Comments
Description
Transcript
Topics 「第6回コンプライアンス研修会」、 「第1回
Topics 「第 6 回コンプライアンス研修会」、 「第 1 回コード・オブ・プラクティス/プロモーションコード 実務担当者会」を開催 トピックス 2013年5月28日、野村コンファレンスプラザ日本橋6階大ホールにて、第6回コンプライ アンス研修会ならびに第1回コード・オブ・プラクティス(COP) ・プロモーションコード (PC)実務担当者会を開催しました。午前10時からの第6回コンプライアンス研修会はソー シャル・メディアをテーマとした講演で、COP・PC実務担当者の方にも有意義なテーマで あることから、表1のプログラムの通り午前を第6回コンプライアンス研修会と第1回 COP・PC実務担当者会の合同研修会とし、引き続きCOP・PC実務担当者会を午後に開催 しました。参加者は代理出席を含めコンプライアンス担当責任者・担当者が111名、 COP・PC実務担当者が104名でした。双方の会に登録されている方の参加が37名あった ため、実際の参加者数は178名でした。 表1 第6回コンプライアンス研修会/第1回COP・PC実務担当者会プログラム 午前の部 司会:コンプライアンス委員会 1.開会挨拶 森田 美博 ワーキングチームリーダー 仲谷 博明 専務理事 2.講演「ソーシャル・メディアとコンプライアンス上のリスク」 日本アイ・ビー・エム株式会社 シニアセキュリティアナリスト 3.謝辞 コンプライアンス委員会 守屋 英一 氏 寺島 徹 実務委員長 午後の部 司会:コード実務委員会 赤田 盛宏 副実務委員長 4.コード委員会活動報告 森田 美博 実務委員長 5.製品情報概要審査会報告 石踊 司 実務委員 6.我が社のコード遵守体制について (1)小野薬品工業株式会社コンプライアンス推進部次長 小竹 交成 氏 (2)サノフィ株式会社渉外本部プロモーションコード推進部部長 松木 達彦 氏 7.グループ討議 「各社におけるソーシャル・メディアの利用の問題事例と対応について」 8.閉会挨拶 仲谷 博明 専務理事 アンケート、グループ討議メモ COP・PC実務担当者会では、「各社におけるソーシャ 開催当日、コンプライアンス委員会とCOP・PC実 ル・メディアの利用の問題事例と対応」をテーマにグ 務担当者会がそれぞれの参加者に表2の設問のアン ループ討議を行い、討議の記録を提出してもらいまし ケート調査を実施し、コンプライアンス担当責任者・ た。これらの結果も含めて以下に本会の概要について 担当者73名、COP・PC実務担当者94名の方から回 報告します。 JPMA News Letter No.157(2013/09) 20 答がありました。その内訳は表3の通りです。また 「第6回コンプライアンス研修会」、 「第1回コード・オブ・プラクティス/プロモーションコード実務担当者会」を開催 表2 アンケートの設問 コンプライアンス委員会アンケート A. あなたの本日の出席のお立場は B. 講演 「ソーシャル・メディアとコンプライアンス上のリスク」 (守屋英一先生) について 1)大変良かった 2)良かった 3)あまり良くなかった C. 本日の講演内容にあったリスクが貴社内において 1)大いにあると思う 2)少しあると思う 3)あまりないと思う 4)全くないと思う D. 貴社のソーシャル・メディア・ルールの策定状況について 1)策定している 2)今後策定予定 3)今のところ策定を考えていない E. その他お気づきの点やご意見がありましたらご記入ください COP・PC実務担当者会アンケート 問1. あなたはCOP・PC実務担当者ですか。 問2. コード委員会での検討を要望する事項があれば、具体的に記載ください。 問3. 今回のCOP・PC実務担当者会で特に参考になった事項は何ですか。 問4. 今後のCOP・PC実務担当者会の企画・運営についてご意見・ご要望を記載ください。 