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7 情報化社会の進展動向(PDF形式:147KB)
7 情報化社会の進展動向 7 情報化社会の進展動向 (1)情報通信技術の普及動向 ①インターネット 日本のインターネット利用人口は継続的に増加し、平成 15 年末には 7,730 万人(対 前年比 6.1%増)と推計されており、1 年間で 788 万人が増加しています。人口普及 率は 60.6%と初めて 60%を超えました。 日本におけるインターネットの普及状況 出典)情報通信白書(平成 16 年版) また、利用端末別の個人のインターネット利用状況は、パソコンからのインターネッ ト利用者数が 6,164 万人と最も多いですが、携帯電話等からのインターネット利用者 数も 4,484 万人となっています。全インターネット利用人口の約 8 割の利用者が「パ ソコン」から、6 割弱の利用者が「携帯電話等」からインターネットを利用しています。 端末別にみた個人のインターネット利用者数と比率 出典)情報通信白書(平成 16 年版) 46 また、近年では、ブロードバンド(FTTH、DSL、CATV インターネット、無線等) の整備と利用が急成長を遂げ、世界最高の水準に達しつつあります。ブロードバンド (FTTH、DSL、ケーブルインターネット、無線(FWA 等))利用人口は、平成 15 年末現在で 2,607 万人(対前年度比 33.4%増。人口普及率は 20.4%)と推計されま す。ブロードバンド利用者はインターネット利用人口 7,730 万人中 33.7%を占め、既 にインターネット利用者の 3 人に 1 人以上がブロードバンドを利用しています。 自宅のパソコンからインターネットを利用する場合にブロードバンドを利用してい る世帯の比率も、平成 14 年末の 29.6%から 15 年末の 47.8%に 1 年間で 18.2% 増加しており、ブロードバンドと ISDN(常時接続)を合わせた常時接続回線は 61.7% の世帯が利用しています。 自宅のパソコンからのインターネット利用状況 出典)情報通信白書(平成 16 年版) ②携帯電話・PHS 日本の携帯インターネット契約数は、平成 11 年 2 月に開始されて以来 5 年余りの間 に 8,000 万契約を突破して、平成 15 年度末には 8,152 万契約となり、そのうち携帯 インターネット(携帯電話を使ったインターネット接続サービス)は 6,973 万契約に 達しています。一方で、携帯電話の契約数は、引き続き増加を続けているものの伸び率 は低下しつつあり、加入者一人当たりの月額平均利用金額も、料金の低廉化や利用頻度 の低い層が新規利用者として加わってくること等により低下傾向にあります。 47 携帯電話及び携帯インターネット契約数の推移 出典)情報通信白書(平成 16 年版) ③デジタル放送 平成 15 年 12 月、地上デジタルテレビジョン放送が関東、中京及び近畿の各広域圏 から開始されました。これにより、地上、衛星、ケーブルテレビの全放送メディアにお いて、デジタル放送が実現することになり、これまでの受け身の視聴スタイルに加え、 視聴者自らが能動的に働きかける視聴スタイルが実現することが期待されます。アナロ グ放送からデジタル放送の移行については、地上ラジオ放送を除き、平成 23 年(2011 年)までに完了する予定です。 地上デジタルテレビジョン放送の普及世帯数に関する普及目標 出典)情報通信白書(平成 16 年版) 48 ④IP電話 ブロードバンドの普及に伴い、IP電話の利用が増えており、平成 15 年末で 7.3% の世帯がIP電話を利用しています。また、平成 15 年末において 11.1%の企業がI P電話を導入しており、42.7%が導入予定があるとしています。 世帯におけるIP電話導入状況 出典)情報通信白書(平成 16 年版) 企業におけるIP電話導入状況 出典)情報通信白書(平成 16 年版) 49 (2)情報通信政策の動向 ①国の動向 1)電子自治体推進指針 自治体の電子化は、これまで行政や地域の情報化として進められてきましたが、平成 13年1月にe-Japan戦略が策定され、重点施策として改めて電子自治体が推進されるこ ととなりました。