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「ままごと」島めぐりライブに心が癒される
「ままごと」島めぐりライブに心が癒される 瀬戸内国際芸術祭の秋会期が始まっています。秋会期は、11 月 4 日までの 1 ヶ月ほどの短い期間です。 春、夏と続いて、小豆島の芸術祭についても、少し知られる ようになってきたのか、秋は訪れる人たちの数が大きく増えた ようです。それよりも、参加していただいたアーティストなど の皆さんがすっかり小豆島ファンになってくれて、何度も島に 足を運んでくれているのが嬉しいです。 そのひとつのグループが劇団「ままごと」です。 「ままごと」 は、春会期に、坂手の街を散歩しながら、お散歩演劇「赤い灯 台、赤い初恋」などを演じました。 私は、島を離れていった初恋の女の子を思い、 「帰ってこいよ」 と、かつてあった赤い灯台に向けて叫ぶ男の子の心情に触れて、 涙が止まりませんでした。 夏には、坂手の遊児老館で、 「日本の大人」という演劇を上 演しました。小学 26 年生という変わった大人が登場しました。 未来の大人と、昔の子どもが、交互に登場する、斬新で、ユー 春会期に行われた お散歩演劇「赤い灯台、赤い初恋」 モラス、どこか切ない物語でした。 この日、その「ままごと」が私の生まれ育った馬木にやって きました。馬木を散歩しながら、 「島めぐりライブ『うたのか けら』 」をやりました。 何をするのだろうと思っていたら、 「星野概念実験室」のメ ンバーと一緒に、馬木・醤 ( ひしお ) の郷を、うたを歌いなが ら散歩するという、素朴なものでした。 「星野概念実験室」とは、精神科医で音楽家の星野概念さん とその仲間たちです。ギター、アコーディオンやラッパ ( コル ネット )、太鼓などのなつかしく、親しみのある楽器を手にし た若いメンバーです。 夏会期に行われた演劇「日本の大人」 ウマキキャンプをスタートして、みんなで歌いながら、醤の 郷を散歩して、 「うたのかけら」をあちこちに残していきました。 途中、正金醤油の醤油蔵があったので、特別に皆さんに醤油 蔵のなかで歌ってもらいました。醤の郷のてっぺんには、今坂 池があります。その土手から醤の郷が一望できます。私の一番 好きな場所のひとつです。その土手で、うたを歌いました。 400 年前、赤穂から塩職人たちが、この地に移住してきまし た。人々は塩づくりをはじめ、やがて醤油づくりをはじめまし た。今も、杉桶の醤油づくりは、細々ながら続いています。瀬 戸内国際芸術祭は、400 年続くこの地域に、新しい力を創り出 そうとしています。 「ままごと+星野概念実験室」と歌いながら、醤の郷を散歩 島めぐりライブ『うたのかけら』 スタート地点のウマキキャンプ することが、どうして、私の心をここまで癒してくれるのか、 よくわかりません。歌と、演劇と、醤の郷の風景と、人々の人 情と、秋晴れの青空と、さわやかな風のすべてが、みんな、私 の心を癒してくれました。 翌々日の坂手エリアの島めぐりライブにも参加しました。わ れながら、よほど、気に入ったものと思います。 (平成 25 年 10 月 16 日) 正金醤油の醤油蔵での演奏 馬木にある散策路の花畑でも 演奏しました 今坂池から望む醤の郷 翌々日の坂手エリアでの 演奏にも参加しました 醤の郷のてっぺんの今坂池での演奏 ゴール地点の馬木山吉邸での演奏