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安心・安全力の確保
安心・安全力の確保 山陰道の建設促進について ≪国土交通省≫ 全国の高速道路ネットワーク14,000kmは、国土の総合的、体系的 な整備・保全のためには不可欠な社会基盤であり、ミッシングリンクが残っ ていることは、国民生活の安心・安全の確保や様々な産業の振興を図る上で、 大きなハンディキャップとなっている。 この典型である山陰道については、中国圏と近隣圏域とを結ぶ重要な基幹 路線であるにもかかわらず、全体延長に対する供用済区間の割合が4割にも 届かず、極めて整備が遅れており、とりわけ、本県においては、島根県境か ら下関市までのうち約8割の着手見込みが未だ立っていない状況にある。 こうした中、先月、国においては、未着手区間である、益田市~萩市間、 長門市~下関市間について、より緊急性の高い区間を「優先区間」として絞 り込んでいく調査に着手するとされたところであり、県としても、脆弱な山 陰地方の耐災性を高めるとともに、産業・観光振興等に寄与するネットワー ク機能の早期確保に向けた取組が強力に推し進められるものと期待してい るところである。 ついては、国において、高速道路ネットワークのミッシングリンクの解消 に必要な予算をしっかりと確保した上で、県内山陰道に係る事業中区間の一 層の整備促進を図るとともに、未着手区間の事業着手に向けた「計画段階評 価」を速やかに実施し、山陰道全線の建設を早期かつ着実に進められるよう、 次の事項について要望する。 山陰道全線の着実な建設促進 ○長門・俵山道路の事業促進 ○島根県益田市~萩市間の早期事業化 ○長門市~下関市間の早期事業化 - 23 - 山陰道の建設促進について 凡 例 予 定 路 線 区間 基 本 計 画 区間 事 業 中 区間 供 用 済 区間 山陰道の未着手区間の状況 山陰道 L=380km ○山口県内の山陰道は、萩・三隅道路が供用し、 長門・俵山道路が事業中であるものの、依然とし て8割が未着手である。 関西圏 中国圏 ○地域経済・産業の強化を図るとともに、災害に強 い広域ネットワークを構築するため、ミッシングリン クの解消が不可欠である。 四国圏 九州圏 ※白抜きは未着手区間 自然災害等に対して脆弱な ネ ッ ト ワーク の状況 長門市湯本~俵山 県道下関長門線 (長門市大寧寺峠) 国道191号(阿武町木与) 国道191号(萩市越ヶ浜) 事故 平成21年7月被災状況 県道下関長門線 ( 長門市俵山) 阿武町木与 萩市椿~大井 平成24年7月通行止め状況 国道191号(萩市大井) 国道191号 (阿武町木与) 平成23年7月に発生した 法面の土砂崩れ 越波 平成24年2月被災状況 当該区間には、大雨による通行規制区 間が存在し 、平成21年には、約2ヶ 月に わたる 通行止めにより、沿線住民の生活 に大きな支障が生じた。 昨年も崩土による通行止めが発生し ている。 当該区間には 、波浪による越波注意区 間や線形不良箇所、すれ違い が困難な 箇所が存在し、毎年のように通行止め が 発生している。 本年も事故による通行止めが発生し ている。 - 24 - 当該区間では、毎年のように大雨によ る通行止めが生じており、平成23年は、 5月、7月、9月の3回にわたり、延べ11 日間の通行止めが発生し、沿線住民の 生活に大きな支障が生じた。 昨年も斜面の変動により通行止め が発生している。 防災・減災対策の推進について ≪農林水産省/国土交通省≫ 本県は、災害を受けやすい地勢的な特徴を有していることから、たび たび台風や局地的な集中豪雨による甚大な被害に見舞われており、大規 模災害に対する防災・減災の取組が、喫緊の課題となっている。 こうした中、国においては、事前防災・減災のための「国土強靱化」 をハード・ソフト両面にわたり計画的に推進し、命と暮らしを守るイン フラの総点検・再構築を実施するとともに、地方におけるこれらの取組 を重点的に支援する観点から、防災・安全交付金の創設が行われたとこ ろである。さらに、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案が今国会 に提出されるなど、総合的かつ計画的な事前防災・減災の取組が進めら れている。 本県としても、こうした国の動きに呼応し、県民の生命と財産を守る ための防災・減災対策を積極的に進めるとともに、大きな被害が予想さ れる南海トラフ巨大地震等の際には、被災地をしっかりと支援できるだ けの基盤整備を進めていかなければならないと考えている。 ついては、防災・減災対策を推進するため、次の事項について要望す る。 