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農業技術の矛盾と技術変革: 柑橘経営における農薬技術

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農業技術の矛盾と技術変革: 柑橘経営における農薬技術
Kobe University Repository : Kernel
Title
農業技術の矛盾と技術変革 : 柑橘経営における農薬技術
を素材として(Contradiction and Sublation in Pesticide
Techniques)
Author(s)
保田, 茂
Citation
神戸大学農業経済,8:51-92
Issue date
1973-03
Resource Type
Departmental Bulletin Paper / 紀要論文
Resource Version
publisher
DOI
URL
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/00178099
Create Date: 2017-04-01
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農薬技術の矛盾と技術変革
一柑橘経営における農薬技術を素材として-
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神戸大学農業経詩
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均的矛活をあらわにしてくることに
なった。農薬技術はただ、単に,農業生産の E的のためにのみ効果を発揮するば
かりでなく,広く自然環境を破壊し,直接,間接に入国の健康を破壊する等の
事実が明きらかになったので、ある G わが国農業は農薬技術に故存する度合が高
かっただけに,農薬技術の矛盾もまた深刻なものであった。そのための対策と
して強毒性ないし残留性農薬の製造並びに使用禁止,農薬寂締法の改定などの
制度的手亘しが行なわれた。しかし,農薬技術の矛震はそうした制慶的手亘し
だけで解決されるほど簡単なことがらではなかった D
戦後農薬技術の歴史は昭和2
3年の DDT捷吊から四半世紀を数えることがで
5
)
きる c いまや農薬技術はわが国農業の技術{本系にしっかりと組み込まれ,農薬
技術をぬきにして畏業生産は一般的には不可能な状況にある。しかし,その技
術は深刻な矛盾を内包する O ここに避けることのできなし、一つの「現実的ノミラ
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現実的パラドックスは種々の技街や社会にみることができるむしかし,農薬
技指のパラドックスは一方のプラスの側面で他方のマ fナスの側面を消去し得
るものではないっ健康の被壊や告然の破壊;主人間存在の本質にかかわることが
らだからである O 農薬技術のパラドッグス沼早急に超克されねばならぬ現代的
課題というべきだろう司
本格は,樟橘経常における農薬技術を素材として農薬技術のノミラドッグスを
明らかにし,パラドックス超克の可能性を検討せんとするものであるむところ
で
,
こうした課題に一対しては素材を十分に認識するということからはじめねば
ならない。視点を特定部門に限定しているのもそのためである O
勿論,
素材
の描写だけでは超克は困難であ k 体制面とのかかわりあいも追求せねばなら
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ない。それについてはここでは十分ではない
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したがって,本稿は日本農業に
おける農薬技術のパラドックス超克にむけての一連の作業の一部をなすにすぎ
ない。
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- 53-
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(その 2)
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十十│
なし→枯,生えなし、→すぐんきくなる,無→枯, I~
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(その1)
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第
- 57-
農薬技術の矛盾と技能変革
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J
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:
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三の長期安宅のために摘果は重要な作
マ V.
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えくこはよっ~
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イ;)0 また適度の ~T主果は来 'jミの iliJ-I をおめる効果もあるとし、う 9
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注
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(
4
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暖地でヨは果実内
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8年以来実施されてきた技術であり,
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)
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これら薬剤江いずれも危段なものであり人体や白熱界に与える影響が大きい
だめ, 現 在 は 使
m禁止となっている
G
夏ミカンはいま甘夏ミカンヘ系統更新さ
iしつつあり減告を込盟の必要性もなくなりつつあるが, ごく最近まで j
古いられて
いた J支手l~j としてあげておく g
(
6
) 離層形成促進(収穫部による収護法)
現 在 の 樹 橘 経'
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1
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ヰ又穫によって奴護非業をスピードアップしようとするものである D ハッサクに
ついては数年のうちに実用化する可能性があるという
O
温丹、│ミカンについては
1
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)
引きもぎ吊の薬剤として実験的段階に入ったといわれる 5 使 用 薬 剤 と し て は
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l や SV-38がとりあ庁られている G
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(
7
)
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その勉に収穫期を詞諒するための成育調節剤, 寒害~志止のための薬剤, 浮き
