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ワークショップ:⑦安全・リスクマネージメント 「安全管理シミュレーション」
ワークショップ:⑦安全・リスクマネージメント 「安全管理シミュレーション」 北川 健司 氏(株式会社アウトドアサポートシステム) 1.はじめに リスクマネージメントとは, 「リスクの存在を知り,リスクを分析してマネージメント する」ということであり,以下のことがあげられる。 2.リスクマネージメントとして (1)対策(予防) ① 技術の向上(技術の向上や体験を積むことにより,リスクの軽減を図る) ② 装備(機材や装備等の特性を知り早期に活動の安全性を高める) ③ 人の配置(補助スタッフの配置等の人的支援で,対応力を高める) ④ セフティートーク(予め想定されるリスクと対処法を説明することにより,参加 者の対応能力を高める) ⑤ プロセスウォッチング(参加者の状態を観察し,その人にあった助言・援助を行 い事故防止に努める) ⑥ フィールドリサーチ(実際に現地に行って危険個所を把握する) (2)担保(リスクに備える) ① 保険への加入(保険に加入することで解決や援助が出来ることもある) ② レスキューチームの編成(バックアップ体制を整備して,地域で安全を確保する) ③ ローカルルール(話し合いで解決できないときにはローカルルールを策定するこ とも必要) ④ 協会等への加入(加入し,共に支えあう) (3)容認(リスクが排除できないときには活動を行わない。時には引き返す勇気も必要) (4)対応(危機に対する対応を備える) ① 救助訓練(事故時に素早く対応出来るように備える) ② CPR(心肺蘇生法)ICS(緊急時対応・トレーニング)AED(自動体外助細動器)等 について対応できるようにする。 ③ レスキューワークショップ(実際の事故を想定したトレーニングを行い,対処法 を話し合うことにより,経験値を高める) (5)対処(事故時の対応) ① 救助活動(リーダーを決め,一つのプランのみで活動せず冷静な対応を行う) ② 援助連絡・連携(各種機関との連携,また,警察の指示に従う) ③ 記録(事故になった場合は経過をおって正確に記録に残す) (6)事後処理(事故後の処理を速やかに確実に行い,トラブルにしない) ① 人として常識的な対応をとる。 ② マスコミ対応(事故のバックアップ・初期対応が大切→対応窓口を持つ) ③ お見舞い(てみやげ,お見舞金等で誠意を示す) ④ 保険の手続きを援助 ⑤ 事故者,又は家族との連携(常に連絡を取り,状況を把握する) ⑥ 事故報告書(記憶のあるうちに整理→裁判になった場合は弁護士等と協議する場 合もある ) (7)事後検証(事故を検証し,今後に活かす――現場を再度確認する) 安全管理の見直しと問題解決。 3.事故事例を基にグループワークで対応を考える「シミュレーション」 ① 現場責任者がどのような行動をとるか。 ② 組織の責任者がリスク管理をどのようにするか。 ③ 事故に対する対応や情報を組織で共有できるか。 ④ 実際に起こった事故事例をシミュレーションするグループワークを行う。 【シミュレーション1】事故現場での初期対応 ・事例を読みながら初期対応についてグループでシミュレーション 健康状態確認→状態の確保(保温等)→介添えを置く(精神的安定) 【シミュレーション2】連絡体制 ・連絡体制についてのシミュレーション 状況確認(ガイド等)→経過を必ず記録する→病院へ行く→保険会社に連絡 【シミュレーション3】社内の連絡・連携 ・保険関係についてのシミュレーション どの保険が適応になるのか保険代理店に連絡→家族に説明してもらう 情報の整理や問題の整理は図に描いて整理し,トラブル回避 【シミュレーション4】事故当事者・家族・学校・代理店との連絡、事故処理 ・保険に関するトラブルについてのシミュレーション 事実の確認・トリップレポート(日報)をまとめることによりリスクの見直し →セフティトーク→事故を少なくする 解決するために→誠意を持って謝る→「責任ある会社である」ことを示す。 4.まとめ 参加者からの質問として Q:「お見舞い」や「あやまる」は,施設が悪くなくても行うべきか A:参加者は施設に対して「楽しさ」 「安全」を期待している。事故が起きた場合は管理 している施設の中での事故として,結果的の「楽しさ」 「安全」提供できなかったこと に対して相手に「誠意」を示すことが大切である。 「あやまる」ことと「責任がある」とは同じではない。 どんなに安全に気を付けていても事故が起こる可能性はある。そのために,事故を 最小限に予防するために予め想定されるリスクを知り,対応することが必要になる。 しかし,もし事故が発生した場合は,速やかな対応と人間として「誠実」に「誠意」 を示した行動や,施設管理者としてあやまることも大切である。