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「自転車乗らへん?」: 自転車部
「自転車乗らへん ?」: 自転車部 奈良医大 河 原 郁 生・玉 井 克 弥 今回紹介させていただく自転車部は、 これまで同門会誌上で登場してきた何 か競技会に参加するのを目的にしてい るクラブではなく、より同好会的に自然 発生した集団です。 ときどき自転車の話などをしていると「昔、 ママチャリで鈴鹿山脈を越えて名古屋まで 行った」、「丸1日かけて琵琶湖を1周し たことがある」などと話に加わってこら 第1回淡路島ツーリング:右から磯本、土肥、仲西、城戸先生 れる先生がおられます。 自転車という乗り物が、人力という動力のみ で動く乗り物の中では最速のスピードを出すこ K 戸先生からのそんな軽い勧誘がすべての始 まりだった。 とが出来るという魅力だけでなく、ピカピカ光 学生の頃に自転車をほんの少し(サイクリン るディレイラー、ギアなどのパーツで出来た機 グ程度)したことがある位だったのであまり自 械としての魅力も備えるため、潜在的にスポー 信がなく、しばらく返事をするのを遠慮してい ツ好き、メカ好きの素因をもつ整形外科医の中 た。一つには今回すでに決まった参加者が、K にバイカー、サイクリストが多いということは 戸先生(パワフルな上、自宅ではスポーツジム なんとなく理解できるのではないでしょうか? に置くようなサイクルトレーナーで鍛えてい 「季節も良くなったし、ちょっと自転車で走 る)、K 原先生(かつてはアイアンマンレース る?」、「遠くまで車で出て、乗ってみる?」こ にでていた、元トライアスリート)、磯 M 先生 んなきっかけで集まるため、特に決まった部員 (ツール・ド・フランスを全ステージ見るほど が存在する訳でなく、紹介を書かせてもらって の相当の自転車好き)の3人だけであったとい いる私さえも実際何人所属しているのかわから うことが理由だった。 ない不思議なクラブです。もちろん練習会、 ツーリングも不定期です。 「この中に混じるのはちょっと……」 噂では前回の淡路島ツーリングでは K 戸先 ただ確実なのは、どの企画も研究室の私の背 生が体力の限り飛ばしたため、付いていけな 中側に席を置かれている K 戸先生の一声「自転 かった参加者が続出したとかしなかったとか 車乗らへん?」で始まることです。 ……。さらに、前回参加者のある先生は、今回 ここで最近、同研究室で involve された、玉 の K 戸先生からのお誘いの電話に、予定を確認 井克弥先生に一筆いただくことにしましょう。 するまでもなくコンマ5秒の早さで「その日は ◇ ◇ ◇ 「自転車乗らへん?」 駄目です」と即答したとも……。 1週間ほどは適当な返事をして流していた る海に吸い込まれてゆくような感覚に一人浸っ 違うため、時々途中で待っていただき再スター トするのだがすぐに一人ぼっちになってしまう のである。K 戸先生と K 原先生がトップを行き、 次いで磯 M 先生が追いかけ、最後に私が離さ れるという具合で体力と年齢が反比例してい 第2回淡路島ツーリング:瀬戸内海をバックに集合 た、不甲斐無い。 が、メンバーが少なかったせいか、少しマニ 西海岸は本当に海に近い所に道路が作られて アックな自転車を持っていることがばれてし おり、海風を満喫しながら軽快にペダルを漕ぎ まったせいか、あまりに執拗な(熱心な)お誘 進めることができた……これが後で思わぬ落と いのためついに根負けしてしまい、とうとう参 し穴となるのだが。しばらくすると対岸の明石 加することになってしまった。 や垂水が見えてきて意外と近いものだと思って 続いて問題が浮き上がった。肝心の自転車で いると突然明石海峡大橋がドーンと現れた。記 ある。ここ 10 年位乗っていなかったためあち 念写真を撮りつつ淡路島のてっぺんを通り過 こちが老朽化しており、タイヤ・シフトレバー・ ワイヤーすべてを交換しなければならなかった。 かし、自転車が重い。どうやら西海岸で楽に走 汗だくになりながら修理したにもかかわらず、 れたのは追い風のお陰だったらしい……。まと タイヤは自分で装着したのが悪かったのか、試 もに向い風の抵抗を受けながらも何とかゴー し走行中に約 100 m でリムから脱輪してしま ル。山道よりも最後の風が厳しかった。 い、また一からやり直し。結局修理し終わった のはツーリング予定の5日前であった。 なにはともあれツーリング予定日が来てし まった。集合は淡路島の東海岸にある道の駅東 浦ターミナルパークに朝7時 30 分。天気は晴 れ。 予 定 コ ー ス は 淡 路 島 の 北 半 分 で 一 周 約 50 km。まずはスタート地点を海沿いに南下、 バイクを担いで海を眺める玉井先生:その目に映るのは魚影か 久しぶりの自転車の感覚と道路のわだちと横を 今回は素人である私に気を使って頂いたこと 頻回に追い越していくトラックに気を配りなが もあり、比較的なだらかなコースをゆっくりと ら約 10 km 走破。そこから山越えにて西海岸を 走っていただいた。おかげでマイペースながら 目指した。車ならスイスイ登っていける程の道 無事に完走することができ、車では気づかない がちょっとしたアップダウンや風向きなどの自 言葉がぴったりで、低速ギアでちょっとずつ 然現象を体で感じつつ自転車の楽しみを再認識 ちょっとずつ、先にある爽快な下りを信じて できた。皆さんもいかがですか? ◇ ◇ ◇ やっとのことで登った道をあっという間に下っ ていってしまうのであるが、これがたまらな い。普段の下り道でも気持ちはいいものだが、 「自転車乗らへん?」 入部ご希望の方は、第3研究室、城戸顕まで 。