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福祉用具の活用
~シーティングの話題を中心に~
若楠療育園(鳥栖市弥生が丘)
理学療法士 渡部 雄一
福祉用具導入の目的は?
本人の自立度を上げるため?
介護者の負担を下げるため?
万能な福祉用具などありません
中間・・・手すりを使ってトイレまで歩く
夜間・・・ベッドサイドのポータブルを利用
二次ユーザーとしての視点 ・バランス
単純比較
車いすと座位保持装置
普通型車椅子(スリングシート)
の問題点とされていること
車椅子
(1)既製品車椅子
(2)モジュラー型車椅子
(3)座位保持装置
(4)電動車椅子
モジュラー型車椅子
・身体支持部
・駆動部
価格は高い
設定は容易
各パーツの調整が 可能
欧米では
一般的
シーティングのための基礎知識と評価
座位保持装置とは。。。
・姿勢保持装置;
寝たきり、不良姿勢の状況を改善するために、身体
各部のポイントを外的に支えて障害を補助し、安定
した姿勢を維持しやすいようにする装置。
寝たきり…精神的ストレス、呼吸機能の低下、拘縮
不良姿勢…変形、内臓圧迫、思考能力への影響、
上肢機能向上・周囲とのアクセス面に支障。
座位保持装置とは。。。
対 象
・長時間座位姿勢をとることができない者または、自力
で座位姿勢を保持できない者であること。(1989)
→幼児から高齢者。身障手帳保持者。
・機能障害の状況により、座位に類似した姿勢を保持
する機能を有する装置を含む。(2001改正)
→対象装置形式の拡大。
身体状況の評価(1)
骨盤が基本
できるだけ左右の
座骨に均等な荷重。
脊柱のバランスを
垂直に。
傾きは中間位とし
前弯・後弯を予防。
極端な骨盤のねじ
れも修正。
身体状況の評価(2)
全体の重心バランス
変形、拘縮に応じた
体側からの支持。
支持の部位、面積に
法則はない。
重度化により広範囲化。
状況に応じて骨盤の
偏位も許容する。
身体状況の評価(3)
身体能力の把握
・過剰な支持はせず、本人の自発的な動きを引き出す。
オーバーサポートの傾向あり。
利用場面(食事、余暇、移動)での自発運動を想定。
・身体障害の原因、傾向について評価、対応した支持。
障害(筋緊張異常など)の差異による傾向性。
変形、拘縮が生じた歴史。
低緊張→中間位となる支持方法の検討。
過緊張、動揺→和らぐ姿勢、肢位の検討。
拘縮→わずかに矯正する程度の支持方法を検討。
座位保持装置の種類と傾向
座位保持装置
(a)モールド型
(b)モジュラー型
(c)形状可変型
(a)モールド型座位保持装置
(b)モジュラー型座位保持装置
(c)形状可変型座位保持装置
作製タイプの分類
1)基本形式
構造フレーム
・木製,金属製
・完成用部品,車椅子
・ティルト機構,昇降機構,リクライニング機構
2)製作要素
支持部
・平面形状型,モールド型、シート張り調節型
「当園における座位保持装置適用状況」(2002佐賀リハ研・武藤PT)
フレームの材質別特性
木製
n=7
金属製 n=34
完成用部品
車椅子
n=7
n =27
満足点
・軽い
・木製の温かみあり
・作製後も身体形状へ ・折りたたみ可能
の適合調整容易
問題点
・重たい
・大きい
・耐久性不良
・安定性不良
・軽い
・コンパクト
・耐久性良好
・金属製の冷たさ
「当園における座位保持装置適用状況」(2002佐賀リハ研・武藤PT)
支持部型別特性
平面形状型
n=28
モールド型 n=7
満足点
・付属品の変更容易
・身体形状の適合容易
・座位保持力良好
問題点
・付属品が多い
・座位保持力やや不良
・修正困難
・やや高価