平成15年8月に「電子自治体推進指針」が総務省自治行政局より示さ れ、全国的に電子自治体の推進が要請されています。また、電子自治体の推進にあたっ ては、地域間連携による取り組みが推奨されています。 電子自治体構築の基本的考え方 1 電子自治体構築の目的 (1)住民の満足度の向上 (2)簡素で効率的な行政運営の実現 (3)地域の活性化・地域IT産業の振興 2 電子自治体構築の基本的な方向 (1)電子自治体構築のグランドデザインの明確化 (2)利用者の視点に立った電子自治体の構築 (3)情報セキュリティ対策と個人情報保護の徹底 (4)電子自治体ネットワークの構築のための連携・協力の推進 (5)外部委託(アウトソーシング)等民間活力の積極的な活用 (6)住民と行政のコミュニケーション及び協働(コラボレーション)の拡大 (7)オンラインサービスの普遍的な利用環境の整備(デジタルデバイド対策) 出典)電子自治体推進指針 2)LGWAN(総合行政ネットワーク)構築の推進 総合行政ネットワーク(LGWAN:Local Government Wide Area Network)は、 各県を中心に地方公共団体を相互に接続する行政専用のネットワークです。LGWAN は、地方公共団体の組織内ネットワークを相互に接続し、高度情報流通を可能とするネ ットワークとして、地方公共団体相互のコミュニケーションの円滑化、情報の共有によ る情報の高度利用を図ることを目的としています。さらに、霞が関WANとも接続され、 国の各府省との情報交換も可能となっています。 LGWANの概念図 50 3)共同アウトソーシング・電子自治体推進戦略等の推進 行政手続のオンライン化をはじめとする電子自治体の実現のため、総務省では平成 14 年5月に、複数の地方公共団体の業務を標準化・共同化した上で、民間企業のノウハウ・ システム等を有効活用することにより、住民サービスの向上、地方公共団体の業務改革、 情報関連地場産業振興等による地域経済の活性化を推進するため「共同アウトソーシン グ・電子自治体推進戦略」として発表しています。 共同アウトソーシングの概念図 51 ②愛知県の動向 1)愛知県自治体共同情報化構想 愛知県及び県内市町村(名古屋市を除く)は、共通の目標である電子自治体化を、経 費や人的な面で効率よく、地域全体として格差なく、しかも早期に実現するため、 「あい ち電子自治体推進協議会」を平成15年4月に設立しました。この協議会では、電子自 治体に必要となるシステムの開発や、高い安全性を確保しつつ24時間365日システ ムを運営していくためのデータセンターなどの費用を、参加する団体で負担し、住民や 企業の方がインターネットから行政機関への申請や届出を可能にするシステムの開発運 用などを行っています。 2)あいち自治体データセンター あいち自治体データセンターは、住民や企業等からの各種申請・届出を24時間36 5日受付を可能とするため、高度な安全性が確保された民間データセンターを借り上げ、 共同利用する各種システム機器を設置し、運用・監視を行うものです。運営する共同利 用システムとしては現在稼働中の電子申請・届出システムのほか、施設予約システムや 電子調達システムなどが今後順次追加される予定です。 あいち自治体データセンターの実施スケジュール 出典)「あいち電子自治体推進協議会」ホームページ 3)電子申請・届出システム 従来の申請・届出等は、行政窓口へ郵送するか持参して提出する必要がありましたが、 電子申請・届出の受付サービスを利用すれば、従来の窓口申請に加えて、パソコンで作 成した申請書を電子データのままで自宅や職場から原則として24時間365日申請す ることが可能となります。電子申請・届出システムは、平成16年7月20日に愛知県 の手続が稼働を開始し、平成17年1月24日に県内市町村の手続について運用を開始 しています。 52