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調査報告 緊張材に炭素繊維を用いたプレキャスト PC床版の劣化調査 −北九州港葛葉地区桟橋− 白井陸粋*'・渡瀬博* 2 ・村 井 伸 康 * 3 ・立 神 久 雄 *4 平成 4年度の旧運輸省第凶港湾建設局管 m 1 月 の北九州港葛楽地区における岸壁改良工事の一部において.緊張材に炭索繊維を 時点で, 目視による外観調査を 用いたプレキャスト PC床版が試験的に採用された。 この床版は.改良工事から 5年経過した l O年を迎えた時点においては,目視および赤外線カメラによる外観捌査を行っているが,ひび告l j れ等の 行い,改良工事か ら J 変状は確認されていない。 改良工事か ら 20年が経過した今回制査では.目視調査に加え.有効プレストレス誌の確認.戦荷試験を行い.健全性の確 認を行ったので.その結果について報告するものである。 キーワード: CFRP,緊日長材.峨橋,劣化.維持管理,調査 による外観調査を行い,施工から 10年を迎えた時点にお 1 .はじめに いては.目視および赤外線カメラによる外観調査を行って 。 ) いるが,ひび割れと手の変状は確認されていない 2.l わが国において,港湾は海上輸送と陸上輸送の接点と し て物流や人流を支え.国民の生活向上や発展に大きな役割l 今回は.施工から 20年が経過したので.問視調査に加 を果たしてきた。一方で.岸壁,防波従.桟橋などのコン え.有効プレストレス泣の確認,戦荷試験等を行い,健全 こ海水にさらされているため, クリート 港湾施設は,つねt 性の確認を行った。 外部からの担分の以透による内部鋼材の腐食が進行するな なお,今回の調査は. ( ー財)沿岸技術研究センタ ーと と非常’に厳しい環境に置かれている 。 また.高度経済成 港湾 PC構造物研究会の共同で実施したものである 。 I されたことなどか ら.今後.劣化の進 長期に集中的に捻制i 2 . 建設 20年後の RC床版取替えについて 回大が懸念され, 行による安全性の低下や補修補強費用の I 耐久性を高める材料の開発が切望される。 北九州港葛築地区桟橋は. 昭和 40年から 41年にかけて このような背景のなか,平成 4年度の|円運輸省第四港湾 芭杭式横桟橋構造で施工されたものである 。桟橋は.海洋 建設局管申書の北九州港葛築地区における岸壁改良工事の一 沿岸域の非常に厳しい環境に位置するため,とく に塩分の 部において.緊張材に炭素繊維を用いたプレキャスト PC床 佼透に伴う鋼材の腐食は通常の構造物に比べて新しく早か 版 ( 以下, CFRP床版と略す。)が試験的に採期された I。 ) った。昭和 59年度の港湾構造物の腐食調査において.梁 この CFRP床版は.炭素繊維緊張材を朋いてプレテンシ および床版のコンクリートのひび割れ.鉄筋腐食および鋼 ヨン方式で製作された 3枚の CFRP床版を,現場において, 管杭の腐食が判明し以怠に補修が必要とされた。 炭素繊維緊張材を用いたポストテンション方式で連結し 1 ' 三 度にかけて改良 この結果を受けて,平成 2年度から 4 場所打.ちコン クリー トと一体化 して合成床版とした もので 況は. t ! Jり出して撤去を行い,梁につい が行われ,既設床j ある 。 ては断面修復を行った。梁の補修を行った後に ,新規に製 時点で, 目視 また.こ の床版は,施工から 5年経過したl 作したプレキ ャスト RC床版を架設して,間隙部に場所打 − i’~" ・ + ,・・ 圃且r「思! : l 」 A 且4工」., f . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 判 R o k u s u iYU! (一財)沿岸技術研究センター 主任研究μ •2 a 、 夕 . . . . . . . . . . . H i r o s h iWATASE 判 港湾r em 造物研究会 No b 1 1 y a s 1 1MURAI 港湾 P C構造物研究会 46 判 H i s a oTATEGAMI 港湾PC構造物研究会 プレストレストコンクリート 。特集/調査報告。 版の健全·i~I: を維認するため.以下の項目に対する検討を行 ちコンクリ ート を打設して一体化を図り改良を行った。一 方,先に述べたように,改良工事の一部において, CFRP った。 床版が試験的に採用された。 この CFRP床版に刑いた炭素 。目視調査,① 有効プレスト レス量の確認, ③ 救荷試験 3 . 1 目視調査 繊維緊張材は,炭素繊維を多数束ね,それを樹脂により結 合させ棒状に成形した複合材料である。高張力,高耐久 ( 1) 目視調査の目的 性,軽最等の優れた性質を有しており,腐食環境の厳しい 0年後の平成 1 5年 ( 1 0年前) 平成 4年度の改良工事から 1 場所に建設されるコンクリ ー卜構造物の補強材 としての使 に,前回の CFRP床版劣化調査が行われた。改修工事から 用に適している。 20年が経過して,前回調査時と 同程度の健全性 を保って CFRP床版は工場で製作され, l方向をプレテ ンション いるか,あるいは変状が生じているかを比較検証すること 方式によりプレストレスが導入されている 。 コンクリ ート が目的である 。 は設計基準強度 500kgf/cm2であり,極筈耐久性の向上の ( 2) 目視調査の概要 ため,割裂|坊止のためのスパイラル筋や支圧補強のグリッ 目視調査は,船外機船で床版の下側に進入し, 3∼ 4 m ド筋も炭素繊紙製のものを使用した。現地ヤードにおいて の距離から 目視 してひび割れスケッチを行うとともに.デ 工場製作した CFRP床版を 3枚数き並べ,目地コンクリー ジタルカメラで記録に残した。 また, CFRP床版の l区画 トを打設後,炭素繊維緊張材をポス トテンション方式によ に . 写真− 2のように,簡易足場 を設置して近接目視を り緊張定着し, 3枚の版を 一体化 した。3枚の版を一体化 行った。 する i 際に.炭素繊維緊張材の定着具が音I I 材内部に残らない ( 3) 目視調査の結果 ように,グラウト強度発現後に定着端部のコンクリ ート を 施工から 20年後の CFRP床版の 下商の状況は,写真 切断して,緊張材とグラウトの付諸により定着する方法が 採用された。なお,シースにはステンレス製の ものが使用 されている 。 図− 1に桟橋の構造園を ,図− 2に CfRP床版の構造 図を, 写真 ー1に炭素繊維緊張材の形状を示す。 3 . 調査概要と結果 改良工事から 20年を迎 える 今回の調査では, CFRP床 写真− 2 簡易足場からの目視調査 5000 仇 −− CFRPよ り線 < i125 G − ∞円 。D−マ 二旦E 旦 凶 二立」o nmm mmh , 71 1 7 OU0 , AY O === φ l n n so − h 7r o 一 M ll HHHUM村NU 弓 今 , . − − E z 勺1 0 ノ hu ぃ 刷2 2 6 一 一 7= 12 1 = ↑ = 一 br υ 1 11 1 1 1 I ll l l −− − t Il i mE 1 1 1 1 E 4 ﹄ l I1 ll1 1 1 l l ll1J叫什叶叶叶 1Il nn 削 r 伺 duuF AWV Jベ訓V 1 1 . 0 0 空王I f i l l 図− 1 桟橋の構造図 白川門 図 −2 CFRP床版構造図 写真 −1 炭素繊維緊張材の形状 V o l .5 5 , No. 6,Nov .20 13 47 。特集/調査報告 。 -3のように, 10年前と同様,ひび割れの発生や鈴・汁の 表・ 1 劣化度の判定基準 湾出等はなかった。 部位 RC 判定基準 a スラブ b 口網目状のひび割れ ( 表而 5 0%以上) 口かぶりのはく務 口釘j汁が広範囲に発生 口網目状のひび割れ ( 表面 5 0%未満) 口釘汁が部分的に発~ c d P C a スラプ 口一方向のひび割れ. ; ; :.線状のゲル 口r n 汁が点状に発生 口変状なし 口ひび出l れ 口鈴汁 c ロー ロー d 口変状なし b 在.残存プレストレス量がどの程度かは明らかでない。外 観翻査ではひび割れ等の劣化が見られないことから,プレ ストレスは現在も有効に作用し ていることが定性的には窺 写真・ 3 CFRP床版下面の状況 える 。 しかし CFRP床版の長期耐久性を検証するうえで は.残存するプレス トレス量の定量的な評価が必姿と考え 梁の交差部で鋼管が埋め込まれた枕頭部は, 写 真 ・4 られた。今回の調査は潮位の関係で作業時間がか ぎられて のように,その頂部に水平方向の ひび割れがほぼ全箇所で いること,また特殊な機材を必要としないことなどから, 発生しており.また,セバ レータ跡 と思われる箇所からの コア応力解放法によるプ レストレ ス包−の推定を実施した。 錆汁が各所で見られた。 た だ し こ の 変 状 は 1 0年前とほ ( 2) 2方向 PC部材に対応した有効応力の推定式 ぼ同じ状況であり,最近になって進展した劣化ではないよ 今回実施したコア応力解放法による応力推定は.図・ 3 に示す概念図のようにコンクリート表商に 2方向のひずみ うである。 ゲージを貼り , コアドリルで切込みを入れて解放されるひ ずみを計測するものである。コア ド リ ルに よる応力解放の 実施状況を写真・ 5に示す。 、 張 : ぅ 令 宏 : [C ; . i 吟 切i ' i l J持 ? 写真 ・4 杭頭部の状況 図・ 3 計測概念と計測位置 CFRP床版本体の下面は点錆やひび割れ等の変状がな く,表 ・1のように,「維持管理技術マニュアル」叫での 応力推定において注意すべき点は,計測されるひずみが 判定としては「dJ で,建設から 20年が経過しでも至って 有効プレストレスの解放ひずみ以外にも. 内部拘束された 健全であった。 ひずみやポアソンひずみも含む ことにある。これを適切に 3. 2 有効プレストレスの推定 ( 1 )計 測 目 的 評価しなければ,長期材齢を経た構造物の推定精度は期待 改良工事当時の文献 5)から,プレストレスの有効係数 のひずみとそれぞれのポアソンひずみによって成 り立って できない。文献 6)によると計測されるひずみは. 4種類 はプレテンション{!”が 0. 82 ポス トテンション側が 0 . 8 5 おり .その推定式の有効性や推定精度については. i~t試体 を想定していたことがわかっているが. 20年経過した現 および実橋梁の桁元h f f ! Jによる検証が報告されている 。 48 プレスト レスト コンクリー ト 。特集/調査報告。 伝達長区間を 計測 することで.以下のように表せられる。 一εy 1= c 1( I+ v)(6 . c ; " "-/ ]・6 . c y . J ( 7 ) ε y 2一ε ι =; c2(L+ v ) ( 6 . c , . . c a ・6 . c " , ) ( 8 ) わ l ここに, ε . <I ,εyl y方向緊張材の伝達長区間内に ある i o放されるひずみ, ειεy2 x 測点のコア切 込みにより W 方向緊張材の伝達長区間内にある i n ! J点のコア切込みにより 解放されるひずみ, a ,(または f J ) x (または y)方向緊 張材の伝達区間内測点におけるプ レス トレスの伝達率(O< 日 (または /J)<I 。 ) , )( 8)を整理すると, 2方向プレテンション PC部材 式 (7 に対応 した有効応力の ひずみ成分は以下となり, これに弾 性係数を乗ずれば有効応力が得られる。ま た,有効応力に 1 ! 1 ]したため, は自重の影響も含むが.単純支持の端部で計1 これを無視できる。 写真− 5 コア切込みによる応力解放実施状況 企ε .e= ただし,今回測定した CfRP床版は,周囲 4辺を場所打 f . 1+J f・c2 ( I+v)( I a・J f) ( 9) 。 。 c 2+a ε 1 6 . E :y . c = ( J+v)( I一 日 ・J f) ちコンクリー トで梁に接合されているため,梁部が CFRP 版の収縮を拘束すると考えられる。 この要因を追加する と,以下の式で表される。 ( 3) 伝達長区間のプレストレス伝達率 言|測は.図− 3の 2箇所で実施している。ポス トテン c . =(6 . c e一 v6 .cy ) , ’ +(6 .E又, ; 一 v6 . cy , ’ ’ ション材 も定着具を切断撤去して, 付着定着となっている。 町 ) +(6 . ε x 、 "一V6 . cy ’ , ) +(6 .εxc' V6 . ε y,c' +(6 . ε x.be- Vf : , .f;y,/,,) y= (f : , .cy , c- f ; 緊張材の伝達長は,メーカーの試験結果から 40ゆ(ゆ 2. 5m m) ベ 伝 達区間の応力分布は 2次放物線 緊張材径 1 ( 1 ) Vf : , .f;, xc )+( f > .f;y ,; ,- Vf > .c丸 川 ) +(6 .f :y _ , ,- vA ε ぃ, ) +(6 .Cy.er と見なせる。ゲージの中心点は,版端部から 1 50mm の位 t i 1 !で,緊張材位置を交わした中間位置で計測した。計測点 V6 . ε xer) +(6 . ε ;. b ,-v6 . c ; , , & , ) 2 3 , のプレストレス伝達率を計算すると ,おのおの白 =0. ( 2 ) f J= 0 .31となる。 む:コア切込みで計測される x方向の全解放ひずみ ( 4 ) 有効応力の推定結果 v .コンクリートのポアソン比 l &音 I I 2箇所で言|測したひずみと 2方向のひずみ差を表 版M 2に示す。xはプ レテンシ‘ヨン材方向で,yはポストテ 6 . c x " ・: x方向の有効応力による x方向の解放ひずみ ー 6 .f;,,,_− ;:乾燥収縮の j 奈さ方向での不均一性に起因した 内 J l i J点①は,プレテンシヨン材 と ンシ ョン材方向である 0 i 部拘束による x方向の解放ひずみ しては標準部.ポストテンション材の端部にあたる測点の 6 .c ' " ':乾燥収縮の鉄筋拘束による x方向の解放ひずみ 6 .f;m ,:クリ ープの鉄筋拘束による x方向の解放ひずみ ため. x方向の膨張ひずみは y方向に比べて大きい値であ Aεxbr: PC版の収縮を周辺部材が拘束する ことに よる x ポス トテンション材の標準部にあたる測点のため逆の傾向 J ! I J点②は,プレテンシヨン材としては端部, った。一方 i 方向の解放ひずみ を示す結果であった。 また,yについては xと置き換えて同線に定義される 。 表 −2 計測ひずみ ここで. |司一点での乾燥収縮の採 さ方向の進行度合いは 平面方向によらず一定と見なせば,次式が成り立つ。 箇所 z 今’ 勾ノ 一 ’l J 一べ 06 一ハツ μ 一μ 1 3 2 μ OI% とよく一致 す。推定応力は,設計に比べ 2方向とも L ( 5 ) ここで式( 1) ,( 2)に式( 4)を代入して,x方向と y方向の した結果が得られた。以上か ら , CFRP床版の長期耐久性 が確認できたと考えられる 。 内部拘束応力 による解放ひずみの大部分が消去される 。 3. 