皮防止斉U,落果訪止剤,無核{ヒ剤などの化学薬剤の利用が考えられている O 出
荷時のワックス処理も今日では一普遍的な技術として定着している O
?γ
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'
,
このよう
現在の棺掲生産には多種類の農薬技術の忠用がみられ, 今後一屠拡大する
{項向にある O
注 1)
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農薬取結法」第 1条の 2
2
) 大串龍一「ミカン園の吉主管理につし、て j 『日本農業技術空談会年報』昭和 46年
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農薬技術の矛宗と技能変革
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- 60-
神戸大学農業経誇
から生み出されるものとなっている。畏菜技 )
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jは そ の 共 型 泊 な も の と い え よ
うo 薬剤そのものや薬剤を施吊する機械・装置は農業者自らの部怠と工夫によ
って生み出される余地はほとんどなく,農業者にとってはただ単に如何に選択
するかということだけが残されているにすぎない。農薬技術〈手段)が農業外
部から生み出され,そして日毎に革新されるものであり,農業者にとってはた
こ一般化
だ如何に選択するかの余地しかないならば,農薬技術が農業経営の中 i
し,定着していった理虫をたずねるために辻,一つは農業外部で農薬技術〈手
青と,二つは何故農業者が農薬技術を選択
段)が生み出されるようになった事f
するようになったかという二つの関面からなされねばならない D 前者について
は,戦後の合成化学工業の発達が化学薬剤の大量生産を可能にしたという面も
あるが,化学薬剤が商品として農村市場で消費されることを期待した農薬資本
の存在と,農薬技術の普及・定着を望ましいこととして是認する社会構造〈例
えば,効率生産を主住とする農業技指政策の展開,農産物の外観を重視する市
場機構と泊費構造等)に視点をあてる必要があろう
G
ただ,それについては本
稿の意図するところを越えるので別にみることにして,ここで、は柑橘生産に農
薬技術が選択されるに至った理由をみることにする。
現代に特徴的な農薬技術を農業者が選択するようになったのは,結論を先に
述べれば農薬技術の利用が最も多くの経済的利益をもたらすものとしてあった
からにほかならない。資本主義経済の成長過程のなかで,農業経営の維持,発
展をはかるためには,いかに土地単位あたり収量を多くするか,いかに必要労
働を範約するか,そしていかに柑橘の交換箔値を高めるかということは重要な
'
Gえ得るものであ
技術的課題であった D 農薬技術はこれら技術的課顕に十分に J
ったのである G
勿論,いかに坂量を高めるか(多収イヒ) ,いかに必要労働を節約するか〈省
力北〉あるいはいかに交換缶詰を高めるか(商品差別 f
ヒ二品質向上と価格交渉
力の強化〉といった課題を,ひとり農薬技指だけが解決するものではなく,他
の部分技指とともに農薬技荷が総合され,体系化されてはじめて現実のものと
なっている G 今日の栽培技術は部分技術が互いに関係しあって,いわゆる技術
棒系を形成している O 農薬技術が選択されるようになったのは,こうした部分
- 6
1ー
農薬技術む矛,宮と技術変革
技術の相互関係のなかで選択されたとみなければならない c 以下乙,そうした
関採にふれながら農薬技術が普及していった理由をi, 、いかえれば農薬技術の
もつ経済的意義をヱえていくことにする O
(
2
) 多収効果
農薬技術のもつ第ーの経済的意義は多収効果にある。戦後の荷橘生産におい
て最も基本的な技能的課題はし、かに反当収量を高めるかということであった。
それは今 Eでも重要な課題とされてし、る G 第 5表は代表的産地の多段化のあし
どりを示すものである O こうした多収化のための部分技術としては号品種・系
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統の改良ないし更新…大黒
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芸誌・更新ラ②長 1
直密度の向と一計[if!
I
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槌,③施肥 j
結果容積比の拡大等が重要なものとしてあげられる O ところで,
こうした部分
技術は夫々単独では効果を発揮することは困難であり,品種・系統の大果
-E
産系への更新は提言I
iにもまして十分な肥培管理を必要とするし,また結実歩合
を高めるためにも病害虫の訪訟を徹ませねばならない。栽植密度を高めること
- 62-
神戸大学農業経誇
によって早期多収を実現する方法は,戦後,特に基本法農政下で柑橘生産を大
巾に拡大する原動力となったものであるが,この計画密植の普及によって一時
0α
浸透した深耕,疎植は姿を消し,それほど槌え穴を大きく揺らずに密拍 0
あたり 1
5
0
-300
本〉する方法が普及するようになった。そうした密植は肥料
の増投を余議なくすることもあって病害虫発生を多くする c その上密植による
通風,採光等の変化が病害虫発生を促進することもある a ここにも農薬技術が
不可欠なものとして関係づけられる o 樹形改造も樹勢の強度とは無関係ではな
く,樹勢劣化に伴う病害虫発生を農薬技術によって訪除し得るという前提のも
とに成立するものといえよう c
このように,農薬技街ほ個別的多収化技術の成立を可能とすることによって
単位面積あたり収量を高めることに貢献している O
(3) 安 定 効 果
第二の意義は収量水準の高位安定化ということにある o 畏業生産は工業生産
と異なり,生産の全過程を入聞の意志のもとにおくことは不可能でありラなに
がしかの不安定要国は常に存在する O したがって,生産の安定度を i
苛めること
もまた重要な技術的課題で、あった。
柑橘生産の不安定要因ほ,①気象条件の変化,②病害虫発生の程度,③果樹
の健康管理のよしあし,④隔年結果にあるといえよう
O
戦後、の栽培技術の変革
ほ,余程の自然災害は別として,他の不安定要因のかなりの部分をコントロー
んすることに成功し,今吾では柑構生産の安定度は相当に向上しているものと
考えられる o
この安定度向上にはたす農薬技術の役割は極めて大きいものがある O 気象条
件の変化や果爵の縫康管理の悪さはときとして果樹の物 E
車内・生理的荷主を引
き起こし,着在・落葉・着果の程度に亘接的に彩響する場合もあるが,多くの
場合二次的に病害虫の多発を招き,そのことが収量水準に大きな影響を与える
ものであった。その部分が農薬技箭によってコントローノしされるようになった
ととは,不安定要因の多くを取り除くことに成功したということであり,安定
度を向上させた主要な要因となっている D
勿論,果樹園を生息地とする病害虫の垣常的発生も,収量水準に影響するこ
- 63-
農薬技荷の矛盾と技鰐変革
第 7表
みかん経営における作業号J
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、 そうした不安定要因も民主技術によって, 一応取誌がれているのである O
(4) 省 力 効 果
第三は符力効果をあげることができる。
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神戸大学農業経済
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によると,この 1
5年間にほぼ%の労働量になっている G 作業男J
