売上は増加しているが 利益は減少している

「変化を読み取る」
実態把握編
ある。本ケースのように減
わゆる減収・増益の企業で
らに、ほかの商品に力を注ぐこと
益は必ず増加するはずである。さ
ば、売上高は落ちてしまうが、利
をほか の 商 品 の 販 売 促 進 に 回 せ
べきものは、売上高の大きさでは
なく、あくまで利益であるという
ことを経営者に伝え、売上高と利
益について考え直すよう指導して
もちろん、Ｃグループの商品に
いきたい。
付加価値をつけて、Ｂグループや
Ａグループにしていく努力は必要
である。そういった努力をしてい
ても、どうしてもＣグループにし
かならないということであれば、
一日も早くその商品の取扱いを中
止することが、その企業にとって
最善の策になってくる。
のケースは、増収・減益と
る。つまり、増収・減益という企
業利益 は 増 加 す る の が 普 通 で あ
期借入金や長期借入金など︶が増
には、貸借対照表の他人資本︵短
と、増収・減益となる。この場合
プになってしまったのかな。販売
かさんだのが響いて、コストアッ
も、アルバイトの人件費が大きく
力 を 強 化 し よ う と し た ん だ。で
たので、アルバイトを雇って販売
担当者としては、企業が求める
利益であることを伝える
企業に大切なものは
とも考えられる。
売上は減少しているが
利益は増加
︵横ばいに推移︶
している
収・増益になるのは、その企業が
い
売上高という﹁量﹂を追わずに、
で売上の増加につながっていくこ
経営者の中には、売上高にしか
であることを示している。
目がいかない人がいる。商品の重
要度に応じてラインアップを分析
する﹁ＡＢＣ分析﹂を行うと、一
番下のランクであるＣグループの
商品は 間 違 い な く 赤 字 で あ る の
に、その取扱いをやめない経営者
がかなり多いのだ。そういう経営
者にとって、売上高は落ちること
が許されないものだと捉えられて
赤字が間違いないのだから、そ
いるのだろう。
の商品の取扱いをやめ、人的資源
加した分、粗利益額は増えていき
ます。それにも関わらず、営業利
益が減ったということは、経費の
管理に問題があったということが
考えられます。例えば、人件費な
どが増えたということはありませ
んか﹂
経営者﹁そういえば、アルバイト
いうことであるが、企業と
業は、固定費の管理がずさんであ
加しているはずであり、容易にチ
を多く雇ったよ。販売が好調だっ
しては問題が残る状況であろう。
ェック す る こ と が で き る で あ ろ
コスト構造が大きく変わらなけれ
らである。変動費は変動費率が変
割合である固定費率が低下するか
いという場合が考えられる。これ
益率は良いのに、営業利益率が悪
るケースを挙げると、売上高総利
各々の利益率で増収・減益とな
れはどうしてですか？﹂
利益が減益になっていますね。こ
加しているのにも関わらず、営業
ていただきましたが、売上高が増
担当者﹁社長、試算表を拝見させ
▼こんなトークを展開しよう
う。
アルバイトを多く採用する傾向に
人件費の変動費化ということで、
原因がありそうですね。最近は、
担当者﹁なるほど、そこに減益の
ことが失敗だったかな﹂
のアルバイトを採用してしまった
が好調だっただけに、一度に大勢
販管費 支払利息 増加
わらなければ、売上の増加に比例
は﹁販売費および一般管理費︵販
ありますが、そこはやはり、大勢
う場合
して増加するが、その場合でも、
経営者﹁一生懸命、売上増加を図
が、経常利益率が悪化する。この
総利益率と営業利益率は悪くない
利息が増加した場合では、売上高
ほかには、借入金が増えて支払
がないということは、売上高が増
担当者﹁一般的に、粗利率に変更
どな。どうしてだろう﹂
に大きな変化はないはずなんだけ
ということではないから、粗利率
ってきたんだがね。安売りをした
きましょう﹂
きる部分がないか一緒に考えてい
ら、ほかの部分でコスト削減がで
い え、売 上 は 好 調 な わ け で す か
になっても仕方ないですね。とは
を一気に採用してはコストアップ
利益が減
粗利益率への影響はないはずであ
管 費︶﹂が 増 え て し ま っ た こ と が
したがって、固定費の増加が売
と き も、経 常 利 益 ベ ー ス で み る
定費率は低減するのである。
かるので、売上が増加した分、固
上高の増加割合以上に増加しない
っ
て
し
ま
限りは、売上高の増加に伴い、営
ならば、売上高に占める固定費の
る。一方、固定費は、売上高の増
も で
原因として考えられる。
ば、利益は増加するはずだ。なぜ
の
減に関わらず、ほぼ一定の額がか
や
一般的には、売上高が増加し、
ると言わざるを得ない。
売上は増加しているが
利益は減少している
▼こんなトークを展開しよう
利益という﹁質﹂を重視した結果
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２０１２・ ３月１５日号
２０１２・ ３月１５日号
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こ
part １ 財務諸表から分かるこんな変化に着目しよう！