3 載荷試験 ( 1 )載荷試験の目的 ( 6) 緊張材は 2方向とも付着定着のため, それぞれの端部の Vo l .5 5 ,No . 6,N o v . 2013 1 9 3 μ ポアソン比を 0 . 167. ~i利1係数を 33 OOON / mm 2として, 解放ひずみの差をとると, 式 (3 ) ,( 5)より,次式の ように ; c,- cy=( I+ v ) ( 6 . εxc - 6 . c , . c ) ひずみ差 9) ,帥より算 出した有効応力の推定結果を表・ 3に示 式( せれば 6 .f :x .b r =6 .Cy.be 一 A ε" " =6 . ε" " ' =6 .εxer =企 εy.cr =0 ( 4) そして,梁の拘束!立は x , y方向に ついて向程度と見な Mμ一 MM F 内部拘束はないと考えると, i ;' I 一o o , 司 i J ! I J点、② ﹄t i J ! l l 点① また, CFRP版は緊張材のみで鉄筋がない構造のため, ε' ペ ノ ( 3 ) a ・ ー 斗一 6 .f;x.,; =6 . ε y,sl 本戟荷試験は,重荷豆の載術による 実構造物の変位やひ 49 。 特集/調査報芦 0 表 ・3 有効応力の推定結果 0.20mmであ り , これにより測定機探の性能などを設定し 項目 プレテンション材 ポストテンション材 引 主 定 平T 効ひずみ 2 1 6 μ 1 6 2 μ 推定有効応プJ I 交 7 .12N / mm 2 5 . 3 5N/ mm ' i 攻 ,・ 1イ 1 究J I 応)J皮 7 . 04N/ mm 2 5 . 31N/ mm ' 推定他/設計 1 1 U I O I9 も 1 0 1% た。また,試験荷重により床版下而に発生する引張応力度 は長手方向で−1 .59N/ mm 2 ,短手方向でー 1.49N/ mm2で あった。 これ に自重による応力度を加詳しでも−2 . 0NI mm 2程度であり,本試験によ り CFRP床版へ損傷は与え ないと 判断した。 ( 4 ) 載荷試験状況 戦術試験状況を 写真・ 6 .i l i X荷荷重の計社! I J状況を 写 真 ずみを計測し,解析{{白と比較することで, CFRP床版の内 -7に示す。反カ装置となるクレーンには 60tラフタ ーを 部ひび割れや場所打ち床版との剥離などの内部劣化を,間 使用し,ブームの起伏によ り荷重の| 徐術 ・ 再松荷を行った。 接的に推定するこ とが目的である 。 ( 2) 載荷試験の方法 CFRP床版への荷重放荷については.供用中の桟橋上で の試験となることや.大規模な反力装置を準備できないこ とから.大型クレーンのアウトリガーを利用する赦荷方法 とした。 図 −4のように CFRP床版の中央部にアウトリガ ーが依置するようクレ ーンを据付け.図− 5のようにア ウトリガーと敷板の間にロードセルを設置し載荷荷重の i J [ l j定を行うこととした。また,変位計狽j l は床版下而に変位 計を設世田ひずみの計測はひずみゲージを設置して.荷重 の|徐荷 ・再l l 改 革 :r を数回繰返し 床版中火の鉛直変位および ひずみ他の服歴を記録した。なお,アウトリガーから何ら 写真− 6 載荷試験状況 れ る 故 大 反 カ は. ブ ー ム 起 伏 角 度 が 約 何 度 の と き に 1 90附4である。 図・ 4 載荷要領図 図− 5 荷重測定要領 写真ー 7 載荷荷重の計測状況 ( 3) 事 前 解 析 本 CFRP床j 援は 4辺固定版であ り,正確な変形五i や応力 怖を z r . 1 主する 必要があることから, ( 5) 載荷試験結果 1 ま荷試験に先立って FEM解析を行い. i i 長荷荷重による CFRP床版の挙動を把 荷重載荷の履歴図を図 ・7に示す。