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事例講演 - SAP.com

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事例講演 - SAP.com
SAP All Cloud Connect
業務部門がリードする経営改革フォーラム
人事部門向けトラック
グローバル経営を実現する人材戦略
■ 事例講演
堀場製作所の人事システムとグローバル人財育成の取り組み
株式会社堀場製作所 ジュニアコーポレートオフィサー
(ホリバ・カレッジ学長兼 CSR 担当)
野崎 治子氏
分析・計測装置の大手メーカーの堀場製作所では、従業員の過半数を外国人が占める。人事システムでは、コー
ポレートフィロソフィの共有とマトリクス経営の中核を担う
「グローバル人財」の育成に力を入れている。
社是「おもしろおかしく」を全世界で共有
カリスマ経営者として知られる堀場雅夫氏が京都大学 3 回生のときに
創業した堀場製作所は、自動車の排気ガスや人の血液、湖沼の水などを
対象にした分析・計測装置の大手メーカーである。2013 年に創立 60
周年を迎えた同社では、従業員 27 カ国・約 5800 名の過半数が外国人
(2013 年 12 月末現在)
。多彩な国・地域にまたがるマンパワーを集結させ、
企業の持続的成長という方向へ導くには、平易で明確な人事哲学を掲げ、
それをいかに浸透させるかが重要だ。
グローバル経営の実現に向けた人事の取り組みとして、
3 つの基本方針:
「オープン・アンド・フェア」
「加点主義」
「コミュニケーション」を重視し、人
事施策を展開しています。
また、働くことに対する従業員の意識の共有も重視し「おもしろおかしく」
従業員の誕生日や新製品の出荷日には関係者が集まって宴会をしたり、
運動会などのイベント開催も盛んです。日経ビジネスでは「日本で一番宴
会の多い会社」と紹介されたこともあります。グローバル人財育成では、
こ
のような社内活動でのリーダーシップも重視し集中投資の一環として意識
的に担当させます。これにより、担当業務の枠を超えて人をまとめる力があ
るかどうかを見極められます。
「修羅場経験と敗者復活」もグローバル人財育成のうえでのキーワード
です。ビジネスカルチャーの異なる海外でも活躍できる従業員になるには、
自らの仕事を通じて自分自身のなかで「当たり前」と思っていたことを揺さ
ぶられる経験を積む必要があるとの考えからです。さらに、今まで投資し
てきたグローバル人財候補のうち、修羅場経験を乗り越えられなかった人
たちが新たに生きる場所を提供することも重視しています。
最後が M&A によるグローバル人財の獲得です。その人の魅力や技術
を社是としています。
「おもしろおかしく」には、従業員に健全で実り多い人
を見込んでホリバリアンになってもらう以上は、彼らのもっている能力と当
かしく」仕事をすれば、発想力や想像力が増す。結果として、生産性が上が
ねることが大切だと思います。
生にしてほしいとの前向きな願いを込めています。従業員が「おもしろお
り企業価値も高まる。顧客、株主、サプライヤー、そしてグローバル社会全
体の WIN-WIN の関係を構築できると考えます。創立 60 周年記念時には
社歌を英語で作成し、
グループとしての一体感を醸成しました。
グローバル経営の実現におけるポイント
堀場製作所は、自動車、環境プロセス、半導体、医用、科学など幅広い分
野の分析・計測装置を提供している。商品の総数は 1000 以上。膨大な
商品群とグローバルに広がる事業エリアを効率的にカバーするには、地域
と部門をマトリクス化し、それぞれの要に「グローバル人財」を配する組織
が最適との結論に至った。コアポジションの選定と候補を見える化するこ
とで、経営判断のスピードと質を高めている。
堀場製作所のグローバル人財育成の取り組みは大きく4 つのステップ
に分けられます。まず、採用や職群選択、語学研修を通じて、
グローバル人
財に向かって競い合う
「母集団」を形づくります。続いて、母集団に属する
メンバーを中心に海外出向や異動、次世代リーダー研修、異業種交流など
を経験させることで、将来のグローバル人財の発掘と集中投資を行います。
社の文化をそれぞれが尊重し合いながら新しいものを生み出す努力を重
堀場製作所ではグローバル化を、国や地域、文化、習慣、価値観を理解
したうえで、現地の従業員とともに、
その地に根差したサービスを提供する
ことと定義している。その旗振り役を担うのが、マトリクス経営のキーマン
でもある「グローバル人財」なのだ。
マトリクス経営を担う人財育成