Iにみると①中排
除草,②病害虫│功;恥③施把,じむ謹翫の労働時間短絡が大きし、。なかでも中耕
除草と病害虫防除の省力{とは,
この聞に節約された全労働時間の半ばに達す
る O これはいうまでもなく良薬技術の省力効果を示すものである。前者は除草
剤,後者は殺菌殺虫剤の利用にもとづくものといえよう
D
勿論,
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法ないし草生法から雑草々生法に変化してきたということも一因をなして L、
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の開発ラ散布機器の改良並
うO 病害虫訪捺の省力えは殺菌殺虫効果の i
びに発生子察にもとずく適期防除の実施によって可能となっている O
このように,農薬技術の省力効果は大きくそのことが昭和30年から 40年代に
かけてすすめられた合理化政策を支えるものであったといえよう
O
樹橘経営は
産地問の競争激{ヒ,アメリカ棺橘の輪出攻勢によって,今後一層合理化がすす
められようとしている。いま柑橘生産で最も労動量の多い作業は摘果と収穫で
ある C この作業をいかに省力化するかということが,今後のき甘橘生産の合理化
のための最大の課題だとされる。そこに摘果剤や収穫剤の開発と利用の意味が
ある D 農薬技術のもつ省力効果は今後一屠追求されることになりそうである D
(5) 品質向上効果
。
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農薬技術の矛盾と技鰐変革
第 g表
和歌山県吉宋;初出荷規路におけるみかんの等級標準
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- 66ー
神戸大学農業経済
ワックス処理も初期のうちは数多くの利点があると考えられていたが,いま
ではかえって品質を悪化するといわれている o にも拘らずワックス処理が続け
られるのも色沢を良好に保つことによって有利な価格を保持しようとするから
まかならない。早生種ミカンを中心とする着色処置も同様の効果を追求する
にi
ものといえるむ
品質向上は外観的特徴ばかりでなく,味とか風味といった質的特徴を高める
ことも一つの方法である o 結橘が商品として扱われる摂り,藷品としてのライ
フ・サイクんからは自由ではあり得急い。つまり競争的高品〈代替的果物)に
よって市場における自らの地位を失なう可能性が常に存在する D 柑橘が噌好品
的性格をもっとすれば,ライフ・サイクノレの長短は味とか風味とかの質的特徴
に依存する度合は高い。そのために,農薬技術を用いて質的特徴を高めようと
することも行なわれる O その代表例が従来の夏ミカンで行なわれた減酸処理で
ある G 資本主義的市場のもとでは農薬技術のもっこのような効果をも利用され
ることがあるのである o
則規格・量産促進効果
わが国にみられる地域経済の顕著な不均等発展は,結果として一方に巨大過
密都市を形成し,地方に過疎的地域を現出せしめている D そのことは農業生産
にとって地域的に偏った少数の巨大農産物市場が形成されていることを意味す
るむ柑橘をはじめ多くの農産物の産地問競争激化の主因がそこにあると考えら
れよう G 巨
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j場の管理下のもとで産地問競争をしつつ,自己の農産物の有手Ij
な語格を実現しようとするには,先述した品質を i
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iめるという方法もあるが,
より重要な方法は規格化・量産化を達成することである。
規路化・量産化を達成するためには第一条件として産地が形成されていなけ
れぼ主らないし,第二の条件としては栽培技術がかなりの程度に統一されてい
なければならない。産地の形成にはいろいろな過程がみられるが,今ヨの多く
の産地は和歌山県有国地方を典型例にするように,山麓領斜地から平野部まで
地域全体が柑橘樹で被われるような状態=生産団地を形づくっている G このよ
うな状態は,生態学的にみてかなり広域的にその地域の植相を単純化すること
を意味する。単純な植相は生物相互の依存関係,つまり告然の譲雑な秩序を変
- 6
7ー
農薬技箭の矛盾と技禽変革
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戦後農業技討す発達史 J第 5巻
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5) 和歌山県有国地区の実態謁査における農家の意見。
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6) 寒)1ぎ:栄「ミカン産地の大型化と青果卸売会社の近代{ヒ J 果実日本 J2
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農:業構造問題研究JN
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構造改呂 J r
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以上みてきたように,農薬技術は柑橘経営にとって重要な技術としてある。
今日の状況では,農薬技術をぬきにして柑橋経営は成り立たないといっても言
いすぎではない凸
ところが,近年,農薬技術は深刻な矛盾に泣面することになったむ勿論,突
黙に矛
mがあらわれたという訳ではなく,農薬技街の普及とともに存在してい
たのであるが,従来農薬技術の価値ある側面の評価が大きかったために矛震を
十分に認識するに主らなかったのである
れるようになったのは,
D
農薬技術の矛民が矛盾として認識さ
1
9
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0年代の公害激化と自然環境の破壊が大きな社会問
題とされるようになったことに一つの契機をみることができるが,時期を同じ
くして,農薬技{J!~Î も1ttlîflH ある側面で被いかくせないほどに矛盾が拡大してきた
からに i
まかなちない。
L、うまでもなく,良薬技術の矛吊の告発は農産物中に技官する農薬を端緒に
しているが,ほとんどあらゆる良産物にかなりの濃度で残留農薬が検出される
とし、うことは異常な現象だといわなければならない G それはまた,わが同の農
業生悲系がそれだけ荒廃していることを怠味するものでもある O 農 産 物 f1の残
留農薬の存在や農業生態系の荒廃は主薬技術のM
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aある純白ーでもってもはや
被し、っくせるもので誌ない。食物がその安全牲を疑われるということは,すで
に食物としての資格を欠くことになる。安全性が(呆試されなければ消費対象と
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iは容にもひとしいと言し、得るからである O それはまさに農薬
しての食品の櫨 1
技街の現実的ノミラドッグといえようむまた,農業生態系の荒廃は人間の生存環
境を危うくし,自然の破壊をもたらすものである O そこにおし、ても,人間と白
熱を代償にするというパラドックスが存在する c いまや,農薬技術の根本的な
的 -
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- 70-
神戸大学農業経務
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食事のかたより,低い栄養摂取等と重なりあって判然としないが,農業者にか
