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文献(PDF/1.82MB)
調査報告
緊張材に炭素繊維を用いたプレキャスト PC床版の劣化調査
−北九州港葛葉地区桟橋−
白井陸粋*'・渡瀬博*
2
・村 井 伸 康 * 3 ・立 神 久 雄 *4
平成 4年度の旧運輸省第凶港湾建設局管 m
1
月
の北九州港葛楽地区における岸壁改良工事の一部において.緊張材に炭索繊維を
時点で, 目視による外観調査を
用いたプレキャスト PC床版が試験的に採用された。 この床版は.改良工事から 5年経過した l
O年を迎えた時点においては,目視および赤外線カメラによる外観捌査を行っているが,ひび告l
j
れ等の
行い,改良工事か ら J
変状は確認されていない。
改良工事か ら 20年が経過した今回制査では.目視調査に加え.有効プレストレス誌の確認.戦荷試験を行い.健全性の確
認を行ったので.その結果について報告するものである。
キーワード: CFRP,緊日長材.峨橋,劣化.維持管理,調査
による外観調査を行い,施工から 10年を迎えた時点にお
1
.はじめに
いては.目視および赤外線カメラによる外観調査を行って
。
)
いるが,ひび割れと手の変状は確認されていない 2.l
わが国において,港湾は海上輸送と陸上輸送の接点と し
て物流や人流を支え.国民の生活向上や発展に大きな役割l
今回は.施工から 20年が経過したので.問視調査に加
を果たしてきた。一方で.岸壁,防波従.桟橋などのコン
え.有効プレストレス泣の確認,戦荷試験等を行い,健全
こ海水にさらされているため,
クリート 港湾施設は,つねt
性の確認を行った。
外部からの担分の以透による内部鋼材の腐食が進行するな
なお,今回の調査は. (
ー財)沿岸技術研究センタ ーと
と非常’に厳しい環境に置かれている 。 また.高度経済成
港湾 PC構造物研究会の共同で実施したものである 。
I
されたことなどか ら.今後.劣化の進
長期に集中的に捻制i
2
. 建設 20年後の RC床版取替えについて
回大が懸念され,
行による安全性の低下や補修補強費用の I
耐久性を高める材料の開発が切望される。
北九州港葛築地区桟橋は. 昭和 40年から 41年にかけて
このような背景のなか,平成 4年度の|円運輸省第四港湾
芭杭式横桟橋構造で施工されたものである 。桟橋は.海洋
建設局管申書の北九州港葛築地区における岸壁改良工事の一
沿岸域の非常に厳しい環境に位置するため,とく に塩分の
部において.緊張材に炭素繊維を用いたプレキャスト PC床
佼透に伴う鋼材の腐食は通常の構造物に比べて新しく早か
版 (
以下, CFRP床版と略す。)が試験的に採期された I。
)
った。昭和 59年度の港湾構造物の腐食調査において.梁
この CFRP床版は.炭素繊維緊張材を朋いてプレテンシ
および床版のコンクリートのひび割れ.鉄筋腐食および鋼
ヨン方式で製作された 3枚の CFRP床版を,現場において,
管杭の腐食が判明し以怠に補修が必要とされた。
炭素繊維緊張材を用いたポストテンション方式で連結し
1
'
三
度にかけて改良
この結果を受けて,平成 2年度から 4
場所打.ちコン クリー トと一体化 して合成床版とした もので
況は. t
!
Jり出して撤去を行い,梁につい
が行われ,既設床j
ある 。
ては断面修復を行った。梁の補修を行った後に ,新規に製
時点で, 目視
また.こ の床版は,施工から 5年経過したl
作したプレキ ャスト RC床版を架設して,間隙部に場所打
−
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・
+
,・・
圃且r「思!
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」
A
且4工」.,
f
.
・
・
・
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判
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iYU!
