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自社エンジニアリング手法確立に向けた 取り組みと課題 ~FF導入事例に

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自社エンジニアリング手法確立に向けた 取り組みと課題 ~FF導入事例に
自社エンジニアリング手法確立に向けた
取り組みと課題
~FF導入事例にもとづいて~
三菱化学エンジニアリング株式会社
エンジ部 制御・情報システムGr
原田 宜之
日本フィールドバス協会
ユーザセミナ in Japan (大阪)
アクスネッツうめだ 2008/09/19
© 2008 Fieldbus Foundation
自社エンジニアリング手法確立に向けた
取り組みと課題
1.FF設備概要 (FF範囲,規模)
2.自社エンジニアリング取り進め
3.設計、工事
4.FF導入に関するトピックス
(計器ダウンロード,DCS,FF信号診断)
5.コミッショニングの取り組み紹介
(バルブシグネチャーデータの活用)
6.まとめ
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日本フィールドバス協会
ユーザセミナ in Japan (大阪)
アクスネッツうめだ 2008/09/19
© 2008 Fieldbus Foundation
1-1. 設備概要 (プラント概要)
建設場所:三菱化学㈱ 黒崎事業所
工場名称:ポリカーボネート工場
(KP2プロジェクト)
・ガス/腐食流体/モノマー/ポリマーなど
複数のプラントからなる。
◎
・インバータ機器も多数存在
・非防爆エリア(一部、防爆エリアあり)
・試運転 2008年2Q終了
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日本フィールドバス協会
ユーザセミナ in Japan (大阪)
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1-2. 設備概要 (FF及び通信採用範囲)
1.フィールドバス
3.モバイル
2.光通信システム
RI/O SYSTEM
CDL伝送 SYSTEM
FOUNDATION FIELD BUS
無線LAN SYSTEM
DCS
DCS
DCS
電源UNIT(MTL)
PLC
総合EJB
JB(MTL)
現地EJB
光-NET
8点入力モジュール
(エマソン)
・・・
温度指示
渦流量計
電磁流量計
質量流量計
PA/FA
調節弁
ユニット機器
制御盤取合
I/L計器,保安計器
PDA
温度制御
ヘッドマウントtype
温度計は、省配線目的でFF導入
圧力伝送器
差圧伝送器
非FF対応計器
PH計
導電率計
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ON-OFF弁
日本フィールドバス協会
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1-2. 設備概要 (補足)
FF採用計器について
・通常の端子箱の中にFF変換器内臓
(ヘッドマウントtypeを採用)
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1-3. 設備概要 (FFデバイス規模)
フィールドバス機器導入率
FFデバイス内訳
全体: 140セグメント
全体: 4,480点
アニューバ流量計 2%
DI/O 730点
AI/O 410点
電磁流量計 4%
29%
FF 1300点
PH計 1%
導電率計 1%
質量流量計 4%
渦流量計 5%
CDL 510点
調節弁 23%
マルチプレクサ取込
RI/O(AI /O) 100点
温度計 28%
圧力/差圧伝送器 23%
RI/O(DI /O) 1430点
温度計(FF) 9%
ユニット機器比率が高いため、全体のFF導入率として
は低めであるが、RI/O採用により、バス導入比率は
高い。
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2. 自社エンジニアリング取り進め
H/W設計
DCS
FF用フィールド計器
FF用電源装置,避雷器
メガブロック
TYPE-Aケーブル
圧着器/端子
S/W設計
コミッショニング
I/Oリスト
機能仕様書
FFビルダ ダウンロード
ループチェック
アセットシステム(PRM)
エンジニアリング
ビルダ構築
FFビルダ構築
シーケンス構築
( 診断技術 )
・社内において、初めてのFF本格導入プロジェクト
・基本設計~コミッショニングまで、FF導入に対するノウハウを蓄積し、
自社エンジニアリング手法を確立
全て自社エンジニアリングにて取り進め
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日本フィールドバス協会
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3-1. 設計,工事 (セグメント設計)