なりおい頻震でみられる貧血病,肝機能持吉あるいは良夫(婦〉広の主たる原
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場合はそれ迂と、の関心はないといってよい D それは,リンゴや梨とは異なり,柑
橘は一殻に果皮が厚く,食用部分への付着ないし技官が大して問題にならなし、
というところに理由がある c しかし,残留農薬を全く無視してよいかには疑問
がある O たとえば,
第1
1
表にみるように極めて骸量ではあるが果実から BHC
が検出された結果が報告されているが,従来,使用禁止になるまでの数年間か
なりの有機塩素系農薬や有機水銀系農薬等残留性農薬が使用されてきており,
それらの残官成分は果樹中や土壌中にまだかなり残存していると考えられるか
らである G その限りにおいて,今後ともそれら残留農薬は産地のいかんを間わ
-71
農薬技需の矛告と技街変革
ず結構に合まれ続けるとみなければならな L。
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柑橘経日における農薬技術が,
どの程度の自然破壊を引き起しているかにつ
い て は 詳 細 な デ ー タ は な い O し治、し, 五三拐にみてきたように, 1
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をJ8Il立して L、るカ¥ら, 地 域 の 大 部 分 に 農 薬 が 散 布 さ れ る こ と に な る c そ れ だ け
- 74-
神戸大学農業経詩
自然に与える影響は大きいと考えられよう
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第1
1去に愛媛県伊方町の樹園地内
で捕獲されたカラスの農薬残留が示されているが, {.本指肪中;こはかなりの高濃
度で検出されているむ中小の動物や昆虫類および鳥類の減少は全国的にみられ
る現象であるが,柑橘生産地も例外で;土決しであり得ない
D
農薬技術による白然破壊についても,健康破壊と同様二つの経路があり,一
つは今日の農薬技街の無差別大量散布による註民的影響と,二つは食物連鎖を
遣しての間接的影響である O 後者については,食物連鎮の混乱がより上位の生
物の餌を減少させ,結果として生息を許さなくなるといった場合や,より上位
の生物への農薬の浪縮による中毒死といった場合がある G 今日の柑議産地のよ
うに山麓額斜地から子理地にいたる地域空間の大部分に,ほぼ時期を同じくし
て一斉に薬剤が散布されることは,直接的影響による自怒破壊はもちろんのこ
と,食物連鎖を遣しての間法的影響もかなりの程度にあるものと考えられる 9
堀越氏がりンゴ地帯での自然破壊の状態を観察されているが,全く同様のこと
が柑橘産地においても現象していると考えねばならない。
(4) 生産物(果実〉の質的抵下
残留農薬も農産物の質的低下=使用語障の減慣をもたらすものといえるかも
しれないが,それは健京破壊につながる問題であって単に質の自下として黙過
することは許されない c ここではそうした健康破壊という重大な問題につなが
らないまでも,農薬技術によって果実の質的色下がみられることについてふれ
ておきたい。それは味覚や利用に関することである G
今日の果実は味が落ちているということはよくいわれることである D 確 か
に,強度に農薬技術に荻存しなければ生産され得ないということは,果樹の生
育条件が劣っているともいえる訳で,そうした状態で
技街にそれほど依存しなくとも生産され得るものに比ベ,味や香りや栄養に何
らかの欠点をもっていると考えることは無理なことではない。
I
農産物の味と
泣,人間の味をよくする努力のなかに,いかに自然の条件が活用されるかによ
って決まるものである 9 工業製品なみに自然を排除する方向で農業技能が組ま
れれば味が落ちるのは当黙 j ともいえるからである c 例えば,無農薬栽培で収
穫された果実は程度が高くまた香りもよいといわれる a 農薬技指の拡大は肥培
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あるいは自
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あるいは, ジ ュ ー ス 製 泣 工 程 で 生 じ る 残
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が考えられているが,
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ワックス処 f
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〕は光沢をよ記して外観を美しくし, 吊l
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lではほとんどの果実;こ方主されている G しかし, 最 近 で
1
7)
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もたらすと 1ぜイオ Lている。
かえって!??蔵中の腐敗を惜し, 味 の 缶 下 を
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t十七を 1-;:;'-九, i
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のこ;:/1よからはワッケス処理江再検!討される必要がある c 着 色 促 進 剤
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1量 の 抵 下l
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についても,成熟促進のあらわれとして宗主比重の低下と 1
1
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ガスによるディゲリーニング) は呆'jミの外組をて訂正;こすることは怠っても内容
2
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それ
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mを政タトす乙ものとしての技術という予行こな問題=矛活を生み出すことに
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よる。
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i力 向 上 へ の 効 果 は 短 期 的 ・ 速 効 的 効 果 に す ぎ
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2
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;土現実的ノミラドッグスとは必ずしもし、
つ そうした点では, この矛f
G
- 76-
神戸大学農業経済
えないことになる。ただその前兆はすでに各所に現象しているとみるべきで,
ここで並列的に指摘しておくこともあながち誤まりではないだろう。
生産力低下要因としては,一つは生態系の破壊による病害虫の一層の多発な
いし防除困難という現象,二つは土壌条件の悪化による生育降苫,三つは農薬
の急性・慢性毒性による果樹の生理障吉等を考えることができょう。
病害虫の多発ないし防除困難とし、うのは,①果樹園内生態系の破壊によって
天敵類が激減し,自然界の病害虫抑制作用が低下してきていること。②昆虫相
の貧困化によって潜在害虫がつぎつぎに萱場してきていること O これは病害の
.
