...

ゴルフ知恵袋 「キーワードは小顔」

by user

on
Category: Documents
19

views

Report

Comments

Transcript

ゴルフ知恵袋 「キーワードは小顔」
ロが手を出さなかったので一般ゴル
が長かったチタンドライバーにプ
ことと、ヘッドが大きく重心距離
ンドライバーがとても高価だった
時代です。その理由は、当時チタ
この 年代前半は、チタン、メ
タル、パーシモンが混在していた
めて登場し話題になりました。
球感が良いチタンドライバーが初
ヘッドでやさしく打て、しかも打
ドが主流となっていた時に、大型
160㏄程度の大きさのメタルヘッ
年前です。パーシモンヘッドから、
ベレージゴルファーの救世主とな
たので、スライスに悩む多くのア
なりのフックフェースになってい
一方の「SヤードT・301」
も、250㏄の大型ヘッドで、か
始めたドライバーです。
ップアマや上級者がこぞって使い
めツアーで使用を開始すると、ト
来のプロでも違和感なく打てるた
心距離に設計されていたので、従
りながらパーシモンとほぼ同じ重
「プロ230チタン」は、当時と
しては大型ヘッドの230㏄であ
ードT・301」です。
230チタン」とセイコー「Sヤ
発 売 された ブリヂストン「 プロ
生まれたのです。
こうしてクラブの多様化の時代が
側は新しい性能を開発してきます。
えましたが、そうなればまた企業
はSLEルールによって終焉を迎
スで鋭く良く飛ぶドライバーが登
り具合が違ったり、高反発フェー
にボールの打ち味や打球音、捕ま
同じ大きさのヘッドでもそれぞれ
トロールできるようになったので、
心の位置やフェースの反発もコン
にヘッドが大きいだけでなく、重
ヘッド 体 積の大 型 化に伴い、単
ましいものがありました。そして、
ヘッドの大型化のスピードは目覚
多様化で肉薄化が進歩したので、
キーワードは小顔
ファーに浸透しなかったというこ
りました。チタンドライバーのほ
世界初のチタンドライバーがミ
ズノから登場したのは今から約
とがあげられます。ですから、初
とんどが 万円を超えていた中で、
大ヒットしたのです。
8万8千円という値段も影響して
特徴的なヘッドが各メーカーから
しゅうえん
位置づけになっていました。
多くのモデルが採用している「弾
登場してきた段階を経て、現在は
アベレージゴルファー向けという
場したりしました。高 反発 時代
期のチタンドライバーは富裕層の
「高打ち出し・低スピン」
「高慣
性モーメント」
「異形ヘッド」など
●金谷 多一郎
(かなたに たいちろう)
1960年生まれ。アマチュア時代
に輝かしい実績を残し、日本大学
卒業後の84年プロ入り。プロ通算
1勝。明確なスイング理論と、わか
りやすい解説が人気。著書多数。
ツアープロのコーチング も務
め、多数のプロを優勝に導く。95
年レッスンオブジイヤー、97年ベ
ストティーチャー賞。
その後、ヘッド体積300㏄時
代を迎えてからは、チタン素材の
20
流 れを 変 えたのは、チタンド
ライバーが登場してから3年後に
10
90
172
Zaikai Kyushu / MAY.2011
打ちたい方向にフェースを真っ直
こうした数々の高性能な機能の
おかげで、一般アベレージゴルファ
て、今年はついに400㏄を切る
ブに合わせたスイングをしながら、 ッド体積は徐々に小さくなってき
ーは、高めのティーアップでクラ
ものも登場してきました。この大
回ってきています。460㏄からヘ
積が小さめのドライバーが多く出
として小顔ドライバー、つまり体
や製造技術によって以前よりも
事 実です。それに、新しい素 材
扱いやすいものになっているのは
とっては、自分のスイングなりに
が定まらなかったりしている人に
大型ヘッドで振り遅れたり、軌道
しく、打ちやすくなっているので、
のものに比べると、はるかにやさ
ぐに当てさえすれば、今までより
きさはほぼ 年前に戻ったことに
道調節ドライバー」
に至っています。 去年ぐらいからアスリートモデル
も確率高く理想的な弾道のナイス
ルファーは、大型ヘッドドライバ
るほど練習を積み重ねられないゴ
ングをクラブに合わせて変えられ
な影響もあって、今更自分のスイ
さらにゴルフのキャリアが長
く、日常の生活スタイルや年齢的
見かけるようになりました。
がらないというゴルファーを多く
も、なかなかスコアアップにつな
が真っ直ぐ良く飛ぶようになって
せんから、いくらティーショット
本でゲームをするわけではありま
たのですが、ゴルフはドライバー一
ショットが打てるようになってき
ライバーは
われがちですが、最新の小顔ド
一般的にはデカヘッドはやさし
く、小顔ドライバーは難しいと思
し始めているのです。
感性を生かせるクラブとして意識
アーで戦う選手にとっては自分の
しやすい特徴がありますから、ツ
やすく、当たり具合の誤差も察知
なりの癖でヘッドコントロールもし
小さいヘッドは単純に速くスイ
ングすることができますし、自分
でしょう。
年前の同じ大きさ
ニーズから生まれたと言ってよい
なるわけですが、これらはプロの
ても良いと思います。
らせる新兵器と言っ
のゴルフをよみがえ
体積が小さい小顔ド
にとって、このヘッド
しまったゴルファー
のゴルフを構築して
スイングなりに自分
出せていないゴルファーや、我流
ですから、アスリートだけでな
く、大型ヘッドの違和感から抜け
なっています。
が少なく飛距離が出るようにも
低重心、低スピン化されて曲がり
ライバーは自分自身
ーの性能の恩恵にさえもあずかれ
ず、また時代遅れのドライバーに
戻ってしまうという試行錯誤を繰
り返しているようです。
そんな悩みを克服してくれる救
世主が今年のモデルから多く出現
しています。それは460㏄とい
うデカヘッドから脱却する小顔ヘ
ッドドライバーです。
Zaikai Kyushu / MAY.2011
173
10
10
Fly UP