表3 COP・PC実務担当者会およびコンプライアンス委員会の参加者の内訳 COP実務担当者 PC実務担当者 COP兼PC実務担当者 21名 27名 32名 COP実務担当者の代理 PC実務担当者の代理 COP兼PC実務担当者の代理 4名 6名 4名 合計:94名 コンプライアンス担当責任者 コンプライアンス担当者 28名 26名 コンプライアンス担当責任者の代理 コンプライアンス担当者の代理 その他 11名 7名 1名 合計:73名 第6回コンプライアンス研修会と第1回COP・PC実務担当者会の合同研修会 講演「ソーシャル・メディアと コンプライアンス上のリスク」 演者の守屋英一氏は、講演にあたり事前に全会員会 社のソーシャル・メディアにおける状況等をネット上 で把握され、それらを事例として挙げ解説するとと もに、会場の参加者に質問するなど聴講者 (会員会社) 守屋氏 参加の講演でした。わが国におけるソーシャル・メ ディアの推定利用者数は2013年1月現在で、最も 利 用 さ れ て い るFacebookが1,390万 人、 次 に Facebookページ”が全会員会社の33%にあること Twitterが925万人、会員会社におけるFacebook などが紹介され、会場がどよめきました。また自社 の公式ページの保有は9%、会員会社の“なりすまし に関連した投稿に関する調査方法のひとつとして、 「第6回コンプライアンス研修会」、 「第1回コード・オブ・プラクティス/プロモーションコード実務担当者会」を開催 JPMA News Letter No.157(2013/09) 21 良かった 14%(10名) 大変良かった 86%(63名) あまり良く なかった 0名 図1 講演「ソーシャル・メディアとコンプライアンス上のリスク」の評価 あまりないと思う 5% (4名) 少しあると思う 34%(25名) 全くないと思う 1%(1名) 大いにあると思う 59%(43名) 図2 社内における講演内容にあったリスクについて Yahoo!のリアルタイム検索に自社名を入力して検 なること」 などが挙げられました。また 「Facebook以 索することで簡単にできることも紹介されました。 外のソーシャル・メディアで注意を要するものは?」 ソーシャル・メディア利用のリスクとしては、ソー との質問には、 「Googleプラスが動画配信可能な点 シャル・メディアによる求人者の素行調査等を行う に注意する必要があること」 などを挙げていました。 と職業安定法に抵触することや“なりすまし”による 本講演に関して、コンプライアンス研修会参加者 機密情報の詐取やウイルス・メールの送信などの事 へのアンケート結果では、 「大変良かった」が63名 案が紹介されました。リスクへの対応としては、ガ (86%) 、 「良かった」が10名(14%) 、 「あまり良く イドラインの整備、投稿内容の監視、なりすまし対 なかった」はありませんでした(図1) 。本講演に関す 策(Googleアラートの利用など)、サイバー攻撃への る回答者のコメントには、 「業界事例の紹介があり、 対策が挙げられました。 わかりやすく身近な問題として認識した」 「リスクに 講演後、 「今後新たに発生するリスクにはどのよう 対する甘さなど新たな認識を得た」 「講演内容をもと なものがあるか?」という会場からの質問に対して、 にガイドラインを作成する」 「すぐに活用できる講演 「国内事業所はガイドラインにより徹底できても、海 内容だった」 「タイムリーなテーマだった」といった 外事業所における情報漏洩等が往々にしてあり、そ 記載が多数ありました。COP・PC実務担当者会の の対策を講じる必要があること」 「従業員の行動にお アンケートにおいても「今回のCOP・PC実務担当者 いてその位置情報が第三者にわかるようになり、そ 会で特に参考になった事項」として本講演を最も多く れがきっかけで会社の戦術等が他社の知るところと の方が挙げていました。 JPMA News Letter No.157(2013/09) 22 「第6回コンプライアンス研修会」、 「第1回コード・オブ・プラクティス/プロモーションコード実務担当者会」を開催 策定予定なし 策定している 26% (19名) 36% (26名) 38% (27名) 今後策定予定 図3 会員会社におけるソーシャル・メディア・ルールの策定状況 コンプライアンス研修会のアンケートの「社内にお 活動」において、 「ソーシャル・メディア等を使用した ける講演内容にあったリスクについて」は、 「大いに デジタル・コミュニケーションの利用については、会 あると思う」が43名(59%) 、 「少しあると思う」が 員会社がその内容に関する一切の責任を負う…」とし 25名 (34%) 、 「あまりないと思う」 が4名 (5%) 、 「全 ています。