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二番底要警戒もリスク選好回復強まるか

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二番底要警戒もリスク選好回復強まるか
FX Weekly Report
USD/JPY
28 Aug 2015
二番底要警戒もリスク選好回復強まるか
■ 8/31 週のイベント
[重要度]
9/1 23:00 米 8 月 ISM 製造業景況指数
☆☆
9/2 21:15
☆☆
9/3
米
3:00 米
8 月 ADP 雇用統計
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
☆
9/3 21:30
米
新規失業保険申請件数
☆☆
9/3 23:00
米
8 月 ISM 非製造業景況指数
☆☆
9/4 21:30
米
8 月非農業部門雇用者数変化
☆☆☆
9/4 21:30
米
8 月失業率
☆☆☆
■ 8/31 週の見通し ( ドル円予想レンジ :118.20-122.30)
今週のドル円相場は、各国株式市場の急落を受けてリスクオフの円買いが先行したが、株式市場が落ち着きを取り戻す
と反発する流れとなった。週初は、先週末に続いて本邦・中国・欧米株式市場の下落に歯止めが掛からず、ドル円は 119
円下回るとストップ注文を巻き込み、僅か 10 数分で 116 円台前半まで 3 円以上急落した。その後、中国人民銀行が利下げ
を発表し、ややリスク回避姿勢が後退したところに、米 7 月耐久財受注や米 4-6 月期 GDP 改定値の市場予想を上回る結果
からドル買いの流れに転換。ドル円はキャップされていた 120 円前半を上抜けすると、テクニカル面で重視されていた
120.70 台をも越えて 121.40 台まで値を戻す展開となっており、5 円近いラリーを演じる値動きとなった。
来週は、米連邦公開市場委員会が 9 月利上げ開始を決断するかどうかを市場が見極めるための材料盛りだくさんの週と
なりそうだ。まずは世界株安の契機となった中国株式市場の反発が続くかどうかに注目が集まりそうだ。中国が人民元の引
き下げを発表したことから、アジアをはじめとする新興国の通貨が不安定に。また人民元引き下げがさらなる中国経済への
不安を煽ることとなり、上海株式市場(上海総合指数)が年初来安値を更新。世界的なリスク資産縮小へとつながった。株式
市場の続落する様子から、中国人民銀行は慌てて政策金利の利下げを発表。1 年物貸出金利を 25bp 引き下げて 4.6%に。
銀行預金準備率引き下げは 50bp となり 18%となった。当初は、狭すぎる引き下げ幅に市場の反応は鈍いものとなったが、
アベノミクスにより下げ圧力に強く、真っ先に反発した日経平均や、良好な米 7 月耐久財受注、速報値から大幅な上方修正
となった米 4-6 月期 GDP 改定値から米景気の底力を確認する格好となると世界的にリスク選好姿勢が戻り、為替市場で
はドル買い円売りが強まった。回復にやや出遅れ感のある中国株式市場が本格的に反発に入ることとなれば、世界景気をリ
スク要因に挙げる FRB が 9 月利上げ開始へ再び傾き始めるとの思惑が働き、市場は再度リスクオンへ傾くと見ている。
また中国発世界景気不安への関心から、やや注目度の落ちている 8 月米雇用統計だが、堅調なヘッドライン(非農業部門
雇用者数、失業率)に加えて、平均時給、労働参加率などに好転が見られた場合は強いドル下支え要因となり、ドル円の下
値不安の解消要因へとなるだろう。24 日に 116 円前半へと急落した後の下値サポートとなっている 118 円台をバックに押
し目買いスタンスを基本に相場に臨みたい。
来週のドル円予想レンジは、先週の予想(122.00-124.50)から上限下限共に大幅に引き下げ、118.20-122.30 とした。
下限 118.20 円は今年 2 月~8 月にもみ合い相場を演じた際の下限付近を下値抵抗と想定。上限 122.30 円は日足一目均衡
表の雲下限から導かれる。今週は数多あるテクニカル下値想定をなぎ倒し、116.30 円まで下落。円売りポジションの積み
上がりの解消もあり、アク抜けと見ている。先週まで形成されていた 120~125 のレンジが下方に推移し、当面は 118~
122 のレンジと見ている。さらなる上昇には 122 円台前半~半ばの一目雲を上抜ける必要があり、同レベルを天井とした
118 円への反落にも注意が必要か。
このレポートの記載事項はその内容を保証するものではありません。また、為替やその他いかなる商品について売買を推奨するも
のではございません。為替レートは参考値であり上田ハーロー株式会社の取引レートを保証するものではありません。このレポー
