Comments
Description
Transcript
管理運営基準
第3章 管理運営基準 平成 18 年 12 月 1 日 全面改正 平 成 27 年 4 月 1 日 一部改正 1 管理運営基準とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33 2 管理運営基準のポイント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33 3 管理運営基準の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 1 HACCP 型基準を用いずに衛生管理を行う場合(従来型方式) (1)施設及び食品の衛生管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 (2)使用水の水質検査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 (3)食品取扱者の健康管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 (4)不良食品等の回収・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 (5)情報の提供及び報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 (6)食品衛生に関する記録等の作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 (7)衛生管理に関する手順書、要領の作成・・・・・・・・・・・・・・・・・39 (8)手順書、記録表の例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40 2 HACCP 型基準を用いて衛生管理を行う場合 (1)従来型方式の遵守・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45 (2)HACCPの導入手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45 (3)製品説明書、製造工程一覧図、危害要因分析表、HACCPプランの例・・46 4 管理運営基準(条例)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51 5 水質検査、検便検査の実施機関・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62 6 管理運営基準についての問合せ先・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62 1 管理運営基準とは ○ 食品衛生法第 50 条第2項に基づいて定められた、営業の施設の内外の清潔 保持、ねずみ、昆虫等の駆除その他公衆衛生上講ずべき措置に関する基準です。 ○ 静岡市食品衛生法の施行等に関する条例(以下「条例」という。)及び静岡 市食品衛生法等の施行に関する規則(以下「規則」という。)で定めています。 ○ 従来型基準と HACCP 型基準の 2 種類があります。 ○ 営業者はどちらかの基準を選択し、遵守しなければなりません。 ○ 基準が守られないときは、営業禁止等の行政処分を科されることがあります。 2 管理運営基準のポイント 〇 食品等を取り扱う全ての営業のほか、規則第5条に定める施設(集団給食施 設)に適用されます。 管理運営基準の適用範囲 ○ 許可が必要な営業(食品衛生法第51条に規定する34業種) ・飲食店営業 ・乳処理業 ・食肉製品製造業 等 ○ 食品又は添加物を採取、製造、加工、輸入、貯蔵、運搬又は販売する営業 (農業及び水産業を除く。) ○ 器具又は容器包装を製造、輸入又は販売する営業 ○ 集団給食施設 〇 条 例 及 び 規 則 に よ り 、衛 生 管 理 に 必 要 な 項 目 が 規 定 さ れ て い ま す 。 項 ○ ○ ○ ○ ○ 衛 不 情 食 衛 生 良 報 品 生 管 食 提 衛 管 理 品 供 生 理 に の に に に 関 自 関 関 係 す 主 す す る る 回 る る 手 具 収 項 記 順 体 の 目 録 書 目 的な項目 際に留意すべき項目 の作成、保管 、要領等の作成 〇 従 来 型 基 準 の 内 容 は 、 1 ~ 5 の 基 準 に 区 分 さ れ て お り 、 1の基準は 食品等を取り扱う全ての営業に適用され、2から5の基準についてはそれぞれ 該当する営業等に適用されます。 