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特許私考19

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特許私考19
IEEE1394基本特許
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●IEEE1394基
IEEE1394基本特許
1.IEEE1394と
IEEE1394とは
もともとIEEE1394は産業用コンピュータのCPUボードや入出力ボードの動作状況を診断するインターフェ
ースとして標準化が行われていたが、IEEE1394委員会の議長だった MichaelTeener が1988年にアップル
社に転職したため、開発のねらいが民生機器向けに変わった。当時アップル社ではSCSIインターフェース
に代わるインターフェースを検討していた。1990年にHCS光ファイバを使った試作システムを完成させた
が、コストと転送速度に問題があり、その対策をさがしていた。そして次の2点を採用することにより解決し
た。
1.HCS光ファイバモジュールの代わりにより対線を使い、より対線用のトランシーバー回路を使う。
2.転送速度向上のため、Inmos Ltd (現在のSGS-Thomson社)の開発したDS-Link方式を採用した。こ
れによりPLL回路が不要になり、転送速度も100Mビット/秒が可能になった。
1995年に最大400MbpsのシリアルバスとしてIEEEにより規格化(規格名称はIEEE1394.1995)され業界標準
として採用された。IEEE規格では、ケーブルを用いた場合に100/200/400Mbpsのデータ転送が規定され
ている。他のインターフェースと異なる点として、複数の通信速度の混在が許されていることである。結線
は、ツリーとディジーチェーンの両方が使用できる。ツリー結線の場合、1つのツリーに最大63個までのノ
ードを接続でき、ブリッジを介することで約64000個のノードを接続できる。ノードの接続は、ホット・プラギン
グにより電源をオフすることなく行える。接続すると同時に周辺機器を自動認識してすぐに使えるPlug&
Play機能を有している。
転送方式には、アイソクロナス転送と非同期転送があり、任意のノード間でデータを転送できる。DV端子
(デジタルビデオカメラ同士でデジタル映像・音声データを転送する端子)がすでに実用化されており、外
部記憶機器等のインターフェースとして商品化が増加している。
IEEE1394インターフェースは、ソニーでは「i.LINK」 と呼んでいるし、Maacintosh向けの周辺機器などでは
「Fire Wire」 と呼んでいる。規格番号ではなじみにくいので、わかりやすい名称を付けるのはよくやられて
いるが、同じ規格に2つの名称が存在することは、消費者にとってわかりにくい。
もともとアップルが開発した技術であり、1993年の時点ですでに「Fire Wiwe」 という名称を公表し登録商標
の手続きを済ましていた。ソニーはこの名称が公開される前に名称の変更を求めた。それはFire というの
が「火」 であり民生機器に使う名前としてはふさわしくないからである。アップル社は名前をやめるつもりは
なく、このまま2つの名前が使われる可能性がたかい。消費者が混乱しなければと思うが。
2.IEEE1394基
IEEE1394基本特許
アップル社におけるIEEE1394インターフェースの開発では、データ転送速度の向上とマルチメディア・デ
ータ用のプロトコルの開発が重要なポイントであった。このプロトコルの開発は、Michael Teener と David
James の2人が貢献した。彼らが開発したプロトコルはIsochronous転送と呼ぶ方式である。この転送方法で
は、1秒間を125µs×8000サイクルに分割する。サイクルスタートパケットが送信後、マルチメディアデータ
を送る必要があるノードだけがパケットを送り、それ以外は待たされる。つまり125µsごとにデータを必ず送
ることを保証する。これは大事なことで、一定時間ごとに一定量のデータ転送を保証しないと、高い品質の
動画や音声が再生できなくなる。
2人はこの転送方式について1991年9月に特許(USP.5052029)を取得している。これがIEEE1394の
IEEE1394の基本
特許である。
IEEE1394 の重要特許は Apple,ソニー,松下,東芝,フィリップス,コンパックなど6社に分散している た
め新規契約が複雑であったが, 1999年、特
特許の共同管理により窓口が一本化された。そして1999年5月
上記6社に加えてインテル、キャノン、三菱等の5社が増え合計11社でIEEE1394の共同ライセンスについ
て基本合意した。
関連特許の一部を下に挙げてみた。
●IEEE1394に
IEEE1394に関する特許例
US6005869 Communication network (松下)
US5490145 Communication system for a ring-type network (松下)
US5175846 Clock device for serial bus derived from an address bit (フィリップス)
