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三井化学株式会社 - Microsoft

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三井化学株式会社 - Microsoft
SQL Server®、SAP® ERP
導入事例
三井化学株式会社
2TB のデータベースを要する SAP R/3 4.6 の
アップグレード & マイグレーションを
“実質作業時間 3 日間”という短時間で完了
化学産業の立場から、 人と社会、さらに地球の環境を見つめ、 革新的な技術と素材、およ
び新しい機能を持った製品を広く社会に提供している三井化学株式会社。
幅広く事業を展開する同社では、長く SAP R/3 4.6C を利用してきましたが、2009 年にハー
ドウェア、ソフトウェアともに保守切れを迎えることを契機として、SAP ERP 6.0 へのアップ
グレードを計画。このプロジェクトを単なるテクニカル アップグレードに終わらせるのではなく、
長期的なメリットを生み出す“付加価値”を求めてプラットフォームの比較検討を実施。その
結果、ハードウェア コストの削減や、将来的な新技術への対応、そして他社事例に見る稼働
実績などを背景として、2TB のデータベースを擁する SAP システムを Windows ® プラット
フォームへ移行させることが決定されました。そして、2009 年 8 月。 事前の計画通り、実質
的な作業時間は約 3 日間というスムーズな移行を実現しています。
〈ソリューション概要〉
♦ ユーザー
: 三井化学株式会社
本社所在地
: 東京都港区東新橋一丁目 5 番 2 号 汐留シティセンター
設立
: 1997 年 10 月 1 日(設立年月日 1955 年 7 月 1 日)
代表取締役社長 : 田中 稔一
資本金
: 1,250 億 5300 万円(2009 年 12 月 16 日現在)
従業員数
: 連結 12,964 人(2009 年 3 月 31 日現在)
事業内容
: 石 化 事 業、 基 礎 化 学 品 事 業、ウレタン事 業、 機 能 樹 脂 事 業、
加工品事業、機能化学品事業
♦ システム概要
SAP R/3 4.6C から SAP ERP 6.0 へのアップグレードに併せて、OS を HP-UX から
Windows へ。データベースを Oracle から SQL Server へ移行。
♦ マイクロソフト製品・サービス
Microsoft ® Windows Server ® 2003
Microsoft ® SQL Server ® 2005
♦ システム導入のメリット
・ サーバー保守料を約 30% 削減
・ CPU 数削減によるライセンス数削減
・ 平均データベース リクエスト時間が、参照時で 16% UP、更新時で 20% UP
TIS 株式会社
産業事業統括本部
ビジネスシステムコンサルティング事業部
三井化学株式会社
エンタープライズリソース
システム部
三井化学株式会社
マネジメント第 2 部 統括マネージャー
システムグループリーダー
システム部 主席部員
エグゼクティブコンサルタント
木村 博 氏
影下 敏夫 氏
伊藤 健 氏
長期的なメリットを求めて
プラットフォーム移行を決断
は共に満足のいくものでした」
このプラットフォーム移 行に際して、 三 井 化 学が 期 待した主なメ
リットは「 将 来 性 」と「コスト」 に関するものでした。 下 記は、そ
三 井 化 学 株 式 会 社 ( 以 下、 三 井 化 学 ) は、1997 年 10 月
に三 井 石 油 化 学 工 業と三 井 東 圧 化 学が、 合 併して発 足した化 学
の主なポイントになります。
■将来性について
メーカーです。
W i n d o w s 系サーバーの方が C P U 性 能 向 上や仮 想 化など
2007 年に発 足 10 周 年を迎えた同 社では、 以 降 10 ~ 15
の新技術を享受しやすい。
年 間の成 長を目指すための長 期ビジョン「グランドデザイン」を策
U N I X では O S とハ ード ベンダーが 固 定 化されているが、
定。 三 井 化 学グループとして、「 経 済 」・「 環 境 」・「 社 会 」 の 3
Windows であればハードの選択肢が広がる。
つを軸としてバランスのとれた経 営を実 現し、 持 続 的に発 展できる
■コストについて
企業を目指し、取り組みを続けています。
一 般 的に W i n d o w s 系サーバーの方がハードウェア / ソフト
同 社 が 基 幹 業 務システ ム に S A P を 導 入した 歴 史 は 古く、
ウェアの保守料を抑えられる。
2001 年 4 月に本 格 稼 働を開 始して以 来、S A P R /3 4.6C を
一般的に U N I X 技術者よりも、W i n d o w s 技術者の方が集
活用し続けてきました。しかし、2009 年末にソフトウェア、ハード
ウェア共に保守切れを迎えることとなり、S A P E R P 6.0 へのアッ
まりやすく、コストも抑えられる傾向にある。
「 ハードについては、W i n d o w s であっても、信頼性の高いハード
プグレードが決定。
