紅茶辞典 p127-134 よく泡立ち、この茶に適しています。 できた泡の上に、落花生の粉末や飯のトッ ピングをして、琉球菓子と一緒にЏむとい うよりिべます。िべてЏんでゲップをし て、またिべてЏんでゲップをしてという のが琉球時代から伝わる文化のようです。 また、最後に泡などが残ったら箸を使わな いで指を使ってिべるとそうです。 徳島の阿波番茶 徳島の山間ശで作られる漬物茶です。漬物 茶にはタイやミヤンマーのようにिべる茶 もありますが、これはЏむ茶です。 茶葉を茹でてから木の桶に入れて漬けると、 この間に微生物が繁殖して発ܼし、独特な 味と香りがでます。その後、天日で干して 仕上げます。݄知の碁石茶はこの作り方に 似ています。