US5751721 System for adjusting timing of output data in response to potential discontinuities in a timing
signal (フィリップス)
US5448554 Data communication system based on a serial bus and a monitor station for use with such
system (フィリップス)
US5432824 Credit/rate-based system for controlling traffic in a digital communication netwowk (三菱電
機)
US5408506 Distributed time synchronization system and method (アップル)
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IEEE1394基本特許
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3.USB 2.0 に対抗できるのか
インテルがUSB2.0の開発計画を発表したのは1999年2月、インテルはIEEE1394とUSB2.0の両方を推
奨している。そのすみ分けはIEEE1394はパソコンと民生機器の直結用インターフェイス、USBはパソコン
の周辺機器用インターフェースとして使うと言っている。
USB2.0もIEEE1394もどちらも高速シリアルインターフェイスである。インテルがIEEE1394を無視できないの
は、民生機器業界の動向を無視できなくなっているからである。インテルはPCIバスやAGPと同様に標準化
の主導権を握ろうと思っていたが、製品化で先行した民生機器業界の勢いに押された。高速版の標準化
が思うように進まなかったことでIEEE1394のパソコンへの標準搭載を断念した。そして自社で開発を進める
ことにして、USBインターフェースの開発をぶち上げた。
転送速度においては差異がなくなり、IEEE1394に対する興味は民生機器メーカとは対照的に,パソコン業
界は低い。米Apple社とソニー、米コンパックを除けば,積極的なパソコン・メーカが見当たらない。米Intel
社がIEEE1394の採用計画を中止し、 USB2.0の開発計画を旗揚げしたことがマイナス要因になっている。
2000年4月にUSB2.0の正式仕様が決まり、デバイス・ドライバソフトウェアもWindows2000で対応した。今年
末から2001年にかけて対応製品が数多く出てくるだろう。外付の外部記憶装置やデジタルビデオ、プリン
ターなどのインターフェースとしてすでに使われているIEEE1394であるが、Intel社のUSB2.0対応のチップ
セットが出荷されれば、パソコン周辺機器においてはUSBが巻き返す可能性が高い。
4.IEEE1394は
IEEE1394はこれからどうなる
IEEE1394では、物理層とリンク層のみが規定されている。リンク層の上位となるプロトコルについては
AV/C、デジタルビデオのデータ通信規格DV規格、ハードディス通信規格SBP-2プロトコルやIPに関する
IP over 1394などの混在が可能である。さらに上位のアプリケーション層で扱うデータフォーマットについて
は、HaviやJiniで上位プロトコルを規定しようと検討中である。
IEEE1394の規格は、「IEEE1394-1995」 から1999年9月に「P1394a」 に改定された。この結果、IEEE1394イ
ンターフェース用LSIの相互接続性が向上し、各社のLSI開発が加速されている。
また!EEE1394の次世代規格として、最大データ転送速度3.2Gbit/s の「P1394b」 の規格化が進んでい
る。IEEE1394の現在までの規格の変遷を表にしてみた。
IEEE1394規
IEEE1394規格の変遷
IEEE1394-1995
P1394a
P1394b
通信方式
半二重
半二重
全二重
最大転送速度
400Mbit/秒
400Mbit/秒
3.2Gbit/秒
伝送媒体
最大伝送距離
符号化方式
同軸ケーブル
同軸ケーブル 光ファイバ、同軸ケーブル
4.5m
4.5m
DS-Link
DS-Link
その他
100m
8B/10B
BOSS方式採用
家電メーカがIEEE1394を支持する理由は3つある。
①400Mbit/sの高速転送ができ、非圧縮のデジタル動画を無理なく転送できる。
②家電製品だけでなく、パソコンにもつながる。
③パソコンがなくても家電製品同士を直結できる。
IEEE1394の真価を発揮するには、③で示した必然性が大事。つまり家電製品をパソコンに繋ぎたいと、
ユーザーが思うようにならなければ普及しずらい。
署名は検証さ
れていません
。
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Sumiaki
Takei
電子署名者 :
Sumiaki Takei
DN: cn=Sumiaki
Takei, c=JP
日付 : 2001.05.12
15:25:52 +09'00'
理由 : この文書の
著者
00/08/28
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