を求めていけば、 今までと同 程 度の初 期コストがかかることが 分か
しかし同 社では、このアップグレード プロジェクトを「 単なるテク
りました。しかし、 保 守 料は下げることができています。 そもそも、
ニカル アップグレードとしては終わらせたくなかった」と、三井化学
私たちにとっても U N I X の技 術 者を集める方がハードルは高いで
システム部 システムグループリーダー 木村博氏は振り返ります。
すからね」と木村氏は笑顔を覗かせます。
「アップグレードを行ったときのメリットは何だろう、と考えました。
ただ単に『 期限が来たのでアップグレードします』というのでは、シ
ステムを利用するユーザーにとって、何のメリットもありませんよね。
そこで、このプロジェクトを行うにあたって、 何かメリットを得るこ
とができないかと考えました」
他社事例を直接見学し、製品への
懸念が「過去のもの」であると確信
こうした前提に立って、ベンダー各社からの提案を詳細に検討し
W i n d o w s プラットフォームに対する懸 念は、
「 過 去の話だった」
た三井化学が選択したのが、H P - U X + O r a c l e を利用していた
と影 下 氏は言います。
環境から、W i n d o w s S e r v e r 2003 + S Q L S e r v e r 2005 環
「プラットフォーム移 行に際しては、やはり弊 社 規 模 以 上での実
境へと移行することでした。
績が 限られていたため、 弊 社 の 倍 以 上 の 規 模を有する某 社 に、
決定に至ったポイントについて、三井化学株式会社 システム部
直 接ヒアリングに伺いました。
主席部員 影下敏夫氏は次のように振り返ります。
そこで伺った話からも、 W i n d o w s S e r v e r のメモリー リークや
「 私たちとしては、現在の W i n d o w s プラットフォームについて、
S Q L S e r v e r のロック機 構といった大きな問 題は 3 2b i t 時 代の
技 術 的な意 味では特に心 配していませんでした。それよりもむしろ
『 マイクロソフトの 基 幹システムに対するサポート体 制がどれだけ
過 去の製 品の話であり、 6 4 b i t 対 応が進んでからは解 消されてい
ると判 断しました」
整っているのか? 基幹システムをサポートできる能力・実績はある
しかしプラットフォーム移 行に関する懸 念がまったくなかったわけ
のか?』という疑問の方が強かったです。
ではありません。 木 村 氏は「データベースの変 更によって、パフォー
しかし、それは杞 憂でした。 実 際には他 社の基 幹 業 務システム
マンスに影 響が出るのではないかという心 配もありましたが、しかし、
移 行 ―― 弊 社の何 倍もあるような規 模のシステムが 稼 働している
方 針を変 更するほどのことでもなかった」と話します。
実 例なども揃っていて、 営 業の方からも非 常に心 強い支 援の約 束
「 当 社 の S A P R / 3 では、 特 に 管 理 会 計 に 関して、メッシュ
をいただけました。そうした要 素も含めて決 定に至りました。 事 実、
を非 常 に 細 かくして、 複 雑 な 計 算を行っています。 そのため、
プロジェクト期 間 中および 本 番 稼 動 後 のサポート体 制および 内 容
O r a c l e にも何 度も細かいチューニングを行い、パフォーマンスを
ド & マイグレーションさせるために、マルチベンダー体 制によって
TIS 株式会社
産業事業統括本部
ビジネスシステムコンサルティング事業部
エンタープライズリソースマネジメント
プロジェクトが進められました。
【プロジェクト参 加メンバー】
TIS 株式会社 ( 以下、TIS)
第 2 部 シニアコンサルタント
リアルテックジャパン株 式 会 社 ( 以 下 、リアルテック )
田村 貴志 氏
富士通株式会社 ( 以下、富士通 )
マイクロソフト株 式 会 社
「 本 当は、 1 社にまとめてお願いする方が 運 営はしやすいのです
が 」と、 前 置きしつつ影 下 氏は次のように説 明します。
「TIS さんは、RFP に対する QCD (Quality、Cost、Delivery) が、
最適化して運用してきたという経 緯があります。
非 常に高い基 準で満たされていましたので、 S A P 領 域のプロジェ
これを S Q L S e r v e r に変 更するとどう変わってしまうのか? もし
クト マネジメントをお願いしました。さらに、 T I S さんは当 社のシス
かすると計 算が追いつかず、 翌 営 業日の業 務 時 間にまで食い込ん
テムの 運 用 保 守を担 当されていて、 お 付き合いも長いですから、
でしまうのではないかと懸 念もしたのですが、 実 際にはそこまでのこ
当 社の業 務を理 解していただけているということも、 大きなポイント
とは起きなかったですね。
になっています。 特に今 回のようなマルチベンダー方 式でプロジェ
データベース移 行 後は、『 部 分 的に速くなったところもあるし、 遅く
クトを行う際には、 業 者さん同 士で見 合ってしまうことが起きる可 能
なったところもある』という状 況です。 想 定した範 囲内の結 果が得
