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被害者支援の理解のために
犯罪や交通事故の被害者及びその家族又は遺族(以下「犯罪被害者等」という。)が被害を回復 し、再び地域で平穏に過ごせるようになるためには、地域の皆さんの理解と配慮、それに基づく協 力が必要になります。 秋田県警察では、県民のみなさまに犯罪被害者支援への理解を深めていただくため、関係機関と 協力し、さまざまな広報啓発活動を行っています。 ○● このような取り組みをしています ●○ 命の大切さ学習教室 犯罪被害者等の講演を通じ、子供を亡くし 犯罪被害を考える日(6月 30 日) (公社)秋田被害者支援センターや犯罪被害 た親の思いや家族の絆、命の大切さなどへの 者支援大学生ボランティアとともに、犯罪被害 理解を深めています。 者支援への理解を呼びかけています。 犯罪被害者週間 (毎年 11 月 25 日~12 月1日) 犯罪被害者いのちのパネル展 犯罪被害者週間「県民のつどい」の開催等 を通じ、犯罪被害者の置かれている状況を周 知しています。 世界道路交通犠牲者の日 秋田県警察では、犯罪被害者等に配慮し協力する気持ちを育み、規範意識の向上を図ることを 目的に、県内の小学校・中学校・高等学校で「命の大切さ学習教室」を開催しています。 交通事故や殺人事件でお子さんを亡くされた遺族が学校で講演を行い、犯罪被害者等が受けた 様々な「痛み」、家族の絆や命の大切さ、さらには、犯罪の起こりにくい社会を希求する被害者の思 いなどを、将来を担う子供たちに伝えています。 平成 28 年度は、北秋田市立鷹巣東小学校、大仙市立花館小学校、東成瀬村立東成瀬小学校・ 東成瀬中学校、鹿角市立花輪第一中学校、能代市立東雲中学校、県立本荘高等学校定時制、県 立西仙北高等学校、県立雄物川高等学校において、同教室を開催しました。 運転免許センターには、教室に参加した児童生徒が講師(遺族)に宛てて思いを記した手紙を常 設展示しています。この手紙は、県庁や警察本部のほか、犯罪被害者週間「県民のつどい」等の会 場においても展示し、多くの方に子供たちの思いが届くよう活用しています。 鷹巣東小学校 東成瀬小学校・東成瀬中学校 本荘高等学校定時制 平成 25 年4月に施行された「秋田県犯罪被害者等支援条例」において、6月 30 日は「犯罪被害 を考える日」と制定されました。県民が犯罪被害者等に関心を向け、どのような状況に置かれている のか、どのような気持ちで過ごしているのかなど、その立場に立って考え理解を深め、地域社会に おける支援を広げていくことを目的とする日です。 秋田県警察では、「犯罪被害を考える日」を広く県民に知っていただくために、関係機関とともに 広報啓発活動を実施しています。 平成 28 年度は、県北、中央、県南の各地区において街頭キャンペーンを展開しました。県北で は6月 27 日にいとく能代ショッピングモールにおいて、県南では6月 21 日に大仙市のタカヤナギイ ーストモールにおいて、「犯罪被害を考える日」の広報チラシや「犯罪被害者等の手記第3集」など が入った広報資料を来場者に手渡しました。 6月 30 日の「犯罪被害を考える日」当日は、秋田市の「ぽぽろーど」において街頭キャンペーンを 開催しました。「犯罪被害を考える日」周知のために呼びかけを行いながら、広報資料約 1,500 部を いのち 配布しました。当日は、犯罪等によって命を奪われた方の等身大のオブジェを展示する「ミニ・生命 のメッセージ展」や県内在住の犯罪被害者遺族等が思いを綴ったパネル「犯罪被害者いのちのパ ネル展」なども開催し、犯罪被害者等の実情や支援の必要性、命の大切さを来場者に訴えました。 県北(能代市) 中央(ぽぽろーど) 県南(大仙市) 平成 16 年 12 月1日、犯罪被害者等の権利利益の保護を目的とする「犯罪被害者等基本法」 (以下「基本法」という。)が成立しました。この法律は、犯罪被害者等が再び平穏に過ごせるように なるための施策に関する基本理念を定め、国、地方公共団体及び国民の責務を明らかにしていま す。 国は基本法に基づき「第3次犯罪被害者等基本計画」を策定し、11 月 25 日から 12 月1日までを 「犯罪被害者週間」と定め、犯罪被害者等に関する国民の理解の増進を図るため、週間に合わせて 啓発事業を集中的に実施することとしました。 秋田県においても、「第3次秋田県犯罪被害者等支援基本計画」に基づき、県民のみなさまに地 域社会で犯罪被害者等を支えていくことの必要性について理解を深めていただくため、犯罪被害者 週間「県民のつどい」を開催しています。 平成 28 年度の「県民のつどい」は、11 月 23 日に開催しました。つどいでは、「命の大切さ学習 教室」に参加した中学生・高校生の皆さんを対象に募集した「命の大切さ学習教室作文コンクール」 の表彰式と最優秀作品の朗読、秋田吹奏楽団サクソフォーンカルテットによるサックス四重奏などを 行いました。また、平成 11 年4月、当時7歳だった長男奨くんを自宅近くの国道で、スピード違反と 過積載のダンプカーに輪禍にされて失った中曽根えり子さんが、「最愛の家族を突然失って」と題し て講演しました。中曽根さんは、子供の死を受け入れられず、無感情で涙も出ない状態だったこと、 事故現場や小学校に行けなくなり、救急車や電話の音を聞くと怯えたことなど事故後の心身状態等 について語り、被害直後からの支援の重要性と同じ悲劇を繰り返さないでほしいという願いを訴えま した。 講演 作文コンクール表彰式 サックス四重奏 県内の犯罪被害者等の「声」や「思い」を綴ったパネルを「命の大切さ学習教室」を開催する学校 や各警察署、警察本部などに展示しています。 平成 28 年中は、県内 30 か所以上で「犯罪被害者いのちのパネル展」を開催し、犯罪被害者等 の思いや置かれた状況、心情等を知っていただくための広報啓発活動を行いました。 犯罪被害者週間「県民のつどい」や地域のイベント会場など、警察署や学校以外でも県内の 様々な場所で開催しています。お近くで展示された際には、ぜひご覧ください。 秋田モータースクールでの展示 花輪第一中学校での展示 1993 年にイギリスの NGO「ロードピース」が始めた「交通被害者追悼の日」というイベントがヨー ロッパを中心に広がり、2005 年の国連総会において、「毎年 11 月の第3日曜日を『世界道路交通 犠牲者の日』とし、加盟国と国際社会が交通被害者やその家族を適切に理解して支援するための 日とすることを要請する。」と決議されました。 秋田県警察においては、道路交通犠牲者を悼むとともに、地域住民の交通安全意識の高揚を図 ることを目的に、県内において過去3年間に発生した交通死亡事故現場約 200 か所に、日本にお かざぐるま ける「世界道路交通犠牲者の日」の統一アイテムである「黄色い風車」を設置しました。さらに、県民 の皆さんへの周知を図るため、秋田駅や「ぽぽろーど」でチラシ配布や「犯罪被害者いのちのパネ ル展」の展示等の広報啓発活動を行いました。 交通事故現場に かざぐるま 設置した黄色い風車 「ぽぽろーど」での広報啓発活動