1. 最大接続台数
10台/セグメント(但し、調節弁4台迄)
・LAS(定期通信<500msecメーカ推奨値)
・FF用電源装置(<350mA)
・ケーブル距離(<1900m)
制約から設計余裕を考慮
2. セグメント系統分け
計器配置からセグメントグループを決定
・DCS/電源カード冗長化により信頼性向上
・電流制限付きメガブロック採用により、短絡時の影響なし
→ セグメント設計上制約の自由度をあげる
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3-1. 設計,工事 (セグメント設計 補足)
10台(調節弁4台含む)設計のスケジュール結果一例
0msec
267msec
500msec
バルブ①
1000msec
LASからみた場合、結果的に余裕の
あるスケジューリングとなった。
バルブ②
バルブ③
各フィールド計器の処理(通信)速度は、
年々、進歩しており、
LAS制約 < 電源装置容量制約
である(本PJの場合)。
バルブ④
計器①
計器②
計器③
計器④
計器⑤
計器⑥
電源装置容量や多点用JB(メガブロック)等、
付帯設備の容量UPも必要。
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3-2. 設計,工事 (デバイス情報)
1) Node_Address
2) PD_TAG
3) Device_Class(Basic or LAS)
デバイス情報の入力済み計器を入荷
・建設サイトでの作業最小化
・通信確立のスムーズ化
を考慮
(Node_Address)
メガブロック端子
Terminal-1
Terminal-2
Terminal-3
Terminal-4
・
・
ノードアドレス
0XF7
0XF6
0XF5
0XF4
・
・
(PD_TAG)
PJ-NAME + ループNO. + T or V
※現地でのノードアドレスやPD_TAGの変更は
時間が費やされる
設計する上でNode_Address管理は負荷が大きい。
→ エンジニアリングする上で今後の課題
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日本フィールドバス協会
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3-3. 設計,工事 (現地施工)
FF用JBBOX
・SUS-IP65BOXに格納
・計空パージ施工
FF用メガブロック
・12点用/セグメントで統一採用
・メガブロック端子メーカ推奨の
圧着棒端子採用
8点入力用マルチプレクサカード
TYPE-Aケーブルは、従来のシールドケーブルよりも細いため、ケーブル外径とパッキンシール径
の確認が必要。
→ 本PJにて採用したTYPE-Aケーブルは、計器標準取付の耐圧パッキンシール径
(防爆施工分)よりも細いため、ケーブルシース厚みを厚くすることで対応した。
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日本フィールドバス協会
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3-4. 設計,工事 (ループチェック)
圧力伝送器のループチェック手順例(概要)
DCS(PRM)
→ 通信・計器ダウンロード時点でループが確立
FF用通信カード
a) 個別ループの間違いない縁切確認
FF用電源カード
b) PRMの有効利用
CCR
現場側
を考慮した手順。
1) メガブロックのブロック端子取外
2) 計器側 : 無電圧であること
DCS側 : IOPとなること
3) メガブロックのブロック端子復旧
4) 伝送器を均圧状態にする
5) 復旧確認後、PRMよりゼロ調整実施
+ S -
FF用メガブロック
取出弁
a)
+
S
-
取外可能なブロック端子
b)
FF計器 圧力伝送器
→ 解結線,模擬入力作業etcないため、作業負荷低減
(但し、計器調整時のPRM作業順番待ち発生)
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4-1. FF導入のトピックス (計器単位)
ビルダからダウンロード不可の単位が存在する
FF単位系変換ビルダで規定されていないため、工夫が必要
FFビルダ
ダウンロード
FF計器
1) T/H
FF-AIブロックの単位をTNE/Hへ変更しダウンロード
2) KPa/abs
計器側単位をKpaaに設定し対応
→ FF協会やホストベンダーで規定されている単位表現の使用
3) μS/cm
計器側単位をS/cmに設定し、10^6を乗じて対応
→ センサーの使用単位は、FF協会で定義(コード化)されることを望む
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日本フィールドバス協会
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4-2. FF導入のトピックス (DCSエンジニアリング)
1. 開平演算
