Comments
Description
Transcript
仮想デスクトップの 値段
特集 仮想デスクトップの 値段 デスクトップ環境を仮想化し、 を含む仮想デスクトップ環境へ移 導入費用を PC 並み に サーバー側で一元管理する「仮想 行した場合の投資額と投資対効果 2012 年 7 月に仮想デスクトップ デスクトップ」 。運用負荷軽減や (ROI)を試算。仮想デスクトップ に移行した、とぴあ浜松農業協同 セキュリティ強化、BCP(事業継 を 3 年間利用する条件で、初期投 組合(JA とぴあ浜松)の目標は、 続計画)対策など、そのメリット 資額は 26 万 4709 円、年次費用は PC 並み の費用に抑えることだ が広く知れわたってきた。豊島区 5 万 2073 円だ。 「利用者や管理者 った(図 1) 。 「従来の PC は、導入 が「仮想デスクトップで Windows の生産性向上、企業収益への貢献 費と 5 年間の保守費で 1 台 30 万円 XP と 7 を併用している」 (政策経 度などで得られる回収額を NPV 程度だった。これを超えないよう 営部 情報管理課の黒田正智氏)な (正味現在価値)で算出。それを に検討した」 (とぴあ浜松農業協 ど、2014 年 4 月の「Windows XP 投資額で割った ROI は 315.1%に 同組合 総合企画部 情報管理課の SP3」のサポート切れも導入を後 なる」 (IDC Japan シニアマーケ 山崎昌則氏) 。IDC の試算を単純 押しする。 ットアナリストの渋谷寛氏) 。 に 5 年 間 に 延 ば す と、52 万 5074 数多くのメリットがある仮想デ 高い ROI が見込めるにもかか 円かかるところだ。 スクトップだが、導入費用の高さ わらず、 「初期投資が重荷」とベン 30 万円以下という目標を達成 に二の足を踏むユーザーは少なく ダーは口をそろえる。しかし、こ できた一因が、米バーチャルブリ ない。IDC ジャパンは、一般的な こにきて導入費用を抑えられる製 ッジズの仮想デスクトップソフト PC から、シンクライアント端末 品やサービスが登場してきた。 「VERDE」の採用だ。販売代理店 図 1◉とぴあ浜松農業協同組合の仮想デスクトップ 利用するソフト、ハード構成などを工夫し、構築・運用コストを抑えた 30 万円以下 / 仮想デスクトップ1 台当たり 仮想デスクトップ(仮想マシン) 初期費用 + 5年間のランニングコスト (ソフト/ハード、保守料、 データセンター利用料を含む) Webアプリ Windows Server 2008 ×150 台 仮想デスクトップソフト 「VERDE」 Linux(KVM) Xeon× 2、メモリー 360ギガバイ ギガバイト メリットは多いが、とにかく導入費用が高い─ そんな「仮想デスクトップ」 ×6台 ② クライアントOS では なくサーバー OSを使 うことで、マイクロソ フトの VDAライセン スを不要に RDP に価格破壊を仕掛ける製品が登場してきた。目指すは PC並み の値ごろ 感。サーバー環境の構築、端末の選択が「仮想デスクトップの値段」を決 める。先行企業は、ソフトやハードを選び抜き、サイジングに知恵を絞る。 仮想デスクトップの費用と効果を探った。 ③ 1 台の物理サーバー 上に多くの 仮 想デス クトップを集約するこ とで、サ ー バ ー 台 数 を抑制 RDP:リモートデスクトップ・プロトコル VDA:ヴァーチャルデスクトップ・アクセス (森山 徹) ×700 台 (120拠点) シンクライアント端末(Wyse T50) ① Linux(KVM)ベースの 安価な仮想デスクトップ ソフト「VERDE」を採用 (CG:木尾つぼね) 54 NIKKEI COMPUTER 2012.11.8 NIKKEI COMPUTER 2012.11.8 55