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2013 年度スーパークリエータ認定者と実施プロジェクト概要及び評価

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2013 年度スーパークリエータ認定者と実施プロジェクト概要及び評価
別紙
2013 年度スーパークリエータ認定者と実施プロジェクト概要及び評価
(認定者の年齢、所属は 2014 年 9 月 1 日現在)
1.大野 誠(おおの まこと)
(23)
所属:筑波大学 大学院システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻 博士前期 2 年
(1)プロジェクト名:タッチセンシティブなラピッドプロトタイプ作成のためのツールキットの開発
身近な日用品を使ってタッチセンシティブな物を作れるツールキット「Stethos」を開発した。
「Stethos」を机や食器、おもちゃなどに貼り付けるだけで、その物体の様々なタッチを検出できる
ようになる。
さらに、
Max や Scratch といったビジュアルプログラミング環境と連携することにより、
簡単にインタラクティブな作品が製作できる。
システムの構成
使い方のイメージ
本ツールを普及させることにより、インタラクティブなものづくりに対する敷居を下げる効果が期待
される。また、3D プリンタのような立体造形技術が急速に発展するなかで、3D プリントされた物体に
インタラクティブ性を加えるためのツールにもなりうると考えられる。これにより、パーソナル・ファ
ブリケーション、Maker ムーブメントといった時代の流れを後押しするツールキットとしての発展も期
待できる。
■プロジェクト成果
・概要:http://www.ipa.go.jp/files/000041719.pdf
・詳細:http://www.ipa.go.jp/files/000041720.pdf
1
■成果報告会発表動画
・http://youtu.be/4SmfHGDsI64?list=PLi57U_f9scIJmUuJawEoKtbQmrXo0N0er
■関連 WEB サイト
・開発物ティザーサイト:http://stethos.jp
・クリエータ Web サイト:http://www.iplab.cs.tsukuba.ac.jp/~ono
(2)担当 PM の評価(後藤 真孝 PM)
電気回路等の専門的な知識やスキルが乏しい人々(特にデザイナやアーティスト)が、タッチセン
シティブな作品を簡単に作れるようにするツールキット「Stethos」を大野君は実現した。Stethos
は、大野君が独自に開発した専用ハードウェアと専用ソフトウェアで構成される。手のひらサイズの
任意の硬い物体(日用品等)に、Stethos の専用ハードウェアにケーブルで接続された一組のスピー
カとマイクを貼り付け、専用ソフトウェアを操作して機械学習を行うだけで、その物体上における
様々なタッチを認識可能にしたのは画期的である。大野君は、真剣にこの技術を普及させたいと考え
て、回路図を設計して試作を繰り返しながら、USB 接続型と、Bluetooth 接続型の二種類の小型ハー
ドウェアの開発を成功させた。さらに、様々なタッチを容易に学習・認識できる使いやすいソフトウェ
アを開発し、その認識結果を既存の複数の外部ソフトウェア(Max/PureData や Scratch、OSC 連携
可能ツール)で活用することも可能にした。タッチパネルで手軽に使える Android 版ソフトウェアま
で開発し、実際に使ってもらう実験をした点も特筆できる。物体の音響解析技術に基づくタッチセン
シングというアイディアを着想して、それを大きく発展させたことで、まさにインタラクティブなも
のづくりに対する敷居を下げる素晴らしい成果をあげた。その大野君の才能と卓越した発想力、開発
実装力、達成力、プレゼン力、情熱を、極めて高く評価する。
以上述べた理由により、大野 誠君をスーパークリエータとして認定したい。
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2.此村 領(このむら りょう)
(25)
所属:東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 博士課程 1 年
3.三好 賢聖(みよし けんしょう)
(24)
所属:東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻
(1)プロジェクト名:ホビー性と実用性を兼ね備えた手のひらサイズの飛行ロボットシステム
本プロジェクトでは、汎用性の高い小型の飛行ロボット「Phenox(フェノクス)
」を開発した。
Phenox は、手のひらサイズのクアッドコプターで、搭載されたカメラとマイクを使って、人に反
応して飛行する。周りの細かい明るさの違いから自己位置を高速で推定し、ユーザが書いたプログラ
ムを実行することができる。全ての計算が機体上のコンピュータ上で行われており、
「空中アプリケー
ション」のプラットフォームとなる。
Phenox (フェノクス)
人の声やホイッスルの音に反応して飛行する
手袋を追従して飛行する様子(左から右へ)
従来の飛行ロボットは、汎用性に乏しいか、あるいは汎用性が高いものは大きくなりがちであった。
そのため広い屋外などの限られた空間に利用できる環境が限られていた。Phenox のように汎用性が
高く、小型な飛行ロボットの出現により、これまであまり活用されてこなかった空間を活かしたアプ
リケーションの実現が加速される。
■プロジェクト成果
・概要:http://www.ipa.go.jp/files/000041729.pdf
・詳細:http://www.ipa.go.jp/files/000041730.pdf
■成果報告会発表動画
・http://youtu.be/4rXcl1djzvE?list=PLi57U_f9scIJmUuJawEoKtbQmrXo0N0er
■関連 WEB サイト
・http://phenoxlab.com
(2)担当 PM の評価(藤井 彰人 PM)
制作したクワッドコプターPhenox は、小型化やデモ機能の先進性に目が奪われがちであるが、基
本性能としての飛行安定性や、小型であるにもかかわらず高い情報処理性能を備え、低消費電力化に
よる飛行時間の拡大など、数多くの先進性を備えている。LED や画像処理機能なども具備しており、
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さらなる発展性も期待でき、専門家をもうならせるクワッドコプターとなっている。此村氏は確かな
技術力をもつ実直なクリエータであり、未踏スーパークリエータにふさわしい。
また、制作したクワッドコプター Phenox のハードウェア部分はチーフクリエータである此村氏が
担当したが、三好氏は主にプラットフォームの方向性と、ソフトウェア面を担当した。Phenox 上で
動作する手乗りアプリの開発や、ホイッスルでの動作など小型飛行ロボットならではの、より身近に
感じさせる UX を生み出した。KickStarter への出展コンテンツの作成は特に彼のセンスを感じさせる。
技術要素一辺倒になりがちなハード制作に、これらの息吹を吹き込んだ三好氏の才能を高く評価した
い。さらなるアプリケーションの開発に取り組んで欲しい。
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4.小松 弘佳(こまつ ひろよし)
(17)
所属:非公開
(1)プロジェクト名:実用的な質問応答システムの開発
Personal Intelligent Assistant System に応用可能な Semantic Parsing の理論を作成し、実際にそ
の理論に基づき Hiba というアプリケーションを開発した。
作成したアプリケーション
Hiba は既存のアプリケーションと同様に、メールの表示、アラームの設定といった、多くのこと
が可能である。
同様のアプリケーションとしては Apple の Siri などがあるが、
これらのアプリケーショ
ンは全てルールベースに基づいた処理が行われている。それに対し、開発した手法は、Semantic
Parsing の豊かな理論に基づくもので、根本的に全く異なる。Semantic Parsing は機械学習を用いる
手法であるため、ユーザによって与えられた正しい回答を学習し、システムの出力を修正することが
できる。また、そのような Semantic Parsing 理論により、既存のアプリケーションでは扱えなかっ
た、以下のような高度な質問文にも対応することが可能である。

明日が晴れていたら 8:00 に起こして

渋谷駅に来たらバイブレーションして

(メールを複数見ながら)これの最後に OK と返信して
注) 学習機能は機械学習を用いており本手法固有のものである。
■プロジェクト成果
・概要:http://www.ipa.go.jp/files/000041727.pdf
・詳細:http://www.ipa.go.jp/files/000041728.pdf