(一財)沿岸技術研究センター
主任研究μ
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判
港湾r
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造物研究会
No
b
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1
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1
1MURAI
港湾 P
C構造物研究会
46
判
H
i
s
a
oTATEGAMI
港湾PC構造物研究会
プレストレストコンクリート
。特集/調査報告。
版の健全·i~I: を維認するため.以下の項目に対する検討を行
ちコンクリ ート を打設して一体化を図り改良を行った。一
方,先に述べたように,改良工事の一部において, CFRP
った。
床版が試験的に採用された。 この CFRP床版に刑いた炭素
。目視調査,① 有効プレスト レス量の確認, ③ 救荷試験
3
.
1 目視調査
繊維緊張材は,炭素繊維を多数束ね,それを樹脂により結
合させ棒状に成形した複合材料である。高張力,高耐久
(
1) 目視調査の目的
性,軽最等の優れた性質を有しており,腐食環境の厳しい
0年後の平成 1
5年 (
1
0年前)
平成 4年度の改良工事から 1
場所に建設されるコンクリ ー卜構造物の補強材 としての使
に,前回の CFRP床版劣化調査が行われた。改修工事から
用に適している。
20年が経過して,前回調査時と 同程度の健全性 を保って
CFRP床版は工場で製作され, l方向をプレテ ンション
いるか,あるいは変状が生じているかを比較検証すること
方式によりプレストレスが導入されている 。 コンクリ ート
が目的である 。
は設計基準強度 500kgf/cm2であり,極筈耐久性の向上の
(
2) 目視調査の概要
ため,割裂|坊止のためのスパイラル筋や支圧補強のグリッ
目視調査は,船外機船で床版の下側に進入し, 3∼ 4 m
ド筋も炭素繊紙製のものを使用した。現地ヤードにおいて
の距離から 目視 してひび割れスケッチを行うとともに.デ
工場製作した CFRP床版を 3枚数き並べ,目地コンクリー
ジタルカメラで記録に残した。 また, CFRP床版の l区画
トを打設後,炭素繊維緊張材をポス トテンション方式によ
に
. 写真− 2のように,簡易足場 を設置して近接目視を
り緊張定着し, 3枚の版を 一体化 した。3枚の版を一体化
行った。
する i
際に.炭素繊維緊張材の定着具が音I
I
材内部に残らない
(
3) 目視調査の結果
ように,グラウト強度発現後に定着端部のコンクリ ート を
施工から 20年後の CFRP床版の 下商の状況は,写真
切断して,緊張材とグラウトの付諸により定着する方法が
採用された。なお,シースにはステンレス製の ものが使用
されている 。
図− 1に桟橋の構造園を ,図− 2に CfRP床版の構造
図を, 写真 ー1に炭素繊維緊張材の形状を示す。
3
. 調査概要と結果
改良工事から 20年を迎 える 今回の調査では, CFRP床
写真− 2 簡易足場からの目視調査
5000
仇
−−
CFRPよ
り線 <
i125
G
− ∞円
。D−マ
二旦E
旦 凶 二立」o
nmm
mmh
,
71 1
7
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伺
duuF
AWV
Jベ訓V
1
1
.
0
0
空王I
f
i
l
l
図− 1 桟橋の構造図
白川門
図 −2 CFRP床版構造図
写真 −1 炭素繊維緊張材の形状
V
o
l
.5
5
, No.
6,Nov
.20
13
47
。特集/調査報告 。
-3のように, 10年前と同様,ひび割れの発生や鈴・汁の
表・ 1 劣化度の判定基準
湾出等はなかった。
部位
RC
判定基準
a
スラブ
b
口網目状のひび割れ (
表而 5
0%以上)
口かぶりのはく務
口釘j汁が広範囲に発生
口網目状のひび割れ (
表面 5
0%未満)
口釘汁が部分的に発~
c
d
P
C
a
スラプ
口一方向のひび割れ. ;
;
:.線状のゲル
口r
n
汁が点状に発生
口変状なし
口ひび出l
れ
口鈴汁
c
ロー
ロー
d
口変状なし
b
在.残存プレストレス量がどの程度かは明らかでない。外
観翻査ではひび割れ等の劣化が見られないことから,プレ
ストレスは現在も有効に作用し ていることが定性的には窺
写真・ 3 CFRP床版下面の状況
える 。 しかし CFRP床版の長期耐久性を検証するうえで
は.残存するプレス トレス量の定量的な評価が必姿と考え
梁の交差部で鋼管が埋め込まれた枕頭部は, 写 真 ・4
られた。今回の調査は潮位の関係で作業時間がか ぎられて
のように,その頂部に水平方向の ひび割れがほぼ全箇所で
いること,また特殊な機材を必要としないことなどから,
発生しており.また,セバ レータ跡 と思われる箇所からの
コア応力解放法によるプ レストレ ス包−の推定を実施した。
錆汁が各所で見られた。 た だ し こ の 変 状 は 1
0年前とほ
(
2) 2方向 PC部材に対応した有効応力の推定式
ぼ同じ状況であり,最近になって進展した劣化ではないよ
今回実施したコア応力解放法による応力推定は.図・ 3
に示す概念図のようにコンクリート表商に 2方向のひずみ
うである。
ゲージを貼り , コアドリルで切込みを入れて解放されるひ
ずみを計測するものである。コア ド
リ ルに よる応力解放の
実施状況を写真・ 5に示す。
、
張
: ぅ
令
宏
:
[C
;
.