開平処理は、DCS側での設定は無効のため、計器側で設定することで対応。
(PVIブロックの開平処理は、FF-AIブロックと接続される場合、無効になる)
⇒ 従来アナログベースでの設定項目は、「無効」ではなく、別の方法で機能の充実
2. テスト機能
FFブロック計器は、機器登録がされていないと従来アナログブロック計器と同様な方法で
「テスト機能」の確認ができない。工夫が必要。
⇒ FFブロック計器のテスト機能充実
3. 等値化機能
PRMで計器パラメータ(レンジ,単位・・・)変更しても、自動的にENGビルダへ反映されない。
全てのパラメータは、変更履歴が残るPRMを正として、管理している。
⇒ パラメータ一括管理するための等値化機能の充実 (ケーパビリティFILEも一括管理)
⇒ DCSのFFエンジニアリングの充実
(DCSベンダーにより異なると思われる)
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4-3. FF導入のトピックス (FF信号診断)
(事象)
コネクションエラー(システムアラーム)が時々発生
~フィールドサイドの原因により~
(診断事項)
1) 物理層診断 : 抵抗,キャパシタンス測定
31.25KHz のFF信号
ケーブル損傷,アース健全性,誘導ノイズ・・・
2) ノイズレベル測定
ピークノイズ,リトランスミット回数・・・
3) FF信号波形確認
全体/1フレーム信号波形に歪み,崩れがないか・・・
→ FF信号診断アイテム及び手順の確立
(但し、作業負荷が大きく、専門知識が要求される)
(全体信号波形一例)
「FFシステムエンジアリングガイドライン」の「サイト設置要領」記載アイテムを網羅した、FF信号診断
ツールの導入/実証ができれば、負荷低減 (トラブルシューティング,工事検収) になる。
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5. コミッショニングの取り組み紹介
建設時に全ての調節弁に対し、2種類のシグネチャーデータを採取
1) 25%STEP応答
毎回のステップ設定値をStepSizeとして、
設定されたステップ量ごと増加させながら
指定された範囲に渡り繰り返す。
<測定結果(自動算出)項目>
・オーバーシュート幅
・86%応答時間
(25%STEP応答)
上記算出結果及びグラフから読み取った無駄時間/制定時間比較で
制御性能状況の良否を判断する。
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5. コミッショニングの取り組み紹介
2) 標準静特性
10~90%間で、10%毎にバルブへの
出力圧力と実開度の関係を往復で
測定
<測定結果(自動算出)項目>
・スプリングレンジ(動作圧力)
・摩擦の大きさ(ヒステリシスの1/2)
(標準静特性)
上記算出結果及び経年使用後の採取データ比較でグランドの緩み、固着度合い
の推定を行う。
→ データ収集に、15min/台必要。自動で複数台バッチ採取する機能があれば、
負荷低減となり、効率的 (ループチェックと兼ねることができる)
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5. コミッショニングの取り組み紹介
バルブ再チューニング実施事例
ハンチングが生じるバルブが存在(青色)
再チューニングを実施して改善(赤色)。
シグネチャーデータを採取することにより、
・ハンチング
・応答遅れ
など、今まで、目視確認だけでは見落
としていたバルブ動作を改善。
(ハンチングが大きいバルブの一例)
→ 口径により、しきい値(無駄時間,時定数,制定時間etc)を決め、
外れたバルブ(約10%)は再チューニング実施
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6-1. まとめ (課題)
・課題 (提案)
1) 設計時点での課題
・セグメント設計の自由度UP(台数)
・デバイス情報管理(Node_Address)
・TYPE-A(ケーブル径)などのFF特有H/Wの選定
・効率的なループチェック手法の確立
2) 負荷低減アイテム(ツール)の導入及び実証
・FF信号診断ツール
・DCSエンジニアリングの向上
・シグネチャーツール(自動複数台バッチ採取)
3) 計器診断等、診断技術の実証及び確立
・プラント特有の診断アイテムからパラメータの検証
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6-2. まとめ (手法と取り組み)
FF導入のエンジニアリングに対するノウハウを蓄積中。
自社エンジニアリングの手法と取り組み
基本設計~コミッショニングまでの手法において、様々な導入事例を
参考にしながら、ケーススタディを実施し、エンジニアリングを行った。
各フェーズでの設計項目を検証し、先述した課題をフィードバックさ
せることにより、自社のエンジニアリング手法を確立させる
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