トの情報・分析・予測でいかなる損害が生じたとしてもその責を負いません。内容の無断転載・コピーを禁止します。
FX Weekly
WeeklyReport
Report
FX
E EU UR R, ,G GB BPP
288 Aug
2015
May 2015
市場の落ち着きと米指標を見極めてから
EUR/USD 日足
■ 8/31 週のイベント
[重要度]
8/31 18:00 欧 8 月消費者物価指数(速報値)
☆☆
9/1 16:55 独 8 月雇用統計
☆☆
9/1 17:30 英 8 月製造業 PMI
☆
9/1 18:00 欧 7 月失業率
☆
9/2 18:00 欧 7 月卸売物価指数
☆
9/3 17:30 英 8 月サービス業 PMI
☆
9/3 18:00 欧 7 月小売売上高
☆☆
9/3 20:45 欧 ECB 金融政策
☆☆
9/4 18:00 欧 2Q GDP(改定値)
☆
■ 8/31 週の見通し
EUR/USD 予想レンジ:1.1050-1.1450
中国経済減速への懸念に半を発する世界的なリスクオフ地合を受けて、ユーロショートの巻き戻しやリスクセンチメント悪化を見
越した EUR 買いが流入したことから、週初に 1.1700 台まで急上昇した EUR は、パニックの鎮静化を受けての EUR 売りや、ブ
ラード ECB 専務理事のハト派発言から大きく値を崩し 1.1200 台まで下値を拡大する動きとなっている。
リスクセンチメントの強弱に振り回された感のある EUR ではあるが、市場が落ち着きを取り戻し始めたことに加え、久々に飛び
だした ECB 金融政策を巡る思惑を受けて大きく下落。同材料への反応を見せる「余裕」が出たことは先週末から続くパニックが
収束していることを窺わせるが、リスクセンチメントが改善に関しては未だ不透明な部分もあり、この見極めを確りと行いたいと
ころ。足許の EUR 相場は、リスクオンとなればキャリー等を背景とする EUR 売りが強まり、リスクオフとなればキャリーの EUR
ショートの解消や EUR 上昇を見込んだ投機筋の買いが優勢となるように、その方向性をリスクマインドの強弱に委ねている状況
となっており、来週も中銀イベントを筆頭に主要経済指標の発表予定こそ並んでいるが、リスクオン/オフの方向性が相場に一番
の影響力を及ぼすこととなりそうだ。揺り戻しと言う意味も含めて、短期的にはリスクセンチメントが相応の改善を見せる展開を
メインシナリオとするも、中国の経済減速、そして Fed の金融引き締め開始先送りは相場の流れを変えるに十分な材料であること
から、チャイナブラックマンデーの影響が落ち着くまでは短期でショートを回転させる戦略が無難且つ高効率であると思われる。
GBP/USD 予想レンジ:1.5300-1.5700
週初こそパニック的なリスクオフの流れに USD 売りとなり 1.5810 台まで上昇した GBP であったが、市場が落ち着きを取り戻し
始めると、特段の材料がない中で 1.5360 台までの大幅な反落となった。英国発の材料は乏しく、主にリスクオン/オフに絡んだ
USD の強弱に対する値動きではあったが、中国発のパニック後の均衡点?は大きく GBP 安が進んだ水準となっている。
世界的なリスクオフ、そして米 9 月利上げ観測の大幅な後退に伴い「利上げ通貨」のライバルが失速したことから GBP にはポジ
ティブな環境であると捉えられていたものの、結局のところ GBP は大幅安。米債市場に質への逃避を背景とする目立った買いが
見られなかったことと同様に、あまりに値幅が拡大(場合によっては損失が拡大)したことから、投資資金が次のストラテジーより
も損失補填に回ってしまったとの考え方も出来る。当然ながら、今回の世界的な株安(と原油安)は英早期利上げ観測へも逆風とな
るが、米国ほど金融引き締め開始時期が近づいていた訳でもなく、且つポジションの偏りも大きくなかったと想定されることから、
市場が落ち着きさえすれば再び投資資金は GBP へと向かう展開を想定している。やはり鍵となるのはこのリスク回避の波が落ち
着くか否かということに絞られそうで、相場の主役はやはり USD か。市場が落ち着きを取り戻し、米英の金融政策見通しに対す
るコンセンサスを確認するまではやや手掛けにくい通貨ペアである印象。
このレポートの記載事項はその内容を保証するものではありません。また、為替やその他いかなる商品について売買を推奨するも
のではございません。為替レートは参考値であり上田ハーロー株式会社の取引レートを保証するものではありません。このレポー
トの情報・分析・予測でいかなる損害が生じたとしてもその責を負いません。内容の無断転載・コピーを禁止します。
FX Weekly Report

AUD,NZD
28Aug 2015
コモディティ価格の下落と米利上げ時期後退懸念で・・