荷主は前述の よう 握することとした。 図− 6に FEM解析結果を示す。 この に J90kNを上限として除荷 ・再 l l O Cf , 1 fを 5回行い,ひずみ 結果. ~夜荷術霊 190 kNにおける床版 中央の鉛直変位は の履歴を計測した。 CFRP床版の中央部で計測した荷重ー 変位履歴図 を図・ 8に,荷量ーひずみ履歴図を 図− 9に 1 9 0k N 紋術時 鉛1 立変 1 立 ・ 0. 2 0mm 1 9 0kNf I &荷時 長手方向一 1 . 5 9N/ mm ' 短手方l 古J: ー1 . 4 9N/ mm ' 示 す。 試 験 で 得 ら れ た 測 定 例 は. 鉛 直 変 f 立が平 均 約 0 . 2 3m m ,ひずみが短手方向.長手方向とも に約 5 5 μ 程度. 応力度換算で 1. 8N/ mm 2との結果となった。 これは, FE M 解析によって得ら れた鉛直変位1 J ;および応力皮 と比べ.約 1 5%程度大き い 値 で あ る 。 た だ し 械 荷 試 験 r t 1 の目視観 察では, CFRP床版下面のひび測れは確認されておらず. 履歴曲線もおおむね線形の挙動を示 して いることから, (変形I i i ) CFRP床版が剛性低下して いるとは考えにくい。今回の解 ( 応力皮 l : X I ) 析 値 と 計i 日 I J 1 i 直の誤差 は , CFRPl 米l 仮と梁との拘 束 j 立が, 図− 6 FEM解析結果 FEM解析と 実構造物で異なることに起因しているものと 50 プレストレストコン クリート 0特集 /調査報告 。 ' − : , _ ー ・ ー ー ・ ー −− ’ ”L 50 。 。 1 4 : 0 0 1 0 [時刻L i t 200 ~ z E即 l d d 1 巨樹苛且同イ aaF a d 岨 d = 100 権 告 訴 R d F 0. 1 0 0 . 2 0 150 ’ I I I I ’ I 30 40 E 2 ’ 50 60 I ;~ I , , I I ’ " ' F dMpd d 0 0 . 0 0 1 ” , − −E t t t 1 1’ 1− tS 1 1 t a O B−ニ ’ − − − − 一 ’ ι − −− − − a Fd ’E m ’ − ’ ’ r MEa − − ’ ・ − − ’ ’ e ,4 ’ ・ 寸 4 J E t t’ − ’1− − −﹂,,, − ’ ’ ’ 咽 ’ dLF − − − , , . 3EMF d, . − ’ ’, : ; 1 d 50 a d dFdFv E 1 0 0 ’” −− ・61− 2t l sg ‘ , ‘vo− 6 2’ t , . ’ − − ’ − −− − ’− − ’ ’ − , . .i’ 。E a− t’ t e’ a t t t, − 帽’ −− − − −− ︵ Z U A ︶ 料提健謡 1 5 0 'ー ー ー ー ー ー-r 20 長手方[f i Jのひずみ( μ) 図− 7 荷重載荷の履歴図 200 −’ 1 3:・45 1 3 :・30 S E S tt p ・ 1 5 1 3: 1 3 : 0 0 ー”ーーし__ _ _ _, _ _ _ ー ・ a 0 1 2 : 4 5 14 at 50 −− 定 緩 −− " ' − , − 制 定 −司 − ’− − z150 建100 1 0 0 gtfl t i 200 1 50 z " ' : ;: : :: 一一⋮ 200 I . e I I 今 月 白 ー −' −----J − ー ー ー ー −' −司 自 ー −_ , ーー ー ー ~ 50 。 。 ,ー + 1 0 .J_-− ーームーーーー _L_ _ ー ー ー’ ー ー ー ー ー 20 30 40 50 60 短手方 l f i Jのひずみ(μ) 0 . 