i
吟
切i
'
i
l
J持
?
写真 ・4 杭頭部の状況
図・ 3 計測概念と計測位置
CFRP床版本体の下面は点錆やひび割れ等の変状がな
く,表 ・1のように,「維持管理技術マニュアル」叫での
応力推定において注意すべき点は,計測されるひずみが
判定としては「dJ で,建設から 20年が経過しでも至って
有効プレストレスの解放ひずみ以外にも. 内部拘束された
健全であった。
ひずみやポアソンひずみも含む ことにある。これを適切に
3.
2 有効プレストレスの推定
(
1
)計 測 目 的
評価しなければ,長期材齢を経た構造物の推定精度は期待
改良工事当時の文献 5)から,プレストレスの有効係数
のひずみとそれぞれのポアソンひずみによって成 り立って
できない。文献 6)によると計測されるひずみは. 4種類
はプレテンション{!”が 0.
82 ポス トテンション側が 0
.
8
5
おり .その推定式の有効性や推定精度については. i~t試体
を想定していたことがわかっているが. 20年経過した現
および実橋梁の桁元h
f
f
!
Jによる検証が報告されている 。
48
プレスト レスト コンクリー ト
。特集/調査報告。
伝達長区間を 計測 することで.以下のように表せられる。
一εy
1= c
1(
I+ v)(6
.
c
;
"
"-/
]・6
.
c
y
.
J
(
7
)
ε
y
2一ε
ι =;
c2(L+
v
)
(
6
.
c
,
.
.
c a
・6
.
c
"
,
)
(
8
)
わ l
ここに, ε
.
<I
,εyl y方向緊張材の伝達長区間内に ある
i
o放されるひずみ, ειεy2 x
測点のコア切 込みにより W
方向緊張材の伝達長区間内にある i
n
!
J点のコア切込みにより
解放されるひずみ, a
,(または f
J
) x (または y)方向緊
張材の伝達区間内測点におけるプ レス トレスの伝達率(O<
日 (または /J)<I
。
)
,
)(
8)を整理すると, 2方向プレテンション PC部材
式
(7
に対応 した有効応力の ひずみ成分は以下となり, これに弾
性係数を乗ずれば有効応力が得られる。ま た,有効応力に
1
!
1
]したため,
は自重の影響も含むが.単純支持の端部で計1
これを無視できる。
写真− 5 コア切込みによる応力解放実施状況
企ε
.e=
ただし,今回測定した CfRP床版は,周囲 4辺を場所打
f
.
1+J
f・c2
(
I+v)(
I a・J
f)
(
9)
。
。
c
2+a ε
1
6
.
E
:y
.
c
= (
J+v)(
I一 日
・J
f)
ちコンクリー トで梁に接合されているため,梁部が CFRP
版の収縮を拘束すると考えられる。 この要因を追加する
と,以下の式で表される。
(
3) 伝達長区間のプレストレス伝達率
言|測は.図− 3の 2箇所で実施している。ポス トテン
c
.
=(6
.
c e一 v6
.cy
)
,
’ +(6
.E又,
;
一 v6
.
cy
,
’
’
ション材 も定着具を切断撤去して, 付着定着となっている。
町
)
+(6
.