「当園における座位保持装置適用状況」(2002佐賀リハ研・武藤PT)
フレーム構造別特性
ティルト機構
n=22
リクライニング機構n=6
満足点 ・同姿勢保持が容易
・移乗の介助が容易
・体幹角度の調節可能
問題点 ・移乗の介助がやや困難
・姿勢保持が困難
「当園における座位保持装置適用状況」(2002佐賀リハ研・武藤PT)
最近作製されているタイプ
男性 52歳
脳神経変性疾患
(平成13年作製)
フレーム:金属製車椅子
ティルト機構
支持部 :平面形状型
男性 14歳
頭蓋内出血後遺症 (平成12年作製)
フレーム:金属製完成用部品
ティルト機構
支持部 :体幹前傾タイプ
モールド型
「当園における座位保持装置適用状況」(2002佐賀リハ研・武藤PT)
考 察
座位保持装置処方における評価項目
① 年齢
幼児期・・・成長発達の促進
成人期・・・四肢・体幹の変形予防
使用目的の限定(例:移動)
② 障害の特性
体幹バランスの状態
脊柱変形の有無
呼吸器疾患の有無
③ 介助者からのニーズ
軽量・コンパクト化、多機能性
「当園における座位保持装置適用状況」(2002佐賀リハ研・武藤PT)
「収容所生活」…ミッケルセンが批判
最低限の衣食住
「地域生活」
①そこで、継続した寝起きがなされている
②円滑な社会資源の活用がなされている
③「自立生活」がなされている
『坂の上の雲』司馬遼太郎
「( )に相談すれば
いつもそれは無理だといわれた。
( )とは、それがなぜ無理なのかを
説明するために存在している。」
座位保持・座位獲得の要素という視点から
座位保持の必要条件
①意識レベル
②腹筋筋力
③股関節屈曲角60度以上
座位獲得の要素(小児)
①頭の保持
②体幹の保持
③下肢の開き、曲がり、体重の支持
④骨盤の動き
⑤上肢で支える力
①頭の保持
頭というよりは頚部を支える仕組み。
必要な分だけ支えつつ、外界認知を
妨げない仕組み。
自由度も生かす仕組み。
②体幹の保持
重度の変形、著しい低緊張には
モールド型、モジュール型。
骨盤の著しい傾き(前後)
にも対応可。
それ以外は形状可変式で対応可?
いずれにしても骨盤から
伸び上がった上半身を支
えるという視点。
③下肢の開き、曲がり、体重の支持
最も重要な座骨支持。そこから伸び上がって
いるという視点。
股関節を開く(外転位)ことで広い支持面。
体圧分散。
足部の変形にも対応することでより有効な
体圧分散が可能に。
リクライニングではなくティルト機構を選択することで安定した
座位の提供へ。
④骨盤の動き
後方への傾きが固定されているのなら、隙間を作らない
支持面を確保する。
⑤上肢で支える力
・上肢を多用するということは、そもそも不安定な座位で
ある証拠?
・褥創予防にはそれでも必要とされるプッシュアップ筋力。
・プッシュアップが可能な方には柔らかすぎるクッションは
不利?。
特に高齢者のシーティング
1.普通型車いすの問題点(高齢者)
①寸法の不適合
②スリングシートの問題
③トランスファーの問題
④操作性の問題
2.座位保持の問題点(高齢者)
①車椅子座面のクッションにドーナツ型
円座を使用(アメリカでは禁止)
②車椅子座位に抑制帯を使用
③普通型車椅子を椅子代わりに使用
④リクライニング車椅子は座位保持には
不向き。
入 手 手 順
発案・新調希望→整形外科受診→申 請(役所)
(理由・環境・用途)
(認定医による
診察・処方)
・申請書(本人)
・意見書(Dr.)
・処方箋(Dr.)
・見積書(製作者)
・模式図(制作者)
→決定通知→採型・採寸→仮合わせ→納品
(交付券入手)
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