コアポジションの選定と候補者の見える化
育成のスピードアップ
SAP All Cloud Connect
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人事部門向けトラック
グローバル経営を実現する人材戦略
■ SAP セッション
事例とデモでわかる!人材戦略を加速する
グローバル人材プラットフォーム
SAP ジャパン株式会社
人事 / 人財ソリューションズ部 シニアソリューションエンジニア
鎌田 智之
グローバルビジネスの変化のスピードに対応するには、能力と経験を持った適切な人材を適切なポジションに迅
速に配置することが求められる。SAP ではクラウド型の「人材戦略の見える化」を実現するソリューションを提供
している。
全拠点の人材情報を「見える化」
クラウド型はブラウザとインターネット環境があれば明日からでも使える。
そういった簡単な、そして素早く始められる仕組みが特長だ。人事戦略に
スピード感を求められる中で、
クラウド型で素早くグローバル人材プラット
フォームを構築し、国内外の拠点にどんな人材がいるかきちんと把握した
いというグローバル企業のニーズは強い。
多くの企業の皆様がグローバル人材プラットフォームに「人材戦略の見
システム内には定性評価用のコメントのひな型が用意されています。
「優
れた成果を上げた」だけでなく、
「優れた文章力をもって、非常にいいチー
ムコミュニケーションをしてくれた」とすれば、評価を受けた側も納得しや
すいでしょう。
給与をはじめとした人事労務も一層の効率化が可能です。勤怠や給与
計算の運用スケジュールをシステムの中で管理することで、人事部の幅広
い業務の全体感を把握することができます。
世界的大手飲料メーカーのペプシコ様は、SAP のクラウド型ソリュー
える化」を期待されています。どの国の拠点に、
どんな人材がいるのか。直
ションで全世界 30 万人の人事を管理しています。数十名規模の拠点でも、
を把握しておきたいというニーズです。
コストでシステムを構築することができます。
するとすぐに把握できます。あるメンバーをクリックすると、現在の所属部
人材をアサインしていけばいいのか。事業の変化に基づいて中長期的な
接会う機会はないかもしれませんが、
ブラウザを通して全拠点の人材情報
SAP のシステムは、全社で、どういった人材が、どこにいるのかログイン
署や入社年度のほか、
「管理職で何年間リーダー経験があるか」
「営業職
でどのくらいの売上目標を持った責任の立場にあったのか」といった、詳
細なプロフィールを把握できます。
「人材検索」機能を活用すると、
「職務経歴」
「習得言語」など事前設定し
た条件に沿った絞り込みや、
「グローバル研修の参加対象者を誰にしたら
よいか」
「配置計画は誰に担当させるか」といった割り振りなどもクイック
に行うことができます。
中長期的な人材育成にも対応
SAP のクラウド型システムは世界各地の現地法人が抱える課題解決ソ
リューションとしても有効だ。ブラウザとインターネット環境があればよい
ので、
「人員が急増しているアジア拠点だが、給与計算はエクセルのまま」
といった緊急性の高い問題も、システム内の該当機能を使うことでスムー
ズに解決できる。
まず初めに現地の業務ニーズの高い特定機能をパーツとして使用する
ことが可能です。グローバル人材プラットフォームの中で各国の人事業務
が流れていきますから、人事情報が滞ることなく自ずと集約され、より利便
性の良いシステムになります。
人事考課でコンピテンシー(能力特性)の評価をする際も活用できます。
数万人の規模の拠点でも、IT 設定を最小限に抑えながら、限られた期間と
向こう 3 ∼ 5 年の中期経営計画に則って、どういう事業領域に、どういう
人事戦略に対応する仕組みも提供させていただいています。
グローバルな人事施策をシンプルに管理・実行できる SAP のクラウド
型ソリューション。海外拠点の人事労務や評価業務にも利用することで、
人材情報の蓄積が容易になり、
その企業に合ったグローバル人材プラット
フォームが形成できる。情報活用の可能性が広がり、グループ全体の事業
戦略にひもづいた戦略的な人事施策の実行に寄与するだろう。
SAP All Cloud Connect
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グローバル経営を実現する人材戦略
■ パネルディスカッション
“世界で戦う”日本企業が目指すグローバル人事の姿とは
株式会社堀場製作所
ジュニアコーポレートオフィサー(ホリバ・カレッジ学長 兼 CSR 担当)
野崎 治子氏
