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第16回コンピュータ医用画像処理ならびに コンピュータ支援治療に関する
The Murata Science Foundation 第16回コンピュータ医用画像処理ならびに コンピュータ支援治療に関する国際会議 The 16th International Conference on Medical Image Computing and Computer Assisted Intervention (MICCAI2013) H25会自20 開催日 平成25年9月22日~平成25年9月26日(5日間) 開催地 名古屋大学豊田講堂(名古屋市千種区不老町) (他 名古屋大学東山キャンパス建物) 申請者 名古屋大学 情報連携統括本部 教授 森 健 策 1.会議名 4.開催時期 第16回国際コンピュータ医用画像処理ならび 平成25年9月22日(日)∼9月26日(木) [5日間] にコンピュータ支援治療に関する国際会議 9月22日(日) 16th International Conference on Medical Image 午前 Computing and Computer ワークショップ・チュートリアル・チャレンジ Assisted Intervention(MICCAI 2013) 午後 ワークショップ・チュートリアル・チャレンジ 2.主催 夜 レセプション 第16回 国際コンピュータ医用画像処理ならび 9月23日(月) にコンピュータ支援治療に関する国際会議組 午前 開会式、本会議(口頭発表、招待講演) 織委員会 午後 本会議(口頭発表、ポスターセッション) 日本コンピュータ外科学会 9月24日(火) 日本学術会議 午前 開会式、本会議(口頭発表、招待講演) 午後 本会議(口頭発表、ポスターセッション) 3.母体団体 夜 バンケット 国際コンピュータ医用画像処理ならびにコン 9月25日(水) ピュータ支援治療学会 午前 本会議(口頭発表) The Society of Medical Image Computing and 午後 本会議(ポスターセッション、特別セッ Computer Assisted Intervention) ション、アワード贈呈式閉会式) 9月26日(木) 午前 ワークショップ・チュートリアル 午後 ワークショップ・チュートリアル 夜 謝恩会 ─ 867 ─ Annual Report No.28 2014 5.開催場所 みが議論される学会である。この学会で得ら 名古屋大学豊田講堂・野依学術交流館・IB電 れた成果は、医療の分野で応用され始めてお 子情報館 り、脳神経外科領域における手術ナビゲーショ ンなどはきわめて有名である。近年は、ロボッ 6.参加者数・国数 トによる手術、 「ロボット外科」に注目が集まっ 933名(内、海外からの参加者791名、日本か ており、ロボット外科を実現するうえで基本的 らの参加者142名)39か国 な機構、外科医を支援するための知覚情報処 理などが新しい研究分野として、注目されてい 7.本会議論文投稿数並びに採択数 る。国際コンピュータ医用画像処理ならびにコ 投稿数 798本 ンピュータ支援治療学は、先端医療機器分野 採択数 262本(採択率 32.8%) における日本の研究水準を高めるとともに、世 口頭発表論文数 37本 界的に見ても新しい診断治療法の開発、新規 ポスター発表論文数 225本 産業創出の上で著しい業績を上げている。 8.論文集 9. 2.会議開催概要 Springer社 Lecture Notes in Computer Science 今回、村田学術振興財団等の援助を受け、 シリーズ vols. 8149, 8150, 8151として出版 2013年9月22日から5日間の予定で、無事に開 催することができた。 (a)開会式 9.本会議開催前のミーティング 会期2日目(本会議1日目)に開催された開会 PCミーティング 34名(10か国から参加) 式では、共同主催団体である日本学術会議副 9.会議概要 会長春日文子先生、日本コンピュータ外科学 9. 1.会議目的 会副理事長佐久間一郎先生に開会に当たりご 国際コンピュータ医用画像処理ならびにコ 挨拶をいただいた。また、安倍晋三内閣総理 ンピュータ支援治療学は、新しい学問であり、 大臣、大村秀章愛知県知事、河村たかし名古 主として画像を中心とした情報工学、ロボッ 屋市長からの祝辞を披露させていただき、参 ト、微細機構などの機械工学を基礎とした新 加者の大多数を占める海外からの参加者への しい学問分野である。ここでは、CTスキャン Welcomeメッセージを紹介した。 やMRI装置で得られた画像をコンピュータ処 理することで、病気が疑われる部位を検出す (b)本会議口頭発表 る、手術前に撮影された画像を地図として利 本会議の口頭発表セッションは、 用しカーナビゲーションシステムのように手術 Oral Session 1 Physiological modeling and com- をナビゲーションするシステム、コンピュータ puter assisted intervention によって制御された微細なマニピュレータによ Oral Session 2 Brain imaging りこれまで難しかった手術を可能とするシステ Oral Session 3 Registration and atlas construc- ム、ロボットによる手術システム、あるいは、 tion これらを実現するための基本的な数学的枠組 Oral Session 4 Microscopy, histology, and com- ─ 868 ─ The Murata Science Foundation puter aided diagnosis Intraoperative guidance and robotics I Oral Session 5 Image reconstruction and motion Microscope, optical imaging, and histology I modeling Cardiology I Oral Session 6 Machine learning in medical Vasculatures and tubular structures I image computing Brain imaging and basic techniques の6つのセッションからなり、合計37本の論文 Diffusion MRI I に対して活発な議論が行われた。口頭発表で Brain segmentation and atlases I は、特に 最先端の診断治療工学の中でも核と Poster Session 2(本会議第2日目) なる画像処理手法について活発に議論が行わ Motion modeling and compensation れた。各発表ともに12分の持ち時間であるが、 Segmentation I 質疑応答が活発に行われたことは特筆に値す Machine learning, statistical modeling, and ると言えよう。 atlases II Computer aided diagnosis and imaging biomark- (c)ポスター発表 ers II ポスター発表はMICCAIにおける重要な発 Physiological modeling, simulation, and plan- 表形態の一つであり、口頭発表と同じく重要 ning I 視される。各ポスター発表ともに2時間30分の Microscope, optical imaging, and histology II 時間を確保し、十分な量のコーヒーなどをサー Cardiology II ブすることで、活発な議論が行われるよう工 Brain segmentation and atlases II 夫した。ポスター発表の際には、大きな液晶 Functional MRI and neuroscience applications I モニタの前で、発表者が30秒ほどのその概要 Poster Session 3(本会議第3日目) を発表し、その後各ポスターブースに移動す Imaging, reconstruction, and enhancement II る形態をとった。これにより、数多くあるポス Registration II ター発表全体の概要を把握しながら、各ポス Segmentation II ターで詳細を確認できるようにした。