しかし、コンプライアンス研修会のアン くないと思う」が1名(1%)でした(図2) 。設問のコメ ケートの「会員会社におけるソーシャル・メディア・ ントには、 「リスクの増大など今後の課題と認識した」 ルールの策定状況」をみてみますと、 「策定している」 「リスクへの意識が低く対応ができていない」 「社内 が26名 (36%) 、 「今後策定予定」 が27名 (38%) 、 「今 の実態を把握していない」 「リスクの大きさを社内で のところ策定を考えていない」が19名(26%)でした 調査する」 が相当数ありました。 ソーシャル・メディア利用ガイドライン 策定への支援要請 (図3) 。本アンケートの回答者は、同一の会社のコン プライアンス担当責任者と担当者の複数が回答してい る場合があることから、会員会社における正確な策定 率はつかめませんが、おおむね3分の1程度と推測さ COP・PC実務担当者会のアンケートの「コード委 れます。COP・PC実務担当者会のグループ討議メモ 員会での検討を要望する事項」として最も多かったの の記載からも、全会員会社におけるソーシャル・メ は、 「ソーシャル・メディア利用ガイドライン策定へ ディア・ルールの策定状況は同様に3分の1程度にと の支援」であり、具体的に「ガイドラインのモデルの どまるものと思われます。実際にCOP・PC実務担当 提示」 「会員各社のガイドラインの設定状況や社内浸 者会のアンケートの 「今回のCOP・PC実務担当者会で 透への取り組みに関する情報共有」を多くの方が挙げ 特に参考になった事項」として、多くの方が「ソーシャ ていました。 「今後のCOP・PC実務担当者会の企画・ ル・メディアへの対応における各社のバラツキ等会員 運営についての意見・要望」でも、 「会員会社におけ るガイドラインの設定等の取り組み状況、取り組み が進んでいる会員会社の事例紹介等の情報共有」を多 会社の対応について認識したこと」 を挙げていました。 (2)ソーシャル・メディア利用ガイドライン策定の 必要性について認識 くの方が挙げており、COP・PC実務担当者会のグ コンプライアンス研修会のアンケートのコメント ループ討議メモにも同様の要望の記載がありました。 やCOP・PC実務担当者会のアンケートおよびグルー ソーシャル・メディア利用ガイドライン策定の支 プ討議メモに「ソーシャル・メディア利用ガイドラ 援を求める背景として以下の点が挙げられます。 (1)ソーシャル・メディア利用ガイドラインを 策定済みの会社は3分の1程度 製薬協コード・オブ・プラクティスの「2. 情報発信 インの策定の必要性を認識した」との記載が多くあ り、コンプライアンス研修会の守屋氏の講演聴講を 契機にガイドライン策定の気運が高まったことがう かがわれました。 「第6回コンプライアンス研修会」、 「第1回コード・オブ・プラクティス/プロモーションコード実務担当者会」を開催 JPMA News Letter No.157(2013/09) 23 第1回COP・PC実務担当者会 加えた。 コード委員会活動報告 広告作成要領改定の骨子は以下の通りです。 コード実務委員会の森田実務委員長から、主に 1. 「通常広告」「品名広告」「記事体広告」に大別し 2013年度のコード委員会の事業実施計画について報 て規定し、製品情報概要記載要領との整合を明 告がありました。従来のPC委員会は製薬協COPの施 確にした。 行に伴い改組し、2013年度から、研究開発、バイオ 2. 「記事体広告作成上の注意点」を作成要領に組み 医薬品、患者団体連携推進の各委員会の推薦委員が加 入れた。(第4章) わるコード委員会を設置しました(図4) 。2013年度 3. 通常広告において他社品との比較試験結果は紹 のコード委員会の事業実施計画は「1. COPの浸透と 介できないこととした。 いっそうの遵守徹底」 「2. 透明性ガイドラインの理解 4. 通常広告において症例紹介はできないこととした。 促進および円滑な運用」 「3. コードに関する問合わせ、 5. 通常広告において効能・効果との関連が十分に 苦情申立て、および違反事案の迅速かつ適切な処理」 明らかにされていない作用または副次的な作用 「4. IFPMAとの国際的協調を推進」 に集約されます。 は紹介できないこととした。 6. 広告において医療関係者の肖像写真を主体とす 医療用医薬品製品情報概要審査会活動報告 る広告は認められないとした通知を明文化した。 