Comments
Description
Transcript
「現代女性のペットへの思い」
「現代女性のペットへの思い」 「おしゃれ白書 1991 ∼ 2000」より 「ペットのいない生活は寂しい?」と思う人は過去 10 年で 50%増加。 年齢別では高校生、「30 ∼ 34 歳」未婚と 50 代前半で多かった。 2001/07/02 ポーラ文化研究所 村澤博人 阿保真由美 te l. 03 -5795 -0941 東東京都品川区東五反田5−24−10 テラサキ第3ビル2F 1. はじめに 「マンションで条件つきだが、ペットを飼育できるようになった」 とか、最新のコンピュータの発達でペットロボットが登場するなど、 ペットと人間の関係が今まで以上に語られる昨今である。 ポーラ文化研究所で実施してきている「おしゃれ白書」では、ペッ トについて「現代ではペットのいない生活は寂しいか」どうかを1991 年来、問いつづけている。 そこで最新のデータ(2000)を含めてこの10年で「ペットへの思い」 がどう変化したかを探ってみた。 今回扱った質問は以下の1問である。 Q33. あなたのご意見やお考えについておうかがいします。 あなたが適当と思われる意見に○印をつけてください。 「現代ではペットのいない生活は寂しい」 1. 全くそのとおり 2. ややそのとおり 3.どちらとも言えない 4. ややそうでない 5. 全くそうでない 2. 調査概要 「おしゃれ白書」はポーラ文化研究所が1979年以来継続している調査で、 3年毎に実施している。今回のレポートでは1991年以降のデータを利 用している。実施年により多少の人数の増減はあるが、ここでは「お しゃれ白書 2000」の概要を代表させては以下に示す。 調査地域:首都圏30キロ圏内 調査対象者:上記エリア内に居住する15歳からから64歳までの女 性、910 人 サンプルデザイン(単位:人) 15 ∼ 18 歳(高校生) 70 19 ∼ 23 歳(社会人) 70 24 ∼ 29 歳(既婚) 70 30 ∼ 34 歳(既婚) 70 40 ∼ 44 歳 70 50 ∼ 54 歳 70 60 ∼ 64 歳 70 19 ∼ 23 歳(学生) 24 ∼ 29 歳(未婚) 30 ∼ 34 歳(未婚) 35 ∼ 39 歳 45 ∼ 49 歳 55 ∼ 59 歳 調査対象抽出法:エリアサンプリング法 調査方法:戸別訪問面接聴取法および留置法の併用 調査期間:2000 年6月 70 70 70 70 70 70 3. 結果 3.1. 「現代ではペットのいない生活は寂 しい」経年変化 「現代ではペットのいない生活は寂しい」経年変化 全くそのとおり 2000年 14 1997年 ややそうでない 全くそうでない 28 17 25 15 30 14 12 9 どちらともいえない 16 15 1994年 1991年 ややそのとおり 11 15 32 31 26 18 16 25 33 % ① 2000 年の結果では「全くそのとおり」 「ややそのとおり」を合わせた「そのとお り」は30%いた。逆に「全くそうでない」 「ややそうでない」を合わせた「そうでな い」は 42%もいる。 ②全体としては「ペットのいない生活は 寂しいとは思わない」人が多い結果で あった。 ③1991年の結果は「そのとおり」は20%、 「そうでない」は 49%とほぼ半数であっ た。 ④ 1991年と 2000 年と比較すると、 「その とおり」は10%増、 「そうでない」は7% 減であった。1994年1997年を含めてここ 10 年間の変化は「そのとおり」は増加傾 向にあり、 「そうでない」は7減少傾向に ある。 現代ではペットのいない生活は寂しい?(2000年) 3.2. 「現代ではペットのいない生活は寂 しい」年代別比較。 全くそのとおり ややそのとおり 19 21 15∼18歳 19∼23歳 16 13 14 30∼34歳 14 12 35∼39歳 13 45∼49歳 50∼54歳 55∼59歳 60∼64歳 24 10 11 33 23 13 30 20 10 31 ③「そのとおり」は 40代に入ると増加し、 「そうでない」は逆に減少する。「50 ∼ 54 歳」で一つのピークを迎え、60代前半に向 かって再び「そのとおり」は減少し、「そ うでない」は増加していく。 27 14 11 ①2000年の結果を年代別に見ると、 「全く そのとおり」「ややそのとおり」を合わせ た「そのとおり」は、 「15∼ 18歳」では40 %で、 「全くそうでない」 「ややそうでない」 を合わせた「そうでない」の36%よりも多 い。 30 34 30 24 21 % ②年齢が高くになるつれて「そのとおり」 は減少し、 「そうでない」は 40代半ばまで 増加していく。ちなみに「40 ∼44 歳」が 51%と一番高い値を示している。 31 19 20 17 11 26 19 20 20 17 19 14 16 20 19 28 19 全くそうでない 16 29 11 10 ややそうでない 24 19 24∼29歳 40∼44歳 どちらともいえない 36 ④全体としては「50 ∼ 54 歳」が一番「そ のとおり」と答え、かつ「そうでない」と 思う人も一番低い結果である。 3.3. 