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【事例】を読み,下記の【設問】に答えなさい。
憲法 次の【事例】を読み,下記の【設問】に答えなさい。 【事例】 現在, 「製造たばこに係る広告を行う際の指針」(財務省告示第 109 号)は,たばこ事業 法の規定に基づき, 「テレビ,ラジオ及びインターネット等におけるたばこ広告」は, 「成 人のみを対象とすることが技術的に可能な場合を除き,行わないこと」 ,新聞・雑誌等にお ける広告は, 「主として成人の読者を対象としたものに行うこととし,その場合においても, 日刊新聞紙については,その影響力に鑑み,広告方法等に配慮すること」 ,はり札・看板等 におけるたばこ広告は, 「公共性の高い場所では行わないこと」などの指針を定めている。 しかし,指針だけでは効果が上がらないとして,たばこの需要をより一層減少させ,健 康被害を防止するため,一切のたばこ広告を禁止し,違反者には罰則を設けるという内容 のたばこ事業法改正が提案されたと仮定する。この法改正に対して,たばこ事業者は,憲 法 21 条 1 項違反で違憲であると強く反対しているが,政府は,本件で憲法 21 条 1 項は問 題とならず,憲法上の権利が問題となるとしても 22 条 1 項にとどまるので,当該法改正は 当然に合憲であるとの立場である,としよう。 【設問】 (1) 政府が,たばこ広告の禁止は,憲法 21 条 1 項の問題ではなく 22 条 1 項の問題であ り,かつ,この禁止は合憲である,と考えた理由を推測して述べなさい。 (2) あなたがたばこ事業者から依頼を受けた弁護士である場合,政府の憲法解釈に対し てどのように反論するか。 たばこ広告の禁止は憲法 21 条 1 項の問題である理由を説明 し,その全面禁止は違憲であるとの憲法解釈を展開しなさい。 【参照条文】 日本国憲法(抜粋) 第 21 条① 集会,結社及び言論,出版その他一切の表現の自由は,これを保障する。 ② (略) 第 22 条① 何人も, 公共の福祉に反しない限り, 居住,移転及び職業選択の自由を有する。 ② (略) (120点) 1