底抗性害!E.の出現等の理由によって,病害虫
場合にもいえそうである O ③薬剤H
と農薬との際限のない戦いがくり返されるとし、うことである O 今日すでにダニ
類やカイガラムシ類の防│徐が困難になりつつあるが,農薬技術は次第に防│徐困
難な病害虫を選び出していくという問題がある O ここで特に注志を要すること
は柑橘ウイルス病である D ウイルス病は次第に広がる傾向をみせてし、るといわ
訟の方法がなく,作物をかえるか品
れるが,ウイルス病は発病してからでは防l
種をかえるかしか手がなく,これの漫延は生産力に大きく影響する。
土壌条件の悪化は土壌の物理的・化学的および生物的条件の変化という面か
らみることができる O 農薬技術の土壌条件悪化の過程は薬剤の土壌中へのは
透,分解,残留による直接的影響と農薬技術が肥培管理法を化学肥料に依存さ
せやすくなるという間接的影響との二つがある O 後者については,たとえば化
学肥料の多投による果樹園土壌の酸性化の促進や微量要素の欠之という問題が
ある o 酸性化したミカン園土壌の改良は実際上甚だ困難だといわれる O
農薬多投による直接的影響としては,土壌中の中小動物の死滅による自然の
耕転・除草作用(たとえばミミズ類は土壌の反転と膨軟化に寄与し,除草にも
貢献しているといわれる)の阻害によって柑橘の根群の発達に何らかのマイナ
スがあるという側面もあるが,特に土壌微生物に対する影響が大きいといわね
ばならない。土壌微生物は土壌中の養分の果樹への供給調節作用をしているば
かりでなく,微生物生態系のなかで土壌病宮虫の抑制効果をももっている。殺虫
剤や殺菌剤はもともと生命を破壊する薬剤であるから土壌微生物に対して強い
抗菌性をもっているのは当然である。したがって,土壌微生物の生態系を混乱
-77ー
農薬技街の矛盾と技能変革
せしめていることは十分に考えられる。土壌敏生物相の変化が養分供給調節作
用の混乱をもたらし, 土壌病害虫の抑制効果をも失なわしめることになれば,
当然のこととして生産力水準に悪影響がで、てこよう
G
除草部のなかにも強い抗
菌性をもっ薬剤がありラ やはり土壌敏生物に影響を及ぼすむ除草剤の多投が野
菜の場合には病害(土壌務害)発生の一つの要因をなすという報告もあるし,
あるいは桑園での除草郊の連用が土壌表面にカピを多発させて桑収穫量に悪影
2
6
)
響をもたらすとの観察報告もある G 柑掻の場合でも類似の現象を予想しておか
なければならな L、。先 i
こ述べたウ fルス病の!広がりについて, その伝播経路の
A
つi
二土壌線虫があるといわれるが, 土譲線虫の天敵5
1は土壌虫の糸状菌:写土
護微生物や小動動群であり, そうした天敵類の農薬による激減が線虫類増殖の
一つの要因をなしてし、るとも考えられる G
農薬の果樹に及;王す生 f
A
s
卒自主一般に薬害として認識されている。 しかし,
2
薬害はどちらかといえば農薬の果樹に与える一種の急性毒性で、あり, それは 5
菜 の i信販言r
i
にかなり試験されている。 ここで問題にしたし、の江果樹に及ぼす慢
1
生は, 告土壌中への長菜の浸透, 分解生
性毒性の影響である O 来おへの慢性吾:
成物, 残 f
g農薬が根群の発達をさまたげるという場合, ②東樹体中の残官民票
の影響, 争各種の芸斉J
[の連Jl
l
による代謝機構の混乱とという三つの 1
w
n
1ITを考え
ることができょう
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根群の発達に片する影響は持;二除草剤が問題となる G 除草剤の土議中の残留
2
7
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m上部に障害が
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4
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mの桜まで活性が:存ちているとの報告もある
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5莱の残留が平られるが,今日の代替農薬り中にも
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可らかの主思[;平'
5をも f
こらさないか
技官するものもあり, そのことが長出j
とL、う心;記がある O そ
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.
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2
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l
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Lをひき起すだろう
J
でみら ~L る点、
理由は地域によって様々とはいえヲ
O
異常落葉現象が各地
Z
E菜による慢性毒性を要因
とする一つの生理障害とはいえないだろうかむ
畏:薬技術が,
こうした生主力抵ド要因を醸成していることは, いわば農薬技
術が今自までの果樹園の蓄積された地力を最大限に利用し,
とち崩しながら生
- 7
8ー
神 戸 大 学 農 業 経 済
産力を誰持しているということにほかならず,現代の資本主義が資源の浪費と
廃棄物の拡散によって高度成長を維持していることと共通する構造をみること
ができる G しかし,地力は資源であり,資源は無限ではあり得ず,したがって
地力の存効利用とその長期的保持の方法を考慮しなければならない。
生産力は農薬技街によって現実的;こ低下している訳ではない。しかし,上に
みたようにその前兆を現在においてみることができるので島り,近い将来に起
こり得る矛君として考慮し主ければならない問題である
O
注 1)藤原邦j
主「広がる農薬による食品汚染 J r
環境 J1
9
7
2午 9月号,
尾E
た
も
,
1
0
0
1
1
0 主だ, tj
会食べたものに危険を感ずるということは,もはや食 i
出で、はない。擢皮を雄
持するということからは
1~Î生的な問題は食lRl になる以前のこと、といわれる 077 尾
諮之「汚染食品を流通させないために J r
環境 J1
9
7
2
年 9月号,
1
2
0
立。
2) 厚生省・農林省通達「農薬危雪訪止運動の実施について J (昭和生5
年 4月2
3l
r)の
なかで中毒発生の主な京国として,(D教事途中にぢ~:(空したり子を洗わずに食事するこ
と.@不健康状態で散布すること.@素手・素足あるい辻マスグなしで作業すること
④知識が不十分であり,また長待問作業をすることにあるとしているが,夏の最中に
星野.
