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10分間で何ができるか ー災害訓練を行ってー
10分間で何ができるか ー災害訓練を行ってー 海部病院 濱川みさこ 海部病院について • 病床数110床 • 病棟 3階病棟 4階病棟の2病棟 立地 • 海抜2m • 海岸から 700m • 土手沿いに建築 南海トラフ巨大地震津波予想 津波高 5-10m 津波到着時間 1m 9分 3m 14分 5m 19分 10m 27分 (南海トラフ巨大地震都府県別市町村別津波到達時間一覧表 ケース3「紀伊半島~四国沖」に「大すべり域+超大すべり域 を設定」平成24年8月29日発表) 25㍍ 17㍍ 21㍍ 5㍍ 13㍍ 9㍍ 三連動地震避難訓練 準備 • • • • 暫定看護局災害対策委員会設置 事前調査施行 避難訓練シナリオ作成 事務局、他部門訓練協力依頼 事前調査 • • • • • 全看護師による階段所要時間測定 病棟往復時間 厚生棟からの移動時間 ヘルメット装着時間 担送患者避難用具装着時間 避難訓練 地震被害想定 • 発生時刻 深夜1時40分 • 地震の規模マグニチュード9.0 • 津波の規模 高さ18mの津波が地震発生後 10分で襲来 • 地震の状況 ①人が立っていることができない ②固定していない家具などは移動・転倒する ③建物の壁や窓ガラスが破損・落下する 訓練 職員設定 • 深夜勤務時間帯で勤務を行っている職員 担当部署など 人数 応援場所 4階病棟深夜勤務者 3名 3階病棟深夜勤務者 2名 管理当直医師 1名 3階病棟へ 管理当直看護師 1名 3階病棟へ 準夜当直看護師 1名 4階病棟へ 1名 3階病棟へ 事務当直 訓練 患者設定 • 病棟担送4名(3階2名4階2名) • 護送・独歩 外来 担送0名-護送1名-独歩1名(蜂窩織炎) 3階 担送2名-護送1名-独歩2名 (頸部骨折、上腕骨骨折、鼠径ヘルニア) 4階 担送2名-護送3名-独歩2名 (心不全、肺炎、HOT使用患者、イレウス) 移動手段 ・担送 4階病棟-バックボード 3階病棟-「ちょいぱ」(大人用おんぶひも) 救護用担架(デモ機) ・護送、独歩患者は、患者同士で避難 結果 時間内避難 • 護送、独歩患者の全員 • 4階病棟担送患者(バックボード固定)の1名 女性看護師4名で搬送 やった! 5階へあげれた 結果-避難困難-1 • 3階病棟2担送患者 • 「ちょいぱ」で避難した担送患者 女性看護師が患者を背負い避難。途中足 が上がらなくなり、患者役のものに階段をけっ てもらいながら避難した。4-5階段の真ん中で 時間切れ。 患者役 平坦なところは大丈夫だ 自分のことはほっとい て看護師さんだけでも 助かって欲しいと思っ た が、階段はきつかった。 体力の限界を感じた。 避難困難-2 • 「救護担架」で避難した担送患者 男性医師、男性看護師、男性事務当直の3 名で患者を担ぎ避難したが、3-4階の2/3で時 間切れ。 一人で大丈夫と思ったが 無理で、二人で行ったが それも無理。結局三人で 行った。長さがあり、部屋 から出すのも大変だった。 避難困難-3 • 4階病棟1担送患者 女性看護師4名でバックボード固定 4-5階1/3で時間切れ バックボードが重く患 4-5階段は狭く、180 度曲がるには方向 転換が難しい 者様を落としそう。 自分自身もこけそう になった。 問題点 時間を要した用具 用具 所要時間 ヘルメット準備・着用 平均58秒 バックボード固定 平均77秒 「ちょいぱ」装着 60秒 救護担架固定 95秒 問題点 その他1 • 管理当直看護師が、厚生棟2階から西側階 段3階より侵入しようとしたら鍵が錆で開錠で きなかった。4階から侵入。8分を要した。 • 地震発生時、救急外来で職員・患者家族の 身をかがめる場所がなかった 問題点 その他2 • 患者への声掛けが十分聞こえなかった。 • ラジオ付きライトのラジオの電波が悪く、聞こ えない。 • 事務当直が3階病棟へ上がったが、どの患者 を搬送すればいいのかわからなかった。 ラジオの電波が 悪い 看護局で改善を行った点 • 4階病棟、外来ヘルメット保管場所変更 • 3階病棟、災害時必要物品取りまとめ • 患者への避難は拡声器を使用して行う 救急外来 4階病棟 3階病棟 病院への働きかけ • • • • 病院設備の保守点検依頼 救護担架購入依頼 災害ラジオ購入依頼 管理当直看護師仮眠室の本館への移動 おわりに 6月の打ち合わせ会 「三連動地震災害避難訓練実施決定」 訓練前 10分間でなにもできない 歩ける患者を1人つれて 上がるだけで精一杯! 訓練後 事前調査で何かできるかも しれない。 訓練を行って、3階担送患 者は救助できなかったが、 何もできないわけではない という自信がついた。