ポスター Physiological modeling, simulation, and plan- 発表は、以下のカテゴリで行われており、非常 ning II に活発な議論が行われた。MICCAIではこれま Intraoperative guidance and robotics II で、CT/MRIの画像処理の主であったが、今回 Microscope, optical imaging, and histology III のMICCAIでは病理顕微鏡画像処理に関する Diffusion MRI II 論文が増加していることは特筆に値する。 Brain segmentation and atlases III Poster Session 1(本会議第1日目) Functional MRI and neuroscience applications II Imaging, reconstruction, and enhancement I (d)招待講演 Registration I Machine learning, statistical modeling, and 本会議一日目には、名城大学の福田敏男先 atlases I 生から、医療分野におけるシミュレーション技 Computer aided diagnosis and imaging biomark- 術についての紹介があった。本会議二日目には、 ers I 理化学研究所の宮脇敦先生から、細胞レベル ─ 869 ─ Annual Report No.28 2014 の新しいイメージングに関する講演があった。 (e)スペシャルセッション ・3rd International Workshop on Multimodal Brain Image Analysis(MBIA 2013) MICCAI分野における今後の研究について、 ・The 6th International Workshop on Medical これまでにMICCAIのGeneral Chairをとつめた Imaging and Augmented Reality (MIAR 著名な研究者による分析などが行われた。特 2013) にマルチスケール技術については、各人の共通 する認識であった。 ・Stochastic Modeling for Medical Image Analysis (f)ワ ークショップ・チャレンジ・チュートリ アル ・Introduction to Analysis and Applications of Molecular Imaging 本会議前後各一日で、併設ワークショップ、 ・Visual tracking and 3D reconstruction for com- チュートリアル、画像処理アルゴリズムを競う puter assisted interventions: state-of-the-art チャレンジが開催された。2日間で合計31のワー and challenges クショップ・チャレンジ・チュートリアルが開 ・MICCAI DTI Tractography Challenge on Peri- 催された。これらは、公募によって得られた tumoral White Matter Anatomy for Neurosurgi- 開催プロポーザルを、MICCAI 2013 Workshop cal Decision-Making Chairsによって審議し、どのワークショップ、 ・NCI-MICCAI 2013 Challenges: Automated チャレンジ、チュートリアルを開催するかを決 Segmentation of Prostate Structures(ASPS) 定した。 and Multiparametric Brain Tumor Segmenta- 9月22日 tion(BRATS) ・Learning in Medical Imaging ・MICCAI Grand Challenge: Assessment of ・MICCAI Workshop on Computational Biome- Mitosis Detection Algorithms 2013 9月26日 chanics for Medicine VIII ・Mathematical Foundations of Computational Anatomy ・Computational Methods and Clinical Applications for Spine Imaging ・2nd MICCAI Workshop on CLinical Imagebased Procedures(CLIP 2013): Translational ・MICCAI Workshop on Mesh Processing in Medical Image Analysis ・The Sixth International Workshop on Systems Research in Medical Imaging ・Computational Diffusion MRI(CDMRI'13): a and Architectures for Computer Assisted Interventions(SACAI) MICCAI Workshop ・The 2nd MICCAI-Workshop on Computer Assisted Stenting(MICCAI-STENT) ・Workshop on Medical Computer Vision: Large Data in Medical Imaging ・Mathematical Methods for Brain Connectivity ・MICCAI workshop on Bio- Imaging and Visu- ・Modeling and Monitoring of Computer Assist- alization for Patient-Customized Simulations ・Statistical Atlases and Computational Models ed Interventions(M2CAI) ・5th International Workshop on Abdominal Imaging: Computational and Clinical Applications of the Heart(STACOM’13) ・Workshop on High Performance Computing: HPC-MICCAI ─ 870 ─ The Murata Science Foundation ・MICCAI workshop on Medical Content-Based tion: Algorithms, Theory and Applications ・MICCAI Grand Challenge on MR Brain Image Retrieval for Clinical Decision Support ・The Fifth International Workshop on Pulmo- Segmentation(MRBrainS13) nary Image Analysis ・MICCAI 2013 workshop on Breast Image 10.おわりに 貴財団をはじめとする関係者の多大なるご協 Analysis ・The R programming language: a statistical 力のおかげで、1000名弱の大きな国際会議を foundation for reproducible studies in medical 無事に終えることができた。現在は、口頭発表 image analysis の様子をWebにてビデオ公開すべく編集作業 ・Intelligent imaging: Linking MR acquisition を進めている段階である。海外から参加者の 多くからは、非常にスムーズな運営、あるいは、 and processing ・Common architecture for algorithm develop- とてもオーガナイズされた学会などの言葉をい ただくことができた。貴財団からの今回の支援 ment and deployment ・MICCAI Challenge Workshop on Segmenta- に対して厚く御礼申し上げる次第である。 ─ 871 ─