石踊実務委員から、主に「製品情報概要記載要領お よび同広告作成要領」の変更点について説明がありま 本改定は2013年6月1日施行ですが、移行期間を した。 設け完全実施は2014年1月1日です。なお、製薬協 製品情報概要記載要領改定の骨子は以下の通りです。 コード委員会、医療用医薬品製品情報概要審査会発行 1. 記載項目の名称およびその内容(括り)を変更し、 の医療用医薬品製品情報概要記載要領および同広告作 読み手によりわかりやすいよう変更した。 成要領の改定版が2013年6月1日に発行されました。 2. 臨床試験の項目について、最近の承認審査(公知 また医療用医薬品製品情報概要審査会主催の説明会開 申請、国際共同治験など) に対応して変更した。 催を2013年10月22日と29日に予定しています。 3. 使用上の注意等の注記は一律の基準とせず、必要 COP・PC実務担当者会のアンケートで「今回の 性の判断に委ねるものとした。 COP・PC実務担当者会で特に参考になった事項」と 4. 補遺1(症例紹介) 、補遺2(臨床比較試験)を臨床 して多くの方が本報告を挙げていました。 「今後の 試験の項目内に組み入れた。 COP・PC実務担当者会の企画・運営についての意見・ 5. 症例紹介できる種類4.「病態が特殊で経過が多岐 要望」でも、このコーナーについて「より長く時間を にわたる疾患…」を削除し、記載時の遵守事項を 取って欲しい」 との要望がありました。 コード委員会 透明性タスクフォース 検討グループ 規制検討チーム 会合企画チーム 理解促進チーム 海外コードチーム 製品情報概要審査 コード実務委員会 図4 コード委員会の組織 JPMA News Letter No.157(2013/09) 24 「第6回コンプライアンス研修会」、 「第1回コード・オブ・プラクティス/プロモーションコード実務担当者会」を開催 会員会社のコード遵守体制について 小竹氏からは、小野薬品工業 ㈱におけるコンプライ アンス推進部の設置により、社内の意識変革と部門間 の連携が進み、コンプライアンス推進部主導の社内 コンプライアンス体制が管理推進されてきたこと、ま たCOPの施行が営業部門だけでなく、全社的なコン プライアンス意識の向上につながったことなどの紹介 小竹氏 松木氏 がありました。今後の課題としていっそうの周知徹底 とモニタリング等の活動における創意工夫を挙げられ ました。 松木氏からは、本国のサノフィ㈱のコンプライアン グループ討議 ス・ポリシーの考え方と日本法人における運用や、 COPの策定状況について紹介がありました。コンプラ 「各社におけるソーシャル・メディアの利用の問題事 イアンスの推進にはトップマネジメントのコミットメン 例と対応について」をテーマに102名のCOP・PC実 トが最も重要であり、 トップから継続的にメッセージを発 務担当者の方が12班に分かれて討議しました。討議 信していること、コンプライアンスのためのPDCAサ における意見等につきましては上述しましたが、グ イクルを回す過程において、社員へのトレーニングや ループ討議については、今回に限らず有意義であると モニタリングなど、工夫している点について説明があ 定評があります。今回も討議時間の延長やグループの りました。また定期的に実施している社内アンケート 構成人数をより少なくして討議を充実して欲しいといっ の結果も紹介され、回を重ねるごとにコンプライアン た要望がありました。これらの背景には、本会におけ ス意識は高まってきているものの、上司や顧客からの る実務担当者間の情報交換や共有への期待があるも 強い要求があった場合に断りにくい意識があり、今後 のと思われ、より頻回の開催や懇親会の設定等による の課題であることなどの紹介がありました。 インフォーマルで自由な交流の提案もありました。次 COP・PC実務担当者会のアンケートで「今回の 回の企画に生かしていくよう鋭意検討してまいります。 COP・PC実務担当者会で特に参考になった事項」と して多くの方が「会員会社のコード遵守体制について (コード実務委員会 会合企画チームリーダー 樗澤 啓示) の発表」 を挙げていました。 グループ討議風景 「第6回コンプライアンス研修会」、 「第1回コード・オブ・プラクティス/プロモーションコード実務担当者会」を開催 JPMA News Letter No.157(2013/09) 25