7
守を起すという場合もあるし
訪護を完全にすればかえって高i
r
J
:fi1.rむきを考えて
などといっているひまがなかったり,母体がつかれていても作業しなければならなか
ったり,急性毒性中毒の起る条件江山積している。それを一概に良民の恕加といって
片づけ去る訳にはいかない J (福島要 - f
あすのための持 f
t
辻新潮社,
1
3
01
'
し 1
9
6
8
年)のである。
3) 藤原邦達「食 J
7
1残留良薬規制の方向 J r果実日本 J26巷 7号, 16立
, 1
9
7
1
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4) 吉信章「農薬詑用者に望む J r
和l
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l[/の東巷U 19{主6号
, 2
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'
[
, 1
9
6
8
年
。
5) 金沢純「安全な農薬による作物探護技術 J r
来実日本 J2
7き g号
, 1
7
t
'
I
, 1
9
7
21
1
'
-0
6) たとえば柑橘粛に吊いられる DC証 U 剤は畑水分状態で 8年間残存すると Lづ。 f
l1
1
木芳和・松中日吉 - r
雑草防除大要』去賢 l
r
,
主
1
8
4
1
"
1
. 1972年。
7) 若林秀泰「農業マーケティングと農協』家の光協会, 7
9
頁
, 1
9
6
5
年
。
8)
r
朝日新聞 j 昭和4
7
年 8月 9日
。
9) r
朝日新聞』昭和4
7
年 7丹10S0
1
0
) 菅谷彪「農薬中毒実態調査 J r日本長村医学会雑誌 J2
0を 4j
;
.
, 94ft 1
9
7
2
年。
1
1
) 高野喜正,ほか「長期農薬 i
室用者における神経眼科的並びに全身的諸検査成結;こっ
0巻 4号
, 9
4
頁
, 1
9
7
2
年
。
いて J r日本畏=狩豆学会雑誌 J2
1
2
) 堀越久菌 rS本の農業…農村2
0
年の変容 JNo. 8
2,1
2
1
4頁
, 1
9
7
2
年。
1
3
) 残留性殺虫剤や殺芭斉IJの濃縮による自然破壊はよく矢口られてし、るところであるが,
除草剤の場合 i
こも,光合成証言 や植物ホルモン作用などを通じて水系の藻類などに強
4
農薬技術の矛君と技箭変革
- 7
9ー
mを 示 し , 水 系 に お け る 食 物 連 鎮 の 出 発 点 ; こ 大 き い 影 宮 を 与 え る 危 険 性 の あ る こ
い作
とを官意する必要があるという
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植木邦和・松中 lìii-~ r
前向 ;
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8
0
頁。
1
4
) 原田津「味をめくる?と本'
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おな!?!!題j P
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J1
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7
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f9n号
,
146do
15) 味 ~1î 江主観的要素が入り込みやすいがたとえば,静岡 iijL の佐r;'H乏の場合,来 :!'[i ミカ
ン の 粘 箆 7'
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主よリ 5害
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佐町長作 1
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忠良
『たべものと健康 JN
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,
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3以, 19721
16) 毘ドイツでは窒主主化学 n~ 料ジ〉大量投ラーによって抜目した牧草が話壮一千り反 M 詑力
低下をひき起しているという O 宮脇 5日 nl'1~ちと人口 nJ 日改 ;ii!抗的立, 1
9
7
0年 。 偏 っ
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培管理の方法が栄主成分の変化をもたらす事例といえよう
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果 実 日 本i 2
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7
1年 。 腐 敗 ば か り で な く , ワ ッ ク ス 処 理 江 主 主 の 波 般 現 象 ; シ み ら れ る と
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4
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神 戸 大 学 農 業 経 済
パラドヴクス超克の可能性
(1)農薬技術の大型化
すでにみたように現代の農薬技術は深刻な矛濯をあらわにしており,
しか
もその矛盾は経済的利益の代漬として黙認され続けることは許されない性賓の
ものである O しからば,それら矛盾は克服される可能性があるのだろうか。そ
の可能性を問う話に,今日の柑橘経営にすすめられつつある農薬技術の変化の
方向←ー技街の大型化』ーーについて考えておきたい。技術の大型化は一般的に
いって高速化を伴なうものであり,こうした技指の変北は資本主義のもとでの
経営合理化の主要な手段となっている a 柑橘経営は産地問,国際間の競争の激
化に対処するためのコスト低下,労力不足に対処するための省力化が必要だと
され,そのために大型技街の導入が奨励されている g 技術の大型化は,それに
よって規模の利益を引き出そうとするところにある訳で,農薬技術とて例外で
はない o
農薬技術の大型化は小型防除機の利用から大型防除機の利用へ,さらにはス
ピードスプレヤー
C
S
.
