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不登校対策の方向性
Ⅳ 1 不登校対策の方向性 不登校を生まないための予防的対策が必要である (1)早期発見・早期対応 ① 不登校予防は小学校から ○ 中学校において出現する諸問題は,小学校で一部その萌芽(きざし)がみられ ることから,小学校において予防的な観点での指導が必要であり,早期発見・早 期対応が重要となる。 ○ 本市においては,長期欠席者のうち病気による欠席者の占める割合は,平成 19 年度小学校 55.6%,中学校 9.2%となっている。小学校においては,児童の発達段 階を考慮しつつ,病気欠席の状況をきめ細かに把握し,病気欠席か不登校かを十 分に見極め,適切な支援を行う必要がある。 ○ 不登校傾向が現れ始めた早期の段階で,個人支援票(サポートブック)等を作 成し,支援状況や,効果があった取組等を次年度へ確実に引き継ぐことが必要で ある。 ② 中1ギャップの予防 ○ 中1ギャップに代表される中学校生活へのなじみにくさに対し,中学校1年生 に対し,より一層細かく手厚い指導が必要であり,学習面・生活面でのきめ細か な指導を行うため,少人数学級の導入や複数担任制など,担当教員の人的配置の 工夫等を行うことが考えられる。 ○ 現在,全中学校ブロックで小中連携教育が推進されている。その中で,不登校 児童をはじめ,不登校傾向にあった児童等の情報は詳細に中学校へ引き継ぐとと もに,進学後も定期的な連絡会を開くなど小中連携教育のさらなる推進が大切で ある。個人支援票(サポートブック)に関しては,小・中学校と連続し,中学校 での支援体制づくりを行っていく必要がある。 ○ 小・中学校の連続した支援を推進するために,小・中学校間の教職員の人事交 流,出前授業等の工夫,小学校高学年の一部教科担任制の導入や,小学校高学年 を対象とした中学校の体験入学の実施など小・中学校間での連携・協力が望まれ る。 - 18 - Ⅳ (2)学校適応力を高める学校づくり きめ細かな教科指導(わかる授業の創造) ○ 学ぶことの楽しさが味わえる授業・分かる授業づくりを行うことが重要であり, すべての子どもの学習する権利を保障するために,基礎・基本の確実な習得を期 してきめ細かな指導を推進することや,児童生徒が主体的に参加する授業を行う ことで,子ども達が充実感・達成感を味わい,「学校適応感」を高めることが期 待できる。 ○ 少人数授業やティームティーチング,習熟度別学習等,個に応じた指導を積極 的に展開することが望まれる。そのための適切かつ効果的な教員の人的配置を行 う必要がある。 ○ 学習に対する評価については,小・中学校で評価観に違いがあり,そのことが 不登校につながることも考えられ,今後小・中学校が連携した評価についての検 討が必要になってくる。 ② 対人関係力の向上 ○ スクールカウンセラーの調査から明らかなように,「人間関係作りが苦手」「友 だちとの関係」といった対人関係に関することが不登校の大きな要因であること を踏まえ,予防的な観点からも対人関係力を向上する取組が必要である。 ○ 集団づくりを通して,児童生徒の人間関係力やコミュニケーション力を高め, 集団に適応する力や問題を抱えても自分で処理する力を育成することが重要であ る。各学校においては,学習指導をはじめ,児童会・生徒会活動等の特別活動や 学校行事等あらゆる場面で積極的な取組を行うことが重要である。 ○ 小・中学生ともに「教師支え感」が低いことを踏まえ,児童生徒同士の関係と ともに,児童生徒と教師との好ましい人間関係づくりが必要である。「教師支え 感」を高めつつきめ細かな学習指導やすべての子どもが尊重される集団づくりに 取り組むことにより,「自尊感情・自己肯定感」を高め,学校での自己存在感を 育む教育活動を行うことが求められる。 ③ 基本的生活習慣の定着 ○ 「生活習慣」の評定値が低い児童生徒は,「学習について」が低くなる傾向 が見られる。