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添付資料 - TOKYO TECH OCW
「 惟任ご謀反」 「お屋形さま宿所・ 本能寺炎上中」 「相手は戦上手の日州。・・・お屋形 さまを討ち漏らすこと、万に一つ も・・・・・・」 (ござるまい)と言いかけて、喉に苦 い玉のようなものがせり上がって、再 び声が出ない。 1582年6月2日早暁 「相手は戦上手の日州。・・・お屋形 さまを討ち漏らすこと、万に一つ も・・・・・・」 (ござるまい)と言いかけて、喉に苦 い玉のようなものがせり上がって、再 び声が出ない。 「 惟任ご謀反」 「お屋形さま宿所・ 本能寺炎上中」 本能寺の変 主人公 太田 牛一 おおた ぎゅういち 信長の祐筆(書記) 主君信長の伝記の執筆を 生涯の仕事とする 本能寺で亡くなった信長さまのご遺 骸が、どこに消えたのか、・・・秀吉が 織田家一族を差し置いて、大徳寺で 勝手に挙行した葬儀は全くの茶番劇 だった。肝心の信長さまの棺の中は、 ご遺骨不明のまま、代わりに焼いた 木像の木灰だったという。 信長様のご遺骨の行方を探り出すの は、俺に残された最後の使命だ。そ れを果たすまでは、絶対に死なぬ! ( 妙な迂回路を採るものだな) ・ ・ ・ 光秀になった気持ちで歩いてみること にした。・・・ 二度、三度と図面の指示通りに回 遊を続けた。次第に夜が明けてくる。 牛一は、焦った。 五度目の回遊中、ふと足元を猫が 走るような気配を感じ、後ろを振り 返った。不意に天空の北斗星の冷たい 光が目に入った。瞬間、閃くものが あった。 ( 破軍の星=北斗星の第七星) こ れか! それを背に戴くための迂回、 それが勝利への最上の進軍路だった のだ。 ( 妙な迂回路を採るものだな) ・ ・ ・ 光秀になった気持ちで歩いてみること にした。・・・ 二度、三度と図面の指示通りに回 遊を続けた。次第に夜が明けてくる。 牛一は、焦った。 五度目の回遊中、ふと足元を猫が 走るような気配を感じ、後ろを振り 返った。不意に天空の北斗星の冷たい 光が目に入った。瞬間、閃くものが あった。 ( 破軍の星=北斗星の第七星) こ れか! それを背に戴くための迂回、 それが勝利への最上の進軍路だった のだ。 光秀の挙兵は計画的だ。 「 何、公家衆がこの水尾に忍びで来 られるのですか!」・・・ この時、牛一の頭の中を、思っても みなかった一本の稲妻が走った。そこ に照らし出されたのは、連歌の会の 後、山籠りと称して社殿に籠もったは ずの光秀が、夜陰に紛れ、水尾の間 道を飛ぶように降りてゆく姿である。 ( 前久卿は、ここで光秀を接見した。 光秀の山籠りは口実だった!) ( 前久卿は、ここで光秀を接見した。 光秀の山籠りは口実だった!) 「 何、公家衆がこの水尾に忍びで来 られるのですか!」・・・ この時、牛一の頭の中を、思っても みなかった一本の稲妻が走った。そこ に照らし出されたのは、連歌の会の 後、山籠りと称して社殿に籠もったは ずの光秀が、夜陰に紛れ、水尾の間 道を飛ぶように降りてゆく姿である。 光秀は近衛前久と共謀していた。 主君信長の伝記の執筆を 生涯の仕事とする だが、歴史の検証を続けてゆくうちに牛一は 知りたくないことも知ってしまう・・・ 「 今川義元の上洛に備えての謀でご ざいます」 「嘘だ・・・ あの桶狭間山の合戦に限っ て、お屋形さまが謀略などに加担な さったはずはない。」 「 暑い日中に、わざわざ回り道して東 海道に出られ、更にそこを横切って数 町も外れにある桶狭間山まで出向か れた。それは何故でございましょう」 「 暑い日中に、わざわざ回り道して東 海道に出られ、更にそこを横切って数 町も外れにある桶狭間山まで出向か れた。それは何故でございましょう」 「嘘だ・・・ あの桶狭間山の合戦に限っ て、お屋形さまが謀略などに加担な さったはずはない。」 「 今川義元の上洛に備えての謀でご ざいます」 信長さまは今川義元を騙したらしい。 『 信長記』 を〈 太閤監修〉 とする気な のか。 「 木下藤吉郎残しをかせられ、とは何 事じゃ。・・・・・余は、自ら殿(しんが り) を買って出た。余の乾坤一擲の決 断ぞ、命令などされぬわ。・・・ あの時、余が金ケ崎からの退路の守 りを買って出なければ、信長公のお 命は、間違いなく消えていたぞ・・・」 太閤の言葉は次第に激していった。 「 木下藤吉郎残しをかせられ、とは何 事じゃ。・・・・・余は、自ら殿(しんが り) を買って出た。余の乾坤一擲の決 断ぞ、命令などされぬわ。・・・ あの時、余が金ケ崎からの退路の守 りを買って出なければ、信長公のお 命は、間違いなく消えていたぞ・・・」 太閤の言葉は次第に激していった。 『 信長記』 を〈 太閤監修〉 とする気な のか。 内容について秀吉の指図が入る そして真相・・・ 漸く壁に穴があくと、穴の向こうか ら、黒煙が蛇ののたくるように噴き 出してまいりました。・・・ 信長の遺骸は、長身、真っ黒に汚れた 綸子の部屋着で、左手に弓用の鹿の 鞣革をしていたので、すぐ判りました。 その遺骸を庇うように、覆い被さって 倒れていた若い男が森蘭丸殿でござ いました。 牛一とともに丹念に歴史を探索してゆく・・・ 全く別の信長を召還します。 サブ・キャラの視点から巨大な信長を描く A.書記の立場から B.数奇者 すきもの の立場から 1.その視点ならではの特徴は? 2.あなたなら、どんなサブ・ キャラ視点で、どう描く? ラスト富籤は 新趣向! START 『へうげもの』 買ってでも読みたい! エンジンの音を聞くと うれしい(白)うるさい(黒) 凡例 ① ⑤ NO 自分は江戸時代に生まれ たらモテたんじゃないか と思う。 おかっぱ頭 LOVE☆ ② ⑥ はやく隠居暮らしがした いなあ モノクロっていいよねぇ、 クロサワさん。 星の王子さまLOVE☆ ③ YES ④ ⑦ ⑧