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第 25 回全国小学生作文コンクール 「わたしたちのまちのおまわりさん
第 25 回全国小学生作文コンクール 「わたしたちのまちのおまわりさん」 優秀賞(高学年の部) タイトル:すてきなおまわりさん 氏 名:湯瀨 涼帆 小学校名:埼玉県 さいたま市立常磐小学校 六年 四年生がもうすぐ終わるころ。その日は、暖かな春の日差しが気持ち良かった。 下校途中、足元で何かがキラリと光った。思わず拾ってみる。一円玉だ。さて、これか らこの一円玉、どうしようかなあ。一度道で拾ってしまったからには、また道にもどすこ とにはためらいがあった。とりあえず、一円玉をにぎって、家まで帰ることにした。あれ これ考えながら歩いた。たったの一円玉、自分の物にしてしまおうか。でもそれはな…た くさんのことを考えた。頭をグルグルさせて。そして私は決めた。 「交番に届けに行こう!」 「お金拾ったの。交番に届けてくるね。 」 母に言った。 「いくら?」 「一円」 「一円?わざわざ届ける必要ないんじゃない?」 「でも、行くって決めたの!これは私の物じゃないから。」 この当時、私の家から一番近い交番は、改修工事を行っていた。だから、駅の向こう側 の交番に行くことにした。一円玉をにぎりしめ、ドキドキしながら走った。心臓がバクバ クいっている。お金を届けに交番へ行く。それも一人で。こんな体験をするのは初めてだ ったから、これは新たな大冒険であった。手の中の一円玉は、汗でびっしょりぬれていた。 それでも私は、交番までの道を走った。 交番のドアをそっと開けた。心臓が今にもはれつしそうだ。 「道にお金が落ちていました。 」 私が言うと、おまわりさんは、 「この上にのせて下さい。 」 と言ってはかりを出してくれた。その後もいろいろなことを丁寧に質問してくれた。お まわりさんはまず、母に電話をかけてくれた。しかし、その時母は電話にでられなかった。 困ったことに、私は父の携帯電話の番号を知らない。どうしよう。心が暗くなった。そし たら、なんとおまわりさんが調べてくれたのだ。父の電話番号を。父とは電話がつながり、 父は私をほめてくれた。私は、この行動をしたことに自信を持てた。そしてなによりも、 おまわりさんの行動に感銘を受けた。一円では何もできないし、他のお金に比べると、価 値も低い。けれども、このたったの一円玉のために、最初から最後まで丁寧に対応してく れたおまわりさんが本当にすてきで、本当にたよれる、私達の、そしてこのまちのヒーロ ーだと思った。家への帰り道、私の心は晴れやかだった。きっと、おまわりさんの親切な 行動を見ることができたからだろう。 このことは、一年以上たった今でも忘れられない、私の大切な思い出だ。そしてこの日 から、私の中のおまわりさんは、親切でたよれるすてきな人になった。おまわりさん、い つもありがとうございます。そして、これからもよろしくお願いします。