またそれは,学業成績に直結することから,自尊感情に影響を及 ぼすと考えられる。そのため,就学前の早い段階から基本的生活習慣の定着を 図ることが重要であるが,同時に,小学校・中学校においても基本的生活習慣 の定着に努め,自尊感情を高める必要がある。 - 19 - 不登校対策の方向性 ① (3)特別な教育的支援を必要とする児童生徒への対応 ① 発達障がい等の理解 ○ 今回の調査において,不登校児童生徒の中の発達障がいの児童生徒の割合が、 文部科学省の全国実態調査(平成 14 年)の通常の学級に在籍する発達障がいの児 童生徒の割合よりも上回っていたことが明らかとなった。まず,教職員一人ひと りが知的障がいを伴わない学習障がい(LD),注意欠陥多動性障がい(ADH D),高機能自閉症,アスペルガー症候群等の発達障がいに対する理解を深め, 不登校などの二次障がいを予防することが必要である。 ○ 各学校(園)において,特別支援教育に関する校内研修会等を開催したり,発 達教育センターの研修講座等に積極的に参加したりするなどの取組を充実させる ことが求められる。 ② ○ ③ 軽微な発達の遅れ(知的障がいを含む)の理解 知的水準が正常域と知的障がいの境界にある児童生徒は、日常のコミュニケー ションや対人関係は比較的良好なために、周囲の者はその「発達の遅れ」に気付 かないことが多く、「適切な対応」を受けていない場合がある。その結果、学習 面の遅れは、本人の努力不足であるという評価になりやすい。このような児童生 徒は、学年進行とともに学習面の遅れが顕著になり、学校への不適応が見られる ようになってくる。そのため、小学校の早い段階から、児童生徒の「発達の遅れ」 を正しく理解し、学校生活全般で成功体験や達成感を得られるような適切な配慮 を伴う支援が必要である。 校内支援委員会の円滑な運営及び校内の協働体制の構築 ○ 特別支援教育を推進するために,特別支援教育コーディネーターが中心となっ て,学校内外の関係者や関係機関との連絡調整,保護者に対する相談,担任への 支援などを推進していく必要がある。 ○ 校内支援委員会を通して,学校全体での共通理解を図り,巡回相談を活用しな がら,指導方法や指導体制を工夫改善するとともに,二次障がいとしての不登校 予防を含めた「個に応じた指導」及び長期的な視点での「計画的な指導」の充実 を図ることが必要である。 - 20 - Ⅳ (4)教職員の資質の向上 児童生徒理解のあり方 ○ 教職員は,「教師支え感」が「学校適応感」や意欲的な学習態度に影響をする ことをしっかりと認識し,充分な対応を行う必要がある。 ○ 「教師支え感」を高めるために,児童生徒に対して共感的理解の基本姿勢を持 ち,児童生徒のありのままの姿を受け止め,児童生徒の思いをねばり強く傾聴す ることが重要である。児童生徒を理解するためには,学習の場や生活の場等での 教育相談活動等を通して,日常的に小さな変化や悩み等の把握に努める必要があ る。 ○ 児童生徒の指導にあたっては,よいところを認めて伸ばすこと,不充分なとこ ろを指摘して改善することを両輪とし,一方だけに偏った指導とならないように 十分配慮することが大切である。また,教員の不適切な言動や指導が不登校の原 因となる場合があることも十分に認識し,人権尊重の視点に立った学級経営に努 めなければならない。 ② 関連する多分野についての理解 ○ 不登校が特定の子どもに特有の問題があることによって起こるのではなく,ど の子にも起こりうることとして捉え,不登校の多様性や,今日的な要因や背景の 理解を深め対応していく必要がある。 ○ 対応にあたっては,初期段階での判断を誤らないよう,精神医学の基礎知識や 発達障がいに関する知識,児童虐待に関する知識等,関連する多くの分野につい 注8 て基礎的な知識を身に付けるため,スクールカウンセラー,スクールソーシャル ワーカーや医療・福祉関係機関及び大学と連携をした研修の機会を持つことが重 要である。 ③ 教職員への支援 ○ 不登校の児童生徒が復帰するための大きな要因として,担任の関わりがあげ られており,個々の状況を把握しながら,不登校児童生徒と好ましい人間関係 を築きつつ,関わっていくことが重要である。 ○ 担任が一人で悩み,疲れていくことがないよう,対応を担任一人に任せるの ではなく,同学年の職員集団や学校全体の教職員による組織的な支援が重要で ある。 ○ 教職員がさまざまな業務で多忙であり,児童生徒に関わる時間を十分に確保 できない現状にある。教職員が児童生徒とじっくり関わることができるよう早 急に支援体制の整備を行う必要がある。 - 21 - 不登校対策の方向性 ① 2 不登校児童生徒に対するきめ細かな対策が必要である (1)支援にあたって ① 要因・実態に即した児童生徒支援 ○ 文科省調査及び今回の調査をあわせて考えると,「対人関係が築きにくい」「無 気力」「不安など情緒的混乱」「発達障がいの二次障がいに起因するもの」「遊 び・非行,怠学」「家庭内の問題」が,不登校児童生徒の主な要因・背景と考え られる。不登校児童生徒はこれら要因や背景が複雑に絡んでおり,さまざまな実 態として現れていると考えられる。それぞれの要因・背景・実態に即した適切な 支援を行う必要がある。 ○ 支援に際しては,それぞれの実態によって,担任をはじめとした教職員やスク ールカウンセラー,スクールソーシャルワーカー,医療関係者,地域の人材等, 関わる人材を組み合わせながら支援を行う必要がある。 ※ ② 具体的な対応については,P58 を参照 ひきこもり等学校や関係機関の支援が届きにくい児童生徒への支援 ○ 家庭にひきこもり,関係機関等の支援が届きにくい不登校児童生徒や保護者に 対して,教員をはじめ,メンタルフレンドの積極的な活用や,スクールカウンセ ラー,スクールソーシャルワーカー,地域の人材等による訪問型支援を実施する 必要がある。 ○ 不登校の児童生徒が必ずしも将来にわたって「ひきこもり」状態になるとは限 らないが、不登校が深刻化・長期化し「ひきこもり」になるケースもある。将来 「ひきこもり」にならないためにも,小・中学校での早期の適切な対応が重要で ある。また,将来の自立に向け,中学校卒業後の進路を見据えた指導を行う必要 がある。 ○ 不登校生徒が中学校を卒業するにあたっては,中学校は進学先や就職先と連 携を取り,新しい環境や人間関係の中で順調に生活を送れるよう支援する必要 がある。 ○ 中学校卒業後,進路を決めることができない生徒,特に「ひきこもり」状態 にある生徒に関しては,医療機関・福祉機関・相談機関等の支援を受けられる ように,本人や保護者に対する情報提供や,関係機関との連携を強化する必要 がある。 ○ 実数は少ないながらも親が学校に行かせないなどの児童虐待を背景にしたも のがある。外部のものが長期間会えず,児童の安否確認ができない時は,関係 機関への連絡や連携が必要となる。 - 22 - Ⅳ (2)学習支援 不登校児童生徒が学校・学級復帰するにあたって,大きな不安の要因となって いるのが学力である。安心して登校できるよう,早期段階において,基礎・基本 の確実な定着を図るための支援体制の構築,及び学習するために必要な場の設定 や,そこで指導にあたる教員や,大学生や地域の人材等の活用による人的整備を 行う必要がある。 (3)居場所づくり ○ 児童生徒がそれぞれの状況に応じて学校生活に適応するよう,適応指導教室や サテライト教室が設置されている。学校には行けるが,なかなか教室には入れな い児童生徒の緊急避難的な場・心理的な支援を行う場・学習支援を行う場として, 校内に居場所を作る必要がある。一人ひとりの状況に即したきめ細かで柔軟な生 活面・学習面での個別指導を行うことで学級復帰を目指す必要がある。 (4)校内支援体制づくり ① 支援チームによる取組 ○ 不登校の要因や背景が複雑・多様化している現状では,不登校解決には多面的 かつ多角的に児童生徒を理解することが重要である。