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SAP Replication Server 概要 November, 2015 SAP Replication Serverとは? ネットワークで結ばれた異なるデータベースインスタンス間でデータを 非同期で複写するソフトウェアです 整合性を保証するトランザクションベースの複写 Replication Server では、データイメージやデータベースの行ではなく、トランザクションログの転 送を行います。よって、複製されたデータベースのトランザクションの整合性が維持されます。 データサーバやネットワークに負荷をかけないアーキテクチャ Replication Server は、データサーバとは別プロセスとして実行されるため、データサーバのパ フォーマンスに何ら影響を及ぼしません。また、データイメージではなくトランザクションログの 転送を行うため、ネットワークトラフィックを抑制することができます。 レプリケートデータサーバへの確実な配信を保障 プライマリデータサーバで発生したトランザクションは、ストア&フォワード形式で Replication Server の永続キューに格納された後、レプリケートデータサーバに確実に配信されます。よって、 複写環境内の何れかのサーバやネットワークに障害が発生した場合でも、トランザクションが失わ れることはありません。 異種データベース間でのレプリケーションのサポート Replication Server は、RDBMS としてサイベース以外にSAP HANA、Oracle、IBM DB2、 Microsoft SQL Server をサポートしており、異種混在環境での複写をサポートしています。データ 型はレプリケートデータサーバに合わせて自動的に変換されます。 © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 2 データを複写する目的 集中化されたデータベースの欠点 処理目的の混同によるトランザクションの遅延 大量なユーザアクセスによるボトルネック サーバ障害、ネットワーク障害による全業務停止 Replicationとは特定のデータの複写をおこない 分散データベース環境を構 築するための手法です。 データ整合性、一貫性は維持しなければなりません © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 3 SAP Replication Serverのコンポーネント ① ① ② ③ ④ ネットワーク 複写元 データベース SAP ASE Replication Agent スレッド 複写先 Replication Server 複写先 データベース SAP ASE ① 複写元データベース (SAP ASE) • データ変更オペレーション(トランザクション)が実施され、複写情報が取り出されるデータベース。 ② Replication Agent スレッド スレッドは複写元 DB から定期的に更新ログを抽出し、Replication Server へ転送 します。SAP ASE の製品自体に組み込まれています。 • Replication Agent ③ Replication Server • 更新ログをプライマリデータベースから受け取り、レプリケートデータベースに配信するサーバ製品 です。受信した更新ログの情報を基に複写トランザクションを生成し、レプリケートデータベースに 適用します。 ④ 複写先データベース (SAP ASE) • Replication Server から受け取った、複写トランザクションを適用するデータベースです。 © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 4 SAP Replication Server のコンポーネント ② ① ② ③ ③ ④ ⑤ ネットワーク 複写元 データベース Replication Agent 複写元 Replication Server Express/Direct 複写先 複写先 Connect データベース Replication Server ① 複写元データベース • データ変更オペレーション(トランザクション)が実施され、複写情報が取り出されるデータベース。 ② Replication Agent • 複写元 DB に ASE 以外を使用する場合に必要となります。Replication Agent は複写元 DB から定期 的に更新ログを抽出し、Replication Server へ転送します。 ③ Replication Server • 更新ログをプライマリデータベースから受け取り、レプリケートデータベースに配信するサーバ製品 です。受信した更新ログの情報を基に複写トランザクションを生成し、レプリケートデータベースに 適用します。 ④ ExpressConnect/DirectConnect 以外のレプリケートデータベースを使用する場合に必要となります。このコンポーネント は ODBC またはネイティブプロトコルで接続し、Replication Server から受信した複写トランザクショ ンを適用します。 • Sybase ⑤ 複写先データベース • Replication Server から受け取った、複写トランザクションを適用するデータベースです。 © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 5 SAP Replication Serverの基本動作 1. アプリケーションがプライマリ DB を更新します 2. プライマリ DB の更新情報がトランザクションログに記録されます 3. Replication Agent がプライマリ DB のログを読み取り、Replication Server に転送します 4. Replication Server がコミットされたトランザクションを各サイトに転送します 5. Replication Server がターゲットのデータベースを更新します。 6. Sybase以外のデータベースの場合、DirectConnect・ExpressConnectを経由して更新します PRIMARY SITE 1 2 REMOTE/SECONDARY SITES 5 NOTE: 他社データベース用 Rep Agent と Connectコンポーネント は、Sybase 以外のデータベースと連携する場合に必 要です SAP Sybase データベース SAP ASE SAP Sybase IQ 各データベースサーバ用 Replication Agent 4 3 クライアント アプリケーション プライマリデータベース SAP ASE Oracle Microsoft SQL Server IBM DB2 © 2015 SAP SE. All rights reserved. WAN/LAN Replication Server 各データベースサーバ向け 6 Connectコンポーネント SAP HANA Oracle Microsoft DB2 Public 6 SAP Replication Server の適用シーン データの分散と集約 – 各拠点に分散したデータを、中央データベースに収集することができます – 中央データベースの更新を一括して同時に各拠点に配信することができます – データ分散 or データ集約を行い、システム全体のパフォーマンスアップを目指します。 