豪ドル円予想レンジ
84.10-88.70 円
NZ ド ル 円 予 想 レ ン ジ
■8/31 週のイベント
76.10-80.40 円
[重要度]
08/31
07:45
NZ7 月住宅建設許可
☆
08/31
10:30
豪 8 月 NBNZ 企業信頼感
☆
09/01
10:30
豪 7 月住宅建設許可
09/01
13:30
豪準備銀行(RBA)金融政策
☆☆☆
09/02
10:30
豪第 2Q GDP
☆☆☆
09/03
10:30
豪 7 月貿易収支
☆☆
09/02
10:30
豪 7 月小売売上高
☆☆
☆☆
■8/31 週の見通し
今週も豪ドルは下落。週初も上海総合株価が下落、株価下落の連鎖が欧米市場へ波及、NY ドルが一時 1000 ドル超下落、原油価格
も 38 ドル台まで下落したことで、リスク回避の円買いから、ストップロスを巻き込んで AUDJPY が 82.109 円、NZDJPY が 73.714
円といずれも年初来安値を更新した。翌 25 日には中国人民銀行が 1 年物の預金基準金利、貸出基準金利の引き下げと準備預金率を
0.5%引き下げたが、AUD、NZD への影響は限定的となった。26 日には良好な米耐久財受注とダドリーNY 連銀総裁による「9 月利
上げ決定の見通しは低下した」と発言したことで米株価が反発、株価の下落連鎖がとまり、27 日には原油(WTI)が 42.56 ドルと
3.96 ドルの大幅上昇となったことで AUDJPY は 86.80 円、NZDJPY は 78.25 円付近で推移している(16 時現在)。
来週の豪ドルは、不安定な株式市場を睨みながら、豪準備銀行(RBA)の金融政策スタンスがハト派寄りになるのかが注目される。ま
た、豪のみならず、中国国家統計局の製造業 PMI、同 Caixin 製造業 PMI 改定値や ECB 理事会、米雇用統計と、経済指標やイベント
が並ぶ。週前半は交易関係の深い中国と中国株価の動向に要注意となる。7 月豪準備銀行(RBA)議事録では、「緩和的な金融政策が
引き続き適切」「さらなる豪ドルの下落が景気刺激につながる」と豪ドル安を歓迎する内容となっている。昨日の 1 年物 OIS(翌日
物金利スワップ)は 2.018%であり、市場は今回の RBA での利下げは見込んでいず、足許で AUDUSD は 0.7170 ドル、AUDJPY は
78.25 円(16 時時点)まで下落していることから、声明では現行の豪ドルの水準には言及しないことが考えられ、豪の利下げ期待
が直近で高まっていることで、ハト派的な内容ではないとの見方となれば、豪ドル買いとなることが予想されるものの、「インフレ
圧力の十分な抑制」、「中国の見通しめぐる下振れリスク」への懸念表明などが示されると、10 月 RBA 金融政策会合での利下げの
可能性が高まることが可能性がある。一方、スティーブンス豪準備銀行(RBA)総裁は、経済成長の下振れ見通しを示しており、2
日(水)に発表される豪 4-6 月期 GDP も注目されよう。市場予想は現時点で前期比 0.4%と 1-3 月期の同 0.9%からは低下が見込
まれている。3 日(木)の貿易収支、小売売上高も要注意だ。全体的に中国の景気悪化から、RBA の金融政策後でも、利下げ期待が
高まることが予想される。週後半での株価の反発から、市場は少しリスク・オンに傾きかけているものの、新興国からの資金流出や
世界経済の減速観測からの資源価格の下落傾向には変化がないと思われるため、豪ドルには下落圧力が継続するだろう。
NZ ドルは、同じく中国株価や NY ダウが下落した 24 日にストップロスを巻き込んで NZDJPY が 73.714 円、NZDUSD が 0.62924
ドルと年初来安値を更新している。中国発の世界同時株安の陰に隠れているが、19 日に実施されたフォンテラの GDT 乳製品価格指
数は+14.8%となった。売却量が減少して需給が改善したことが要因だが、これまで低下が続いていただけに、2 日(入札予定)の
乳製品価格指数が下げ止まる兆候が見えれば、株式市場の落ち着きとともに、NZ ドルの戻り(買い)の可能性が高まろう。ただし、
週初に発表される中国製造業 PMI など景況感が悪化していた場合には、中国の需要減少から、NZ ドルの売りにつながることになろ
う。週後半は米雇用統計を見て、米利上げ機運が高まるのであれば、NZDJPY の下落という構図になる。
このレポートの記載事項はその内容を保証するものではありません。また、為替やその他いかなる商品について売買を推奨するも
のではございません。為替レートは参考値であり上田ハーロー株式会社の取引レートを保証するものではありません。このレポー
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