■成果報告会発表動画
・http://youtu.be/1DwlMvmtNmY?list=PLi57U_f9scIJmUuJawEoKtbQmrXo0N0er
(2)担当 PM の評価(首藤 一幸 PM)
質問応答システム(例:IBM Watson)が急速に実用になりつつある。しかし、Apple 社 Siri といっ
た(音声)アシスタントは、開発者が手で記述して仕込んだルールに従って応答しているに過ぎない。
小松君は、質問応答の現代的な手法に基づいて、アシスタントとしても機能する新しい手法を考案し
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た。スマートフォンで動作するデモアプリケーションも開発し、Siri 等では不可能な、利用者からの
フィードバックに基づいた応答の修正をデモして見せた。
小松君は若干 17 歳、高校 3 年生相当の年齢である。しかしそんなことはまったく関係なく、もし
彼が大学院生やプロの研究者だったとしても、この成果は卓越したものであり、スーパークリエータ
に値することは疑いない。
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5.崎山 翔平(さきやま しょうへい)
(23)
所属:電気通信大学 大学院情報理工学研究科 総合情報学専攻
(1)プロジェクト名:静止画を動かすことによる魅力的な料理動画生成システムの開発
料理写真に動きを加え、よりおいしそうに見えるように変換するソフトウェア「SizzTass」を開発
した。
変換は半自動で、利用者が個所や動かし方を指定すると、それに従って SizzTass が動画化する。同
時に音も付加する。動画編集ソフトウェアで数時間かかるような変換作業が、この SizzTass を用いる
ことで、数秒から数分で済む。SizzTass がサポートする動かし方には、鍋料理の泡や具材の揺れ、炭
酸飲料の気泡、光源の揺れによる光のあたり方のゆらめきなどがある。
本システムを利用すると、これまで静止画であった電子メニューやショッピングサイトのサムネイ
ルを非常に低コストで動画化することが可能となる。また、誰もが使いやすい形で本システムを提供
することで静止画を動画に加工するという面白さが多くの人に広まり、そうした技術が発展していく
ことも期待される。
■プロジェクト成果
・概要:http://www.ipa.go.jp/files/000041721.pdf
・詳細:http://www.ipa.go.jp/files/000041722.pdf
■成果報告会発表動画
・http://youtu.be/CDkcOhAqzf4?list=PLi57U_f9scIJmUuJawEoKtbQmrXo0N0er
■関連 WEB サイト
・SizzTass : http://sizztass.appspot.com/
(2)担当 PM の評価(首藤 一幸 PM)
写真を元にコンピュータ処理で作成した動画はシネマグラフと呼ばれ、これは別に、崎山君のオリ
ジナルというわけではない。しかしそれを料理写真に適用することでこれほどまでに美味しそうにな
るとは、どれだけの人が気づいていただろうか。もし気づいたとしても、動画編集ソフトで作成しよ
うとすると、ゆうに数時間はかかる。崎山君はそれを数秒から数分で作成できるようにした。
作成された料理動画は、いつも非常にウケる。つまりそれだけ人の心が動く。手をもって一点もの
の作品を作ることはアートの創作であり、誰しも大なり小なり行っていることである。崎山君は、料
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理のシネマグラフという心が動くアートに着想しただけでなく、その創作を、工学的な手段をもって
して劇的に容易にした。この種の成果には、一点ものの作品が心を動かす総量をはるかに超えていく
可能性がある。
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6.白久 レイエス樹(しろく れいえすたつる )
(24)
所属:スケルトニクス株式会社
(1)プロジェクト名:外部動力に頼らないメカニカルスーツの開発
これまでライブパフォーマンスに使用されてきたスティルトや着ぐるみには実現できなかった、実
際にエンタテイメント分野で利用できる性能を保証する機体を新たに開発。多自由度かつ忠実な身体
動作の特徴を生かしつつ、素早い乗り込み、より多彩なパフォーマンス、長時間の搭乗が可能になっ
た。人が楽に立っていられる“特異姿勢”という現象に着目し、総重量 40kg のスーツの負荷を、動