性もあります。 T I S さんならば、そうした隙 間を埋めてくださるので
られた、というところです」
はないかという期 待もありました」
影下氏もこの点について、「 S Q L S e r v e r について今の話のよう
さらに、マイグレーションの作 業に関しては「リアルテックさんを完
な懸念点もありましたが、しかし W i n d o w s S e r v e r に変 更するな
全に信 頼して任せていました」と木 村 氏は話します。
らば、データベースと O S の親 和 性を考える方が自然でしょう。 や
ハードウェアに関しては、 富 士 通 製 品の品 質を高く評 価し、I A
はり信 頼 性 ―― 安 定 稼 働を実 現することが 第 一です。 O S との
サーバーとして P R I M E Q U E S T 、ストレージは E T E R N U S をそ
連 携に何らかの不 安 要 素があってはいけませんし、 万 一トラブルが
れぞれ採 用しています。
起きた際にも責 任の切り分けが 明 確である方がいい。 だからこそ、
また、マイクロソフトについても「 S A P さんの分までサポートい
Windows Server と Oracle の組み合わせを採用するということ
ただいた印 象です。 正 直 、ここまでサポートがしっかりしているとは
は考えていませんでした」と、 声を揃えます。
思っていませんでした」と、 影 下 氏は振り返ります。
そしてもう一 点。 長 期にわたって運 用を続けてきた S A P システ
こうして、 バージョンアップ & マイグレーションに 関 する経 験
ムを U N I X から W i n d o w s プラットフォームに移 行するにあたり、
と実 績が 豊 富なベンダーによるチームを編 成した三 井 化 学では、
懸念となるのが、シェルのコンバージョンです。
2 0 0 9 年 8 月 1 3 日から 8 月 1 6 日のわずか 4 日間 ( 実 質 作
本プロジェクトの入 札が行われる前に行われたアセスメントでは、
業 時 間 約 3 日間 ) で本 番 移 行を完 了させるスケジュールを組ん
当初 「 千数百本 」という数 字も挙げられていましたが、それは「 重
で、プロジェクトを進 行させていきました。
複しているものや、もう不 要なものなど、いわゆる“ゴミ”を分 別す
事 前に周 到なリハーサルを繰り返したこともあり、「 本 番 移 行は
る前の数 字ですね。 実 際に移 行したのは 1 2 0 ~ 1 3 0 本 程 度 。
スムーズでした。 多くの 人がかかわるプロジェクトなので、 手 順、
シェルをバッチに書き直すという作 業はなるべく避けて、 新しく作る
手 続きを苦 労した割には、 本 番が非 常にさらっと終わった印 象です
方向で割り切って整理していきました。
ね」と木 村 氏は振り返ります。
このシェルも含めて不 要 資 産の整 理をいつかやりたいとは思ってい
ましたから、 今 回のプラットフォーム移 行は、良いきっかけにもなり
ました」と影下氏は説明します。
信頼できるチーム編成により
確実な移行を実施
三井化学の SAP R/3 4.6C 使用における目安の指標は以下
の通りです。
2TB データベースを
19 時間 40 分で移行
この本 番 移 行に際しては、 2 T B のデータベースを、 O r a c l e か
ら S Q L S e r v e r に、わずか 1 9 時 間 4 0 分で移 行(インポート)
完了させました。
「リアルテックさんが、そこは非 常にこだわって、 細かく詰められて
いましたね。リハーサルを行う度に時 間が短 縮されていましたから。
シングル インスタンス・シングル クライアント構 成
本 当に心 強い限りでした。
ダイアログ ステップ数 : 4 2 0 , 0 0 0 ステップ / 日
こういうパートナーを連れてきてくれたことも、 T I S さんにマネジメン
データベース サイズ : 2 T B
トをお願いして良かった点になります」 ( 影 下 氏 )
稼動ジョブ数 : 14,000 ジョブ / 日
また、 T I S が 持 つ S A P に 関する深 い 知 識と、 数 多くの S A P
これだけの規 模の S A P システムを円 滑 、 迅 速にアップグレー
関 連のプロジェクト経 験がプラスに働いた好 例として挙げられるの
が、「 意 外と細かいところで違いが 数 多く見つかり、 苦 労も多かっ
ダイアログ : 16% UP
た」と木 村 氏が振り返る、 S A P E R P 6 . 0 へのアップグレードに
アップデート : 27% UP
伴うアドオン アプリケーションの修 正 作 業でした。
バッチ : 35% UP
・ピークダイアログ時間の平均応答時間 : 25% UP
T I S 産業事業統括 本 部 ビジネスシステムコンサルティング事 業
部 エンタープライズリソースマネジメント第 2 部 統 括マネージャー
●平均データベース リクエスト時間
エグゼクティブコンサルタントである伊 藤 健 氏は次のように振り返り
参照時 : 16% UP
ます。
更新時 : 20% UP
「 Windows Serv e r や S Q L S e r v e r に対する心 配はありませ