1 高潮・津波対策の推進 ○海岸防災事業の推進 ・徳山下松港、本浦海岸、江崎漁港、松屋埴生海岸 ○周防高潮対策事業の推進 ・厚狭川、横曽根川 他10河川 ○津波・高潮危機管理対策事業の推進 ・森野海岸 2 洪水対策の推進 ○厚狭川河川激甚災害対策特別緊急事業の推進 ○河川改修事業の推進 ・木屋川、椹野川 他20河川 ○ダム建設事業等の推進 ・平瀬ダム、大河内川ダム、木屋川ダム - 25 - 他6箇所 他18海岸 3 土砂災害対策の推進 ○砂防事業の推進 ・為弘川 他75箇所 ○地すべり対策事業の推進 ・須川地区、木吹東2期地区 他18箇所 ○急傾斜地崩壊対策事業の推進 ・貴船町2丁目地区、江の浦町1丁目地区 他48箇所 ○治山事業の推進 ・剣川地区 4 他29箇所 道路・港湾施設等の耐震化の推進 ○橋りょうの耐震補強及び道路の法面対策の推進 ・彦島大橋、国道187号(稗原~天尾) 等 ○耐震強化岸壁の整備促進 ・三田尻中関港 ○耐震堤防の整備促進 ・厚東川、厚狭川 5 他3河川 既存ストックの老朽化対策の推進 ○道路ストックの総点検及び道路構造物の補修・更新 ・国道187号、県道岩国大竹線 他272路線 ○橋りょうの長寿命化対策の推進 ・大島大橋、角島大橋 等 ○排水機場の長寿命化対策の推進 ・土穂石川、大内川 他13箇所 6 農林水産施設の老朽化対策の推進 ○農業用施設の老朽化対策の推進 ・ため池:大坪地区 他24地区 ・排水機場:厚狭中地区 他3地区 ○治山施設の老朽化対策の推進 ・鹿野上地区 他9箇所 ○漁港施設の長寿命化対策の推進 ・下関漁港 他3漁港 - 26 - 医師確保対策の推進について ≪厚生労働省≫ 地域や診療科における医師の偏在により地域医療を支える医師不足は深 刻な状況にあり、医師確保対策は全国的に喫緊の課題となっている中、本県 においても、離島、中山間地域等や小児科・産科などにおける医師の不足が 進行しており、県民生活を支える医療サービスを安定的に提供することが困 難な状況となっている。 こうした中、本県では、県民生活における安心・安全力の確保に向け、地 域医療を担う医師の確保対策を「安心医療・健康倍増戦略」の重点事業に位 置付け、修学資金の貸与や臨床研修体制の整備など、医師の養成過程に応じ た様々な対策の充実・強化に取り組んでいるところである。 国においては、平成25年1月に閣議決定された「日本経済再生に向けた 緊急経済対策」において、地域医療再生臨時特例交付金の都道府県への追加 交付により、医師確保の推進等、地域医療の課題解決に取り組むこととされ たところであり、県としてもこうした国の動きに呼応し、特例交付金を有効 に活用することにより、昨年7月に本県独自で設置した「山口県地域医療支 援センター」の機能強化をはじめ、施策のさらなる推進を図ることとしてい る。 しかしながら、医師確保対策については、県独自での取組には一定の限界 があり、国による抜本的な対策や積極的な支援が必要であることから、次の 事項について要望する。 1 地域や診療科において必要とされる医師を計画的に養成・配置する仕 組みの構築 2 都市・地方の医師偏在解消に向けた各都道府県の臨床研修募集定員の 適正化 3 地域医療支援センターの運営に必要な財政措置 - 27 - 医師確保対策は全国共通の喫緊の課題 ○医療ニーズの動向などを踏まえた計画的な医師の養成が必要 H24年度の臨床研修医のマッチング状況 ○診療科及び都市・地方間の医師偏在を解消する ためには、医師養成・確保に関する制度の抜本 地方 54.3% 都市 45.7% 的な見直しが必要 ○修学資金制度など県が実施する対策には限界が あり、財政力格差等により更なる地域格差が懸念 臨床研修医の 4 割以上が都 市(東京、神奈川、愛知、京 都、大阪、福岡)に集中 国による抜本的な対策・積極的な支援 1 医師の養成・配置に係る仕組みの構築 ・医師養成数の明確な目標の提示 ・不足地域・診療科に誘導する仕組みの構築 2 臨床研修募集定員の適正化 ・都市・地方の医師偏在の解消に向けた各都道 府県の臨床研修募集定員の適正化 3 地域医療支援センター運営に必要な財政措置 ・各県の医師確保対策の中核となる地域医療支援センターに対する国支援の充実 地域医療を担う医師の確保 地域における適切な医療提供体制の確保 てき保 - 28 - PM2.5による大気汚染への対応について ≪環境省≫ 今般、中国におけるPM2.5による深刻な大気汚染の発生に加え、国内 においても一時的にPM2.5濃度の上昇が観測されるなど、PM2.5によ る大気汚染への国民の不安が高まっている。 このため、国においては、本年2月にPM2.5濃度が上昇した際の注意 喚起や、行動の目安を示した暫定的な指針を策定された。 本県では、この暫定指針を踏まえた対応方針を定めるとともに、判断基準 値を超過した場合には、関係機関、市町を通じて、住民に対する迅速な情報 提供、注意喚起を行っている。 しかしながら、この暫定指針では、濃度が上昇した際の行動の「目安」を 示しているのみであることから、より効果的な注意喚起を行うためには、P M2.5濃度に対応し屋外活動を中止するなど具体的な行動の基準を示すこ とが必要不可欠である。 ついては、PM2.5による大気汚染に関し、次の事項について要望する。 PM2.5による大気汚染への対応の充実・強化 ○注意喚起の正確性を高めるため、実測値に加え、シミュレーションモデルによる 濃度予測など、精度の高い予測システムの構築 ○健康影響に関する知見の早急な集積 ○住民が主体的に判断できるような具体的な行動の基準の設定 - 29 - - 30 -