3 0 図− 9 荷重 一ひずみ居歴図 鉛 直 変i 立 ( mm) 図− 8 荷重ー変位曲線 局港営帝[ I港湾事務所,(独)港湾空港技術研究所および施 設周辺の企業の方々に厚く御礼申し上げます。 (ー財)沿岸技術研究センタ ー 考えられる 。 l 成荷試験結果と解析値に大きなかい離 以上より.今回の l 主任研究員 :由井隆粋 はなく, CFRP床版の内部ひび割れや場所打ち床版とのは CFRP床版調査 W G ( 港湾 PC構造物研究会) 主 主E:佐藤祐輔i く離などの内部劣化は生じていないと判断できる 。 委員 4.お わ り に t l l i川勝則,渡瀬↑w :.中山良直,小野i i i久, 学 , 井上博士,松 本 正 之 村 井 伸 康 , 星 野 展i 白森 G I ' i : ; た , 立 ネ, , , 久 雄 桑野昌 H 北九州港葛築地区桟析は,昭和 40年から 41年にかけ直 杭式撒桟橋構造で施工され.昭和 59年度の港湾構造物の オブザーパー 内藤英n r ; . 網野武彦 腐食調査において,早急に補修が必姿とされたことから. 参考文献 平成 2年度から 4年度にかけて改良工事が行われた。今回 の調査では,改良工事後 2 0年が経過した CFRP床版の目 I) 側 沿岸開発技術研究センターー繊維系素材 ( FRP )を 視調査,有効プレストレス置の確認.載荷試験を行った。 i t ' j 椛 造物の技術開発に附する研究報告白, 1 9 9 3 . 3 2) 附 沿 伴開発技術研究センター 目視調査では,CFRP床版本体の下回に はひび割れ等の mいた港 港湾 P C構造物研究会: : ! と九州 t\ 葉地区岸壁)F R I '床版劣化刈査報告書. 2 0 0 4 . 3 泌 ( 変状は無(有効プレストレス量の調査では設計値のプレ 3 )大柳 修~ f i X 荷 ストレスが導入されていることが確認できた。 また. l n石 似 内 総 英 l i J ' /, 佐 藤 裕 楠 1 0年 経 過 した CFRPt 主総の劣化湖盆と LCC検討.第 1 3回プレストレストコ 試験においては, CFRP床版の剛性低下は線認されなかっ ンクリ ー 卜の発展に 関するシンポジウム論文集 プレストレス トコンクリート 工学会.p p . 2 5 5∼ 2 5 8 2 0 0 4 . 1 0 た。 町 4) 側 沿岸技術研究センター: 以上よか緊張材に炭素繊維を用いたプレキャスト PC j J _ ; r . ;の施設の維持管・理技術マニュア p . 1 8 2.200 7 .1 0 ル , p 床版の長期にわたる有用性を確認すること ができたと考え 5)脈問孝夫 , る 。 m s理. .J血純明t i > [,横井 i 偲之 CFRPで補強した 永久型枠を用いた合成』誌の力学特性と桟橋床版への;& m性,土 木学会論文集 No. 5 2 2 /V I2 8 . pp1 1 91 31 .1 9 9 5 謝 辞 6)二井 谷 教 治 . 渡 瀬 隙 阪 田 慾 次 絞野 克 紀 コ ン ク リ ー ト 部 材の有効応ブJの推定手法に関する研究目コンクリート 工学論文 本調査は,(ー財)沿岸技術研究センターと港湾 PC構 造 集v o . l2 0 ,N o . 2( 57 ).2 0 0 9 物研究会の共同研究として実施したものである。 7)述続繊維補強材を用いたコンクリート構造物設例・施」;マニュ 調査の実施にあたり助言をいただいた,東京工業大学の 8 2.ACC似楽部. 2 0 0 3 アル(案), p. 大 即 信 明 教 授. 西田孝弘助教に心 より御礼申し上げます。 [2013年 9月3日受付] また.調査にご協力をいただいた,国土交通省九州地方 整備局 北九州港湾 ・空港整備事務所,北九州市港湾杢港 V o l . 5 5 ,No. 6,Nov. 2013 5 1