S
)
や定置配管装置の利用とすすみ,
現在ではヘザコ
プタ一利用やスプリングラ一利用という形態がすすみつつあるむ
ここで,現在進行しつつあるヘリコプターやスプリンクラー利用という技術
ヒと農薬技術のノミラドッグスとの関係をみておきたい c それは,現在進
の 大 型i
行しつつある技術変化の方 I
むから,パラドックス超克の可能性を探り得るかと
いうことをみるためである G
ヘリコプターによる薬剤散布の方法江第 1
3表にみるように近年増加の傾向に
こあるのと対照!'J守である G ミカンが増加傾向にあるの
ある D りンゴが続少傾向 i
な栽培面積が増加したことにも関揺する。つまり,
ミカン需要の増大にささえ
られて薪植がすすみ,産地の果樹園の規模と密度が拡大してきたため航空散和
がやりやすくなったことが一つの条件になっている C しかし,基本的に辻病害虫
防除労働の苦痛の軽減やコスト 誌下の子段として普及してし、ることはいうまで
r
もない。特に規模の拡大と果樹盟密度が高まれば適期訪除が重要な課題となる
から大型化と高速化はそれなりの合理性をもっ O 第 1
4表ほヘリコプター利用と
その他の訪除法との比較を示す一例であるが,この結果でみる摂りコスト低ド
- 8
1ー
農薬技祷の矛眉と技鍔変革
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65
5
9
0
1
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1
3
2
9
1
13747
11072
4
302
1279
13861
14356
12416
36
6947
11026
資料:ポケット農林一点在統計, 1
9
7
2
年版,
168貝。
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第1
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2
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(和歌山県下 3
剤散布の方法は,和歌山有田地方の濯承諾設を嬬えた農家が試験的にはじめた
ことが発端となっている。そもそもの動機はスプリングラーの利用度を高めよ
うとするところにあったようだが,スプリンクラーによる農薬散布が病害虫防
除に効果のあることが判明し,最近では急速に苦-及しつつある G スプリングラ
ーによる薬剤数奇の方法が急速に普及しつつある理由は,第 1
5表のように薬剤
散布の危険性を避けたいということと省力効果に期待するところにある 5 確 か
.6
に省力効果は大きく,我々の実態調査でも散布時間だけに浪ってみても, 1
加を夫婦 2入で 3日間を要するところ〈動噴防除〉をわずか 2時間で終えてい
るD 第 1
6表は従来の定量配管方式による訪除法との経済性の比較で、あるが,労
力費は極端に節約されている D 労賃が上昇傾向にある今日の状況では,コスト
抵下に大きく貢献する技術といえよう
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(
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するから農薬中毒から免れ得る利点もある G 先に健康破壊の事例としてあげた
愛媛県伊方町の農家も,スプリンクラ一利用によって農薬毒から解放されたい
い頻度で発生せしめてい
との希望を述べられている O 持橘生産は農薬中毒を;吉i
るから,
労力不足とあいまってスプリングラ一利用は普及する可能性が大き
いむそのほか和歌山県果樹試験場で辻スプリンクラ一利用の利点を第 1
7表のよ
うに説明している D
しかし,こうした農薬技術の大型化にも問題がない訳ではない。第一はヘリ
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神戸大学農業経済
第1
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量を増やさざるを得ないということである。先に掲げた第 1
6
去にもあるように,畏薬使用量は:之宮配管に比べても 2信に増加しており,我
々の調査でも 30%以 i
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lはやむを得ないという事実もあり,残留農薬の増
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主!土壌への影響もそれだけ大きいといわねば
加の恐れや自然界への影響,果話j
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7去のスプリンクラ一利用の利点
に述ペてある如く強毒性畏薬が用いられる可能性もある 9 農薬に触れる機会の
ないことが農薬の取り扱いを安易にすることは考えられるところである D 第 三
4
)
は農薬技術の依存哀をおめ管理作業がおろそかになるということがある D そ れ
は病害虫発生を多くする恐れがあり農薬との悪循環を拡大することになる O 第
四は地域社会への影響である。道路や民家が樹園地に接することが多いわが国
の果樹園では,一寸した不注意が農薬被害をひき起す可能性がある Q また飲料
良薬技術 ω イ~ h~ーと技術変苧
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の可能性を開くものといえよう
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今日の柑橘屈の農業生態系の破壊が進行するなかでどこまで 1
1
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"能かということ
がある G 杉山氏が椋や梨の自黙農法への切り換え法失敗に終ったと述べられて
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いるように,柑橘にも同様のことがし市、得ょう
G
つまり,化学 f
j
E*4と農薬によ
り保護され,温室的に成長してきた果樹にいまさら病害虫抵抗性のありょうも
なく,また生態系の破壊による病害虫の自然抑制効果も低下していると A るべ
きで,こうした環境的状況では一挙にそデ、ルの成立は期待し難い。そこで,現
実的にはそデ、/1.--にむけて徐々に技術を変革するという方法をとらざるを得な
し、それは,できるだけ農薬使用量.を節約するという方法を実施することから
はじまる O そのためには,①病言虫防除の )i法,②果樹園管理の J511~ ,
の農業生態系のあり方等についての再検討を必要とするだろう
③地域
O
I
W捻方法の再検討はまず第一-(こ病害虫とは{可かということの再検討が必要で
ある O 柑橘樹を生息地とするだけでそれがただちに病害虫といえるかどうか I~
分の分析はなされていないという
O
たとえばミカンの最大の害虫のーっといわ
れているミカンハダニを{
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)
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らいとしている G ところでラハダニの密度を一葉あたり 5頭(幼成虫)以ードに
おさえておくためには 1年 に 1@!のダニ剤散布で十分であり
2頭以下におさ
えておくためにも 1年に 2自の散布でよし、のに全く発生させない状態にしてお
くためには 1年 に 6
7国の散布が必要であるという
O
ところが 2頭以下の L
{
と完全訪除区とでは果樹の成長にはほとんど差がなく,ハダニの密度があまり
高くないときに神経質になるのは無 J
意 味だといわれる O これまでの病害虫設の
再検討を必要としているように思われる。第二は│功除基準を再検討することで
ある O 現在の i
坊除基準は病害虫発生を撤史的におさえる日的で{乍成されており
過剰防除の傾向があるむ隔地によっては病害虫発生の程度は異なるであろう
からその面での節約辻可能であるという。第三は散布方法の改良で、ある G たと
えば野原氏がナツミカン園でやられたような,全民散布ではなく天敵保存を考
