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シグマ8ミリメートル
コンクリート舗 装 における平 たん性 と乗 り心 地 性 能 向 上 対 策 について 大林道路株式会社 東北支店 ○ 佐藤 力 國安 真由子 1、 はじめに 今 回 、磐 城 国 道 事 務 所 発 注 の復 興 支 援 道 路 に位 置 づけされた、相 馬 福 島 道 路 「阿 武 隈 東 道 路 」区 間 の一 部 、松 ヶ房 トンネル L=1319m のセメントコンク リート 舗 装 工 事 の 施 工 にあた り、 平 たん性 と乗 り 心 地 性 能 向 上 対 策 につ いて 工 夫 等 の工 事 報 告 を行 うものである。 2、 工 事 概 要 工事名: 構造規格: 平 成 23 年 度 松 ヶ房 トンネル舗 装 工 事 第 1 種第 3 級 車線数 2 車線 設 計 速 度 80Km/h 縦 断 勾 配 4.0% 工 期 : 平 成 24 年 3 月 28 日 ~平 成 25 年 1 月 9 日 工事内容: コンクリート舗 装 工 (連 続 鉄 筋 コンクリート 厚 さ 25cm 面 積 14,730 ㎡) 管 (函 )渠 型 側 溝 2,597m 中 央 分 離 帯 工 コンクリート防 護 柵 (H=1.0m) 1,299m 道 路 舗 装 の保 証 の試 行 工 事 施 工 直 後 の平 たん性 (σ):指 標 値 1.8mm以 下 3、 コンクリート打 設 機 械 と打 設 日 数 結 果 (連続鉄筋コンクリート舗装は 横目地不要) 図 -1 スリップフォーム工 法 による施 工 フロー 表 -1 使 用 機 械 機 械 名 形 スリップフォームペーバ 式 SP950 能 力 製造会社 2,500~9,500mm 用 途 ヴィルトゲン コンクリート敷 均 し、 (ドイツ製 ) 締 固 め、仕 上 げ コンクリート打 設 日 数 は延 べ 13 日 間 で、 施 工 量 は、左 車 線 で 7 日 間 (施 工 延 長 L=104 ~ 211m/ 日 ) 、 右 車 線 で 6 日 間 (施 工 延 長 L=186~226m/日 )であった。 4、 コンクリート舗 設 後 における平 たん性 の実 測 結 果 コンクリート舗 装 後 の平 たん性 試 験 結 果 は次 表 のとおりである。 写 真 -1 使 用 機 械 (スリップフォームペーバ SP950) 表 ‐2 平 たん性 試 験 結 果 (全 延 長 L=1319m) 平 たん性 (σ) 左車線 右車線 1.30mm 1.14mm 5、 平 たん性 の不 具 合 原 因 と背 景 ・ 開 始 時 は作 業 員 がコンクリート機 械 特 性 、コンクリートの扱 いに慣 れるまで 時 間 を要 する。 ・ 施 工 条 件 ( 現 場 環 境 、気 象 条 件 、縦 横 断 勾 配 、 片 車 線 の車 両 通 行 確 保 ) 他 、多 くの要 因 が複 雑 に影 響 する。 ・ 生 コン の 品 質 が 不 安 定 ( 特 に 開 始 時 ?) 。 プ ラ ン ト から の運 搬 距 離 ( 時 間 ) に よるロス。 ・ 25、28、30cm を一 層 で締 固 め仕 上 げている→フレッシュな状 態 で平 滑 に仕 上 げたものが、水 和 作 用 による硬 化 収 縮 によって硬 化 時 の状 態 が変 化 す る→As 舗 装 のように多 層 施 工 による調 整 は困 難 →生 コンは半 製 品 。 ・ コンクリート舗 装 箇 所 の激 減 →施 工 機 会 の減 →技 術 力 の継 承 が薄 れる(各 社 全 国 展 開 で舗 装 機 械 の 管 理 運 用 が多 い) 6、 平 たん性 向 上 策 と課 題 ・ プラントからの運 搬 距 離 (時 間 )によるロス、供 給 体 制 (連 続 性 )、配 合 、骨 材 種 別 、機 械 編 成 、運 搬 路 の確 保 等 の選 定 など工 夫 を重 ね経 験 を生 かして いる。 ・ ・ 施 工 初 日 の延 長 を短 く設 定 し、コンクリート品 質 、 作 業 の習 熟 、打 設 機 械 の動 作 などの確 認 を行 っている。 