ε
x
、
"一V6
.
cy
’
,
) +(6
.εxc' V6
.
ε y,c'
+(6
.
ε x.be- Vf
:
,
.f;y,/,,)
y= (f
:
,
.cy
,
c-
f
;
緊張材の伝達長は,メーカーの試験結果から 40ゆ(ゆ
2.
5m m) ベ 伝 達区間の応力分布は 2次放物線
緊張材径 1
(
1
)
Vf
:
,
.f;,
xc
)+(
f
>
.f;y
,;
,- Vf
>
.c丸
川
)
+(6
.f
:y
_
,
,- vA
ε ぃ,
) +(6
.Cy.er
と見なせる。ゲージの中心点は,版端部から 1
50mm の位
t
i
1
!で,緊張材位置を交わした中間位置で計測した。計測点
V6
.
ε
xer)
+(6
.
ε ;.
b
,-v6
.
c
;
,
,
&
,
)
2
3
,
のプレストレス伝達率を計算すると ,おのおの白 =0.
(
2
)
f
J= 0
.31となる。
む:コア切込みで計測される x方向の全解放ひずみ
(
4
) 有効応力の推定結果
v .コンクリートのポアソン比
l
&音
I
I
2箇所で言|測したひずみと 2方向のひずみ差を表
版M
2に示す。xはプ レテンシ‘ヨン材方向で,yはポストテ
6
.
c
x
"
・:
x方向の有効応力による x方向の解放ひずみ
ー
6
.f;,,,_−
;:乾燥収縮の j
奈さ方向での不均一性に起因した 内
J
l
i
J点①は,プレテンシヨン材 と
ンシ ョン材方向である 0 i
部拘束による x方向の解放ひずみ
しては標準部.ポストテンション材の端部にあたる測点の
6
.c
'
"
':乾燥収縮の鉄筋拘束による x方向の解放ひずみ
6
.f;m ,:クリ ープの鉄筋拘束による x方向の解放ひずみ
ため. x方向の膨張ひずみは y方向に比べて大きい値であ
Aεxbr: PC版の収縮を周辺部材が拘束する ことに よる x
ポス トテンション材の標準部にあたる測点のため逆の傾向
J
!
I
J点②は,プレテンシヨン材としては端部,
った。一方 i
方向の解放ひずみ
を示す結果であった。
また,yについては xと置き換えて同線に定義される 。
表 −2 計測ひずみ
ここで.
|司一点での乾燥収縮の採 さ方向の進行度合いは
平面方向によらず一定と見なせば,次式が成り立つ。
箇所
z
今’
勾ノ
一 ’l
J
一べ
06 一ハツ
μ 一μ
1
3
2
μ
OI% とよく一致
す。推定応力は,設計に比べ 2方向とも L
(
5
)
ここで式( 1)
,(
2)に式( 4)を代入して,x方向と y方向の
した結果が得られた。以上か ら
, CFRP床版の長期耐久性
が確認できたと考えられる 。
内部拘束応力 による解放ひずみの大部分が消去される 。
3.
3 載荷試験
(
1
)載荷試験の目的
(
6)
緊張材は 2方向とも付着定着のため, それぞれの端部の
Vo
l
.5
5
,No
.
6,N
o
v
. 2013
1
9
3
μ
ポアソン比を 0
.
167. ~i利1係数を 33 OOON
/
mm
2として,
解放ひずみの差をとると, 式
(3
)
,(
5)より,次式の ように
;
c,- cy=(
I+ v
)
(
6
.
εxc - 6
.
c
,
.
c
)
ひずみ差
9)
,帥より算 出した有効応力の推定結果を表・ 3に示
式(
せれば
6
.f
:x
.b
r =6
.Cy.be
一
A
ε"
" =6
.
ε"
"
' =6
.εxer =企 εy.cr =0
(
4)
そして,梁の拘束!立は x
, y方向に ついて向程度と見な
Mμ一 MM
F
内部拘束はないと考えると,
i
;'
I
一o
o
,
司
i
J
!
