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Pr { A ∩ B }

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Pr { A ∩ B }
[1/4]
数学への招待
(1) 事象 A、 B は互いに独立であるとする。
(i) 事象 A と B は独立であることを示せ。
【解】
仮定より、事象 A、 B は互いに独立であるから、
{
}
{ }
{ }
Pr A ∩ B = Pr A × Pr B
が成り立つ。このとき、
{
}
{ }
{ }
Pr A ∩ B = Pr A × Pr B
を示せばよい。両辺を順に展開する。
左辺:事象 A ∩ B をベン図で考えると、
A
B
という斜線部となり、A ∩ B は事象 A ∪ B の余事象であることが分かる。つまり、
A ∩ B = (A ∪ B)
この等式はド・モルガンの法則の一つで、詳しくは、ここ参照。よって、余事象の確率の定理より、
}
{
}
{
Pr A ∩ B = Pr (A ∪ B)
{
}
= 1 − Pr A ∪ B
ここで、加法定理より、
{
}
{ }
{ }
{
}
Pr A ∪ B = Pr A + Pr B − Pr A ∩ B
(1.1)
が成り立つから、
{
}
{
}
Pr A ∩ B = 1 − Pr A ∪ B
{ { }
{ }
{
}}
= 1 − Pr A + Pr B − Pr A ∩ B ( ∵ 式 (1.1) の代入)
{ }
{ }
{
}
= 1 − Pr A − Pr B + Pr A ∩ B
ここで、事象 A と B は独立であるから、
{ }
{ }
{ }
{ }
= 1 − Pr A − Pr B + Pr A × Pr B
(1.2)
右辺:
{ }}
{ } {
{ }}{
{ }
Pr A × Pr B = 1 − Pr A 1 − Pr B ( ∵ 余事象の確率)
{ }
{ }
{ }
{ }
= 1 − Pr A − Pr B + Pr A × Pr B
(1.3)
従って、式 (1.2) と (1.3) より、事象 A と B は独立である。
(2) 3 人のバスケットボールプレーヤー A と B と C がフリースローを行う。このとき、3 人の成功する確率は各々、
{ }
{ }
{ }
Pr A = 1/6、Pr B = 1/4、Pr C = 1/3 であるものとし、各プレーヤーの試行は独立であると仮定する。このとき、
(i) すべてのプレーヤーが成功する確率を求めよ。
(ii) すべてのプレーヤーが失敗する確率を求めよ。
(iii) 少なくとも一人が成功する確率を求めよ。
[1/4]
[2/4]
数学への招待
事象 A、 B、C が独立な事象であるとは、4 つの等式
{
}
{ } { } { }
Pr A ∩ B ∩ C = Pr A Pr B Pr C
{
}
{ } { }
{
}
{ } { }
Pr A ∩ B = Pr A Pr B , Pr B ∩ C = Pr B Pr C
{
}
{ } { }
Pr A ∩ C = Pr A Pr C
が成立することをいう。
【解】
(i) 3 人の成功確率は独立であるので、
{
}
{ }
{ }
{ }
Pr A ∩ B ∩ C = Pr A × Pr B × Pr C
1 1 1
1
= × × =
6 4 3 72
(ii) すべてのプレーヤーが失敗する事象も独立となるから、
}
{ }
{ }
{ }
{
Pr A ∩ B ∩ C = Pr A × Pr B × Pr C
{
}
{
}
{
1
1
1}
= 1−
× 1−
× 1−
6
4
3
5 3 2
5
= × × =
6 4 3 12
(iii) 少なくとも一人が成功するという事象は、3 人とも失敗するという事象の余事象である。よって、上の (2) の
結果を用いることで、
1−
5
7
=
12 12
(3) G さんは、ダーツの真ん中を射貫くのに成功する確率は 0.3 とする。n 回投げ少なくとも 1 回真ん中を射貫く確率
を 0.8 より大きくするための n の値を求めよ。
【解】