高可用性/災害対策 (HA/DR) – 地域災害における業務の継続性の維持を担保することができます – 不測の事態だけでなく、H/W, S/W等の保守などで計画停止が必要な場合にも連続稼動 することが可能になります マイグレーション対策/システムの保守 異なるデータベース間の複写も可能なため、DBマイグレーションに有効です。 – 定期的な保守等によりDBの停止が必要な場合に使用するセカンダリDBを装備できます。 – リアルタイム・レポーティング環境の構築 既存の業務システムからデータを複写し、レポート用のデータベースを構築すること で、データベースの負荷を分散します – 業務の分析をリアルタイムで行うことが可能になります – 他社DBのデータをASEと共にViewを作ったり、ASEのデータを他社DBに渡せます。 – © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 7 データの分散と集約 異なるシステム間にデータ を分散、データの一貫性を 保証します 各拠点のデータを中央に集 約することが可能です 双方向でのデータ複写も可 能です 転送データが最終的にコ ミットされるまでキューに 保存され、データ配信が 保証されます 変更データの複写自体も暗 号化可能です 支店販売データ CRM-売上、顧客、経理情報 Dealers Replication Replication データベース Server データベース Server Replication Replication データベース Server データベース Server 本社統合システム Replication データベース Server © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 8 高可用性/災害対策 (HA/DR) BCP(業務継続計画)の基本機能を構成します 既存システムへの影響は最小限です 不測の障害に対応します • • S/W、H/W障害 ネットワーク、電源等のインフラ障害 Client 自然災害対策として • • • レプリカサイトの地理的な制限はありません 業務再開までの時間を短縮します バックアップとして作用します 東京本社 札幌支社 OFF LINE Replication Server PRIMARY DATACENTER © 2015 SAP SE. All rights reserved. SECONDARY DATACENTER Public 9 マイグレーション対策/システムの保守 システムのバージョンアップに際して、新しいシステムをあらかじめ構築し、 切り替え直前までのデータを Replication Server により複写、新しいバー ジョンの安定稼動が確認できたところでユーザアプリケーションの接続先を切 り替えることでダウンタイム・ゼロを目指します。 定期的な保守等により停止が必要な場合も同様です。 – S/W, H/W, OS等のアップグレード/マイグレーション – システムの正常稼動のためのメンテナンス作業 – パフォーマンスチューニング等 旧バージョンシステム Client サーバー情報の切り替え 新バージョンシステム 切り替え直前までのデータを複写 © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 10 リアルタイム・レポーティング環境の構築 既存の業務システムからレポーティングや分析処理をレポーティング用DBに オフロード 業務システムで発生したデータをレポーティング用DBにリアルタイムで反映 業務システムの負荷を最適化 夜間バッチによるデータ反映処理は不要 最新のデータを使用した鮮度の高い分析/レポーティング環境を提供 業務システム OLTP DB © 2015 SAP SE. All rights reserved. 分析/レポーティング Replication Server Replication レポーティング用DB Server Public 11 同期システムと非同期システムの違い データベースシステムの複写には2種類ありますが、 SAP Replication Server は用途と仕様に合わせて何れにも対応可能です。 同期システム • あらゆる状況下において、複数のデータベース内の情報が完全に一致しています • 2フェーズコミットにより実現します • 各種リソースに対する高い要求基準があります (特に遅延時間がクリティカル) • 全てのノードが稼働している必要があります 非同期システム • プライマリが更新され、その次にレプリカが更新されます • ある時点で2つのデータベースに差が存在している場合があります • 汎用的な機器で構成が可能です • 距離に制限がありません • レプリカが停止していても、プライマリは処理を続けることが可能です • 遅延時間の保証は困難で、主に同期のための経路の能力に依存します © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 12 Replication Serverの構成例 主な用語 ASE SAP Adaptive Server Enterprise REP SAP Replication Server RAT Replication Agent Thread プライマリ 最初に更新されるテーブルを持つ側の接頭語です。 レプリカ(レプリケート) プライマリのデータの転送を受けて、更新されるテーブルを持 つ側の接頭語です。 ウォーム・スタンバイ レプリカ・データベースがオンラインであるスタンバイシステム Multi-Site Availability (MSA) データベース単位の複写定義およびサブスクリプションによって 定義されます © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 14 SAP Replication Server の構成例 ① 基本の Replication 構成 用途 • 負荷分散 • データ保護 特徴 • プライマリは1つです • レプリカは1つ以上が可能です Rep Agent(スレッド) プライマリ データベースサーバ レプリケート Replication Server データベースサーバ (複数も可) © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 15 SAP Replication Server の構成例 ② 双方向レプリケーション 用途 拠点間のデータ同期 • 特徴 • プライマリが2つ以上です • 同じレコードを異なるサイトで更新しない事で整合性を維持します Rep Agent (スレッド) Rep Agent (スレッド) プライマリ/レプリケート データベースサーバ © 2015 SAP SE. All rights reserved. Replication Server プライマリ/レプリケート データベースサーバ (複数も可) Public 16 SAP Replication Server の構成例 ③ ウオームスタンバイ 用途 • Disaster Recovery (災害対策)用途 • 24x365システム 特徴 • 1対(2ノード)で構成されます • プライマリを入れ替えることで複写の方向を変えることができます • スタンバイは起動しているので、起動時の障害を回避する事ができます Rep Agent (スレッド) Rep Agent (スレッド) プライマリ(アクティブ) データベースサーバ © 2015 SAP SE. All rights reserved. ウォームスタンバイ Replication Server データベースサーバ Public 17 その他 Replication Server で可能な機能 データベース単位の複写 テーブル単位の複写 テーブルのカラムの値によっての転送可否判断 特定のカラムのみ転送 暗号化データの転送 レプリカサイトによって転送するデータを変える DDLの複写 ストアドプロシージャの複写(プロシージャの影響によるデータの転送なし) レプリケーションサーバの階層化 1対多、多対1 のレプリケーション構成 © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 18 Replication Server (統合後のイノベーションの歴史) 最新のSAP Replication Server 15.7 SP300 での新機能。 