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地理A_3 (PDF:1272KB)
【共通問題】 3 現代世界の結びつきに関して,問 1 ∼問 4 に答えよ。 問 1 さつきさんは,日本と南・北アメリカの主な国との貿易額の変化の特徴について考察する ため,資料 1 と資料 2 を得た。資料 3 はこれらの資料から読み取ったことをまとめたレポー トである。資料 3 中の下線部 1 ∼ 4 のうちから,不適切なものを一つ選べ。 解答番号は 9 。 資料 1 日本と南・北アメリカ大陸の主な国との貿易額(2001 年) カナダ 17,386 メキシコ 7,407 アメリカ合衆国 223,826 210,000 90,000 チリ 3,523 30,000 (億円) 日本へ の輸入 日本から の輸出 (『日本国勢図会 2003/04 年版』により作成) ― 15 ― 2013KN2A-04-016 Ⓐ 資料 2 日本と南・北アメリカ大陸の主な国との貿易額(2011 年) カナダ 17,409 アメリカ合衆国 159,491 210,000 メキシコ 11,314 (2005 年より EPA 発効) 90,000 チリ 9,689 30,000 (2007 年より EPA 発効) (億円) 日本へ の輸入 日本から の輸出 注)EPA とは経済連携協定のことで,モノの他,人の移動,知的財産権の保護,金,サービスなど幅広い分野での連携 で,両国または地域間での親密な関係強化を目指す協定。 (『日本国勢図会 2012/13 年版』により作成) 資料 3 さつきさんのレポート 日本は北米自由貿易協定 (NAFTA)諸国との貿易が活発で,特にアメリカ合衆国との 間の貿易額が多い。NAFTA 諸国との間の貿易については,日本はいずれの国に対し ても,2011 年においては 1 輸入額よりも輸出額が上回っている。2001 年と 2011 年の間 では,日本はカナダとの貿易関係において, 2 輸出超過か輸入超過かについて大きな変 化はない。2011 年までに日本が EPA を締結した国々との貿易額は,2001 年の貿易額 と比較すると 3 いずれも増加している。2001 年と 2011 年では,日本の NAFTA 諸国 との 4 貿易額で増加率が最も高いのは EPA を締結している国である。 ― 16 ― 2013KN2A-04-017 問 2 さつきさんは,日本人の海外旅行の動向について興味をもち,資料 4 ∼資料 7 を得た。こ れらの資料から読み取った文として最も適切なものを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。 解答番号は 10 。 資料 4 新千歳空港発着の定期国際航空路線(2012 年) ユジノサハリンスク ホノルル ペキン ターリエン ソウル プサン シャンハイ タイペイ ホンコン グアム バンコク 週当たり便数 10 便以下 11 便以上∼20 便以下 21 便以上 資料 5 福岡空港発着の定期国際航空路線(2012 年) シェンヤン ペキン テンチン チンタオ ターリエン ソウル プサン ウーハン シャンハイ コワンチョウ ホンコン ハノイ バンコク ホノルル チェジュ島 タイペイ マニラ グアム 週当たり便数 ホーチミン 10 便以下 11 便以上∼20 便以下 21 便以上 シンガポール (新千歳空港ホームページなどにより作成) ― 17 ― 2013KN2A-04-018 資料 7 北海道と福岡県の出国日本人数 資料 6 新千歳空港と福岡空港の出国日本人数 (2011 年) (2011 年) (万人) 100 (万人) 100 80 80 60 60 40 40 20 20 0 新千歳空港 福岡空港 (『観光白書 2012』により作成) 0 北海道 福岡県 (『出入国管理統計年報』により作成) 1 資料 4 と資料 5 から,福岡空港の就航先は新千歳空港と比べて多いが,週当たりの国際 便の発着数全体は,新千歳空港よりも少ない。 2 資料 4 と資料 5 から,新千歳空港の就航先は,すべて福岡空港からも就航している。 3 資料 6 と資料 7 から,福岡空港を利用して出国する日本人は,すべて福岡県の人であ る。 4 資料 6 と資料 7 から,北海道の出国日本人数は,新千歳空港以外を利用する人が新千歳 空港を利用する人とほぼ同程度いる。 ― 18 ― 2013KN2A-04-019 Ⓐ 問 3 さつきさんは,インドにおける携帯電話の普及状況について調べ,資料 8 と資料 9 を得 た。資料 8 中のア,イおよび資料 9 中のA,Bは,いずれもそれぞれが都市部か農村部のい ずれかを示している。これらに関するさつきさんと先生の会話文中の空欄 Y X , に当てはまる記号の組合せとして最も適切なものを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ 選べ。解答番号は 11 。 資料 8 インドにおける都市部と農村部の携帯電話の普及率 (%) 180 160 140 120 100 ア 80 イ 60 40 20 0 2007 2008 2009 2010 2011 (年) 注)普及率が 100 % を超えるのは,インドでは,複数の携帯通信事業者と契約している利用者が多いことによる。 (『モバイル・コミュニケーション 2012 13―ケータイ社会白書』により作成) ― 19 ― 2013KN2A-04-020 資料 9 インドにおける都市部と農村部の携帯電話契約数と携帯電話の契約年間増加率 (億件) 7 (%) 100 90 6 80 5 70 Aの契約数 60 4 Bの契約数 50 Aの契約年間増加率 3 40 Bの契約年間増加率 30 2 20 1 10 0 2007 2008 2009 2010 0 2011 (年) 注)2007 年の増加率はデータなし。 (『モバイル・コミュニケーション 2012 13―ケータイ社会白書』により作成) 先 生:インドでは人口の 7 割近くが農村部に居住しています。農村部に住む人口の 1 割が 1 日 17 ルピー(約 24 円)以下の生活をしているようです。街角で飲むチャ イ(紅茶)1 杯が 10 ルピーと言われていますから,携帯電話の普及率にも都市 部と農村部には大きな格差があるでしょうね。 さつき:そうすると,資料 8 で農村部を示すグラフは X と考えられますね。 先 生:そうですね。2011 年には携帯電話の契約数は国内全体では 8 億件を超え, 72.2 % の普及率となったというけれども,農村部での普及率の向上が今後の 課題とされています。 さつき:だから農村部の契約年間増加率の伸びが目立っていたのですね。資料 9 で農村 部を示すのは Y です。けれども近年では増加率の伸びがそれほど目立た なくなっています。今後都市部と農村部の普及の格差を埋めようとすると課題 がありそうですね。 X Y 1 ア A 2 ア B 3 イ A 4 イ B ― 20 ― 2013KN2A-04-021 Ⓐ 問 4 さつきさんは,日本の海外進出企業の進出先について興味をもち,資料 10 と資料 11 を得 た。資料 11 中のアとイは,資料 10 中のアメリカ合衆国,イギリス,中華人民共和国,タ イ,オーストラリアのうちのいずれかである。これらの資料に関するさつきさんと先生の会 話文中の空欄 X , Y に当てはまる国名の組合せとして最も適切なものを,あと の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は 12 。 資料10 日本の海外進出企業における主な国への派遣者数(2011 年) 人 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 アメリカ合衆国 人 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 イギリス 人 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 凡例 製造業 その他 ― 21 ― 人 12,000 10,000 8,000 6,000 タイ 4,000 2,000 0 オーストラリア 人 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 中華人民共和国 2013KN2A-04-022 Ⓐ 資料11 日本の海外進出企業の業種別割合(2011 年) 中華人民共和国 製造業 鉱業 ア 卸売業・小売業 金融業・保険業 その他 イ 0 20 40 60 80 100 (%) 注)中華人民共和国は,台湾,香港,マカオを含まない。 (『海外進出企業総覧 国別編 2012 年版』により作成) さつき:資料 10 をみると,中華人民共和国に派遣されている従業員の半数以上が製造 業の企業のようですが,これはどうしてでしょうか。 先 生:電気機械や輸送機械などの製造業の場合,日本よりも労働力が安価なので生産 コストをおさえられる上,現地での販売も見込めると期待され,進出企業が多 くなったようです。 さつき:では,資料 11 で中華人民共和国と同様に製造業の企業の比率が半数以上のア は,資料 10 の中では比較的安価な労働力が見込める X ですね。 先 生:先進国は製造業以外の企業が多い国もありますね。資料 11 のイは鉱産資源に 恵まれ日本にも資源を多く輸出しているため,サービス関連業以外に鉱業の企 業の比率が高いのが特徴です。 さつき:そうすると,資料 11 のイは,資料 10 に示された国の中では Y のようで すね。 注)サービス関連業とは,資料 11 中の卸売業・小売業と金融業・保険業のこと。 X Y 1 アメリカ合衆国 イギリス 2 アメリカ合衆国 オーストラリア 3 タイ イギリス 4 タイ オーストラリア ― 22 ― 2013KN2A-04-023 【共通問題】 4 世界の食料・人口問題について,問 1 ∼問 4 に答えよ。 問 1 2011 年に世界人口は 70 億人を超えたが,増加のペースは地域によって異なる。資料 1 は,2011 年の推計人口に応じた大きさで国や地域を表現した地図である。資料 1 から読み 取った文として最も適切なものを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。 解答番号は 13 。 資料 1 世界の人口と増加 イギリス ドイツ ロシア フランス トルコ カナダ イタリア スペイン アメリカ合衆国 エジプト メキシコ マダガスカル ブラジル チリ 南アフリカ共和国 黒点(●)は 1960 年当時の人口を示し, 白点 (○) は 1960 年以降に増加した人口を示している。 1 点は,200 万人を示す。 ― 23 ― 1960 年当時の人口 1960 年以降に増加 した人口 2013KN2A-04-024 1 オーストラリアの人口は,1960 年は約 1,000 万人であったが,2011 年は約 1,200 万人 である。 2 日本は,1960 年に比べて,2011 年は人口が減少していることが分かる。 3 アフリカには,この約 50 年間で,人口が 3 倍以上になった国もあることが分かる。 4 この約 50 年間で見ると,イギリスの人口増加数はイタリアの人口増加数よりも多い。 ロシア 日本 フィリピン インド スリランカ オーストラリア ニュージーランド 注)人口 150 万人未満の国は掲載していない。 (『National Geographic』により作成) ― 24 ― 2013KN2A-04-025 Ⓐ 問 2 資料 2 は,アメリカ合衆国,フランス,スウェーデン,日本の少子化対策について説明 し,資料 3 中のア∼エは,これらの国のそれぞれの合計特殊出生率の推移を示している。資 料 2 を参考にして,資料 3 中のアメリカ合衆国及びフランスに当てはまる記号の組合せとし て最も適切なものを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は 14 。 資料 2 4 か国の少子化対策 ・【アメリカ合衆国】政府による出産や育児に対する全体的な支援は限定的であるが,ヒ スパニックの出生率が高く,1985 年以降は国全体の出生率水準を引き上げている。 ・【フランス】1990 年代前半に最も出生率が落ち込んだが,子どもが多いほど高くなる 家族手当など,各種の優遇を受けられるよう力を入れ,現在では先進国でトップレベ ルにまで回復した。 ・【スウェーデン】育児休業,児童手当などが手厚く,保育サービスも負担が軽減される など充実している。1990 年代にも出生率が低下したが,2000 年頃からは再び回復し ている。 ・【日本】欧州諸国と同様に多様な対策を行ってきたが,合計特殊出生率は低下し続け, 2005 年には 1.26 を記録した。その後は緩やかに回復しているが,少子化に歯止めを かけるほどではない。 資料 3 4 か国の合計特殊出生率の推移 2.4 ア 2.2 イ 2.12 2.00 1.91 2.0 ウ 1.8 エ 1.6 1.4 1.37 1.2 1.0 1970 75 80 85 90 95 2000 05 08(年) 注)合計特殊出生率とは,一人の女性が生涯に産むとされる子どもの数を示す。 (内閣府『子ども・子育て白書 平成 23 年度版』 などにより作成) ― 25 ― 2013KN2A-04-026 アメリカ合衆国 フランス 1 ア ウ 2 ア エ 3 イ ウ 4 イ エ ― 26 ― Ⓐ 2013KN2A-04-027 問 3 資料 4 は,アメリカ合衆国各州における国内移住者の増減率を示したものである。資料 5 と資料 6 は,その傾向を地域別に説明文とグラフで示したものである。資料 5 から中西部 を,資料 6 から南部を選択し,最も適切な組合せを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。 解答番号は 15 。 資料 4 州別にみた国内移住者の増減率(2000∼2008 年の平均) 中西部 北東部 西部 南部 5 ‰ 以上 0 ‰ 以上∼ 5 ‰ 未満 − 5 ‰ 以上∼ 0 ‰ 未満 − 5 ‰ 未満 注)・国内移住者の増減率 (‰)は,(他州からの転入者−他州への転出者)÷地域人口× 1000 で計算したものを示し,外 国からの移住者は含まない。 ・アラスカ州とハワイ州は,西部に含まれる。 (『移住・移民の世界地図』により作成) ― 27 ― 2013KN2A-04-028 Ⓐ 資料 5 中西部と西部いずれかの地域についての説明 Ⅰ アメリカ合衆国内で最大の人口を抱える州の人口は流出しているが,乾燥地域にある 周辺の州ではハイテク産業や航空機産業,娯楽産業などが発展して人口が流入し,地域 全体では微増である。 Ⅱ かつては豊富な資源と労働力を生かして鉄鋼業や自動車関連産業が集中していたが, 近年はこれらの産業が他地域へ移転して人口も流出しており,フロストベルト(スノー ベルト)とも呼ばれる。 資料 6 南部と北東部の国内移住による人口増減数の推移 (万人) 60 50 ア 40 30 20 10 0 −10 −20 −30 イ −40 −50 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 (年) (『移住・移民の世界地図』により作成) 中西部 南部 1 Ⅰ ア 2 Ⅰ イ 3 Ⅱ ア 4 Ⅱ イ ― 28 ― 2013KN2A-04-029 問 4 西アフリカでは慢性的な食料不足が問題となっている地域があり,日本は,この地域にお いて稲作の支援に努めている。資料 7 はこのことを説明したもので,資料 8 はこの地域の稲 作の状況を示したものである。資料 7 中の X 及び資料 8 中の Y , Z てはまる語の最も適切な組合せを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は に当 16 。 資料 7 西アフリカでは増加し続ける人口に対して,干ばつや地域紛争などの影響もあって食 料生産が追いついていない。このため,多くのコメや小麦を X することで食料を 確保してきたが,近年の穀物価格の高騰によって,十分な食料を購入できない人々が急 増している。 ア フ リ カ の た め の 新 し い コ メ 日本は,この地域の食料自給を高めようと,「NERICA (New Rice for Africa)」と呼 ばれるコメの普及に努めている。NERICA は,在来種に比べて,病気に強く成長が早 い上,収量も多いという特長を持っている。また,水田で栽培される水稲の他,畑で栽 培される陸稲など,地域環境に応じて栽培できるように数十種が開発されている。特 に,水田を必要としない陸稲は,高温・乾燥に比較的強いため,河川や湖沼から大量の 水を確保できない地域の食料問題を改善させることができるのではないかという期待が 大きい。 ― 29 ― 2013KN2A-04-030 Ⓐ 資料 8 西アフリカ諸国のコメ生産量と水稲と陸稲の割合(2008 年) 生 産 量 川 ル ー ェ ジ ニ 5 万トン 湖 ド ャ チ 50 万トン 150 万トン ヴォルタ湖 500 万トン 0 1000 km 凡 例 … Y … Z 上図の位置と範囲 … その他 (『世界を救う 7 人の日本人』などにより作成) X Y Z 1 輸入 陸稲 水稲 2 輸入 水稲 陸稲 3 輸出 陸稲 水稲 4 輸出 水稲 陸稲 ― 30 ― 2013KN2A-04-031