- 87-
医薬技術の矛告と技術変革
第1
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は病害虫発生の原因となる環境的要丙をとり去り吉然の病古虫抑制力を回復
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, あるし、は勇定方法といった部分技術がそれぞれ夜接・間接に農業:多投に 1
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係 し て い る G それらの部分技能も病吉虫発生を抑制しうる方向で、考え i
- 88第1
9
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神戸大学農業経済
カナダのリンゴ国における '
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るG 最終的には農法の再検討が間われねばならない。
最後に地域の農業主態系の保全ということを考える必要がある O つまり,地
域全体を柑橘で被うような点地形成のあり方が望ましし吟、どうかということも
合めての土地利用のあり方ーの検討であるむ地域を果樹で被う産地形成は,
ワラ
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1草寺の有機質供給源を失なうということとともに,生態系を不安定にし良
薬技街税皮を国難にすると考えられるからである c
こうした技術変革は,今日の農家の主体的条件(芳{動力不足や生産技街にお
ける主体性の忘却)や農産物お場のあり方,さらには効率至上主義の技術政策
の展開という状況下で辻困難なことかも知れない。しかし,農薬技指のノミラド
ックスを超克せねばならないとすれば,こうした技術変革が求められねばなら
ないのである o
ヨーロッパにおし、ても, CR農 注 物 (
CleanandRecycling) の全産とその
優遇ということがマンスホルト氏によって提案されている O
こうした理念、は
ECのメカニズムのもとでは以外に早く定差するだろうといわれるむそれは,
わが同にとっても無関係なことではない。 CR農産物の生廷ということは,ま
さに農薬技術のノミラドッグスを超克する方法である G わが国畏業にお L、てもこ
- 89-
畏薬技術心矛居と技術変革
うした理念、を確立する必要がある G 農薬技街からの脱皮という生産点で、の技手1
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) 了マンスホルト報告 J 中央公論・経常問題 J昭和 4
7
年夏季号,
249
頁。
ここで,マンスホルト氏は概要次のような提案をされている。つまり,人口増加に
伴ない食糧生産江強力に発展させる必要はあるが,じi
然の均衝ということを考患 Lな
ければならない。そこで次のような詰民を講ずることが必要である。
①
環境や健康を破壊しない物質のみを使用する。
@
農産物の質の基準を変え,外観よりも栄査と味覚の質に重点を移す。
②
閉ざされた出誌の生産を奨励し,
n然の破壊を防止する。
CR証明を交付し, CR証明を交付された農産
f
討さ政策に浴する権利がうえられる。そし
物に対しては税制上の優遇措註と特別のi
て
, EC域外の農産物から C豆生産を守るために CR関税を実指するという提案であ
こうした措置を共体的にするためには
る
。
1
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) 林勝一「成長国日本に政策転換を迫る J,前掲 F
中央公論Jl 262長
。
1
9
) 坂本慶一「長学の反省と日本長業の針路 J r
近畿の農政Jl 3
5を
6頁
, 1
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たは,田氏「高度産業社会の論理とま;業 J r
近代農学論集』支賢堂 3
""'4頁
, 1
9
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年。
おわりに
農薬技術のパラドッグスは,わが国資本主義の一断面をあらわしているとい
える O それだけにその超克は極めて国難である。ここでは,超克の可能性を生
産点での技街変革にもとめたが,パラドッグスの基本的要因は単に技術的諸関
係にあるのでは江く,わが国資本主義特有の経法的諸関係にあることはいうま
でもない。つまち体制的矛盾ということができる c 端的にいえば,農薬問題は
資本害であるというべきだろう。したがって,技術を越えた側面を明きらかに
し
,
それを克服していくということがなければ開題の根本的解決はない。
た
だ多くの休制的問題がそうであるように,農薬問題も一挙に解決することは不
可能であり,
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可処かを出発点として一歩一歩解決していく弘外に方法はない
g
特に,農薬問題は農薬技術を蓋接に利吊するのが農業者であるということと,
農業生態系が繰 b返しの農薬捷用によって農薬に強度に依存する体質になって
いるということが問題む解決を一層毘難にしている O こうした状況からは,ま
ず農薬を拒否する思想、を確立し,生産点の変革ニ生産技街の変革ということか
らはじめる況かに道はない。ここで技術変革を強調したのもそういう意味から
である。ただ,この技術の変革はひとり農業者の努力だけで達成されるもので
-9
1ー
農薬技需の矛活と技術変革
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5業経託研究者に鋭い批判を投げかけ
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[本の浪芸技術は飛躍的に進歩したといわ
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能力主に労今なくして多くの J~:走物を手にすることができるよ う に な っ
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j斉進歩 0)名のもとに,
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そして, そこに農薬技能も j京く I~H系してい
人間がすべて汗殺しの予感あるいは圧政下に生き
るといった却訟を生じるとすれば, そのような進歩にし吟〉なる立味を見出すか
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Jかと L、うことがし、ま根本的;こ吟味され
は問題である O 人出!の!正史の進歩とは f
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ればならな L、のだろう
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も今後企業コロジーに対する理論的体系化を早急に行なうことが必要とされる。菅原
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年夏季
正博「企業にエコロジー・センターをつくれ J 中央公論・経営問題j 昭和4
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頁0
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4) 長州一二「ローマ・グラブ的発想、の理解と限界 J 現代の理論 j N
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頁
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年。
5) 市井三郎 F
歴史の進歩とは何か J岩波新書, 1
1頁
, 1
9
7
2年。
6) 市井三郎 F
前掲書j 1
6
頁。
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