I
J点、②
﹄t
i
J
!
l
l
点①
また, CFRP版は緊張材のみで鉄筋がない構造のため,
ε'
ペ
ノ
(
3
)
a
・
ー
斗一
6
.f;x.,; =6
.
ε y,sl
本戟荷試験は,重荷豆の載術による 実構造物の変位やひ
49
。 特集/調査報芦 0
表 ・3 有効応力の推定結果
0.20mmであ り
, これにより測定機探の性能などを設定し
項目
プレテンション材
ポストテンション材
引
主
定
平T
効ひずみ
2
1
6
μ
1
6
2
μ
推定有効応プJ
I
交
7
.12N
/
mm
2
5
.
3
5N/
mm
'
i
攻
,・
1イ
1
究J
I
応)J皮
7
.
04N/
mm
2
5
.
31N/
mm
'
推定他/設計 1
1
U
I
O
I9
も
1
0
1%
た。また,試験荷重により床版下而に発生する引張応力度
は長手方向で−1
.59N/
mm
2
,短手方向でー 1.49N/
mm2で
あった。 これ に自重による応力度を加詳しでも−2
.
0NI
mm
2程度であり,本試験によ り CFRP床版へ損傷は与え
ないと 判断した。
(
4
) 載荷試験状況
戦術試験状況を 写真・ 6
.i
l
i
X荷荷重の計社!
I
J状況を 写 真
ずみを計測し,解析{{白と比較することで, CFRP床版の内
-7に示す。反カ装置となるクレーンには 60tラフタ ーを
部ひび割れや場所打ち床版との剥離などの内部劣化を,間
使用し,ブームの起伏によ り荷重の|
徐術 ・
再松荷を行った。
接的に推定するこ とが目的である 。
(
2) 載荷試験の方法
CFRP床版への荷重放荷については.供用中の桟橋上で
の試験となることや.大規模な反力装置を準備できないこ
とから.大型クレーンのアウトリガーを利用する赦荷方法
とした。 図 −4のように CFRP床版の中央部にアウトリガ
ーが依置するようクレ ーンを据付け.図− 5のようにア
ウトリガーと敷板の間にロードセルを設置し載荷荷重の
i
J
[
l
j定を行うこととした。また,変位計狽j
l
は床版下而に変位
計を設世田ひずみの計測はひずみゲージを設置して.荷重
の|徐荷 ・再l
l
改
革
:r
を数回繰返し 床版中火の鉛直変位および
ひずみ他の服歴を記録した。なお,アウトリガーから何ら
写真− 6 載荷試験状況
れ る 故 大 反 カ は. ブ ー ム 起 伏 角 度 が 約 何 度 の と き に
1
90附4である。
図・ 4 載荷要領図
図− 5 荷重測定要領
写真ー 7 載荷荷重の計測状況
(
3) 事 前 解 析
本 CFRP床j
援は 4辺固定版であ り,正確な変形五i
や応力
怖を
z
r
.
1
主する 必要があることから,
(
5) 載荷試験結果
1
ま荷試験に先立って
FEM解析を行い. i
i
長荷荷重による CFRP床版の挙動を把
荷重載荷の履歴図を図 ・7に示す。荷主は前述の よう
握することとした。 図− 6に FEM解析結果を示す。 この
に J90kNを上限として除荷 ・再 l
l
O
Cf
,
1
fを 5回行い,ひずみ
結果. ~夜荷術霊 190 kNにおける床版 中央の鉛直変位は
の履歴を計測した。 CFRP床版の中央部で計測した荷重ー
変位履歴図 を図・ 8に,荷量ーひずみ履歴図を 図− 9に
1
9
0k
N 紋術時
鉛1
立変 1
立
・ 0.
2
0mm
1
9
0kNf
I
&荷時
長手方向一 1
.
5
9N/
mm
'
短手方l
古J:
ー1
.
4
9N/
mm
'
示 す。 試 験 で 得 ら れ た 測 定 例 は. 鉛 直 変 f
立が平 均 約
0
.
2
3m m
,ひずみが短手方向.長手方向とも に約 5
5
μ 程度.
応力度換算で 1.