力を全く使わず最小限に抑えることに成功した。
開発したメカニカルスーツの外観
開発したメカニカルスーツの仕様
パンチ動作
平行リンクを駆使した特殊な 3 次元の閉リンク構造を用いることで、人体とロボット間の同期を行
う、機械式マスタスレーブを使用。これまで多く開発されてきた外骨格との最大の違いは、無動力で
動作拡大を行う点である。アクチュエータの搭載は外骨格が可能とするタスクの幅を広げるが、信頼
性や運用性を低下させる要因となる。外部動力に頼らないメカニカルスーツの高い優位性はこれらの
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点にあり、派手なパフォーマンスが求められるイベント、展示会、パレード等での利用、または映像
作品のためのアプリケーションとしての利用が期待できる。
■プロジェクト成果
・概要:http://www.ipa.go.jp/files/000041703.pdf
・詳細:http://www.ipa.go.jp/files/000041704.pdf
■成果報告会発表動画
・http://youtu.be/VYc3KRXEhhM?list=PLi57U_f9scIJmUuJawEoKtbQmrXo0N0er
■関連 WEB サイト
・スケルトニクス株式会社 http://skeletonics.com/
(2)担当 PM の評価(石黒 浩 PM)
当初の提案はモータを用いたパワードスーツのようなものであったが、本人のオリジナリティであ
るスケルトニクスの技術を生かすべく未踏期間中議論を重ね、スケルトニクスの技術を進化させるこ
とに集中した。当初は上半身と下半身が分離しており、一人での脱着が不可能で、装着した後も 5 分
程度しか動けないという問題があったスケルトニクスを、一人で脱着が可能で 1 時間近く装着し続け
られる上下一体型のものとして完成した。デザインもセンス良くまとめており、本人のオリジナリ
ティであるスケルトニクスを真に進化させることができ、その熱意と実現力を高く評価した。
また、自らが開発した「姿勢制御ソフトウェア」のスケルトニクスへの適用にむけて、制御ソフト
ウェアの改良を行った。開発期間の制約と安全面の配慮から、結果として未踏期間中の実装には至ら
なかったが、本制御ソフトウェアは高効率な外骨格ロボットの設計への応用が期待される。現在の一
般的な外骨格ロボットは、人力を使わない設計になっていて、力が残っている使用者であれば、その
残っている力を使うのが効率的だが、その残る力の利用が全くできてなくモータを無駄に多用する設
計になっている。そうした外骨格ロボットの最適設計への利用が期待されるなど、その開発力を高く
評価した。
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7.鈴木 遼(すずき りょう)
(23)
所属:早稲田大学 基幹理工学研究科 表現工学専攻 長研究室
(1)プロジェクト名:メディアアートのためのプログラミングライブラリの開発
音や画像、いろいろなデバイスを使った作品を、既存のツールよりも、楽しく簡単にプログラムで
きる C++ライブリ「Siv3D」を開発した。
新しいデバイスや技術、プログラミング言語規格に対応し、設計を工夫することで、既存のツール
よりも短いコードで高機能・高性能な表現を可能にした。例えば 10 行のコードでお絵かきソフト、
14 行のコードで Kinect のデータの可視化、34 行のコードでブロック崩しゲームを作ることができ
る。
10 行でお絵かきソフト
14 行で Kinect を可視化
本ライブラリは、コンピュータやコンピューティングへの敷居を下げ、I/O デバイスの活用を促し、
メディアアートやゲーム開発を助け、教育、研究におけるプログラミングの活用を強力に支援する。
特に、複雑な音声や画像処理を手軽に利用できるため、これまで扱うのが難しかった技術をもとに
したメディアアートやマルチメディアアプリケーションの開発を活性化するだろう。
■プロジェクト成果
・概要:http://www.ipa.go.jp/files/000041725.pdf
・詳細:http://www.ipa.go.jp/files/000041726.pdf
■成果報告会発表動画
・http://youtu.be/RzTwt3WdNPc?list=PLi57U_f9scIJmUuJawEoKtbQmrXo0N0er
■関連 WEB サイト
・Siv3D 公式サイト http://play-siv3d.hateblo.jp/
