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妊娠適齢期を意識したライフプランニング 1
14-12-12 内閣府 資料2 妊娠適齢期を意識した ライフプランニング 国立成育医療研究センター 周産期・母性医療診療センター 齊藤英和 0 妊孕性の知識教育が必要である 妊孕性の知識(国・男女別) 日本はトルコの次に 知識が低い Human R1eproduction,28:385-397, 2013 1 妊孕性の知識教育が必要である 0.30 年齢別出生率 以前は妊娠適齢期に出産 現在は 高齢化 0.25 0.20 0.15 0.10 0.05 出産期を戻す 政策・教育 が必要 1930 年 1950 年 1970 年 1990 年 2000 年 2005 年 2010 年 0.00 151719212325272931333537394143454749 出生率=ある年齢の女性から生まれた子ども数÷ その年齢の女性人口 国立社会保障・人口研究所 人口統計資料集2013 2 妊孕性の知識教育が必要である 妻の結婚年齢別にみた、結婚 持続期間別平均出生子ども数 2.5 平均出生子ども数 1.88 2 1.87 1.5 1 0.5 2.09 0.97 0.69 0.66 0.38 0 0‐4 1.62 1.31 1.5 1.16 2.08 1.92 1.5 20 ‐24 25 ‐29 0.77 現状でも若く結婚すれ ば2.08 5‐ 9 結婚持続期間 10 ‐ 14 30 ‐34 35 ‐39 15 ‐ 19 国立社会保障・人口研究所 第14回出生動向基本調査 3 妊孕性の知識教育の内容 妊娠・出産・育児に 適した時期は20代 ヒトは男女とも加齢に伴い妊娠 する能力が減弱し、また、妊娠中 や分娩時のリスクや出生児のリス クが増加する。また、育児には体 力が必要です。 4 妊孕性の知識教育の内容① (%) 70 60 50 40 30 20 10 0 女性の結婚年齢と生涯不妊率の関係 64 結婚年齢が高くな ると児を持てる確 率が減少する 30 9 5 20‐ 24 15 25‐ 29 結婚年齢 30‐ 34 35‐ 39 40‐ 44 Menken J et al:Science233(4771): 1389-94, 1986 5 妊孕性の知識教育の内容② 年齢別にみる排卵と妊娠率の関係 (%) . 50 女性年齢 27‐34歳 女性年齢 19‐26歳 女性年齢 35‐39歳 男性と女性が同年齢 . 40 男性が女性より5歳上 妊娠率 . 30 . 20 . 10 . 0 . -8 . -6 . 女性は20代後半よりタイミング によるによる妊娠率が下がる 男性は40歳から -4 . . . -2 0 2 性交のタイミング . -8 . . . . . . . . . -6 -4 -2 0 2 -8 -6 -4 -2 性交のタイミング . . 0 2 性交のタイミング ※0=排卵日 (Human Reproduction Vol.17, No.5 pp. 1399-1403, 2002) 6 妊孕性の知識教育の内容③ 卵子の数の変化 卵子は排卵しなくてもどんどん減少する 胎生期 思春期 性成熟期 更年期 初経 出生 卵 子 の数︵ 万︶ 600 閉経 700 500 卵の数は胎生20週まで急増 約700万個 400 閉経時には 数はゼロに近づく 出生時には 約200万個まで減少 300 思春期には 20万から30万個に減少 200 100 60 30 3 6 9 胎児(ヵ月) 5 10 20 30 40 50 年齢(歳) Baker TG: Am Jobstet Gynecol; 110: 746, 1971 7 妊孕性の知識教育の内容④ 抗ミュラー管ホルモン(AMH)は 卵巣内の卵子数を反映する 年齢とAMH値 卵子の数は 個人差が大きい 年齢 症例数 平均値 AMH数(ng/ml) 中央値 20歳代後半から 厳しい人がいる 年齢 (Fertil Steril. 2011 Feb;95(2):747-50) 8 妊孕性の知識教育の内容⑤ 子宮内膜症(不妊原因の一つ) 年齢とともに 増加する 妊娠出産は月経回数 を減らすとともに、妊娠 時のホルモン変化は、 すでに発生していた子 宮内膜症を治療する。 9 妊孕性の知識教育の内容⑥ 母の年齢と自然流産率 母の年齢が高くなるほど、自然流産率が高くなる。 