不登校児童生徒の対応を担 任一人に任せることなく,早期発見・早期対応のためにも,管理職,担任,養護 教諭,生徒指導担当者,スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等 で支援チームを作り,組織的に対応する体制をつくり具体的な対策を行うことが 求められている。 ○ 支援チームは,不登校児童生徒一人ひとりに対するケース会議を開き,情報の 共有や今後の支援計画の作成・実行・検証を行い,さらなる有効な手立てを検討 することが重要である。また,必要によっては,外部機関の協力を得て,協働し て支援にあたる等の態勢を整える必要がある。 ② 不登校児童生徒支援のためのコーディネーター ○ 支援チームを作り,適切な対応を行うにあたっては,学校における中心的かつ コーディネーター的な役割を果たす教員を位置付けることが必要である。 ○ コーディネーターは,不登校及び不登校傾向を示す児童生徒に対して,きめ細 かな対応を行うための情報収集,学習・生活面での支援計画づくり,学級担任や スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカーとの連携,保護者との連携 ・支援や関係機関との連絡調整などを行うことが求められる。 - 23 - 不登校対策の方向性 ○ (5)相談・支援体制の充実 ○ 現在,中学校にスクールカウンセラーが配置され,不登校児童生徒や保護者等 の相談にあたっている。スクールカウンセラーと担任等の連携により学校・学級 復帰した児童生徒も多くいる。支援チームを作っての不登校児童生徒への対応に おいてもスクールカウンセラーの役割は大きい。 ○ 今回の調査で,現在の活動時間では充分な対応ができない実態が明らかとなっ た。また,小学校における不登校生徒の増加等により,小学校からのスクールカ ウンセラー派遣の要請は増加しているが,充分対応できていない現状にある。そ ういった状況を踏まえ,今後効果的な活用のための配置の見直しや派遣方法の強 化が必要である。 ○ 児童生徒や保護者がおかれている様々な環境に着目して働きかけることができ る人材や,学校の枠を超えて関係機関等との連携をより一層強化し,問題を抱え る児童生徒の課題解決を図るためのコーディネーター的な存在が必要であり,教 育分野に関する知識に加えて,社会福祉等の専門的な知識や技術を有する人材で あるスクールソーシャルワーカー等の活用を図る必要がある。 (6)さまざまな体験活動の取組 ○ 不登校児童生徒が学校・学級復帰するにあたっては,さまざまな体験活動を実 施することが有効である。学校行事はもとより,職場体験,自然体験や乳幼児と のふれあい等を体験するなかで集団でのコミュニケーションスキルを身に付けた り,自分自身を見つめ直す機会を積極的に設定する必要がある。 ○ 福岡県立少年自然の家「玄海の家」など,社会教育施設では,不登校児童生徒 を対象としたプログラムを実施しているところもある。こういった施設を利用す ることや,学校独自で不登校児童生徒の実態に即した体験活動を行うことも考え られる。また,地域で行われている行事等に参加し,身近な大人とふれあうこと は貴重な体験となる。 (7)関係機関とのネットワークの推進 ① ○ 公的機関との連携 今回の調査では,外部の相談機関において支援を受けている不登校生徒の数が 少ないことから,適応指導教室やこども総合相談センター,発達教育センター, 地域等との連携を図りながら,一人ひとりの状況に即した関係機関の活用を進め ていくことが必要である。 - 24 - 大学やNPO等との連携 ○ 現在,本市では学生サポーター制度として、14大学と協定し,学生をボランテ ィアとして学校に派遣する事業や,心理学等を専攻する学生をひきこもり児童生 徒の家庭に派遣するメンタルフレンド派遣事業等を行っているが,今後新たに展 開していく事業などにおいて,積極的に大学と連携して学生ボランティア等を活 用することは有効である。 ○ より多様な不登校児童生徒への支援を行うため,大学や民間の研究機関と連携 し,その研究成果や臨床的見地を取り入れることが必要である。 ○ 民間の施設やNPO等においては,不登校児童生徒の学校復帰に向けた取り組 み,居場所づくり,体験活動やひきこもりに対する支援など様々な取組がなされ ている。そういった関係機関とネットワークを構築し,様々な取組を模索する必 要がある。 - 25 - 不登校対策の方向性 ② 教育委員会においては,こども未来局や保健福祉局及び各区役所等関係部局と 連携し,教育以外の様々な分野を含めた視点を持った対策を行っていくことが重 要である。 Ⅳ ○ 3 保護者への支援が必要である (1)保護者への理解と支援 ○ 不登校の要因・背景は複雑・多様化しており,対人関係の問題,非行や虐待な どの家庭の問題等,それぞれの要因に対応した保護者への支援を行っていく必要 がある。 ○ 不登校が長期化してくると保護者は不安や焦り等で,保護者自身が心理的に問 題を抱えることも多く,また,周囲から孤立した状態でいることも多い。そうい った保護者の状況を理解し,共感的な立場で対応すること,共通の課題意識を持 って問題解決に臨むことが大切である。担任,校内における不登校児童生徒支援 のためのコーディネーターやスクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカ ー,また,地域の民生委員・児童委員等の関係者等を中心に早期の段階から,情 報交換や共通認識のもとに支援を行っていく必要がある。 ○ 不登校の原因に対する教職員と保護者の間には意識の差が見られる。その解消 のために,両者をつなぐスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等 の人材の活用が重要である。 ○ 親や家庭から大切にされているという安心感が,学校生活や自尊感情等に影響 していることや,基本的生活習慣の確立の必要性等,家庭教育の重要性を保護者 に啓発することは重要である。 ○ 不登校が,特定の子どもに特有の問題があることによって起こるのではなく, どの子にも起こりうることとして,すべての保護者が不登校問題への理解を深め る必要がある。多くの保護者が集まる場を活用するなど,学習の機会を設けるこ とが重要である。 (2) 学習の場の設定とネットワークづくり ○ 保護者が不登校の子どもと向き合うためには,保護者自身の気力や意欲を回復 させ,子どもの状況を正確に把握することが重要である。そのために,学習の機 会や情報の提供等を行うとともに,「親の会」などの保護者同士のネットワーク づくりが必要である。 ○ 各学校においては,スクールカウンセラーを中心に「親の会」での学習会や情 報交換会を行い,全市的には「親の会」のネットワークを作る等,様々な支援方 法を構築していくことが重要である。 - 26 - Ⅳ 4 不登校対策の検証が必要である ○ 不登校対策を各学校で実施していく際,それぞれの取組においてどのような効 果があったのかを細かく検証する必要がある。また,取組等の結果を単年度のみ で捉えるのではなく,次年度に学年を超えて検証したり,小学校から中学校へ, 中学校から高等学校や専門学校等へと校種を超えて検証をしたりすることも重要 である。 ○ 不登校の状況の把握や,対策の検証を行う際には,不登校児童生徒の数のみに 注目するのではなく,個々の児童生徒にどのような変化があったのか,どのよう な改善があったのか等,欠席日数の推移や復帰の状況等に着目した検証を行う必 要がある。 (2)福岡市全体での検証 ○ 教育委員会事務局においては,全市的な不登校対策について,今後の新たな施 策を含めた進行管理を行うとともに,実施事業の評価及び検証を行い,その上で さらに効果的な施策を実施するよう努める必要がある。 - 27 - 不登校対策の方向性 (1)各学校での検証