HACCP型基準の内容は、従来型基準を満たした上で、2~5の基準を遵 守する必要があります。 管理運営基準の区分 1 従 来 食品等を取り扱う全ての営業に係る基準 (法第4条第7項に規定する営業及び集団給食施設に係る基準) 2 許可が必要な営業及びその他の営業のうち食品等を製造又は加工す る営業に係る基準 (法第51条に規定する営業、その他の営業(食品等を製造又は加工する 営業に限る)及び集団給食施設に係る基準) 型 基 3 許可が必要な営業のみに係る基準 準 (法第51条に規定する営業に係る基準) 4 食品等を運搬する営業及び集団給食施設(食品等の運 搬をする場合に限る)に係る基準 5 食品等を販売する営業に係る基準 H 1 従来型基準を満たしていること A C 2 HACCP型基準を用いて衛生管理をする班の編成 C 3 製品説明書及び製造工程一覧図の作成 P 4 食品等の取扱い 型 (危害物質の特定及び管理方法) 基 5 記録の作成及び保存 準 3 管理運営基準の概要 1 HACCP型基準を用いずに衛生管理を行う場合 (従来型基準) (1) 施設及び食品の衛生管理 内 容 条 項 義務注1) 1-(1)(イ) ねずみ族及び昆虫の侵入防止 義務 1-(1)(イ) 食品等の衛生的な取り扱い(保存 方法、ねずみ族や昆虫からの汚染 防止、相互汚染の防止) 義務 施設及びその周辺の清掃 適用される営業 食品等を取り扱う 全ての営業 1-(2)(ア) ・許可が必要な営業 ・その他の営業のう ちそのまま摂取さ 異物の混入防止 努力注2) 2-(2)ア(カ) a れる食品を製造又 アレルギー物質の混入防止 努力 2-(2)ア(カ) b は加工する営業 注1) 「義務」は、営業者が実施しなければならない項目を示します。 注2) 「努力」は、営業者が努めるべき項目を示します。 作業場には愛玩動物を持ち込ま ないこと 義務 2-(1)(オ) (2) 使 用 水 の 水 質 検 査 内 容 施設で使用する水は、水道水又は保健 所その他の公的試験機関若しくは知事 が認める試験機関が飲用に適すると認 めた水(以下「公的試験機関等が認めた 水」という。)であること。 ただし、食品又は添加物の安全性に影 義務 響を及ぼさない用途に使用する場合は、 この限りでない。 公的試験機関等が認めた水を使用す る場合は、当該水について年1回以上水 質検査を行い、その成績書を当該水質検 査の日から1年間以上保存すること。 条 項 2-(2)イ 適用される営業 ・許可が必要な営業 ・その他の営業の うち食品等を製造 又は加工する営業 ● 水道水以外の使用水について 水を原因とする食品の汚染を防止するために、水道水以外の水を使用する場 合は、「公的試験機関等が認めた水」を使用すること。 ◆公 的 検 査 機 関 等 が認 めた水 ◆ 知事が認める検査機関による水質検査に合格した水のことです. ・ 食品衛生法に 基づく登録検査機関 ・ 水道法に基づく 登録水質検査機関 新規申請 新規届け出 知事が認める検査機関 許可が必要な営業 届出を要する営業 (魚介類加工品・こんにゃく・漬け物・液卵) 集団給食施設 定期検査時 項 項目 目 届出を要しない食品の製造・加工業 項目 〇定 期 的 な 水 質 検 査 の 実 施 に つ い て 水道水以外の水を使用する場合は、年1回以上の定期的な水質検査を実施 すること。 ◆定期的に実施する水質検査の項目◆ 年1回以上、次の10項目について水質検査を実施してください。 1.一般細菌 2.大腸菌群 3.硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 4.塩素イオン 5.有機物等 (過マンガン酸カリウム消費量) 6.pH値 7.味 8.臭気 9.色度 10.濁度 (3) 食 品 取 扱 者 の 健 康 管 理 内 容 条 食品取扱者に健康状態を報告させる 義務 食中毒原因菌等の保菌が疑われる者を 食品取扱い作業に従事させない 努力 保健所長の指示による検便の実施 義務 年2回以上の検便の実施 (食品取扱者) 義務 項 適用される営業 1-(4)ア 食品等を取り扱う 全ての営業 2-(3)ア ・許可が必要な営業 ・その他の営業の うちそのまま摂取 される食品を製造 又は加工する営業 ◆ 検 便 の 実 施 ◆ 食 品 取 扱 者 の 健 康 管 理 を 推 進 し 、食 中 毒 原 因 菌 等 を 保 菌 し た 者 か ら の 2 次 汚 染 を 防 止 す る た め に 、年 2 回 以 上 の 検 便 を 実施すること。 