n 回投げ少なくとも 1 回真ん中を射貫く確率は、n 回投げて全て失敗するという事象の余事象の確率に等しい。真
ん中を射貫く確率は 0.3 であるので、ミスをする確率は 1 − 0.3 = 0.7 となる。よって、n 回投げて全て失敗する確
率は、0.7n となり、n 回投げ少なくとも 1 回真ん中を射貫く確率は、1 − 0.7n 。
これが、0.8 より大きくなるような n を求めればいいのだから、
1 − 0.7n > 0.8
⇐⇒
0.7n < 0.2
となる n の値を求めればよい。したがって、
0.71 = 0.7,
0.72 = 0.49,
0.73 = 0.343,
0.74 = 0.2401,
0.75 = 0.16807
より、n = 5。少なくとも 5 回投げれば、少なくとも 1 回真ん中を射貫く確率が 0.8 より大きくなる。
{ }
{ }
(4) 事象 A{と B は独立で、
Pr A = 0.2、Pr B = 0.3 とする。このとき、以下の確率を求めよ。
}
{
}
(i) Pr A ∩ B
(ii) Pr A ∪ B
{
}
{
}
(iii) Pr A | B
(iv) Pr B | A
{
}
{
}
(v) Pr A ∩ B
(vi) Pr A ∪ B
{
}
{
}
(vii) Pr A | B
(viii) Pr B | A
【解】
(i) 事象 A と B は独立であるので、
{
}
{ }
{ }
Pr A ∩ B = Pr A × Pr B = 0.2 × 0.3 = 0.06
[2/4]
[3/4]
数学への招待
(ii)
{
}
{ }
{ }
{
}
Pr A ∪ B = Pr A + Pr B − Pr A ∩ B
( ∵ 加法定理)
= 0.2 + 0.3 − 0.06
= 0.44
( ∵ 上の (1))
(iii)
{
}
{
} Pr A ∩ B
Pr A | B =
{ }
Pr B
0.06
=
= 0.2
0.3
( ∵ 条件付確率の定義)
(iv)
{
}
{
} Pr A ∩ B
Pr B | A =
{ }
Pr A
0.06
=
= 0.3
0.2
( ∵ 条件付確率の定義)
{
}
(v) Pr A ∩ B :ベン図を書くと、
A
B
よって、
{
}
{ }
{
}
Pr A ∩ B = Pr A − Pr A ∩ B
= 0.2 − 0.06 = 0.14
{
}
(vi) Pr A ∪ B :ベン図を書くと、
A
B
よって、
{
}
{ }
{
}
Pr A ∪ B = 1 − Pr B + Pr A ∩ B
= 1 − 0.3 + 0.06 = 0.76
{
}
(vii) Pr A | B :
{
}
{
} Pr A ∩ B
Pr A | B =
{ }
Pr B
0.14
=
= 0.2
0.7
{
}
(viii) Pr B | A :
{
}
{
} Pr B ∩ A
Pr B | A =
{ }
Pr A
0.14
= 0.7
=
0.2
(5) あるメダカの雄の体長が 5cm より大きいものである確率が 0.04、同種のメダカの雌の体長が 5cm より大きいもの
である確率が 0.01 あるとする。また、メダカの 6 割が雌であるとする。
[3/4]
[4/4]
数学への招待
(i) 捕らえたメダカの体長が 5cm より大きいとき、メスである確率を求めよ。
【解】
事象 A
事象 B
:メダカの体長が 5cm より大きいという事象
:メダカがメスであるという事象
{
}
とすると、確率 Pr B | A を求めればよい。
{
}
Pr B | A =
このとき、仮定より、
{ }
Pr B = 0.6,
{ } {
}
Pr B Pr A | B
{ } {
}
{ } {
}
Pr B Pr A | B + Pr B Pr A | B
{
}
Pr A | B = 0.01,
}
{
Pr A | B = 0.04
であるから、
{
}
Pr B | A =
0.6 × 0.01
0.6 × 0.01 + 0.4 × 0.04
3
=
11
[4/4]
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