8N/
mm
2との結果となった。 これは, FE M
解析によって得ら れた鉛直変位1
J
;および応力皮 と比べ.約
1
5%程度大き い 値 で あ る 。 た だ し 械 荷 試 験 r
t
1
の目視観
察では, CFRP床版下面のひび測れは確認されておらず.
履歴曲線もおおむね線形の挙動を示 して いることから,
(変形I
i
i
)
CFRP床版が剛性低下して いるとは考えにくい。今回の解
(
応力皮 l
:
X
I
)
析 値 と 計i
日
I
J
1
i
直の誤差 は
, CFRPl
米l
仮と梁との拘 束 j
立が,
図− 6 FEM解析結果
FEM解析と 実構造物で異なることに起因しているものと
50
プレストレストコン クリート
0特集 /調査報告 。
'
−
:
,
_
ー
・
ー
ー
・
ー
−−
’
”L
50
。
。
1
4
:
0
0
1
0
[時刻L
i
t
200
~
z
E即
l
d
d
1
巨樹苛且同イ
aaF a d
岨
d
=
100
権
告
訴
R
d
F
0.
1
0
0
.
2
0
150
’
I
I
I
I
’
I
30
40
E
2
’
50
60
I
;~
I
,
,
I
I
’
"
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図− 7 荷重載荷の履歴図
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図− 9 荷重 一ひずみ居歴図
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図− 8 荷重ー変位曲線
局港営帝[
I港湾事務所,(独)港湾空港技術研究所および施
設周辺の企業の方々に厚く御礼申し上げます。
(ー財)沿岸技術研究センタ ー
考えられる 。
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成荷試験結果と解析値に大きなかい離
以上より.今回の l
主任研究員 :由井隆粋
はなく, CFRP床版の内部ひび割れや場所打ち床版とのは
CFRP床版調査 W G (
港湾 PC構造物研究会)
主 主E:佐藤祐輔i
く離などの内部劣化は生じていないと判断できる 。
委員
4.お わ り に
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北九州港葛築地区桟析は,昭和 40年から 41年にかけ直
杭式撒桟橋構造で施工され.昭和 59年度の港湾構造物の
オブザーパー
内藤英n
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. 網野武彦
腐食調査において,早急に補修が必姿とされたことから.
参考文献
平成 2年度から 4年度にかけて改良工事が行われた。今回
の調査では,改良工事後 2
0年が経過した CFRP床版の目
I) 側 沿岸開発技術研究センターー繊維系素材 (
FRP
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視調査,有効プレストレス置の確認.載荷試験を行った。
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椛 造物の技術開発に附する研究報告白, 1
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2) 附 沿 伴開発技術研究センター
目視調査では,CFRP床版本体の下回に はひび割れ等の
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港湾 P
C構造物研究会: :
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'床版劣化刈査報告書. 2
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変状は無(有効プレストレス量の調査では設計値のプレ
3 )大柳 修~
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ストレスが導入されていることが確認できた。 また. l
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/, 佐 藤 裕 楠
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0年 経 過 した
CFRPt
主総の劣化湖盆と LCC検討.第 1
3回プレストレストコ
試験においては, CFRP床版の剛性低下は線認されなかっ
ンクリ ー 卜の発展に 関するシンポジウム論文集 プレストレス
トコンクリート 工学会.p
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CFRPで補強した
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木学会論文集 No.
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謝
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6)二井 谷 教 治 . 渡 瀬 隙 阪 田 慾 次 絞野 克 紀 コ ン ク リ ー ト 部
材の有効応ブJの推定手法に関する研究目コンクリート 工学論文
本調査は,(ー財)沿岸技術研究センターと港湾 PC構 造
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物研究会の共同研究として実施したものである。
7)述続繊維補強材を用いたコンクリート構造物設例・施」;マニュ
調査の実施にあたり助言をいただいた,東京工業大学の
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2.ACC似楽部. 2
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アル(案), p.
大 即 信 明 教 授.
西田孝弘助教に心 より御礼申し上げます。
[2013年 9月3日受付]
また.調査にご協力をいただいた,国土交通省九州地方
整備局 北九州港湾 ・空港整備事務所,北九州市港湾杢港
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,No.
6,Nov. 2013
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