設 計 図 書 の条 件 検 討 時 に、施 工 時 期 と工 期 設 定 等 の配 慮 が必 要 。 7、 走 行 試 験 の実 施 今 回 は施 工 者 側 の判 断 で、支 店 長 始 め6名 により高 規 格 道 路 の最 低 速 度 50Km/h と横 断 道 の規 制 速 度 と考 えられる 70Km/h の二 種 類 を 3 回 ずつ 6 回 (片 車 線 ) 右 ・左 車 線 の延 べ 12 回 を実 施 、結 果 3 カ所 の施 工 目 地 前 後 の区 間 の値 箇 所 が全 員 、乗 り心 地 が悪 いと感 じられた。多 少 各 人 の感 じ方 に差 が発 生 はした ものの全 員 一 致 した見 解 であった。また、3 カ所 以 外 でも多 少 の衝 撃 による乗 り心 地 の悪 さは感 じたが、各 人 の見 解 は分 か れ た 。 さ ら に 、 特 に この 3 カ所 に絞 り 前 後 10m の平 たん性 を算 出 すると乗 り心 地 の悪 さを裏 付 ける値 が算 出 された。 表 -3 ジョイント前 後 平 たん性 試 験 結 果 一 覧 表 8、 平 たん性 向 上 と乗 り心 地 性 能 対 策 の検 討 と実 施 ・ 対 策 工 法 -1 コンクリート床 面 切 削 (機 械 的 なカッター切 削 ) ・ 対 策 工 法 -2 コンクリート床 面 研 削 (ショットブラストの類 ) 今 回 は、トンネル内 を考 慮 して、集 塵 機 装 着 のものを使 用 、切 削 と同 時 に切 削 粉 塵 が吸 い込 まれるので粉 塵 飛 散 の心 配 が無 い。また機 械 本 体 が自 走 す るので、切 削 カッターの能 力 を最 大 限 発 揮 し、安 定 した切 削 面 を形 成 できる。 写 真 -2 コンクリート床 面 切 削 状 況 9、対 策 後 の結 果 対 策 補 修 後 に再 度 同 様 に走 行 試 練 を実 施 した。 ・ 左 車 線 の 2 箇 所 は 多 少 の 凹 凸 を 感 じ る 乗 り 心 地 の 悪 さ は有 っ た が、 補 修 前 とははっきりと感 じ方 の改 善 が図 れた。 ・ 右 車 線 の1箇 所 は、補 修 箇 所 表 示 が無 かったら補 修 箇 所 と感 じ無 いくらい、 改 善 効 果 が 上 がり 、 他 の 箇 所 の 凹 凸 が 目 立 つ 程 綺 麗 な 擦 り 付 けの 出 来 映 えに感 じた。同 時 に補 修 後 の平 たん性 の値 を測 定 した結 果 、改 善 された 数 値 が測 定 された。 表 -5 平 たん性 試 験 結 果 一 覧 表 (補 修 後 ) また、平 たん性 から IRI に換 算 した結 果 は次 表 のとおりであった。 表 -6 σから IRI への換 算 左車線 右車線 平 たん性 (σ) 1.30mm 1.14mm IRI 1.97mm/m 1.76mm/m ※相 関 式 IRI=1.33σ+0.24 より 新 設 舗 装 と同 等 のレベル。路 面 の凹 凸 量 は目 立 たない:概 ね IRI=2mm/m。 (良 好 なアスファルト舗 装 面 で IRI=1.4~2.3mm/m 程 度 ) 10、おわりに この様 な結 果 により、完 成 前 各 社 とも走 行 試 験 を実 施 し確 認 行 為 を行 ってはい るも のの、 走 行 試 験 前 後 の平 たん性 の値 の公 表 と結 果 を提 出 されるのは、 東 北 の舗 装 工 事 後 としても初 めての試 みで無 いだろか。 今 回 、当 社 においても常 にコンクリート舗 装 の平 たん性 と乗 り心 地 性 能 に留 意 し ながら施 工 を行 って来 たが、より良 い品 質 で工 事 を安 全 に完 成 納 品 するのは当 然 の 事 で有 る。 コン クリート 舗 装 は長 期 にわたり国 民 の皆 様 の足 元 を支 える 乗 り 心 地 に影 響 を及 ぼす結 果 と成 る。当 社 としては、今 後 ともこの様 な仕 上 げ方 法 を 活 用 して、品 質 の向 上 に努 める様 努 力 してまいりたい。また、当 局 の発 注 機 関 に 置 かれては、コンクリート舗 装 の平 たん性 と、乗 り心 地 性 能 向 上 の方 向 性 を見 出 して頂 ければ幸 いである。