年齢区分 妊娠例数 流産例数 流産率(%) 24歳以下 90 15 16.7 25∼29歳 673 74 11.0 30∼34歳 651 65 10.0 35∼39歳 261 54 20.7* 40歳以上 92 38 41.3* 合計 1,767 246 妊娠適齢期 13.9 * 25∼29、30∼34歳の群と比較して有意差あり(p<0.01) 資料: 虎ノ門病院産婦人科 1989.1.∼1991.7.データ 母体年齢と流産 周産期医学 vol. 21 no. 12, 1991‐12 10 妊孕性の知識教育の内容⑦ 年齢別にみた周産期死亡率(出産千対) 単位 件数/出産千対 (平成19−23年の平均値) 妊娠適齢期 注:1)周産期死亡率は、一年間の周産期死亡数(妊娠満22週以後の死産数+早期新生児死亡数(生後1週間未満の死亡数)) を一年間の出産数(出生数+妊娠満22週以後の死産数)で割ったもの(出産千対)である。 (厚生労働省人口動態統計の特別集計を元に母子保健課にて作成) 11 妊孕性の知識教育の内容⑧ 年齢別にみた妊産婦死亡率(出産十万対) 単位 件/出産十万対 (平成14−23年の10年間の累計) 妊娠適齢期 注:1)妊産婦死亡は、妊娠中又は妊娠終了後満42日未満の死亡で、妊娠の期間及び部位には関係しないが、妊娠もしくは その管理に関連した又はそれらによって悪化したすべての原因によるものをいう。ただし、不慮又は偶発の原因によるものを除く。 2)妊産婦死亡率は、年間妊産婦死亡数の累計(平成14∼23年)を年間出産数(出生数+妊娠満12週以後の死産数)の累計 (平成14∼23年)で割ったもの(出産十万対)である。 (厚生労働省人口動態統計の特別集計を元に母子保健課にて作成) 12 妊孕性の知識教育の内容⑨ 年齢別にみた妊娠高血圧症候群の発症頻度 (n=21,262) (%) 16 14 12 10 妊娠適齢期 8 6 4 2 0 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 妊娠高血圧症候群は加齢に伴い増加し、 特に40歳を超えると急激に増加する傾向にある 不妊治療に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会 第3回 苛原参考人提出資料 13 妊孕性の知識教育の内容⑩ 年齢別にみた前置胎盤の発症頻度 (n=8,876) (%) 7 6 5 4 妊娠適齢期 3 2 1 0 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 前置胎盤は加齢に伴い増加する傾向にある 不妊治療に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会 第3回 苛原参考人提出資料 14 妊孕性の知識教育の内容⑪ 女性の年齢と子どもの染色体異常のリスク ダウン症の子が生まれる頻度 母の年齢 20 25 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 何らかの染色体異常をもつ子が生まれる頻度 出生千対 1/1667 出生千対 0.6 1/526 1.9 0.8 1/476 2.1 1.1 1/384 2.6 1/909 1.1 1/384 2.6 1/769 1.3 1/323 3.1 1/625 1.6 1/286 3.5 1/500 2.0 1/238 4.2 1/385 2.6 1/192 5.2 1/294 3.4 1/156 6.4 1/227 4.4 1/127 7.9 1/175 5.7 1/102 9.8 1/137 7.3 1/83 12.0 1/106 9.4 1/66 15.2 1/82 12.2 1/53 18.9 1/64 15.6 1/42 23.8 1/50 20.0 1/33 30.3 1/38 26.3 1/26 38.5 1/30 33.3 1/21 47.6 1/23 43.5 1/16 62.5 1/18 55.6 1/13 76.9 1/14 71.4 1/10 100.0 1/11 90.9 1/8 125.0 1/1250 1/952 妊娠適齢期 資料:Hook EB(Obstetrics and Gynecology 58:282‐285, 1981) Hook EB, Cross PK, Schreinemachers DM(Journal of the American Medical Association 249(15):2034‐2038, 1983) を元に母子保健課にて作成 15