ビッグデータへのレプリケーション ( Hadoop/HIVE 対応) クラウドインテグレーション ・SAPクラウドへのレプリケーション ( HCP PaaS 用API ) ・カスタムアプリケーション用サービス ( IaaSプロバイダー向け) SAP Replication Server での HA対応 Amazon AWS対応(動作確認) Data Servicesとの連携強化 ・リアルタイム CDC (Changed Data Capture) ・ハイパフォーマンス ・複雑なデータ変換・データ品質の管理 同期レプリケーション機能の提供によるZero Data Loss (ZDL)複写処理 © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 19 SAP Replication Server ライセンス概要 (販売製品) 2015年からのライセンス販売方式であるASPE (Adaptive Server Platform Edition:詳細は次のスライド)となり、SAP Replication Server Premium Editionが1コンポーネントとしてライセンスされます。 • 下記のSAP DBがサポートされます。 • SAP以外の異種DBも1つのオプション製品 “Replication Option for 3rd Party DB”でサポートされま す。 ソースDB SAP ASE SAP HANA SAP Replication Server, Premium Edition #7018421 SRS Base Server SAP Adaptive Server Platform, Replication Option for 3 rd Party Databases #7018422 ターゲットDB SAP ASE SAP IQ Advanced Services Data assurance Oracle DB SAP HANA Data Services Hadoop IBM DB Target Systems MSFT DB DSでサポートさ れる全てのター ゲットスステム ソースおよびター ゲットに使用可能 ライセンス価格はお問い合わせ下さい。 © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 20 Replication Serverのライセンスは ASPEへシンプル化 SAP Adaptive Server Platform Editionに含まれるライセンス (永久ライセンス:マテリアル #7018421) ASE 含まれるオプション Sec and Dir Services Partitions Replication 含まれるオプション Premium Edition ASE Source/Target IQ 7018056 or HANA Target Compression IQ Target Encryption SAP Data Services Target or 含まれるオプション Advanced Security VLDB Mgt 1ライセンスで運用稼働できるのは、上記の3製品中、いずれか1製品の1コアです。 お客様はライセンスを「ある製品から別の製品に自由に変更すること」ができます。 (Service Market Placeでライセンスファイルの再作成・再適用するだけです) (開発用・スタンバイ用の非稼働ライセンスは3製品共無制限に作成可能です) 注)現在、旧Sybase契約に基づくDistributor経由の販売・OEM契約については、ライセンスポリシー、カウント方法、単価が異なる場合があります。 © 2015 SAP SE. All rights reserved. Public 21 © 2015 SAP SE. All rights reserved. No part of this publication may be reproduced or transmitted in any form or for any purpose without the express permission of SAP AG. The information contained herein may be changed without prior notice. Some software products marketed by SAP AG and its distributors contain proprietary software components of other software vendors. National product specifications may vary. These materials are provided by SAP AG and its affiliated companies ("SAP Group") for informational purposes only, without representation or warranty of any kind, and SAP Group shall not be liable for errors or omissions with respect to the materials. The only warranties for SAP Group products and services are those that are set forth in the express warranty statements accompanying such products and services, if any. Nothing herein should be construed as constituting an additional warranty. SAP and other SAP products and services mentioned herein as well as their respective logos are trademarks or registered trademarks of SAP AG in Germany and other countries. Please see http://www.sap.com/corporate-en/legal/copyright/index.epx#trademark for additional trademark information and notices. © 2015 SAP SE. 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