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技術情報―1 SEMによる試料評価観察にあたって(作成日2010年4月
技術情報― 技術情報―1 SEMによる SEMによる試料評価 による試料評価観察 試料評価観察にあたって 観察にあたって( にあたって(作成日2010 作成日2010年 2010年4月) 種々のタイプがあるSEM装置はそれぞれ目的に応じて利用されております。1965 年英 国で産声をあげた当初はパルプ・繊維関連分野の応用から始まり今では半導体を始めナノ テク分野において不可欠の評価装置です。 SEMを SEMを大きく分類 きく分類すると 分類すると 1、電子銃がタングステンまたはLaB6(ランタンヘキソボライド)を使用した汎用型 SEM(従来型) 2、高分解能を目的とした電界放出形SEM(FE-SEM)、この中でもコールドと加熱 が必要なサーマルに大別されます。両タイプ共試料を対物レンズ内に置くインレンズ 形と(対物レンズ磁界内に試料を置くセミインレンズ型)、通常の対物レンズから離れ ているアウター形に分かれます。前者は試料サイズや材質に制限あるも超高分解能の 性能を発揮します。後者はFE-SEM固有の性能と分析(ED/WD)やEBSD 等の構造解析とナノテクなどの超微細加工に適しております。最近はFE-SEMと FIBを一体化し観察と微細加工を別々の装置にかけることなく同じ試料室で行える 装置も出現しています。 3、測長専用のCD-SEM、半導体異物分析専門のインスペクションSEM、電子線露 光専門の描画SEM、水分(油分)を含んだ試料も観察及び分析ができる低真空SE M(環境型SEM)等幅広い分野に供されています。 4、EPMAと分析SEMの違い 両者とも微小領域分析に利用されています。前者はWDS(波長分散形)と呼ばれる 分光法、後者はEDS(エネルギー分散形)と言って多元素同時分析ができる分光法 です。それぞれ一長一短があり分析目的によって使い分けています。試料はサブミク ロン領域の範囲でオージェ、エスカ等の表面分析装置とは目的を異にしています。 超軽元素(B,C、N、O、F)の感度と全元素の検出限界はEPMAが、高速定性・ 定量分析はEDSの方が優位です。およそ0.2%以下の含有濃度の元素分析はEP MA(WDS)のほうが高精度の分析ができます。 FE-SEMにおける FE-SEMにおける留意点 における留意点( 留意点(上手な 上手な利用法) 利用法) 1、超高真空装置であるのでガス放出の多い大きな試料や水分を含んだ試料は避けます。 2、高倍の撮影は極力試料サイズを小さくし、ペーストよりビス留めをした試料保持をす ることにより試料ドリフトが最小に抑えられます。また、セミインレンズタイプSE Mは試料ホルダーの主面と試料高さの許容範囲が狭いので(0.5mm以内)、可能な 限り7mm x 7mm 角に試料が収まるよう小さくカットしてください。 10 万倍以上での撮影ですと試料サイズが小さい程(7X7mm角)能力が発揮出来ます。 3、電子線を試料面にあてているので試料自身導電性があることと、電子線による熱ダメ ージがないように工夫します。また、電子線はそのエネルギーによって試料内に進入 する深さや領域が決定されます。したがって、試料が薄膜であれば、反射される二次電 子の量が少なくなります。 4、コールドFE-SEMにおける電子線の安定度はタングステンやサーマル形FE-S EMより一桁悪いので定量分析は必ず100%正規化します。 5、試料台のサイズは12 12mm 12mmΦ mmΦ(7mmx7 mmx7mm角 mm角)x5mmh、25mmΦ(17x mmh 17mm角)x5mmh、32mmΦ(21mmx21mm角)x5mmh、 ウエハー断面観察用ホルダー(ウエハーサイズ:16 16mmx 16mmx6 mmx6mm角 mm角) 50mmΦ(35mm X 35mm角)内に入るようにしてください。 (高倍率 高倍率の 高倍率の場 合は7mm X 7mm角 mm角、断面観察の 断面観察の場合 16mmx 16mmx6 mmx6mm角 mm角内が理想です 理想です) です) 半導体デバイス」関連試料はウエハー、マスク材料、ガラス材料、TFT基板などの 薄膜断面と処理後の残渣観察が大部分です。特に断面SEM観察や超微粒子観察の試 料作成法は工夫してください。薄膜や粒子サイズが小さいほど下地材質の影響をもろ に受けますのでガラス類の絶縁物は避けてください。 6,残渣等の薄膜厚試料を観察するとき低加速電圧を使わざるを得なく(電子線の侵入深 さ)又 導電性が無い場合が多く、かつ、高傾斜での観察が主体になります。従いま して、試料の傾斜及び加速電圧の条件設定から、判断し試料サイズは7x7mm角に 収まる様にして下さい。試料サイズが大きいと傾斜角度や作動距離に制限が生じ高倍 の観察に支障がでます。 7,観察場所(分析も同様)を明確に指示下さい。 (たとえばマーカでマークするとか異物 ならば矢印等を利用して交点と分析場所とする等) 8、観察希望倍率が高くなればなるほど、設置室環境(磁場・振動)が厳しくなります。 また、分解能を上げるため作動距離を短く(3mm程度)しなければなりません。 その時の試料傾斜角度は相当制限されます。7x7mm角の場合傾斜は最大5度です。 9、有機膜のEDS分析は膜厚に深く関係しナノ領域になると周辺材料からのX線励起も 含んでしまいます。また、空間分解能を上げる為低加速電圧を選択するもX線が励起 されない(X線強度が極端に低下しまう)場合もあります。 10、試料表面をスパッタする場合はなるべく薄く(2~3nm)し、表面のみならず側壁面 もスパッタできるよう試料を傾斜して回転機能を併用します。スパッタする雰囲気は アルゴンガス下が理想ですが空気でもOKです。良い真空はスパッタ粒子が細かいで きます。