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Web 探索コンテクスト視覚化支援のための クエリ間の関係性分析の試み

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Web 探索コンテクスト視覚化支援のための クエリ間の関係性分析の試み
情報・システムソサイエティ特別企画 学生ポスターセッション予稿集
ISS-P-152
Web 探索コンテクスト視覚化支援のための
クエリ間の関係性分析の試み
松本
卓也†
† 福島大学
山崎
辰也†
裕明†
神長
宮寺
共生システム理工学類/研究科
庸造††
†† 東京学芸大学
中村
勝一†
教育学部
1. はじめに
Web 探索を上手く遂行するためには,ユーザが自身のコ
ンテクストを的確に把握することが重要となる.しかし,研究
活動など知的生産活動における Web 探索は,比較的長期
間継続的に行われ,扱う Web ページ数が膨大となる.その
ため,探索コンテクストの把握が困難となる.
本研究では,ユーザが探索の手がかりとして用いた検索
クエリと他の探索に介在する情報群を紐付けて蓄積し,理
解し易い形でユーザに提示することによる,探索コンテクス
ト把握支援システムの開発を目指す.
図1.支援概要
本稿では,支援の概要について述べ,クエリと情報探索
3. クエリ間関係性
に介在する要素間,複数検索クエリ間の関係性分析につ
ユーザの用いる検索クエリ間には,共起性や類似性・非
いて述べる.
類似性,といった関係性が存在すると考えられる(図 2).遷
2. 問題点と支援方針
移の前後関係,Web ページの特徴的な語の共通性・類似
ユーザ自身の Web 探索活動の理解支援に関する研究と
性といったような,検索クエリと探索活動の中で得られた成
して,これまでに,ユーザの辿った探索経路を Web ページ
果物の要素間,また複数検索クエリ間に存在する関係性
単位で追跡し,分岐やコンテクストを考慮して保持,提示
の抽出を行い,視覚的に理解し易い形で探索コンテクスト
する研究[1]や,ブックマークに至るまでのユーザの探索行
を提示することで,ユーザが自身の探索コンテクストをより
動から,特徴的な語を抽出しブックマークページと合せて
深く理解するための支援システムの開発を目指す.
保持・提示する研究[2]が存在する.しかし,これらの研究
では,検索クエリの遷移や,ユーザの用いた検索クエリ・要
素間の関係性を考慮した支援が為されていない.
これを踏まえ,長期的な Web 探索活動における問題点
を以下に整理する.

探索活動が進むにつれ,Web ページや検索クエリが
多岐に渡り,その間にある関係性を見失ってしまう(問
題点 1)

ユーザ自身の用いた検索クエリとそれに基づく探索活
動のコンテクストを把握することが困難(問題点 2)
図 2.クエリ間・要素間の関係性のイメージ
4. まとめ
本研究では,以下の手法を開発することにより,これら問題
本稿では,探索コンテクスト把握支援のための,クエリ間
点の改善を目指す.

クエリ間関係性抽出手法の開発(問題点 1 の解決)

クエリ間の関係性を考慮した探索コンテクストの視覚
およびクエリ・探索介在要素間の関係性分析について述
べた.今後は,実際の Web 探索履歴を用いた検証を進め
たい.
的提示手法の開発(問題点 2 の解決)
参考文献
[ 1 ] A.Wexelblat and P.Maes, “Footprints:History-Rich
Tools for Information Foraging,” Proc. CHI99, pp.
270-277, 1999.
[2] 中島伸介,黒田慎介,田中克己,“閲覧履歴を反映したコンテ
クスト依存型 Web ブックマーク,”情報処理学会論文誌デー
タベース,Vol.43,No.SIG05(TOD14),pp.23-36,2002.
これら手法を導入し,多様なクエリと探索介在要素を一体
的に管理し得る支援システムの実現を目指す.本システム
を用いた Web 探索活動の概要を図1に示す.
2014/3/18 〜 20 新潟市
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