松崎 毅氏
キッコーマン株式会社 執行役員 人事部長
富士ゼロックス株式会社 人事部長
SAP ジャパン株式会社 人事 / 人財ソリューションズ 部長
小倉 和宣氏
南 和気(モデレーター)
2008 年のリーマン・ショック前後からグローバル人材育成に力を入れる日本企業が増えている。
それから 6 年あまり経ったいま、日本企業はどのようなグローバル人材を求めているのだろうか。
3 つの施策でグローバル人材を確保、育成
現在、各社ではどのようなグローバル人材育成を行っているのか。
松崎氏 事業面で国際化はかなり進んでいましたが、人材面では遅れ
ていましたので、2009 年にグローバル人材育成に向けたプロジェクトを
スタートさせました。具体的にはグローバル人材の確保、育成のために「採
用」
「適材配置」
「育成」という 3 つの施策を設けています。
小倉氏 今後の成長を支えるのは海外市場とソリューション・サービス
事業です。日本中心の発想からグローバル視点への転換を加速させ、けん
引役となるべき人材の獲得、育成、活用を図るため、当社では「日本人社
員のグローバル対応力強化」
「グローバル対応力が高い人材の採用」
「海
外赴任経験者の活用」
「成長市場である海外への人材投入」
「優秀なナショ
ナルスタッフの獲得と育成」
「国・国籍を超えた次世代基幹人材の育成と
登用」を通じて海外での成長を担う次世代人材の育成を進めていく方針
です。
英語はあくまでもツールの 1 つ。仕事の出来は優秀。では、グローバル人
材に求められるプラスアルファの力とは?
野崎氏 国籍や文化を越えてメンバーの人となりを見ることができ、一
相手の言葉で話す心がけも重要
異文化適応力を伸ばすにはどうすればいいのでしょうか?
小倉氏 当社では業務研修や教育研修、実務の名目で海外の経験を積
ませています。さらに国内でも外国籍の人がたくさん働いていますので、こ
うした人たちとコミュニケーションを深めるだけでも自然と異文化適応力
は身に付いていくと思います。
松崎氏 人事の役割はあくまでもきっかけづくり。会社が異文化適応力
向上のために、国内外での研修の活用や、スキルアップのための道筋を用
意してあげることは欠かせません。
野崎氏 コミュニケーションしようという姿勢、いいかえれば流暢な英
語ではなくても、相手の言葉で話そうと心がける姿勢は大切でしょう。
マッチングミスを減らす試みも
3 年から 5 年先を見据えた採用戦略は?
野崎氏 国内では、採用のコースや入社後のキャリアを選択できるよう
にしています。すでに外国人の執行役員がいますが、海外のトップに求めら
れる役割、就任までのキャリアパスやプロモーションのステップを明示し、
人ひとりの魅力を見い出し、
チームとして動かすことができる人です。
で共有していきたいと考えています。
られています。
「コミュニケーション能力」
「リーダーシップ」
「専門性」
「体力」
テンションを含めた昇格等の処遇を整備し、外国籍人材が弊社で働くこと
松崎氏 国内外問わず、
どこでも能力を十分発揮できる人材こそが求め
「楽天性」を兼ね備えている必要がありますが、世界にはいろいろな文化、
宗教、そして歩んできた歴史も大きく違う国々が存在します。こうした文化
の違いを理解し、受け入れられる「異文化適応力」が何よりも求められて
松崎氏 グローバル採用をした外国籍社員のローテーション、及び、
リ
にメリットを感じてもらえる環境設備を進めていきたいですね。
小倉氏 外国籍社員採用に力を入れていますが、中国と韓国が大多数
なので、国籍の幅をもう少し広げたい。外国籍社員の採用はいま競争が激
います。
化していますので、当社が求めている人物像を明確にし、
マッチングミスが
持つことも必要でしょう。なぜならばグローバル人材の多くは自分の専門
ていますが、非常によい刺激になっています。基幹人材を発掘していくため
いなければ、
そういう人たちを納得させ、動かすことはできません。
真に優れたグローバル人材を 1 人でも多く増やしていきたいと思います。
小倉氏 異文化をリスペクトする気持ちも大事ですが、高い専門能力を
性に高いプライドを持っているからです。自分自身も高い専門性を持って
ないようにしたい。海外研修を本社だけでなく、関連会社にも門戸を開い
に、
グループ全体での共通軸を設け、選出・育成できる仕組みづくりを行い、
お電話でのお問い合わせ 0120-786-727(受付時間:平日 9:00 ∼ 18:00) Web でのお問い合わせ www.sap.com/japan/contactsap
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