「現代ではペットのいない生活は 寂しい」年代別比較、10 年前の場合 現代ではペットのいない生活は寂しい?(1991年) 全くそのとおり ややそのとおり どちらともいえない ややそうでない 16 15 34 19 15∼18歳 19∼23歳 12 24∼29歳 30∼34歳 15 10 5 9 7 40∼44歳 6 9 50∼54歳 8 55∼59歳 9 10 60∼64歳 8 12 37 14 29 45∼49歳 9 17 40 16 12 34 47 34 24 39 13 32 17 28 23 34 11 19 18 25 7 16 14 35 9 35∼39歳 40 全くそうでない % 14 17 34 39 ① 1991 年の結果を年代別に見ると、「全 く」と「やや」を合わせた「そのとおり」 は、数値こそ小さいがほぼ2000年の結果 と同じ傾向を示している。すなわち「15 ∼18 歳」が高く、年齢が増すにつれ、支 持率は減少し、40代に入ると増加し、 「50 ∼54歳」で一つのピークを迎え、再び60 代前半に向かって減少していく。 ②それに対して、 「全く」と「やや」を合 わせた「そうでない」は「30 ∼34 歳」で 60%、 「50 ∼54 歳」で59%のピークを示 した。30歳を超えるとほぼ半数が「そう でない」と回答した。2000年とは少し異 なるパターンを示している。 ③「そのとおり」が高い「50 ∼54 歳」は 一方で「そうでない」と思う人も59%と 高い結果であった。 「どちらでもない」と 思う人が一番少ない年代でもあった。 ④全体としては「50 ∼54歳」が一番「そ のとおり」と答え、かつ「そうでない」と 思う人も一番低い結果である。 3.4. 10 年間の「ペットへの思い」年代別比較 ③それに対して左上の2000 年のデータでは、 「そのとおり」と「そうでない」の 差が小さく、ほぼ同じか「そのとおりが大きい年代が「15 ∼18歳」 「19 ∼23歳」 ①前々ページと前ページのグラフの「そのとおり」と「そうでない」を並 「50 ∼ 54 歳」と3つ存在する。 べてグラフにすると、左下の二つのようになる。左上は、2000年の結果、 左下は 10 年ほど前の 1991 年の結果である。同じスケールで示している。 ④以上のグラフ、右下二つのグラフからも、2000 年の肯定派「そのとおり」が 増え、否定派「そうでない」が減っていることがわかる。 ②左下の 1991 年では、「そのとおり」)は「そうでない」に比べて高くな ることはなく、 「そうでない」と回答する人が多かったことを示している。 70 60 50 40 % 「そのとおり」「そうでない」年代別比較(2000年) 70 「 そ「 のそ とう おで りな 」い 」 60 50 40 30 30 20 20 10 10 15∼18歳 19∼23歳 24∼29歳 30∼34歳 35∼39歳 40∼44歳 45∼49歳 50∼54歳 55∼59歳 2 0 0 0 1 9 9 「 そ の と お り 」 19∼23歳 24∼29歳 30∼34歳 35∼39歳 40∼44歳 45∼49歳 50∼54歳 55∼59歳 60∼64歳 % 「ペットのいない生活は寂しくない」と答えた人の経年変化 70 「そのとおり」「そうでない」年代別比較(1991年) 60 15∼18歳 60∼64歳 % 70 40 「ペットのいない生活は寂しい」と答えた人の経年変化 0 0 50 % 60 「 そ う で な い 」 50 2 0 1 0 9 0 9 40 30 30 20 20 10 10 0 0 15∼18歳 19∼23歳 24∼29歳 30∼34歳 35∼39歳 40∼44歳 45∼49歳 50∼54歳 55∼59歳 60∼64歳 15∼18歳 19∼23歳 24∼29歳 30∼34歳 35∼39歳 40∼44歳 45∼49歳 50∼54歳 55∼59歳 60∼64歳 未既婚による支持率の違い 全くそのとおり ややそのとおり 24∼29歳未婚 13 24∼29歳既婚 13 30∼34歳未婚 30∼34歳既婚 11 16 9 ややそうでない 全くそうでない % 34 21 21 21 26 24 ①本調査では「24 ∼29 歳」と「30 ∼ 34歳」では未既婚別 に調査しているので、未既婚による違いを見てみた。結果 は左のグラフである。 20 17 16 23 6 3.5. 未既婚別比較 どちらともいえない 33 14 ②「24 ∼29 歳」では未既婚で違いがなく、 「30∼ 34歳」で ははっきりした違いが存在した。 21 ③同じ未婚者でも「24 ∼29 歳」と「30 ∼ 34歳」で違いが あり、同じく既婚者でも年齢による違いが見られた。 40 2000 4. 本レポートの結論 以上、ポーラ文化研究所の調査「おしゃれ白書 」より、一つの調査項目に注目して結果をまとめてみた。 結論は次のようになる。 (1) 過去 10 年で「ペットのいない生活は寂しい」と思う人は 50%も増えていること、 (2) 肯定する人には、「高校生」、 「50 ∼ 54 歳」、さらには「30 ∼ 34 歳」未婚で多かったこと。 人の寂しさを満たしてくれる存在として、さまざまなペットがこれからも登場しようが、「ペット」を求める思 いもまた増加していくのだろう。