影下氏は言います。
んでしたが、S A P 側はバージョンアップによりアドオンだけではな
「サーバー ハードウェアも変わりましたので、単純に SQL Server
く、 標 準のプログラムも影 響を受けるため、 十 分なテストは欠かせ
を褒めることはできませんが、全体として、パフォーマンスが向上して
ません。プロジェクト全 体の期 間とコストが決まっている中で、テス
いることは確かです。
ト工 数を押さえながら、 同 時に必 要な品 質は満たしていく必 要があ
しかし、一部の処理においてパフォーマンスが悪くなるという現象も
ります。
出てしまいました。 幸い、業務に致命的な影響はなく、原因もわかっ
その点、 三 井 化 学 様のシステム利 用 状 況を分 析し『どこをどれだ
ているので改善策を実施している最中です」
けテストすれば品 質 的に合 格とするか』という評 価 基 準 ――これは
さらに影下氏は、SQL Server の採用理由は「パフォーマンスだけ
T I S からお客 様に提 案し、お客 様と議 論を重ねましたが、そうした
ではない」と強調します。
見 極めを行いながら、バランスの取れたテストにより高い品 質を確
「S A P がプラットフォーム非依存のアーキテクチャであることを考え
保できたのは良かったですね」
ると、U N I X でなければならないとか O r a c l e でなければならないとい
こうして、 苦 労 を 伴 った ア プリケ ーション の テ ストで す が、
う理由はありません。ランニング費用も含めて長期的な総コストで決め
W i n d o w s プラットフォームへの移 行が影 響したという事 実は「な
ればいいことだと思います。
かった」と、皆声を揃えます。
冒頭にも述べさせていただいた通り、Windows 化することで、サー
「 O r a c l e から S Q L S e r v e r に変わることで、パフォーマンス
バーの保守料が抑えられ、技術者の確保が容易になるのであれば、
を確 認するテストは行いましたが、これは単に O r a c l e のバージョ
その方が好ましいのは当然です。
ンが 変わるだけでも、 避けられないテストです。 ですから、 S Q L
事実、当社でもサーバー保守料を約 30% 削減できたという試算
S e r v e r に変わるから特 別に何か苦 労した、ということはないです
結果が出ています。
ね」 ( 木村氏 )
こうしたコスト メリットが あれば、 ほか のシステム に おいても
W i n d o w s プラットフォームへの移行を展開・推進していきたいと考え
データベースの平均リクエスト時間が
参照時 16%、更新時で 20% 向上
ています」
木村氏も「今回のプロジェクトでは、TIS さんを中心としたベンダー
間の連携もスムーズで、マイクロソフトさんにも、期待以上のサポート
三井化学の SAP システムが Windows プラットフォームに移行を
をいただき、非常に安心して進めることができました」と笑顔をのぞか
完了してから、まだ 1 年も経過していません。
せます。
SQL Server のチューニングは今後も続けられていくことになります
「 今 回 は 実 績を 考 慮して、W i n d o w s S e r v e r 2003 と SQL
が、パフォーマンスの変化が下記の通り計測されていると言います。
Server 2005 の組み合わせを選択しましたが、今後は、Windows
■パフォーマンス ( 更新前後の Early Watch Alert を比較 )
Server 2008 と SQL Server 2008 の組み合わせにも挑戦してい
きたいと考えています。
●平均応答時間
その際には、またぜひ支援をお願いしたいですね」(木村氏)
・タスクタイプ別
最新情報は、http://www.microsoft.com/japan/business/sap/ をご参照ください。
● Microsoft、SQL Server、Windows、Windows Server は米国 Microsoft Corporationおよび、
またはその関連会社の商標です。● その他記載されている、会社名、製品名、
ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。
● このカタログの内容は 2010 年 5 月現在のものです。予告なく内容が変更される可能性がありますのでご了承ください。
製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。
■ インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/japan/
■ マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755 (9:30 〜 12:00、
13:00 〜 19:00 土日祝日、弊社指定休業日を除く) ※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。
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