〈検便の項目例〉 赤痢、サルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌 O157 等 (4) 不 良 食 品 等 の 回 収 内 容 条 不良食品等の自主回収の実施 努力 回収する際の保健所への報告 義務 回収する際の公表 連絡体制、回収の手順を定めておく 回収した食品の廃棄等の措置 (5) 努力 項 1-(2)ウ 適用される営業 食品等を取り扱う 全ての営業 義務 情報の提供及び報告 内 容 条 項 食品等に関する消費者からの健康被害又 は食品衛生法に違反する食品等に関する 義務 1-(1)(イ) 情報及び健康被害につながるおそれが否 定できない苦情の保健所長への報告 適用される営業 食品等を取り扱う 全ての営業 (6) 食 品 衛 生 に 関 す る 記 録 等 の 作 成 内 容 条 食品等を取り扱う 努力 全ての営業 出荷又は販売先の記録 ねずみ族、昆虫の駆除記録 適用される営業 1-(2)イ 食品等の仕入れ元の記録 製造、加工又は調理に関する情報の記録 項 義務 2-(1)ア (カ) ・許可が必要な営業 (年2回以上実施、1年間以上保存) 計器類、殺菌装置等の作動状況記録 2-(1)イ(エ) 原材料の点検記録 2-(2)ア(ア) ・その他の営業の うち食品等を製造 又は加工する営業 (温度、品質、鮮度、表示等) 2-(2)ア(カ) 食品を製造又は加 b 工する営業 製品説明書 (品名、手順、原材料、使用方法、保 存方法を記載した説明書) 努力 2-(2)ア(ケ) ・許可が必要な営業 (試験室を設けな ければならない営 原材料、製品等の自主検査成績 業を除く。) ・その他の営業の うち食品等を製造 又は加工する営業 2-(2)イ(イ) ・許可が必要な営業 水道水以外の使用水の検査成績 (年1回以上実施、1年間以上保存) ・その他の営業の 2-(2)イ(エ) うち食品等を製造 水道水以外の水の殺菌装置点検記録 又は加工する営業 (1日1回以上実施、1年間以上保存) 義務 2-(3)ア ・許可が必要な営業 ・その他の営業の 検便の実施記録 (年2回以上実施、1年間以上保存) うちそのまま摂取 される食品を製造 又は加工する営業 弁当等の配送記録 努力 4-(2)エ 食品等を運搬する 営業 (7) 衛 生 管 理 に 関 す る 手 順 書 、 要 領 の 作 成 内 容 条 施設、設備等の清掃、洗浄、消毒に係 努力 る「手順書」の作成 「管理運営要領」の作成 努力 項 適用される営業 1-(1)ア(イ) 食品等を 取り 扱う 全ての営業 3-(2) 許可が必要な営業 〇「手順書」の作成について 施設、設備及び機械器具について、衛生管理に関する作業の内容等を記載 した「手順書」を作成するように努めること。 手順書に記載すべき内容 ○作業担当者 ○頻度 ○作業内容 ・清掃、洗浄及び消毒の具体的な方法 ・ねずみ族、昆虫の防除の方法 手順書を作成すべき施設等の例 ○建物の外部 ○更衣室 ○便所 ○製造・加工・調理・販売室 ○食品等保管室 ○清掃設備 ○換気・空調・照明設備 ○給水・給湯・給氷設備 ○排水設備 ○廃棄物設備 ○手洗い設備 等 〇「管理運営要領」の作成について 許可が必要な営業にあっては、上記の「手順書」をさらに充実させて、施設、 設備、機械器具、食品等及び食品取扱者に係る衛生上の「管理運営要領」を作 成するように努め、これを食品取扱者その他の関係者に周知させるように努め ること。 管理運営要領に記載すべき内容 右記の項目について作業担当者、実 施頻度及び作業内容に加え、点検及び 記録の方法を記載した「管理運営要領」 を作成し、従事者に遵守させるととも に、記録等により実施状況を確認しま す。 ○施設設備、機械器具の衛生管理 ○施設設備、機械器具の保守点検 ○ねずみ族・昆虫などの防除 ○使用水の衛生管理 ○排水および廃棄物の衛生管理 ○食品取扱者等の衛生教育 ○食品取扱者等の衛生管理 ○食品等の衛生的な取扱い 等 (8) 手順書・記録表の例 ● ねずみ族・こん虫の駆除記録簿(例) 実施年月日 実施者氏名 駆除対象 薬剤名 駆除の場所 H27年 9月 1日 静岡太郎 ゴキブリ ダイアシ ン 調理室 結 1匹 ● 井戸水殺菌装置作動状況確認記録簿(例) 点検年月日 作動目視確認 H27年8月1日 正常 残留塩素 0.1ppm 年 月 日 ppm 年 月 日 ppm 年 月 日 ppm 年 月 日 ppm 年 月 日 ppm 年 月 日 ppm 果 薬液補充量 確認者 1ml 静岡太郎 ● 従事者等の食品取扱者衛生管理点検表(例) H27年 8月 1日 責任者署名:清水花子 体調(嘔吐、下痢、腹痛) 氏 名 化膿 服装 マスク 毛髪 爪 指輪等 本人 家族 清水一郎 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 清水二郎 ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ ● 検便の実施記録簿(例) 実施年月日 氏 名 異常の有無 措 静岡太郎 無 静岡小町 有 従事禁止 静岡小町 無 従事再開 H27年 9月 1日 H27年 9月 5日 置 ×があった 際の措置 手袋着用 豆腐 静岡一郎商事 10:30 「改善措置」 品 目 名 納入業者名 入荷時刻 平成27年 8月 8日 ● 原材料の点検、記録簿(例) 静岡 生産地 H27.8.13 使用期限 2 数量 ℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃ 7℃ 温度 ○ 鮮度 ○ 包装 無 異物 担 当 : 清水 太郎 備 考 ● 調 施設等の衛生管理手順書(例) 理 室 床、内壁(床から1mまでの部分に限る)は、一日に一回以上次の方法で清 掃する。 「調 理 室」 作業担当者( 清掃作業工程 大きなゴミの除去 衛生管理ポイント ・ 箒 を 使 ) 措置・対策 用 ↓ 小さなゴミの除去 ・内壁、床を温湯で下洗いする ↓ 排水溝の蓋等を外す ・ホース使用後、先端が床に ふれないように保管 ・簡単に外せる大きさ ↓ 床に0.5%弱アルカリ洗 ・弱アルカリ洗剤使用 剤を撒く ・5分間放置 ・洗剤の濃度に注意 ↓ 内壁を清掃する ↓ 床をブラッシング ・弱アルカリ洗剤をブラシに付 けて洗う ・デッキブラシ使用 ↓ 流水で流す ↓ ワイパーで水を切る ・ホース使用後、先端が床に ふれない ・温湯を使い壁から床、排水溝 に向けて流す。 ・水溜りなし ↓ 床面に殺菌剤を撒く ↓ ワイパーで水を切る ・次亜塩素酸ナトリウム200ppm 液使用 ・殺菌剤濃度注意、指定場所 で保管 ・水溜りがないこと ↓ 目視チェック・記録 ・汚れがないことを確認 ・再清掃 作 業 台 ① 使用前に、作業台の表面、側面、裏面及び作業台の脚のいずれにも食品等に よる汚れがないことを確認する。 ② 作業台の表面は使用前にアルコール製剤を噴霧し、更にアルコール製剤を含 ませたタオルで拭き取る。 ③ 調理する食品が異なるごとに、作業台を区別するか、又は異なる食品群を調 理する前には、作業台の表面を洗浄殺菌する。 ④ 2 時間以上放置後使用する場合は、使用前に作業台の表面を洗浄殺菌する。 ⑤ 調理する食品群が同一であっても、2 時間ごとに作業台の表面を洗浄殺菌す る。 ⑥ 一日の作業終了後には洗浄殺菌をする。 「 作 業 作 台 業 」 工 作業担当者( 程 衛生管理ポイント ) 措置・対策 ( 作 業 後 ) 作業台周辺を片付ける 水 洗 い ↓ 洗 浄 ↓ す す ぎ ↓ 乾 燥 ・飲用適の流水で洗浄 ・ホースの先端が床面に触れ ・作業台の上から下へ汚れが落 ないように保管する。 ちるように洗う。 ・スポンジタワシ、ブラシは ・スポンジタワシ、ブラシに中 定期的に煮沸消毒等を行い衛 性洗剤、又は弱アルカリ性洗剤 生的に使用する。 をつけて、十分洗う。 ・ホースの先端が床面に触れ ・飲用適の流水で洗剤を十分に ないように保管する。 洗い流す。 ・汚れがあれば再洗浄と消毒 ・汚れが除去されたことを目視 を行う。 検査 ・消毒済タオルは、専用容器 ・乾いたタオルで拭取る にて保管をする。 ・アルコール製剤を噴霧消毒す ↓ る。更にアルコール製剤を含ま せたタオルで拭取る アルコール消毒 ・清潔に保持する。 ↓ 保 「 特 記 事 ・定期的に拭取り検査を実施 する。 管 項 」 1 作業面は床上 60 ㎝以上 2 アルコール製剤使用時には引火に注意をする。