・Siv3D 開発ブログ http://siv3d.hateblo.jp/
(2)担当 PM の評価(首藤 一幸 PM)
鈴木君が開発したライブラリ Siv3D を用いると、C++言語での開発とはまったく思えないくらい、
本質的でごく簡潔なコードだけでアプリケーションを開発できる。映像・音・コンピュータと人との
インタラクションにおいて極めてリッチなアプリケーションを、である。
ライブラリ自体は以前から開発してきたものであったが、未踏の開発期間中にも、Siv3D への深い
愛と高い技術力を発揮し、新デバイス(Leap Motion や 2013 年度未踏クリエータ大野君の Stethos)
対応や 2D/3D オブジェクト交差判定などを含む 400 を超える機能実装・改善、また、ウェブブラウ
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ザ上での動作実験など、尋常ではない質×量の研究・開発を行った。利用者の獲得や Siv3D の普及、
コミュニティ形成は道半ばであるが、それでも、ダウンロード数は飛躍的に伸び、いくつものアプリ
が第三者によって開発・公開され、中にはニコニコ動画での再生回数が 15 万を超えるアプリも表れ
た。
技術に加えて、ヴィジョンと熱意と愛を備えた人物であり、スーパークリエータにふさわしい。
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8.中園 翔(なかぞの しょう)
(22)
所属:慶應義塾大学 大学院政策・メディア研究科
9.臼杵 壮也(うすき まさや)
(25)
所属:慶應義塾大学 大学院政策・メディア研究科 修士 2 年
(1)プロジェクト名:コンテクストに応じた変換候補を提示する入力システムの開発
本プロジェクトでは、Android 端末上で動作する日本語入力システム(IME)を開発した。
この IME は、ユーザが IME を立ち上げた時から、終了する時まで、キーボードの挙動とはかかわ
りなく、ユーザの置かれているコンテクストに応じてサジェストを行う推薦システムを備えている。
例えば、一度も行ったことのない駅に降りた時でも、その駅を日常的に使用しているユーザの履歴
から、その時間帯でその駅における頻出語を推薦したり、同じ店の中にいる他のユーザの入力を取得
することで、場をとりまくホットワードを推薦したりすることが可能である。
入力に使用できるユーザインタフェースは QWERTY キーボードとフリック入力の 2 種類を用意。
適時ユーザが選択できるようにした。
これにより、スマートフォンユーザの日本語入力のエクスペリエンスが多角的に向上し、入力にか
かる時間とタッチ数を単純に削減するのみならず、ホットワードや共起語の推薦システムにより、
ユーザが新しい語彙を獲得、より自分らしい言葉づかいと文字入力を発見していくことが出来うる。
■プロジェクト成果
・概要:http://www.ipa.go.jp/files/000041733.pdf
・詳細:http://www.ipa.go.jp/files/000041734.pdf
■成果報告会発表動画
・http://youtu.be/aa2TB-MorqU?list=PLi57U_f9scIJmUuJawEoKtbQmrXo0N0er
■関連 WEB サイト
・http://rive.in/
(2)担当 PM の評価(藤井 彰人 PM)
文字入力を最小限に抑え、適切な文章の入力を実現する、「ユーザコンテクストに応じて最適な入
力候補を提示する IME の開発」という明確なビジョンとコンセプトを掲げ、クラウド時代の新しい
IME の開発に取り組んだことを高く評価したい。本システムはソーシャル連携に加えて、学習エンジ
ンやなどを備え、IME 設定に性別を組み込むなどこれまでの IME にはない新しいこれからの IME の
姿を示している。
中園氏が主に担当した 2 行の変換ラインと推薦ラインのインタフェースは実用的かつ有益なインタ
フェースである。
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臼杵氏が担当したクラウド上の実装は、本 IME の推薦エンジンでありコアとなる部分の一つである。
データの蓄積と学習量が推薦品質となるため、まだ十分とは言えないものの、ウェブでのシミュレー
ションなども用意し、推薦エンジンの効果を明示できたことは評価したい。
ふたりとも、高い開発実装能力を有し、効率的な開発スタイルを遂行したことも高く評価したい。
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